JPH10216459A - 燃焼排ガスのNOx還元方法および装置 - Google Patents
燃焼排ガスのNOx還元方法および装置Info
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- JPH10216459A JPH10216459A JP9017150A JP1715097A JPH10216459A JP H10216459 A JPH10216459 A JP H10216459A JP 9017150 A JP9017150 A JP 9017150A JP 1715097 A JP1715097 A JP 1715097A JP H10216459 A JPH10216459 A JP H10216459A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 脱硝触媒におけるNH3 /NOxモル比を適
正に設定および制御し、高脱硝効率を維持し、設備メン
テナンス負荷を軽減する。 【解決手段】 NH3 からNOxへの転換触媒28、N
Ox還元触媒29およびNOx分析計30を組合せ、ス
リップNH3 相当濃度31および不足還元剤濃度32を
演算器33によって求め、信号変換器34によって、そ
の値から脱硝触媒のNH3 添加装置35の流量調節弁3
6および脱硫設備のNH3 添加装置37の流量調節弁3
8の弁開度を制御する。制御信号は、設定値との偏差を
流量調節弁36、38の開度変更信号に換え、前記偏差
が最小量となるようにNH3 流量を調整する。
正に設定および制御し、高脱硝効率を維持し、設備メン
テナンス負荷を軽減する。 【解決手段】 NH3 からNOxへの転換触媒28、N
Ox還元触媒29およびNOx分析計30を組合せ、ス
リップNH3 相当濃度31および不足還元剤濃度32を
演算器33によって求め、信号変換器34によって、そ
の値から脱硝触媒のNH3 添加装置35の流量調節弁3
6および脱硫設備のNH3 添加装置37の流量調節弁3
8の弁開度を制御する。制御信号は、設定値との偏差を
流量調節弁36、38の開度変更信号に換え、前記偏差
が最小量となるようにNH3 流量を調整する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼排ガス中の
窒素酸化物(NOx)と還元剤(NH3 等)とを触媒反
応層内において選択接触させ、脱硝処理する焼排ガスの
NOx還元方法および装置に関するものである。特に、
NH3 濃度を間接的に計測し、その値を用いてNH3 と
NOxとの濃度比(以下、「NH3 /NOxモル比」と
いう)を適正に設定し制御する方法および装置に関する
ものである。
窒素酸化物(NOx)と還元剤(NH3 等)とを触媒反
応層内において選択接触させ、脱硝処理する焼排ガスの
NOx還元方法および装置に関するものである。特に、
NH3 濃度を間接的に計測し、その値を用いてNH3 と
NOxとの濃度比(以下、「NH3 /NOxモル比」と
いう)を適正に設定し制御する方法および装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】触媒を用いた脱硝と還元供給技術につい
て:触媒を用いた選択接触還元方法は、排煙脱硝の一般
的な技術の一つであり、触媒種類や反応条件{温度、空
間速度(SV)、線速度(LV)、還元剤等}は、プロ
セスの必要効率や排ガス成分等により適正に選択され、
設計される。
て:触媒を用いた選択接触還元方法は、排煙脱硝の一般
的な技術の一つであり、触媒種類や反応条件{温度、空
間速度(SV)、線速度(LV)、還元剤等}は、プロ
セスの必要効率や排ガス成分等により適正に選択され、
設計される。
【0003】ここで、 SV=(処理ガス流量)/(触媒反応層容積)、 LV=(処理ガス流量)/(触媒反応層流路断面積) 図3は従来技術の排煙脱硝を実施するための装置を示す
概念図である。排ガス39はダクト40に導かれ脱硝反
応層41内に組み込まれた触媒層42を通過する際、排
ガス中のNOx43は脱硝反応層41の入り口に設けら
れたノズル44から吹き込まれた還元剤のNH3 45と
混合され、触媒層42の表面で還元され、N2 46およ
びH2 O47になり、無害化され煙突48へ送られる。
概念図である。排ガス39はダクト40に導かれ脱硝反
応層41内に組み込まれた触媒層42を通過する際、排
ガス中のNOx43は脱硝反応層41の入り口に設けら
れたノズル44から吹き込まれた還元剤のNH3 45と
混合され、触媒層42の表面で還元され、N2 46およ
びH2 O47になり、無害化され煙突48へ送られる。
【0004】還元剤の種類および投入方法も、コストや
設備制約などを考慮し設定され、投入量も脱硝に際し過
不足なく供給するよう調整され制御されるのが一般的で
ある。還元剤としてはNH3 が使用される。なお、還元
剤としてはNH3 の他にも尿素または硫化水素などを使
用することもできるが、殆どNH3 が使用される。以
下、還元剤はNH3 として説明する。
設備制約などを考慮し設定され、投入量も脱硝に際し過
不足なく供給するよう調整され制御されるのが一般的で
ある。還元剤としてはNH3 が使用される。なお、還元
剤としてはNH3 の他にも尿素または硫化水素などを使
用することもできるが、殆どNH3 が使用される。以
下、還元剤はNH3 として説明する。
【0005】NH3 (還元剤)の投入量調整の一般的技
術としては、処理ガス流量およびNOx濃度を計測し、
演算にて必要流量を設定し、流量設定器および調節弁を
介し処理ガス中に混合させる方法(特開平1−1483
33号公報;脱硝用還元剤の供給方法、特開平5−15
4340号公報;焼結機排ガスの脱硝処理方法、特公平
2−579805号公報;アンモニア注入量制御装置等
が開示する)が知られている。
術としては、処理ガス流量およびNOx濃度を計測し、
演算にて必要流量を設定し、流量設定器および調節弁を
介し処理ガス中に混合させる方法(特開平1−1483
33号公報;脱硝用還元剤の供給方法、特開平5−15
4340号公報;焼結機排ガスの脱硝処理方法、特公平
2−579805号公報;アンモニア注入量制御装置等
が開示する)が知られている。
【0006】また、一般的には、還元剤の分析が煩雑等
の理由で添加後の濃度確認および添加量フィードバック
制御等迄の調整は行わない。一般的には、脱硝処理プロ
セスの前工程から還元剤のスリップ(還元剤過剰)がお
こるケースは希であるため、上記の手段で還元剤の投入
量および濃度比の調整を行なっても操業上問題はない。
の理由で添加後の濃度確認および添加量フィードバック
制御等迄の調整は行わない。一般的には、脱硝処理プロ
セスの前工程から還元剤のスリップ(還元剤過剰)がお
こるケースは希であるため、上記の手段で還元剤の投入
量および濃度比の調整を行なっても操業上問題はない。
【0007】しかし、脱硝処理ガス中に上工程からの還
元剤のスリップがあるようなプロセスで、且つそのスリ
ップ濃度が変動するようなプロセスでは、スリップ濃度
の連続および定量把握ができないため、「割り切り、定
量吹込法」がとられている。これは処理ガス中のスリッ
プ還元剤濃度の連続計測が複雑且つ安定性に欠ける等の
課題があるためであり、計測値がそのまま流量制御信号
として利用できないからである。
元剤のスリップがあるようなプロセスで、且つそのスリ
ップ濃度が変動するようなプロセスでは、スリップ濃度
の連続および定量把握ができないため、「割り切り、定
量吹込法」がとられている。これは処理ガス中のスリッ
プ還元剤濃度の連続計測が複雑且つ安定性に欠ける等の
課題があるためであり、計測値がそのまま流量制御信号
として利用できないからである。
【0008】NH3 ガスの分析技術について:連続式N
H3 分析計には、乾式では、例えば紫外線(UV)吸光
分析計があり、これは、NH3 等のスペクトル特性値か
ら濃度を定量化する方法である。湿式では、特開昭52
−90994号公報は、イオン電極法を用いた計測機器
を開示する。
H3 分析計には、乾式では、例えば紫外線(UV)吸光
分析計があり、これは、NH3 等のスペクトル特性値か
ら濃度を定量化する方法である。湿式では、特開昭52
−90994号公報は、イオン電極法を用いた計測機器
を開示する。
【0009】しかし、分析ガス中の不純物や析出物付着
等によるセンサの被覆、汚れおよび劣化に対し、ガス前
処理のメンテナンス(サンプリング導管内での凝縮、ト
ラップや化合物の析出および分離等の対策および処理)
が煩雑すぎる等の理由で、オンライン機器としてに実績
に乏しい。
等によるセンサの被覆、汚れおよび劣化に対し、ガス前
処理のメンテナンス(サンプリング導管内での凝縮、ト
ラップや化合物の析出および分離等の対策および処理)
が煩雑すぎる等の理由で、オンライン機器としてに実績
に乏しい。
【0010】NH3 分析には、湿式法と呼ばれるインド
フェノール法(JIS K−0099)および簡易な検
知管(ガステック等)等があるが、いずれもバッチ分析
であり、且つ分析時間や精度等からオンライン分析計に
ならない。
フェノール法(JIS K−0099)および簡易な検
知管(ガステック等)等があるが、いずれもバッチ分析
であり、且つ分析時間や精度等からオンライン分析計に
ならない。
【0011】ガス中のNH3 分析を間接的に行う技術と
して、特公昭56−32580号公報および特開昭52
−114666号公報等は、酸化触媒でNH3 をNOに
転換し、その濃度差が概略のNH3 濃度とする提案を開
示する。これは、ほぼNH3/NOが等モル反応するこ
とを利用している。
して、特公昭56−32580号公報および特開昭52
−114666号公報等は、酸化触媒でNH3 をNOに
転換し、その濃度差が概略のNH3 濃度とする提案を開
示する。これは、ほぼNH3/NOが等モル反応するこ
とを利用している。
【0012】図4は特公昭56−32580号公報に開
示されたガス中のNH3 の分析を実施するための装置構
成を示す系統図である。図4に示すように、事前に排ガ
ス49のSOx処理50を行った後、流通経路を2つに
分岐し、一方は直接ルート51、他方は温度調節器5
2、NH3 酸化器53およびNO転換器54を経てNO
x分析計55を有するルートに導かれる。この2ルート
は電磁弁56にて自動切換えを行う。ここで得られた2
ルートのNOx濃度差をNH3 相当量としている。
示されたガス中のNH3 の分析を実施するための装置構
成を示す系統図である。図4に示すように、事前に排ガ
ス49のSOx処理50を行った後、流通経路を2つに
分岐し、一方は直接ルート51、他方は温度調節器5
2、NH3 酸化器53およびNO転換器54を経てNO
