JPH1023881A - 食材などの乾燥・殺菌方法 - Google Patents
食材などの乾燥・殺菌方法Info
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- JPH1023881A JPH1023881A JP17950496A JP17950496A JPH1023881A JP H1023881 A JPH1023881 A JP H1023881A JP 17950496 A JP17950496 A JP 17950496A JP 17950496 A JP17950496 A JP 17950496A JP H1023881 A JPH1023881 A JP H1023881A
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- drying
- temperature
- sterilization
- sterilizing
- food
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- Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)
- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
- Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 食材の外観及び食感を保存し、且つ可及的に
少ない消費エネルギー量で乾燥及び殺菌することができ
る食品の乾燥・殺菌方法を提供する。 【解決手段】 遠赤外線を照射して食材を乾燥する乾燥
工程と、食材の温度を高めて殺菌する殺菌工程とからな
り、好ましくは減圧下に、乾燥工程の食材の温度を、こ
の食材中に存在する細菌中の低温菌の増殖温度に保持
し、殺菌工程の殺菌温度を、前記低温菌が増殖不能とな
る温度より遙に高い温度とするものである。
少ない消費エネルギー量で乾燥及び殺菌することができ
る食品の乾燥・殺菌方法を提供する。 【解決手段】 遠赤外線を照射して食材を乾燥する乾燥
工程と、食材の温度を高めて殺菌する殺菌工程とからな
り、好ましくは減圧下に、乾燥工程の食材の温度を、こ
の食材中に存在する細菌中の低温菌の増殖温度に保持
し、殺菌工程の殺菌温度を、前記低温菌が増殖不能とな
る温度より遙に高い温度とするものである。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、食材などの乾燥・
殺菌方法に関し、更に詳細には、食材の風味、食感を残
しながら乾燥・殺菌することができ、しかも、食材以外
の雑菌が繁殖する物品、例えば布巾、食品容器、マット
レスなど、雑菌が繁殖し易い物品を、可及的に低い温度
で乾燥・殺菌することのできる方法に関するものであ
る。
殺菌方法に関し、更に詳細には、食材の風味、食感を残
しながら乾燥・殺菌することができ、しかも、食材以外
の雑菌が繁殖する物品、例えば布巾、食品容器、マット
レスなど、雑菌が繁殖し易い物品を、可及的に低い温度
で乾燥・殺菌することのできる方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】食品を保存する方法として食材を日に干
して乾燥させることが古くから行われており、食材を工
業的に乾燥させた保存食が多数販売されていることは周
知である。工業的に食品を乾燥させる方法としては次の
各方法が一般に知られている。
して乾燥させることが古くから行われており、食材を工
業的に乾燥させた保存食が多数販売されていることは周
知である。工業的に食品を乾燥させる方法としては次の
各方法が一般に知られている。
【0003】1)熱風乾燥又は冷風乾燥法 加熱又は冷
却による変色があり、乾燥前のものとの食感の変化が大
きいという欠点がある。 2)ヴァキュウムドライ法 減圧条件下に油で揚げ、食
品中の水を油に置換する方法であり、当然に乾燥前の食
材の風味・食感を保存することはできない。 3)スプレードライ法 牛乳などの液体食材を熱風中に
噴霧し、一挙に乾燥させる方法であり、再び水に溶かす
