JPH10252668A - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機Info
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- JPH10252668A JPH10252668A JP9057361A JP5736197A JPH10252668A JP H10252668 A JPH10252668 A JP H10252668A JP 9057361 A JP9057361 A JP 9057361A JP 5736197 A JP5736197 A JP 5736197A JP H10252668 A JPH10252668 A JP H10252668A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crankshaft
- scroll
- orbiting scroll
- bearing means
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Abstract
(57)【要約】
【課題】鏡板の両面にラップを形成した旋回スクロール
を有するダブルスクロール圧縮機において、旋回スクロ
ールの運動に起因する振動を抑制する。 【解決手段】鏡板5aの両側にラップ5b,5cが形成
された旋回スクロール5は、ラップ6a、7aが形成され
た2個の固定スクロール6、7と噛み合い、ダブルスク
ロール圧縮機を形成する。電動機等の駆動機からプーリ
11を介して旋回スクロール5へ駆動力が伝達され、固
定スクロール6、7に保持された軸受21、22、2
3、24により支持された2本のクランクシャフト1、
2が回転駆動される。クランクシャフト2の軸受21と
軸受9a間、軸受22と軸受9b間、クランクシャフト1
の軸受23と軸受9b間、および軸受24と軸受9b間
にはバランスウエイト部12a〜12dが形成されてい
る。
を有するダブルスクロール圧縮機において、旋回スクロ
ールの運動に起因する振動を抑制する。 【解決手段】鏡板5aの両側にラップ5b,5cが形成
された旋回スクロール5は、ラップ6a、7aが形成され
た2個の固定スクロール6、7と噛み合い、ダブルスク
ロール圧縮機を形成する。電動機等の駆動機からプーリ
11を介して旋回スクロール5へ駆動力が伝達され、固
定スクロール6、7に保持された軸受21、22、2
3、24により支持された2本のクランクシャフト1、
2が回転駆動される。クランクシャフト2の軸受21と
軸受9a間、軸受22と軸受9b間、クランクシャフト1
の軸受23と軸受9b間、および軸受24と軸受9b間
にはバランスウエイト部12a〜12dが形成されてい
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気圧縮機や冷凍
・空調用圧縮機として使用されるスクロール圧縮機に関
する。
・空調用圧縮機として使用されるスクロール圧縮機に関
する。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機の大容量化を図って、
旋回スクロールの鏡板の両側にラップを形成し、この各
々のラップと噛み合うラップを有する固定スクロールを
旋回スクロールを挟んで配置したダブルスクロール型、
または両歯型スクロール圧縮機が提案されている。この
スクロール圧縮機では、大容量化に伴う駆動動力の増大
に対処して、クランクシャフトを複数本備えている。そ
して、この複数本のクランクシャフトを備えたスクロー
ル圧縮機では旋回スクロールの回転により発生する非平
衡力(アンバランス力)を減らすために、クランクシャ
フトにバランスウエイトを設けている。このような例
が、特開平7−103151号公報及び特開平7ー31
0682号公報に記載されている。
旋回スクロールの鏡板の両側にラップを形成し、この各
々のラップと噛み合うラップを有する固定スクロールを
旋回スクロールを挟んで配置したダブルスクロール型、
または両歯型スクロール圧縮機が提案されている。この
スクロール圧縮機では、大容量化に伴う駆動動力の増大
に対処して、クランクシャフトを複数本備えている。そ
して、この複数本のクランクシャフトを備えたスクロー
ル圧縮機では旋回スクロールの回転により発生する非平
衡力(アンバランス力)を減らすために、クランクシャ
フトにバランスウエイトを設けている。このような例
が、特開平7−103151号公報及び特開平7ー31
0682号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】駆動モータ出力が7.
