JPH10116681A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
誘導加熱調理器Info
- Publication number
- JPH10116681A JPH10116681A JP26959696A JP26959696A JPH10116681A JP H10116681 A JPH10116681 A JP H10116681A JP 26959696 A JP26959696 A JP 26959696A JP 26959696 A JP26959696 A JP 26959696A JP H10116681 A JPH10116681 A JP H10116681A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heating coil
- magnetic field
- magnetic
- circular
- induction heating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【課題】 非円形加熱コイルから周囲に漏洩する磁界の
少ない安価な誘導加熱調理器を提供すること。 【解決手段】 フェライトコア8a,8bのなす角度と
フェライトコア8c,8dのなす角度を、フェライトコ
ア8b,8cのなす角度とフェライトコア8d,8aの
なす角度より小さくすることにより、楕円形状の加熱コ
イル6から発生して周囲に漏洩する磁界強度を無指向性
に近付けることができる。
少ない安価な誘導加熱調理器を提供すること。 【解決手段】 フェライトコア8a,8bのなす角度と
フェライトコア8c,8dのなす角度を、フェライトコ
ア8b,8cのなす角度とフェライトコア8d,8aの
なす角度より小さくすることにより、楕円形状の加熱コ
イル6から発生して周囲に漏洩する磁界強度を無指向性
に近付けることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱コイルから発
生する磁界を低減する磁気シールド手段を備えた誘導加
熱調理器に関するものである。
生する磁界を低減する磁気シールド手段を備えた誘導加
熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高周波磁界により負荷鍋底に渦電
流を誘起して加熱する誘導加熱調理器は、高出力化が図
られ、それにともない周囲に漏洩する磁界を抑制するこ
とが必要となってきている。
流を誘起して加熱する誘導加熱調理器は、高出力化が図
られ、それにともない周囲に漏洩する磁界を抑制するこ
とが必要となってきている。
【0003】以下に従来の誘導加熱調理器について説明
する。図9(a)は従来の誘導加熱調理器の加熱コイル
の構成を示す平面図で、加熱コイル1は楕円状に巻かれ
加熱コイル保持台2の上に載置されている。また、図9
(b)の断面図に示すように、加熱コイル1上部にはト
ッププレート4が設けられ、その上に負荷鍋5を載置す
る。
する。図9(a)は従来の誘導加熱調理器の加熱コイル
の構成を示す平面図で、加熱コイル1は楕円状に巻かれ
加熱コイル保持台2の上に載置されている。また、図9
(b)の断面図に示すように、加熱コイル1上部にはト
ッププレート4が設けられ、その上に負荷鍋5を載置す
る。
【0004】加熱コイル保持台2の下面には同一形状の
4本の略直方体形状の棒状のフェライトコア3a〜3d
が、それぞれ加熱コイル1の外周付近から加熱コイル1
の中心方向にわたって設けられ、またフェライトとフェ
ライトの間の間隔(角度)はほぼ等間隔(等角度)、す
なわちそれぞれ隣あうフェライトコア間の角度が約90
度となっている。
4本の略直方体形状の棒状のフェライトコア3a〜3d
が、それぞれ加熱コイル1の外周付近から加熱コイル1
の中心方向にわたって設けられ、またフェライトとフェ
ライトの間の間隔(角度)はほぼ等間隔(等角度)、す
なわちそれぞれ隣あうフェライトコア間の角度が約90
度となっている。
【0005】またフェライトコア3a〜3dの上面と、
加熱コイル1の下面との間の距離はほぼ等しく、加熱コ
イル1の内周縁からフェライト3a〜3dの内側端部ま
での距離がすべて略等しくなるようにして接着されてい
