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JPH10319063A - 静電容量変化量検出装置及びこれに用いられる積分器 - Google Patents

静電容量変化量検出装置及びこれに用いられる積分器

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Publication number
JPH10319063A
JPH10319063A JP12712397A JP12712397A JPH10319063A JP H10319063 A JPH10319063 A JP H10319063A JP 12712397 A JP12712397 A JP 12712397A JP 12712397 A JP12712397 A JP 12712397A JP H10319063 A JPH10319063 A JP H10319063A
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JP
Japan
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output
integrator
capacitances
circuit
capacitance
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Pending
Application number
JP12712397A
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English (en)
Inventor
Homare Masuda
誉 増田
Yasuhide Yoshikawa
康秀 吉川
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Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
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Publication date
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Publication of JPH10319063A publication Critical patent/JPH10319063A/ja
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造を簡単にし、基準容量とセンサ容量との
差が正の値でなければならないという条件を無くし、さ
らに従来複雑な処理で得ていた2つのセンサ容量の容量
比を容易に得られる静電容量変化量検出装置と、これに
好適な積分器とを提供する。 【解決手段】 検出対象の物理量及び化学量に応じて変
化する2つの静電容量(C1,C2)のうちいずれか一
方を定数の一部とする積分器(12)と、積分器の出力
電圧の値に応じて2つの静電容量(C1,C2)のいず
れか一方を選択して積分器の要素とする選択回路(1
5)と、積分器の出力部と入力部との間に設けた帰還回
路(13,14)と、積分器の出力を矩形波に変換する
出力回路(11)とを含み、出力回路(11)から、2
つの静電容量(C1,C2)の比率で決定されるデュー
ティ比を持つ矩形波信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電容量の変化量
を検出又は測定する検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静電容量の変化を検出し或いは測
定する装置として、静電容量型センサが知られている。
そして、検出信号を生成するためのインタフェース回路
として、多くの場合、静電容量型センサを周波数決定素
子とする発振回路が使用されている。
【0003】この回路の発振周波数をω、センサの静電
容量をC,容量の変化率をΔCとすると、発振周波数ω