5kW以上の大型のスクロール圧縮機を実現するため
に、旋回スクロールの鏡板の両側に螺旋状のスクロール
ラップを形成し、この旋回スクロールのラップと噛み合
うラップを形成した2つの固定スクロールを旋回スクロ
ールの両側に配置したダブルスクロール型のスクロール
圧縮機では、スクロールラップ部の底面に垂直の方向に
働くガス力(スラスト力)が、互いに反対の方向に作用
しスラスト力が打ち消されるため、通常のシングルタイ
プのスクロール圧縮機に比べてスラスト力による影響が
少ない。その反面、旋回スクロールの質量が小型のスク
ロール圧縮機の質量と較べて増大し、遠心力が増加す
る。この増大した遠心力はクランクシャフトに加わる加
振力を増大させ、ひいてはクランクシャフトや旋回スク
ロールにおける騒音振動の増大をもたらす。そのため、
上記従来例においては、クランクシャフトにバランスウ
エイトを形成している。しかしながら、上記特開平7−
103151号公報に記載のものはクランクシャフトに
のみバランスウエイト部を形成しているので、ダブルス
クロールで発生する大きな遠心力に対応できない。ま
た、特開平7ー310682号公報に記載のものはバラ
ンスウエイト部の位置が軸端近くであるため、これも大
きな遠心力を吸収できない。つまり、いずれの公知例に
おいても、増大した遠心力を相殺するには程遠く、騒音
振動の面では十分な効果が得られていなかった。
5kW以上の大型のスクロール圧縮機を実現するため
に、旋回スクロールの鏡板の両側に螺旋状のスクロール
ラップを形成し、この旋回スクロールのラップと噛み合
うラップを形成した2つの固定スクロールを旋回スクロ
ールの両側に配置したダブルスクロール型のスクロール
圧縮機では、スクロールラップ部の底面に垂直の方向に
働くガス力(スラスト力)が、互いに反対の方向に作用
しスラスト力が打ち消されるため、通常のシングルタイ
プのスクロール圧縮機に比べてスラスト力による影響が
少ない。その反面、旋回スクロールの質量が小型のスク
ロール圧縮機の質量と較べて増大し、遠心力が増加す
る。この増大した遠心力はクランクシャフトに加わる加
振力を増大させ、ひいてはクランクシャフトや旋回スク
ロールにおける騒音振動の増大をもたらす。そのため、
上記従来例においては、クランクシャフトにバランスウ
エイトを形成している。しかしながら、上記特開平7−
103151号公報に記載のものはクランクシャフトに
のみバランスウエイト部を形成しているので、ダブルス
クロールで発生する大きな遠心力に対応できない。ま
た、特開平7ー310682号公報に記載のものはバラ
ンスウエイト部の位置が軸端近くであるため、これも大
きな遠心力を吸収できない。つまり、いずれの公知例に
おいても、増大した遠心力を相殺するには程遠く、騒音
振動の面では十分な効果が得られていなかった。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術の不具合を
解消し騒音振動の低減したダブルスクロール型のスクロ
ール圧縮機を提供することにある。本発明の他の目的
は、大容量化を達成した高効率のダブルスクロール型の
スクロール圧縮機を提供することにある。本発明のさら
に他の目的は、遠心力の影響を低減したダブルスクロー
ル型のスクロール圧縮機を提供することにある。
解消し騒音振動の低減したダブルスクロール型のスクロ
ール圧縮機を提供することにある。本発明の他の目的
は、大容量化を達成した高効率のダブルスクロール型の
スクロール圧縮機を提供することにある。本発明のさら
に他の目的は、遠心力の影響を低減したダブルスクロー
ル型のスクロール圧縮機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明の第1の態様は、鏡板の両側に螺旋状のラップ
を有する旋回スクロールと、このラップに噛み合うラッ
プを有し旋回スクロールの両側に配置された第1、第2
の固定スクロールと、旋回スクロールを回転駆動するク
ランクシャフトと、このクランクシャフトと同期回転す
る補助クランクシャフトと、クランクシャフトを支持し
旋回スクロールに保持された第1の軸受手段と、補助ク
ランクシャフトを支持し旋回スクロールに保持された第
2の軸受手段と、クランクシャフトを支持し第1及び第
2の固定スクロールに保持された第3の軸受手段と、補
助クランクシャフトを支持し第1及び第2の固定スクロ
ールに保持された第4の軸受手段とを備えたスクロール
圧縮機において、クランクシャフトの第1の軸受手段と
