JPH10328328A - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
マルチピースソリッドゴルフボールInfo
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- JPH10328328A JPH10328328A JP9155813A JP15581397A JPH10328328A JP H10328328 A JPH10328328 A JP H10328328A JP 9155813 A JP9155813 A JP 9155813A JP 15581397 A JP15581397 A JP 15581397A JP H10328328 A JPH10328328 A JP H10328328A
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Abstract
くとも1層以上の包囲層4とからなるコア2と、このコ
ア2を被覆する内側カバー6とこの内側カバー6を被覆
する外側カバー7とからなるカバーとを具備するマルチ
ピースソリッドゴルフボールにおいて、上記内芯球3の
硬度が100kg荷重時の変形量で3〜8mmであり、
上記包囲層4の表面硬度がショアD硬度で内芯球3の表
面硬度よりも高く、上記内側カバー6のショアD硬度が
55以上で、外側カバー7のショアD硬度が35〜53
であると共に、ボール重量が44.5〜45.93g
で、慣性モーメントが〔1.52×(ボール重量
(g))+12.79〕(g・cm2)以上であること
を特徴とする。 【効果】 飛び性能、打感、コントロール性に優れ、特
に、グリーン上での微妙なアンジュレーションに影響さ
れない優れた直進性を有する。
Description
有するマルチピースソリッドゴルフボールに関し、更に
詳述すると、飛び性能、打感及びコントロール性が向上
すると共に、グリーン上での直進性に優れたマルチピー
スソリッドゴルフボールに関する。
種々の構造のゴルフボールが市場に提供されており、中
でも競技用ゴルフボールとして一般に用いられているの
は、ゴム基材を主材とするソリッドコアをアイオノマー
樹脂等からなるカバーで被覆したツーピースソリッドゴ
ルフボールとソリッド又はリキッドセンターに糸ゴムを
巻きつけ、これを上記カバーで被覆した糸巻きゴルフボ
ールである。
は、優れた飛び性能及び耐久性を有することから、多く
の一般ゴルファーに使用されているが、打感が非常に硬
く感じられ、また打撃時の球離れの速さからコントロー
ル性に劣るという欠点を有する。
を改良するべく、軟らかいタイプのツーピースソリッド
ゴルフボールが種々提案されている。このような軟らか
いソリッドゴルフボールの傾向として、一般的に軟らか
いコアを用いるものが多いが、コアが軟らかいと、反発
性が低下して飛び性能が低下すると共に、耐久性が著し
く低下するため、ツーピースソリッドゴルフボール本来
のもつ優れた飛び性能及び耐久性を維持することができ
ないばかりでなく、実際の使用に耐え難くなるという問
題が生じることがある。
なくフィーリングやコントロール性の向上を図ることが
できるソリッドゴルフボールが求められており、このよ
うな提案として、内芯球とカバーとの間に中間層を介在
させた3層構造からなるスリーピースソリッドゴルフボ
ールを挙げることができる。
ールとして、例えば、(1)比較的軟らかく直径の小さ
い内芯球に、この内芯球より硬い中間層を被覆形成して
なるソリッドコアを有すると共に、打撃時におけるクラ
ブフェイス面の接触面積率が規定されたスリーピースソ
リッドゴルフボール(特公平4−55077号公報、特
開昭64−80377号公報等)、(2)ソリッドコア
(内芯球)に中間層として内側カバーを被覆し、更にそ
の表面に外側カバーが被覆形成されたスリーピースソリ
ッドゴルフボールであって、上記ソリッドコアの直径及
び比重、内側カバーの厚さ、比重及びJIS−C硬度、
外側カバーの厚さが規定され、特に内側カバーのJIS
−C硬度が比較的高く規定されたスリーピースソリッド
ゴルフボール(特開平7−24084号公報など)、及
び(3)ソリッドコアの直径及び比重、中間層(内側カ