は静電容量Cに応じて変化し、その変化率は、次のよう
に表わされる。
【0004】
【数1】 従来の静電容量型センサを含む発振回路の発振周波数
(ω)は、センサの全容量(CS =CB +ΔC)によっ
て決定される。ここで、CB はセンサがある基準状態に
ある時の静電容量(ベース容量)、ΔCは静電容量の変
化量である。このため、センサの全容量(CS )に比べ
て変化量(ΔC)が小さい場合には、発振周波数の変化
量も小さくなる。これが容量測定のダイナミックレンジ
を狭め、高精度化を困難にしている。また、寄生容量お
よび浮遊容量などの誤差要因も問題になる。
【0005】このような問題点を解決するものとして、
検出対象の物理量または化学量に応じた静電容量を有す
る検出器の静電容量(CS )と基準静電容量(Cr )と
の差を定数の一部とする差動容量反転積分器を含み、こ
れらの静電容量の差で発振周波数を決定する発振回路を
備えたことを特徴とする静電容量変化量検出装置が発明
され、本出願人により特許出願されている(特開平8−
62266号)。この検出装置に用いられている差動容
量反転積分器は、オペアンプの(+)側の入力端子を接
地すると共に(−)側の入力端子に抵抗を接続し、オペ
アンプの出力端子と(−)側の入力端子の間には、フィ
ードバック要素として、反転増幅器(ゲイン=−k)に
直列接続した基準容量(Cr )とセンサ容量(CS )と
を並列接続して構成したものである。この構成により、
積分器は、基準容量(Cr )とセンサ容量(CS )との
差(CS −kCr )を定数の一部とする積分器となって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような差
動容量反転積分器を含んだ静電容量変化量検出装置は、
差動容量反転積分器のフィードバック要素に反転増幅器
を含むので、構成が複雑になり、且つ基準容量(Cr
とセンサ容量(CS )との差(CS −kCr )が正の値
でなければ動作しないという問題点があった。
【0007】また、静電容量の変化量を検出するため
に、センサ容量を2つ(CS +,CS -)に分け、一方のセ
ンサ容量(CS +)が増加し、他方のセンサ容量(CS -
が減少するように構成された2つのセンサを使用して両
センサの容量比をとる方法も提案されている。この場
合、2つの静電容量に対して2つのアナログスイッチと
第2の基準容量(CC )とを設け、アナログスイッチの
切替え信号により前記発振回路から2種類の発振出力を
生成し、これら2種類の発振出力をディジタル信号処理
回路で割算することにより、前記2つの静電容量の差に
対応した発振出力の比を検出している。しかし、この方
法では、2つのセンサ容量(CS +,CS -)の容量比を得
るための信号処理が複雑であるという問題点があった。
【0008】本発明の目的は、構成を簡単にし、基準容
量とセンサ容量との差が正の値でなければならないとい
う条件を無くし、さらに従来複雑な処理で得ていた2つ
のセンサ容量の容量比を容易に得られる静電容量変化量
検出装置と、これに好適な積分器とを提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の静電容量変化量
検出装置は、検出対象の物理量および化学量に応じて変
化する2つの静電容量のうちいずれか一方を定数の一部
とする積分器と、この積分器の出力電圧の値に応じて2
つの静電容量のいずれか一方を選択して積分器の要素と
する選択回路と、前記積分器の出力部と入力部との間に
設けた帰還回路と、前記積分器の出力を矩形波に変換す
る出力回路とを含み、前記出力回路から、前記2つの静
電容量の比率で決定されるデューティ比を持つ矩形波信
号を出力することを特徴とする。
【0010】より具体的な態様では、前記帰還回路は、
積分器の出力を反転加算する反転加算器と、この反転加
算器の出力と自己の出力とを比較する比較器とで構成さ
れ、この比較器の出力を積分器の入力とする。
【0011】本発明の別の態様は、検出対象の物理量お
よび化学量に応じて変化する2つの静電容量のうちいず
れか一方を定数の一部とする積分器と、前記積分器の出