x分析計55を有するルートに導かれる。この2ルート
は電磁弁56にて自動切換えを行う。ここで得られた2
ルートのNOx濃度差をNH3 相当量としている。
【0013】還元剤の濃度が変動するプロセスについ
て:図5は従来技術の製鉄所焼結排ガス処理を実施する
ための装置構成を示す系統図である。図5に示すよう
に、焼結機57で生成した燃焼排ガス58中のダスト5
9、SOx60およびNOx61を、集塵機62、脱硫
設備63および脱硝設備64により清浄化する排ガス処
理プロセスにおいて、脱硫に吸収液65を用いる湿式脱
硫法が脱硫効率上有利であり、且つ吸収後の液が隣接の
コークスの化工における副生ガスであるCOG66中の
NH3 67を吸収する吸収液として利用され、更に、N
H3 を吸収して液になったものを循環ポンプ68を介し
て焼結排ガスの脱硫の吸収液として循環利用される。
て:図5は従来技術の製鉄所焼結排ガス処理を実施する
ための装置構成を示す系統図である。図5に示すよう
に、焼結機57で生成した燃焼排ガス58中のダスト5
9、SOx60およびNOx61を、集塵機62、脱硫
設備63および脱硝設備64により清浄化する排ガス処
理プロセスにおいて、脱硫に吸収液65を用いる湿式脱
硫法が脱硫効率上有利であり、且つ吸収後の液が隣接の
コークスの化工における副生ガスであるCOG66中の
NH3 67を吸収する吸収液として利用され、更に、N
H3 を吸収して液になったものを循環ポンプ68を介し
て焼結排ガスの脱硫の吸収液として循環利用される。
【0014】湿式脱硫設備において、処理ガスは反応塔
に導かれ、吸収液と塔内において気液接触しつつガス中
のSOxは吸収される。反応塔69は上流から冷却段7
0、吸収段71、希薄段72、精製段73およびデミス
タ74から構成されており、各段のノズル75からスプ
レーされた液はポンプ76により系内外に循環される。
に導かれ、吸収液と塔内において気液接触しつつガス中
のSOxは吸収される。反応塔69は上流から冷却段7
0、吸収段71、希薄段72、精製段73およびデミス
タ74から構成されており、各段のノズル75からスプ
レーされた液はポンプ76により系内外に循環される。
【0015】この反応塔での基本的な反応式は、下記の
通りである。 SO2 +(NH4 )2 SO3 +H2 O→2(NH4 )H
SO3 :酸性亜硫安の生成 ここで、(NH4 )2 SO3 :吸収液。
通りである。 SO2 +(NH4 )2 SO3 +H2 O→2(NH4 )H
SO3 :酸性亜硫安の生成 ここで、(NH4 )2 SO3 :吸収液。
【0016】図6は従来技術の湿式排煙脱硫の反応等に
おけるSOxおよびNH3 のスリップ特性を示すグラフ
である。図6に示すように、吸収塔の最終段にあたる精
製液のpHがアルカリ側に振れると脱硝効率は向上し、
反面スリップNH3 が増加する。通常脱硫効率の管理で
あるから、プロセス設計からある程度の濃度レベルのス
リップNH3 が常時発生するバランスで操業している。
おけるSOxおよびNH3 のスリップ特性を示すグラフ
である。図6に示すように、吸収塔の最終段にあたる精
製液のpHがアルカリ側に振れると脱硝効率は向上し、
反面スリップNH3 が増加する。通常脱硫効率の管理で
あるから、プロセス設計からある程度の濃度レベルのス
リップNH3 が常時発生するバランスで操業している。
【0017】上工程からの還元剤(NH3 )のスリップ
濃度は、脱硫プロセスの吸収液バランス(化工でのNH
3 吸収等)の変化により変動する。しかし、実脱硫操業
では、脱硫効率が優先するような吸収液の性状およびp
H等が調整される。その調整機能は、化工でのNH3 吸
収プロセスでコークス炉ガス処理量、ならびに、硫安製
造のための液抽出量および系内NH3 添加量等によって
バランス調整する。
濃度は、脱硫プロセスの吸収液バランス(化工でのNH
3 吸収等)の変化により変動する。しかし、実脱硫操業
では、脱硫効率が優先するような吸収液の性状およびp
H等が調整される。その調整機能は、化工でのNH3 吸
収プロセスでコークス炉ガス処理量、ならびに、硫安製
造のための液抽出量および系内NH3 添加量等によって
バランス調整する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】還元剤(NH3 )の添
加量調整について:触媒を用いた選択接触還元法におい
て、NOx還元剤(主としてNH3 、他に尿素、硫化水
素等を使用可)の濃度比の設定および制御は、効率管
理、ランニングコスト面および環境管理上極めて重要な
意味を持つ。即ち、適正濃度比以下で運転すれば還元剤
不足で脱硝効率が低下し、一方、過剰の運転では脱硝反
応層をスリップする還元剤の量が増加し、還元剤コスト
アップは勿論、事後工程への影響(例えば、熱交換器の
閉塞、腐食等)および煙突排出時の環境汚染の問題が生
ずる。
加量調整について:触媒を用いた選択接触還元法におい
て、NOx還元剤(主としてNH3 、他に尿素、硫化水
素等を使用可)の濃度比の設定および制御は、効率管
理、ランニングコスト面および環境管理上極めて重要な
意味を持つ。即ち、適正濃度比以下で運転すれば還元剤
不足で脱硝効率が低下し、一方、過剰の運転では脱硝反
応層をスリップする還元剤の量が増加し、還元剤コスト
アップは勿論、事後工程への影響(例えば、熱交換器の
閉塞、腐食等)および煙突排出時の環境汚染の問題が生
ずる。
【0019】脱硝処理過程のみで還元剤を添加するプロ
セスでは、精度ある処理ガス流量およびNOx濃度の計
測値があれば、演算によって適正な還元剤添加流量が求
められ、流量調節弁にて制御できる。
セスでは、精度ある処理ガス流量およびNOx濃度の計
測値があれば、演算によって適正な還元剤添加流量が求
められ、流量調節弁にて制御できる。
【0020】図7は特開平5−154340号公報に開
示された湿式排煙脱硫の還元剤(NH3 )添加流量制御
を実施するための装置構成を示す系統図である。図7に
示すように、焼結77から排出された燃焼排ガス78中
のNOx79の濃度および処理ガス流量80を、硝酸脱
硝81の反応層82の入り口ダクト83においてNOx
計84および流量計によって計測し、触媒入り口NH3
の必要量85を演算器86にて算出する。しかし、脱硝
の前工程から還元剤のスリップがあり、その濃度も変動
するようなプロセスにおいては、脱硝触媒入り口での適
正な還元剤濃度設定には、通常スリップ濃度を連続的に
計測し、過不足量を演算にて求め、そして、還元剤を流
量調整して添加する方法が必要である。そのためには、
脱硝処理ガス流量およびNOx濃度の計測と共に、精度
の高いスリップ還元剤の濃度分析が必要になる。
示された湿式排煙脱硫の還元剤(NH3 )添加流量制御
を実施するための装置構成を示す系統図である。図7に
示すように、焼結77から排出された燃焼排ガス78中
のNOx79の濃度および処理ガス流量80を、硝酸脱
硝81の反応層82の入り口ダクト83においてNOx
計84および流量計によって計測し、触媒入り口NH3
の必要量85を演算器86にて算出する。しかし、脱硝
の前工程から還元剤のスリップがあり、その濃度も変動
するようなプロセスにおいては、脱硝触媒入り口での適
正な還元剤濃度設定には、通常スリップ濃度を連続的に
計測し、過不足量を演算にて求め、そして、還元剤を流
量調整して添加する方法が必要である。そのためには、
脱硝処理ガス流量およびNOx濃度の計測と共に、精度
の高いスリップ還元剤の濃度分析が必要になる。
【0021】還元剤(NH3 )の連続分析と濃度比(モ
ル比)制御について:脱硝の主要な還元剤として用いら
れるNH3 のオンライン分析は、SOxダスト等不純物
を多く含む焼結排ガスの如き対象では、ガスサンプリン
グ導管、前処理装置におけるダスト、析出物等による閉
塞、ドレーン凝縮およびトラップ等の影響をセンサが受
け、その結果センサ部への付着および被覆ならびに腐食
などによるセンサの劣化および精度低下を来す場合が生
じ、オンライン計測機器としては信頼性に乏しい。
ル比)制御について:脱硝の主要な還元剤として用いら
れるNH3 のオンライン分析は、SOxダスト等不純物
を多く含む焼結排ガスの如き対象では、ガスサンプリン
グ導管、前処理装置におけるダスト、析出物等による閉
塞、ドレーン凝縮およびトラップ等の影響をセンサが受
け、その結果センサ部への付着および被覆ならびに腐食
などによるセンサの劣化および精度低下を来す場合が生
じ、オンライン計測機器としては信頼性に乏しい。
【0022】スリップする還元剤(NH3 )の濃度変動
の抑制対策には、脱硫効率維持および吸収液の需給バラ
ンス(焼結/化工間の)調整の観点から制約が多く、そ
のためスリップNH3 濃度は操業成り行きにならざるを
得ない。
の抑制対策には、脱硫効率維持および吸収液の需給バラ
ンス(焼結/化工間の)調整の観点から制約が多く、そ
のためスリップNH3 濃度は操業成り行きにならざるを
得ない。
【0023】排ガスの脱硫および脱硝には、一般的に省
エネルギーの観点から熱交換器が設けられ、特に処理ガ
ス流量が多い場合には回転蓄熱式熱交換器(例えばユン
グストローム等)が用いられるが、排ガス中にSOx
(Mist,Fume 状)がある場合には、硫安〔(NH4 )2
SO4 〕や酸性硫安〔(NH4 )HSO4 〕として、あ
る温度領域で熱交換器エレメント(波板)の表面で硫化
物の析出およびガス化を生じ、その際スリップNH3 の
一部が吸収および分離を起こすので、脱硝触媒の上流に
これらの設備があるとその設備内でもNH3 の濃度変動
が生じる。
エネルギーの観点から熱交換器が設けられ、特に処理ガ
ス流量が多い場合には回転蓄熱式熱交換器(例えばユン
グストローム等)が用いられるが、排ガス中にSOx
(Mist,Fume 状)がある場合には、硫安〔(NH4 )2
SO4 〕や酸性硫安〔(NH4 )HSO4 〕として、あ
る温度領域で熱交換器エレメント(波板)の表面で硫化
物の析出およびガス化を生じ、その際スリップNH3 の
一部が吸収および分離を起こすので、脱硝触媒の上流に
これらの設備があるとその設備内でもNH3 の濃度変動
が生じる。
【0024】しかし、このNH3 の吸収および分離は一
様に起こる分けではなく、ガス温度、NH3 濃度、スリ
ップSOx濃度、NH3 /NOxモル比ならびに熱交換
器エレメントの形状および閉塞状況等に影響されるた
め、その現象を定量的に把握することは困難である。
様に起こる分けではなく、ガス温度、NH3 濃度、スリ
ップSOx濃度、NH3 /NOxモル比ならびに熱交換
器エレメントの形状および閉塞状況等に影響されるた
め、その現象を定量的に把握することは困難である。
【0025】脱硝触媒入り口でのNOxと還元剤(NH