バー)の厚さ、比重及びJIS−C硬度、外側カバーの
厚さが規定され、特に中間層のJIS−C硬度が比較的
高く規定されたスリーピースソリッドゴルフボール(特
開平7−24085号公報など)などが提案されてい
る。
ッドゴルフボールに関する提案は、カバーの硬度を明確
に規定していないが、比較的軟らかい硬度のカバーを有
するゴルフボールを形成すると、反発性が不十分であっ
たり、一方、硬い硬度のカバーを有するゴルフボールを
形成すると、該カバーに被覆される中間層がソリッドコ
アより硬いことに起因して、小変形のアプローチショッ
トなどで打感が硬くなってしまう。
フボールは、ソフトな打感を得るこはできるが、外側カ
バーが硬いためコントロール性に劣る。
フボールも、打感、反発に最も影響あるコアが比較的軟
らかく形成されているが、打感が十分に軟らかい範囲で
は反発が不十分であり、飛距離がでない。逆に反発が十
分な範囲のコア硬度だと中間層も硬いため打感が硬くな
り、更に、特に低ヘッドスピードのプレーヤーではボー
ルに十分な変形を与えられず、飛距離が十分に得られな
い。
上述した問題に関し、慣性モーメントを向上させること
により改善を図る提案がある。例えば特公平4−484
73号公報は、カバー材やコア材に充填剤を加えること
により、慣性モーメントをコントロールして、飛距離の
増大、カバー表面の耐久性や見た目を低下させないソリ
ッドゴルフボールを提案している。
確に規定されていないが、硬いコアを使用すると打感が
硬くなり、また、軟らかいコアを使用すると、ソフトな
打感を得ることはできるが、反発性が低下して飛び性能
に劣る上、外側カバーが硬く、コントロール性に劣ると
いう問題を有している。
で、内芯球、包囲層、内側カバー、外側カバー、ボール
重量及び慣性モーメントを適正化することにより、飛び
性能、打感、コントロール性、グリーン上での直進性の
いずれにも優れているマルチピースソリッドゴルフボー
ルを提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、内芯球と、該内芯球とを被覆する少なくとも1層以
上の包囲層とからなるマルチプルソリッドコアと、該コ
アを被覆する内側と、該内側を被覆する外側とからなる
カバーを有するマルチピースソリッドゴルフボールにお
いて、上記内芯球の硬度を100kg荷重時の変形量
(たわみ量)で3〜8mmとし、上記包囲層の表面硬度
をショアD硬度で内芯球の表面硬度よりも高く上記内側
カバーのショアD硬度を55以上、外側カバーのショア
D硬度を35〜53とすると共に、ボール重量を44.
5〜45.93g、慣性モーメントを〔1.52×(ボ
ール重量(g))+12.79〕(g・cm2)以上と
したマルチピースソリッドゴルフボールを形成すること
により、ゴルフボールの各層とボール全体の重量及び慣
性モーメントとがそれぞれ適正化され、ドライバーやロ
ングアイアンなどの打撃時には、高反発性を示す上、慣
性モーメントが大きく、スピン性能、飛び性能が向上す
ると共に、非常にソフトな打感が得られ、サンドウェッ
ジやショートアイアン打撃のアプローチショット時に
は、スピン量が多くランを少なくすることができ、打感
が良好で、更にパッティング時には、グリーン上での微
妙なアンジュレーションに影響されない優れた直進性を
有するものであることを知見した。しかもこの場合、内
芯球をゴム基材を主材として形成すると共に、直径を2
0〜37mmとし、かつコアの直径を32〜41mmと
すること、上記内側カバーの厚さを0.5〜3mm、外
側カバーの厚さを0.3〜3mmとし、かつ内側カバー
と外側カバーとのショアD硬度差を5以上とすること、
外側カバー、内側カバー及び包囲層のいずれか1以上に
高比重無機充填剤を配合すること、及び外側カバーを熱
可塑性ポリウレタンエラストマーで形成することによ
り、上述した優れた特性をより顕著に発揮できることを
知見し、本発明をなすに至ったものである。
芯球を被覆する少なくとも1層以上の包囲層とからなる
コアと、このコアを被覆する内側カバーとこの内側カバ
ーを被覆する外側カバーとからなるカバーとを具備する
マルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記内芯
球の硬度が100kg荷重時の変形量で3〜8mmであ
り、上記包囲層の表面硬度がショアD硬度で内芯球の表
面硬度よりも高く、上記内側カバーのショアD硬度が5
5以上で、外側カバーのショアD硬度が35〜53であ
ると共に、ボール重量が44.5〜45.93gで、慣
性モーメントが〔1.52×(ボール重量(g))+1
2.79〕(g・cm2)以上であることを特徴とする
マルチピースソリッドゴルフボール、(2)内芯球がゴ
ム基材を主材とすると共に、直径が20〜37mmであ
り、かつコア径が32〜41mmである(1)記載のマ
ルチピースソリッドゴルフボール、(3)内側カバーの
厚さが0.5〜3mmで、外側カバーの厚さが0.3〜
3mmであり、かつ内側カバーと外側カバーとのショア
D硬度差が5以上である(1)又は(2)記載のマルチ
ピースソリッドゴルフボール、(4)外側カバー、内側
カバー及び包囲層のいずれか1以上が高比重無機充填剤
を配合してなる(1)〜(3)のいずれか1項記載のマ
ルチピースソリッドゴルフボール、及び(5)外側カバ
ーが熱可塑性ポリウレタンエラストマーである(1)〜
(4)のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴル
フボールを提供する。
発明のマルチピースソリッドゴルフボール1は、図1に
示したように、内芯球3とそれを被覆する包囲層4とか
らなるソリッドコア2と、内側カバー6と外側カバー7
とからなるカバー5とから形成されているもので、上述
したように、内芯球の硬度、内芯球と包囲層との表面硬
度のショアD硬度差、内側及び外側カバーのショアD硬
度、ボール重量及びその慣性モーメントをそれぞれ適正
化したものである。なお、本発明において、上記包囲層
4は単層に形成しても(この場合、ゴルフボールは4層
構造となる)、複数層に形成してもよく、特に制限され
るものではない。
3は、その硬度が100kgの荷重を加えた時の変形量
(たわみ量)で3〜8mmであり、特に3.5〜7.5
mmであることが好ましい。ここで、100kg荷重負
荷時の変形量が8mmより大きいと、反発力が低下し、
飛距離が低下する傾向があり、変形量が3mmより小さ
いとフィーリングが低下する。なお内芯球3の好適な表
面硬度は、後述する包囲層よりも低く、ショアD硬度
で、通常15〜55、特に20〜50であることが好ま
しい。
のではないが、通常、比重1.0〜1.7、特に1.0
〜1.5に調整することが好ましい。
来のツーピースソリッドゴルフボールのコアと同様に、
公知の材料、製法によって形成することができ、例えば
使用し得る材料として、ゴム基材、架橋剤、共架橋剤、
不活性充填剤等を挙げることができる。
/又は合成ゴムを好適に使用することができ、特に、シ
ス構造を少なくとも40%以上有する1,4−ポリブタ
ジエンが好適に使用し得る。この場合、所望により該ポ
リブタジエンに、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチ
レンブタジエンゴム等を適宜配合してもよい。
やジ−t−ブチルパーオキサイドのような有機過酸化物
が例示されるが、特に好ましくはジクミルパーオキサイ
ドである。架橋剤の配合量はゴム基材100重量部に対
して、通常0.5〜2.0重量部が好ましい。
塩、特に、炭素原子数3〜8の不飽和脂肪酸(例えばア
クリル酸、メタアクリル酸)の亜鉛塩やマグネシウム塩
が例示されるが、アクリル酸亜鉛が特に好適である。こ
の共架橋剤の配合量はゴム基材100重量部に対して5
〜50重量部の範囲内で適宜調整することができる。
リウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等が例示さ
れるが、酸化亜鉛、硫酸バリウムが一般的で、その配合
量はコアとカバーの比重、ボールの重量規格等に左右さ
れ、特に限定されないが、通常は、ゴム基材100重量
部に対して5〜100重量部である。なお、本発明にお
いては上記架橋剤、共架橋剤や、不活性充填剤の配合割
合を適宜調整することで最適な重量や内芯球の100k
g荷重負荷時の変形量を得ることができる。