力電圧の値に応じて前記静電容量のいずれか一方を選択
して前記積分器の要素とする選択回路と、前記積分器の
出力を反転加算する反転加算器と、前記反転加算器の出
力と自己の出力とを比較する第1比較器と、前記反転加
算器の出力と第1比較器の出力とを比較する第2比較器
と、前記第1比較器の出力と第2比較器の出力との排他
的論理和を取り反転する出力回路とを含み、前記第1比
較器の出力を前記積分器の入力とすることにより、前記
出力回路から、前記2つの静電容量の比率で決定される
パルス幅を持つ矩形波信号を出力することを特徴とす
る。
【0012】以上の構成において、2つの静電容量は、
一方の静電容量が増加し、他方の静電容量が減少するこ
とで、2つの静電容量の和が一定値となるように構成す
ることが好ましい。
【0013】本発明の積分器は、検出対象の物理量およ
び化学量に応じて変化する2つの静電容量と、前記2つ
の静電容量のうちいずれか一方を定数の一部とする積分
回路と、前記積分回路の出力電圧の値に応じて前記2つ
の静電容量のいずれか一方を選択して前記積分回路の要
素とする選択回路とを備えたことを特徴とする。
【0014】前記選択回路は、例えば、2つの静電容量
と積分回路の出力端子との間に接続された2つのダイオ
ードから成る。この場合、2つのダイオードは互いに逆
向きに接続され、前記積分回路が負の電圧を出力したと
きは一方の静電容量を選択し、前記積分回路が正の電圧
を出力したときは、他方の前記静電容量を選択するよう
に構成される。
【0015】
【作用及び効果】本発明の静電容量変化量検出装置で
は、選択回路により、積分器の出力電圧の値に応じて2
つの静電容量のいずれか一方が交互に選択され、積分要
素となる。このため、積分器は2つの静電容量の比率に
対応した振動波形を出力するので、これを出力回路で矩
形波に変換することにより、2つの静電容量の比率に対
応したデューティ比を有する矩形波信号が得られる。
【0016】本発明の別の態様によれば、検出対象の物
理量および化学量に応じて変化する2つの静電容量の比
率でパルス幅が決定される矩形波信号が得られる。
【0017】以上の構成において、2つの静電容量のう
ち一方の静電容量が増加し、他方の静電容量が減少する
ことで2つの静電容量の和が一定値となるように構成す
ると、前記矩形波の周波数は一定となるので、後の信号
処理が容易になる。
【0018】また、本発明の積分器によれば、積分回路
の出力電圧によって2つの静電容量のいずれか一方を積
分回路の要素として選択することができる。
【0019】本発明によれば、静電容量型センサから検
出信号を生成するためのインタフェース回路として、よ
り簡潔な構成でレシオメトリック信号処理を行う回路が
提供される。この回路は、基本的には弛張発振器である
が、従来のものは、容量の変化を周波数で検出するのに
対し、本発明は、容量の変化をデューティ比で検出す
る。よって時間領域での信号処理が可能となり、測定が
高速化される。以下、詳細に説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】差動容量型センサは、図1に示す
ように、共通の電極を介して接続した2つの静電容量
(キャパシタ)C1 ,C2 から成る等価回路で表わされ
る。検出対象の変位xに対応して静電容量が直線的に変
化する1次元変移センサでは、2つの静電容量C1 ,C
2 は次式で表わされる。
【0021】
【数2】 ここで、C0 は検出器の静電容量の合計である。一方、
差動圧力検出装置では圧力差xに対応して電極間の間隔
が直線的に変化するので、静電容量C1 ,C2は次式で
表わされる。
【0022】
【数3】 静電容量の変化が、(1)式のように直線的な場合、
(2)式のように双曲線的な場合のいずれでも、センサ
で検出される測定値xは、静電容量の合計値C0から独
立した次式で表わされ、レシオメトリックな変化をす
る。
【0023】
【数4】 実施例1 図2は、2つの静電容量C1 ,C2 の変化量を検出する
装置の回路構成を示す。この回路は、発振回路10と出