と、乾燥前の状態に戻すことができるという長所がある
が、適用は液状食品に限定される。
却による変色があり、乾燥前のものとの食感の変化が大
きいという欠点がある。 2)ヴァキュウムドライ法 減圧条件下に油で揚げ、食
品中の水を油に置換する方法であり、当然に乾燥前の食
材の風味・食感を保存することはできない。 3)スプレードライ法 牛乳などの液体食材を熱風中に
噴霧し、一挙に乾燥させる方法であり、再び水に溶かす
と、乾燥前の状態に戻すことができるという長所がある
が、適用は液状食品に限定される。
【0004】4)フリーズドライ法 食材を一旦凍結さ
せ、真空状態で加熱することにより水を氷から昇華させ
て乾燥させる方法であり、野菜などの食材の外観を保つ
ことができる。したがってインスタントコーヒーなどは
元より、乾燥野菜製造に利用されている。しかしなが
ら、凍結させる際に植物組織が壊れるため、風味・食感
を保つことができす、また生菌が殆どそのまま残存する
という欠点がある。
せ、真空状態で加熱することにより水を氷から昇華させ
て乾燥させる方法であり、野菜などの食材の外観を保つ
ことができる。したがってインスタントコーヒーなどは
元より、乾燥野菜製造に利用されている。しかしなが
ら、凍結させる際に植物組織が壊れるため、風味・食感
を保つことができす、また生菌が殆どそのまま残存する
という欠点がある。
【0005】更にフリーズドライ法は、冷凍し、真空を
保持するために必要とする多量のエネルギーの外に、真
空トラップ用として一旦昇華した水蒸気の凍結及び再融
解のためのエネルギーを多量に必要とするという問題も
ある。
保持するために必要とする多量のエネルギーの外に、真
空トラップ用として一旦昇華した水蒸気の凍結及び再融
解のためのエネルギーを多量に必要とするという問題も
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、食材の殺菌
は一般に加熱処理によって行われているが、10g中の
細菌数が3×103 の人参を使用し、実際に加熱温度と
細菌数との関係を調べたところ以下の結果を得た。即
ち、40℃で24時間保持したところ細菌数が233%
増加し、また60℃(一般にこれ以上の温度とすると食
材の風味が損なわれると言われている)で30分殺菌処
理しても126%と細菌数が増加しおり、78℃で殺菌
した場合でも細菌数が2.6×103 に低下したに止ま
った。
は一般に加熱処理によって行われているが、10g中の
細菌数が3×103 の人参を使用し、実際に加熱温度と
細菌数との関係を調べたところ以下の結果を得た。即
ち、40℃で24時間保持したところ細菌数が233%
増加し、また60℃(一般にこれ以上の温度とすると食
材の風味が損なわれると言われている)で30分殺菌処
理しても126%と細菌数が増加しおり、78℃で殺菌
した場合でも細菌数が2.6×103 に低下したに止ま
った。
【0007】周知のように食材を乾燥する目的は保存に
あるが、更に、するめ、干し椎茸などのように、乾燥に
よって好ましい風味・食感が生じ、乾燥自体が調理的要
素を加味することを目的とする場合と、寒天、ワカメな
どのように、再度水を含ませて乾燥前の状態に戻すこと
を目的とするものとがある。しかしながら、いずれの場
合もも殺菌処理をすることは困難である。
あるが、更に、するめ、干し椎茸などのように、乾燥に
よって好ましい風味・食感が生じ、乾燥自体が調理的要
素を加味することを目的とする場合と、寒天、ワカメな
どのように、再度水を含ませて乾燥前の状態に戻すこと
を目的とするものとがある。しかしながら、いずれの場
合もも殺菌処理をすることは困難である。
【0008】本発明は、可及的に低い温度で効果的に殺
菌し、加熱による変質・劣化を可及的に抑制し、しかも
熱エネルギーの消費を可及的に少なくすることができる
乾燥・殺菌方法を提供することを目的としている。
菌し、加熱による変質・劣化を可及的に抑制し、しかも
熱エネルギーの消費を可及的に少なくすることができる
乾燥・殺菌方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明の食品の乾燥・殺菌方法の構成は、食品その