る。そして加熱コイル保持台2は誘導加熱調理器の筐体
の上部に固定され、負荷鍋5を載置するトッププレート
4の下方に加熱コイル1が配置されている。
加熱コイル1の下面との間の距離はほぼ等しく、加熱コ
イル1の内周縁からフェライト3a〜3dの内側端部ま
での距離がすべて略等しくなるようにして接着されてい
る。そして加熱コイル保持台2は誘導加熱調理器の筐体
の上部に固定され、負荷鍋5を載置するトッププレート
4の下方に加熱コイル1が配置されている。
【0006】上記構成において、加熱コイル1にインバ
ータから高周波電流を供給すると加熱コイル1から磁界
が発生し、トッププレート4上の負荷鍋5に磁束が鎖交
し、負荷鍋5に誘導電流を発生させジュール熱により負
荷鍋5を加熱する。加熱コイル1の下方にも磁界が発生
するが、フェライトコア3a〜3dが配設されているの
で、下方の磁束はフェライトコア3a〜3dに集中し、
磁束が下方へ広がるのを防止する。
ータから高周波電流を供給すると加熱コイル1から磁界
が発生し、トッププレート4上の負荷鍋5に磁束が鎖交
し、負荷鍋5に誘導電流を発生させジュール熱により負
荷鍋5を加熱する。加熱コイル1の下方にも磁界が発生
するが、フェライトコア3a〜3dが配設されているの
で、下方の磁束はフェライトコア3a〜3dに集中し、
磁束が下方へ広がるのを防止する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の誘導
加熱調理器において、加熱コイル1に高周波電流を供給
し、誘導加熱調理器周囲の磁界を測定して等磁界の点を
結ぶと、平面的に図10に示すようになり、楕円状の磁
界分布を示し、加熱コイル1の長径方向の漏洩磁界が強
くなってしまうという課題があった。
加熱調理器において、加熱コイル1に高周波電流を供給
し、誘導加熱調理器周囲の磁界を測定して等磁界の点を
結ぶと、平面的に図10に示すようになり、楕円状の磁
界分布を示し、加熱コイル1の長径方向の漏洩磁界が強
くなってしまうという課題があった。
【0008】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、非円形の加熱コイルを有する誘導加熱調理器から発
生する磁界が特定の方向で強くなるのを抑制することを
目的とする。
で、非円形の加熱コイルを有する誘導加熱調理器から発
生する磁界が特定の方向で強くなるのを抑制することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、負荷の近傍に前記負荷と対向して配置され
平面投影形状において中心(加熱コイル内周縁の形成す
る形状の略中心)から外周縁までの距離が略一定でない
非円形加熱コイルと、前記非円形加熱コイルに高周波電
流を供給する周波数変換装置と、前記負荷の位置する側
と反対側の前記非円形加熱コイル近傍に位置し、前記非
円形加熱コイル中心周囲に間隔を設けて、前記非円形加
熱コイルの外周付近から略中心方向に配設された複数の
磁性体を備え、前記非円形加熱コイルの磁界分布の指向
性に応じて前記磁性体の分布を変更し、前記非円形加熱
コイルの磁界分布を無指向性に近付ける指向性緩和手段
とするものである。
に本発明は、負荷の近傍に前記負荷と対向して配置され
平面投影形状において中心(加熱コイル内周縁の形成す
る形状の略中心)から外周縁までの距離が略一定でない
非円形加熱コイルと、前記非円形加熱コイルに高周波電
流を供給する周波数変換装置と、前記負荷の位置する側
と反対側の前記非円形加熱コイル近傍に位置し、前記非
円形加熱コイル中心周囲に間隔を設けて、前記非円形加
熱コイルの外周付近から略中心方向に配設された複数の
磁性体を備え、前記非円形加熱コイルの磁界分布の指向
性に応じて前記磁性体の分布を変更し、前記非円形加熱
コイルの磁界分布を無指向性に近付ける指向性緩和手段
とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、加熱コイ
ルに周波数変換装置から高周波電流を供給すると、加熱
コイルの巻線の構成する面(以下加熱コイル面と呼ぶ)
の両側に磁束を発生し、その片側近傍に対向して置かれ
た負荷を加熱する。一方、負荷の位置する側と反対側の
加熱コイル近傍に位置し加熱コイルの中心周囲に間隔を
