JPH10120738A - 含フッ素グラフトポリマーの製造方法 - Google Patents
含フッ素グラフトポリマーの製造方法Info
- Publication number
- JPH10120738A JPH10120738A JP29461796A JP29461796A JPH10120738A JP H10120738 A JPH10120738 A JP H10120738A JP 29461796 A JP29461796 A JP 29461796A JP 29461796 A JP29461796 A JP 29461796A JP H10120738 A JPH10120738 A JP H10120738A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- macromonomer
- fluorine
- fluoroolefin
- graft polymer
- vinylidene fluoride
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- Pending
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- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】耐熱性および加工性に優れた含フッ素グラフト
ポリマーの製造方法を提供する。 【解決手段】フルオロオレフィン単位を含むマクロモノ
マーとフルオロオレフィンを含む単量体をラジカル共重
合させることで、耐熱性および加工性に優れた含フッ素
グラフトポリマーを製造する。
ポリマーの製造方法を提供する。 【解決手段】フルオロオレフィン単位を含むマクロモノ
マーとフルオロオレフィンを含む単量体をラジカル共重
合させることで、耐熱性および加工性に優れた含フッ素
グラフトポリマーを製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チューブ、ホース
およびシートなどの耐食部材、電線被覆材料および耐候
性フィルムなどの低温で成形可能な軟質フッ素樹脂なら
びに高耐候性塗料用フッ素樹脂に好適であり、幹成分と
枝成分にフルオロオレフィン単位を含むグラフトポリマ
ーの製造方法に関するものである。
およびシートなどの耐食部材、電線被覆材料および耐候
性フィルムなどの低温で成形可能な軟質フッ素樹脂なら
びに高耐候性塗料用フッ素樹脂に好適であり、幹成分と
枝成分にフルオロオレフィン単位を含むグラフトポリマ
ーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)に代表されるフッ素樹脂は耐熱性、耐薬品性、電気
絶縁性および潤滑性などに優れ、半導体、自動車および
産業機器分野に使用されている。近年、成形加工が容易
な軟質フッ素樹脂の要求が高まり、含フッ素ブロックポ
リマー(特開昭53−86788号公報)および含フッ
素グラフトポリマー(特開昭58−206615号公
報)などが提案されている。前記含フッ素グラフトポリ
マーは、第1段階としてフルオロオレフィンと不飽和基
を持つパーオキサイドを共重合させ、側鎖にパーオキシ
基を含むポリマーパーオキサイドを製造した後、第2段
階としてフルオロオレフィンをこのポリマーパーオキサ
イドにグラフト重合させることにより製造されるが、未
反応のパーオキシ基がグラフトポリマー中に残存した
り、また、パーオキシ基が開裂した際に遊離したラジカ
ルを開始源としたフルオロオレフィンリニアポリマーが
生成し、このフルオロオレフィンリニアポリマーとグラ
フトポリマーのブレンド物になるため、その結果、得ら
れた含フッ素グラフトポリマーの耐熱性または加工性に
問題があり、成形体が着色するなどの欠点があった。
E)に代表されるフッ素樹脂は耐熱性、耐薬品性、電気
絶縁性および潤滑性などに優れ、半導体、自動車および
産業機器分野に使用されている。近年、成形加工が容易
な軟質フッ素樹脂の要求が高まり、含フッ素ブロックポ
リマー(特開昭53−86788号公報)および含フッ
素グラフトポリマー(特開昭58−206615号公
報)などが提案されている。前記含フッ素グラフトポリ
マーは、第1段階としてフルオロオレフィンと不飽和基
を持つパーオキサイドを共重合させ、側鎖にパーオキシ
基を含むポリマーパーオキサイドを製造した後、第2段
階としてフルオロオレフィンをこのポリマーパーオキサ
イドにグラフト重合させることにより製造されるが、未
反応のパーオキシ基がグラフトポリマー中に残存した
り、また、パーオキシ基が開裂した際に遊離したラジカ
ルを開始源としたフルオロオレフィンリニアポリマーが
生成し、このフルオロオレフィンリニアポリマーとグラ
フトポリマーのブレンド物になるため、その結果、得ら
れた含フッ素グラフトポリマーの耐熱性または加工性に
問題があり、成形体が着色するなどの欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性およ
び加工性に優れた含フッ素グラフトポリマーの製造方法
を提供するものである。
び加工性に優れた含フッ素グラフトポリマーの製造方法
を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、フルオロオレフィン
単位を含むマクロモノマーにフルオロオレフィンを含む
単量体をラジカル共重合体させて得られたポリマーが前
記課題を解決することを見出し、本発明を解決するに至
った。
を解決するため鋭意検討した結果、フルオロオレフィン
単位を含むマクロモノマーにフルオロオレフィンを含む
単量体をラジカル共重合体させて得られたポリマーが前
記課題を解決することを見出し、本発明を解決するに至
った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるフルオロオレフィ
ンを含むマクロモノマーは、本発明が目的とするグラフ
トポリマーの枝成分(グラフト鎖)を構成するものであ
って、特に限定されないが、例えば、下記式(1)で表
されるマクロモノマーが好ましい。 H(CFX−CYZ)n CHRO−A (1) (式中、X、YおよびZは水素原子、フッ素原子または
塩素原子を示し、Rは水素原子、メチル基またはエチル
基を示し、Aは不飽和結合を含む基を示し、nは正数を
示す。) 前記式(1)で表されるマクロモノマーは、ゲルパーミ
ェーションクロマトグラフィで測定したポリスチレン換
算の数平均分子量が500〜200000の範囲である
ことが好ましく、500未満であるとグラフト鎖として
の特徴が発現されない恐れがあり、200000を越え
ると重合性が低下する恐れがある。
ンを含むマクロモノマーは、本発明が目的とするグラフ
トポリマーの枝成分(グラフト鎖)を構成するものであ
って、特に限定されないが、例えば、下記式(1)で表