他の雑菌が存在する物品に遠赤外線を照射し、乾燥する
乾燥工程と、食材の温度を高めて殺菌する殺菌工程とか
らなり、乾燥工程の食材の温度を、この食材中に存在す
る低温菌が増殖可能な温度に保持し、前記殺菌工程の殺
菌温度を、前記低温菌が増殖不能となる温度より遙に高
い温度に保持して殺菌することからなるものである。
めの本発明の食品の乾燥・殺菌方法の構成は、食品その
他の雑菌が存在する物品に遠赤外線を照射し、乾燥する
乾燥工程と、食材の温度を高めて殺菌する殺菌工程とか
らなり、乾燥工程の食材の温度を、この食材中に存在す
る低温菌が増殖可能な温度に保持し、前記殺菌工程の殺
菌温度を、前記低温菌が増殖不能となる温度より遙に高
い温度に保持して殺菌することからなるものである。
【0010】前記低温菌とは、例えば、野中順三九編
「水産利用原料」新水産学全集、恒星社恒星閣、昭和62
年3月25日発行の第112頁に説明されているように厳
密なものではなく−10℃程度の低温から20〜40℃
程度までの温度範囲で増殖する細菌を意味する。前記乾
燥工程の食材温度は、乾燥対象の食材中に存在する細菌
の種類にもよるが、通常は、約20℃とするのでよい
が、本発明はこれに限定されない。
「水産利用原料」新水産学全集、恒星社恒星閣、昭和62
年3月25日発行の第112頁に説明されているように厳
密なものではなく−10℃程度の低温から20〜40℃
程度までの温度範囲で増殖する細菌を意味する。前記乾
燥工程の食材温度は、乾燥対象の食材中に存在する細菌
の種類にもよるが、通常は、約20℃とするのでよい
が、本発明はこれに限定されない。
【0011】前記乾燥工程の終了は、対象物物の水分活
性が0.6以下となることを指標として決定することが
好ましい。ここでいう水分活性は、John A.T.Troller、
J.H.B Christian 共著、平田孝、林徹共訳、「食品と水
分活性」1981年12月10日学会出版センター刊行の第3頁
に定義されているaW 値によって定義されている値であ
る。
性が0.6以下となることを指標として決定することが
好ましい。ここでいう水分活性は、John A.T.Troller、
J.H.B Christian 共著、平田孝、林徹共訳、「食品と水
分活性」1981年12月10日学会出版センター刊行の第3頁
に定義されているaW 値によって定義されている値であ
る。
【0012】前記乾燥工程終了の指標を水分活性にする
ことは、工業的工程管理の指標として使用することは一
般的に不便であり、実際的には、予め、前記水分活性値
が得られる乾燥時間を実験的に測定し、工程管理的に
は、時間によって管理し、前工程までの水分活性データ
に基づき、修正するように管理することが一般に好まし
い。
ことは、工業的工程管理の指標として使用することは一
般的に不便であり、実際的には、予め、前記水分活性値
が得られる乾燥時間を実験的に測定し、工程管理的に
は、時間によって管理し、前工程までの水分活性データ
に基づき、修正するように管理することが一般に好まし
い。
【0013】前記殺菌工程の殺菌温度は、低温菌が死滅
する温度より遙に高い温度とする。この殺菌温度は、乾
燥対象の食材中に存在する細菌の種類にもよるが、遠赤
外線照射時の温度より少なくとも40deg 、必要に応じ
高温菌が死滅する温度以上の高温する。但し、60℃を
越える温度とする場合は、食材の風味が低下するおそれ
がある。殺菌温度を保持する時間は装置の規模・特性な
どにもよるが、通常は30分程度でよい。
する温度より遙に高い温度とする。この殺菌温度は、乾
燥対象の食材中に存在する細菌の種類にもよるが、遠赤
外線照射時の温度より少なくとも40deg 、必要に応じ
高温菌が死滅する温度以上の高温する。但し、60℃を
越える温度とする場合は、食材の風味が低下するおそれ
がある。殺菌温度を保持する時間は装置の規模・特性な
どにもよるが、通常は30分程度でよい。
【0014】食材は、一般に温度が高くなったり、乾燥
時間が長くなると変質し、風味及び食感が損なわれる。
したがって、前記乾燥工程は、減圧下で行い、乾燥温度
及び時間を短縮させることが好ましい。減圧の程度は、