設けて、加熱コイルの外周付近から略中心方向にわたっ
て配設された複数のフェライトコアなどの磁性体を備え
ているので、加熱コイル面の磁性体の設けられた側に発
生した高周波磁束は磁性体に集中して、磁束が負荷側以
外の空間に広がるのを抑制する。
ルに周波数変換装置から高周波電流を供給すると、加熱
コイルの巻線の構成する面(以下加熱コイル面と呼ぶ)
の両側に磁束を発生し、その片側近傍に対向して置かれ
た負荷を加熱する。一方、負荷の位置する側と反対側の
加熱コイル近傍に位置し加熱コイルの中心周囲に間隔を
設けて、加熱コイルの外周付近から略中心方向にわたっ
て配設された複数のフェライトコアなどの磁性体を備え
ているので、加熱コイル面の磁性体の設けられた側に発
生した高周波磁束は磁性体に集中して、磁束が負荷側以
外の空間に広がるのを抑制する。
【0011】また、各磁性体は加熱コイルの中心から見
て、磁性体の配設された方向あるいはその180度反対
方向付近の磁界強度を低減する効果を有している。ま
た、加熱コイルの中心から見て特定の方向の磁性体の分
布密度を他の方向より大きくしているので、磁性体によ
り集束される磁束がその方向で大きくなり、その方向付
近での加熱コイルから発生する磁界強度の抑制レベルを
他の方向よりも大きくすることができる。すなわち複数
の磁性体の分布密度を方向によって変更することにより
誘導加熱調理器周囲の磁束分布の指向性を変えることが
できる。
て、磁性体の配設された方向あるいはその180度反対
方向付近の磁界強度を低減する効果を有している。ま
た、加熱コイルの中心から見て特定の方向の磁性体の分
布密度を他の方向より大きくしているので、磁性体によ
り集束される磁束がその方向で大きくなり、その方向付
近での加熱コイルから発生する磁界強度の抑制レベルを
他の方向よりも大きくすることができる。すなわち複数
の磁性体の分布密度を方向によって変更することにより
誘導加熱調理器周囲の磁束分布の指向性を変えることが
できる。
【0012】一方、加熱コイルは平面投影形状において
中心から外周縁までの距離が一定でない非円形であるの
で、負荷となる鍋底の加熱面を円形以外の形にできると
いう利点があるが、加熱コイルの中心から外周縁までの
距離が長くなる方向において、他の方向より磁界が強く
なり、磁界分布は指向性を有するものとなる。
中心から外周縁までの距離が一定でない非円形であるの
で、負荷となる鍋底の加熱面を円形以外の形にできると
いう利点があるが、加熱コイルの中心から外周縁までの
距離が長くなる方向において、他の方向より磁界が強く
なり、磁界分布は指向性を有するものとなる。
【0013】この加熱コイル形状に依存した指向性のあ
る磁界分布に応じて、上記の複数の磁性体の分布を均一
な配置でないように変更し、加熱コイルの加熱コイルか
ら発生する磁界分布の指向性緩和手段をとすることによ
り、方向により磁界強度が大きく変化しない略等方向性
に近付けることが可能となり、誘導加熱調理器の特定の
方向で磁界が強くなるのを抑制し、漏洩磁界を低減する
ことができるものである。
る磁界分布に応じて、上記の複数の磁性体の分布を均一
な配置でないように変更し、加熱コイルの加熱コイルか
ら発生する磁界分布の指向性緩和手段をとすることによ
り、方向により磁界強度が大きく変化しない略等方向性
に近付けることが可能となり、誘導加熱調理器の特定の
方向で磁界が強くなるのを抑制し、漏洩磁界を低減する
ことができるものである。
【0014】請求項2記載の発明は、複数の磁性体のう
ち一組以上の隣あうふたつの磁性体間の距離あるいは、
なす角度を、その他の隣あうふたつの磁性体の距離ある
いは、なす角度より小とし、特定の方向で磁界分布の抑
制効果を高めた非円形加熱コイルによる磁界分布の指向
性緩和手段を設けたので、非円形加熱コイルの形状に起
因する磁界分布の指向性を緩和して無指向性に近付け、
特定の方向での磁界の増大を抑制することができるもの
である。
ち一組以上の隣あうふたつの磁性体間の距離あるいは、
なす角度を、その他の隣あうふたつの磁性体の距離ある
いは、なす角度より小とし、特定の方向で磁界分布の抑
制効果を高めた非円形加熱コイルによる磁界分布の指向
性緩和手段を設けたので、非円形加熱コイルの形状に起
因する磁界分布の指向性を緩和して無指向性に近付け、