物は、通常の混練機、例えばバンバリーミキサーやロー
ル等を用いて混練し、内芯球用金型に圧縮又は射出成形
し、成形体を架橋剤及び共架橋剤が作用するのに十分な
温度(例えば架橋剤としてジクミルパーオキサイドを用
い、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用いた場合には約
130〜170℃)で加熱硬化することにより、内芯球
を調製することができる。
する包囲層、内側カバー及び外側カバーの厚さに応じて
その直径が適宜調整されるが、本発明においては、直径
が20〜37mm、特に22〜35mmになるように形
成されることが好ましい。
の表面硬度がショアD硬度で上記内芯球の表面硬度より
高く形成するもので、このように比較的軟らかい内芯球
3に対して比較的硬く、反発性の良好な包囲層を被覆す
ることにより、反発を保ちながら非常に軟らかい打感を
得ることができる。また、内芯球が軟らかいので低ヘッ
ドスピードのプレイヤーでも十分にボールに変形を与え
ることができ、十分な飛距離が得られる。この場合、包
囲層の表面硬度はショアD硬度で40〜70、特に45
〜68であることが好ましく、内芯球の表面硬度より5
〜55、特に5〜45高いことが好ましい。
様にゴム基材を主成分として形成することができるが、
アイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂から形成することも
でき、この場合、使用し得る熱可塑性アイオノマー樹脂
として具体的には、ハイミラン1605、同1856、
同1557、同AM7317、同AM7318(三井・
デュポンポリケミカル(株)製)等の市販されているも
のを例示することができ、これらは1種を単独あるいは
2種以上を混合して用いることができる。
際し、材料中に高比重無機充填剤を配合して比重を調整
することができ、その比重はベースになる材料や内芯
球、カバーなどの比重により左右されるが、通常1.0
〜1.7、特に1.0〜1.5に調整することができ
る。この場合、使用し得る高比重無機充填剤として具体
的には、タングステン、酸化亜鉛、硫酸バリウムなどを
挙げることができる。
しない場合、その比重はベースになる材料や内芯球、カ
バーなどの比重により左右されるが、0.9〜1.3、
特に0.9〜1.2であることが好ましい。
得るには、上記内芯球3を金型内に設置した後、上記材
料のゴム組成物又は樹脂材料に応じて圧縮成形又は射出
成形により内芯球3上に被覆形成する公知の方法に従っ
て行えばよい。なお、包囲層4が2層以上の場合にも同
様の方法でソリッドコアを形成することができる。
とからなるソリッドコア2は、上述したショアD硬度に
よる表面硬度範囲を満たすものであればよく、特に制限
されるものではないが、コアとしての直径が32〜41
mm、特に34〜40mmに形成し得る。
ルは、上述した内芯球3と包囲層4とからなるソリッド
コア2にカバー5を被覆してなるもので、このカバー5
は、ソリッドコア2の表面を被覆する内側カバー6と、
この内側カバー6の表面を被覆する外側カバー7とから
なるものである。
5以上、特に55〜70であり、また外側カバー7は、
上記内側カバー6よりもショアD硬度が低く、ショアD
硬度35〜53で、特に40〜53である。また、その
硬度差は5以上、好ましくは5〜30であることが望ま
しい。
により、アプローチショット時におけるスピン性能、ア
プローチショット、パッティング時の打感をソフトにす
ることができる。また、内側カバーに硬く、反発のよい
樹脂を用いることにより、飛び性能を良好に保つことが
できる。
〜3mm、特に0.7〜2.8mmで、外側カバー7の
厚さは0.3〜3mm、特に0.5〜2.5mmである
ことが好ましい。内側カバーが厚すぎるとフィーリング
が悪くなり、逆に薄すぎるとボールの反発性が低下し、
良好な飛び性能が得られない場合がある。また、外側カ
バーが薄すぎると、ボールの耐久性が劣化し、厚すぎる
と反発性が低下する。
成する材料は特に制限されるものではなく、公知のカバ
ー材を使用し得、アイオノマー樹脂や非アイオノマー樹
脂の熱可塑性樹脂を用い、上述した硬度に形成すること