水柱−50〜−70mm程度とすることが実際的である
が、本発明はこれに限定されず、適宜な減圧値で実施す
ることができる。
時間が長くなると変質し、風味及び食感が損なわれる。
したがって、前記乾燥工程は、減圧下で行い、乾燥温度
及び時間を短縮させることが好ましい。減圧の程度は、
水柱−50〜−70mm程度とすることが実際的である
が、本発明はこれに限定されず、適宜な減圧値で実施す
ることができる。
【0015】本発明方法は、野菜、果物など植物性食
材、魚介類、肉類などの動物性食材の外、ショーチュー
など醗酵食品の絞り粕、家畜の飼料などに使用する残飯
などのの乾燥・殺菌に適用できる外、食器類の殺菌、布
巾、玄関マットなど濡れたまま放置され、雑菌が繁殖し
易い物品の乾燥・殺菌にも適用することができる。低温
菌が容易に増殖する低い温度領域での遠赤外線による乾
燥は、遠赤外線が食材、特に細胞の固い植物性食材の内
部にまで透過することができるため、食感に係わる食材
の物理的・化学的特性を保存することができる。したが
って、本発明方法は、例えば長ネギの芳香、とろろ芋の
ぬめり、もやしの歯触りなどの食感を保つことができる
ばかりでなく、ビタミンなどの栄養素も残存させること
ができる。
材、魚介類、肉類などの動物性食材の外、ショーチュー
など醗酵食品の絞り粕、家畜の飼料などに使用する残飯
などのの乾燥・殺菌に適用できる外、食器類の殺菌、布
巾、玄関マットなど濡れたまま放置され、雑菌が繁殖し
易い物品の乾燥・殺菌にも適用することができる。低温
菌が容易に増殖する低い温度領域での遠赤外線による乾
燥は、遠赤外線が食材、特に細胞の固い植物性食材の内
部にまで透過することができるため、食感に係わる食材
の物理的・化学的特性を保存することができる。したが
って、本発明方法は、例えば長ネギの芳香、とろろ芋の
ぬめり、もやしの歯触りなどの食感を保つことができる
ばかりでなく、ビタミンなどの栄養素も残存させること
ができる。
【0016】また、本発明方法の殺菌作用は、明確では
ないが、概ね次のようなものと考えられる。即ち乾燥工
程では、低温菌の増殖適温の下で水分が逓減し細菌の増
殖活動が低下する中で、低温菌と中・高温菌との生存競
争が起こり、有利な温度条件にある低温菌が中・高温菌
を死滅させながら増殖し、乾燥終了後に食材温度を高
め、残った熱に弱い低温菌を死滅させることで、食材な
どの対象物の殺菌が行われると考えている。
ないが、概ね次のようなものと考えられる。即ち乾燥工
程では、低温菌の増殖適温の下で水分が逓減し細菌の増
殖活動が低下する中で、低温菌と中・高温菌との生存競
争が起こり、有利な温度条件にある低温菌が中・高温菌
を死滅させながら増殖し、乾燥終了後に食材温度を高
め、残った熱に弱い低温菌を死滅させることで、食材な
どの対象物の殺菌が行われると考えている。
【0017】使用する遠赤外線放射装置には特に限定は
ないが、効率的に遠赤外線を照射するためには、面状発
熱体、好ましくはアルミナ・チタニア溶射体からなる遠
赤外線放射装置を使用することができる。ただし、本発
明はこれに限定されない。本発明方法を実施する際の温
度測定は、照射される遠赤外線を吸収して上昇する温度
を測定する輻射温度計、雰囲気温度、送風、排風温度、
輻射表面温度などを適宜組み合わせて使用することがで
きる。
ないが、効率的に遠赤外線を照射するためには、面状発
熱体、好ましくはアルミナ・チタニア溶射体からなる遠
赤外線放射装置を使用することができる。ただし、本発
明はこれに限定されない。本発明方法を実施する際の温
度測定は、照射される遠赤外線を吸収して上昇する温度
を測定する輻射温度計、雰囲気温度、送風、排風温度、
輻射表面温度などを適宜組み合わせて使用することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照しながら
食材の乾燥を行うようにした一実施形態によって本発明
を具体的に説明する。図1に示す実施の形態1の乾燥・
殺菌装置1の乾燥・殺菌室2は、縦横高さがいずれも約
2.5mの気密室からなり、一方の壁に送風ダクト3を
取付け、これに対向する壁に排風ダクト4を取付け、天