力回路11とから成る。発振回路10は、積分器12、
反転加算器13及び比較器14で構成されている。ここ
で、反転加算器13と比較器14は帰還回路を構成し、
比較器14の出力を積分器12にフィードバックするこ
とによって弛張発振回路を構成している。
【0024】積分器12は、オペアンプA1 と、抵抗R
t と、2つの静電容量C1 及びC2と、2つのダイオー
ドD1 及びD2 とを含み、オペアンプA1 の(+)側の
入力端子を接地すると共に(−)側の入力端子に抵抗R
t を接続し、オペアンプA1の出力端子と(−)側の入
力端子との間には、フィードバック要素として、ダイオ
ードD1 のアノード側に接続された静電容量C1 とダイ
オードD2 のカソード側に接続された静電容量C2 とを
並列接続して構成したものである。2つのダイオードD
1 及びD2 をこのように接続することにより、2つの静
電容量C1 ,C2 を選択的に切り換える選択回路15が
構成されている。積分器12は、それ自身の出力で2つ
のダイオードD1 及びD2 のいずれか一方を導通状態と
し、静電容量C1 及びC2 のいずれか一方に電気的に接
続することにより、積分出力を生成する。なお、ダイオ
ードD1 及びD2 は理想的なもので、ダイオード自体の
電圧降下は無視できるものとする。ここで、抵抗Rt
流れる電流をI1 、オペアンプA1 の出力電圧をV1
静電容量C1 とダイオードD1 の接続点の電位をVC1
静電容量C2 とダイオードD2 の接続点の電位をVC2
する。
【0025】反転加算器13は、オペアンプA2 と、抵
抗R1 ,R2 ,R3 とを含み、オペアンプA2 の(+)
側の入力端子を接地すると共に(−)側の入力端子に抵
抗R1 ,R2 を接続し、オペアンプA2 の出力端子と
(−)側の入力端子との間に抵抗R3 を接続して構成し
たものである。抵抗R1 の他方の端子は、積分器12の
静電容量C1 に接続され、抵抗R2 の他方の端子は、積
分器12の静電容量C2に接続される。この反転加算器
13は、抵抗R1 ,R2 ,R3 の値をすべて等しくする
ことで重み(−1)を持つ。また、選択回路15のダイ
オードD1 及びD2 は同時に導通状態にならないので、
反転加算器13は反転ボルテージフォロアとして動作す
る。ここで、オペアンプA2 の(−)側の入力端子の電
位をV2 とする。
【0026】比較器14は、オペアンプA3 と、抵抗R
4 ,R5 とで構成される。オペアンプA3 の(−)端子
を反転加算器13のオペアンプA2 の出力端子に接続す
る一方、出力端子に抵抗R4 及びR5 を直列に接続し
て、抵抗R5 を接地させる。抵抗R4 及びR5 の接続点
からオペアンプA3 の(+)入力端子に接続することに
より、比較器14は閾値電圧Vd ,Vu を持つヒステリ
シスコンパレータとして動作する。ここで、オペアンプ
3 の(−)側の入力端子の電位をV3 とし、抵抗R4
及びR5 の接続点の電位をV4 とする。
【0027】出力回路11は、オペアンプA4 を含み、
その(−)側の入力端子を接地すると共に、(+)側の
入力端子を積分器12のオペアンプA1 の出力端子に接
続することにより、発振回路内の信号波形をディジタル
信号に変換して出力する。ここで、オペアンプA4 の出
力端子のディジタル信号をV5 とする。
【0028】図2における発振回路10は、積分器12
の入力V4 及び出力V1 の各電圧の正負の状態により、
4つの状態Ti (i=1,2,3,4)に分けられる。
図3(a)〜(d)は各状態の積分器12の等価回路、
図4は各部の波形を示す。
【0029】図3において、T1 状態は、V4 =Vu
1 >0の状態である。この状態では、ダイオードD2
が導通、VC2=V1 であり、積分器12が積分している
静電容量はC2 である。比較器14の出力がH状態(V
4 =Vu )で、且つオペアンプA1 の出力V1 が正の
時、(a)に示すように、抵抗Rt を通して静電容量C
2 の電荷を放電する。静電容量C2 の電荷は抵抗Rt
流れる電流I1 によって変化し、オペアンプA1 の出力
1 は減少する。静電容量C2 の初期電圧をVdとする