ができる。この場合、内側カバーとしては、ハイミラン
1605、同1706、同1557、同1856、同1
601、同AM7317、同AM7318、(三井・デ
ュポンポリケミカル(株)製)等の熱可塑性アイオノマ
ー樹脂、ハイトレル5557(東レ・デュポン(株)
製)等の熱可塑性ポリエステルエラストマーなどの市販
品を例示することができ、これらは単独或いは2種以上
を混合して用いることができる。
は、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、アイオノマー
樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラスト
マー等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上
使用することができる。具体的には、ハイミラン170
6(三井・デュポンポリケミカル(株)製)、サーリン
8120(デュポン(株)製)等のアイオノマー樹脂、
パンデックスT7890,同T7298(商品名:大日
本インキ化学工業(株)製)等の熱可塑性ポリウレタン
エラストマーなどの市販されているものを挙げることが
できるが、本発明においては、特に、上述した熱可塑性
ポリウレタンエラストマーを用いることが好ましい。
カバー6の比重を調整するため、高比重無機充填剤を添
加することができ、この充填剤としては、上述した包囲
層4と同様のもの挙げることができ、その使用量も同様
とすることができ、これによってその比重を、ベースに
なる樹脂やコアの比重などによって左右されるが、通常
1.0〜1.5とすることができる。なお、高比重無機
充填剤を配合しない場合の比重は、使用する樹脂によっ
て左右されるが、0.9〜1.2とすることができる。
ルは、ボール重量が44.5〜45.93gに形成さ
れ、下記式(1)にて決定される値以上の慣性モーメン
ト(MI)を有するものである。
メントは、カバー硬度との相関で適性範囲を有してい
る。つまり、カバーが硬いと大きい必要があり、軟らか
いと硬いカバーほど大きい必要がない。それは、カバー
が軟らかいとインパクト時の摩擦力が大きくスピンが掛
かりやすく、逆にカバーが硬いと摩擦力が小さいためス
ピンが掛かりにくくなるためで、硬いカバーを用い、低
いスピン量で打ち出されたボールは、慣性モーメントが
小さいと早く減衰してしまい、落ちる際失速してしま
う。逆に、軟らかいカバーを用い、高いスピン量で打ち
出されたボールは、慣性モーメントが大きすぎると、ス
ピン減衰が小さいために、飛翔中必要以上のスピンによ
り吹き上がり気味になり、いずれも飛距離が低下する傾
向になる。
5は硬い内側カバーと軟らかい外側カバーとからなって
おり、上述した単層カバーの硬度の硬軟による慣性モー
メントの規定をそのまま適用できない上、軟らかい内芯
球と硬い包囲層とからなるソリッドコアを被覆形成され
るものであるゆえ、この硬軟構造に適した慣性モーメン
トの規定を上述した範囲に適正化したものである。従っ
て、慣性モーメントが上述した値より低いと、スピン保
持力が十分でなく、伸びのある弾道が得られずに飛距離
の低下を招くこととなる。
することにより、パッティング時におけるグリーン上で
の転がり性が向上し、グリーン上の微妙なアンジュレー
ションに左右されることのない優れた直進性を得ること
ができる。
さ)及び比重から求めた計算値であり、ボールを球形と
みなすことにより下記式(2)により求めることができ
る。この場合、計算上ボールを球形にしているが、実際
にはディンプルが存在するため、外側カバー層の比重は
実際の外側カバー樹脂よりも小さくなる。ここではそれ
を外側カバー仮想比重と呼び、これを用いて慣性モーメ
ントを計算する。
側カバーの比重、直径等を適宜選定して、式(2)から
求めた慣性モーメントを式(1)で定まるボール重量に
て算出する慣性モーメント以上の値とするものである。
であるが、包囲層が多層の場合も同様の式で計算するこ
とができる。
上記内芯球3、包囲層4、内側カバー6、及び外側カバ
ー7の各層と、これらが積層されたゴルフボールのボー
ル重量及び慣性モーメントとが適正化されているので、
ドライバーやロングアイアンで打撃した際には、良好な