井及び正面の壁に遠赤外線放射装置5を取付け、残る壁
に気密ドアを設けた出入口(図示せず)を取り付けたも
のである。なお、細い実線で記載した部分は正面壁に取
付けた部材を示している。
食材の乾燥を行うようにした一実施形態によって本発明
を具体的に説明する。図1に示す実施の形態1の乾燥・
殺菌装置1の乾燥・殺菌室2は、縦横高さがいずれも約
2.5mの気密室からなり、一方の壁に送風ダクト3を
取付け、これに対向する壁に排風ダクト4を取付け、天
井及び正面の壁に遠赤外線放射装置5を取付け、残る壁
に気密ドアを設けた出入口(図示せず)を取り付けたも
のである。なお、細い実線で記載した部分は正面壁に取
付けた部材を示している。
【0019】送風ダクト3には、遠隔操作により開度を
調節できる絞り弁6を取付け、乾燥・殺菌室2に開口す
る吹き出し口には、整流用ブラインド7を取付けてい
る。排風ダクト4には、ターボ型排風機8を取付け、乾
燥・殺菌室2に開口する吹き出し口には、前記と同様に
整流用ブラインド7を取付け、前記絞り弁6の開度を調
節することにより、乾燥・殺菌室2内を水柱−100mm
程度まで、室内を減圧できるようにした。
調節できる絞り弁6を取付け、乾燥・殺菌室2に開口す
る吹き出し口には、整流用ブラインド7を取付けてい
る。排風ダクト4には、ターボ型排風機8を取付け、乾
燥・殺菌室2に開口する吹き出し口には、前記と同様に
整流用ブラインド7を取付け、前記絞り弁6の開度を調
節することにより、乾燥・殺菌室2内を水柱−100mm
程度まで、室内を減圧できるようにした。
【0020】なお図は、送風ダクト3と排風ダクト4と
をそれぞれ専用として記載したが、実際は、送風方向を
切り換えられるように配管している。遠赤外線放射装置
5を、天井側に取り付けた断面を示す装置により説明す
ると、アルミナ・チタニア熔射体を表面に形成したアル
ミニウム板からなる遠赤外線放射面9の後ろ側にシーズ
ヒーター(図示せず)を取付けた加熱部10を取付け、そ
の後ろに空室11を形成し、乾燥・殺菌室2内の吸気口13
と排出口14とを設け、送風機15によって、加熱部10の後
ろ側に逃げる熱の有効利用を図った。
をそれぞれ専用として記載したが、実際は、送風方向を
切り換えられるように配管している。遠赤外線放射装置
5を、天井側に取り付けた断面を示す装置により説明す
ると、アルミナ・チタニア熔射体を表面に形成したアル
ミニウム板からなる遠赤外線放射面9の後ろ側にシーズ
ヒーター(図示せず)を取付けた加熱部10を取付け、そ
の後ろに空室11を形成し、乾燥・殺菌室2内の吸気口13
と排出口14とを設け、送風機15によって、加熱部10の後
ろ側に逃げる熱の有効利用を図った。
【0021】乾燥用食材16(ハッチで示している)は、
空気及び遠赤外線が透過し易いように、目皿17に嵩高と
なるように入れ、棚18上に配置した。前記棚18は、目皿
17と同様に、空気と遠赤外線が透過し易いように、簀の
子状とし、柱(図示せず)に取付け、移動可能とした。
このように作製した棚18を左右2列に配置し、中央を作
業用通路とすると共に、遠赤外線が食材によく行き渡る
ようにした。
空気及び遠赤外線が透過し易いように、目皿17に嵩高と
なるように入れ、棚18上に配置した。前記棚18は、目皿
17と同様に、空気と遠赤外線が透過し易いように、簀の
子状とし、柱(図示せず)に取付け、移動可能とした。
このように作製した棚18を左右2列に配置し、中央を作
業用通路とすると共に、遠赤外線が食材によく行き渡る
ようにした。
【0022】冷房装置19は、気温が高く乾燥・殺菌室2
内の温度が、設定温度を上回るようになった場合の冷却
用のものであり、空気を吹出し口20に設けたファン21に
より、吸気口22から室内空気を吸気し、空気冷却装置
(図示せず)によって冷却された空気を乾燥・殺菌室2
内に還流させて温度制御するものである。温度測定は、
乾燥・殺菌室2内に、アルミニウム板を加工したアルミ
ボールの表面にアルミナ・チタニアを熔射し、中に温度
検出部を封入した輻射温度計、送風ダクト3及び排風ダ
クト4内に温度検出部(いずれも図示せず)を配置し、
遠隔表示させるようにした。
