JPH10280037A - 高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方法 - Google Patents
高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方法Info
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- JPH10280037A JPH10280037A JP8945897A JP8945897A JPH10280037A JP H10280037 A JPH10280037 A JP H10280037A JP 8945897 A JP8945897 A JP 8945897A JP 8945897 A JP8945897 A JP 8945897A JP H10280037 A JPH10280037 A JP H10280037A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】耐SSC性にすぐれた降伏応力110〜155ksi(7
58〜1068MPa)級の、油井や関連諸設備に使用できる高
強度高耐食性継目無し鋼管の製造方法の提供。 【解決手段】重量%にて、C:0.20〜0.35%、Si:0.
05〜0.5%、Mn:0.1〜1.0%、Cr:0.3〜1.2%、M
o:0.2〜1.0%、sol.Al:0.005〜0.5%、Ti:0.00
5〜0.5%、B:0.0001〜0.005%、およびNb:0.1〜0.
5%、を含み、他にV、W、Zr、Ca等を必要に応じ
含有する鋼管の熱間穿孔圧延の最終工程において、1000
〜1150℃にて40%以上の加工を施した後、そのまま1000
℃以上の温度から直接焼入れし、焼戻す758〜1068MPaの
降伏応力を有する高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方
法、および上記組成の鋼管を1000〜1150℃に再加熱して
焼入れし、焼戻すことによる同鋼管の製造方法。
58〜1068MPa)級の、油井や関連諸設備に使用できる高
強度高耐食性継目無し鋼管の製造方法の提供。 【解決手段】重量%にて、C:0.20〜0.35%、Si:0.
05〜0.5%、Mn:0.1〜1.0%、Cr:0.3〜1.2%、M
o:0.2〜1.0%、sol.Al:0.005〜0.5%、Ti:0.00
5〜0.5%、B:0.0001〜0.005%、およびNb:0.1〜0.
5%、を含み、他にV、W、Zr、Ca等を必要に応じ
含有する鋼管の熱間穿孔圧延の最終工程において、1000
〜1150℃にて40%以上の加工を施した後、そのまま1000
℃以上の温度から直接焼入れし、焼戻す758〜1068MPaの
降伏応力を有する高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方
法、および上記組成の鋼管を1000〜1150℃に再加熱して
焼入れし、焼戻すことによる同鋼管の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油井用のケーシン
グやチュービング、掘削用のドリルパイプ、輸送用のラ
インパイプ、さらには化学プラント用配管などに用いら
れる強度および耐硫化物応力割れ性にすぐれた継目無鋼
管の製造方法に関するものである。
グやチュービング、掘削用のドリルパイプ、輸送用のラ
インパイプ、さらには化学プラント用配管などに用いら
れる強度および耐硫化物応力割れ性にすぐれた継目無鋼
管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のエネルギー事情の逼迫に伴い、こ
れまで敬遠されてきた硫化水素を多く含む原油や天然ガ
スが活用される情勢になってきており、それらの掘削、
輸送、貯蔵などが必要となってきた。その上、油井の深
井戸化、輸送効率の向上、さらには低コスト化のため
に、この分野で用いられる材料、とくに鋼管について
は、これまで以上に高強度化が要求されている。すなわ
ち、従来広く用いられていた降伏応力が80〜90 ksi(55
2〜621MPa)の鋼管に代わって、最近では110ksi(758MP
a)級が使用されるようになり、さらには125ksi(862MP
a)級以上の要求も高まりつつある。
れまで敬遠されてきた硫化水素を多く含む原油や天然ガ
スが活用される情勢になってきており、それらの掘削、
輸送、貯蔵などが必要となってきた。その上、油井の深
井戸化、輸送効率の向上、さらには低コスト化のため
に、この分野で用いられる材料、とくに鋼管について
は、これまで以上に高強度化が要求されている。すなわ
ち、従来広く用いられていた降伏応力が80〜90 ksi(55
2〜621MPa)の鋼管に代わって、最近では110ksi(758MP
a)級が使用されるようになり、さらには125ksi(862MP
a)級以上の要求も高まりつつある。
【0003】一般に、鋼材は強度が増すほど応力腐食割
れに対し敏感になる。したがって、このような悪化する
環境下における使用材料の高強度化に対し、最も大きな
課題となるのは耐硫化物応力腐食割れ性(耐SSC性)
の改善である。この耐SSC性に対し、従来より検討さ
れ一般的に知られている対策は 1)約80%以上のマルテンサイトからなる組織とすること 2)高清浄度化 3)高温焼戻し 4)細粒組織とすること 5)高降伏比とすることであり、その他の手段としては 6)低Mn化(偏析の防止) 7)窒化物形成 8)Zr添加 などがある。
れに対し敏感になる。したがって、このような悪化する
環境下における使用材料の高強度化に対し、最も大きな
課題となるのは耐硫化物応力腐食割れ性(耐SSC性)
の改善である。この耐SSC性に対し、従来より検討さ
れ一般的に知られている対策は 1)約80%以上のマルテンサイトからなる組織とすること 2)高清浄度化 3)高温焼戻し 4)細粒組織とすること 5)高降伏比とすることであり、その他の手段としては 6)低Mn化(偏析の防止) 7)窒化物形成 8)Zr添加 などがある。
【0004】鋼を焼入れ焼戻しして同じ強度レベルに調
質する場合、不完全な焼入れ後低温で焼戻すよりも、十
分な焼入れをおこない高温で焼戻す方が、遥かにすぐれ
た靱性を持つ鋼材が得られことはよく知られている。上
記の1)と3)は、耐SSC性についても同じ傾向のあるこ
とを示している。SSCは、遅れ破壊と同様に水素脆化
の一種と考えられ、素地の靱性を高めることは割れ発生
の抑止に効果がある。また、割れの起点となる非金属介
在物はできるだけ少ない方がよく、その原因となるSや
Oはできるだけ少なくして、2)の高清浄度化を達成させ
る。4)の細粒組織については、強度が高くなるとその脆
性割れは結晶粒単位あるいは粒界単位で進展するので、
細粒化すると割れに対する抑止力が増す。その上、細粒
化そのものも強度上昇に寄与することから、耐SSC性
にすぐれた高強度材としては細粒化にとくに力点が置か
れてきた。
質する場合、不完全な焼入れ後低温で焼戻すよりも、十
分な焼入れをおこない高温で焼戻す方が、遥かにすぐれ
た靱性を持つ鋼材が得られことはよく知られている。上
記の1)と3)は、耐SSC性についても同じ傾向のあるこ
とを示している。SSCは、遅れ破壊と同様に水素脆化
の一種と考えられ、素地の靱性を高めることは割れ発生
の抑止に効果がある。また、割れの起点となる非金属介
在物はできるだけ少ない方がよく、その原因となるSや
Oはできるだけ少なくして、2)の高清浄度化を達成させ
る。4)の細粒組織については、強度が高くなるとその脆
性割れは結晶粒単位あるいは粒界単位で進展するので、
細粒化すると割れに対する抑止力が増す。その上、細粒