3 )とのモル比の適正制御は、脱硝効率維持、設備の腐
食および閉塞防止、触媒活性安定化および排出ガスのク
リーン化の面から重要である。しかし、スリップNH3
濃度の精度ある連続分析値がないと、モル比制御は困難
である。
3 )とのモル比の適正制御は、脱硝効率維持、設備の腐
食および閉塞防止、触媒活性安定化および排出ガスのク
リーン化の面から重要である。しかし、スリップNH3
濃度の精度ある連続分析値がないと、モル比制御は困難
である。
【0026】また、実プロセスでは、NH3 過剰のケー
スだけでなく不足の状況も存在し、この場合触媒効率は
不足濃度にほぼ比例して低下する。そのため還元剤の不
足量把握も極めて重要である。即ち、還元剤のモル比制
御には、ガス中の還元剤の過剰または不足量(濃度)の
計測および把握が不可欠な要素といえる。
スだけでなく不足の状況も存在し、この場合触媒効率は
不足濃度にほぼ比例して低下する。そのため還元剤の不
足量把握も極めて重要である。即ち、還元剤のモル比制
御には、ガス中の還元剤の過剰または不足量(濃度)の
計測および把握が不可欠な要素といえる。
【0027】焼結等燃焼排ガス中のSOxおよびNOx
を処理する際、脱硫が湿式でその吸収液がNH3 を含む
場合、後段の脱硝プロセスに吸収液の中のNH3 がスリ
ップして混入する。脱硝触媒におけるNOxと還元剤N
H3 とのモル比設定は、効率管理および設備メンテナン
ス上重要な項目である。
を処理する際、脱硫が湿式でその吸収液がNH3 を含む
場合、後段の脱硝プロセスに吸収液の中のNH3 がスリ
ップして混入する。脱硝触媒におけるNOxと還元剤N
H3 とのモル比設定は、効率管理および設備メンテナン
ス上重要な項目である。
【0028】この発明は、上記の課題を解決するために
なされたものであって、その目的は、脱硝触媒における
NH3 /NOxモル比を適正に設定および制御すること
により、高脱硝効率の維持および設備メンテナンス負荷
の軽減を実現することができる燃焼排ガスのNOx還元
方法および装置を提供することにある。
なされたものであって、その目的は、脱硝触媒における
NH3 /NOxモル比を適正に設定および制御すること
により、高脱硝効率の維持および設備メンテナンス負荷
の軽減を実現することができる燃焼排ガスのNOx還元
方法および装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の燃
焼排ガスのNOx還元方法は、燃焼排ガスの流路に脱硫
設備および脱硝触媒反応層を有する施設を使用し、還元
剤にNH3 を用いて燃焼排ガスに含有する窒素酸化物
(NOx)を前記脱硝触媒反応層において選択接触還元
する燃焼排ガスのNOx還元方法において、前記脱硝触
媒反応層出口における燃焼排ガスのNH3 濃度の過不足
を測定してNH3 /NOxモル比を求め、求めたモル比
と設定モル比との差から前記脱硝触媒反応層および前記
脱硫設備の各々のNH3 投入流量調節弁の開度を求めて
開度調整信号に変換し、前記信号によって前記脱硝触媒
反応層および前記脱硫設備の投入NH3 流量を調整し
て、前記脱硝触媒反応層のNH3 /NOxのモル比を所
定の適正値に制御することに特徴を有するものである。
焼排ガスのNOx還元方法は、燃焼排ガスの流路に脱硫
設備および脱硝触媒反応層を有する施設を使用し、還元
剤にNH3 を用いて燃焼排ガスに含有する窒素酸化物
(NOx)を前記脱硝触媒反応層において選択接触還元
する燃焼排ガスのNOx還元方法において、前記脱硝触
媒反応層出口における燃焼排ガスのNH3 濃度の過不足
を測定してNH3 /NOxモル比を求め、求めたモル比
と設定モル比との差から前記脱硝触媒反応層および前記
脱硫設備の各々のNH3 投入流量調節弁の開度を求めて
開度調整信号に変換し、前記信号によって前記脱硝触媒
反応層および前記脱硫設備の投入NH3 流量を調整し
て、前記脱硝触媒反応層のNH3 /NOxのモル比を所
定の適正値に制御することに特徴を有するものである。
【0030】請求項2記載の発明の燃焼排ガスのNOx
還元方法は、燃焼排ガスの流路に脱硫設備および脱硝触
媒反応層を有する施設を使用し、還元剤にNH3 を用い
て燃焼排ガスに含有する窒素酸化物(NOx)を前記脱
硝触媒反応層において選択接触還元する燃焼排ガスのN
Ox還元方法において、前記脱硝触媒反応層の出口の燃
焼排ガスを、酸化触媒を有するルートと、触媒を有さ
ず燃焼排ガスがそのまま通過するルートと、還元触媒
を有するルートとの3つの流路に分配し、前記ルート
において、燃焼排ガスを前記酸化触媒によって酸化し
た後のNOx量を測定し、前記ルートにおいて、燃焼
排ガスのNOx量を測定し、前記ルートにおいて、前
記燃焼排ガスに所定量のNH3 を添加し前記還元触媒に
よって還元した後の前記燃焼排ガスのNOx量を測定
し、前記ルートのNOx量測定値と前記ルートのN
Ox量測定値との差により過剰NH3 濃度を演算し、前
記ロートのNOx量測定値と前記ルートのNOx量
測定値との差により不足NH 3 濃度を演算し、前記過剰
NH3 濃度および不足NH3 濃度の演算値から前記脱硝
触媒反応層のNH3 /NOxモル比を演算し、前記モル
比の演算値から、前記脱硝触媒反応層または前記脱硫設
備の一方または両方の投入NH3 量を演算し、前記演算
量のNH3 を前記脱硝触媒反応層および前記脱硫設備の
一方または両方に投入することにより前記脱硝触媒反応
層のモル比を所定値に制御することに特徴を有するもの
である。
還元方法は、燃焼排ガスの流路に脱硫設備および脱硝触
媒反応層を有する施設を使用し、還元剤にNH3 を用い
て燃焼排ガスに含有する窒素酸化物(NOx)を前記脱
硝触媒反応層において選択接触還元する燃焼排ガスのN
Ox還元方法において、前記脱硝触媒反応層の出口の燃
焼排ガスを、酸化触媒を有するルートと、触媒を有さ
ず燃焼排ガスがそのまま通過するルートと、還元触媒
を有するルートとの3つの流路に分配し、前記ルート
において、燃焼排ガスを前記酸化触媒によって酸化し
た後のNOx量を測定し、前記ルートにおいて、燃焼
排ガスのNOx量を測定し、前記ルートにおいて、前
記燃焼排ガスに所定量のNH3 を添加し前記還元触媒に
よって還元した後の前記燃焼排ガスのNOx量を測定
し、前記ルートのNOx量測定値と前記ルートのN
Ox量測定値との差により過剰NH3 濃度を演算し、前
記ロートのNOx量測定値と前記ルートのNOx量
測定値との差により不足NH 3 濃度を演算し、前記過剰
NH3 濃度および不足NH3 濃度の演算値から前記脱硝
触媒反応層のNH3 /NOxモル比を演算し、前記モル
比の演算値から、前記脱硝触媒反応層または前記脱硫設
備の一方または両方の投入NH3 量を演算し、前記演算
量のNH3 を前記脱硝触媒反応層および前記脱硫設備の
一方または両方に投入することにより前記脱硝触媒反応
層のモル比を所定値に制御することに特徴を有するもの
である。
【0031】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記脱硝触媒反応層および前記脱硫設備の
各々のNH3 投入流量調節弁の動作を相互に切り替え可
能とし、求めたNH3 /NOxモル比と設定モル比との
差の値が所定の制御範囲以内のときは、前記脱硝触媒反
応層のNH3 投入流量調節弁を作動して前記脱硝触媒反
応層へNH3 を投入し、所定の制御範囲以外のときは、
前記脱硫設備のNH3投入流量調節弁を作動して前記脱
硫設備へNH3 を投入して、前記脱硝触媒反応層および
前記脱硫設備のNH3 投入流量を制御することに特徴を
有するものである。
明において、前記脱硝触媒反応層および前記脱硫設備の
各々のNH3 投入流量調節弁の動作を相互に切り替え可
能とし、求めたNH3 /NOxモル比と設定モル比との
差の値が所定の制御範囲以内のときは、前記脱硝触媒反
応層のNH3 投入流量調節弁を作動して前記脱硝触媒反
応層へNH3 を投入し、所定の制御範囲以外のときは、
前記脱硫設備のNH3投入流量調節弁を作動して前記脱
硫設備へNH3 を投入して、前記脱硝触媒反応層および
前記脱硫設備のNH3 投入流量を制御することに特徴を
有するものである。
【0032】請求項4記載の発明の燃焼排ガスのNOx
還元装置は、燃焼排ガスの流路に脱硫設備および脱硝触
媒反応層を有し、還元剤にNH3 を用いて燃焼排ガスに
含有する窒素酸化物(NOx)を前記脱硝触媒反応層に
おいて選択接触還元する燃焼排ガスのNOx還元装置に
おいて、前記脱硝触媒反応層の出口に接続されたルート
、ルートおよびルートの3つの燃焼排ガス流路
と、前記ルートに設けられたNH3 酸化触媒と、前記
ルートに設けられた所定量のNH3 の添加装置および
前記添加装置の下流のNOx還元触媒と、前記ルート
、ルートおよびルートの流路のNOx濃度を測定
するためのNOx濃度計と、前記NOx濃度計の値から
過剰NH3 濃度および不足NH3 濃度を演算するための
演算器と、前記過剰NH3 濃度および不足NH3 濃度か
ら前記脱硝触媒反応層のNH3 流量調節弁および前記脱
硫設備のNH3 流量調節弁を制御する信号を発するため
の信号変換器とからなることに特徴を有するものであ
る。
還元装置は、燃焼排ガスの流路に脱硫設備および脱硝触
媒反応層を有し、還元剤にNH3 を用いて燃焼排ガスに
含有する窒素酸化物(NOx)を前記脱硝触媒反応層に
おいて選択接触還元する燃焼排ガスのNOx還元装置に
おいて、前記脱硝触媒反応層の出口に接続されたルート
、ルートおよびルートの3つの燃焼排ガス流路
と、前記ルートに設けられたNH3 酸化触媒と、前記
ルートに設けられた所定量のNH3 の添加装置および
前記添加装置の下流のNOx還元触媒と、前記ルート
、ルートおよびルートの流路のNOx濃度を測定
するためのNOx濃度計と、前記NOx濃度計の値から
過剰NH3 濃度および不足NH3 濃度を演算するための
演算器と、前記過剰NH3 濃度および不足NH3 濃度か
ら前記脱硝触媒反応層のNH3 流量調節弁および前記脱
硫設備のNH3 流量調節弁を制御する信号を発するため
の信号変換器とからなることに特徴を有するものであ
る。
【0033】脱流設備および脱硝設備(脱硝触媒)を備
える窒素酸化物還元施設において、脱硝触媒の入口の処
理ガス中の還元剤(NH3 )濃度は、硫安等の析出、ガ
ス分離、ドレーン中凝縮トラップ、脱硫操業の変動、お
よび、投入NH3 の混合不良などによってバラツキ、且
つ経時的に変化している。そのため、本発明において
は、変動の大きい脱硝触媒の入口のNH3 濃度は測定せ
ず、脱硝触媒(触媒反応層)の出口の過剰(スリップ)
NH3 濃度および不足のNH3 濃度を間接的な方法で求
め、その値を還元剤添加流量制御信号としてNH3 投入
量制御方法に利用するものである。排ガス分析を脱硝触