内の温度が、設定温度を上回るようになった場合の冷却
用のものであり、空気を吹出し口20に設けたファン21に
より、吸気口22から室内空気を吸気し、空気冷却装置
(図示せず)によって冷却された空気を乾燥・殺菌室2
内に還流させて温度制御するものである。温度測定は、
乾燥・殺菌室2内に、アルミニウム板を加工したアルミ
ボールの表面にアルミナ・チタニアを熔射し、中に温度
検出部を封入した輻射温度計、送風ダクト3及び排風ダ
クト4内に温度検出部(いずれも図示せず)を配置し、
遠隔表示させるようにした。
【0023】乾燥・殺菌室2内の気圧及び湿度の測定
は、それぞれ、ベローズ型気圧計、半導体セラミックス
型湿度計を使用し、遠隔指示させるようにした。乾燥す
る食材は、長ネギ、ゴボウ、人参、とろろ芋、オクラ
を、細かく切り、また、もやし、グリーンアスパラガス
を丸のままで、それぞれ目皿17に固まらないように入れ
た。
は、それぞれ、ベローズ型気圧計、半導体セラミックス
型湿度計を使用し、遠隔指示させるようにした。乾燥す
る食材は、長ネギ、ゴボウ、人参、とろろ芋、オクラ
を、細かく切り、また、もやし、グリーンアスパラガス
を丸のままで、それぞれ目皿17に固まらないように入れ
た。
【0024】乾燥工程は、乾燥・殺菌室2内の気圧を−
60mm水柱の減圧、温度を約20℃±2deg に制御し、
24時間、遠赤外線を放射しながら乾燥させた。前記時
間経過後、乾燥・殺菌室2内温度を上昇させ、約40℃
±2deg で、30分保持し殺菌処理を行った。前記温度
制御は、絞り弁6及び遠赤外線放射装置5の加熱部10の
発熱量を調節することによった。
60mm水柱の減圧、温度を約20℃±2deg に制御し、
24時間、遠赤外線を放射しながら乾燥させた。前記時
間経過後、乾燥・殺菌室2内温度を上昇させ、約40℃
±2deg で、30分保持し殺菌処理を行った。前記温度
制御は、絞り弁6及び遠赤外線放射装置5の加熱部10の
発熱量を調節することによった。
【0025】殺菌処理の終わった食材16の生存固体数測
定を検査機関に依頼したところ、殺菌前のサンプル10
g中の細菌固体数が3×103 であったのに対し、乾燥
後のサンプル10g中に大腸菌は検出されず、その他の
検出雑菌数も、検出されないか又は10個以下の範囲の
値であった。次に、前記試験に使用した食材の乾燥品を
水に入れ、水分を十分吸収させたものについて、外観及
び食感を生の状態のときと比較検査したところ、表1に
示す結果が得られた。
定を検査機関に依頼したところ、殺菌前のサンプル10
g中の細菌固体数が3×103 であったのに対し、乾燥
後のサンプル10g中に大腸菌は検出されず、その他の
検出雑菌数も、検出されないか又は10個以下の範囲の
値であった。次に、前記試験に使用した食材の乾燥品を
水に入れ、水分を十分吸収させたものについて、外観及
び食感を生の状態のときと比較検査したところ、表1に
示す結果が得られた。
【0026】
【表1】
【0027】本発明方法による乾燥品は細胞などの組織
が破壊されていないので、表1に示すように、風味、食
感に変化がなく、ぬめり成分など変質し易い成分が細胞
内に閉じ込められたまま乾燥されるため、再び十分に水
を吸わせたものは、未乾燥品と区別が困難であった。し
たがって、例えば即席チャーハンなど、水を入れること
により食事可能な状態とする即席食品用の具として有利
に使用することができる。
が破壊されていないので、表1に示すように、風味、食
感に変化がなく、ぬめり成分など変質し易い成分が細胞
内に閉じ込められたまま乾燥されるため、再び十分に水
を吸わせたものは、未乾燥品と区別が困難であった。し
たがって、例えば即席チャーハンなど、水を入れること
により食事可能な状態とする即席食品用の具として有利
に使用することができる。
【0028】以上説明のとおり本発明の食品の乾燥・殺
菌方法は、熱源温度の低い遠赤外線により乾燥する食材
温度を常温付近の温度で乾燥し、殺菌温度も特に高い温
度に設定する必要がないため、エネルギー消費量は極め
て低く、特にフリーズドライ法と比較すると著しいエネ
ルギーコスト低減を実現することができる。また実施の
形態1と同様にして椎茸を乾燥させたもののビタミンD
