JPH10140058A - 記録液および画像記録方法 - Google Patents
記録液および画像記録方法Info
- Publication number
- JPH10140058A JPH10140058A JP29469796A JP29469796A JPH10140058A JP H10140058 A JPH10140058 A JP H10140058A JP 29469796 A JP29469796 A JP 29469796A JP 29469796 A JP29469796 A JP 29469796A JP H10140058 A JPH10140058 A JP H10140058A
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- JP
- Japan
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- recording liquid
- recording
- image
- paper
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- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 インクジェットプリンターのヘッドの目詰ま
りを防止し、吐出安定性に優れ、特別な専用紙を用いる
ことなく記録が可能であり、しかも、記録紙上での浸透
や滲みがなく、極めて高い画像濃度を有する画像を得る
ことが可能な記録液及びそれを用いる画像形成方法を提
供する。 【解決手段】 本発明の記録液は、水、着色剤、自己架
橋型樹脂微粒子およびエマルジョン状の油性物質を含有
することを特徴とする。この記録液は、記録液液滴をヘ
ッドから吐出させて記録体上に記録を行う画像記録方法
において使用される。記録体としては、普通紙が使用可
能である。
りを防止し、吐出安定性に優れ、特別な専用紙を用いる
ことなく記録が可能であり、しかも、記録紙上での浸透
や滲みがなく、極めて高い画像濃度を有する画像を得る
ことが可能な記録液及びそれを用いる画像形成方法を提
供する。 【解決手段】 本発明の記録液は、水、着色剤、自己架
橋型樹脂微粒子およびエマルジョン状の油性物質を含有
することを特徴とする。この記録液は、記録液液滴をヘ
ッドから吐出させて記録体上に記録を行う画像記録方法
において使用される。記録体としては、普通紙が使用可
能である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録液および画像
記録方法に関する。さらに詳細には、水、着色剤及び樹
脂微粒子を含有する記録液およびそれを使用する画像記
録方法に関する。
記録方法に関する。さらに詳細には、水、着色剤及び樹
脂微粒子を含有する記録液およびそれを使用する画像記
録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューター等の情報機器の出力装置
に関して、ランニングコストが安くカラー化が容易な方
式として、記録液の液滴をヘッドから吐出させて記録体
上に記録を行うインクジェット方式が注目されている。
この方式においてインクジェットプリンター用の記録液
としては、水と染料を主成分とする染料水溶液が使用さ
れてきたが、記録液が記録紙内部に浸透するため画像濃
度が低く、また、記録紙繊維への毛細管現象により印字
ドットが滲むため、画質が低いという問題があった。こ
のため、高濃度・高画質を得るためには、記録液に対し
て最適化されたコート紙等の専用紙を必要とするのが現
状である。また、記録された画像の耐水性・耐光性が低
いため、水により画像が滲んだり、太陽光等の光の照射
により画像が退色するという問題があった。
に関して、ランニングコストが安くカラー化が容易な方
式として、記録液の液滴をヘッドから吐出させて記録体
上に記録を行うインクジェット方式が注目されている。
この方式においてインクジェットプリンター用の記録液
としては、水と染料を主成分とする染料水溶液が使用さ
れてきたが、記録液が記録紙内部に浸透するため画像濃
度が低く、また、記録紙繊維への毛細管現象により印字
ドットが滲むため、画質が低いという問題があった。こ
のため、高濃度・高画質を得るためには、記録液に対し
て最適化されたコート紙等の専用紙を必要とするのが現
状である。また、記録された画像の耐水性・耐光性が低
いため、水により画像が滲んだり、太陽光等の光の照射
により画像が退色するという問題があった。
【0003】染料水溶液のこれらの問題を解決するため
に、樹脂微粒子を記録液に添加する技術が提案されてい
る。すなわち、樹脂微粒子としてラテックスの添加が特
公昭60−32663号公報に、カルボキシル基とノニ
オン親水性基を有する水分散性樹脂の添加が特開平5−
239392号公報に、非架橋構造のビニル系高分子の
添加が特開平5−255628号公報に、イオン性基を
有するポリエステル粒子の添加が特開平6−34083
5号公報に、および染色した樹脂微粒子の添加が特開平
5−255567号公報に開示されている。またポリエ
ステル等の樹脂微粒子と架橋剤とを別に配合し、記録体
上で樹脂を架橋させる技術が特公平7−47355号公
報に開示されている。
に、樹脂微粒子を記録液に添加する技術が提案されてい
る。すなわち、樹脂微粒子としてラテックスの添加が特
公昭60−32663号公報に、カルボキシル基とノニ
オン親水性基を有する水分散性樹脂の添加が特開平5−
239392号公報に、非架橋構造のビニル系高分子の
添加が特開平5−255628号公報に、イオン性基を
有するポリエステル粒子の添加が特開平6−34083
5号公報に、および染色した樹脂微粒子の添加が特開平
5−255567号公報に開示されている。またポリエ
ステル等の樹脂微粒子と架橋剤とを別に配合し、記録体
上で樹脂を架橋させる技術が特公平7−47355号公
報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特公昭60−32663号公報、特開平5−23939
2号公報、特開平5−255628号公報、特開平6−
340835号公報、特開平5−255567号公報お
よび特公平7−47355号公報に開示されている記録
液では、記録ヘッドの吐出口部分において、空気との接
触による水分の蒸発に伴い、樹脂微粒子の造膜作用が開
始されるため目詰まりが発生し、記録液を安定して吐出
することは不可能であった。したがって、実用上記録液
中の樹脂微粒子濃度を高めることが難しく、画像形成に
寄与する樹脂固形分含有量が不十分となるため、記録紙
内部への浸透を完全に防ぐことができず、高画像濃度化
に限界があった。また、記録紙繊維への毛細管現象によ
る滲みも完全に防ぐことはできず、高画質画像を得るこ
とは不可能であった。すなわち、従来開示されている上
記記録液では、高画像濃度化および高画質化の達成と吐
出口での目詰まり回避の両立は不可能であった。
特公昭60−32663号公報、特開平5−23939
2号公報、特開平5−255628号公報、特開平6−
340835号公報、特開平5−255567号公報お
よび特公平7−47355号公報に開示されている記録
液では、記録ヘッドの吐出口部分において、空気との接
触による水分の蒸発に伴い、樹脂微粒子の造膜作用が開
始されるため目詰まりが発生し、記録液を安定して吐出
することは不可能であった。したがって、実用上記録液
中の樹脂微粒子濃度を高めることが難しく、画像形成に
寄与する樹脂固形分含有量が不十分となるため、記録紙
内部への浸透を完全に防ぐことができず、高画像濃度化
に限界があった。また、記録紙繊維への毛細管現象によ
る滲みも完全に防ぐことはできず、高画質画像を得るこ
とは不可能であった。すなわち、従来開示されている上
記記録液では、高画像濃度化および高画質化の達成と吐
出口での目詰まり回避の両立は不可能であった。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の目的は、特別な専用紙を用い
ることなく、記録紙上での浸透やにじみを無くし、極め
て高い画像濃度の高画質画像を得ることが可能であり、
かつ目詰まりのない吐出安定性に優れたインクジェット
記録用の記録液を提供することにある。さらに本発明の
他の目的は、この記録液を用いる画像記録方法を提供す
ることにある。
れたものであり、本発明の目的は、特別な専用紙を用い
ることなく、記録紙上での浸透やにじみを無くし、極め
て高い画像濃度の高画質画像を得ることが可能であり、
かつ目詰まりのない吐出安定性に優れたインクジェット
記録用の記録液を提供することにある。さらに本発明の
他の目的は、この記録液を用いる画像記録方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
とが可能な本発明の記録液、すなわち記録液は、水、着
色剤、自己架橋性の樹脂微粒子およびエマルジョン状の
油性物質を含有することを特徴とする。本発明の画像記
録方法は、記録液液滴をヘッドから吐出させて記録体上
に記録を行うものであって、上記の記録液を用いること
を特徴とする。この画像記録方法において、記録体とし
て普通紙を用いることが可能である。
とが可能な本発明の記録液、すなわち記録液は、水、着
色剤、自己架橋性の樹脂微粒子およびエマルジョン状の