媒の出口で行うのは、脱硝触媒の触媒反応層がガスのミ
キサ機能をなし、比較的混合均一化が達成された状態に
なるからである。
える窒素酸化物還元施設において、脱硝触媒の入口の処
理ガス中の還元剤(NH3 )濃度は、硫安等の析出、ガ
ス分離、ドレーン中凝縮トラップ、脱硫操業の変動、お
よび、投入NH3 の混合不良などによってバラツキ、且
つ経時的に変化している。そのため、本発明において
は、変動の大きい脱硝触媒の入口のNH3 濃度は測定せ
ず、脱硝触媒(触媒反応層)の出口の過剰(スリップ)
NH3 濃度および不足のNH3 濃度を間接的な方法で求
め、その値を還元剤添加流量制御信号としてNH3 投入
量制御方法に利用するものである。排ガス分析を脱硝触
媒の出口で行うのは、脱硝触媒の触媒反応層がガスのミ
キサ機能をなし、比較的混合均一化が達成された状態に
なるからである。
【0034】まず、間接的なスリップNH3 濃度および
不足のNH3 濃度連続測定方法について述べる。脱硝触
媒(触媒反応層)の出口の燃焼排ガス(分析ガス)を主
ダクトからルート(NH3 酸化触媒設置)、ルート
(未処理ライン)およびルート(NOx還元触媒設
置)の3系統の流通経路に分岐し、分岐した3系統のル
ートにタイマによって流通の切り替えを行い、排ガスを
交互に流通させる。各々の処理ルート〜は連続NO
x計を介しガス吸引ポンプに接続される。ガスは前記吸
引ポンプにより一定量吸引される。
不足のNH3 濃度連続測定方法について述べる。脱硝触
媒(触媒反応層)の出口の燃焼排ガス(分析ガス)を主
ダクトからルート(NH3 酸化触媒設置)、ルート
(未処理ライン)およびルート(NOx還元触媒設
置)の3系統の流通経路に分岐し、分岐した3系統のル
ートにタイマによって流通の切り替えを行い、排ガスを
交互に流通させる。各々の処理ルート〜は連続NO
x計を介しガス吸引ポンプに接続される。ガスは前記吸
引ポンプにより一定量吸引される。
【0035】ルートでは、ほぼ全量のスリップNH3
が等モルのNOxに転換されるので、ルートのガスク
ーラのみの値とのNOx濃度格差は近似的にスリップN
H3濃度となる。
が等モルのNOxに転換されるので、ルートのガスク
ーラのみの値とのNOx濃度格差は近似的にスリップN
H3濃度となる。
【0036】このケースでルートでは、還元剤(NH
3 )が充分供給されているため、特別添加NH3 の有無
によるNOx濃度格差は無く、且つ指示値もほぼ設定値
(<2ppm)の範囲である。即ち、高効率転換酸化触
媒と被毒および析出影響のない高温反応とを利用して、
NH3 直接でなく等モル転換するNOx(殆どNO)に
よって間接的にNH3 濃度を把握する。
3 )が充分供給されているため、特別添加NH3 の有無
によるNOx濃度格差は無く、且つ指示値もほぼ設定値
(<2ppm)の範囲である。即ち、高効率転換酸化触
媒と被毒および析出影響のない高温反応とを利用して、
NH3 直接でなく等モル転換するNOx(殆どNO)に
よって間接的にNH3 濃度を把握する。
【0037】次に、各ルートについて説明する。 ルートについて:ルートにおいては、還元剤の酸化
(NH3 からNOへの転換)が行なわれ、過剰(スリッ
プ)NH3 量が計測される。
(NH3 からNOへの転換)が行なわれ、過剰(スリッ
プ)NH3 量が計測される。
【0038】構成;ガス間接ヒータ(排ガスを800〜
1000℃に加熱できる)、NH3酸化触媒反応層(P
t−Rh系貴金属触媒、Rh10%程度)、ガスクー
ラ、切替え弁およびNOx分析計からなる。脱硝触媒
(触媒反応層)の出口の排ガスを硫安や酸性硫安等塩類
の析出温度以上に加熱することにより、分析ガスの導管
および前処理装置のメンテナンス負荷を軽減解消し、精
度ある分析および計測が達成される。
1000℃に加熱できる)、NH3酸化触媒反応層(P
t−Rh系貴金属触媒、Rh10%程度)、ガスクー
ラ、切替え弁およびNOx分析計からなる。脱硝触媒
(触媒反応層)の出口の排ガスを硫安や酸性硫安等塩類
の析出温度以上に加熱することにより、分析ガスの導管
および前処理装置のメンテナンス負荷を軽減解消し、精
度ある分析および計測が達成される。
【0039】作用;排ガス中のNH3 の酸化(NH3 か
らNOへの転換)を行う。反応式は、以下の通りであ
る。 4NH3 +5O2 →4NO+6H2 O ここでは、基本的に等モルのNO転換と考える。
らNOへの転換)を行う。反応式は、以下の通りであ
る。 4NH3 +5O2 →4NO+6H2 O ここでは、基本的に等モルのNO転換と考える。
【0040】計測値;計測値は、排ガス中の残留NOと
還元剤(NH3 )から転換したNOの合計濃度である。
この濃度の絶対値は、脱硝触媒(触媒反応層)の出口の
NOおよび過剰(スリップ)NH3 の濃度によって変化
する。また、脱硝触媒の効率が一定でも、処理前のガス
中のNOx濃度は排ガス精製プロセスの操業変動などで
変化する。
還元剤(NH3 )から転換したNOの合計濃度である。
この濃度の絶対値は、脱硝触媒(触媒反応層)の出口の
NOおよび過剰(スリップ)NH3 の濃度によって変化
する。また、脱硝触媒の効率が一定でも、処理前のガス
中のNOx濃度は排ガス精製プロセスの操業変動などで
変化する。
【0041】ルートについて:ルートおいては、生
排ガス(脱硝触媒の出口のNOx)が流通し、基準の排
ガス中のNOx濃度が計測される。
排ガス(脱硝触媒の出口のNOx)が流通し、基準の排
ガス中のNOx濃度が計測される。
【0042】構成;ガスクーラ、切換弁およびNOx分
析計からなる。 作用;排ガス中のNOx濃度のみを計測する。分析障害
成分はドレーントラップにより除去する。
析計からなる。 作用;排ガス中のNOx濃度のみを計測する。分析障害
成分はドレーントラップにより除去する。
【0043】計測値;計測値は、脱硝触媒(触媒反応
層)の出口のガスのNOx濃度であり、本発明方法にお
いて、脱硝触媒出口の過剰(スリップ)または不足NH
3 量判定のための基準値となる。これにより、脱硝未処
理ガス中のNOx濃度変動および本施設の脱硝触媒の効
率が把握される。
層)の出口のガスのNOx濃度であり、本発明方法にお
いて、脱硝触媒出口の過剰(スリップ)または不足NH
3 量判定のための基準値となる。これにより、脱硝未処
理ガス中のNOx濃度変動および本施設の脱硝触媒の効
率が把握される。
【0044】ルートについて:ルートにおいては、
未反応NOの還元(ガス中NH3 および特別添加NH3
による未反応NOの還元)が行なわれる。また、脱硝触
媒の性能確認および不足還元剤(NH3 )量の計測が行
なわれる。
未反応NOの還元(ガス中NH3 および特別添加NH3
による未反応NOの還元)が行なわれる。また、脱硝触
媒の性能確認および不足還元剤(NH3 )量の計測が行
なわれる。
【0045】構成;ガス間接ヒータ(排ガスを約300
℃に加熱できる)、高性能脱硝触媒反応層(Ti−V−
W系)、ガスクーラ、切換弁およびNOx分析計からな
る。更に、特別添加NH3 の添加機器を備え、処理ガス
流通期間中に、特別添加NH 3 の添加有りまたは無しの
状態をつくる。
℃に加熱できる)、高性能脱硝触媒反応層(Ti−V−
W系)、ガスクーラ、切換弁およびNOx分析計からな
る。更に、特別添加NH3 の添加機器を備え、処理ガス
流通期間中に、特別添加NH 3 の添加有りまたは無しの
状態をつくる。
【0046】作用; (イ)脱硝触媒(触媒反応層)のスリップNH3 とNO
との還元反応が行なわれる。反応式は、以下の通りであ
る。
との還元反応が行なわれる。反応式は、以下の通りであ
る。
【0047】 4NO+4NH3 +O2 →4N2 +6H2 O (ロ)特別添加NH3 による還元剤不足なしの状態での
本触媒スリップNOの還元反応が行なわれる。
本触媒スリップNOの還元反応が行なわれる。
【0048】計測値; (イ)特別添加NH3 添加無し 脱硝触媒(触媒反応層)の出口の還元剤(NH3 )が過
剰(潤沢)な場合は格差ゼロである。一方、還元剤(N
H3 )不足の場合は格差が発生する。
剰(潤沢)な場合は格差ゼロである。一方、還元剤(N
H3 )不足の場合は格差が発生する。
【0049】(ロ)特別添加NH3 添加有り 脱硝触媒(触媒反応層)の出口の還元剤が過剰(潤沢)
な場合は格差ゼロである。一方、還元剤不足の場合も格
差ゼロである。
な場合は格差ゼロである。一方、還元剤不足の場合も格
差ゼロである。
【0050】2つの計測値の格差;ここで、上記2つの
計測値(イ)と(ロ)との格差が、本脱硝触媒の還元剤
(NH3 )の不足濃度の絶対値である。
計測値(イ)と(ロ)との格差が、本脱硝触媒の還元剤
(NH3 )の不足濃度の絶対値である。
【0051】次に、ルートにおけるNH3 不足濃度測
定方法について述べる。排ガスを間接ガスヒータによっ
て約300℃に加熱後、所定量(完全還元が可能な濃度
設定)のNH3 (特別添加NH3 )が定時間添加され
る。次いで、NOx還元触媒反応層(Ti−V−W系)
に導かれた後NOx分析計に入る。この際、NH3 特別
添加無し(生の排ガスにおける還元)の場合とのNOx
濃度差が不足NH3 濃度となる。
定方法について述べる。排ガスを間接ガスヒータによっ
て約300℃に加熱後、所定量(完全還元が可能な濃度
設定)のNH3 (特別添加NH3 )が定時間添加され
る。次いで、NOx還元触媒反応層(Ti−V−W系)
に導かれた後NOx分析計に入る。この際、NH3 特別
添加無し(生の排ガスにおける還元)の場合とのNOx
濃度差が不足NH3 濃度となる。
【0052】特別添加NH3 によるNOの還元反応は、
下記式の通りである。 4NO+4NH3 +O2 →8N2 +6H2 O スリップNH3 が無いときは、NH3 酸化触媒出口(ル
ート)と未処理ガス(ルート)とのNOx濃度差が
なくなる為、更にNH3 の必要量が不足した場合には、
ここ(ルート)で得られた前記格差がNH3 不足量と
して把握できる。
下記式の通りである。 4NO+4NH3 +O2 →8N2 +6H2 O スリップNH3 が無いときは、NH3 酸化触媒出口(ル
ート)と未処理ガス(ルート)とのNOx濃度差が
なくなる為、更にNH3 の必要量が不足した場合には、
ここ(ルート)で得られた前記格差がNH3 不足量と
して把握できる。
【0053】脱硝触媒の効率および還元剤モル比は下記
の通りである。一般の触媒脱硝効率は、規制値、経済性
および触媒性能等から約70〜90%程度である。
の通りである。一般の触媒脱硝効率は、規制値、経済性
および触媒性能等から約70〜90%程度である。
【0054】脱硝触媒(触媒反応層)の入口のNH3 /
NOモル比は触媒種類、反応条件にも依るが、通常1.