特定の方向での磁界の増大を抑制することができるもの
である。
【0015】請求項3記載の発明は、前記加熱コイルの
中心から外周までの距離に応じて前記磁性体の分布密度
を変更して前記非円形加熱コイルから発生する磁界分布
の指向性緩和手段としたので、非円形加熱コイルの中心
から外周縁までの距離が略一定でないことに起因する磁
界分布の指向性を緩和して無指向性に近付け、特定の方
向での磁界の増大を抑制することができるものである。
中心から外周までの距離に応じて前記磁性体の分布密度
を変更して前記非円形加熱コイルから発生する磁界分布
の指向性緩和手段としたので、非円形加熱コイルの中心
から外周縁までの距離が略一定でないことに起因する磁
界分布の指向性を緩和して無指向性に近付け、特定の方
向での磁界の増大を抑制することができるものである。
【0016】請求項4記載の発明は、複数の磁性体のう
ちひとつ以上の磁性体と非円形加熱コイルの間隔を、そ
れ以外の前記磁性体と非円形加熱コイルとの間隔より小
さくして、特定の方向において他の方向と磁性体と非円
形加熱コイルとの磁気結合状態を変え、磁性体の配列に
よる磁界の集束効果に方向性をもたせ、その方向性を利
用して非円形加熱コイルの非円形形状に起因する磁界分
布における特定方向の指向性の強さを緩和し、非円形加
熱コイルから発生する磁界分布を等方向性に近づけ、漏
洩磁界を抑制することができるものである。
ちひとつ以上の磁性体と非円形加熱コイルの間隔を、そ
れ以外の前記磁性体と非円形加熱コイルとの間隔より小
さくして、特定の方向において他の方向と磁性体と非円
形加熱コイルとの磁気結合状態を変え、磁性体の配列に
よる磁界の集束効果に方向性をもたせ、その方向性を利
用して非円形加熱コイルの非円形形状に起因する磁界分
布における特定方向の指向性の強さを緩和し、非円形加
熱コイルから発生する磁界分布を等方向性に近づけ、漏
洩磁界を抑制することができるものである。
【0017】請求項5記載の発明は、複数の磁性体のう
ちひとつ以上の磁性体の、非円形加熱コイル内周縁から
の距離を他の磁性体の位置に比して、加熱コイルの外側
あるいは内側にずらせて、非円形加熱コイルとの相対的
位置関係を異ならせ、特定の方向において他の方向と磁
性体と非円形加熱コイルとの磁気結合状態を変え、磁性
体の配列による磁界の集束効果に方向性をもたせ、その
方向性を利用して非円形加熱コイルの非円形形状に伴う
磁界分布における特定方向の指向性の強さを緩和し、非
円形加熱コイルから発生する磁界分布を等方向性に近づ
け、漏洩磁界を抑制することができるものである。
ちひとつ以上の磁性体の、非円形加熱コイル内周縁から
の距離を他の磁性体の位置に比して、加熱コイルの外側
あるいは内側にずらせて、非円形加熱コイルとの相対的
位置関係を異ならせ、特定の方向において他の方向と磁
性体と非円形加熱コイルとの磁気結合状態を変え、磁性
体の配列による磁界の集束効果に方向性をもたせ、その
方向性を利用して非円形加熱コイルの非円形形状に伴う
磁界分布における特定方向の指向性の強さを緩和し、非
円形加熱コイルから発生する磁界分布を等方向性に近づ
け、漏洩磁界を抑制することができるものである。
【0018】請求項6記載の発明は、非円形加熱コイル
の磁界分布の指向性に応じて複数の磁性体のうちひとつ
以上の磁性体の形状を、他の磁性体の形状と異ならせ、
磁性体による磁界の集束効果に方向性をもたせ、その磁
界集束効果の方向性を利用して非円形加熱コイルの非円
形形状に起因する磁界分布における特定方向の指向性の
強さを緩和し、非円形加熱コイルから発生する磁界分布
を等方向性に近づけ、漏洩磁界を抑制することができる
ものである。
の磁界分布の指向性に応じて複数の磁性体のうちひとつ
以上の磁性体の形状を、他の磁性体の形状と異ならせ、
磁性体による磁界の集束効果に方向性をもたせ、その磁
界集束効果の方向性を利用して非円形加熱コイルの非円
形形状に起因する磁界分布における特定方向の指向性の
強さを緩和し、非円形加熱コイルから発生する磁界分布
を等方向性に近づけ、漏洩磁界を抑制することができる
ものである。
【0019】請求項7記載の発明は、非円形加熱コイル
の中心から外周までの距離の不均一に起因する磁界分布
の指向性を、特定の方向に配置された磁性体の長さある