と、T1 状態の期間はV1 =Vd の時からV1 =0とな
るまでである。
【0030】図4に示すように、オペアンプA1 の出力
1 は直線的に減少する。この動作は、オペアンプA1
の出力V1 が0になり、ダイオードD2 が切断(非導
通)状態になるまで続く。T1 状態の期間は、次のよう
になる。
【0031】T1 =C2td /Vu …(4) オペアンプA1 の出力V1 が減少して0以下になると、
状態はT1 からT2 に切り替わる。状態切替えの瞬間
に、ダイオードD2 は切断状態、ダイオードD1は導通
状態になる。この状態では、VC1=V1 であり、積分器
12が積分している静電容量はC1 である。ただし、V
4 =Vu のままである。このため、オペアンプA1 の出
力V1 は引き続き時間と共に減少していく。このT2
態の期間は、V1 =0の時からV1 =−Vu となるまで
である。
【0032】図3(b)に示すように、T2 状態では、
積分器12は抵抗Rt を通して静電容量C1 に電荷を充
電する。オペアンプA1 の出力V1 は、比較器14の閾
値電圧−Vu に到達するまで継続して減少していく。T
2 状態の期間は、次のようになる。
【0033】T2 =C1t …(5) このT2 状態の期間は、電圧に関係しない。なぜなら、
比較器の閾値電圧で積分器が駆動されるからである。オ
ペアンプA1 の出力V1 が比較器14の閾値電圧−Vu
に達した時、比較器の出力V4 は−Vd となり、状態は
2 からT3 に切り替わる。この状態では、V1 <0、
ダイオードD1 が導通状態、VC1=V1であり、積分器
12が積分する静電容量はC1 である。積分器12は抵
抗Rt を通してC1 の電荷を放電し、オペアンプA1
出力V1 は増大する。T3 状態の期間は、V1 =−Vu
の時からV1 =0となるまでである。
【0034】図3(c)に示すように、この状態では積
分器12はC1 の電荷を放電する。この動作は、オペア
ンプA1 の出力V1 =0となり、ダイオードD1 が切断
状態になるまで続く。T3 期間は、次のようになる。
【0035】T3 =C1tu /Vd …(6) オペアンプA1 の出力V1 が増加して正の電圧になる
と、状態はT3 からT4に切り替わる。状態切替えの瞬
間に、ダイオードD1 は切断状態、ダイオードD2 は導
通状態になる。この状態では、VC2=V1 であり、積分
器12が積分する静電容量はC2 である。ただし、V4
=−Vd のままである。このため、オペアンプA1 の出
力V1 は時間と共に増加していく。このT4 状態の期間
は、V1 =0の時からV1 =Vd となるまでである。
【0036】図3(d)に示すように、この状態の積分
器12は静電容量C2 を充電する。オペアンプA1 の出
力V1 は、電圧Vd に到達するまで継続して増加してい
く。T4 状態の期間は次のようになる。なお、T2 状態
の期間と同様、T4 状態の期間も電圧によって変動しな
い。
【0037】T4 =C2t …(7) こうして得られた発振波形は、オペアンプA4 を含む出
力回路11でディジタル信号V5 に変換される。オペア
ンプA4 は、発振波形の三角波を矩形波に変換する働き
をする。ディジタル信号V5 のHレベルの期間をTH
Lレベルの期間をTL とすると、これらは次式で与えら
れる。
【0038】 TH =T1 +T4 =C2t (Vu +Vd )/Vu …(8) TL =T2 +T3 =C1t (Vu +Vd )/Vd …(9) 従って、デューティ比Dは次のようになる。
【0039】
【数5】 もし、Vu =Vd ならばεV =0となり、デューティ比
Dは、正確に2つの静電容量C1 とC2 の容量比を表わ
す。デューティ比Dは、ディジタル信号V5 をゲート信
号として高周波クロックをゲートすることにより、簡単
に検出(測定)できる。例えば、後段にカウンタ回路を
設けることにより、デューティ比Dを数値に変換でき
る。また、この測定は、1サイクルのディジタル信号V
5 出力で完結する。アナログ値を得るためには、ディジ
タル信号V5 にローパスフィルタを入れればよい。