0〜1.2に設定する。触媒効率に与えるNH3 /NO
モル比特性の一般形は図8に示す通りである。等モル反
応でNH3 /NOモル比が1.0でも、触媒効率が80
%なら20%相当の未還元NOxおよびNH3 が残留す
る。
NOモル比は触媒種類、反応条件にも依るが、通常1.
0〜1.2に設定する。触媒効率に与えるNH3 /NO
モル比特性の一般形は図8に示す通りである。等モル反
応でNH3 /NOモル比が1.0でも、触媒効率が80
%なら20%相当の未還元NOxおよびNH3 が残留す
る。
【0055】次に、3系統の流路(ルート〜)のガ
ス分析値から得られる情報について説明する。図9は還
元剤のモル比の測定方法を説明する系統図である。ま
ず、3系統のルートのガス分析値から得られる情報を、
下記の通り定義する。
ス分析値から得られる情報について説明する。図9は還
元剤のモル比の測定方法を説明する系統図である。ま
ず、3系統のルートのガス分析値から得られる情報を、
下記の通り定義する。
【0056】ルートのNOx値:NOx−a ルートのNOx値:NOx−b ルートの特別NH3 添加無しNOx値:NOx−c ルートの特別NH3 添加有りNOx値:NOx−d 方式(a):ルートの酸化触媒出口排ガス(NOx−
a)とルートの生ガス(NOx−b)との格差(酸化
触媒出口スリップNH3 のNO転換量) 脱硝触媒における還元剤(NH3 )が過剰(潤沢)
な場合;ΔNOxルートとルート (NOx−a)−(NOx−b)>(NOx−b)*K
1 ただし、K1:酸化触媒転換効率(K1=0.9〜0.
95) 理想の等モル反応の場合;ΔNOxルートとルー
ト (NOx−a)−(NOx−b)=(NOx−b)*K
1 還元剤不足の場合; ΔNOxルートとルート (NOx−a)−(NOx−b)<(NOx−b)*K
1 制御偏差(必要NH3 濃度)=ΔNH3 は、以下の通り
である。
a)とルートの生ガス(NOx−b)との格差(酸化
触媒出口スリップNH3 のNO転換量) 脱硝触媒における還元剤(NH3 )が過剰(潤沢)
な場合;ΔNOxルートとルート (NOx−a)−(NOx−b)>(NOx−b)*K
1 ただし、K1:酸化触媒転換効率(K1=0.9〜0.
95) 理想の等モル反応の場合;ΔNOxルートとルー
ト (NOx−a)−(NOx−b)=(NOx−b)*K
1 還元剤不足の場合; ΔNOxルートとルート (NOx−a)−(NOx−b)<(NOx−b)*K
1 制御偏差(必要NH3 濃度)=ΔNH3 は、以下の通り
である。
【0057】ΔNH3 =(NOx−b)−{(NOx−
a)−(NOx−b)}/K1 (ΔNH3 >0;不足、ΔNH3 =0;等モル比、ΔN
H3 <0;過剰) ただし、NH3 とNOxとは等モル反応するとの前提条
件内で成立。
a)−(NOx−b)}/K1 (ΔNH3 >0;不足、ΔNH3 =0;等モル比、ΔN
H3 <0;過剰) ただし、NH3 とNOxとは等モル反応するとの前提条
件内で成立。
【0058】方式(b):ルートの還元触媒出口排ガ
スの特別添加NH3 添加無しと添加有りとの格差 脱硝触媒における還元剤が過剰(潤沢)な場合; (NOx−c)=(NOx−d) (NOx−c)=(NOx−b)*(1−K2) ただし、K2:還元触媒の転換率(K2=0.95〜
0.99) 理想の等モル反応の場合; (NOx−c)=(NOx−d) (NOx−c)=(NOx−b)*(1−K2) 還元剤不足の場合; 脱硝触媒出口スリップNH3 ={(NOx−b)−(N
Ox−c)}/K2 触媒必要NH3 量(ΔNH3 )={(NOx−c)−
(NOx−d)}/K2 NH3 不足のバランスでの制御偏差(必要NH3 濃度)
=ΔNH3 は、以下の通りである。
スの特別添加NH3 添加無しと添加有りとの格差 脱硝触媒における還元剤が過剰(潤沢)な場合; (NOx−c)=(NOx−d) (NOx−c)=(NOx−b)*(1−K2) ただし、K2:還元触媒の転換率(K2=0.95〜
0.99) 理想の等モル反応の場合; (NOx−c)=(NOx−d) (NOx−c)=(NOx−b)*(1−K2) 還元剤不足の場合; 脱硝触媒出口スリップNH3 ={(NOx−b)−(N
Ox−c)}/K2 触媒必要NH3 量(ΔNH3 )={(NOx−c)−
(NOx−d)}/K2 NH3 不足のバランスでの制御偏差(必要NH3 濃度)
=ΔNH3 は、以下の通りである。
【0059】 ΔNH3 ={(NOx−c)−(NOx−d)}/K2 ただし、K2:還元触媒の転換率 (ΔNH3 >0;不足、ΔNH3 =0;等モル比または
過剰) このような、上記の方式(a)および方式(b)の2方
式を併用する理由は以下の通りである。
過剰) このような、上記の方式(a)および方式(b)の2方
式を併用する理由は以下の通りである。
【0060】方式(a)は、NH3 とNOとが等モル反
応であることを前提にしているが、触媒反応温度を得る
過程で無触媒状態で酸素が共存するため、下記の酸化反
応や還元反応が一部発生する(誤差要因)。
応であることを前提にしているが、触媒反応温度を得る
過程で無触媒状態で酸素が共存するため、下記の酸化反
応や還元反応が一部発生する(誤差要因)。
【0061】 4NO+4NH3 +O2 →4N2 +6H2 O 4NH3 +5O2 →4NO+6H2 O 4NH3 +3O2 →2N2 +6H2 O 上記反応はNH3 、NOおよびO2 の濃度や温度等によ
り変化するので、方式(a)を必ずしも等モル反応と限
定できない。
り変化するので、方式(a)を必ずしも等モル反応と限
定できない。
【0062】方式(b)は、触媒被毒の無い反応条件で
の分析であり、上記に見られる中間反応もないので、比
較的正確な判定が可能である。ただし、等モル比以上の
NH 3 が存在するときは格差が無くなる。
の分析であり、上記に見られる中間反応もないので、比
較的正確な判定が可能である。ただし、等モル比以上の
NH 3 が存在するときは格差が無くなる。
【0063】従って、方式(b)は、還元剤比が等モル
以上の領域での、方式(a)の誤差の修正に利用する。
分析値および格差の利用法は、以下の通りである。
以上の領域での、方式(a)の誤差の修正に利用する。
分析値および格差の利用法は、以下の通りである。
【0064】脱硝触媒(触媒反応層)の出口のNH3 の
スリップ濃度相当量を計測し、設定値との偏差を求めそ
れを本窒素酸化物還元施設の脱硫設備および脱硝触媒反
応層の各々のNH3 投入量調節弁の弁開度調整信号とし
て用いる。
スリップ濃度相当量を計測し、設定値との偏差を求めそ
れを本窒素酸化物還元施設の脱硫設備および脱硝触媒反
応層の各々のNH3 投入量調節弁の弁開度調整信号とし
て用いる。
【0065】還元剤過剰(スリップNH3 )から等モル
の領域では、方式(a)の格差を利用する。ただし、方
式(b)の格差が「ゼロ」である前提である。還元剤不
足の領域では、方式(b)の格差を利用する。利用方法
は、本脱硝触媒の還元剤(NH3 )のモル比の制御(設
定モル比との偏差)による。そして、触媒反応後のガス
濃度を分析して、設定値との格差を脱硝触媒反応層のN
H3 投入量を調整する制御信号とする。
の領域では、方式(a)の格差を利用する。ただし、方
式(b)の格差が「ゼロ」である前提である。還元剤不
足の領域では、方式(b)の格差を利用する。利用方法
は、本脱硝触媒の還元剤(NH3 )のモル比の制御(設
定モル比との偏差)による。そして、触媒反応後のガス
濃度を分析して、設定値との格差を脱硝触媒反応層のN
H3 投入量を調整する制御信号とする。
【0066】次に、本発明による脱硝触媒の還元剤濃度
比(NH3 /NOxモル比)の調整方法について述べ
る。還元剤濃度比調整は、本窒素酸化物還元施設の脱硫
設備および脱硝触媒反応層におけるNH3 流量調節弁の
NH3 投入量制御(2段調整法)によって行う。即ち、
2段調整法は、脱硫設備のNH3 添加および脱硝触媒反
応層のNH3 添加の2段とする。方法は、NH3 流量調
節弁の開度調節(増加または絞り込み)による)。
比(NH3 /NOxモル比)の調整方法について述べ
る。還元剤濃度比調整は、本窒素酸化物還元施設の脱硫
設備および脱硝触媒反応層におけるNH3 流量調節弁の
NH3 投入量制御(2段調整法)によって行う。即ち、
2段調整法は、脱硫設備のNH3 添加および脱硝触媒反
応層のNH3 添加の2段とする。方法は、NH3 流量調
節弁の開度調節(増加または絞り込み)による)。
【0067】(イ)脱硫設備の制御範囲:(スリップN
H3 濃度<50ppm)のとき;増加、または、(スリ
ップNH3 濃度>250ppm)のとき;絞り込み。
H3 濃度<50ppm)のとき;増加、または、(スリ
ップNH3 濃度>250ppm)のとき;絞り込み。
【0068】(ロ)脱硝触媒反応層の制御範囲:50p
pm≦スリップNH3 濃度≦250ppm。脱硫スリッ
プNH3 濃度と脱硝触媒入口(熱交換器未処理出口、即
ち、脱硝触媒反応層NH3 添加前)の濃度:脱硝触媒反
応層の入口濃度は、0.7〜0.75(脱硫スリップN
H3 濃度)の範囲である。これは、熱交換器のエレメン
ト表面に析出し補足され、濃度が減少する。