化そのものも強度上昇に寄与することから、耐SSC性
にすぐれた高強度材としては細粒化にとくに力点が置か
れてきた。
【0005】細粒化の手法として一般に用いられるの
は、変態、加工変形、加工変形後の再結晶時の粒成長抑
止などである。鋳造後の鋼塊を熱間にて鋼管などに加工
する際、必然的に加工変形が加えられ、加工と再結晶の
繰り返しにより細粒化される。
は、変態、加工変形、加工変形後の再結晶時の粒成長抑
止などである。鋳造後の鋼塊を熱間にて鋼管などに加工
する際、必然的に加工変形が加えられ、加工と再結晶の
繰り返しにより細粒化される。
【0006】しかし、焼入れは変態点以上に加熱しなけ
ればならないので結晶粒成長が起きやすく、結晶を細粒
にしておくには、焼入れ時の加熱温度を低くすることが
望ましい。ところが、細粒であることも、焼入れ温度を
低くすることも、焼入れ性を大きく低下させる要因であ
り、通常の冷却手段では焼入れ時に80%以上がマルテン
サイトである組織を確保することが困難となってくる。
焼入れ性確保のため合金元素を多量に添加すれば、鋼の
加工性を悪くし、さらにコストアップの原因となる。そ
こで、Nbなど微細な炭窒化物を形成する元素を添加
し、再結晶時の粒成長抑止ばかりでなく、焼入れの加熱
時の粒成長を抑止する方法が採られることが多い。
ればならないので結晶粒成長が起きやすく、結晶を細粒
にしておくには、焼入れ時の加熱温度を低くすることが
望ましい。ところが、細粒であることも、焼入れ温度を
低くすることも、焼入れ性を大きく低下させる要因であ
り、通常の冷却手段では焼入れ時に80%以上がマルテン
サイトである組織を確保することが困難となってくる。
焼入れ性確保のため合金元素を多量に添加すれば、鋼の
加工性を悪くし、さらにコストアップの原因となる。そ
こで、Nbなど微細な炭窒化物を形成する元素を添加
し、再結晶時の粒成長抑止ばかりでなく、焼入れの加熱
時の粒成長を抑止する方法が採られることが多い。
【0007】焼入れ焼戻しの熱処理においても、低温焼
入れ、二回焼入れあるいは誘導加熱による急速加熱焼入
れをおこなうことなど、細粒組織を得るための対策が以
前からおこなわれてきた。最近では、省エネルギーおよ
び工程簡略による低コスト化の観点から、添加元素と合
わせ、熱間の圧延加工終了時点の高温から直ちに焼入れ
をおこなう直接焼入れ法が検討されている。しかしなが
ら直接焼入れ法は、一旦冷却後再加熱して焼入れる通常
の方法に比較して、得られる製品の結晶粒径が大きくな
りがちである。その対策として、例えば、特開平5-2557
49号公報には細粒組織を得るために圧延途中で強制冷却
し、さらに圧下してからそのまま焼入れする方法、特開
平5-271772号公報にはMo、Nb、TiおよびBなどを
添加した鋼を熱間の穿孔後の圧延途中で一旦Ar3以下に
冷却して変態させた後、再度加熱して圧延をおこない直
接焼入れる方法、などの発明が開示されている。また、
PCT-WO-96/36742号公報には、NbとTiを複合添加
し、製管後に補熱してから直接焼入れる方法も提示され
ている。
入れ、二回焼入れあるいは誘導加熱による急速加熱焼入
れをおこなうことなど、細粒組織を得るための対策が以
前からおこなわれてきた。最近では、省エネルギーおよ
び工程簡略による低コスト化の観点から、添加元素と合
わせ、熱間の圧延加工終了時点の高温から直ちに焼入れ
をおこなう直接焼入れ法が検討されている。しかしなが
ら直接焼入れ法は、一旦冷却後再加熱して焼入れる通常
の方法に比較して、得られる製品の結晶粒径が大きくな
りがちである。その対策として、例えば、特開平5-2557
49号公報には細粒組織を得るために圧延途中で強制冷却
し、さらに圧下してからそのまま焼入れする方法、特開
平5-271772号公報にはMo、Nb、TiおよびBなどを
添加した鋼を熱間の穿孔後の圧延途中で一旦Ar3以下に
冷却して変態させた後、再度加熱して圧延をおこない直
接焼入れる方法、などの発明が開示されている。また、
PCT-WO-96/36742号公報には、NbとTiを複合添加
し、製管後に補熱してから直接焼入れる方法も提示され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これまでに提示された
上記のような製造方法は、目標とする強度レベルすなわ
ち降伏応力のレベルは、90ksi(621MPa)が主であっ
た。しかし、110ksi(758MPa)を超えるようになってく
ると、これらの方法で必ずしも安定して十分な高強度と
耐SSC性が得られているとは言い難い。その上、工程
簡略化を目的とした直接焼入れの方法も、そこに至るま
でに冷却や加熱あるいは圧延加工など余分の工程を必要
とし、コストを大きく引き下げるほどの簡略化は、まだ
十分には達成されていないようである。
上記のような製造方法は、目標とする強度レベルすなわ
ち降伏応力のレベルは、90ksi(621MPa)が主であっ
た。しかし、110ksi(758MPa)を超えるようになってく
ると、これらの方法で必ずしも安定して十分な高強度と
耐SSC性が得られているとは言い難い。その上、工程
簡略化を目的とした直接焼入れの方法も、そこに至るま
でに冷却や加熱あるいは圧延加工など余分の工程を必要
とし、コストを大きく引き下げるほどの簡略化は、まだ
十分には達成されていないようである。
【0009】本発明の課題は、耐SSC性がすぐれた降
伏応力が110〜155ksi(758〜1068MPa)級の、油井およ
びそれに関連した諸設備に使用できる高強度高耐食性鋼
管を、より合理的に製造する方法の提供にある。
伏応力が110〜155ksi(758〜1068MPa)級の、油井およ
びそれに関連した諸設備に使用できる高強度高耐食性鋼
管を、より合理的に製造する方法の提供にある。
【0010】なお、高強度継目無し鋼管に関しAPI(米
国石油協会)規格がある。これにはC110級ないしはそ
れ以上の規格は設定されていないが、ここでは、その規
格の延長上にあるものとして、強度に応じC110級{降
伏応力110〜125ksi(758〜862MPa)}、C125級{降伏
応力125〜140ksi(862〜965MPa}およびC140級{降伏
応力140〜155ksi(965〜1068MPa)}と仮称することと
し、本発明はこれら高強度の鋼管の製造方法を対象とす
る。
国石油協会)規格がある。これにはC110級ないしはそ
れ以上の規格は設定されていないが、ここでは、その規
格の延長上にあるものとして、強度に応じC110級{降
伏応力110〜125ksi(758〜862MPa)}、C125級{降伏
応力125〜140ksi(862〜965MPa}およびC140級{降伏
応力140〜155ksi(965〜1068MPa)}と仮称することと
し、本発明はこれら高強度の鋼管の製造方法を対象とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、降伏応力
が110ksiを超え、しかも耐SSC性のすぐれた高強度
の継目無し鋼管をより低コストで製造するための方法に
関し、種々の検討を進めた。
が110ksiを超え、しかも耐SSC性のすぐれた高強度
の継目無し鋼管をより低コストで製造するための方法に
関し、種々の検討を進めた。
【0012】結晶組織の微細化は、前述のように耐SS
C性向上に必須とされるが、検討の結果は、降伏応力が
110ksi(758MPa)を超える材料になってくると、多少
粗粒になったとしても、十分に焼入れをおこない高温で
焼戻す方が耐SSC性の改善効果が大きいことが明らか
になった。
C性向上に必須とされるが、検討の結果は、降伏応力が
110ksi(758MPa)を超える材料になってくると、多少