油性物質を含有することを特徴とする。本発明の画像記
録方法は、記録液液滴をヘッドから吐出させて記録体上
に記録を行うものであって、上記の記録液を用いること
を特徴とする。この画像記録方法において、記録体とし
て普通紙を用いることが可能である。
【0007】本発明によれば、記録液中の樹脂微粒子が
自己架橋型であり、記録液中に油性物質をエマルジョン
状態で含ませることにより、高画像濃度の達成と記録ヘ
ッド吐出口での目詰まり回避の両立が可能になる。その
結果、高濃度・高画質画像を得ることができ、かつ目詰
まりのない吐出安定に優れたインクジェットプリンター
用の記録液を得ることが可能になる。
自己架橋型であり、記録液中に油性物質をエマルジョン
状態で含ませることにより、高画像濃度の達成と記録ヘ
ッド吐出口での目詰まり回避の両立が可能になる。その
結果、高濃度・高画質画像を得ることができ、かつ目詰
まりのない吐出安定に優れたインクジェットプリンター
用の記録液を得ることが可能になる。
【0008】上記のように優れた記録液特性を得るに
は、次に述べる構成要素個々の作用が不可欠である。構
成要素の一つである自己架橋性の樹脂微粒子は、記録画
像の定着に寄与する。すなわち、記録ヘッドから飛翔し
た記録液の液滴が記録紙に付着した直後から、記録液中
の水分の蒸発と紙への浸透に伴い、自己架橋性樹脂微粒
子の架橋反応が高速で進行し、着色剤を樹脂の中に閉じ
込めた強固な画像膜が急速に形成される。
は、次に述べる構成要素個々の作用が不可欠である。構
成要素の一つである自己架橋性の樹脂微粒子は、記録画
像の定着に寄与する。すなわち、記録ヘッドから飛翔し
た記録液の液滴が記録紙に付着した直後から、記録液中
の水分の蒸発と紙への浸透に伴い、自己架橋性樹脂微粒
子の架橋反応が高速で進行し、着色剤を樹脂の中に閉じ
込めた強固な画像膜が急速に形成される。
【0009】他の構成要素であるエマルジョン状態の油
性物質の第一の作用は、記録画像の高濃度化への寄与で
ある。目詰まり回避のため樹脂微粒子の濃度を減少させ
ると記録紙上での造膜速度が低下するため、膜形成以前
に着色剤が紙内部に浸透してしまう。本発明の記録液で
は、エマルジョン状態の油性物質が着色剤および樹脂微
粒子の紙への浸透を防止し、記録紙表面での画像形成を
可能にする。したがって、樹脂微粒子の濃度が低い場合
においても高画像濃度が実現できるために、樹脂微粒子
の使用量を大幅におさえることが可能となる。さらに、
水相中に着色剤を存在させないで、エマルジョン状態の
油性物質を顔料および/または染料により着色させた場
合には、水相中に着色剤が存在しないために記録紙表面
に顔料をトラップさせる能力が増し、さらに記録画像中
における着色剤の分散状態も向上する。エマルジョン状
態の油性物質の第二の作用は、目詰まり改善効果であ
る。記録液中にエマルジョン状態の油性物質が存在する
ことにより、樹脂微粒子同士の接近および衝突の確率が
減少する。したがって、記録液中での樹脂微粒子の接近
から、衝突、融着、そして膜化(造膜)に至るまでの目
詰まり要因の発生が阻害されるものと推測される。
性物質の第一の作用は、記録画像の高濃度化への寄与で
ある。目詰まり回避のため樹脂微粒子の濃度を減少させ
ると記録紙上での造膜速度が低下するため、膜形成以前
に着色剤が紙内部に浸透してしまう。本発明の記録液で
は、エマルジョン状態の油性物質が着色剤および樹脂微
粒子の紙への浸透を防止し、記録紙表面での画像形成を
可能にする。したがって、樹脂微粒子の濃度が低い場合
においても高画像濃度が実現できるために、樹脂微粒子
の使用量を大幅におさえることが可能となる。さらに、
水相中に着色剤を存在させないで、エマルジョン状態の
油性物質を顔料および/または染料により着色させた場
合には、水相中に着色剤が存在しないために記録紙表面
に顔料をトラップさせる能力が増し、さらに記録画像中
における着色剤の分散状態も向上する。エマルジョン状
態の油性物質の第二の作用は、目詰まり改善効果であ
る。記録液中にエマルジョン状態の油性物質が存在する
ことにより、樹脂微粒子同士の接近および衝突の確率が
減少する。したがって、記録液中での樹脂微粒子の接近
から、衝突、融着、そして膜化(造膜)に至るまでの目
詰まり要因の発生が阻害されるものと推測される。
【0010】さらに、構成要素の一つである着色剤は、
その種類を問わないが、顔料を使用するのが好ましい。
顔料は吸収した光エネルギーを結晶格子振動で緩和でき
るために、耐光性に優れ、本発明において自己架橋性樹
脂の強固な膜中に取り込まれることにより、優れた耐水
性も実現することが可能である。
その種類を問わないが、顔料を使用するのが好ましい。
顔料は吸収した光エネルギーを結晶格子振動で緩和でき
るために、耐光性に優れ、本発明において自己架橋性樹
脂の強固な膜中に取り込まれることにより、優れた耐水
性も実現することが可能である。
【0011】以上の作用をまとめて、本発明の記録液の
画像形成メカニズムを説明する。本発明の記録液が液滴
となって記録体である記録紙上に着弾すると、記録液中
の水分が紙に浸透する。ここで、エマルジョン状態の油
性物質が記録紙繊維上でのバリアとなり、顔料および自
己架橋性の樹脂微粒子を記録紙表面にトラップさせる。
トラップされた自己架橋性の樹脂微粒子は、周囲の水分
減少とともに融着を開始し、架橋反応に伴い着色剤を取
り込んだ強固な画像膜を記録紙表面に形成する。したが
って、高濃度で耐光性・耐水性に優れた画像記録が形成
可能となる。また、エマルジョン状態の油性物質の目詰
まり改善作用に加えて、そのバリア効果により樹脂微粒
子の使用量を大幅に低減させることが可能であるため、
目詰まりがなく、吐出安定性に優れた記録液となる。エ
マルジョン状態の油性物質が着色剤によって着色されて
いる場合には、着色剤のトラップ効果と画像膜中での着
色剤の分散状態が向上するため、本発明の記録液の画像
形成メカニズムをより有効に発揮させることが可能とな
る。また、本発明の記録液は、記録紙表面に特殊加工の
ない普通紙においても、上記性能を発揮するため、記録
紙の種類を問わず、高濃度で耐光性・耐水性に優れた画
像記録が形成可能となる。
画像形成メカニズムを説明する。本発明の記録液が液滴
となって記録体である記録紙上に着弾すると、記録液中
の水分が紙に浸透する。ここで、エマルジョン状態の油
性物質が記録紙繊維上でのバリアとなり、顔料および自
己架橋性の樹脂微粒子を記録紙表面にトラップさせる。
トラップされた自己架橋性の樹脂微粒子は、周囲の水分
減少とともに融着を開始し、架橋反応に伴い着色剤を取
り込んだ強固な画像膜を記録紙表面に形成する。したが
って、高濃度で耐光性・耐水性に優れた画像記録が形成
可能となる。また、エマルジョン状態の油性物質の目詰
まり改善作用に加えて、そのバリア効果により樹脂微粒
子の使用量を大幅に低減させることが可能であるため、
目詰まりがなく、吐出安定性に優れた記録液となる。エ
マルジョン状態の油性物質が着色剤によって着色されて
いる場合には、着色剤のトラップ効果と画像膜中での着
色剤の分散状態が向上するため、本発明の記録液の画像
形成メカニズムをより有効に発揮させることが可能とな
る。また、本発明の記録液は、記録紙表面に特殊加工の
ない普通紙においても、上記性能を発揮するため、記録
紙の種類を問わず、高濃度で耐光性・耐水性に優れた画
像記録が形成可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明において、自己架橋性の樹脂
とは、架橋剤の作用ではなく樹脂の主鎖および/または
側鎖に組み込まれた官能基の反応性により架橋する樹脂
をいう。このような自己架橋性の樹脂微粒子の例とし
て、アクリルシリコーン系樹脂微粒子、アクリルアミド
系樹脂微粒子などを用いることができる。特にアクリル
シリコーン系樹脂微粒子のうちでも、アルコキシシリル
基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子は、高速造膜性
に最も優れているため、急速画像形成に最適である。す
なわち、記録紙上に記録液が付着した直後から、水が蒸
発あるいは記録紙内部に浸透し、これに伴なってアクリ
ルシリコーン樹脂微粒子の融着が生ずる。これにより粒
子に含まれるアルコキシシリル基は、残存する水の作用
を受けて極めて速く縮合し、着色剤を閉じ込めた強固な
シロキサン架橋膜を形成する。これにより高速造膜性が
発揮される。
て詳細に説明する。本発明において、自己架橋性の樹脂
とは、架橋剤の作用ではなく樹脂の主鎖および/または
側鎖に組み込まれた官能基の反応性により架橋する樹脂
をいう。このような自己架橋性の樹脂微粒子の例とし
て、アクリルシリコーン系樹脂微粒子、アクリルアミド
系樹脂微粒子などを用いることができる。特にアクリル
シリコーン系樹脂微粒子のうちでも、アルコキシシリル
基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子は、高速造膜性
に最も優れているため、急速画像形成に最適である。す
なわち、記録紙上に記録液が付着した直後から、水が蒸
発あるいは記録紙内部に浸透し、これに伴なってアクリ
ルシリコーン樹脂微粒子の融着が生ずる。これにより粒
子に含まれるアルコキシシリル基は、残存する水の作用
を受けて極めて速く縮合し、着色剤を閉じ込めた強固な
シロキサン架橋膜を形成する。これにより高速造膜性が
発揮される。