されるマクロモノマーが好ましい。 H(CFX−CYZ)n CHRO−A (1) (式中、X、YおよびZは水素原子、フッ素原子または
塩素原子を示し、Rは水素原子、メチル基またはエチル
基を示し、Aは不飽和結合を含む基を示し、nは正数を
示す。) 前記式(1)で表されるマクロモノマーは、ゲルパーミ
ェーションクロマトグラフィで測定したポリスチレン換
算の数平均分子量が500〜200000の範囲である
ことが好ましく、500未満であるとグラフト鎖として
の特徴が発現されない恐れがあり、200000を越え
ると重合性が低下する恐れがある。
【0006】前記マクロモノマーは、例えば、Poly
mer Bulletin 16,481−485(1
986)に記載の製法に準じて製造でき、具体的には、
まず第1段階として、下記式(2)に示す様に、アルコ
ールを連鎖移動剤としてフルオロオレフィンをラジカル
重合させて末端に水酸基を有するマクロモノマー前駆体
〔以下、「プレポリマー」という。〕を製造した後、下
記式(3)に示す様に不飽和基を結合させて含フッ素マ
クロモノマーを製造する。 nCFX=CYZ + RCH2OH → H(CFX-CYZ)n CHROH (2) H(CFX-CYZ)n CHROH + A-B→ H(CFX-CYZ)n CHRO-A + H-B (3) (式中、X、Y、Zは水素原子、フッ素原子または塩素
原子を示し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を
示し、Aは不飽和結合を有する基を示し、Bは水素原子
と反応しかつ脱離可能な基を示し、nは正数を示す。)
mer Bulletin 16,481−485(1
986)に記載の製法に準じて製造でき、具体的には、
まず第1段階として、下記式(2)に示す様に、アルコ
ールを連鎖移動剤としてフルオロオレフィンをラジカル
重合させて末端に水酸基を有するマクロモノマー前駆体
〔以下、「プレポリマー」という。〕を製造した後、下
記式(3)に示す様に不飽和基を結合させて含フッ素マ
クロモノマーを製造する。 nCFX=CYZ + RCH2OH → H(CFX-CYZ)n CHROH (2) H(CFX-CYZ)n CHROH + A-B→ H(CFX-CYZ)n CHRO-A + H-B (3) (式中、X、Y、Zは水素原子、フッ素原子または塩素
原子を示し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を
示し、Aは不飽和結合を有する基を示し、Bは水素原子
と反応しかつ脱離可能な基を示し、nは正数を示す。)
【0007】前記マクロモノマーの製造に使用されるフ
ルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、
クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、
フッ化ビニリデン、フッ化ビニルおよびヘキサフルオロ
プロピレンなどが例示され、後記するアルコールの連鎖
移動性および反応収率の点からテトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレ
ンおよびフッ化ビニリデンの1種類またはクロロトリフ
ルオロエチレンとフッ化ビニリデン、テトラフルオロエ
チレンとヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン
とヘキサフルオロプロピレンなど2種以上のフルオロオ
レフィンを組合わせて使用することが望ましい。更に、
成形性の向上およびコストの削減のため、共重合可能な
モノマーを併用しても良い。かかるモノマーとしては、
エチレン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ビニルエーテル類、ビニルエステル類お
よびクロトン酸エステル類なとが例示される。軟質フッ
素樹脂の特性を損なわないため、該モノマーはフルオロ
オレフィンの使用量の等モル以下で使用することが望ま
しい。
ルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、
クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、
フッ化ビニリデン、フッ化ビニルおよびヘキサフルオロ
プロピレンなどが例示され、後記するアルコールの連鎖
移動性および反応収率の点からテトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレ
ンおよびフッ化ビニリデンの1種類またはクロロトリフ
ルオロエチレンとフッ化ビニリデン、テトラフルオロエ
チレンとヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン
とヘキサフルオロプロピレンなど2種以上のフルオロオ
レフィンを組合わせて使用することが望ましい。更に、
成形性の向上およびコストの削減のため、共重合可能な
モノマーを併用しても良い。かかるモノマーとしては、
エチレン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ビニルエーテル類、ビニルエステル類お
よびクロトン酸エステル類なとが例示される。軟質フッ
素樹脂の特性を損なわないため、該モノマーはフルオロ
オレフィンの使用量の等モル以下で使用することが望ま
しい。
【0008】前記式(2)で表されるプレポリマーは、
ラジカル発生型開始剤の存在下に、アルコールを連鎖移
動剤として、前記フルオロオレフィンをラジカル重合さ
せることにより製造される。前記アルコールとしてはメ
タノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパ
ノール等が例示され、これらの中でも、反応性の点から
メタノールが好ましい。前記ラジカル発生型開始剤とし
てはターシャリブチルパーオキサイド、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオ
キシジカーボネート、ターシャリブチルパーオキシヒバ
レートおよびターシャリブチルパーオキシイソブチレー
トなどの有機パーオキサイド、アゾビスイソブチロニト
リルおよびアゾビスシクロヘキサンカルボニトリルなど
のアゾ化合物ならびに過硫酸アンモニウムなどの無機パ
ーオキサイドが例示される。
ラジカル発生型開始剤の存在下に、アルコールを連鎖移
動剤として、前記フルオロオレフィンをラジカル重合さ
せることにより製造される。前記アルコールとしてはメ
タノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパ
ノール等が例示され、これらの中でも、反応性の点から
メタノールが好ましい。前記ラジカル発生型開始剤とし
てはターシャリブチルパーオキサイド、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオ
キシジカーボネート、ターシャリブチルパーオキシヒバ
レートおよびターシャリブチルパーオキシイソブチレー
トなどの有機パーオキサイド、アゾビスイソブチロニト
リルおよびアゾビスシクロヘキサンカルボニトリルなど
のアゾ化合物ならびに過硫酸アンモニウムなどの無機パ
ーオキサイドが例示される。
【0009】上記の重合における好ましい条件における
好適な温度は20℃〜200℃、好適な圧力は3〜10
0atmおよび好適な反応時間は1〜24時間である。
さらに、反応器の腐食を防ぐため、炭酸カリウム、リン
酸2−ナトリウム、硫酸水素ナトリウムおよびほう酸ナ
トリウムなどの除酸剤を加えても良い。
好適な温度は20℃〜200℃、好適な圧力は3〜10
0atmおよび好適な反応時間は1〜24時間である。
さらに、反応器の腐食を防ぐため、炭酸カリウム、リン
酸2−ナトリウム、硫酸水素ナトリウムおよびほう酸ナ
トリウムなどの除酸剤を加えても良い。
【0010】次に、前記式(3)で表されるマクロモノ
マーは、有機溶剤の存在下に、上記で得られたプレポリ
マーと、該プレポリマー中の水酸基と反応性の官能基を
有する不飽和基含有化合物を反応させることにより製造
される。前記不飽和基含有化合物としては、(メタ)
アクリル酸、ビニル酢酸およびビニルノナン酸などの有
機酸、(メタ)アクリル酸クロライド、アリルクロリ
ド、クロロエチルビニルエーテルおよびクロロ酢酸ビニ
ルなどの塩素含有化合物ならびに酢酸ビニルなどが例
示される。の場合は脱水エステル化反応、の場合は
脱塩酸反応、の場合は脱酢酸反応により前記プレポリ
マーと反応する。これらの中でも、反応の容易さの面か
ら、およびの化合物が好ましい。これらの化合物を
使用する場合、前記式(3)のBは水酸基、塩素原子ま
たはオキシアセチル基を示すことになる。
マーは、有機溶剤の存在下に、上記で得られたプレポリ
マーと、該プレポリマー中の水酸基と反応性の官能基を
有する不飽和基含有化合物を反応させることにより製造
される。前記不飽和基含有化合物としては、(メタ)
アクリル酸、ビニル酢酸およびビニルノナン酸などの有
機酸、(メタ)アクリル酸クロライド、アリルクロリ
ド、クロロエチルビニルエーテルおよびクロロ酢酸ビニ
ルなどの塩素含有化合物ならびに酢酸ビニルなどが例
示される。の場合は脱水エステル化反応、の場合は
脱塩酸反応、の場合は脱酢酸反応により前記プレポリ
マーと反応する。これらの中でも、反応の容易さの面か
ら、およびの化合物が好ましい。これらの化合物を
使用する場合、前記式(3)のBは水酸基、塩素原子ま
たはオキシアセチル基を示すことになる。
【0011】前記有機溶剤としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、
酢酸ブチル、トルエンおよびキシレンなどが挙げられ
る。パラトルエンスルホン酸および硫酸などの有機・無
機酸類、トリエチルアミンおよびキノリンなどのアミン
類および水酸化ナトリウムなどの無機塩基類を使用して
反応を促進させることが好ましい。好ましい反応条件に
おける、好適な反応温度は10℃〜100℃および好適
な反応時間は1〜24時間である。また、不飽和基含有
化合物の重合を防ぐため重合禁止剤を加えても良く、か
かる重合禁止剤としてはメトキシハイドロキノン、ハイ
ドロキノンおよびフェノチアジンなど通常のものが挙げ
られる。
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、
酢酸ブチル、トルエンおよびキシレンなどが挙げられ
る。パラトルエンスルホン酸および硫酸などの有機・無
機酸類、トリエチルアミンおよびキノリンなどのアミン
類および水酸化ナトリウムなどの無機塩基類を使用して
反応を促進させることが好ましい。好ましい反応条件に
おける、好適な反応温度は10℃〜100℃および好適
な反応時間は1〜24時間である。また、不飽和基含有
化合物の重合を防ぐため重合禁止剤を加えても良く、か
かる重合禁止剤としてはメトキシハイドロキノン、ハイ
ドロキノンおよびフェノチアジンなど通常のものが挙げ
られる。
【0012】本発明においては、上記で得られた含フッ
素マクロモノマーとフルオロオレフィンを含む単量体を
ラジカル共重合させて、該フルオロオレフィンの重合体
が幹成分(幹ポリマー鎖)となる含フッ素グラフトポリ
マーを製造することを特徴とする。
素マクロモノマーとフルオロオレフィンを含む単量体を
ラジカル共重合させて、該フルオロオレフィンの重合体
が幹成分(幹ポリマー鎖)となる含フッ素グラフトポリ
マーを製造することを特徴とする。
【0013】前記フルオロオレフィンとしては、テトラ
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリ
フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、
ヘキサフルオロプロピレンおよびパーフルオロ(アルキ
ルビニルエーテル)などが例示される。これらの中で
も、マクロモノマーとの共重合性の面からテトラフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオ
ロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、フッ化ビニ
リデンおよびフッ化ビニルの1種類、またはテトラフル
オロエチレンとヘキサフルオロプロピレン、テトラフル
オロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)、クロロトリフルオロエチレンとフッ化ビニリデン
およびフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンな
ど2種以上のフルオロオレフィンの組合わせを使用する
ことが望ましい。
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリ
フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、
ヘキサフルオロプロピレンおよびパーフルオロ(アルキ
ルビニルエーテル)などが例示される。これらの中で
も、マクロモノマーとの共重合性の面からテトラフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオ
ロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、フッ化ビニ
リデンおよびフッ化ビニルの1種類、またはテトラフル
オロエチレンとヘキサフルオロプロピレン、テトラフル
オロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)、クロロトリフルオロエチレンとフッ化ビニリデン
およびフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンな
ど2種以上のフルオロオレフィンの組合わせを使用する
ことが望ましい。
【0014】更に、耐熱性を高めたりコストを削減する
ため共重合可能なモノマーを併用しても良い。かかるモ
ノマーとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレン
などのオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど
のクロロオレフィン類、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどの
ビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸
ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどビニルエ
ステル類、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロ
トン酸シクロヘキシルなどのクロトン酸エステル類なと
が例示される。また、架橋性を持たせるためヒドロキシ
ブチルビニルエーテルなどの水酸基含有モノマー、グリ
シジルビニルエーテルおよびアリルグリシジルエーテル
などのエポキシ基含有モノマーならびにアクリル酸など
のカルボン酸含有モノマーを共重合させても良い。軟質
フッ素樹脂の特性を損なわないため、これらのモノマー
はフルオロオレフィンの使用量の等モル以下で使用する
ことが望ましい。
ため共重合可能なモノマーを併用しても良い。かかるモ
ノマーとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレン
などのオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど
のクロロオレフィン類、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどの
ビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸
ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどビニルエ
ステル類、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロ
トン酸シクロヘキシルなどのクロトン酸エステル類なと
が例示される。また、架橋性を持たせるためヒドロキシ
ブチルビニルエーテルなどの水酸基含有モノマー、グリ
シジルビニルエーテルおよびアリルグリシジルエーテル
などのエポキシ基含有モノマーならびにアクリル酸など
のカルボン酸含有モノマーを共重合させても良い。軟質
フッ素樹脂の特性を損なわないため、これらのモノマー
はフルオロオレフィンの使用量の等モル以下で使用する
ことが望ましい。
【0015】前記含フッ素グラフトポリマーを製造する
反応は、ラジカル発生型重合開始剤の存在下に前記フル
オロオレフィンを含む単量体を前記マクロモノマーとラ
ジカル共重合させる反応である。重合方法としては、水
性媒体中での懸濁重合および乳化重合、有機溶剤中での
溶液重合などが採用可能である。有機溶剤としては、有
機炭化水素系化合物およびフッ素系有機溶剤等が適当で
ありテトラヒドロフランおよびジオキサン等の環状エー
テル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族
炭化水素化合物;酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエス
テル類;アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘ
キサノン等のケトン類;オクタフルオロシクロブタン等
のフロン類等が挙げられ、これらの一種または2種以上
を用いることができる。また、水と有機溶剤を併用して
も良い。
反応は、ラジカル発生型重合開始剤の存在下に前記フル
オロオレフィンを含む単量体を前記マクロモノマーとラ
ジカル共重合させる反応である。重合方法としては、水
性媒体中での懸濁重合および乳化重合、有機溶剤中での
溶液重合などが採用可能である。有機溶剤としては、有
機炭化水素系化合物およびフッ素系有機溶剤等が適当で
ありテトラヒドロフランおよびジオキサン等の環状エー
テル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族
炭化水素化合物;酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエス
テル類;アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘ
キサノン等のケトン類;オクタフルオロシクロブタン等
のフロン類等が挙げられ、これらの一種または2種以上
を用いることができる。また、水と有機溶剤を併用して
も良い。
【0016】前記ラジカル発生型重合開始剤としては、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリ
ーブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサ
イドおよびラウロイルパーオキサイド等の有機パーオキ
サイド、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスイ
ソバレロニトリル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム
および過硫酸カリウム等の無機パーオキサイドが使用で
きる。これらの使用量は全単量体100重量部に対し
0.001〜10重量部が好ましい。乳化重合の場合の
乳化剤としては、パーフルオロオクタノイックアシドカ
リウム塩またはアンモニウム塩、パーフルオロオクタン
スルホン酸アンモニウム塩、高級アルコール硫酸エステ
ルナトリウム塩およびポリエチレングリコールエーテル
等が例示される。
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリ
ーブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサ
イドおよびラウロイルパーオキサイド等の有機パーオキ
サイド、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスイ
ソバレロニトリル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム
および過硫酸カリウム等の無機パーオキサイドが使用で
きる。これらの使用量は全単量体100重量部に対し
0.001〜10重量部が好ましい。乳化重合の場合の
乳化剤としては、パーフルオロオクタノイックアシドカ
リウム塩またはアンモニウム塩、パーフルオロオクタン