粗粒になったとしても、十分に焼入れをおこない高温で
焼戻す方が耐SSC性の改善効果が大きいことが明らか
になった。
【0013】焼戻しの温度としては、当面の実用化目標
とした降伏応力が125ksi(862MPa)を超える高強度材に
おいても650℃以上が望ましく、できれば680℃以上とす
べきであることもわかった。このような高温の焼戻しで
も十分な強度を確保するには、焼入れ性を向上させ、し
かも焼戻し軟化抵抗を増すCrやMoの多量添加が効果
的である。しかしながら、Crを多く添加すると硫化水
素(H2S)を含む酸性の水溶液中での腐食速度が増加
し、それに伴う吸蔵水素が増して、耐SSC性が劣化し
てくる。Moについては、多量の添加が針状のMoの炭
化物を析出させ、これがSSCの起点となる危険性があ
り、添加量を増すには限界がある。そこで、これらに代
わる強化元素をさらに検討した結果、0.1%を超えるN
bの含有が効果的であることを見出した。
とした降伏応力が125ksi(862MPa)を超える高強度材に
おいても650℃以上が望ましく、できれば680℃以上とす
べきであることもわかった。このような高温の焼戻しで
も十分な強度を確保するには、焼入れ性を向上させ、し
かも焼戻し軟化抵抗を増すCrやMoの多量添加が効果
的である。しかしながら、Crを多く添加すると硫化水
素(H2S)を含む酸性の水溶液中での腐食速度が増加
し、それに伴う吸蔵水素が増して、耐SSC性が劣化し
てくる。Moについては、多量の添加が針状のMoの炭
化物を析出させ、これがSSCの起点となる危険性があ
り、添加量を増すには限界がある。そこで、これらに代
わる強化元素をさらに検討した結果、0.1%を超えるN
bの含有が効果的であることを見出した。
【0014】Nbの添加は、結晶粒の成長抑止、すなわ
ち結晶組織微細化に有効であることが知られている。N
b添加による細粒化は、通常0.01%程度の少量の添加で
十分な効果を発揮し、多く含有させてもその効果は飽和
してしまうので、0.1%までの添加とするのが普通であ
る。ところが0.1%を超えるNbを添加し、その上で100
0℃以上の温度から焼入れをおこなうと、高温で焼戻し
しても焼戻し後の強度を維持でき、しかも耐SSC性が
きわめてすぐれた高強度の鋼管用材料が得られたのであ
る。
ち結晶組織微細化に有効であることが知られている。N
b添加による細粒化は、通常0.01%程度の少量の添加で
十分な効果を発揮し、多く含有させてもその効果は飽和
してしまうので、0.1%までの添加とするのが普通であ
る。ところが0.1%を超えるNbを添加し、その上で100
0℃以上の温度から焼入れをおこなうと、高温で焼戻し
しても焼戻し後の強度を維持でき、しかも耐SSC性が
きわめてすぐれた高強度の鋼管用材料が得られたのであ
る。
【0015】Nbをこのように通常より多量に添加する
ことにより得られる効果について、必ずしも明らかでは
ないが次のようないくつかの理由が考えられる。
ことにより得られる効果について、必ずしも明らかでは
ないが次のようないくつかの理由が考えられる。
【0016】SSCは水素脆化の一種であり、硫化水素
環境での腐食により生じた水素原子が、鋼に侵入するこ
とによって生じる。この水素脆化に関与する水素は、常
温程度の温度で鋼中を拡散し得る「拡散性」水素であ
り、割れ発生の起点となる危険性の大きい応力集中部
に、この水素が拡散してきて水素濃度が高くなると割れ
発生の限界応力が低下し、SSC感受性が高くなる。
環境での腐食により生じた水素原子が、鋼に侵入するこ
とによって生じる。この水素脆化に関与する水素は、常
温程度の温度で鋼中を拡散し得る「拡散性」水素であ
り、割れ発生の起点となる危険性の大きい応力集中部
に、この水素が拡散してきて水素濃度が高くなると割れ
発生の限界応力が低下し、SSC感受性が高くなる。
【0017】鋼中の転位や、炭化物、窒化物などの微細
析出物は、拡散性水素のトラップサイトとして作用す
る。ここでいうトラップサイトとは、拡散ができないほ
ど強力に水素を固定するのではなく、鋼中に固溶してい
る水素が、その部分に存在する方がより安定であり、鋼
の素地の水素濃度レベルよりは相対的に濃度が高くなる
局所的部分のことである。鋼はその組成が同じであれ
ば、硫化水素水環境での表面における腐食の進行はほぼ
同じであり、それにより発生する水素量も同じである。
発生した水素は、一部は鋼中に侵入し他は水中など外部
へ逃げていく。その場合、鋼の素地の水素濃度が低けれ
ば鋼中に取り込まれる比率が増し、高ければその比率は
減少する。転位や析出物など水素のトラップサイトが多
い鋼では、その部分に水素が偏在するので、侵入した水
素量が同じであれば、鋼の素地としての水素濃度は低く
なる。したがって、転位や微細析出物の多い鋼、すなわ
ち転位や微細析出物によって強化を計る高強度鋼では、
腐食量が同じなら低強度鋼に比較して鋼全体の水素取り
込み量が多くなる傾向にある。鋼全体として水素量が多
ければ、応力集中部へ凝集する水素が多くなり、その部
位の水素濃度がより高くなりやすいので耐SSC性は低
下する。
析出物は、拡散性水素のトラップサイトとして作用す
る。ここでいうトラップサイトとは、拡散ができないほ
ど強力に水素を固定するのではなく、鋼中に固溶してい
る水素が、その部分に存在する方がより安定であり、鋼
の素地の水素濃度レベルよりは相対的に濃度が高くなる
局所的部分のことである。鋼はその組成が同じであれ
ば、硫化水素水環境での表面における腐食の進行はほぼ
同じであり、それにより発生する水素量も同じである。
発生した水素は、一部は鋼中に侵入し他は水中など外部
へ逃げていく。その場合、鋼の素地の水素濃度が低けれ
ば鋼中に取り込まれる比率が増し、高ければその比率は
減少する。転位や析出物など水素のトラップサイトが多
い鋼では、その部分に水素が偏在するので、侵入した水
素量が同じであれば、鋼の素地としての水素濃度は低く
なる。したがって、転位や微細析出物の多い鋼、すなわ
ち転位や微細析出物によって強化を計る高強度鋼では、
腐食量が同じなら低強度鋼に比較して鋼全体の水素取り
込み量が多くなる傾向にある。鋼全体として水素量が多
ければ、応力集中部へ凝集する水素が多くなり、その部
位の水素濃度がより高くなりやすいので耐SSC性は低
下する。
【0018】焼戻し温度を高くすれば、焼入れ時のマル
テンサイト変態によって導入された大量の転位が次第に
消失していく。高温焼戻しが耐SSC性を向上させる理
由の一つは、この拡散性水素のトラップサイトである転
位の減少によると推測される。一般に、焼戻し温度の上
昇は強度を大幅に低下させるが、Nbを多量に含有させ
ると、高温の焼戻しによる強度低下が抑制できるのであ
る。強度低下の抑制は主として微細な炭化物の析出によ
るとされており、析出物の分散状態や形態が、Nbの多
量添加により変化したものと考えられる。
テンサイト変態によって導入された大量の転位が次第に
消失していく。高温焼戻しが耐SSC性を向上させる理
由の一つは、この拡散性水素のトラップサイトである転
位の減少によると推測される。一般に、焼戻し温度の上
昇は強度を大幅に低下させるが、Nbを多量に含有させ
ると、高温の焼戻しによる強度低下が抑制できるのであ
る。強度低下の抑制は主として微細な炭化物の析出によ
るとされており、析出物の分散状態や形態が、Nbの多
量添加により変化したものと考えられる。
【0019】微細析出物は、通常上述のように転位と同
様水素のトラップサイトとなるが、Nbを0.1%より多
く添加した材料を調べてみると、他の元素の場合に比較
し、水素吸蔵量が少ない。すなわち、Nbの多量添加に
よる析出物の分散状態や形態の変化は、その水素のトラ
ップサイトとしての作用を減退させる効果もあると推定