第2の軸受手段間に第1のバランスウエイト手段を、補
助クランクシャフトの第3の軸受手段と第4の軸受手段
間に第2のバランスウエイト手段をそれぞれ形成したも
のである。
め本発明の第1の態様は、鏡板の両側に螺旋状のラップ
を有する旋回スクロールと、このラップに噛み合うラッ
プを有し旋回スクロールの両側に配置された第1、第2
の固定スクロールと、旋回スクロールを回転駆動するク
ランクシャフトと、このクランクシャフトと同期回転す
る補助クランクシャフトと、クランクシャフトを支持し
旋回スクロールに保持された第1の軸受手段と、補助ク
ランクシャフトを支持し旋回スクロールに保持された第
2の軸受手段と、クランクシャフトを支持し第1及び第
2の固定スクロールに保持された第3の軸受手段と、補
助クランクシャフトを支持し第1及び第2の固定スクロ
ールに保持された第4の軸受手段とを備えたスクロール
圧縮機において、クランクシャフトの第1の軸受手段と
第2の軸受手段間に第1のバランスウエイト手段を、補
助クランクシャフトの第3の軸受手段と第4の軸受手段
間に第2のバランスウエイト手段をそれぞれ形成したも
のである。
【0006】上記目的を達成するための本発明の第2の
態様は、鏡板の両側に螺旋状のラップを有する旋回スク
ロールと、このラップに噛み合うラップを有し旋回スク
ロールの両側に配置された第1、第2の固定スクロール
と、旋回スクロールを回転駆動するクランクシャフト
と、このクランクシャフトと同期回転する補助クランク
シャフトと、これらクランクシャフトを回転支持する複
数の支持手段とを備えたダブルスクロール型のスクロー
ル圧縮機において、クランクシャフトと補助クランクシ
ャフトの支持手段より内側に、旋回スクロールの回転に
より発生する遠心力を相殺するバランスウエイト部を形
成したものである。
態様は、鏡板の両側に螺旋状のラップを有する旋回スク
ロールと、このラップに噛み合うラップを有し旋回スク
ロールの両側に配置された第1、第2の固定スクロール
と、旋回スクロールを回転駆動するクランクシャフト
と、このクランクシャフトと同期回転する補助クランク
シャフトと、これらクランクシャフトを回転支持する複
数の支持手段とを備えたダブルスクロール型のスクロー
ル圧縮機において、クランクシャフトと補助クランクシ
ャフトの支持手段より内側に、旋回スクロールの回転に
より発生する遠心力を相殺するバランスウエイト部を形
成したものである。
【0007】そして好ましくは、バランスウエイト部を
旋回スクロールを挟んで各クランクシャフトの両側に形
成したものである。また、好ましくはバランスウエイト
部を、旋回スクロールの中心から等しいモーメントが発
生する位置に形成さしたものである。
旋回スクロールを挟んで各クランクシャフトの両側に形
成したものである。また、好ましくはバランスウエイト
部を、旋回スクロールの中心から等しいモーメントが発
生する位置に形成さしたものである。
【0008】上記目的を達成するための本発明の第3の
態様は、鏡板の両側に螺旋状のラップを有する旋回スク
ロールと、このラップに噛み合うラップを有し旋回スク
ロールの両側に配置された第1、第2の固定スクロール
と、旋回スクロールを回転駆動するクランクシャフト
と、このクランクシャフトと同期回転する補助クランク
シャフトと、クランクシャフトと補助クランクシャフト
を同期回転させる動力伝達手段と、クランクシャフトを
支持し旋回スクロールに保持された第1の軸受手段と、
補助クランクシャフトを支持し旋回スクロールに保持さ
れた第2の軸受手段とを備えたダブルスクロール型のス
クロール圧縮機において、クランクシャフト及び補助ク
ランクシャフトに旋回スクロールの回転により発生する
遠心力を相殺するためのバランスウエイト部を複数箇所
形成し、このバランスウエイト部は旋回スクロールを挟
んで各々両側に形成したものである。
態様は、鏡板の両側に螺旋状のラップを有する旋回スク
ロールと、このラップに噛み合うラップを有し旋回スク
ロールの両側に配置された第1、第2の固定スクロール
と、旋回スクロールを回転駆動するクランクシャフト
と、このクランクシャフトと同期回転する補助クランク
シャフトと、クランクシャフトと補助クランクシャフト
を同期回転させる動力伝達手段と、クランクシャフトを
支持し旋回スクロールに保持された第1の軸受手段と、
補助クランクシャフトを支持し旋回スクロールに保持さ
れた第2の軸受手段とを備えたダブルスクロール型のス
クロール圧縮機において、クランクシャフト及び補助ク