スルホン酸アンモニウム塩、高級アルコール硫酸エステ
ルナトリウム塩およびポリエチレングリコールエーテル
等が例示される。
【0017】懸濁重合の場合には懸濁安定剤を適量使用
しても良い。かかる懸濁安定剤としてはメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースおよびポリビニルアルコールなどが例
示される。好ましい重合条件における、好適な温度は2
0〜100℃、好適な圧力は1〜200atmおよび好
適な重合時間は3〜40時間である。必要により、PH
調整剤として、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ハ
イドロタルサイトおよび陰イオン交換樹脂等を加えても
よい。
しても良い。かかる懸濁安定剤としてはメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースおよびポリビニルアルコールなどが例
示される。好ましい重合条件における、好適な温度は2
0〜100℃、好適な圧力は1〜200atmおよび好
適な重合時間は3〜40時間である。必要により、PH
調整剤として、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ハ
イドロタルサイトおよび陰イオン交換樹脂等を加えても
よい。
【0018】本発明の製造方法により得られる好適なグ
ラフトポリマーは、樹脂とエラストマーの両性能を併せ
持つものであり、グラフト鎖(マクロモノマーセグメン
ト)がエラストマー的性質を有する場合は幹ポリマー鎖
が樹脂的性質を持ち、逆にグラフト鎖が樹脂的性質を有
する場合は幹ポリマー鎖がエラストマー的性質を持つも
のが好適である。なお、本発明では、エラストマー的性
質とはセグメントが融点を有しないか殆ど有せず、ガラ
ス転位温度(Tg)が室温以下であり、生ゴム状である
ものをいう。また、樹脂的性質とはセグメントが室温以
上の融点またはTgを有し、固体状であるものをいう。
ラフトポリマーは、樹脂とエラストマーの両性能を併せ
持つものであり、グラフト鎖(マクロモノマーセグメン
ト)がエラストマー的性質を有する場合は幹ポリマー鎖
が樹脂的性質を持ち、逆にグラフト鎖が樹脂的性質を有
する場合は幹ポリマー鎖がエラストマー的性質を持つも
のが好適である。なお、本発明では、エラストマー的性
質とはセグメントが融点を有しないか殆ど有せず、ガラ
ス転位温度(Tg)が室温以下であり、生ゴム状である
ものをいう。また、樹脂的性質とはセグメントが室温以
上の融点またはTgを有し、固体状であるものをいう。
【0019】エラストマー的性質を持たせたグラフト鎖
としては、マクロモノマーに含まれるフルオロオレフィ
ンとしてクロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデ
ンを重量比で80〜40/20〜60の割合の共重合さ
せたものならびにフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプ
ロピレンを重量比で55〜30/45〜70の割合で共
重合させたものなどが例示され、好ましくはクロロトリ
フルオロエチレン/フッ化ビニリデンの場合である。
としては、マクロモノマーに含まれるフルオロオレフィ
ンとしてクロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデ
ンを重量比で80〜40/20〜60の割合の共重合さ
せたものならびにフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプ
ロピレンを重量比で55〜30/45〜70の割合で共
重合させたものなどが例示され、好ましくはクロロトリ
フルオロエチレン/フッ化ビニリデンの場合である。
【0020】また、適度な樹脂的性質を持たせた幹ポリ
マー鎖としては、マクロモノマーに共重合させるフルオ
ロオレフィンとしてクロロトリフルオロエチレン、フッ
化ビニリデンならびにクロロトリフルオロエチレン/フ
ッ化ビニリデンが5〜40/95〜60または97〜8
0/3〜20(重量比)であるのが好ましい。
マー鎖としては、マクロモノマーに共重合させるフルオ
ロオレフィンとしてクロロトリフルオロエチレン、フッ
化ビニリデンならびにクロロトリフルオロエチレン/フ
ッ化ビニリデンが5〜40/95〜60または97〜8
0/3〜20(重量比)であるのが好ましい。
【0021】本発明における含フッ素グラフトポリマー
の組成は、フルオロオレフィン/マクロモノマー/その
他モノマーが25〜95/5〜50/0〜50(重量
比)であることが好ましく、ゲルパーミェーションクロ
マトグラフィで測定したポリスチレン換算の数平均分子
量が5000〜1000000であることが好ましい。
また、含フッ素グラフトポリマーを耐候性塗料基材とし
て使用する場合には、該グラフトポリマーが有機溶剤に
可溶であることが望ましい。
の組成は、フルオロオレフィン/マクロモノマー/その
他モノマーが25〜95/5〜50/0〜50(重量
比)であることが好ましく、ゲルパーミェーションクロ
マトグラフィで測定したポリスチレン換算の数平均分子
量が5000〜1000000であることが好ましい。
また、含フッ素グラフトポリマーを耐候性塗料基材とし
て使用する場合には、該グラフトポリマーが有機溶剤に
可溶であることが望ましい。
【0022】本発明の製造方法により得られた含フッ素
グラフトポリマーは熱可塑性を有し、単独で成形させて
使用する他に、ガラスクロスおよびポリステル繊維など
と複合させた膜材およびカーボンファイバーと混合させ
たコンポジット材料などに使用できる。また、有機溶剤
に溶解させて耐候性塗料として使用することもできる。
かかる有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンな
どのケトン系、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエス
テル系、ジメチルホルムアミドなどのアミド系ならびに
トルエンおよびキシレンなどの芳香族系が例示される。
また、架橋性モノマーを共重合させた場合は、ポリイソ
シアネートおよびメラミンなど硬化剤を併用し架橋させ
ることもできる。
グラフトポリマーは熱可塑性を有し、単独で成形させて
使用する他に、ガラスクロスおよびポリステル繊維など
と複合させた膜材およびカーボンファイバーと混合させ
たコンポジット材料などに使用できる。また、有機溶剤
に溶解させて耐候性塗料として使用することもできる。
かかる有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンな
どのケトン系、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエス
テル系、ジメチルホルムアミドなどのアミド系ならびに