【0013】アクリルシリコーン樹脂微粒子は、代表的
には、アクリルビニル系モノマーに常法によってアルコ
キシシリル基を導入し、そのモノマーを乳化重合するこ
とによって調製される。アルコキシシリル基を有する自
己架橋性のアクリルシリコーン樹脂微粒子におけるアル
コキシシリル基は、炭素数1個〜3個のアルキル、特に
炭素数1個〜2個のアルキルを有するアルコキシシリル
基であることが好ましい。アクリルビニル系モノマーと
しては、例えばスチレン、ビニルトルエン、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸、アクリル
酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
メタクリル酸グリシジル等を例示することができる。こ
れらのモノマーは単独、あるいは複数を併用することが
できる。
には、アクリルビニル系モノマーに常法によってアルコ
キシシリル基を導入し、そのモノマーを乳化重合するこ
とによって調製される。アルコキシシリル基を有する自
己架橋性のアクリルシリコーン樹脂微粒子におけるアル
コキシシリル基は、炭素数1個〜3個のアルキル、特に
炭素数1個〜2個のアルキルを有するアルコキシシリル
基であることが好ましい。アクリルビニル系モノマーと
しては、例えばスチレン、ビニルトルエン、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸、アクリル
酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
メタクリル酸グリシジル等を例示することができる。こ
れらのモノマーは単独、あるいは複数を併用することが
できる。
【0014】本発明に用いる自己架橋性の樹脂微粒子
は、平均粒子径が0.01μmないし5μmであること
が好ましいが、0.05μmないし3μmであることが
より好ましい。自己架橋性の樹脂微粒子の平均粒子径が
0.05μm未満の場合には、造膜性が悪く、また5μ
mを超えると画像濃度が低下する。さらに、自己架橋性
の樹脂微粒子の合計含有量(樹脂微粒子固形分の合計含
有量)は、記録液の全量に対して5〜70wt%である
ことが好ましく、10〜50wt%の範囲であることが
より好ましく、10〜30wt%の範囲であることがさ
らに好ましい。含有量が5wt%未満になると画像の定
着性が悪くなり、また70wt%を超えると目詰まりに
よる吐出安定性の低下が問題となる。
は、平均粒子径が0.01μmないし5μmであること
が好ましいが、0.05μmないし3μmであることが
より好ましい。自己架橋性の樹脂微粒子の平均粒子径が
0.05μm未満の場合には、造膜性が悪く、また5μ
mを超えると画像濃度が低下する。さらに、自己架橋性
の樹脂微粒子の合計含有量(樹脂微粒子固形分の合計含
有量)は、記録液の全量に対して5〜70wt%である
ことが好ましく、10〜50wt%の範囲であることが
より好ましく、10〜30wt%の範囲であることがさ
らに好ましい。含有量が5wt%未満になると画像の定
着性が悪くなり、また70wt%を超えると目詰まりに
よる吐出安定性の低下が問題となる。
【0015】本発明の記録液の第一の実施形態は、記録
液中にエマルジョン状態の油性物質、着色剤、自己架橋
型の樹脂微粒子が独立して存在する記録液である。
液中にエマルジョン状態の油性物質、着色剤、自己架橋
型の樹脂微粒子が独立して存在する記録液である。
【0016】本発明において使用できる油性物質として
は、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、大豆油、トール
油、綿実油、ヤシ油、アマニ油などの油類、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸類、フ
タル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、酪酸オクチル、
カプロン酸プロピル、カプロン酸ヘキシル、カプリル酸
エチル、オレイン酸メチルなどの脂肪酸エステル、オク
タノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチ
ルアルコールなどの高級アルコール類、テトラリン、デ
カリン、ケロシン、流動パラフィンなどの炭化水素類、
ジメチルシリコーンオイル、メチルシリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイ
ル類などがあげられる。
は、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、大豆油、トール
油、綿実油、ヤシ油、アマニ油などの油類、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸類、フ
タル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、酪酸オクチル、
カプロン酸プロピル、カプロン酸ヘキシル、カプリル酸
エチル、オレイン酸メチルなどの脂肪酸エステル、オク
タノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチ
ルアルコールなどの高級アルコール類、テトラリン、デ
カリン、ケロシン、流動パラフィンなどの炭化水素類、
ジメチルシリコーンオイル、メチルシリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイ
ル類などがあげられる。
【0017】また、上記油性物質を分散させるために
は、公知の各種界面活性剤を使用することができる。例
えば、アニオン界面活性剤としては、脂肪酸石ケン、高
級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどが、
カチオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、第4ア
ンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩など
が、ノニオン界面活性剤としては、ポリエチレングリコ
ールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールフェニ
ルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルな
どが、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、
アミノカルボン酸塩、レシチンなどがあげられるが、こ
れらに限定されるものではない。
は、公知の各種界面活性剤を使用することができる。例
えば、アニオン界面活性剤としては、脂肪酸石ケン、高
級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどが、
カチオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、第4ア
ンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩など
が、ノニオン界面活性剤としては、ポリエチレングリコ
ールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールフェニ
ルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルな
どが、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、
アミノカルボン酸塩、レシチンなどがあげられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0018】本発明の上記実施形態のものに用いる油性
物質のエマルジョン粒子の平均粒子径は、0.01μm
ないし5μmの範囲にあることが好ましいが、0.1μ
mないし3μmであることがより好ましい。油性物質の
エマルジョン粒子の平均粒子径が0.01μm未満の場
合には、自己架橋性の樹脂微粒子および着色剤粒子のト
ラップ効果が低下し、また5μmを超えると、画像表面
性の悪化から画像濃度が低下する。さらに、油性物質の
合計含有量は、記録液の全量に対して0.1〜70wt
%であることが好ましく、10〜40wt%の範囲であ
ることがより好ましい。含有量が0.1wt%未満にな
ると樹脂微粒子および着色剤粒子のトラップ効果が低下
し、また70wt%を超えると画像の定着性に問題が生
じる。
物質のエマルジョン粒子の平均粒子径は、0.01μm
ないし5μmの範囲にあることが好ましいが、0.1μ
mないし3μmであることがより好ましい。油性物質の
エマルジョン粒子の平均粒子径が0.01μm未満の場
合には、自己架橋性の樹脂微粒子および着色剤粒子のト
ラップ効果が低下し、また5μmを超えると、画像表面
性の悪化から画像濃度が低下する。さらに、油性物質の
合計含有量は、記録液の全量に対して0.1〜70wt
%であることが好ましく、10〜40wt%の範囲であ
ることがより好ましい。含有量が0.1wt%未満にな
ると樹脂微粒子および着色剤粒子のトラップ効果が低下
し、また70wt%を超えると画像の定着性に問題が生
じる。