ランクシャフトに旋回スクロールの回転により発生する
遠心力を相殺するためのバランスウエイト部を複数箇所
形成し、このバランスウエイト部は旋回スクロールを挟
んで各々両側に形成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。図1および図2は、本発明のダブルスク
ロール型スクロール圧縮機の第1の実施例に係る縦断面
図及び正面図である。
いて説明する。図1および図2は、本発明のダブルスク
ロール型スクロール圧縮機の第1の実施例に係る縦断面
図及び正面図である。
【0010】スクロール圧縮機Aには図示しないモータ
からタイミングプーリ11およびこのタイミングプーリ
11の外周部に取り付けられる図示しないベルトを介し
て動力が伝達される。タイミングプーリ11及びタイミ
ングプーリ3aはクランクシャフト1の一端側に固定さ
れている。クランクシャフト1は旋回スクロール5の端
部近傍に設けられた貫通穴部に深溝玉軸受9bを介して
取り付けられている。
からタイミングプーリ11およびこのタイミングプーリ
11の外周部に取り付けられる図示しないベルトを介し
て動力が伝達される。タイミングプーリ11及びタイミ
ングプーリ3aはクランクシャフト1の一端側に固定さ
れている。クランクシャフト1は旋回スクロール5の端
部近傍に設けられた貫通穴部に深溝玉軸受9bを介して
取り付けられている。
【0011】旋回スクロール5は、鏡板5aとこの鏡板
5aの図1において上下面で表される両面に形成された
螺旋状のスクロールラップ5b,5cとからなる。旋回
スクロール5のラップ5bに固定スクロール7のラップ
7aが、旋回スクロール5のラップ5cに固定スクロー
ルの6のラップ6aがそれぞれ噛み合っている。つま
り、旋回スクロール5をサンドイッチするように固定ス
クロール6、7が旋回スクロール5の両側に配置されて
いる。旋回スクロールのクランクシャフト貫通穴とは反
対端近傍に補助クランクシャフト貫通穴が形成されてお
り、この貫通穴に保持されたシールド型の深溝玉軸受9
aにより補助クランクシャフト2が回転支持されてい
る。さらに、クランクシャフト1及び補助クランクシャ
フト2の他端側は固定スクロール7に保持された玉軸受
23及び21に回転可能に支持されている。補助クラン
クシャフト2の玉軸受23で支持された端部と反対端に
はタイミングプーリ3bが固定されている。そして、タ
イミングプーリ3bおよびタイミングプーリ3aにタイ
ミングベルト4が掛けられている。従って、駆動機から
の動力はクランクシャフト1及び補助クランクシャフト
2へ同期して伝達される。
5aの図1において上下面で表される両面に形成された
螺旋状のスクロールラップ5b,5cとからなる。旋回
スクロール5のラップ5bに固定スクロール7のラップ
7aが、旋回スクロール5のラップ5cに固定スクロー
ルの6のラップ6aがそれぞれ噛み合っている。つま
り、旋回スクロール5をサンドイッチするように固定ス
クロール6、7が旋回スクロール5の両側に配置されて
いる。旋回スクロールのクランクシャフト貫通穴とは反
対端近傍に補助クランクシャフト貫通穴が形成されてお
り、この貫通穴に保持されたシールド型の深溝玉軸受9
aにより補助クランクシャフト2が回転支持されてい
る。さらに、クランクシャフト1及び補助クランクシャ
フト2の他端側は固定スクロール7に保持された玉軸受
23及び21に回転可能に支持されている。補助クラン
クシャフト2の玉軸受23で支持された端部と反対端に
はタイミングプーリ3bが固定されている。そして、タ
イミングプーリ3bおよびタイミングプーリ3aにタイ
ミングベルト4が掛けられている。従って、駆動機から
の動力はクランクシャフト1及び補助クランクシャフト
2へ同期して伝達される。
【0012】クランクシャフト1のタイミングプーリ3
aとシールド玉軸受9b間、および補助クランクシャフ
ト2のタイミングプーリ3bとシールド玉軸受9a間を
支持するために、玉軸受24、22が固定スクロール6
に保持されている。クランクシャフト1及び補助クラン
クシャフト2は旋回スクロール5に設けた貫通穴に対応
する部分で偏心した回転軸となっている。これにより、
クランク作用が達成される。
aとシールド玉軸受9b間、および補助クランクシャフ
ト2のタイミングプーリ3bとシールド玉軸受9a間を
支持するために、玉軸受24、22が固定スクロール6
に保持されている。クランクシャフト1及び補助クラン
クシャフト2は旋回スクロール5に設けた貫通穴に対応