pm≦スリップNH3 濃度≦250ppm。脱硫スリッ
プNH3 濃度と脱硝触媒入口(熱交換器未処理出口、即
ち、脱硝触媒反応層NH3 添加前)の濃度:脱硝触媒反
応層の入口濃度は、0.7〜0.75(脱硫スリップN
H3 濃度)の範囲である。これは、熱交換器のエレメン
ト表面に析出し補足され、濃度が減少する。
【0069】NH3 濃度比の調整方法:脱硝触媒のスリ
ップNH3 が設定値より過剰な場合には、 (イ)切換弁(電磁弁)の切り替えにて得られたNOx
濃度格差ΔNOxA(ppm)(ルート、)と脱硝
触媒の性能および活性維持の観点から設定された設定N
Oxo(ppm)との偏差を求める。
ップNH3 が設定値より過剰な場合には、 (イ)切換弁(電磁弁)の切り替えにて得られたNOx
濃度格差ΔNOxA(ppm)(ルート、)と脱硝
触媒の性能および活性維持の観点から設定された設定N
Oxo(ppm)との偏差を求める。
【0070】ΔNOxAの値が、ΔNOxA>NOxo
からΔNOxA={NOxo−20ppm}の範囲にお
いては、脱硝触媒のNH3 流量調節弁を、ΔNOxA=
NOxoになるように調節する。
からΔNOxA={NOxo−20ppm}の範囲にお
いては、脱硝触媒のNH3 流量調節弁を、ΔNOxA=
NOxoになるように調節する。
【0071】(ロ)脱硝触媒のNH3 流量調節弁を絞り
きっても、 ΔNOxA>(NOxo+20ppm) のときは(即ち、スリップNH3 )、NH3 調整機能を
脱硝触媒反応層から脱流設備の流量調節弁に移行する。
きっても、 ΔNOxA>(NOxo+20ppm) のときは(即ち、スリップNH3 )、NH3 調整機能を
脱硝触媒反応層から脱流設備の流量調節弁に移行する。
【0072】ただし、上記アクションは、別系統のNO
x情報である排ガスの還元ルート(ルート)の所定量
NH3 添加(特別添加NH3 )の添加有無によるNOx
格差が2ppm以内の条件を満たすことを前提とする。
x情報である排ガスの還元ルート(ルート)の所定量
NH3 添加(特別添加NH3 )の添加有無によるNOx
格差が2ppm以内の条件を満たすことを前提とする。
【0073】脱硝触媒のNH3 が設定値より不足してい
る場合には、 (イ)ΔNOxA<(NOxo−20ppm)で、且
つ、還元ルートのNOx格差が2ppm以上の場合は、
脱硝触媒(触媒反応層)においてNH3 不足の状態であ
る。
る場合には、 (イ)ΔNOxA<(NOxo−20ppm)で、且
つ、還元ルートのNOx格差が2ppm以上の場合は、
脱硝触媒(触媒反応層)においてNH3 不足の状態であ
る。
【0074】(ロ)この場合、所定量(完全還元が可能
な濃度設定)のNH3 添加(特別添加NH3 )の有無に
よる還元触媒出口NOx濃度差がそのままNH3 不足量
となるので、その格差が2ppm以内になるまで、格差
相当量のNH3 を脱硝触媒に追加し増量する。脱硝触媒
のNH3 投入能力は、上流からのNH3 スリップがゼロ
でも対応可能なように設計されているので、このアクシ
ョンは1動作で良い。
な濃度設定)のNH3 添加(特別添加NH3 )の有無に
よる還元触媒出口NOx濃度差がそのままNH3 不足量
となるので、その格差が2ppm以内になるまで、格差
相当量のNH3 を脱硝触媒に追加し増量する。脱硝触媒
のNH3 投入能力は、上流からのNH3 スリップがゼロ
でも対応可能なように設計されているので、このアクシ
ョンは1動作で良い。
【0075】ガスサンプリング周期は約5〜6分/回、
偏差制御アクションは20〜30分間の格差平均値を演
算しそれを用いて行う。
偏差制御アクションは20〜30分間の格差平均値を演
算しそれを用いて行う。
【0076】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を図
面を参照しながら説明する。図1は、この発明の一実施
態様に係る触媒反応層(脱硝触媒)出口の還元剤(NH
3 )スリップ濃度計測を実施するための装置構成を示す
系統図である。
面を参照しながら説明する。図1は、この発明の一実施
態様に係る触媒反応層(脱硝触媒)出口の還元剤(NH
3 )スリップ濃度計測を実施するための装置構成を示す
系統図である。
【0077】図1に示す装置において、脱硝反応層1に
内蔵された脱硝触媒2に、NOx3とNH3 4とが所定
の濃度比で流通し、触媒活性表面にて選択接触還元反応
を生じ、NOx3はN2 5とH2 O6とに還元される。
還元反応式は下記の通りである。
内蔵された脱硝触媒2に、NOx3とNH3 4とが所定
の濃度比で流通し、触媒活性表面にて選択接触還元反応
を生じ、NOx3はN2 5とH2 O6とに還元される。
還元反応式は下記の通りである。
【0078】 4NO+4NH3 +O2 →4N2 +6H2 O 触媒反応層1の出口の排ガス中には、触媒の脱硝効率に
応じた未還元のNOxと還元反応に過剰なNH3 とが残
留する場合が一般的である。ここで、理想反応は等モル
であるが、実際の反応層では、ガス滞留時間等の関係で
約10〜50%過剰に還元剤(NH3 )を投入するのが
普通である。
応じた未還元のNOxと還元反応に過剰なNH3 とが残
留する場合が一般的である。ここで、理想反応は等モル
であるが、実際の反応層では、ガス滞留時間等の関係で
約10〜50%過剰に還元剤(NH3 )を投入するのが
普通である。
【0079】この排ガスをガス吸引ポンプ7により排ガ
スダクト8より分岐し、各々のガスクーラ9出口の切換
弁(電磁弁)10によって各々3系統からなるガス処理
ルート11(ガス検出管)に分離する。
スダクト8より分岐し、各々のガスクーラ9出口の切換
弁(電磁弁)10によって各々3系統からなるガス処理
ルート11(ガス検出管)に分離する。
【0080】3系統の処理ルートは、タイマ12の作用
によって排ガスが交互に流通するようになっている。第
1の処理ルート(ルート)は酸化用間接ガスヒータ1
3、NH3 酸化触媒反応層14およびガスクーラ9の配
列である。なお、NH3 酸化触媒にはPt−Rh系貴金
属触媒を用い、ガスヒータの設定温度は約800〜10
00℃に設定する。第2のルート(ルート)はガスク
ーラ9のみで構成する。更に残りの第3のルート(ルー
ト)は、還元処理用間接ガスヒータ15、その上流の
ガス処理ラインにNH3 ガス定量吹き込み弁16および
その弁作動用の定量NH3 (特別添加NH3 )吹き込み
タイマ17を備えたNH3 添加装置18、ならびに、T
i−V−W系の脱硝触媒反応層19によって構成する。
この還元ルートの脱硝触媒には前記のようにTi−V−
W系を用い、ヒータ温度を約300℃一定に調整する。
また、分析ガスのダスト濃度に応じてガス処理ルートの
分岐前に簡易なダスト補集器20を設置する。ガスクー
ラ9出口の分析ガス21は集合され、NOx分析計22
に導かれ、NOx濃度を計測する。この際、第2のルー
ト(ルート)のガスのNOxを生NOx23、第1の
ルート(ルート)のNH3 酸化触媒を経たガスのNO
xを転換NOx24とし、この濃度格差a25の時間平
均値を演算器26によって算出する。
によって排ガスが交互に流通するようになっている。第
1の処理ルート(ルート)は酸化用間接ガスヒータ1
3、NH3 酸化触媒反応層14およびガスクーラ9の配
列である。なお、NH3 酸化触媒にはPt−Rh系貴金
属触媒を用い、ガスヒータの設定温度は約800〜10
00℃に設定する。第2のルート(ルート)はガスク
ーラ9のみで構成する。更に残りの第3のルート(ルー
ト)は、還元処理用間接ガスヒータ15、その上流の
ガス処理ラインにNH3 ガス定量吹き込み弁16および
その弁作動用の定量NH3 (特別添加NH3 )吹き込み
タイマ17を備えたNH3 添加装置18、ならびに、T
i−V−W系の脱硝触媒反応層19によって構成する。
この還元ルートの脱硝触媒には前記のようにTi−V−
W系を用い、ヒータ温度を約300℃一定に調整する。
また、分析ガスのダスト濃度に応じてガス処理ルートの
分岐前に簡易なダスト補集器20を設置する。ガスクー
ラ9出口の分析ガス21は集合され、NOx分析計22
に導かれ、NOx濃度を計測する。この際、第2のルー
ト(ルート)のガスのNOxを生NOx23、第1の
ルート(ルート)のNH3 酸化触媒を経たガスのNO
xを転換NOx24とし、この濃度格差a25の時間平
均値を演算器26によって算出する。
【0081】燃焼排ガスのNH3 選択接触還元では、近
似的に等モル反応と考えられるので、この格差a25の
濃度が近似的にスリップした還元剤(NH3 )の濃度と
いえる。
似的に等モル反応と考えられるので、この格差a25の
濃度が近似的にスリップした還元剤(NH3 )の濃度と
いえる。
【0082】還元剤(NH3 )が脱硝触媒2において充
分なモル比で供給されない(即ち、還元剤(NH3 )不
足)場合、濃度格差は減少傾向を示し、ついには格差が
なくなるレベルに至る。このレベルは完全に還元剤(N
H3 )不足の状態である。その場合の対応として、還元
剤不足量を推定するため、分析ルートの脱硝触媒出口の
NOx濃度変化を定量添加NH3 (特別添加NH3 )の
添加有無の操作を行ない、そこで現れる濃度格差b.
