JPH10187928A - 画像処理用カラー照明装置と被測定物検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定物を撮像した際、該撮像画像における
被測定物と背景との色分離が容易に行え、該被測定物を
正確に検出できる画像処理用カラー照明装置とこの照明
装置を用いた被測定物検出装置を提供する。 【解決手段】 照明源が発光する前記各色における彩度
と明度と色相角度の関係を電流値または電圧値で表した
ルックアップテーブルと、該被測定物に白色光を照射し
て撮像する手段と、該撮像して得た画像の特定エリアに
おける色を抽出する手段と、該抽出した色の色データの
彩度と明度と色相角度を検出する手段と、該検出データ
を前記ルックアップテーブルと比較し、対応する電流値
または電圧値に変換する手段と、該変換した電流値また
は電圧値により前記照明源をコントロールし、前記抽出
した色に対応する特定の色を発光させる手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理用カラー
照明装置と被測定物検出装置に係り、より詳細には、被
測定物を撮像した際、該撮像画像における被測定物と背
景との色分離が容易に行え、該被測定物を正確に検出で
きる画像処理用カラー照明装置とこの照明装置を用いた
被測定物検出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、被測定物を撮像し、該撮像データ
を二値化等の画像処理をして、該被測定物の欠陥等を検
出する場合、該被測定物に対して照明を当てるが、該照
明としては、ハロゲンランプ等の白色光を含む単色光を
用いている。すなわち、被測定物に対して単色光を照射
し、該被測定物からの反射光をＣＣＤカメラ等で撮像し
て、該反射光の強度（明度）に対応した画像データを得
て、該画像データを複数個のエリアに分割し、各エリア
について二値化処理することにより、予め得ている標準
パターンと比較することで、その欠陥の有無、欠陥個所
等を検出あるいは測定している。

【０００３】ところで、このような画像処理方法におい
ては、照明としてハロゲンランプ等による白色光を用い
ているため、被測定物の色、あるいは被測定物の置いて
ある背景等の色によっては、その色分離が難しい。そこ
で、このような場合は、撮像用カメラあるいは照明用光
源の前方に色フィルターを配置している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した色フ
ィルターを設けて被測定物を撮像する場合、次のような
問題がある。すなわち、 被測定物や背景に対応する複数種類の色フィルター
が必要となる。 色フィルターの交換に手数を要するので、被測定物
の測定時間の短縮化が図れない。 被測定物の検出自動化に限度がある。 等の課題がある。

【０００５】本発明は、以上のような課題に対処して創
作したものであって、その目的とする処は、被測定物を
撮像した際、該撮像画像における被測定物と背景との色
分離が容易に行え、該被測定物を正確に検出できる画像
処理用カラー照明装置とこの照明装置を用いた被測定物
検出装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段としての本発明の請求項１の画像処理用カラー照
明装置は、被測定物を測定する際に用いる赤色、緑色、
青色の照明源を備え、該照明源における彩度と明度と色
相角度を変化させて特定の色を発光させる画像処理用カ
ラー照明装置であって、該照明源が発光する前記各色に
おける彩度と明度と色相角度の関係を電流または電圧値
で表したルックアップテーブルと、該被測定物に白色光
を照射して撮像する手段と、該撮像して得た画像の特定
エリアにおける色を抽出する手段と、該抽出した色の色
データの彩度と明度と色相角度を検出する手段と、該検
出データを前記ルックアップテーブルと比較し、対応す
る電流または電圧値に変換する手段と、該変換した電流
または電圧値により前記照明源をコントロールし、前記
抽出した色に対応する特定の色を発光させる手段を有す
ることを特徴とする。請求項２の画像処理用カラー照明
装置は、前記照明源が赤色、緑色、青色のＬＥＤである
ことを特徴とする。

【０００７】請求項３の被測定物検出装置は、前記請求
項１の画像処理用カラー照明装置を用い、前記指定した
色に対応する特定の色の照明を被測定物に照射して、前
記特定エリアにおける他の色部分を色分離して、該被測
定物を撮像する手段を有することを特徴とする。