する部分で偏心した回転軸となっている。これにより、
クランク作用が達成される。
【0013】次に、このように構成した本実施例の作用
について説明する。図示しないモータからの駆動力はタ
イミングプーリ、タイミングベルトを介してクランクシ
ャフト1及び補助クランクシャフトに同期して伝達され
る。クランクシャフト1及び補助クランクシャフト2の
旋回スクロール5の貫通部は偏心して形成されるので、
これら両クランクシャフトの回転により、旋回スクロー
ル5は自転することなく公転する。すなわち、旋回運動
する。旋回スクロール5が旋回すると、旋回スクロール
5の鏡板5aの上下両面に形成された渦巻き状のスクロ
ールラップ5b,5cも旋回運動をし、固定スクロール
7に形成された渦巻き状のスクロールラップ7aおよび
固定スクロール6に形成された渦巻き状のスクロールラ
ップ6aとそれぞれ噛み合って移動する。この旋回スク
ロール5の旋回により、図2に示した吸気口10から吸
い込まれたガスは、固定スクロールのラップと旋回スク
ロールのラップ間に形成される三日月状の圧縮室の体積
が減少することにより、順次圧縮され圧力が上昇する。
そして、所定の圧力まで上昇した後、吐出口から需要先
へ供給される。
について説明する。図示しないモータからの駆動力はタ
イミングプーリ、タイミングベルトを介してクランクシ
ャフト1及び補助クランクシャフトに同期して伝達され
る。クランクシャフト1及び補助クランクシャフト2の
旋回スクロール5の貫通部は偏心して形成されるので、
これら両クランクシャフトの回転により、旋回スクロー
ル5は自転することなく公転する。すなわち、旋回運動
する。旋回スクロール5が旋回すると、旋回スクロール
5の鏡板5aの上下両面に形成された渦巻き状のスクロ
ールラップ5b,5cも旋回運動をし、固定スクロール
7に形成された渦巻き状のスクロールラップ7aおよび
固定スクロール6に形成された渦巻き状のスクロールラ
ップ6aとそれぞれ噛み合って移動する。この旋回スク
ロール5の旋回により、図2に示した吸気口10から吸
い込まれたガスは、固定スクロールのラップと旋回スク
ロールのラップ間に形成される三日月状の圧縮室の体積
が減少することにより、順次圧縮され圧力が上昇する。
そして、所定の圧力まで上昇した後、吐出口から需要先
へ供給される。
【0014】ところで、旋回スクロール5が旋回運動、
すなわち偏心回転運動をすると、旋回スクロールの偏心
量、シールド玉軸受9a,9b、クランクシャフト1及
び補助クランクシャフトの偏心量がアンバランスウエイ
トとして作用する。その結果、多大な遠心力が発生す
る。つまり、ダブルスクロール化によりラップが2面に
形成されているので、通常のシングルタイプのスクロー
ルに比べて旋回スクロール重量が2倍程度になってい
る。しかも、鏡板は冷却等のため厚みを増したので、旋
回スクロールのアンバランス量は従来に比して多大にな
る。この結果、スクロール圧縮機には多大な遠心力が作
用し、この遠心力はスクロール圧縮機に振動騒音を引き
起こし、ひいては性能の低下をもたらす。したがって、
この遠心力を減殺または相殺する必要がある。そこで、
クランクシャフト1及び補助クランクシャフト2には、
バランスウェイト部12a,12b,12c,12dを形成す
る。そして、本発明者等の実験的研究によれば、クラン
クシャフト1と補助クランクシャフト2の偏芯軸中心の
中間に、旋回スクロール5の運動により発生する遠心力
の作用点を配置するのが良いことが判明した。なお、作
用点の位置が中間から外れている場合は、バランスウエ
イトの質量配分を変更することで対応できる。さらに、
バランスウエイト部12a,12bのバランスウエイト量
を決定するに当たっては、旋回スクロール5の中心回り
のモーメントが、釣り合うように決定する。すなわち、
バランスウエイトを中心角約120°の扇形部を有する
形状に形成し、これをクランクシャフト1の偏心側とは
ほぼ反対側に重心が位置するように取り付ける。そし
て、クランクシャフトに作用する遠心力にこのバランス
ウエイトによる偏重量(2個のバランスウエイトの合計
値)を一致させる。また、バランスウエイトの軸方向位
置は、クランクシャフト1の重心回りに2つのバランス
ウエイトの偏重量によるモーメントが釣り合うように決
定する。バランスウエイト部12c,12dの形成も同様
である。すなわち、補助クランクシャフト2に旋回スク
ロール5を間に挾む形で2個のバランスウエイトを取り
付ける。補助クランクシャフト2とバランスウエイトの