【0019】本発明におけるエマルジョン状態の油性物
質は、任意のエマルジョン作製方法により作製可能であ
る。一般的には、油性物質および界面活性剤を水相中に
添加し、ホモジナイザ等の適当な機械的手段により分散
させてエマルジョン状態の分散液を得ることができる。
また、エマルジョンの安定性向上、着色剤に対する樹脂
バインダ量増加に対して、油性物質の分散液中に樹脂を
溶解させることが効果的である。使用可能な樹脂として
は、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ア
クリル樹脂、ロジンエステル樹脂、ロジン変性マレイン
酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ハロゲン化ポリオ
レフィン樹脂などがあげられるが、これらに限定される
ものではない。
質は、任意のエマルジョン作製方法により作製可能であ
る。一般的には、油性物質および界面活性剤を水相中に
添加し、ホモジナイザ等の適当な機械的手段により分散
させてエマルジョン状態の分散液を得ることができる。
また、エマルジョンの安定性向上、着色剤に対する樹脂
バインダ量増加に対して、油性物質の分散液中に樹脂を
溶解させることが効果的である。使用可能な樹脂として
は、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ア
クリル樹脂、ロジンエステル樹脂、ロジン変性マレイン
酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ハロゲン化ポリオ
レフィン樹脂などがあげられるが、これらに限定される
ものではない。
【0020】本発明の上記実施形態における着色剤とし
ては、主溶媒である水との親和性がよいもの、均一分散
性が良好なものであれば種類を問わず使用できるが、耐
光性および耐水性の点から、顔料を使用するのがより好
ましい。
ては、主溶媒である水との親和性がよいもの、均一分散
性が良好なものであれば種類を問わず使用できるが、耐
光性および耐水性の点から、顔料を使用するのがより好
ましい。
【0021】本発明の上記実施形態のものに用いること
のできる顔料としては、有機顔料、無機顔料等があげら
れ、例えば、白黒用としては、ファーネスブラック、チ
ャンネルブラックなどのカーボンブラック(C.I.ピ
グメントブラック7)類、アニリンブラック(C.I.
ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。更
にカラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、
3、12、13、14、17、24、34、35、3
7、42、53、55、81、83、95、97、9
8、100、101、104、108、109、11
0、117、120、138および153、C.I.ピ
グメントバイオレット1、3、5:1、16、19、2
3および38、C.I.ピグメントブルー1、2、1
5、15:1、15:2、15:3、15:4、15:
6および16等の顔料があげられる。記録液全量に対す
る顔料の添加量は、1〜50wt%の範囲が好ましい
が、特に1.5〜40wt%の範囲が好ましい。
のできる顔料としては、有機顔料、無機顔料等があげら
れ、例えば、白黒用としては、ファーネスブラック、チ
ャンネルブラックなどのカーボンブラック(C.I.ピ
グメントブラック7)類、アニリンブラック(C.I.
ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。更
にカラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、
3、12、13、14、17、24、34、35、3
7、42、53、55、81、83、95、97、9
8、100、101、104、108、109、11
0、117、120、138および153、C.I.ピ
グメントバイオレット1、3、5:1、16、19、2
3および38、C.I.ピグメントブルー1、2、1
5、15:1、15:2、15:3、15:4、15:
6および16等の顔料があげられる。記録液全量に対す
る顔料の添加量は、1〜50wt%の範囲が好ましい
が、特に1.5〜40wt%の範囲が好ましい。
【0022】また、本発明の上記実施形態のものに用い
ることのできる水溶性染料としては、直接染料、酸性染
料等があげられ、例えば、C.I.ダイレクトブラック
9、17、19、22、32、51、56、62、6
9、77、80、91、94、97、108、112、
113、114、117、118、121、122、1
25、132、146、154、166、168、17
3および199、C.I.ダイレクトバイオレット7、
9、47、48、51、66、90、93、94、9
5、98、100および101、C.I.ダイレクトイ
エロー8、9、11、12、27、28、29、33、
35、39、41、44、50、53、58、59、6
8、86、87、93、95、96、98、100、1
06、108、109、110、130、132、14
4、161および163、C.I.ダイレクトブルー
1、10、15、22、25、55、67、68、7
1、76、77、78、80、84、86、87、9
0、98、106、201、202、244、251お
よび280、C.I.アシッドブラック7、24、29
および48、C.I.アシッドバイオレット5、34、
43、47、48、90および103、C.I.アシッ
ドイエロー17、19、23、25、39、40、4
4、49、50、61、110、174および218、
C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、
72、76、80、106、112、120、205、
230、271および280等が用いられるが、これら
に限定されるものではない。これらの染料の添加量は、
染料の種類、溶媒成分の種類、記録液に対して要求され
ている特性等に依存して決定されるが、一般には、記録
液全量に対して0.2〜40wt%の範囲、特に0.5
〜30wt%の範囲が好ましい。
ることのできる水溶性染料としては、直接染料、酸性染
料等があげられ、例えば、C.I.ダイレクトブラック
9、17、19、22、32、51、56、62、6
9、77、80、91、94、97、108、112、
113、114、117、118、121、122、1
25、132、146、154、166、168、17
3および199、C.I.ダイレクトバイオレット7、
9、47、48、51、66、90、93、94、9
5、98、100および101、C.I.ダイレクトイ
エロー8、9、11、12、27、28、29、33、
35、39、41、44、50、53、58、59、6
8、86、87、93、95、96、98、100、1
06、108、109、110、130、132、14
4、161および163、C.I.ダイレクトブルー
1、10、15、22、25、55、67、68、7
1、76、77、78、80、84、86、87、9
0、98、106、201、202、244、251お
よび280、C.I.アシッドブラック7、24、29
および48、C.I.アシッドバイオレット5、34、
43、47、48、90および103、C.I.アシッ
ドイエロー17、19、23、25、39、40、4
4、49、50、61、110、174および218、
C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、
72、76、80、106、112、120、205、
230、271および280等が用いられるが、これら
に限定されるものではない。これらの染料の添加量は、
染料の種類、溶媒成分の種類、記録液に対して要求され
ている特性等に依存して決定されるが、一般には、記録
液全量に対して0.2〜40wt%の範囲、特に0.5
〜30wt%の範囲が好ましい。
【0023】本発明の記録液の第二の実施形態は、エマ
ルジョン状態の油性物質が顔料により着色されている記
録液である。この実施形態の場合には、上記例示したよ
うな顔料を油性物質中に分散させて使用することができ
るほかに、アントラキノン系染料やトリアリルメタン系
染料などの油溶性染料を油性物質中に溶解して使用する
ことが可能である。また、着色油性物質のエマルジョン
の安定性向上、着色剤に対する樹脂バインダ量増加を目
的として、上記例示したような油溶性樹脂をエマルジョ
ン中に溶解させることも効果的である。このように、顔
料および/または染料で着色された油性物質を、適当な
界面活性剤を使用して水相中に分散させる。この場合、
形成画像の定着性向上を目的として、例えばアミノ酸系
油ゲル化剤GP−1(味の素製)などを着色油性物質中
に溶解させ、溶解温度以上で分散させた後に室温まで冷
却することにより、着色油性物質のエマルジョンをゲル
化させることも可能である。これらの方法で得られた着
色油性物質のエマルジョンを自己架橋性の樹脂微粒子水
分散液と混合することにより、本発明の上記の実施形態
の記録液を得ることができる。
ルジョン状態の油性物質が顔料により着色されている記
録液である。この実施形態の場合には、上記例示したよ
うな顔料を油性物質中に分散させて使用することができ
るほかに、アントラキノン系染料やトリアリルメタン系