【０００８】ここで、前記照明源としては、種々の照明
（例えば、ネオン管、ランプ等）を用いることができ、
そのなかでもＬＥＤを用いることが好ましい。前記白色
光には、昼白色光や昼光色光等の白色を含む。前記ルッ
クアップテーブルは、予め、この照明源（あるいは同種
照明源）が発光する各色における彩度と明度と色相角度
の関係を電気信号値で表し、これをデータ化したもの
で、これをＲＯＭその他のメモリに記憶させておく。前
記被測定物に白色光を照射して撮像する手段としては、
ＣＣＤカラーカメラ、その他の映像用カメラを用いる。
また前記撮像して得た画像の特定エリアにおける色を抽
出する手段としては、赤色（Ｒ）、緑色（Ｇ）、青色
（Ｂ）のメモリーフレームを使用することができ、また
抽出した色の色データの彩度と明度と色相角度を検出す
る手段としては、ＲＧＢ／Ｈ（画像の色相角度）Ｌ（画
像の明度）Ｓ（画像の彩度）変換装置を用いることがで
きる。該検出データを前記ルックアップテーブルと比較
し、対応する電気信号値（電流または電圧値）に変換す
る手段としては、コンピュータによる処理で行うことが
できる。

【０００９】そして、本発明の画像処理用カラー照明装
置は、まず、被測定物に白色光を照明源として照射し
て、該被測定物をＣＣＤカメラ等を用いて撮像する。そ
して、この撮像した画像データを、画像処理装置のメモ
リに記憶させ、該画像データにおける画像処理装置にお
いて予め設定しているエリア内の色を抽出し、該抽出し
た色の色データの彩度と明度と色相角度を検出し、この
検出データをルックアップテーブルと比較して電気信号
値（電流または電圧値）に変換し、この電気信号値（電
流または電圧値）により、照明源で、抽出した色に対応
する特定の色に発光させることができる。また、この照
明装置を用いることで、被測定物に最適な照明をし、該
被測定物の欠陥等を良好な状態で測定、検出することか
できる。

【００１０】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の請求項１の画像処理用カラー照明装置によれば、被測
定物の検出、計測に好ましい照明を得ることができるの
で、該被測定物を撮像した際、該撮像画像における被測
定物と背景との色分離が容易に行え、該被測定物を正確
に検出できるという効果を有する。請求項２の画像処理
用カラー照明装置によれば、照明源としてＬＥＤを用い
ているので、その構成が簡単であり、しかも色調整が容
易に行えるという効果を有する。

【００１１】また、請求項３の被測定物検出装置によれ
ば、被測定物の色分離が容易に行われる照明源を用い
て、該被測定物を照明するので、該被測定物の検出時間
の短縮化が図れ、高効率的な画像検出ができるという効
果を有する。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明を具体化した好ましい実施の形態について説明する。
ここに、図１〜図５は、本発明の実施形態を示し、図１
は画像処理用カラー照明装置の構成図、図２は実施形態
の外観図、図３は照明源の平面図、図４は検査対象物の
検査フロチャート、図５は本実施形態で使用するルック
アップテーブルの説明図である。

【００１３】本実施形態の画像処理用カラー照明装置
は、図１に示すように、照明源１と、撮像装置２と、画
像処理装置３、および照明コントローラ４ａ、照明電源
４６の５つの部分から構成されている。照明源１は、青
色（Ｂ）、緑色（Ｇ）、赤色（Ｒ）の光の三原色からな
る３種類のＬＥＤ１ａ，１ｂ，１ｃで形成している。そ
して、この３種類のＬＥＤ１ａ，１ｂ，１ｃは、照明コ
ントローラ４で、その彩度、明度、色相角度がコントロ
ールされて、最適の色を発光することができる。すなわ
ち、この３種類のＬＥＤ１ａ，１ｂ，１ｃの発光色の彩
度、明度、色相角度を変化させることで、任意の照明を
得ることができる。また、照明源１は、図２に示すよう
に、ＬＥＤ１ａ，１ｂ，１ｃが組み合わされて構成され
ていて、笠状に配置してある。ここでは、６個の照明源
１，１・・からなる。すなわち、それぞれの照明源１，
１・・は、それぞれ赤色（Ｒ）、緑色（Ｇ）、青色
（Ｂ）の光の三原色からなる３種類のＬＥＤ１ａ，１
ｂ，１ｃで構成されている。

【００１４】撮像装置２は、ＣＣＤカラーカメラ５と、
カメラ作動ユニット６、および生画像表示モニタ７とか
ら構成されていて、被測定物ａの全部または一部を撮像
できる装置からなる。そして、この撮像した被測定物の
画像をカメラユニット５を介して生画像表示モニタ７に
表示すると共に、カラー画像処理装置３のメモリに取り
込むことができる。なお、ＣＣＤカラーカメラ５は、対
象物ａの大きさ、形状等に応じて、その撮影位置を変更
する必要があることに対処して、対象物ａを載せるテー
ブルを移動（あるいは回転）させ、あるいはカメラ５の
位置を移動させるようにしている。