関係は、クランクシャフトとそれに取り付けたバランス
ウエイトと同様の関係にある。
すなわち偏心回転運動をすると、旋回スクロールの偏心
量、シールド玉軸受9a,9b、クランクシャフト1及
び補助クランクシャフトの偏心量がアンバランスウエイ
トとして作用する。その結果、多大な遠心力が発生す
る。つまり、ダブルスクロール化によりラップが2面に
形成されているので、通常のシングルタイプのスクロー
ルに比べて旋回スクロール重量が2倍程度になってい
る。しかも、鏡板は冷却等のため厚みを増したので、旋
回スクロールのアンバランス量は従来に比して多大にな
る。この結果、スクロール圧縮機には多大な遠心力が作
用し、この遠心力はスクロール圧縮機に振動騒音を引き
起こし、ひいては性能の低下をもたらす。したがって、
この遠心力を減殺または相殺する必要がある。そこで、
クランクシャフト1及び補助クランクシャフト2には、
バランスウェイト部12a,12b,12c,12dを形成す
る。そして、本発明者等の実験的研究によれば、クラン
クシャフト1と補助クランクシャフト2の偏芯軸中心の
中間に、旋回スクロール5の運動により発生する遠心力
の作用点を配置するのが良いことが判明した。なお、作
用点の位置が中間から外れている場合は、バランスウエ
イトの質量配分を変更することで対応できる。さらに、
バランスウエイト部12a,12bのバランスウエイト量
を決定するに当たっては、旋回スクロール5の中心回り
のモーメントが、釣り合うように決定する。すなわち、
バランスウエイトを中心角約120°の扇形部を有する
形状に形成し、これをクランクシャフト1の偏心側とは
ほぼ反対側に重心が位置するように取り付ける。そし
て、クランクシャフトに作用する遠心力にこのバランス
ウエイトによる偏重量(2個のバランスウエイトの合計
値)を一致させる。また、バランスウエイトの軸方向位
置は、クランクシャフト1の重心回りに2つのバランス
ウエイトの偏重量によるモーメントが釣り合うように決
定する。バランスウエイト部12c,12dの形成も同様
である。すなわち、補助クランクシャフト2に旋回スク
ロール5を間に挾む形で2個のバランスウエイトを取り
付ける。補助クランクシャフト2とバランスウエイトの
関係は、クランクシャフトとそれに取り付けたバランス
ウエイトと同様の関係にある。
【0015】バランスウエイトは、各クランクシャフト
と一体であってもよいし、別ピースであってもよい。別
体に構成した場合、バランスウエイト部12a,12b,1
2c,12dに取り付ける各バランスウエイトに位置決め
用の穴を設けると、周方向及び軸方向の位置決めが容易
になる。例えば、クランクシャフト1と補助クランクシ
ャフト2に設けた位置決め用の穴にノックピンや位置合
わせ用の棒等を挿入し、各バランスウエイトを所定の位
置に取り付ける。これにより旋回スクロール5の旋回運
動に起因して発生した遠心力を相殺または減殺できる。
さらに、バランスウエイトを各クランクシャフトについ
て複数個づつ設けているので、各クランクシャフトの軸
方向のアンバランスをも減少させることが可能である。
と一体であってもよいし、別ピースであってもよい。別
体に構成した場合、バランスウエイト部12a,12b,1
2c,12dに取り付ける各バランスウエイトに位置決め
用の穴を設けると、周方向及び軸方向の位置決めが容易
になる。例えば、クランクシャフト1と補助クランクシ
ャフト2に設けた位置決め用の穴にノックピンや位置合
わせ用の棒等を挿入し、各バランスウエイトを所定の位
置に取り付ける。これにより旋回スクロール5の旋回運
動に起因して発生した遠心力を相殺または減殺できる。
さらに、バランスウエイトを各クランクシャフトについ
て複数個づつ設けているので、各クランクシャフトの軸
方向のアンバランスをも減少させることが可能である。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば鏡板の両側にラップ面を
もつ旋回スクロールと、この旋回スクロールのラップと
噛み合うラップが形成された2つの固定スクロールとを
備えたダウブルスクロール圧縮機において、旋回スクロ
ールを回転駆動する主クランクシャフトと補助クランク
シャフトであって、両クランクシャフトに取り付けられ
た各軸受間に、旋回スクロールにより発生する遠心力を
相殺するバランスウエイトを形成したので、運転時の振
動を低減できる。その結果、良好な運転を行うことが出
来、ダブルスクロール圧縮機の信頼性と性能を向上でき