された。このように、Nbの0.1%以上の添加は、強度
を大幅に低下させることなく高温の焼戻しを可能にし、
その上、できた析出物も水素吸蔵能力が小さく、鋼への
水素吸収を低減させるので、耐SSC性のすぐれた高強
度鋼管を得るためにきわめて効果的なのである。
様水素のトラップサイトとなるが、Nbを0.1%より多
く添加した材料を調べてみると、他の元素の場合に比較
し、水素吸蔵量が少ない。すなわち、Nbの多量添加に
よる析出物の分散状態や形態の変化は、その水素のトラ
ップサイトとしての作用を減退させる効果もあると推定
された。このように、Nbの0.1%以上の添加は、強度
を大幅に低下させることなく高温の焼戻しを可能にし、
その上、できた析出物も水素吸蔵能力が小さく、鋼への
水素吸収を低減させるので、耐SSC性のすぐれた高強
度鋼管を得るためにきわめて効果的なのである。
【0020】このようなNb添加の効果は、熱間圧延の
最終過程において、1000〜1150℃の温度域の断面減少率
を40%以上とする加工を施すことによって、さらに向上
することも確認された。熱間圧延の最終過程の加工は、
このようにNb量が多い場合、Nbの析出物の分散状態
に大きく影響するとともに、結晶組織の微細化にも有効
に作用し、好結果をもたらす。
最終過程において、1000〜1150℃の温度域の断面減少率
を40%以上とする加工を施すことによって、さらに向上
することも確認された。熱間圧延の最終過程の加工は、
このようにNb量が多い場合、Nbの析出物の分散状態
に大きく影響するとともに、結晶組織の微細化にも有効
に作用し、好結果をもたらす。
【0021】以上のような知見に基づき、さらにその効
果を十分発揮できる条件の限界を明らかにして、本発明
を完成させた。本発明の要旨は次のとおりである。
果を十分発揮できる条件の限界を明らかにして、本発明
を完成させた。本発明の要旨は次のとおりである。
【0022】(1) 熱間で穿孔および圧延して鋼管形状に
成形後そのまま直接焼入れし、焼戻しをおこなって、所
要強度に調質する継目無し鋼管の製造方法であって、重
量%で、 C:0.20〜0.35%、 Si:0.05〜0.5%、 Mn:0.1〜1%、 P:0.025%以下、 S:0.01%以下、 Cr:0.3〜1.2%、 Mo:0.2〜1%、 sol.Al:0.005〜0.5%、 Ti:0.005〜0.5%、 B:0.0001〜0.005%、 Nb:0.1〜0.5%、 V:0.5%以下、 W:1%以下、 Zr:0.5%以下、 Ca:0.01%以下、 Ni:0.1%以下、 N:0.01%以下、 O:0.01%以下 を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼の
ビレットを、熱間穿孔および圧延する際の最終の仕上げ
圧延段階において、1000〜1150℃の温度範囲にて40%以
上の加工を施した後、1000℃以上の温度から直接焼入れ
し、その後焼戻すことを特徴とする、758〜1068MPaの降
伏応力を有する高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方
法。
成形後そのまま直接焼入れし、焼戻しをおこなって、所
要強度に調質する継目無し鋼管の製造方法であって、重
量%で、 C:0.20〜0.35%、 Si:0.05〜0.5%、 Mn:0.1〜1%、 P:0.025%以下、 S:0.01%以下、 Cr:0.3〜1.2%、 Mo:0.2〜1%、 sol.Al:0.005〜0.5%、 Ti:0.005〜0.5%、 B:0.0001〜0.005%、 Nb:0.1〜0.5%、 V:0.5%以下、 W:1%以下、 Zr:0.5%以下、 Ca:0.01%以下、 Ni:0.1%以下、 N:0.01%以下、 O:0.01%以下 を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼の
ビレットを、熱間穿孔および圧延する際の最終の仕上げ
圧延段階において、1000〜1150℃の温度範囲にて40%以
上の加工を施した後、1000℃以上の温度から直接焼入れ
し、その後焼戻すことを特徴とする、758〜1068MPaの降
伏応力を有する高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方
法。
【0023】(2) 焼入れ焼戻しにより所要強度に調質す
る、継目無し鋼管の製造方法であって、重量%で、 C:0.20〜0.35%、 Si:0.05〜0.5%、 Mn:0.1〜1%、 P:0.025%以下、 S:0.01%以下、 Cr:0.3〜1.2%、 Mo:0.2〜1%、 sol.Al:0.005〜0.5%、 Ti:0.005〜0.5%、 B:0.0001〜0.005%、 Nb:0.1〜0.5%、 V:0.5%以下、 W:1%以下、 Zr:0.5%以下、 Ca:0.01%以下、 Ni:0.1%以下、 N:0.01%以下、 O:0.01%以下 を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなる化学
組成の鋼管を、1000〜1150℃に加熱して焼入れをおこな
い、その後焼戻すことを特徴とする、758〜1068MPaの降
伏応力を有する高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方
法。
る、継目無し鋼管の製造方法であって、重量%で、 C:0.20〜0.35%、 Si:0.05〜0.5%、 Mn:0.1〜1%、 P:0.025%以下、 S:0.01%以下、 Cr:0.3〜1.2%、 Mo:0.2〜1%、 sol.Al:0.005〜0.5%、 Ti:0.005〜0.5%、 B:0.0001〜0.005%、 Nb:0.1〜0.5%、 V:0.5%以下、 W:1%以下、 Zr:0.5%以下、 Ca:0.01%以下、 Ni:0.1%以下、 N:0.01%以下、 O:0.01%以下 を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなる化学
組成の鋼管を、1000〜1150℃に加熱して焼入れをおこな
い、その後焼戻すことを特徴とする、758〜1068MPaの降
伏応力を有する高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方
法。
【0024】(3) 熱間穿孔および圧延する際の最終の仕
上げ圧延段階において、1000〜1150℃の温度範囲にて40
%以上の加工を施した後、400℃以下まで10℃/s以上
で冷却した鋼管を用いることを特徴とする、上記(2)の7
58〜1068MPaの降伏応力を有する高強度高耐食性継目無
し鋼管の製造方法。
上げ圧延段階において、1000〜1150℃の温度範囲にて40
%以上の加工を施した後、400℃以下まで10℃/s以上
で冷却した鋼管を用いることを特徴とする、上記(2)の7
58〜1068MPaの降伏応力を有する高強度高耐食性継目無
し鋼管の製造方法。
【0025】
1、化学組成 以下の化学組成の「%」は、すべて重量%である。
【0026】C:0.20〜0.35%、Cは焼入れによる強度
を確保するために必要な元素である。その含有量は0.20
%未満では焼入れ硬さが不足し、焼戻し後に必要とする
高強度が得られない。0.35%を超えると炭化物が増加
し、耐SSC性が低下してくるので、0.20〜0.35%とす
る。Cの上限は、望ましくは0.30%までである。
を確保するために必要な元素である。その含有量は0.20
%未満では焼入れ硬さが不足し、焼戻し後に必要とする
高強度が得られない。0.35%を超えると炭化物が増加
し、耐SSC性が低下してくるので、0.20〜0.35%とす