(27)を検出する。この格差が近似的に還元ガスの不
足濃度といえるので、同様に演算器26にて不足量を把
握することができる。
分なモル比で供給されない(即ち、還元剤(NH3 )不
足)場合、濃度格差は減少傾向を示し、ついには格差が
なくなるレベルに至る。このレベルは完全に還元剤(N
H3 )不足の状態である。その場合の対応として、還元
剤不足量を推定するため、分析ルートの脱硝触媒出口の
NOx濃度変化を定量添加NH3 (特別添加NH3 )の
添加有無の操作を行ない、そこで現れる濃度格差b.
(27)を検出する。この格差が近似的に還元ガスの不
足濃度といえるので、同様に演算器26にて不足量を把
握することができる。
【0083】脱硝触媒2の出口の排ガスを前記の手段で
分析し、その格差を用いた還元剤添加量調整およびモル
比制御の概略フローを図2に示す。図2に示すように、
NH3 からNOxへの転換触媒28、NOx還元触媒2
9およびNOx分析計30を組合せ、スリップNH3 相
当濃度31および不足還元剤濃度32を演算器33によ
って求め、信号変換器34によって、その値から脱硝触
媒反応層のNH3 添加装置35の流量調節弁36および
脱硫設備のNH3 添加装置37の流量調節弁38の弁開
度を制御する。
分析し、その格差を用いた還元剤添加量調整およびモル
比制御の概略フローを図2に示す。図2に示すように、
NH3 からNOxへの転換触媒28、NOx還元触媒2
9およびNOx分析計30を組合せ、スリップNH3 相
当濃度31および不足還元剤濃度32を演算器33によ
って求め、信号変換器34によって、その値から脱硝触
媒反応層のNH3 添加装置35の流量調節弁36および
脱硫設備のNH3 添加装置37の流量調節弁38の弁開
度を制御する。
【0084】制御信号は、設定値との偏差を流量調節弁
36、同弁38の開度変更信号に換え、前記偏差がMi
n.(最小量)となるように添加NH3 流量を調整す
る。スリップNH3 濃度が過剰の場合、まず脱硝触媒反
応層の調節弁36を絞り込み、調節弁36が一杯になっ
たら次のアクションとして脱硫設備の調節弁38を絞り
込む2ステージ制御とする。
36、同弁38の開度変更信号に換え、前記偏差がMi
n.(最小量)となるように添加NH3 流量を調整す
る。スリップNH3 濃度が過剰の場合、まず脱硝触媒反
応層の調節弁36を絞り込み、調節弁36が一杯になっ
たら次のアクションとして脱硫設備の調節弁38を絞り
込む2ステージ制御とする。
【0085】脱硝触媒反応層1における還元剤(N
H3 )の濃度不足のケースでは、スリップNH3 相当濃
度31が”ゼロ”となるので、NH3 添加バルブは開方
向の動作を行う。
H3 )の濃度不足のケースでは、スリップNH3 相当濃
度31が”ゼロ”となるので、NH3 添加バルブは開方
向の動作を行う。
【0086】このNH3 増量アクションは脱硝触媒反応
層のNH3 供給能力が充分あるので、調節弁36で対処
可能である。還元剤補足時の脱硝効率変化パターンはシ
ャープであり、このアクションで制御する追従性は十分
である。
層のNH3 供給能力が充分あるので、調節弁36で対処
可能である。還元剤補足時の脱硝効率変化パターンはシ
ャープであり、このアクションで制御する追従性は十分
である。
【0087】
【実施例】次に、この発明を実施例により説明する。脱
硝触媒でのNOxと還元剤(NH3 )との適性モル比操
業を可能とする方法および装置の実施例として、製鉄所
の焼結排煙脱硝工程を挙げて説明する。
硝触媒でのNOxと還元剤(NH3 )との適性モル比操
業を可能とする方法および装置の実施例として、製鉄所
の焼結排煙脱硝工程を挙げて説明する。
【0088】 脱硝触媒のNH3 /NOモル比設定お
よび制御条件は、下記に示す通りであった。 (イ)触媒効率および被毒の観点からNH3 /NOモル
比を、下記に設定した。 NH3 /NOモル比=
1.1±0.1 (ロ)脱硝未処理ガスのNO濃度は、平均170±20
ppmであった。
よび制御条件は、下記に示す通りであった。 (イ)触媒効率および被毒の観点からNH3 /NOモル
比を、下記に設定した。 NH3 /NOモル比=
1.1±0.1 (ロ)脱硝未処理ガスのNO濃度は、平均170±20
ppmであった。
【0089】ハ)脱硝触媒の入口のNH3 濃度は、NO
x濃度170ppmで170〜204ppmの範囲であ
った。以上は、前述した方式(a)の設定値および制御
範囲が、−17±17ppm、および、方式(b)の格
差が0、であることが前提である。
x濃度170ppmで170〜204ppmの範囲であ
った。以上は、前述した方式(a)の設定値および制御
範囲が、−17±17ppm、および、方式(b)の格
差が0、であることが前提である。
【0090】 焼結排ガス処理の操業諸元は、下記に
示す通りであった。 焼結排ガス流量;1150kNm3 /h(時間) 排ガス中のNOx濃度;150〜170ppm 脱硫;湿式 脱硝;触媒によるNH3 選択接触還元 触媒反応温度;約300℃ 触媒のSV;約3000(l/h) 脱流スリップSOx;<2ppm まず、比較例として、従来方法による脱硝について述べ
る。
示す通りであった。 焼結排ガス流量;1150kNm3 /h(時間) 排ガス中のNOx濃度;150〜170ppm 脱硫;湿式 脱硝;触媒によるNH3 選択接触還元 触媒反応温度;約300℃ 触媒のSV;約3000(l/h) 脱流スリップSOx;<2ppm まず、比較例として、従来方法による脱硝について述べ
る。
【0091】脱硫プロセスからのスリップNH3 は30
〜350ppmの範囲で変動し、変動パターンは緩やか
なウエーブ状であり、通常はピークからピークまで(pe
ak to peak)で約4〜5時間程度である。
〜350ppmの範囲で変動し、変動パターンは緩やか
なウエーブ状であり、通常はピークからピークまで(pe
ak to peak)で約4〜5時間程度である。
【0092】オペレータのマニュアル介入時は、スリッ
プNH3 濃度の変動範囲は80〜150ppm程度に抑
制できる(ただし、アラーム等があったときのみの対
応)。脱硝触媒(触媒反応層)の入口に到達するNH3
濃度は、通常脱硫スリップNH3 の約65〜70%であ
り、途中の熱交換器で30〜35%が硫安、酸性硫安等
の塩類の形態でトラップされる。
プNH3 濃度の変動範囲は80〜150ppm程度に抑
制できる(ただし、アラーム等があったときのみの対
応)。脱硝触媒(触媒反応層)の入口に到達するNH3
濃度は、通常脱硫スリップNH3 の約65〜70%であ
り、途中の熱交換器で30〜35%が硫安、酸性硫安等
の塩類の形態でトラップされる。
【0093】脱硝触媒のNH3 /NOモル比の変動範囲
は0.9〜1.9である。不足時にはオペレータ介入に
より処置される。次に、本発明実施例について説明す
る。
は0.9〜1.9である。不足時にはオペレータ介入に
より処置される。次に、本発明実施例について説明す
る。
【0094】脱硝触媒スリップNH3 を、Pt−Pd酸
化触媒でNOx転換し、ガス組成のNOx濃度差からス
リップNH3 濃度を推定する方法と、その格差をNH3
投入流量調節弁の開度制御に利用する方法とにより、脱
硝触媒の入口のNH3 /NOxモル比は1.1±0.1
に制御でき、モル比変動による脱硝効率変動を約±3%
以内に制御できた。NH3 からNOxへ転換する酸化触
媒(Pt−Rh系)も反応温度がガスヒータにより高温
に設定、維持されるため、排ガス中の被毒物の影響を免
れ、安定反応を維持することができた。以上により、脱
硝触媒の効率維持および脱硝触媒のスリップNH3 に起
因する腐食、詰まり等のトラブルが低減できた。
化触媒でNOx転換し、ガス組成のNOx濃度差からス
リップNH3 濃度を推定する方法と、その格差をNH3
投入流量調節弁の開度制御に利用する方法とにより、脱
硝触媒の入口のNH3 /NOxモル比は1.1±0.1
に制御でき、モル比変動による脱硝効率変動を約±3%
以内に制御できた。NH3 からNOxへ転換する酸化触
媒(Pt−Rh系)も反応温度がガスヒータにより高温
に設定、維持されるため、排ガス中の被毒物の影響を免
れ、安定反応を維持することができた。以上により、脱
硝触媒の効率維持および脱硝触媒のスリップNH3 に起
因する腐食、詰まり等のトラブルが低減できた。
【0095】実施例を通じて得た経済的効果の内訳は以
下の通りである。 脱硝触媒反応層をスリップするNH3 濃度削減は平
均60ppmである。従って、 ΔNH3 (60ppm)*1150kNm3 /h=69
Nm3 −NH3 /h で、費用に換算すると年に約0.2億円の節約ができ
る。
下の通りである。 脱硝触媒反応層をスリップするNH3 濃度削減は平
均60ppmである。従って、 ΔNH3 (60ppm)*1150kNm3 /h=69
Nm3 −NH3 /h で、費用に換算すると年に約0.2億円の節約ができ
る。
【0096】 脱硝効率安定維持については、触媒脱
硝効率変動幅は、±3%以内を維持できた。従って、エ
ネルギーコスト(燃料+電力)の多大な節約ができる。 脱硝設備の腐食、閉塞等のトラブルが低減し、設備
補修費の節約ができる。
硝効率変動幅は、±3%以内を維持できた。従って、エ
ネルギーコスト(燃料+電力)の多大な節約ができる。 脱硝設備の腐食、閉塞等のトラブルが低減し、設備
補修費の節約ができる。
【0097】 脱硝被毒軽減による寿命延長ができ
る。
る。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、脱硝触媒反応層の入口の還元剤モル比が適正なレベ
ルで制御され、その結果還元剤コストの削減、触媒およ