【0040】以上のように、図2の回路によれば、差動
容量検出の高速信号処理が可能である。
【0041】実施例2 上記実施例1では、選択回路15を構成する2つのダイ
オードD1 及びD2 を理想的なものとしたが、実際の回
路ではそうでない場合が多く、非線形誤差の要因とな
る。他に非線形誤差の要因として、比較器14の閾値電
圧Vu とVd の不一致、オペアンプのスルーレート(sl
ew rate )や応答遅れ、オペアンプのオフセット電圧な
どがある。
【0042】そこで、第2の実施例として、ダイオード
1 及びD2 に起因する誤差及び比較器14の閾値電圧
u とVd の不一致要因による非線形誤差を取り除くこ
とができる静電容量変化量検出装置について説明する。
【0043】図6は、その回路構成を示す。これは、比
較器14の閾値電圧Vu とVd の不一致に起因する誤差
を取り除くため、前述のように電圧によって変動しない
期間を持つT2 及びT4 の状態に着目し、この状態にあ
る信号のみを取り出すインタフェース回路として構成さ
れる。この回路は、前記第1実施例の発振回路10にお
ける比較器14を変更して第1比較器16とし、更に第
2比較器17と出力回路18を加えて構成されている。
第1比較器16は、第2比較器17で使用する電圧を取
り出すために前記比較器14を変更したものである。従
って、発振回路10は、積分器12、反転加算器13及
び第1比較器16で構成され、第1比較器16の出力を
積分器12にフィードバックすることにより、弛張発振
回路を構成している。
【0044】積分器12は、オペアンプA1 と、抵抗R
t と、2つの静電容量C1 及びC2と、2つのダイオー
ドD1 及びD2 とを含み、オペアンプA1 の(+)側の
入力端子を接地すると共に(−)側の入力端子に抵抗R
t を接続し、オペアンプA1の出力端子と(−)側の入
力端子との間には、フィードバック要素として、ダイオ
ードD1 のアノード側に接続された静電容量C1 とダイ
オードD2 のカソード側に接続された静電容量C2 とを
並列接続して構成されている。2つのダイオードD1
びD2 をこのように接続することにより、2つの静電容
量C1 ,C2 を選択する選択回路15を構成する。積分
器12は、それ自身の出力で2つのダイオードD1 及び
2 のいずれか一方を導通状態とし、静電容量C1 及び
2 のいずれか一方に電気的に接続して、積分出力を生
成することができる。ここで、抵抗Rt に流れる電流を
I1、オペアンプA1 の出力電圧をV1 、静電容量C1
とダイオードD1 の接続点の電位をVC1、静電容量C2
とダイオードD2 の接続点の電位をVC2とする。
【0045】反転加算器13は、オペアンプA2 と、抵
抗R1 ,R2 ,R3 とを含み、オペアンプA2 の(+)
側の入力端子を接地すると共に(−)側の入力端子にR
1 及びR2 を接続し、オペアンプA2 の出力端子と
(−)側の入力端子との間には、抵抗R3 を接続して構
成したものである。抵抗R1 の他方の端子は積分器12
の静電容量C1 に接続され、抵抗R2 の他方の端子は積
分器12の静電容量C2 に接続される。反転加算器13
は、抵抗R1 ,R2 ,R3 の値をすべて等しくすること
で重み(−1)を持つ。また、選択回路15のダイオー
ドD1 及びD2 は同時に導通状態にならないので、反転
加算器13は反転ボルテージフォロアとして動作する。
ここで、オペアンプA2 の(−)側の入力端子の電位を
2 とする。
【0046】第1比較器16は、オペアンプA3 と抵抗
4 ,R5 ,R6 とで構成される。オペアンプA3
(−)端子を反転加算器13のオペアンプA2 の出力端
子に接続する一方、出力端子に抵抗R4 ,R5 及びR6
を直列に接続して、抵抗R6 を接地する。抵抗R4 とR
5 の接続点からオペアンプA3 の(+)入力端子に接続
することにより、第1比較器16は、閾値電圧Vd 、V
u を持ったヒステリシスコンパレータとして動作する。
ここで、オペアンプA3 の(−)側の入力端子の電位を
3 、オペアンプA3 の出力端子の電位をV6 、抵抗R