反発性及び適度に抑えられたスピン量になり、吹き上が
りがなく良好なスピン保持力による伸びのある弾道によ
って飛距離の増大を図ることができ、ショートアイアン
やピッチングウェッジで打撃した場合には、スピン特性
によってよく止まり、ランの少ないコントロール性に優
れた打球を得ることができるので、ピンをデッドに狙う
ことができ、更に、グリーン上でパッティングを行う場
合には、優れた転がり性によって、微妙なアンジュレー
ションに左右されにくい良好な直進性が得られ、いずれ
のショット及びパッティングにおいても非常に軟らかく
良好な打感が得られ、ラウンド中のあらゆる場面におい
て、優れた性能を発揮し得るものである。
ボールと同様にして多数のディンプルを表面に形成する
ことができる。この場合、ディンプル個数は特に制限さ
れるものではないが、通常300〜550個、特に33
0〜500個とすることができる。また、ディンプルは
直径、深さなどが相違する2種又はそれ以上の多種類の
ものとすることができる。なお、ディンプルの配列態様
は、特に制限されるものではなく、正8面体配列、正1
2面体配列、正20面体配列等の公知のの配列を採用す
ることができる。更に、ディンプルの配列によりボール
表面に描かれる模様もスクウェアー形、ヘキサゴン形、
ペンタゴン形、トライアングル形などの種々の模様とす
ることができる。
状については、上記範囲を逸脱しない限り、ゴルフ規則
に従い適宜設定することができる。
ールは、内芯球、包囲層、内側カバー、及び外側カバー
と、ボール重量及び慣性モーメントとが最適化されてい
るので、飛び性能、打感、コントロール性に優れ、特
に、グリーン上での微妙なアンジュレーションに影響さ
れない優れた直進性を有するもので、ラウンド中のあら
ゆる場面において、優れた性能を発揮し得る。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
(単位は全て重量部)のゴム組成物及び熱可塑性樹脂を
使用して公知の方法で表2に示した性状のソリッドゴル
フボールをそれぞれ得た。この場合、得られたゴルフボ
ールの外側カバーの表面にはそれぞれディンプルを正2
0面体配列で420個形成した。
記公報等に基づいて形成したもので、以下の特徴を有す
る。
従って形成したスリーピースソリッドゴルフボールで、
外側カバー硬度がショアD硬度で、コア(内芯球のみ)
及び内側カバーのショアD硬度よりも大きい。
従って形成したスリーピースソリッドゴルフボールで、
コア(内芯球のみ)のショアD硬度が内側カバーのショ
アD硬度よりも軟らかい。
従って形成したスリーピースソリッドゴルフボールで、
内側カバーの比重が大きく、またコア硬度(内芯球のみ
の硬度)が外側カバー及び内側カバーの硬度よりもショ
アD硬度で軟らかい。
ルフボールで、コア硬度(内芯球のみの硬度)がカバー
硬度よりもショアD硬度で硬い。
法により、慣性モーメント、飛び性能、スピン性能、打
感、及び転がり性を評価した。結果を表2に併記する。
値の平均値をとった。重量についてはボールを作る途中
で内芯球、コア、内側カバーを被覆したもの、ボールの
それぞれの重量を測定した。また、この測定値から付着
重量、体積を算出し、比重を算出した。この場合、外側
カバーについては、上述の仮想比重とした。これらの値
を下記式(2)に当てはめ、慣性モーメントを算出し
た。 MI=A×{(a−b)×m5+(b−c)×n5+(c−d)×p5 +d×q5} …(2) MI:慣性モーメント(g・cm2 ) A:定数、π/5880000 a:内芯球比重 b:包囲層比重 c:内側カバー比重 d:外側カバー仮想比重 m:内芯球直径 n:コア直径 p:コアに内側カバーを被覆した後の球体の直径 q:ボール直径 *各層の直径及び厚さの単位はmm
ウィングロボットを用い、ドライバー(PRO 230
Titan,ロフト10度(ブリヂストンスポーツ
(株)製)(#W1))を用いてヘッドスピード50m
/sec(HS50)35m/sec(HS35)でそ
れぞれショットしたときのスピン、キャリー、トータル
飛距離を測定した。
(#SW)を用いて、ヘッドスピード25m/sec
(HS25)で実打した時のスピン量、ラン(トータル