る。
もつ旋回スクロールと、この旋回スクロールのラップと
噛み合うラップが形成された2つの固定スクロールとを
備えたダウブルスクロール圧縮機において、旋回スクロ
ールを回転駆動する主クランクシャフトと補助クランク
シャフトであって、両クランクシャフトに取り付けられ
た各軸受間に、旋回スクロールにより発生する遠心力を
相殺するバランスウエイトを形成したので、運転時の振
動を低減できる。その結果、良好な運転を行うことが出
来、ダブルスクロール圧縮機の信頼性と性能を向上でき
る。
【図1】本発明に係るダブルスクロール圧縮機の一実施
例の縦断面図。
例の縦断面図。
【図2】本発明の一実施例に係るダブルスクロール圧縮
機の正面図。
機の正面図。
1…クランクシャフト、 2…補助クランクシャフト、
3…タイミングプーリ、4…タイミングベルト、5…旋
回スクロール、 6…固定スクロール、7…固定スクロ
ール、 8…吐出口、 9a,9b…シールド玉軸受、1
0…吸気口、11…プーリ、12a,12b,12c,12d
…バランスウエイト部、21、22、23、24…玉軸
受。
3…タイミングプーリ、4…タイミングベルト、5…旋
回スクロール、 6…固定スクロール、7…固定スクロ
ール、 8…吐出口、 9a,9b…シールド玉軸受、1
0…吸気口、11…プーリ、12a,12b,12c,12d
…バランスウエイト部、21、22、23、24…玉軸
受。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 昭 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 (72)発明者 町田 茂 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】鏡板の両側に螺旋状のラップを有する旋回
スクロールと、このラップに噛み合うラップを有し前記
旋回スクロールの両側に配置された第1、第2の固定ス
クロールと、前記旋回スクロールを回転駆動するクラン
クシャフトと、このクランクシャフトと同期回転する補
助クランクシャフトと、前記クランクシャフトを支持し
旋回スクロールに保持された第1の軸受手段と、前記補
助クランクシャフトを支持し旋回スクロールに保持され
た第2の軸受手段と、前記クランクシャフトを支持し前
記第1及び第2の固定スクロールに保持された第3の軸
受手段と、前記補助クランクシャフトを支持し前記第1
及び第2の固定スクロールに保持された第4の軸受手段
とを備えたスクロール圧縮機において、 前記クランクシャフトの前記第1の軸受手段と第2の軸
受手段間に第1のバランスウエイト手段を、前記補助ク
ランクシャフトの前記第3の軸受手段と第4の軸受手段
間に第2のバランスウエイト手段をそれぞれ形成したこ
とを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項2】鏡板の両側に螺旋状のラップを有する旋回
スクロールと、このラップに噛み合うラップを有し前記
旋回スクロールの両側に配置された第1、第2の固定ス
クロールと、前記旋回スクロールを回転駆動するクラン
クシャフトと、このクランクシャフトと同期回転する補
助クランクシャフトと、これらクランクシャフトを回転
支持する複数の支持手段とを備えたダブルスクロール型
のスクロール圧縮機において、 前記クランクシャフトと補助クランクシャフトの前記支
持手段より内側に、前記旋回スクロールの回転により発
生する遠心力と釣り合わせるためのバランスウエイト部
を形成したことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項3】前記バランスウエイト部は、前記旋回スク
ロールを挟んで各クランクシャフトの両側に形成されて
いることを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮
機。 - 【請求項4】前記バランスウエイト部は、前記旋回スク
ロールの中心から等しいモーメントが発生する位置に形
成されていることを特徴とする請求項2または3に記載
のスクロール圧縮機。 - 【請求項5】鏡板の両側に螺旋状のラップを有する旋回
スクロールと、このラップに噛み合うラップを有し前記
旋回スクロールの両側に配置された第1、第2の固定ス
クロールと、前記旋回スクロールを回転駆動するクラン
クシャフトと、このクランクシャフトと同期回転する補
助クランクシャフトと、前記クランクシャフトと前記補