【００１５】画像処理装置３は、ＣＣＤカメラから画像
を取り込むメモリ（赤色フレームメモリ、緑色フレーム
メモリ、青色フレームメモリ）と、ＣＣＤカラーカメラ
５からの得られたカラー濃淡画像を、該画像の特定エリ
アの輝度レベルの閾値により二値化処理して二値化画像
を得る二値化処理部３ａと、前記メモリにおける特定の
画像の色の彩度、明度、色相角度からなる画像データを
電流値に変換する色相変換部３ｂ、および色相変換部３
ｂで変換して得た変換データを、照明源１の３種類のＬ
ＥＤ１ａ，１ｂ，１ｃで得られる照明光に対応する予め
求めている彩度、明度、色相角度に変換した、例えば、
表１に示す変換基準データ（ルックアップテーブル）と
比較するデータ比較部３ｃを有している。

【００１６】ここで、図５に示すルックアップテーブル
は、この特定の装置で用いる照明源１を構成するそれぞ
れのＬＥＤ１ａ，１ｂ，１ｃの彩度、明度、色相角度と
電流値との関係をテーブル化したものである。例えば、
メモリに取り込まれている特定の画像の彩度、明度、色
相角度からなる画像データに基づく色がＬＥＤ１ａ，１
ｂ，１ｃの彩度、明度、色相角度に対応するかを比較す
ることができる。このルックアップテーブルは、使用す
る照明源１によって異なる。すなわち、赤・緑・青のＬ
ＥＤの配置位置や組み合わせによって異なるため、使用
する照明源１に対応するルックアップテーブルを作成し
ておくことが肝要である。表１に示しているルックアッ
プテーブルでは、例えば、色が紫の場合、色相角度が２
２６、彩度Ｓが０．４９、明度Ｌが０．４９で、これに
対応する変換値（ｍＡ）が、赤色Ｒ：０．２５、緑色
Ｇ：０．３６、青色Ｂ：０．７３である。

【００１７】二値化処理部３ａは、通常の二値化処理装
置からなり、特定エリアで二値化処理した特定エリア二
値化画像を得ると共に、不要反射輝度レベルの閾値によ
り二値化処理して不要反射二値化画像を得て、該不要反
射二値化画像について膨張化処理を行った後、検出しよ
うとする部位における前記特定エリア二値化画像より該
不要反射二値化画像を演算処理して不要反射除去済二値
化画像を得ることができる構成からなる。色相変換部３
ｂは、前記メモリにおける特定の画像の色の彩度、明
度、色相角度からなる画像データを電流値に変換し、特
定エリアにおける対象物ａの色を検出できる構成からな
る。またデータ比較部３ｃは、該検出した色が、ルック
アップテーブルにおける変換データに対応するかを比較
して、照明源１の３種類のＬＥＤ１ａ，１ｂ，１ｃの彩
度、明度、色相角度を特定することができる構成からな
る。

【００１８】照明コントローラ４は、画像処理装置３で
得た色に対応するルックアップテーブル上の照明源１を
構成する３種類のＬＥＤ１ａ，１ｂ，１ｃの彩度、明
度、色相角度からなる電流値でもって、ＬＥＤ１ａ，１
ｂ，１ｃの彩度、明度、色相角度をコントロールし、そ
れぞれのＬＥＤ１ａ，１ｂ，１ｃを点灯させて、前記色
に対応する照明光を得るコントロール装置からなる。

【００１９】次に、本実施形態の画像処理用カラー照明
装置を、『みかんの色合い検査』に適用した検査装置に
基づいて説明する。予め、この装置に使用するＬＥＤで
形成される照明源におけるルックアップテーブルを準備
し、このルックアップテーブルは、ＲＯＭとして画像処
理装置に入力しておく。そして、検査テーブルに検査対
象物（みかん）を載せて、ＣＣＤカラーカメラ５による
撮像位置に移動させると共に、前記ＬＥＤの彩度、明
度、色相角度をコントロールして白色光を発光照射し
て、ＣＣＤカラーカメラ５により検査対象物を撮像す
る。該撮像した生画像は、カメラユニット５を介して生
画像表示モニタ７に表示され、またカラー画像処理装置
４のメモリ（赤色フレームメモリ、緑色フレームメモ
リ、青色フレームメモリ）に取り込まれる。被検査対象
物が、赤色と青色の２色からなる場合は、この２色の部
分を有する画像である。次に、該メモリに取り込まれた
画像のうち抽出したい色をウィンドにセットする。ここ
で、赤色を抽出したい場合は、前記画像のうちの赤色を
ウィンドにセットする。そして、カラー画像処理装置４
で、該ウィンド内における画像の色データ（彩度、明
度、色相角度）を、色相変換部３ｂで電流値に変換する
ことで計測した後、この変換データをデータ比較部３ｃ
で、ルックアップテーブルの変換基準データと比較し、
前記画像データにおける色を、ルックアップテーブルに
おける対応する変換基準データの電流値として検出す
る。そして、照明コントローラ４ａと照明電源４ｂによ
り、この電流値からそれぞれのＬＥＤの彩度、明度、色
相角度をコントロールしてＬＥＤを点灯させて、前記色
に対応する照明光を得る。