る。Cの上限は、望ましくは0.30%までである。
【0027】Si:0.05〜0.5%、Siは鋼の脱酸に必
要な元素であり、焼戻軟化抵抗を高め耐SSC性を向上
させる元素であるが、過剰に含有すると鋼を脆化させ
る。脱酸と耐SSC性の向上の目的からは、0.05%以上
の含有が必要であるが、0.5%を超えると靭性が低下
し、かえって耐SSC性を低下させるので、0.05〜0.5
%とする。なお上限は望ましくは0.3%である。
要な元素であり、焼戻軟化抵抗を高め耐SSC性を向上
させる元素であるが、過剰に含有すると鋼を脆化させ
る。脱酸と耐SSC性の向上の目的からは、0.05%以上
の含有が必要であるが、0.5%を超えると靭性が低下
し、かえって耐SSC性を低下させるので、0.05〜0.5
%とする。なお上限は望ましくは0.3%である。
【0028】Mn:0.1〜1%、Mnは、Sによる熱間脆
性を抑止するために必要な元素であり、また、焼入れ性
向上効果もある。それらの目的からは0.1%以上の含有
が必要であるが、1.0%を超えると靭性が低下し、とく
に耐SSC性を低下させるので、0.1〜0.5%とする。M
nの上限は望ましくは0.3%である。
性を抑止するために必要な元素であり、また、焼入れ性
向上効果もある。それらの目的からは0.1%以上の含有
が必要であるが、1.0%を超えると靭性が低下し、とく
に耐SSC性を低下させるので、0.1〜0.5%とする。M
nの上限は望ましくは0.3%である。
【0029】Cr:0.3〜1.2%、Crは焼入れ性を確保
して強度を上昇させるとともに耐SSC性を向上させ
る。本発明の目標とする降伏応力110ksi(758MPa)以上
の鋼にするには、0.3%未満では焼入れ性改善効果が不
十分であり、1.2%を超えると硫化水素を含む環境にお
いて腐食速度が増加し、それに伴う吸蔵水素濃度の増加
を招いて耐SSC性を劣化させるので、0.3〜1.2%とす
る。望ましくは、0.5〜0.8%である。
して強度を上昇させるとともに耐SSC性を向上させ
る。本発明の目標とする降伏応力110ksi(758MPa)以上
の鋼にするには、0.3%未満では焼入れ性改善効果が不
十分であり、1.2%を超えると硫化水素を含む環境にお
いて腐食速度が増加し、それに伴う吸蔵水素濃度の増加
を招いて耐SSC性を劣化させるので、0.3〜1.2%とす
る。望ましくは、0.5〜0.8%である。
【0030】Mo:0.2〜1%、MoはCrと同様、焼入
れ性を向上させるとともに、焼戻し軟化抵抗を高める効
果がある。焼戻し温度を高くできれば耐SSC性が向上
する。Moの含有量は0.2%未満ではその効果が充分で
ない。しかし、1%を超えると針状のMo炭化物が析出
し、これは応力集中係数が高くSSCの起点となって耐
SSC性を悪くするため、0.2〜1%とする。望ましく
は、0.3〜0.8%である。
れ性を向上させるとともに、焼戻し軟化抵抗を高める効
果がある。焼戻し温度を高くできれば耐SSC性が向上
する。Moの含有量は0.2%未満ではその効果が充分で
ない。しかし、1%を超えると針状のMo炭化物が析出
し、これは応力集中係数が高くSSCの起点となって耐
SSC性を悪くするため、0.2〜1%とする。望ましく
は、0.3〜0.8%である。
【0031】sol.Al(酸可溶Al):0.005〜0.5% Alは鋼の脱酸に必要な元素である。鋳片の健全性を十
分確保するための溶湯への添加の結果、sol.Alとして
鋼中に含有されるが、0.005%未満では鋳片に欠陥が残
る。しかし、0.5%超えると、介在物が多くなって靱性
が低下する。また、油井管用継目無鋼管ではその管端に
接続用のネジを切ることが多いが、Alが多いとネジ切
り部に欠陥が発生しやすくなる。したがって、sol.Al
の含有量は0.005〜0.5%とする。
分確保するための溶湯への添加の結果、sol.Alとして
鋼中に含有されるが、0.005%未満では鋳片に欠陥が残
る。しかし、0.5%超えると、介在物が多くなって靱性
が低下する。また、油井管用継目無鋼管ではその管端に
接続用のネジを切ることが多いが、Alが多いとネジ切
り部に欠陥が発生しやすくなる。したがって、sol.Al
の含有量は0.005〜0.5%とする。
【0032】Ti:0.005〜0.5% Tiは鋼中の不純物であるNをTiNとして固定する目
的で添加する。また、N固定に必要とするより過剰のT
iは、炭化物となって微細に析出し、焼戻し軟化抵抗を
高める効果がある。Nの固定は、BNの形成を抑止し、
Bを固溶状態に維持して十分に焼入性を高めるためであ
る。0.005%未満ではその効果が十分得られず、0.5%を
超えると靱性を劣化させる悪影響が現れるので、Tiの
含有量は0.005〜0.5%とした。
的で添加する。また、N固定に必要とするより過剰のT
iは、炭化物となって微細に析出し、焼戻し軟化抵抗を
高める効果がある。Nの固定は、BNの形成を抑止し、
Bを固溶状態に維持して十分に焼入性を高めるためであ
る。0.005%未満ではその効果が十分得られず、0.5%を
超えると靱性を劣化させる悪影響が現れるので、Tiの
含有量は0.005〜0.5%とした。
【0033】B:0.0001〜0.005% Bは微量で焼入性を向上させ、特に厚肉材の耐SSC性
を改善する。0.0001%未満ではその焼入れ性向上効果は
得られず、0.005%を超えると靱性および耐SSC性が
大きく低下するので、Bの含有量は0.0001〜0.005%と
する。
を改善する。0.0001%未満ではその焼入れ性向上効果は
得られず、0.005%を超えると靱性および耐SSC性が
大きく低下するので、Bの含有量は0.0001〜0.005%と
する。
【0034】Nb:0.1〜0.5%、Nbは本発明におい
て、もっとも重要な役割を果たす元素である。すなわ
ち、加熱時の粒成長を抑えて高温からの焼入れを可能に
し、焼入れ後の焼戻し軟化抵抗を著しく高め、高温の焼
戻し温度においても十分な強度を維持することを実現さ
せるのである。このような効果を得るには、少なくとも
0.1%以上の含有が必要であり、0.1%未満では、耐SS
C性に望ましい高温焼戻(650℃以上)後に、高強度を
確保することが困難である。
て、もっとも重要な役割を果たす元素である。すなわ
ち、加熱時の粒成長を抑えて高温からの焼入れを可能に
し、焼入れ後の焼戻し軟化抵抗を著しく高め、高温の焼
戻し温度においても十分な強度を維持することを実現さ
せるのである。このような効果を得るには、少なくとも
0.1%以上の含有が必要であり、0.1%未満では、耐SS
C性に望ましい高温焼戻(650℃以上)後に、高強度を
確保することが困難である。
【0035】一方、0.5%を超えると靱性が低下するこ
とに加え、所要強度に調整するための焼戻し温度がA1
変態点を超えてしまうことがある。したがって、含有範
囲を0.1〜0.5%に限定する。望ましいのは0.2〜0.4%で
ある。
とに加え、所要強度に調整するための焼戻し温度がA1
変態点を超えてしまうことがある。したがって、含有範
囲を0.1〜0.5%に限定する。望ましいのは0.2〜0.4%で
ある。
【0036】V:0.5%以下、Vは添加しなくてもよい
が、焼戻し時に微細な炭化物として析出して焼戻し軟化
抵抗を高めるので、必要により含有させる。とくにNb
とともに含有させると耐SSC性が向上する。添加によ
りその効果を発揮させるには、少なくとも0.005%以上
の含有が望ましい。ただし添加しすぎると靱性が低下す
るので、多くても0.5%までとする。
が、焼戻し時に微細な炭化物として析出して焼戻し軟化
抵抗を高めるので、必要により含有させる。とくにNb
とともに含有させると耐SSC性が向上する。添加によ
りその効果を発揮させるには、少なくとも0.005%以上