助クランクシャフトを同期回転させる動力伝達手段と、
前記クランクシャフトを支持し旋回スクロールに保持さ
れた第1の軸受手段と、前記補助クランクシャフトを支
持し旋回スクロールに保持された第2の軸受手段とを備
えたダブルスクロール型のスクロール圧縮機において、 前記クランクシャフト及び補助クランクシャフトに旋回
スクロールの回転により発生する遠心力を相殺するため
のバランスウエイト部を複数箇所形成し、このバランス
ウエイト部は旋回スクロールを挟んで各々両側に形成し
たことを特徴とするダブルスクロール型のスクロール圧
縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9057361A JPH10252668A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9057361A JPH10252668A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | スクロール圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10252668A true JPH10252668A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=13053449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9057361A Pending JPH10252668A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10252668A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6190147B1 (en) * | 1998-11-05 | 2001-02-20 | Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho | Rotation balancing mechanism for orbiting scrolls of scroll-type compressors |
US6450791B1 (en) | 2000-02-18 | 2002-09-17 | Hitachi, Ltd. | Scroll compressor |
CN110360106A (zh) * | 2019-07-25 | 2019-10-22 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 涡旋压缩机、空调室外机及空调器 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08128395A (ja) * | 1994-11-02 | 1996-05-21 | Hitachi Ltd | スクロール形圧縮機 |
-
1997
- 1997-03-12 JP JP9057361A patent/JPH10252668A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08128395A (ja) * | 1994-11-02 | 1996-05-21 | Hitachi Ltd | スクロール形圧縮機 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6190147B1 (en) * | 1998-11-05 | 2001-02-20 | Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho | Rotation balancing mechanism for orbiting scrolls of scroll-type compressors |
US6450791B1 (en) | 2000-02-18 | 2002-09-17 | Hitachi, Ltd. | Scroll compressor |
CN110360106A (zh) * | 2019-07-25 | 2019-10-22 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 涡旋压缩机、空调室外机及空调器 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040601 |