トルエンおよびキシレンなどの芳香族系が例示される。
また、架橋性モノマーを共重合させた場合は、ポリイソ
シアネートおよびメラミンなど硬化剤を併用し架橋させ
ることもできる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて、具体的に説明する。
【0024】実施例1 (プレポリマーの合成)攪拌機を付けた2リットルのオ
ートクレーブにメタノール400g、ジノルマルプロピ
ルパーオキシジカーボネートを30g仕込み、脱気と窒
素置換を3回繰り返した後脱気し、クロロトリフルオロ
エチレン〔以下、「CTFE」という。〕400gとフ
ッ化ビニリデン〔以下、「VdF」という。〕を110
g仕込んだ。40℃まで昇温し24時間反応を行なった
ところ、圧力が25atmから20atmまで低下し
た。残圧をパージしてからオートクレーブを開放した。
メタノールを留去した後、ヘキサンに沈殿させて、半透
明ゴム状プレポリマー412gを得た。得られたプレポ
リマーの赤外吸収スペクトル〔以下、「IR」という〕
を測定した結果、3450cm-1付近にOHのピークおよ
び3000cm-1付近にC−Hのピークが観察された。ま
た、組成分析の結果、フッ素含量は50%、塩素含量は
23%であり、CTFE/VdFの重量比は78/22
(以下、組成は全て重量比を表す)であることを確認し
た。さらに、ゲルパーミェーションクロマトグラフィ−
〔以下、「GPC」という。〕を測定した結果、ポリス
チレン換算の数平均分子量〔以下、「Mn」という。〕
が4800および重量平均分子量〔以下、「Mw」とい
う。〕が6600であった。DSCの測定の結果、室温
以上で融点は観察されなかった。
ートクレーブにメタノール400g、ジノルマルプロピ
ルパーオキシジカーボネートを30g仕込み、脱気と窒
素置換を3回繰り返した後脱気し、クロロトリフルオロ
エチレン〔以下、「CTFE」という。〕400gとフ
ッ化ビニリデン〔以下、「VdF」という。〕を110
g仕込んだ。40℃まで昇温し24時間反応を行なった
ところ、圧力が25atmから20atmまで低下し
た。残圧をパージしてからオートクレーブを開放した。
メタノールを留去した後、ヘキサンに沈殿させて、半透
明ゴム状プレポリマー412gを得た。得られたプレポ
リマーの赤外吸収スペクトル〔以下、「IR」という〕
を測定した結果、3450cm-1付近にOHのピークおよ
び3000cm-1付近にC−Hのピークが観察された。ま
た、組成分析の結果、フッ素含量は50%、塩素含量は
23%であり、CTFE/VdFの重量比は78/22
(以下、組成は全て重量比を表す)であることを確認し
た。さらに、ゲルパーミェーションクロマトグラフィ−
〔以下、「GPC」という。〕を測定した結果、ポリス
チレン換算の数平均分子量〔以下、「Mn」という。〕
が4800および重量平均分子量〔以下、「Mw」とい
う。〕が6600であった。DSCの測定の結果、室温
以上で融点は観察されなかった。
【0025】(マクロモノマーの合成)攪拌機、滴下ロ
ート、温度計の付いた1リットルのフラスコに上記で得
たプレポリマー200gと酢酸エチル200gを仕込み
均一溶液にした後、トリエチルアミン5.5g、モノメ
トキシハイドロキノン0.5gを加え、40℃に加温し
た。次いでアクリル酸クロリド8.6gと酢酸エチル4
0gの混合溶液を滴下ロートから10分掛けて滴下し
た。4時間反応を行ない常温まで冷却した後、酢酸ブチ
ルを留去した後、大量の水で洗浄して、過剰のアクリル
酸クロリドとトリエチルアミンを除去した。50℃で乾
燥させて、182gのマクロモノマーを得た。上記マク
ロモノマーのIRを測定した結果、1750cm-1付近に
C=Oのピークおよび1650cm-1付近にC=Cのピー
クが観察され、OHに帰因するピークは殆ど消失してい
た。
ート、温度計の付いた1リットルのフラスコに上記で得
たプレポリマー200gと酢酸エチル200gを仕込み
均一溶液にした後、トリエチルアミン5.5g、モノメ
トキシハイドロキノン0.5gを加え、40℃に加温し
た。次いでアクリル酸クロリド8.6gと酢酸エチル4
0gの混合溶液を滴下ロートから10分掛けて滴下し
た。4時間反応を行ない常温まで冷却した後、酢酸ブチ
ルを留去した後、大量の水で洗浄して、過剰のアクリル
酸クロリドとトリエチルアミンを除去した。50℃で乾
燥させて、182gのマクロモノマーを得た。上記マク
ロモノマーのIRを測定した結果、1750cm-1付近に
C=Oのピークおよび1650cm-1付近にC=Cのピー
クが観察され、OHに帰因するピークは殆ど消失してい
た。
【0026】(グラフトポリマーの合成)攪拌機を付け
た1リットルのオートクレーブに水300g、酢酸エチ
ル100g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース〔メ
トロース60SH50:信越化学(株)製〕0.7g、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート2g、上記で
得たマクロモノマー20gを仕込み、脱気と窒素置換を
3回繰り返した後脱気した後、VdFを60g仕込み、
35℃に昇温し重合を開始した。24時間後に反応を終
了させ、残圧をパージし、水洗を3回繰り返した後、1
00℃で乾燥させて白色固体状ポリマーを65g得た。
このポリマーのDSCを測定したところ、150〜16
0℃に融点のピークが観察された。ソックスレー抽出器
を用い酢酸エチルで抽出したところ、不溶物が98%で
あり、IRにはマクロモノマーに帰因するC=Oのピー
クが観察された。塩素分析値は7.2%であり、VdF
/マクロモノマーの比は70/30であることを確認し
た。GPCの結果、得られたグラフトポリマーのMn=
78000、Mw=161000であった。
た1リットルのオートクレーブに水300g、酢酸エチ
ル100g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース〔メ
トロース60SH50:信越化学(株)製〕0.7g、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート2g、上記で
得たマクロモノマー20gを仕込み、脱気と窒素置換を
3回繰り返した後脱気した後、VdFを60g仕込み、
35℃に昇温し重合を開始した。24時間後に反応を終
了させ、残圧をパージし、水洗を3回繰り返した後、1
00℃で乾燥させて白色固体状ポリマーを65g得た。
このポリマーのDSCを測定したところ、150〜16
0℃に融点のピークが観察された。ソックスレー抽出器
を用い酢酸エチルで抽出したところ、不溶物が98%で
あり、IRにはマクロモノマーに帰因するC=Oのピー
クが観察された。塩素分析値は7.2%であり、VdF
/マクロモノマーの比は70/30であることを確認し
た。GPCの結果、得られたグラフトポリマーのMn=
78000、Mw=161000であった。