【００２０】そして、図４に示すように、照明源１を構
成するＬＥＤにより、この照明光を検査対象物（みか
ん）に照射すると、該照明光に対応する色部分が強調さ
れる。例えば、対象物を載せるコンベアが青色の場合、
この青色を照射すると、みかんを除くコンベア部分が強
調され、みかん全体の面積を計測することができる。ま
た、照明源１を構成する３種類のＬＥＤにより、オレン
ジ色を照射すると、みかんの果皮の成熟度であるオレン
ジ色が強調されて、みかんの成熟度の面積を計測でき
る。更に、緑色を照射すると、みかんの果皮の未成熟度
である緑色が強調され、その未成熟度の面積を計測でき
る。これにより、総合的にみかんの成熟度を容易に計測
することができる。

【００２１】ここで、この面積の計測は、二値化処理部
３ａで画像処理して計測する。すなわち、画像処理装置
におけるＣＣＤカラーカメラ５からの得られた特定部分
のカラー画像を白黒濃淡にして、その二値化処理部３ａ
で、該画像の特定エリアの不要反射輝度レベルの閾値に
より二値化処理して不要反射二値化画像を得て、該不要
反射二値化画像について膨張化処理を行った後、検出し
ようとする部位における前記特定エリア二値化画像より
該不要反射二値化画像を演算処理して不要反射除去済二
値化画像を得ることで行うことができる。

【００２２】このように、本実施形態の画像処理用カラ
ー照明装置によれば、検査対象物における特定の色を３
種類のＬＥＤにより簡単に得ることができる。従って、
この画像処理用カラー照明装置を用いることで、検査対
象物と背景との色分離が容易に行え、検査対象物を正確
に検出できる。

【００２３】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で
変形実施できる形態を含む。前記照明源としては、ＬＥ
Ｄを用いた場合で説明したが、その他、ネオン管やラン
プ等を用いてもよい。また検査対象物の検査としては、
面積の他、欠陥検査等にも適用できることは当然であ
る。なお、上述した実施形態では、ルックアップテーブ
ル、前記コントロール等を電流値で処理する構成で説明
したが、この電流値の代わりに電圧値で処理等してもよ
く、またこの電気信号（電流、電圧）はパルス信号であ
ってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の画像処理用カラー照明装置
の構成図である。

【図２】本発明の実施形態の外観図である。

【図３】照明源（ＬＥＤ）の平面図である。

【図４】検査対象物の検査フロチャートである。

【図５】ルックアップテーブルの説明図である。

【符号の説明】

１・・・照明源、１ａ，１ｂ，１ｃ・・・ＬＥＤ、２・
・・撮像装置、３・・・画像処理装置、４ａ・・・照明
コントローラ、４ｂ・・・照明電源、５・・・ＣＣＤカ
ラーカメラ、６・・・カメラ作動ユニット、７・・・お
よび生画像表示モニタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｇ０６Ｆ 15/62 ３８０

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被測定物を測定する際に用いる赤色、緑
   色、青色の照明源を備え、該照明源で特定の色を発光さ
   せる画像処理用カラー照明装置であって、該照明源が発
   光する前記各色における彩度と明度と色相角度の関係を
   電流または電圧値で表したルックアップテーブルと、該
   被測定物に白色光を照射して撮像する手段と、該撮像し
   て得た画像の特定エリアにおける色を抽出する手段と、
   該抽出した色の色データの彩度と明度と色相角度を検出
   する手段と、該検出データを前記ルックアップテーブル
   と比較し、対応する電流または電圧値に変換する手段
   と、該変換した電流または電圧値により前記照明源をコ
   ントロールし、前記抽出した色に対応する特定の色を発
   光させる手段を有することを特徴とする画像処理用カラ
   ー照明装置。
2. 【請求項２】 前記照明源が赤色、緑色、青色のＬＥＤ
   である請求項１に記載の画像処理用カラー照明装置。
3. 【請求項３】 前記請求項１または２に記載の画像処理
   用カラー照明装置を用い、前記指定した色に対応する特
   定の色の照明を被測定物に照射して、前記特定エリアに
   おける他の色部分を色分離して、該被測定物を撮像する
   手段を有することを特徴とする被測定物検出装置。