の含有量測定を検査機関に依頼し、得られた高速液体ガ
スクロマトグラフ法による分析結果を表2に示す。
菌方法は、熱源温度の低い遠赤外線により乾燥する食材
温度を常温付近の温度で乾燥し、殺菌温度も特に高い温
度に設定する必要がないため、エネルギー消費量は極め
て低く、特にフリーズドライ法と比較すると著しいエネ
ルギーコスト低減を実現することができる。また実施の
形態1と同様にして椎茸を乾燥させたもののビタミンD
の含有量測定を検査機関に依頼し、得られた高速液体ガ
スクロマトグラフ法による分析結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2に示すとおり、ビタミンDの含有量が
増加し、極めて良好な風味の干し椎茸が得られ、水に戻
した際の食感にも優れていた。前記実施の形態は、ベン
チテストのための装置であり、大量生産の場合には、目
皿をチェーンなどで移動させ、いずれの目皿も同じ条件
で乾燥、殺菌ができるようにしたり、目皿、棚なども遠
赤外線放射・吸収が可能になるように、表面をアルミナ
・チタニア熔射面で被覆するなど各種変形することがで
きる。
増加し、極めて良好な風味の干し椎茸が得られ、水に戻
した際の食感にも優れていた。前記実施の形態は、ベン
チテストのための装置であり、大量生産の場合には、目
皿をチェーンなどで移動させ、いずれの目皿も同じ条件
で乾燥、殺菌ができるようにしたり、目皿、棚なども遠
赤外線放射・吸収が可能になるように、表面をアルミナ
・チタニア熔射面で被覆するなど各種変形することがで
きる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法の食品
の乾燥・殺菌方法は、乾燥熱源に遠赤外線を使用し、低
温菌の増殖可能温度範囲で乾燥させたため、細胞組織の
破壊、成分の変質などが防止される。したがって、再び
水を含ませると元の状態に戻すことができ、しかも、通
常の試験方法では大腸菌を検出不能、死滅しにくい雑菌
も殆ど無菌に近い状態にまで殺菌することができる。
の乾燥・殺菌方法は、乾燥熱源に遠赤外線を使用し、低
温菌の増殖可能温度範囲で乾燥させたため、細胞組織の
破壊、成分の変質などが防止される。したがって、再び
水を含ませると元の状態に戻すことができ、しかも、通
常の試験方法では大腸菌を検出不能、死滅しにくい雑菌
も殆ど無菌に近い状態にまで殺菌することができる。
【0032】しかも消費エネルギーは極めて低い水準と
することができるため、採算ベースに乗りにくい焼酎絞
り粕、残飯などの乾燥・殺菌にも適用することが可能と
なり、種々の応用が可能である。
することができるため、採算ベースに乗りにくい焼酎絞
り粕、残飯などの乾燥・殺菌にも適用することが可能と
なり、種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施の形態による乾燥・殺菌装
置の概要を説明するための断面図である。
置の概要を説明するための断面図である。
1 乾燥・殺菌装置 2 乾燥・殺菌室 5 遠赤外線放射装置 6 絞り弁 8 排風機 9 遠赤外線放射
面 16 食材 17 目皿 18 棚 19 冷房装置
面 16 食材 17 目皿 18 棚 19 冷房装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23B 7/02 A61L 2/08 A23L 3/40 A23B 4/00 C A61L 2/04 B 2/08 4/04 501D
Claims (6)
- 【請求項1】 食品その他の雑菌が存在する物品に遠赤
外線を照射し、乾燥する乾燥工程と、食材の温度を高め
て殺菌する殺菌工程とからなり、乾燥工程の食材の温度
を、この食材中に存在する低温菌が増殖可能な温度に保
持し、前記殺菌工程の殺菌温度を、前記低温菌が増殖不
能となる温度より遙に高い温度に保持して殺菌すること
からなる食材などの乾燥・殺菌方法 - 【請求項2】 前記乾燥工程を通風下に行うようにした
請求項1記載の食材などの乾燥・殺菌方法。 - 【請求項3】 前記乾燥工程の食材温度が約20℃であ