染料などの油溶性染料を油性物質中に溶解して使用する
ことが可能である。また、着色油性物質のエマルジョン
の安定性向上、着色剤に対する樹脂バインダ量増加を目
的として、上記例示したような油溶性樹脂をエマルジョ
ン中に溶解させることも効果的である。このように、顔
料および/または染料で着色された油性物質を、適当な
界面活性剤を使用して水相中に分散させる。この場合、
形成画像の定着性向上を目的として、例えばアミノ酸系
油ゲル化剤GP−1(味の素製)などを着色油性物質中
に溶解させ、溶解温度以上で分散させた後に室温まで冷
却することにより、着色油性物質のエマルジョンをゲル
化させることも可能である。これらの方法で得られた着
色油性物質のエマルジョンを自己架橋性の樹脂微粒子水
分散液と混合することにより、本発明の上記の実施形態
の記録液を得ることができる。
【0024】上記の実施形態のものに用いる着色油性物
質は、エマルジョン粒子の平均粒子径が0.01μmな
いし5μmの範囲にあることが好ましいが、0.1μm
ないし3μmであることがより好ましい。着色油性物質
のエマルジョン粒子の平均粒子径が0.01μm未満の
場合には、自己架橋性の樹脂微粒子のトラップ効果が低
下し、また5μmを超えると画像表面性の悪化から画像
濃度が低下する。
質は、エマルジョン粒子の平均粒子径が0.01μmな
いし5μmの範囲にあることが好ましいが、0.1μm
ないし3μmであることがより好ましい。着色油性物質
のエマルジョン粒子の平均粒子径が0.01μm未満の
場合には、自己架橋性の樹脂微粒子のトラップ効果が低
下し、また5μmを超えると画像表面性の悪化から画像
濃度が低下する。
【0025】さらに、本発明の上記第一および第二の実
施形態の記録液には、必要に応じて、リン酸二水素カリ
ウム、リン酸二水素ナトリウム等のpH調節剤、防カ
ビ、防腐、防錆等の目的で、安息香酸、ジクロフェン、
ヘキサクロロフェン、ソルビタン酸等を添加することが
できる。さらに必要に応じて、エチレングリコール、グ
リセリンなどの各種一般添加剤を加えてもよい。
施形態の記録液には、必要に応じて、リン酸二水素カリ
ウム、リン酸二水素ナトリウム等のpH調節剤、防カ
ビ、防腐、防錆等の目的で、安息香酸、ジクロフェン、
ヘキサクロロフェン、ソルビタン酸等を添加することが
できる。さらに必要に応じて、エチレングリコール、グ
リセリンなどの各種一般添加剤を加えてもよい。
【0026】記録液の製造は、以下の手順で行うことが
できるが、それに限定されるものではない。本発明の上
記第1の実施形態の場合には、着色剤と必要に応じて分
散剤とを純水中に添加してボールミル等で分散し、着色
剤粒子が単分散状態になったことを確認した後、上述し
た方法により作製した自己架橋性の樹脂微粒子分散液お
よび油性物質粒子分散液を加え、撹拌して均一に混合さ
せる。その後、防腐剤等の添加物を加え、完全溶解を確
認した後、孔径10μmのメンブランフィルターにてろ
過して、ゴミおよび粗大粒子を除去し、記録液を得るこ
とができる。本発明の上記第2の実施形態の場合には、
上述した方法により作製した樹脂微粒子分散液および着
色油性物質粒子分散液を所望の比率で配合し、撹拌して
均一に混合させる。その後、防腐剤等の添加物を加え完
全溶解を確認した後、孔径10μmのメンブランフィル
ターにてろ過して、ゴミおよび粗大粒子を除去し、記録
液を得ることができる。
できるが、それに限定されるものではない。本発明の上
記第1の実施形態の場合には、着色剤と必要に応じて分
散剤とを純水中に添加してボールミル等で分散し、着色
剤粒子が単分散状態になったことを確認した後、上述し
た方法により作製した自己架橋性の樹脂微粒子分散液お
よび油性物質粒子分散液を加え、撹拌して均一に混合さ
せる。その後、防腐剤等の添加物を加え、完全溶解を確
認した後、孔径10μmのメンブランフィルターにてろ
過して、ゴミおよび粗大粒子を除去し、記録液を得るこ
とができる。本発明の上記第2の実施形態の場合には、
上述した方法により作製した樹脂微粒子分散液および着
色油性物質粒子分散液を所望の比率で配合し、撹拌して
均一に混合させる。その後、防腐剤等の添加物を加え完
全溶解を確認した後、孔径10μmのメンブランフィル
ターにてろ過して、ゴミおよび粗大粒子を除去し、記録
液を得ることができる。
【0027】本発明の記録液は、着色剤を水相側および
油性物質側の両方に存在させるなど、本発明のメカニズ
ムを逸脱しないかぎり変更可能である。また、記録液の
液滴をヘッドから吐出させて紙などの記録体上に記録を
行なう画像記録方法に使用することができるほか、筆記
具、印刷、スタンプ用インクとして用いることもでき
る。
油性物質側の両方に存在させるなど、本発明のメカニズ
ムを逸脱しないかぎり変更可能である。また、記録液の
液滴をヘッドから吐出させて紙などの記録体上に記録を
行なう画像記録方法に使用することができるほか、筆記
具、印刷、スタンプ用インクとして用いることもでき
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。 実施例1 この実施例における油性物質のエマルジョンは、フタル
酸ジブチル(DBP)95重量部に、ジオクチルスルホ
コハク酸ナトリウム5重量部を加熱溶解し、純水100
重量部に加えて、ホモジナイザにより乳化して得た。分
散されたDBP粒子をレーザー回折式粒度分布測定装置
(SALD−2000A、島津製作所製)で解析したと
ころ、平均粒径1.3μm、標準偏差0.16μmであ
った。続いて、得られたDBPエマルジョンと、自己架
橋性の樹脂微粒子として水に分散させた加水分解性メト
キシシリル基を有するアクリルシリコーン樹脂微粒子
と、着色剤として銅フタロシアニン系顔料(ピグメント
ブルー15:3)水性分散物とを下記の配合で混合して
記録液を作製した。
る。 実施例1 この実施例における油性物質のエマルジョンは、フタル
酸ジブチル(DBP)95重量部に、ジオクチルスルホ
コハク酸ナトリウム5重量部を加熱溶解し、純水100
重量部に加えて、ホモジナイザにより乳化して得た。分
散されたDBP粒子をレーザー回折式粒度分布測定装置
(SALD−2000A、島津製作所製)で解析したと
ころ、平均粒径1.3μm、標準偏差0.16μmであ
った。続いて、得られたDBPエマルジョンと、自己架
橋性の樹脂微粒子として水に分散させた加水分解性メト
キシシリル基を有するアクリルシリコーン樹脂微粒子
と、着色剤として銅フタロシアニン系顔料(ピグメント
ブルー15:3)水性分散物とを下記の配合で混合して
記録液を作製した。
【0029】 DBPエマルジョン(平均粒径1.3μm) 35重量部 アクリルシリコーン樹脂微粒子分散液 (三洋化成工業製SW−135、固形分=35wt%) 35重量部 銅フタロシアニン系顔料(ピグメントブルー15:3)水性分散物 (大日精化工業製EP−700、固形分=34.7wt%) 30重量部 DBP濃度=DBP重量÷記録液総重量×100=1
6.6wt% アクリルシリコーン樹脂固形分濃度=アクリルシリコー
ン樹脂固形分÷記録液総重量×100=12.3wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=10.4wt%
6.6wt% アクリルシリコーン樹脂固形分濃度=アクリルシリコー
ン樹脂固形分÷記録液総重量×100=12.3wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=10.4wt%
【0030】上記のようにして作製した記録液を、バー
コーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社製
L紙、WR紙、J紙)上に塗布し、室温(摂氏25度)
にて乾燥させてベタ画像を得た。0.7mg/cm2 で
塗布した画像のシアン(Cyan)濃度を反射濃度計X
−Rite404にて5点平均で測定した結果、いずれ
の紙においても1.4以上の高い光学濃度が得られた。
さらに、彩度(C*)をスペクトロフォトメータ(CM
−3700d、ミノルタ社製)で測定した結果、いずれ
も47以上であり、高彩度であった。また、これら普通
紙上ベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、画像は主に普通紙表面上に形成されており、記録液
の普通紙中への浸透は殆ど認められないものであった。
コーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社製
L紙、WR紙、J紙)上に塗布し、室温(摂氏25度)
にて乾燥させてベタ画像を得た。0.7mg/cm2 で
塗布した画像のシアン(Cyan)濃度を反射濃度計X
−Rite404にて5点平均で測定した結果、いずれ
の紙においても1.4以上の高い光学濃度が得られた。
さらに、彩度(C*)をスペクトロフォトメータ(CM
−3700d、ミノルタ社製)で測定した結果、いずれ
も47以上であり、高彩度であった。また、これら普通
紙上ベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、画像は主に普通紙表面上に形成されており、記録液
の普通紙中への浸透は殆ど認められないものであった。
【0031】次に、記録液のヘッド吐出口における目詰
まり性を次に述べる方法で評価した。内径15mmの注
射器の先に、内径180μmの標準注射針(岩下エンジ