【0027】実施例2〜3 単量体を表1に示すように変更した以外、実施例1と同
様の方法で共重合を実施しグラフトポリマーを得た。
様の方法で共重合を実施しグラフトポリマーを得た。
【0028】実施例4 攪拌機を備えた1リットルのオートクレーブに酢酸エチ
ル290g、マクロモノマー(プレポリマー組成CTF
E/VdF=25/75、Mn=12900、Mw=1
8000;反応性基CH2=CHCOO-)50g、2−ヒドロキ
シエチルクロトネート(以下、「HECR」という。〕
25.2g、ピバリン酸ビニル80g〔以下、「VP
v」という。〕を仕込み、脱気と窒素置換を3回繰り返
した後脱気し、CTFEを150g仕込んだ。64℃ま
で昇温後、アゾビスイソブチロニトリル3.75gを圧
入し重合を開始した。その後14時間重合を行い、未反
応のCTFEをパージし、オートクレーブを開放して共
重合体溶液を得た。得られた溶液をヘキサン中に投入
し、洗浄乾燥し190gの共重合体を得た。得られた共
重合体をGPCで測定した結果、Mn=12600、M
w=26800であった。室温以上で観察されたガラス
転移温度は58℃であった。この共重合体の水酸基価は
45(mg−KOH/g−レジン)であり、共重合体の
組成は、CTFE/マクロモノマー/VPv/HECR
=33/21/36/10であった。この共重合体を固
形分50%になるようMEK/シクロヘキサノン溶媒に
溶解させて無色透明な溶液を得た。
ル290g、マクロモノマー(プレポリマー組成CTF
E/VdF=25/75、Mn=12900、Mw=1
8000;反応性基CH2=CHCOO-)50g、2−ヒドロキ
シエチルクロトネート(以下、「HECR」という。〕
25.2g、ピバリン酸ビニル80g〔以下、「VP
v」という。〕を仕込み、脱気と窒素置換を3回繰り返
した後脱気し、CTFEを150g仕込んだ。64℃ま
で昇温後、アゾビスイソブチロニトリル3.75gを圧
入し重合を開始した。その後14時間重合を行い、未反
応のCTFEをパージし、オートクレーブを開放して共
重合体溶液を得た。得られた溶液をヘキサン中に投入
し、洗浄乾燥し190gの共重合体を得た。得られた共
重合体をGPCで測定した結果、Mn=12600、M
w=26800であった。室温以上で観察されたガラス
転移温度は58℃であった。この共重合体の水酸基価は
45(mg−KOH/g−レジン)であり、共重合体の
組成は、CTFE/マクロモノマー/VPv/HECR
=33/21/36/10であった。この共重合体を固
形分50%になるようMEK/シクロヘキサノン溶媒に
溶解させて無色透明な溶液を得た。
【0029】
【表1】
【0030】試験例1〜3および比較試験例1〜2 実施例1〜3で得られた含フッ素グラフトポリマーをプ
レス成形(温度210℃)して厚さ1mmのシートを作
製し、引っ張り強度、伸びを測定した。また、同様に厚
み3mmのシートを作製して、目視で着色を評価すると
ともに、ASTM−D1484に準拠しショアD硬度を
測定した。それらの結果を表2に示す。比較試験例1お
よび2として、市販のPCTFEシートおよびセフラル
ソフトG150〔セントラル硝子(株)製含フッ素グラ
フトポリマー〕を用いて、試験例1と同様な試験を行
い、その結果を表2に示す。
レス成形(温度210℃)して厚さ1mmのシートを作
製し、引っ張り強度、伸びを測定した。また、同様に厚
み3mmのシートを作製して、目視で着色を評価すると
ともに、ASTM−D1484に準拠しショアD硬度を
測定した。それらの結果を表2に示す。比較試験例1お
よび2として、市販のPCTFEシートおよびセフラル
ソフトG150〔セントラル硝子(株)製含フッ素グラ
フトポリマー〕を用いて、試験例1と同様な試験を行
い、その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】試験例4 実施例4で得られた溶液に、タケネートD177N〔武
田薬品(株)製のポリイソシアネート〕を水酸基/イソ
シアネート=1/1(当量)になるように混合し、クロ
メート処理アルミ板にアプリケーターで膜厚35μmと
なるよう塗装した。常温で1週間乾燥後、デューサイク
ルサンシャインウェザーメーター〔スガ試験機(株)
製〕を用いて、ブラックパネル温度が63℃にて、照射
60分/暗黒60分のサイクルで促進耐候性試験を行
い、500時間試験後の60℃光沢保持率は80%と良
好であった。
田薬品(株)製のポリイソシアネート〕を水酸基/イソ
シアネート=1/1(当量)になるように混合し、クロ
メート処理アルミ板にアプリケーターで膜厚35μmと
なるよう塗装した。常温で1週間乾燥後、デューサイク
ルサンシャインウェザーメーター〔スガ試験機(株)
製〕を用いて、ブラックパネル温度が63℃にて、照射
60分/暗黒60分のサイクルで促進耐候性試験を行
い、500時間試験後の60℃光沢保持率は80%と良
好であった。
【0033】比較試験例3 CTFE/シクロヘキシルビニルーテル/エチルビニル
エーテル/ヒドロキシブチルビニルエーテル=50/3
0/10/10の組成で、Mn=12800の共重合体
を同様にして調製し、促進耐候性試験を行なった結果、
500時間後の60℃光沢保持率は55%であり、耐候
性に問題があることがわかった。
エーテル/ヒドロキシブチルビニルエーテル=50/3
0/10/10の組成で、Mn=12800の共重合体
を同様にして調製し、促進耐候性試験を行なった結果、
500時間後の60℃光沢保持率は55%であり、耐候
性に問題があることがわかった。
【0034】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られた含フッ素グ
ラフトポリマーは、伸びが大きいため加工性に優れ、さ
らに、耐熱性に優れるため、成形しても着色せず成形体
の美観が優れているので軟質フッ素樹脂として有用であ
る。また、本発明の製造方法で得られた含フッ素グラフ
トポリマーを有機溶剤に溶解させて塗料として使用すれ
ば高耐候性の塗膜が得られる。
ラフトポリマーは、伸びが大きいため加工性に優れ、さ
らに、耐熱性に優れるため、成形しても着色せず成形体
の美観が優れているので軟質フッ素樹脂として有用であ
る。また、本発明の製造方法で得られた含フッ素グラフ
トポリマーを有機溶剤に溶解させて塗料として使用すれ
ば高耐候性の塗膜が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】フルオロオレフィン単位を含むマクロモノ
マーとフルオロオレフィンを含む単量体をラジカル共重
合させることを特徴とする含フッ素グラフトポリマーの
製造方法。 - 【請求項2】マクロモノマーが下記式(1)で表され、
その数平均分子量が500〜200000である請求項
1記載の含フッ素グラフトポリマーの製造方法。 H(CFX−CYZ)n CHRO−A (1) (式中、X、YおよびZは水素原子、フッ素原子または