び設備の被毒、閉塞および腐食等のトラブルが削減で
き、且つ還元剤(NH3 )測定に際し、NH3 酸化触媒
およびNOx計によって計測装置を構成したことによっ
て、高精度、安定な計測値がメンテナンスの負荷を軽減
した状態で得られ、かくして、工業上有用な効果がもた
らされる。
ば、脱硝触媒反応層の入口の還元剤モル比が適正なレベ
ルで制御され、その結果還元剤コストの削減、触媒およ
び設備の被毒、閉塞および腐食等のトラブルが削減で
き、且つ還元剤(NH3 )測定に際し、NH3 酸化触媒
およびNOx計によって計測装置を構成したことによっ
て、高精度、安定な計測値がメンテナンスの負荷を軽減
した状態で得られ、かくして、工業上有用な効果がもた
らされる。
【図1】この発明の一実施態様に係る脱硝触媒出口の還
元剤(NH3 )スリップ濃度計測を実施するための装置
構成を示す系統図である。
元剤(NH3 )スリップ濃度計測を実施するための装置
構成を示す系統図である。
【図2】この発明の一実施態様に係る濃度測定装置を組
み込んだ還元剤流量制御を実施するための装置構成を示
す系統図である。
み込んだ還元剤流量制御を実施するための装置構成を示
す系統図である。
【図3】従来技術の排煙脱硝を実施するための装置を示
す概念図である。
す概念図である。
【図4】従来技術のガス中のNH3 の分析を実施するた
めの装置構成を示す系統図である。
めの装置構成を示す系統図である。
【図5】従来技術の製鉄所焼結排ガス処理を実施するた
めの装置構成を示す系統図である。
めの装置構成を示す系統図である。
【図6】従来技術の湿式排煙脱硫の反応等におけるSO
xおよびNH3 のスリップ特性を示すグラフである。
xおよびNH3 のスリップ特性を示すグラフである。
【図7】従来技術の湿式排煙脱硫の還元剤(NH3 )添
加流量制御を実施するための装置構成を示す系統図であ
る。
加流量制御を実施するための装置構成を示す系統図であ
る。
【図8】触媒効率に与えるNH3 /NOモル比特性の一
般形を示すグラフである。
般形を示すグラフである。
【図9】この発明に係る還元剤のモル比の測定方法を説
明する系統図である。
明する系統図である。
1 脱硝反応層 2 脱硝触媒 3 NOx 4 還元剤(NH3 ) 5 N2 6 H2 O 7 ガス吸引ポンプ 8 排ガスダクト 9 ガスクーラ 10 切換弁(電磁弁) 11 ガス処理ルート 12 タイマ 13 酸化用間接ガスヒータ 14 NH3 酸化触媒反応層 15 還元処理用間接ガスヒータ 16 NH3 ガス定量吹き込み弁 17 定量NH3 吹き込みタイマ 18 NH3 添加装置 19 Ti−V−W系脱硝触媒反応層 20 ダスト補集器 21 分析ガス 22 NOx分析計 23 生NOx 24 転換NOx 25 濃度格差a 26 演算器 27 濃度差b. 28 NOx酸化触媒(NH3 →NOx転換触媒) 29 NOx還元触媒 30 NOx分析計 31 スリップNH3 相当濃度 32 不足還元剤NH3 濃度 33 演算器 34 信号変換器 35 脱硝触媒のNH3 添加装置 36 NH3 流量調節弁 37 脱硫設備のNH3 添加装置 38 NH3 流量調節便 39 排ガス 40 ダクト 41 脱硝反応層 42 触媒層 43 NOx 44 ノズル 45 NH3 46 N2 47 H2 O 48 煙突 49 排ガス 50 SOx処理 51 直接ライン 52 温度調節器 53 NH3 酸化器 54 NO転換器 55 NOx分析計 56 電磁弁 57 焼結機 58 燃焼排ガス 59 ダスト 60 SOx 61 NOx 62 集塵機 63 脱硫設備 64 脱硝設備 65 吸収液 66 COG 67 NH3 68 循環ポンプ 69 反応塔 70 冷却段 71 吸収段 72 希薄段 73 精製段 74 デミスタ 75 スプレーノズル 76 ポンプ 77 焼結 78 燃焼排ガス 79 NOx 80 処理ガス流量 81 脱硝触媒 82 反応層 83 入口ダクト 84 NOx計 85 触媒入口の必要NH3 86 演算器
Claims (4)
- 【請求項1】 燃焼排ガスの流路に脱硫設備および脱硝
触媒反応層を有する施設を使用し、還元剤にNH3 を用
いて燃焼排ガスに含有する窒素酸化物(NOx)を前記
脱硝触媒反応層において選択接触還元する燃焼排ガスの
NOx還元方法において、前記脱硝触媒反応層出口にお
ける燃焼排ガスのNH3 濃度の過不足を測定してNH3
/NOxモル比を求め、求めたモル比と設定モル比との
差から前記脱硝触媒反応層および前記脱硫設備の各々の
NH3 投入流量調節弁の開度を求めて開度調整信号に変
換し、前記信号によって前記脱硝触媒反応層および前記
脱硫設備の投入NH3 流量を調整して、前記脱硝触媒反
応層のNH3 /NOxのモル比を所定の適正値に制御す
ることを特徴とする燃焼排ガスのNOx還元方法。 - 【請求項2】 燃焼排ガスの流路に脱硫設備および脱硝
触媒反応層を有する施設を使用し、還元剤にNH3 を用
いて燃焼排ガスに含有する窒素酸化物(NOx)を前記
脱硝触媒反応層において選択接触還元する燃焼排ガスの
NOx還元方法において、前記脱硝触媒反応層の出口の
燃焼排ガスを、酸化触媒を有するルートと、触媒を有
さず燃焼排ガスがそのまま通過するルートと、還元触
媒を有するルートとの3つの流路に分配し、前記ルー
トにおいて、燃焼排ガスを前記酸化触媒によって酸化
した後のNOx量を測定し、前記ルートにおいて、燃
焼排ガスのNOx量を測定し、前記ルートにおいて、
前記燃焼排ガスに所定量のNH3 を添加し前記還元触媒
によって還元した後の前記燃焼排ガスのNOx量を測定
し、前記ルートのNOx量測定値と前記ルートのN
Ox量測定値との差により過剰NH3 濃度を演算し、前
記ロートのNOx量測定値と前記ルートのNOx量
測定値との差により不足NH3 濃度を演算し、前記過剰
NH3 濃度および不足NH3 濃度の演算値から前記脱硝
触媒反応層のNH3 /NOxモル比を演算し、前記モル
比の演算値から、前記脱硝触媒反応層または前記脱硫設
備の一方または両方の投入NH3 量を演算し、前記演算
量のNH3 を前記脱硝触媒反応層および前記脱硫設備の
一方または両方に投入することにより前記脱硝触媒反応
層のモル比を所定値に制御することを特徴とする燃焼排
ガスのNOx還元方法。 - 【請求項3】 前記脱硝触媒反応層および前記脱硫設備
の各々のNH3 投入流量調節弁の動作を相互に切り替え
可能とし、求めたNH3 /NOxモル比と設定モル比と
の差の値が所定の制御範囲以内のときは、前記脱硝触媒
反応層のNH 3 投入流量調節弁を作動して前記脱硝触媒
反応層へNH3 を投入し、所定の制御範囲以外のとき
は、前記脱硫設備のNH3 投入流量調節弁を作動して前
記脱硫設備へNH3 を投入して、前記脱硝触媒反応層お
よび前記脱硫設備のNH3 投入流量を制御することを特
徴とする請求項1記載の燃焼排ガスのNOx還元方法。 - 【請求項4】 燃焼排ガスの流路に脱硫設備および脱硝
触媒反応層を有し、還元剤にNH3 を用いて燃焼排ガス
に含有する窒素酸化物(NOx)を前記脱硝触媒反応層
において選択接触還元する燃焼排ガスのNOx還元装置
において、前記脱硝触媒反応層の出口に接続されたルー
ト、ルートおよびルートの3つの燃焼排ガス流路
と、前記ルートに設けられたNH3 酸化触媒と、前記
ルートに設けられた所定量のNH3 の添加装置および
前記添加装置の下流のNOx還元触媒と、前記ルート
、ルートおよびルートの流路のNOx濃度を測定
するためのNOx濃度計と、前記NOx濃度計の値から
過剰NH3 濃度および不足NH3 濃度を演算するための
演算器と、前記過剰NH3 濃度および不足NH3 濃度か
ら前記脱硝触媒反応層のNH3 流量調節弁および前記脱
硫設備のNH3 流量調節弁を制御する信号を発するため
の信号変換器とからなることを特徴とする燃焼排ガスの
NOx還元装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9017150A JPH10216459A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 燃焼排ガスのNOx還元方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9017150A JPH10216459A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 燃焼排ガスのNOx還元方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10216459A true JPH10216459A (ja) | 1998-08-18 |
Family
ID=11935968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9017150A Pending JPH10216459A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 燃焼排ガスのNOx還元方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10216459A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1997
- 1997-01-30 JP JP9017150A patent/JPH10216459A/ja active Pending
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