とキャリーの差)を測定した。
ァー及び女子トップアマ各5名によりドライバー(#W
1)、グリーン上でパター(#PT)打撃したときの感
触をそれぞれ以下の基準により評価した。 (#W1) ○:軟らかい △:普通 ×:硬い (#PT) ○:軟らかい △:普通 ×:硬い
具合を下記基準により評価した。 ○:直進性があり転がりに伸びがある。 ×:直進性に欠け伸びがない。
ノマー樹脂 サーリン:デュポン社製のアイオノマー樹脂 ハイトレル:東レ・デュポン社製のポリエステル系熱可
塑性エラストマー パンデックス:大日本インキ化学工業社製の熱可塑性ポ
リウレタンエラストマー
の慣性モーメント:81.65g・cm2
ルによれば、内芯球、包囲層、内側カバー、及び外側カ
バーと、ボール重量及び慣性モーメントとが最適化され
ているので、飛距離が増大し、優れたスピン性能、非常
にソフトな打感が得られる上、ランが少ないためコント
ロール性がよく、グリーン上での微妙なアンジュレーシ
ョンに影響されない直進性に優れたゴルフボールである
ことが認められた。これに対して、比較例1のゴルフボ
ールは、ドライバーで打撃した時の打感は軟らかいが、
慣性モーメントが小さいので、スピンの持続力に欠け、
飛び性能やコントロール性(ランの大きさ)が劣る上、
パッティング時には、外側カバーの硬度が硬いため打感
が硬く、転がり具合に劣り、比較例2のゴルフボール
は、打感は軟らかいが、コアとカバーが軟らかいので、
反発性、飛び性能に劣る上、慣性モーメントが小さいた
め、スピンの持続力に欠け、飛び性能、コントロール性
やパター打撃時の転がり具合に劣る。更に、比較例3の
ゴルフボールは、内側カバーの比重が大きく、慣性モー
メントが大きいため、スピンは持続性があり、飛距離を
出すことはできるが、コアが硬いため打感が硬く、カバ
ーが硬いためコントロール性に欠けるもので、更に、比
較例4のゴルフボールは、コアが硬いので、打感が硬く
感じられる上、カバーが軟らかいので、スピン量が多く
なり、飛距離に劣り、しかも慣性モーメントが小さいた
め、スピンの持続力に欠け、飛び性能、コントロール
性、及びパターの転がり具合がいずれも劣る。
一実施例を示す断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 内芯球とこの内芯球を被覆する少なくと
も1層以上の包囲層とからなるコアと、このコアを被覆
する内側カバーとこの内側カバーを被覆する外側カバー
とからなるカバーとを具備するマルチピースソリッドゴ
ルフボールにおいて、上記内芯球の硬度が100kg荷
重時の変形量で3〜8mmであり、上記包囲層の表面硬
度がショアD硬度で内芯球の表面硬度よりも高く、上記
内側カバーのショアD硬度が55以上で、外側カバーの
ショアD硬度が35〜53であると共に、ボール重量が
44.5〜45.93gで、慣性モーメントが〔1.5
2×(ボール重量(g))+12.79〕(g・c
m2)以上であることを特徴とするマルチピースソリッ
ドゴルフボール。 - 【請求項2】 内芯球がゴム基材を主材とすると共に、
直径が20〜37mmであり、かつコアの直径が32〜
41mmである請求項1記載のマルチピースソリッドゴ
ルフボール。 - 【請求項3】 内側カバーの厚さが0.5〜3mmで、
外側カバーの厚さが0.3〜3mmであり、かつ内側カ
バーと外側カバーとのショアD硬度差が5以上である請
求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボー
ル。 - 【請求項4】 外側カバー、内側カバー及び包囲層のい
ずれか1以上が高比重無機充填剤を配合してなる請求項
1乃至3のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴ
ルフボール。 - 【請求項5】 外側カバーが熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマーである請求項1乃至4のいずれか1項記載のマ
ルチピースソリッドゴルフボール。
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