ニアリング社製)をセットし、記録液を一定量(10m
l)吸入した。この注射器の上部を開放あるいは密閉す
ることにより、注射針からの記録液の滴下および非滴下
(停止)を制御した。この実験方式による具体的評価方
法は次の通りである。まず、注射器の上部を密閉し、注
射針からの記録液の滴下を停止させた状態にする。続い
て、ある時間放置後、上部を開放して記録液が継続して
注射針から滴下可能か評価する。そして注射針から滴下
可能な記録液の最大休止時間(最大放置時間)を、目詰
まり発生までの余裕時間とする。この実施例における記
録液の目詰まり発生までの余裕時間は、20秒と長いも
のであった。
まり性を次に述べる方法で評価した。内径15mmの注
射器の先に、内径180μmの標準注射針(岩下エンジ
ニアリング社製)をセットし、記録液を一定量(10m
l)吸入した。この注射器の上部を開放あるいは密閉す
ることにより、注射針からの記録液の滴下および非滴下
(停止)を制御した。この実験方式による具体的評価方
法は次の通りである。まず、注射器の上部を密閉し、注
射針からの記録液の滴下を停止させた状態にする。続い
て、ある時間放置後、上部を開放して記録液が継続して
注射針から滴下可能か評価する。そして注射針から滴下
可能な記録液の最大休止時間(最大放置時間)を、目詰
まり発生までの余裕時間とする。この実施例における記
録液の目詰まり発生までの余裕時間は、20秒と長いも
のであった。
【0032】さらに、市販のインクジェットプリンター
を用いて、普通紙上への印字テストを実施した。その結
果、記録液は安定吐出可能であった。印字されたサンプ
ルのドットを拡大ルーペおよび光学顕微鏡により観察し
たところ、ドット周辺部への滲みのない、また画像濃度
の高い鮮明なドットが形成されていることが確認され
た。
を用いて、普通紙上への印字テストを実施した。その結
果、記録液は安定吐出可能であった。印字されたサンプ
ルのドットを拡大ルーペおよび光学顕微鏡により観察し
たところ、ドット周辺部への滲みのない、また画像濃度
の高い鮮明なドットが形成されていることが確認され
た。
【0033】実施例2 この実施例に用いられる油性物質のエマルジョンは、フ
タル酸ジブチル(DBP)95重量部に、ポリエステル
5重量部およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム5
重量部を加熱溶解し、純水100重量部に加えて、ホモ
ジナイザにより乳化して得た。分散されたDBP粒子を
レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2000
A、島津製作所製)で解析したところ、平均粒径1.3
μm、標準偏差0.15μmであった。続いて、得られ
たDBPエマルジョンと、自己架橋性の樹脂微粒子とし
て水に分散してなる加水分解性メトキシシリル基を有す
るアクリルシリコーン樹脂微粒子と、着色剤として銅フ
タロシアニン系顔料(ピグメントブルー15:3)水性
分散物とを次の配合で混合して記録液を作製した。
タル酸ジブチル(DBP)95重量部に、ポリエステル
5重量部およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム5
重量部を加熱溶解し、純水100重量部に加えて、ホモ
ジナイザにより乳化して得た。分散されたDBP粒子を
レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2000
A、島津製作所製)で解析したところ、平均粒径1.3
μm、標準偏差0.15μmであった。続いて、得られ
たDBPエマルジョンと、自己架橋性の樹脂微粒子とし
て水に分散してなる加水分解性メトキシシリル基を有す
るアクリルシリコーン樹脂微粒子と、着色剤として銅フ
タロシアニン系顔料(ピグメントブルー15:3)水性
分散物とを次の配合で混合して記録液を作製した。
【0034】 DBPエマルジョン(平均粒径1.3μm) 50重量部 アクリルシリコーン樹脂微粒子分散液 (三洋化成工業製SW−135、固形分=35wt%) 34重量部 銅フタロシアニン系顔料(ピグメントブルー15:3)水性分散物 (大日精化工業製EP−700、固形分=34.7wt%) 16重量部 DBP濃度=DBP重量÷記録液総重量×100=2
3.6wt% アクリルシリコーン樹脂固形分濃度=アクリルシリコー
ン樹脂固形分÷記録液総重量×100=11.9wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=5.6wt% ポリエステル濃度=ポリエステル重量÷記録液総重量×
100=1.3wt%
3.6wt% アクリルシリコーン樹脂固形分濃度=アクリルシリコー
ン樹脂固形分÷記録液総重量×100=11.9wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=5.6wt% ポリエステル濃度=ポリエステル重量÷記録液総重量×
100=1.3wt%
【0035】上記のようにして作製した記録液を、バー
コーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社製
L紙、WR紙、J紙)上に塗布し、室温(25℃)にて
乾燥させてベタ画像を得た。0.7mg/cm2 で塗布
したベタ画像のシアン濃度を反射濃度計X−Rite4
04にて5点平均で測定した結果、いずれの紙において
も1.45以上の高い光学濃度が得られた。さらに、彩
度(C*)をスペクトロフォトメータ(CM−3700
d、ミノルタ社製)で測定した結果、いずれも53以上
であり、高彩度であった。また、これらの普通紙上画像
の縦断面を光学顕微鏡により観察したところ、画像は主
に普通紙表面上に形成されていて、普通紙中への浸透は
殆どないことが確認された。
コーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社製
L紙、WR紙、J紙)上に塗布し、室温(25℃)にて
乾燥させてベタ画像を得た。0.7mg/cm2 で塗布
したベタ画像のシアン濃度を反射濃度計X−Rite4
04にて5点平均で測定した結果、いずれの紙において
も1.45以上の高い光学濃度が得られた。さらに、彩
度(C*)をスペクトロフォトメータ(CM−3700
d、ミノルタ社製)で測定した結果、いずれも53以上
であり、高彩度であった。また、これらの普通紙上画像
の縦断面を光学顕微鏡により観察したところ、画像は主
に普通紙表面上に形成されていて、普通紙中への浸透は
殆どないことが確認された。
【0036】次に、実施例1と同様の方法によって記録
液の目詰まり性を評価した。その結果、記録液の目詰ま
り発生までの余裕時間は、20秒と長いものであった。
さらに、市販のインクジェットプリンターを用いた普通
紙上への印字テストを実施した。その結果、記録液は安
定吐出可能であった。印字サンプルのドットを拡大ルー
ペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット周辺
部への滲みのない、また画像濃度の高い鮮明なドットが
形成されていることが確認された。
液の目詰まり性を評価した。その結果、記録液の目詰ま
り発生までの余裕時間は、20秒と長いものであった。
さらに、市販のインクジェットプリンターを用いた普通
紙上への印字テストを実施した。その結果、記録液は安
定吐出可能であった。印字サンプルのドットを拡大ルー
ペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット周辺
部への滲みのない、また画像濃度の高い鮮明なドットが
形成されていることが確認された。
【0037】実施例3 フタル酸ジブチル(DBP)140重量部に、ポリエス
テル4重量部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1
0重量部、およびソルスパース24000(有機溶剤中
顔料分散剤、アイ・シー・アイ・ジャパン社製)5重量
部を加熱溶解し、銅フタロシアニン系顔料40重量部お
よびソルスパース5000(有機溶剤中顔料分散剤、ア
イ・シー・アイ・ジャパン社製)1重量部を加えて、ボ
ールミルにより顔料をDBP中に分散させた。上記顔料
分散DBPを同重量の純水に加え、50℃に保温した状
態でホモジナイザによりエマルジョン状態の着色DBP
粒子水分散液を得た。顕微鏡観察により着色DBP粒子
は、平均粒径2μmであることが確認された。上記着色
DBP粒子水分散液と、自己架橋性の樹脂微粒子として
水に分散させた加水分解性メトキシシリル基を有するア
クリルシリコーン樹脂微粒子と、純水とを次の配合によ
って混合して、記録液を作製した。
テル4重量部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1
0重量部、およびソルスパース24000(有機溶剤中
顔料分散剤、アイ・シー・アイ・ジャパン社製)5重量
部を加熱溶解し、銅フタロシアニン系顔料40重量部お
よびソルスパース5000(有機溶剤中顔料分散剤、ア
イ・シー・アイ・ジャパン社製)1重量部を加えて、ボ
ールミルにより顔料をDBP中に分散させた。上記顔料
分散DBPを同重量の純水に加え、50℃に保温した状
態でホモジナイザによりエマルジョン状態の着色DBP
粒子水分散液を得た。顕微鏡観察により着色DBP粒子