る請求項1、2記載の食材などの乾燥・殺菌方法。 - 【請求項4】 乾燥中の食材の水分活性が0.6以下の
値に低下すると前記乾燥工程を終了させ、殺菌工程に移
行するようにした請求項1、2又は3記載の食材などの
乾燥・殺菌方法。 - 【請求項5】 低温菌が死滅する温度より遙に高い前記
温度が、乾燥温度より少なくとも40deg 高い温度とし
た請求項1、2、3又は4記載の食材などの乾燥・殺菌
方法。 - 【請求項6】 前記乾燥工程を減圧下に行うようにした
請求項1、2、3、4又は5記載の食材などの乾燥・殺
菌方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17950496A JPH1023881A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 食材などの乾燥・殺菌方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17950496A JPH1023881A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 食材などの乾燥・殺菌方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1023881A true JPH1023881A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16066977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17950496A Pending JPH1023881A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 食材などの乾燥・殺菌方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1023881A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101196604B1 (ko) * | 2012-04-13 | 2012-11-05 | 김은주 | 유통기간을 획기적으로 증대시킨 통감자의 제조방법 |
JP2020507440A (ja) * | 2017-02-08 | 2020-03-12 | ティルレイ インコーポレイテッド | 大麻を低圧放射エネルギーで処理する方法及びその装置 |
KR102304642B1 (ko) * | 2021-05-26 | 2021-09-24 | 구응본 | 농수산물 건조장치 |
JPWO2020175102A1 (ja) * | 2019-02-26 | 2021-12-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 食品の乾燥方法、冷蔵庫、貯蔵庫、及び乾燥食品の製造方法 |
-
1996
- 1996-07-09 JP JP17950496A patent/JPH1023881A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101196604B1 (ko) * | 2012-04-13 | 2012-11-05 | 김은주 | 유통기간을 획기적으로 증대시킨 통감자의 제조방법 |
JP2020507440A (ja) * | 2017-02-08 | 2020-03-12 | ティルレイ インコーポレイテッド | 大麻を低圧放射エネルギーで処理する方法及びその装置 |
JPWO2020175102A1 (ja) * | 2019-02-26 | 2021-12-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 食品の乾燥方法、冷蔵庫、貯蔵庫、及び乾燥食品の製造方法 |
KR102304642B1 (ko) * | 2021-05-26 | 2021-09-24 | 구응본 | 농수산물 건조장치 |
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