の含有が望ましい。ただし添加しすぎると靱性が低下す
るので、多くても0.5%までとする。
【0037】W:1.0%以下、Wは添加しなくてもよい
が、Moと同様焼入れ性を向上し、焼戻し軟化抵抗を高
める効果があるので、必要により含有させる。添加によ
りその効果を発揮させるには、少なくとも0.005%以上
の含有が望ましい。しかし、1.0%を超える含有は効果
が飽和するばかりでなく、偏析して耐SSC性を悪くす
ることがあるので、その含有量は1.0%までとする。
が、Moと同様焼入れ性を向上し、焼戻し軟化抵抗を高
める効果があるので、必要により含有させる。添加によ
りその効果を発揮させるには、少なくとも0.005%以上
の含有が望ましい。しかし、1.0%を超える含有は効果
が飽和するばかりでなく、偏析して耐SSC性を悪くす
ることがあるので、その含有量は1.0%までとする。
【0038】Zr:0.5%以下、Zrは高価な元素でも
あり、添加しなくてもよいが、含有させると降伏応力を
上昇させ、結果として耐SSC性が向上する。これは局
部降伏時の加工硬化を小さくする効果によると解釈され
る。明らかな効果を得るためには、少なくとも0.005%
の含有が望ましいが、多すぎると介在物が増加し靱性を
悪くするようになるので、添加する場合、含有量の上限
は0.5%とする。
あり、添加しなくてもよいが、含有させると降伏応力を
上昇させ、結果として耐SSC性が向上する。これは局
部降伏時の加工硬化を小さくする効果によると解釈され
る。明らかな効果を得るためには、少なくとも0.005%
の含有が望ましいが、多すぎると介在物が増加し靱性を
悪くするようになるので、添加する場合、含有量の上限
は0.5%とする。
【0039】Ca:0.01%以下、Caは添加しなくても
よいが、耐SSC性を向上させることがあるので、必要
により含有させる。これは鋼中のSと反応し硫化物を形
成することによって、その介在物の形状を改善し、割れ
の起点の応力集中源となることを回避させる効果による
と考えられる。含有させる場合、その効果を得るために
は少なくとも0.0001%以上の含有が望ましいが、多すぎ
ると鋼表面に地疵などの欠陥を生ずることがあるので、
多くとも0.01%までとする。
よいが、耐SSC性を向上させることがあるので、必要
により含有させる。これは鋼中のSと反応し硫化物を形
成することによって、その介在物の形状を改善し、割れ
の起点の応力集中源となることを回避させる効果による
と考えられる。含有させる場合、その効果を得るために
は少なくとも0.0001%以上の含有が望ましいが、多すぎ
ると鋼表面に地疵などの欠陥を生ずることがあるので、
多くとも0.01%までとする。
【0040】不可避的不純物:Feおよび上記の各合金
成分以外の不可避的不純物の混入は、鋼の性能を悪くす
るので少なければ少ないほどよい。とくに上限を規制す
ることが必要な元素としては、Sは硫化物系介在物を形
成して耐食性を悪くし、耐SSC性も劣化させるので0.
01%以下とし、Pは強度が上昇すると耐SSC性を大き
く劣化させるようになるので0.025%以下とすべきであ
る。Niは本発明の組成範囲の鋼では耐SSC性を悪く
するので0.1%以下に規制する。また、NおよびOはい
ずれも靱性および耐SSC性を低下させるので、ともに
0.01%以下とする。
成分以外の不可避的不純物の混入は、鋼の性能を悪くす
るので少なければ少ないほどよい。とくに上限を規制す
ることが必要な元素としては、Sは硫化物系介在物を形
成して耐食性を悪くし、耐SSC性も劣化させるので0.
01%以下とし、Pは強度が上昇すると耐SSC性を大き
く劣化させるようになるので0.025%以下とすべきであ
る。Niは本発明の組成範囲の鋼では耐SSC性を悪く
するので0.1%以下に規制する。また、NおよびOはい
ずれも靱性および耐SSC性を低下させるので、ともに
0.01%以下とする。
【0041】2、製造条件 熱間加工、すなわち穿孔からそれに引き続く圧延におけ
る、ビレットの加熱温度は、通常1100〜1300℃である
が、本発明の方法の場合、析出するNbCの分散状態を
制御するという観点から高い方が好ましい。ただし、高
温にすることは加熱設備や加工設備の面で制限されるの
で、望ましい温度は1150〜1250℃である。
る、ビレットの加熱温度は、通常1100〜1300℃である
が、本発明の方法の場合、析出するNbCの分散状態を
制御するという観点から高い方が好ましい。ただし、高
温にすることは加熱設備や加工設備の面で制限されるの
で、望ましい温度は1150〜1250℃である。
【0042】熱間圧延の最終段階において、1000〜1150
℃の温度範囲での断面圧縮率を40%以上とする。これ
は、1150℃に至るまでの加工度の大小は、加工後直ちに
再結晶が進むため、結晶組織の微細化には効果が少な
く、1000℃を下回る温度での加工は、Nbを多量に添加
する本発明の鋼の場合、焼入れ後の硬さのばらつきや、
冷却後の鋼管の変形を大きくするおそれがあるからであ
る。またこの温度範囲での断面圧縮率が40%未満の加工
は、細粒の組織が得られず耐SSC性が不十分となる。
℃の温度範囲での断面圧縮率を40%以上とする。これ
は、1150℃に至るまでの加工度の大小は、加工後直ちに
再結晶が進むため、結晶組織の微細化には効果が少な
く、1000℃を下回る温度での加工は、Nbを多量に添加
する本発明の鋼の場合、焼入れ後の硬さのばらつきや、
冷却後の鋼管の変形を大きくするおそれがあるからであ
る。またこの温度範囲での断面圧縮率が40%未満の加工
は、細粒の組織が得られず耐SSC性が不十分となる。
【0043】圧延の最終段階を終えた後、直ちに焼入れ
る。この場合の焼入れ温度は、1000℃以上とする。焼入
れの上限温度はとくには定めないが、1150℃以下での加
工が40%以上必要なので、自ずから限界がある。1000℃
を下回る温度からの焼入れは、耐SSC性のよいものが
得にくい。これは、NbCなどの析出物の分散状態が好
ましくないことや、十分な焼入れ状態が得られないこと
による。この焼入れ温度は、望ましくは1050℃以上であ
る。
る。この場合の焼入れ温度は、1000℃以上とする。焼入
れの上限温度はとくには定めないが、1150℃以下での加
工が40%以上必要なので、自ずから限界がある。1000℃
を下回る温度からの焼入れは、耐SSC性のよいものが
得にくい。これは、NbCなどの析出物の分散状態が好
ましくないことや、十分な焼入れ状態が得られないこと
による。この焼入れ温度は、望ましくは1050℃以上であ
る。
【0044】1000℃以上からの焼入れは、上記の圧延後
直ちにおこなう直接焼入れがよいが、一旦(650℃以
下、ないしは室温程度まで)冷却された鋼管を1000〜11
50℃に再加熱して、焼入れをおこなってもほぼ同様な効
果が得られる。ここでの焼入れの再加熱温度は、温度が
高くなりすぎると結晶粒が粗大化するので1150℃までと
する。なおこの場合、本発明で定める化学組成としたビ
レットを用いて製管した鋼管であればよいが、熱間圧延
の最終段階にて、1000〜1150℃の温度範囲での断面圧縮
率を40%以上とし、その後400℃までの冷却を10℃/s
以上の冷却速度とすれば、さらに効果的に耐SSC性を
向上させることができる。これは、NbCなどの析出物
の形態をより好ましい状態にできるためである。圧延後
の冷却速度が速くなりすぎ、焼入れ状態となってもその
効果は変わらないが、不均一な冷却により鋼管が変形す
ることもあるので、冷却速度は焼きが入らない程度にと
どめることが好ましい。なお、望ましい冷却速度は20℃
/s以上である。
直ちにおこなう直接焼入れがよいが、一旦(650℃以
下、ないしは室温程度まで)冷却された鋼管を1000〜11