4 とR5 の接続点の電位をV4 、抵抗R5 とR6 の接続
点の電位をαV4 とする。αの値は、電源電圧の影響を
小さくするよう決定される。詳細については後述する。
【0047】第2比較器17は、オペアンプA5 で構成
され、オペアンプA5 の(−)側の入力端子を、第1比
較器16の抵抗R5 とR6 との接続点に接続すると共
に、(+)側の入力端子を反転加算器13のオペアンプ
2 の出力V3 に接続することにより、αV4 とオペア
ンプA2 の出力V3 との電位を比較してディジタル値を
出力する。ここで、オペアンプA5 の出力端子のディジ
タル信号をV7 とする。
【0048】出力回路17は、排他的論理和(Exclusiv
e OR)回路U1 と否定(NOT)回路U2 とで構成され
る。排他的論理回路U1 には、第1比較器のオペアンプ
3の出力V6 と、第2比較器のオペアンプA5 の出力
7 とを入力し、U1 の出力を否定回路U2 に入力す
る。否定回路U2 の出力をV8 とする。
【0049】図6における発振回路10の動作は、図2
の回路と同様であるので、以下では主に第2比較器17
と出力回路17の動作について説明する。
【0050】図7(a)は図6における発振回路10の
波形、図7(b)は第2比較器17の出力V7 の波形を
示す。
【0051】第1比較器16の電圧αV4 は、オペアン
プA3 の出力V6 を抵抗R4 ,R5,R6 で分圧するこ
とにより、抵抗R5 及びR6 の間に発生する。反転加算
器13のオペアンプA2 の出力V3 の電位が上昇し、α
4 を超えると、第2比較器17のオペアンプA5 の出
力V7 はHになる。逆にV3 の電位が減少し、αV4
下になると、V7 はLになる。
【0052】ここで、V6 とV7 が共にHとなる期間を
5 、V6 とV7 が共にLとなる期間をT6 とする。こ
の2つの期間T5 ,T6 は、それぞれ前述の図2の回路
におけるT2 とT4 の期間中にあるので、T2 ,T4
同様、これらの期間は、電源電圧によって非線形誤差を
生じさせない。
【0053】第2実施例の回路について誤差を含んだ場
合の計算をすると、次のようになる。
【0054】まず、オペアンプA1 の入力バイアス電流
をIB とし、各オペアンプの入力オフセット電圧をV
offn(n=1,3,4)とする。
【0055】V6 とV7 が共にHとなるT5 状態では、
電流(Vu −Voff1)/Rt −IBが静電容量C1 に流
れ、V3 は、(αVu −Voff4)から(Vu −Voff3
に変化する。従って、T5
【0056】
【数6】 一方、V6 とV7 が共にLとなるT6 状態では、電流
(−Vd −Voff1)/Rt −IB が静電容量C2 に流
れ、V3 は、(−αVd −Voff4)から(−Vd −V
off3)に変化する。従って、T6
【0057】
【数7】 となる。
【0058】上記(12)及び(13)式より、容量比
を求めると、
【0059】
【数8】 ここで、(15)式の2項目の中括弧内が非線形誤差の
要因である。これを0にできれば、Vu の影響を無くす
ことができる。つまり、
【0060】
【数9】 で、決定される値を用いればよい。
【0061】T5 及びT6 の期間を取り出す手段とし
て、例えば、排他的論理和をとって反転する出力回路1
7が用いられる。図8は、この出力回路17の入力V6
及びV7 と出力V8 の波形図である。
【0062】次に、設計例を説明する。
【0063】A1 (型番AD711J): 入力バイアス電流IB 〜15pA<50pA, オフセット電圧Voff1〜0.3mV<2.0mV A3 ,A4 (型番CMP−04): オフセット電圧Voff3,Voff4 〜0.4mV<1.0
mV, Vd =Vu =10V, R1 =R2 =R3 =1KΩ, Rt =25MΩ α=0.1 Vu とRt より、C1 =C2 =10pFのときの発振周
波数f=1kHz以上のパラメータを使用し、全ての誤
差が強め合う符号で働くとして、(12)式に代入する
と、
【0064】
【数10】 結果として、簡単な回路にもかかわらず、分解能は0.