は、平均粒径2μmであることが確認された。上記着色
DBP粒子水分散液と、自己架橋性の樹脂微粒子として
水に分散させた加水分解性メトキシシリル基を有するア
クリルシリコーン樹脂微粒子と、純水とを次の配合によ
って混合して、記録液を作製した。
【0038】 着色DBP粒子水分散液(平均粒径2μm) 56重量部 アクリルシリコーン樹脂微粒子分散液 (三洋化成工業製SW−135、固形分=35wt%) 35重量部 純水 9重量部 DBP濃度=DBP重量÷記録液総重量×100=3
9.2wt% アクリルシリコーン樹脂固形分濃度=アクリルシリコー
ン樹脂固形分÷記録液総重量×100=12.3wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=11.2wt% ポリエステル濃度=ポリエステル重量÷記録液総重量×
100=1.1wt%
9.2wt% アクリルシリコーン樹脂固形分濃度=アクリルシリコー
ン樹脂固形分÷記録液総重量×100=12.3wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=11.2wt% ポリエステル濃度=ポリエステル重量÷記録液総重量×
100=1.1wt%
【0039】上記のようにして作製した記録液を、バー
コーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社製
L紙、WR紙、J紙)上に塗布し、室温(25℃)で乾
燥させてベタ画像を得た。0.7mg/cm2 で塗布し
たベタ画像のシアン濃度を反射濃度計X−Rite40
4にて5点平均で測定した結果、いずれの紙においても
1.5以上の高い光学濃度が得られた。さらに、彩度
(C*)をスペクトロフォトメータ(CM−3700
d、ミノルタ製)で測定した結果、いずれも50以上で
あり、高彩度であった。また、これら普通紙上の画像の
縦断面を光学顕微鏡により観察したところ、画像は主に
普通紙表面上に形成されていて、普通紙中への浸透は殆
どないことが確認された。
コーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社製
L紙、WR紙、J紙)上に塗布し、室温(25℃)で乾
燥させてベタ画像を得た。0.7mg/cm2 で塗布し
たベタ画像のシアン濃度を反射濃度計X−Rite40
4にて5点平均で測定した結果、いずれの紙においても
1.5以上の高い光学濃度が得られた。さらに、彩度
(C*)をスペクトロフォトメータ(CM−3700
d、ミノルタ製)で測定した結果、いずれも50以上で
あり、高彩度であった。また、これら普通紙上の画像の
縦断面を光学顕微鏡により観察したところ、画像は主に
普通紙表面上に形成されていて、普通紙中への浸透は殆
どないことが確認された。
【0040】次に、実施例1および2と同様の方法によ
って記録液の目詰まり性を評価した。その結果、記録液
の目詰まり発生までの余裕時間は25秒と長いものであ
った。さらに、市販のインクジェットプリンターを用い
て、普通紙上への印字テストを実施した。その結果、安
定吐出可能であった。印字サンプルのドットを拡大ルー
ペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット周辺
部への滲みのない、また画像濃度の高い鮮明なドットが
形成されていた。
って記録液の目詰まり性を評価した。その結果、記録液
の目詰まり発生までの余裕時間は25秒と長いものであ
った。さらに、市販のインクジェットプリンターを用い
て、普通紙上への印字テストを実施した。その結果、安
定吐出可能であった。印字サンプルのドットを拡大ルー
ペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット周辺
部への滲みのない、また画像濃度の高い鮮明なドットが
形成されていた。
【0041】比較例 本発明の効果を比較する目的で、実施例1に対してはD
BPを除き樹脂微粒子濃度を高めた記録液を、実施例2
に対してはDBPを除いた記録液を、実施例3に対して
はアクリルシリコーン樹脂微粒子を自己架橋性ではない
フッ素樹脂微粒子に置き換えた記録液を作製して評価を
行った。 比較例1 アクリルシリコーン樹脂微粒子分散液 (三洋化成工業製SW−135、固形分=35wt%) 70重量部 銅フタロシアニン系顔料(ピグメントブルー15:3)水性分散物 (大日精化工業製EP−700、固形分=34.7wt%) 30重量部 アクリルシリコーン樹脂固形分濃度=アクリルシリコー
ン樹脂固形分÷記録液総重量×100=24.5wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=10.4wt% 上記のようにして作製した記録液を、実施例と同様にバ
ーコーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社
製L紙、WR紙、J紙)上に、0.7mg/cm2 の塗
布量で塗布・乾燥させてベタ画像を得た。シアン濃度は
すべての紙で1.4以上の値を示し、彩度(C*)も5
0以上と高彩度であった。また、これら普通紙上画像の
縦断面を光学顕微鏡により観察した結果、普通紙中への
浸透は殆どないことが確認された。
BPを除き樹脂微粒子濃度を高めた記録液を、実施例2
に対してはDBPを除いた記録液を、実施例3に対して
はアクリルシリコーン樹脂微粒子を自己架橋性ではない
フッ素樹脂微粒子に置き換えた記録液を作製して評価を
行った。 比較例1 アクリルシリコーン樹脂微粒子分散液 (三洋化成工業製SW−135、固形分=35wt%) 70重量部 銅フタロシアニン系顔料(ピグメントブルー15:3)水性分散物 (大日精化工業製EP−700、固形分=34.7wt%) 30重量部 アクリルシリコーン樹脂固形分濃度=アクリルシリコー
ン樹脂固形分÷記録液総重量×100=24.5wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=10.4wt% 上記のようにして作製した記録液を、実施例と同様にバ
ーコーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社
製L紙、WR紙、J紙)上に、0.7mg/cm2 の塗
布量で塗布・乾燥させてベタ画像を得た。シアン濃度は
すべての紙で1.4以上の値を示し、彩度(C*)も5
0以上と高彩度であった。また、これら普通紙上画像の
縦断面を光学顕微鏡により観察した結果、普通紙中への
浸透は殆どないことが確認された。
【0042】しかしながら、記録液の目詰まり性を上記
実施例と同様の方法で試験した結果、目詰まり発生まで
の余裕時間は5秒であり、実施例のものに比較して極め
て短いものであった。市販インクジェットプリンターに
よる印字テストにおいても、目詰まりによる印字不能ま
での時間は5秒と極めて短いものであった。この目詰ま
りはクリーニングによって復帰せず、ヘッドのノズル部
分を顕微鏡で拡大観察したところ、すべてのノズル出口
で記録液が乾燥し固着していることが判明した。
実施例と同様の方法で試験した結果、目詰まり発生まで
の余裕時間は5秒であり、実施例のものに比較して極め
て短いものであった。市販インクジェットプリンターに
よる印字テストにおいても、目詰まりによる印字不能ま
での時間は5秒と極めて短いものであった。この目詰ま
りはクリーニングによって復帰せず、ヘッドのノズル部
分を顕微鏡で拡大観察したところ、すべてのノズル出口
で記録液が乾燥し固着していることが判明した。
【0043】比較例2 アクリルシリコーン樹脂微粒子分散液 (三洋化成工業製SW−135、固形分=35wt%) 34重量部 銅フタロシアニン系顔料(ピグメントブルー15:3)水性分散物 (大日精化工業製EP−700、固形分=34.7wt%) 16重量部 純水 50重量部 アクリルシリコーン樹脂固形分濃度=アクリルシリコー
ン樹脂固形分÷記録液総重量×100=11.9wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=5.6wt% 上記のようにして作製した記録液を、実施例と同様にバ
ーコーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社
製L紙、WR紙、J紙)上に、0.7mg/cm2 の塗
布量で塗布・乾燥させてベタ画像を得た。シアン濃度は
すべての紙で1.1程度と低く、彩度(C*)も40程
度であった。また、この記録液は明らかに記録紙内部に
浸透しており、着色剤が背面までにじみ出ていた。
ン樹脂固形分÷記録液総重量×100=11.9wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=5.6wt% 上記のようにして作製した記録液を、実施例と同様にバ
ーコーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社
製L紙、WR紙、J紙)上に、0.7mg/cm2 の塗
布量で塗布・乾燥させてベタ画像を得た。シアン濃度は
すべての紙で1.1程度と低く、彩度(C*)も40程
度であった。また、この記録液は明らかに記録紙内部に
浸透しており、着色剤が背面までにじみ出ていた。
【0044】記録液の目詰まり性を実施例と同様の方法
で試験した結果、目詰まり発生までの余裕時間は15秒