50℃に再加熱して、焼入れをおこなってもほぼ同様な効
果が得られる。ここでの焼入れの再加熱温度は、温度が
高くなりすぎると結晶粒が粗大化するので1150℃までと
する。なおこの場合、本発明で定める化学組成としたビ
レットを用いて製管した鋼管であればよいが、熱間圧延
の最終段階にて、1000〜1150℃の温度範囲での断面圧縮
率を40%以上とし、その後400℃までの冷却を10℃/s
以上の冷却速度とすれば、さらに効果的に耐SSC性を
向上させることができる。これは、NbCなどの析出物
の形態をより好ましい状態にできるためである。圧延後
の冷却速度が速くなりすぎ、焼入れ状態となってもその
効果は変わらないが、不均一な冷却により鋼管が変形す
ることもあるので、冷却速度は焼きが入らない程度にと
どめることが好ましい。なお、望ましい冷却速度は20℃
/s以上である。
【0045】焼戻し条件は、所定の強度に調整するとい
う目的からとくには定めないが、上述のような条件にて
焼入れが完了した場合、所要強度に調整し、かつすぐれ
た耐SSC性を得るには650℃以上の焼戻しが必要にな
る。しかし、より好ましいのは、680℃以上の焼戻し温
度で所要強度が得られるようにすることである。
う目的からとくには定めないが、上述のような条件にて
焼入れが完了した場合、所要強度に調整し、かつすぐれ
た耐SSC性を得るには650℃以上の焼戻しが必要にな
る。しかし、より好ましいのは、680℃以上の焼戻し温
度で所要強度が得られるようにすることである。
【0046】
〔実施例1〕表1に示す化学組成の鋼を150kgの真空溶
解炉を用いて溶製した。鋼記号A〜D、E〜H、Iと
J、KとL、およびM〜Oは、それぞれ同一溶解チャン
スに分湯したものであり、特定の合金元素を鋳込み直前
に添加して組成を調整している。得られた鋳塊を鍛造
し、厚さ50mm、幅80mm、長さ250mmの圧延用ビレットと
した。これらのビレットを、鋼管の加工工程ないしは仕
上げ圧延の加工度の条件に合わせて、1250℃に加熱し、
50%の粗圧延加工後、1150℃を下回る温度域にて、仕上
げ圧延し、圧延後直ちに焼入れをおこなった。ここで、
各鋼試料とも圧延終了時の温度、すなわち焼入れ温度が
1020〜1050℃となるようにした。焼入れ後、成分および
所要強度に応じて温度を変化させ焼戻した。これらの鋼
試料ごとの試験条件は、表2にまとめて示す。
解炉を用いて溶製した。鋼記号A〜D、E〜H、Iと
J、KとL、およびM〜Oは、それぞれ同一溶解チャン
スに分湯したものであり、特定の合金元素を鋳込み直前
に添加して組成を調整している。得られた鋳塊を鍛造
し、厚さ50mm、幅80mm、長さ250mmの圧延用ビレットと
した。これらのビレットを、鋼管の加工工程ないしは仕
上げ圧延の加工度の条件に合わせて、1250℃に加熱し、
50%の粗圧延加工後、1150℃を下回る温度域にて、仕上
げ圧延し、圧延後直ちに焼入れをおこなった。ここで、
各鋼試料とも圧延終了時の温度、すなわち焼入れ温度が
1020〜1050℃となるようにした。焼入れ後、成分および
所要強度に応じて温度を変化させ焼戻した。これらの鋼
試料ごとの試験条件は、表2にまとめて示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】得られた各鋼板試料板から、圧延方向に平
行にJIS-14B号試験片を採取し、引張り強度を測定し
た。また、耐SSC性の評価は、NACE TM-0117 Metod A
に準拠した方法でおこなった。すなわち、試料の板厚
中心部から圧延方向に平行に、直径6.35mm、長さ25.4mm
の平行部を有する丸棒試験片を採取し、1気圧の硫化水
素で飽和した5%酢酸+5%食塩の水溶液中における定荷
重試験である。負荷応力は実降伏応力の80%、温度は25
℃にて、720時間荷重を印加した状態で試験を継続し、
その間に破断しなかった場合を、耐SSC性良好と判定
した。
行にJIS-14B号試験片を採取し、引張り強度を測定し
た。また、耐SSC性の評価は、NACE TM-0117 Metod A
に準拠した方法でおこなった。すなわち、試料の板厚
中心部から圧延方向に平行に、直径6.35mm、長さ25.4mm
の平行部を有する丸棒試験片を採取し、1気圧の硫化水
素で飽和した5%酢酸+5%食塩の水溶液中における定荷
重試験である。負荷応力は実降伏応力の80%、温度は25
℃にて、720時間荷重を印加した状態で試験を継続し、
その間に破断しなかった場合を、耐SSC性良好と判定
した。
【0050】試験結果を表2に合わせて示す。ここで、
試番1〜4、または試番5〜8は、Nbの含有量の影響を
比較したものであるが、試番1または試番5は、Nb含有
量が本発明の定める範囲よりも低く、所要強度を得るた
めには焼戻し温度を十分高くすることができず、耐SS
C性がよくない。また試番4または試番8は、Nb含有量
が本発明範囲より多すぎる場合であるが、所要強度にす
るには、焼戻し温度がAc1変態点を超えてしまい、これ
もまた耐SSC性悪くする原因となっている。試番10、
12、13、および15は、C量、Cr量またはMo量などが
本発明で定める範囲から逸脱しており、製造条件は熱間
圧延の仕上げ過程にて40%以上の加工および1000℃以上
の高温からの焼入れとし、焼戻し後所要強度が得られて
も、耐SSC性は不十分である。また、試番17〜20、ま
たは試番21〜24は、仕上げ圧延の1150℃を下回る温度範
囲での圧下率を変えた効果を見たものである。鋼の組成
としては、いずれも本発明範囲に入るものであるが、圧
延加工度が40%を下回る試番17、または21は、いずれも
耐SSC性がよくない結果となっている。これらの結果
の比較から分かるように、本発明の定める方法にて製造
された場合、いずれもすぐれた耐SSC性を示してい
る。
試番1〜4、または試番5〜8は、Nbの含有量の影響を
比較したものであるが、試番1または試番5は、Nb含有
量が本発明の定める範囲よりも低く、所要強度を得るた
めには焼戻し温度を十分高くすることができず、耐SS
C性がよくない。また試番4または試番8は、Nb含有量
が本発明範囲より多すぎる場合であるが、所要強度にす
るには、焼戻し温度がAc1変態点を超えてしまい、これ
もまた耐SSC性悪くする原因となっている。試番10、
12、13、および15は、C量、Cr量またはMo量などが
本発明で定める範囲から逸脱しており、製造条件は熱間
圧延の仕上げ過程にて40%以上の加工および1000℃以上
の高温からの焼入れとし、焼戻し後所要強度が得られて
も、耐SSC性は不十分である。また、試番17〜20、ま
たは試番21〜24は、仕上げ圧延の1150℃を下回る温度範
囲での圧下率を変えた効果を見たものである。鋼の組成
としては、いずれも本発明範囲に入るものであるが、圧
延加工度が40%を下回る試番17、または21は、いずれも
耐SSC性がよくない結果となっている。これらの結果
の比較から分かるように、本発明の定める方法にて製造
された場合、いずれもすぐれた耐SSC性を示してい
る。
【0051】〔実施例2〕表1に示した組成の鋼によ
り、実施例1と同様、厚さ50mm、幅80mm、長さ250mmの
圧延用ビレットを用いて、鋼管の加工工程ないしは仕上
げ圧延の加工度の条件に合わせて、1250℃加熱、50%の
粗圧延加工後、1150℃を下回る温度域にて、70%または
50%の圧下率の仕上げ圧延をおこない、1020℃以上の温
度で圧延終了後室温にまで放冷した。400℃までのまで
の平均冷却速度は、一部を除き、いずれも約20℃/sで
あった。得られた鋼板を再加熱し、焼入れ焼戻しをおこ
なった。これらの熱処理の温度条件を表3に示す。