塩素原子を示し、Rは水素原子、メチル基またはエチル
基を示し、Aは不飽和結合を含む基を示し、nは正数を
示す。) - 【請求項3】マクロモノマーにおけるフルオロオレフィ
ン単位がクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン、フッ化ビニリデンおよびトリフルオロエチレ
ンから選択された1種類以上の単位である請求項1また
は請求項2記載の含フッ素グラフトポリマーの製造方
法。 - 【請求項4】マクロモノマーとラジカル共重合させるフ
ルオロオレフィンがクロロフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチ
レン、ヘキサフルオロプロピレンおよびパーフルオロア
ルコキシビニルエーテルから選択された1種類以上であ
る請求項1〜請求項3のいずれかに記載の含フッ素グラ
フトポリマーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29461796A JPH10120738A (ja) | 1996-10-17 | 1996-10-17 | 含フッ素グラフトポリマーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29461796A JPH10120738A (ja) | 1996-10-17 | 1996-10-17 | 含フッ素グラフトポリマーの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10120738A true JPH10120738A (ja) | 1998-05-12 |
Family
ID=17810083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29461796A Pending JPH10120738A (ja) | 1996-10-17 | 1996-10-17 | 含フッ素グラフトポリマーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10120738A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100420152B1 (ko) * | 2002-02-27 | 2004-03-02 | 삼성에스디아이 주식회사 | 불소계 그래프트 코폴리머, 이를 포함하는 고분자 전해질및 이를 채용한 리튬 2차 전지 |
WO2006114958A1 (ja) * | 2005-04-21 | 2006-11-02 | Asahi Glass Company, Limited | 光硬化性組成物、微細パターン形成体およびその製造方法 |
JP2012131877A (ja) * | 2010-12-21 | 2012-07-12 | Toray Fine Chemicals Co Ltd | 被覆用組成物 |
EP3271407A4 (en) * | 2015-03-16 | 2018-08-22 | Arkema, Inc. | Modified fluoropolymers |
WO2019208707A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | Agc株式会社 | 変性ポリテトラフルオロエチレンの製造方法、変性ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法、延伸多孔体の製造方法 |
US20210043934A1 (en) * | 2018-04-27 | 2021-02-11 | Lg Chem, Ltd. | Lithium secondary battery and manufacturing method thereof |
-
1996
- 1996-10-17 JP JP29461796A patent/JPH10120738A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100420152B1 (ko) * | 2002-02-27 | 2004-03-02 | 삼성에스디아이 주식회사 | 불소계 그래프트 코폴리머, 이를 포함하는 고분자 전해질및 이를 채용한 리튬 2차 전지 |
WO2006114958A1 (ja) * | 2005-04-21 | 2006-11-02 | Asahi Glass Company, Limited | 光硬化性組成物、微細パターン形成体およびその製造方法 |
JP5286784B2 (ja) * | 2005-04-21 | 2013-09-11 | 旭硝子株式会社 | 光硬化性組成物、微細パターン形成体およびその製造方法 |
US8540925B2 (en) | 2005-04-21 | 2013-09-24 | Asahi Glass Company, Limited | Photocurable composition, micropattern-formed product and its production process |
JP2012131877A (ja) * | 2010-12-21 | 2012-07-12 | Toray Fine Chemicals Co Ltd | 被覆用組成物 |
EP3271407A4 (en) * | 2015-03-16 | 2018-08-22 | Arkema, Inc. | Modified fluoropolymers |
US11643484B2 (en) | 2015-03-16 | 2023-05-09 | Arkema Inc. | Modified fluoropolymers |
WO2019208707A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | Agc株式会社 | 変性ポリテトラフルオロエチレンの製造方法、変性ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法、延伸多孔体の製造方法 |
US20210043934A1 (en) * | 2018-04-27 | 2021-02-11 | Lg Chem, Ltd. | Lithium secondary battery and manufacturing method thereof |
JPWO2019208707A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2021-05-13 | Agc株式会社 | 変性ポリテトラフルオロエチレンの製造方法、変性ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法、延伸多孔体の製造方法 |
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