1%を超える結果が得られた。
【0065】実験例 図2の回路において、オペアンプにLF411を用い
た。性能評価のため、平行板コンデンサによる検出器を
用いた。デューティ比の測定には、30MHzのクロック
を用いた。
【0066】静電容量C1 ,C2 は(2)式のxで与え
られ、外側の2つの電極に挟まれた中央電極を持つ。合
計容量はC0 =3pF又は6pFである。
【0067】図9は、C0 =6pFのときの測定結果を
示す。発振周波数は、C1 =C2 のとき、0.5KHz
となるようにRt で調整してある。各測定値(プロッ
ト)は、それぞれの位置で20回測定した結果の平均値
をとったものである。位置の調整は、マイクロメータの
ネジで10μmのスケールで調整した。
【0068】分解能は、C0 =3pFにして評価した。
標準偏差による評価は、2×10-3%で、デューティ比
の計測から60aFの変化を検出できる。これらの結果
は、前述の評価と一致する。
【図面の簡単な説明】
【図1】差動容量検出器の2つの静電容量の等価回路
図。
【図2】本発明の静電容量変化量検出装置の回路図。
【図3】本発明の積分器の各状態における等価回路図。
【図4】図2の回路の各部の波形図。
【図5】図2の回路の出力回路の波形図。
【図6】本発明の静電容量変化量検出装置の別の態様の
回路図。
【図7】図6の回路図の各部の波形図。
【図8】図6の回路の出力回路の波形図。
【図9】実験で測定された出力信号のデューティ比と変
位を示す図。
【符号の説明】
10…発振回路、11,18…出力回路、12…積分
器、13…反転加算器、14…比較器、15…選択回
路、16…第1比較器、17…第2比較器、A1 ,A
2 ,A3 ,A4 ,A5 …オペアンプ、C1 ,C2 …静電
容量、D1 ,D2 …ダイオード、U1 …排他的論理和回
路、U2 …否定回路。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検出対象の物理量および化学量に応じて変
    化する2つの静電容量のうちいずれか一方を定数の一部
    とする積分器と、前記積分器の出力電圧の値に応じて前
    記2つの静電容量のいずれか一方を選択して前記積分器
    の要素とする選択回路と、前記積分器の出力部と入力部
    との間に設けた帰還回路と、前記積分器の出力を矩形波
    に変換する出力回路とを含み、前記出力回路から、前記
    2つの静電容量の比率で決定されるデューティ比を持つ
    矩形波信号を出力するようにした静電容量変化量検出装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1の静電容量変化量検出装置におい
    て、前記帰還回路は、前記積分器の出力を反転加算する
    反転加算器と、前記反転加算器の出力と自己の出力とを
    比較する比較器とで構成され、前記比較器の出力を前記
    積分器の入力とすることを特徴とする静電容量変化量検
    出装置。
  3. 【請求項3】検出対象の物理量および化学量に応じて変
    化する2つの静電容量のうちいずれか一方を定数の一部
    とする積分器と、前記積分器の出力電圧の値に応じて前
    記2つの静電容量のいずれか一方を選択して前記積分器
    の要素とする選択回路と、前記積分器の出力を反転加算
    する反転加算器と、前記反転加算器の出力と自己の出力
    とを比較する第1比較器と、前記反転加算器の出力と前
    記第1比較器の出力とを比較する第2比較器と、前記第
    1比較器の出力と前記第2比較器の出力との排他的論理
    和をとって反転する出力回路とを含み、前記第1比較器
    の出力を前記積分器の入力とすることにより、前記出力
    回路から、前記2つの静電容量の比率で決定されるパル
    ス幅を持つ矩形波信号を出力するようにしたことを特徴
    とする静電容量変化量検出装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか記載の静電容量
    変化量検出装置において、前記2つの静電容量は、一方
    の静電容量が増加し、他方の静電容量が減少すること
    で、前記2つの静電容量の和が一定となるように構成さ
    れている静電容量変化量検出装置。
  5. 【請求項5】検出対象の物理量および化学量に応じて変
    化する2つの静電容量と、前記2つの静電容量のうちい
    ずれか一方を定数の一部とする積分回路と、前記積分回
    路の出力電圧の値に応じて前記2つの静電容量のいずれ
    か一方を選択して前記積分回路の要素とする選択回路と
    を備えたことを特徴とする積分器。
  6. 【請求項6】請求項5の積分器において、前記選択回路
    は、前記2つの静電容量と前記積分回路の出力端子との
    間に接続された2つのダイオードからなり、前記2つの
    ダイオードの接続方向を互いに逆向きにすることによ
    り、前記積分回路が負の電圧を出力したとき一方の前記
    静電容量を選択し、前記積分回路が正の電圧を出力した
    ときに他方の前記静電容量を選択するように構成されて
    いる積分器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001033330A (ja) * 1999-07-26 2001-02-09 Yamatake Corp センサ信号処理回路
KR100382766B1 (ko) * 2001-07-02 2003-05-09 삼성전자주식회사 커패시턴스 변화량 측정 장치 및 방법

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