であり、市販インクジェットプリンターで安定吐出可能
であった。しかしながら、印字サンプルのドットを拡大
ルーペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット
は周辺部へにじみ画像濃度も低いものであった。
で試験した結果、目詰まり発生までの余裕時間は15秒
であり、市販インクジェットプリンターで安定吐出可能
であった。しかしながら、印字サンプルのドットを拡大
ルーペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット
は周辺部へにじみ画像濃度も低いものであった。
【0045】比較例3 実施例2における着色DBP粒子水分散液 (平均粒径2μm) 56重量部 フッ素樹脂微粒子分散液 (旭硝子製FE−3000、固形分=50wt%) 25重量部 純水 19重量部 DBP濃度=DBP重量÷記録液総重量×100=3
9.2wt% フッ素樹脂固形分濃度=フッ素樹脂固形分÷記録液総重
量×100=12.5wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=11.2wt% ポリエステル濃度=ポリエステル重量÷記録液総重量×
100=1.1wt% 上記のようにして作製した記録液を、実施例と同様にバ
ーコーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社
製L紙、WR紙、J紙)上に、0.7mg/cm2 の塗
布量で塗布・乾燥させてベタ画像を得た。シアン濃度は
すべての紙で1.5以上の値を示し、彩度(C*)も5
0以上と高彩度であった。また、これら普通紙上画像の
縦断面を光学顕微鏡により観察した結果、普通紙中への
浸透は殆どないことが確認された。
9.2wt% フッ素樹脂固形分濃度=フッ素樹脂固形分÷記録液総重
量×100=12.5wt% 顔料(着色剤)濃度=顔料固形分÷記録液総重量×10
0=11.2wt% ポリエステル濃度=ポリエステル重量÷記録液総重量×
100=1.1wt% 上記のようにして作製した記録液を、実施例と同様にバ
ーコーターを用いて複写機用普通紙(富士ゼロックス社
製L紙、WR紙、J紙)上に、0.7mg/cm2 の塗
布量で塗布・乾燥させてベタ画像を得た。シアン濃度は
すべての紙で1.5以上の値を示し、彩度(C*)も5
0以上と高彩度であった。また、これら普通紙上画像の
縦断面を光学顕微鏡により観察した結果、普通紙中への
浸透は殆どないことが確認された。
【0046】また、記録液の目詰まり性を実施例と同様
の方法で試験した結果、目詰まり発生までの余裕時間は
20秒であり、市販インクジェットプリンターにおいて
安定印字可能であった。印字サンプルのドットを拡大ル
ーペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット周
辺部への滲みのない、また画像濃度の高い鮮明なドット
が形成されていることが確認された。しかしながら、こ
の記録液によるベタ画像および市販インクジェットプリ
ンターによる印字ドットは、指でこすることによって容
易に剥れ落ち、極めて定着性の悪いものであった。
の方法で試験した結果、目詰まり発生までの余裕時間は
20秒であり、市販インクジェットプリンターにおいて
安定印字可能であった。印字サンプルのドットを拡大ル
ーペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット周
辺部への滲みのない、また画像濃度の高い鮮明なドット
が形成されていることが確認された。しかしながら、こ
の記録液によるベタ画像および市販インクジェットプリ
ンターによる印字ドットは、指でこすることによって容
易に剥れ落ち、極めて定着性の悪いものであった。
【0047】
【発明の効果】本発明の記録液は、上記の構成を有する
から、インクジェットプリンターによって印字する場合
に、ヘッドに目詰まりを発生することがなく、吐出安定
性に優れたものとなる。また、記録体として特別な専用
紙を用いる必要がなく普通紙に記録を行うことができ、
しかも記録体上での記録液の浸透や滲みが無く、極めて
高い画像濃度の画像を形成することができる。
から、インクジェットプリンターによって印字する場合
に、ヘッドに目詰まりを発生することがなく、吐出安定
性に優れたものとなる。また、記録体として特別な専用
紙を用いる必要がなく普通紙に記録を行うことができ、
しかも記録体上での記録液の浸透や滲みが無く、極めて
高い画像濃度の画像を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諏訪部 恭史 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい 富士ゼロックス株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 水、着色剤、自己架橋性の樹脂微粒子お
よびエマルジョン状の油性物質を含有することを特徴と
する記録液。 - 【請求項2】 記録液液滴をヘッドから吐出させて記録
体上に記録を行う画像記録方法において、記録液として
請求項1記載の記録液を用いることを特徴とする画像記
録方法。 - 【請求項3】 記録体として普通紙を用いることを特徴
とする請求項2記載の画像記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29469796A JPH10140058A (ja) | 1996-11-07 | 1996-11-07 | 記録液および画像記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29469796A JPH10140058A (ja) | 1996-11-07 | 1996-11-07 | 記録液および画像記録方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10140058A true JPH10140058A (ja) | 1998-05-26 |
Family
ID=17811140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29469796A Pending JPH10140058A (ja) | 1996-11-07 | 1996-11-07 | 記録液および画像記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10140058A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007016075A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Kao Corp | インクジェット記録用水系インク |
JP2007238916A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-09-20 | Kao Corp | インクジェット記録用水系インク |
US7740697B2 (en) | 2003-12-11 | 2010-06-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Aqueous ink, ink cartridge using the same, inkjet printing method and recorded matter |
JP2015140414A (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-03 | 大原薬品工業株式会社 | 医薬品錠剤印刷用のインク組成物 |
-
1996
- 1996-11-07 JP JP29469796A patent/JPH10140058A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7740697B2 (en) | 2003-12-11 | 2010-06-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Aqueous ink, ink cartridge using the same, inkjet printing method and recorded matter |
JP2007016075A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Kao Corp | インクジェット記録用水系インク |
JP2007238916A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-09-20 | Kao Corp | インクジェット記録用水系インク |
JP2015140414A (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-03 | 大原薬品工業株式会社 | 医薬品錠剤印刷用のインク組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050607 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051227 |