り、実施例1と同様、厚さ50mm、幅80mm、長さ250mmの
圧延用ビレットを用いて、鋼管の加工工程ないしは仕上
げ圧延の加工度の条件に合わせて、1250℃加熱、50%の
粗圧延加工後、1150℃を下回る温度域にて、70%または
50%の圧下率の仕上げ圧延をおこない、1020℃以上の温
度で圧延終了後室温にまで放冷した。400℃までのまで
の平均冷却速度は、一部を除き、いずれも約20℃/sで
あった。得られた鋼板を再加熱し、焼入れ焼戻しをおこ
なった。これらの熱処理の温度条件を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】熱処理後の板試片から、実施例1と同様に
して引張り強度を測定し、耐SSC性を評価した。結果
も表3に合わせて示す。試番25〜40は、実施例1の試番
1〜16が直接焼入れで試作されたものであるのに対し、
同じ材料を再加熱して焼入れたものである。これから分
かるように、再加熱した場合でも、本発明で定める化学
組成範囲にあるものは、高温からの焼入れ、および高温
の焼戻しによって、すぐれた耐SSC性が得られること
がわかる。また、試番41〜44、または試番45〜48は、本
発明範囲に入る化学組成の鋼により、加熱温度を変えて
焼入れ、焼戻しをおこなったものであるがあるが、焼入
れの加熱温度が高すぎ、または低すぎて本発明範囲を逸
脱する場合、耐SSC性はよくないことが明らかであ
る。なお、試番49および50は、圧延後の冷却を保温して
緩冷したものであるが、結果がやや不安定となる。
して引張り強度を測定し、耐SSC性を評価した。結果
も表3に合わせて示す。試番25〜40は、実施例1の試番
1〜16が直接焼入れで試作されたものであるのに対し、
同じ材料を再加熱して焼入れたものである。これから分
かるように、再加熱した場合でも、本発明で定める化学
組成範囲にあるものは、高温からの焼入れ、および高温
の焼戻しによって、すぐれた耐SSC性が得られること
がわかる。また、試番41〜44、または試番45〜48は、本
発明範囲に入る化学組成の鋼により、加熱温度を変えて
焼入れ、焼戻しをおこなったものであるがあるが、焼入
れの加熱温度が高すぎ、または低すぎて本発明範囲を逸
脱する場合、耐SSC性はよくないことが明らかであ
る。なお、試番49および50は、圧延後の冷却を保温して
緩冷したものであるが、結果がやや不安定となる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、耐SSC性がすぐれた
降伏応力が110〜155ksi(758〜1068MPa)級の、油井お
よびそれに関連した諸設備に使用できる高強度高耐食性
継目無し鋼管が、Nbを多めに添加し、高温から焼入れ
るという簡易な手段により、圧延直後の直接焼入れ、ま
たは再加熱焼入れで容易に製造可能となり、これらの鋼
管を高い生産性で安価に提供することができる。
降伏応力が110〜155ksi(758〜1068MPa)級の、油井お
よびそれに関連した諸設備に使用できる高強度高耐食性
継目無し鋼管が、Nbを多めに添加し、高温から焼入れ
るという簡易な手段により、圧延直後の直接焼入れ、ま
たは再加熱焼入れで容易に製造可能となり、これらの鋼
管を高い生産性で安価に提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】熱間で穿孔および圧延して鋼管形状に成形
後そのまま直接焼入れし、焼戻しをおこなって所要強度
に調質する継目無し鋼管の製造方法であって、重量%
で、 C:0.20〜0.35%、 Si:0.05〜0.5%、 Mn:0.1〜1%、 P:0.025%以下、 S:0.01%以下、 Cr:0.3〜1.2%、 Mo:0.2〜1%、 sol.Al:0.005〜0.5%、 Ti:0.005〜0.5%、 B:0.0001〜0.005%、 Nb:0.1〜0.5%、 V:0.5%以下、 W:1.0%以下、 Zr:0.5%以下、 Ca:0.01%以下、 Ni:0.1%以下、 N:0.01%以下、 O:0.01%以下を含み、残
部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼のビレット
を、熱間穿孔および圧延する際の最終の仕上げ圧延段階
において、1000〜1150℃の温度範囲にて40%以上の加工
を施した後、そのまま1000℃以上の温度から直接焼入れ
し、その後焼戻すことを特徴とする、758〜1068MPaの降
伏応力を有する高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方
法。 - 【請求項2】焼入れ焼戻しにより所要強度に調質する継
目無し鋼管の製造方法であって、重量%で、 C:0.20〜0.35%、 Si:0.05〜0.5%、 Mn:0.1〜1%、 P:0.025%以下、 S:0.01%以下、 Cr:0.3〜1.2%、 Mo:0.2〜1%、 sol.Al:0.005〜0.5%、 Ti:0.005〜0.5%、 B:0.0001〜0.005%、 Nb:0.1〜0.5%、 V:0.5%以下、 W:1.0%以下、 Zr:0.5%以下、 Ca:0.01%以下、 Ni:0.1%以下、 N:0.01%以下、 O:0.01%以下を含み、残
部はFeおよび不可避的不純物からなる化学組成の鋼管
を、1000〜1150℃に加熱して焼入れをおこない、その後
焼戻すことを特徴とする、758〜1068MPaの降伏応力を有
する高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方法。 - 【請求項3】熱間穿孔および圧延する際の最終の仕上げ
圧延段階において、1000〜1150℃の温度範囲にて40%以
上の加工を施した後、400℃以下まで10℃/s以上で冷
却した鋼管を用いることを特徴とする、請求項2の758
〜1068MPaの降伏応力を有する高強度高耐食性継目無し
鋼管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8945897A JPH10280037A (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | 高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8945897A JPH10280037A (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | 高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10280037A true JPH10280037A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=13971269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8945897A Pending JPH10280037A (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | 高強度高耐食性継目無し鋼管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10280037A (ja) |
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-
1997
- 1997-04-08 JP JP8945897A patent/JPH10280037A/ja active Pending
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