いは断面積を変更することによって緩和し、非円形加熱
コイルから発生する磁界分布を等方向性に近づけ、漏洩
磁界を抑制することができるものである。
の中心から外周までの距離の不均一に起因する磁界分布
の指向性を、特定の方向に配置された磁性体の長さある
いは断面積を変更することによって緩和し、非円形加熱
コイルから発生する磁界分布を等方向性に近づけ、漏洩
磁界を抑制することができるものである。
【0020】請求項8記載の発明は、非円形加熱コイル
の外周近傍に連設され、非円形加熱コイルの発生する磁
束により誘導電流を発生する磁気シールド用導電部材を
設けたので、磁気シールド用導線部材から発生する磁束
により漏洩磁束低減効果を高めるとともに、磁気シール
ド用導電部材の形状や非円形加熱コイルとの間の距離を
変えることによっても、指向性を低減することが可能と
なるので、複数の磁性体の指向性緩和効果と合わせて、
より効果的に非円形加熱コイルの非円形形状に伴う磁界
分布における特定方向の指向性の強さを緩和し、あるい
は容易に漏洩磁束を低減することが可能となる。
の外周近傍に連設され、非円形加熱コイルの発生する磁
束により誘導電流を発生する磁気シールド用導電部材を
設けたので、磁気シールド用導線部材から発生する磁束
により漏洩磁束低減効果を高めるとともに、磁気シール
ド用導電部材の形状や非円形加熱コイルとの間の距離を
変えることによっても、指向性を低減することが可能と
なるので、複数の磁性体の指向性緩和効果と合わせて、
より効果的に非円形加熱コイルの非円形形状に伴う磁界
分布における特定方向の指向性の強さを緩和し、あるい
は容易に漏洩磁束を低減することが可能となる。
【0021】
(実施例1)以下本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
照しながら説明する。
【0022】図1の平面図に示すように、加熱コイル6
がコイル保持台7の上に固定され、透磁率が高く磁束集
束効果のあるフェライト製のほぼ直方体形状をした4本
のフェアイトコア8a,8b,8c,8dがコイル保持
台7の下部に接着固定されている。また図2の側断面図
に示すように加熱コイル6の上部にトッププレート9と
負荷鍋10が配置される。
がコイル保持台7の上に固定され、透磁率が高く磁束集
束効果のあるフェライト製のほぼ直方体形状をした4本
のフェアイトコア8a,8b,8c,8dがコイル保持
台7の下部に接着固定されている。また図2の側断面図
に示すように加熱コイル6の上部にトッププレート9と
負荷鍋10が配置される。
【0023】図1において、フェライトコア8aとフェ
ライトコア8bのなす角度およびフェライトコア8cと
フェライトコア8dのなす角度は70度で、フェライト
コア8bとフェライトコア8cのなす角度およびフェラ
イトコア8aとフェライトコア8dのなす角度は110
度である。
ライトコア8bのなす角度およびフェライトコア8cと
フェライトコア8dのなす角度は70度で、フェライト
コア8bとフェライトコア8cのなす角度およびフェラ
イトコア8aとフェライトコア8dのなす角度は110
度である。
【0024】以上のように構成された誘導加熱調理器に
ついて、その動作を説明する。加熱コイル6にインバー
タから高周波電流が供給されると、加熱コイル6から磁
界が発生してトッププレート9に載置された鉄などの金
属製の負荷鍋10の鍋底にその磁界が鎖交し渦電流が発
生し、負荷鍋10の鍋底がジュール熱により発熱する。
ついて、その動作を説明する。加熱コイル6にインバー
タから高周波電流が供給されると、加熱コイル6から磁
界が発生してトッププレート9に載置された鉄などの金
属製の負荷鍋10の鍋底にその磁界が鎖交し渦電流が発
生し、負荷鍋10の鍋底がジュール熱により発熱する。
【0025】加熱コイル6から発生した磁力線は、加熱
コイル6の上方では負荷鍋10の鍋底に鎖交するととも
に、加熱コイル6の下方ではフェライトコア8a〜8d
に集中する。機器周囲の漏洩磁界を測定するために、ル
ープアンテナを使用することとし、加熱コイル6とルー
プアンテナを大地から約1mの高さになるよう設置し、
機器から3m離れた地点にて、ループアンテナを大地に
垂直に設置し、機器を回転させながらループアンテナに
よりインバータの基本発振周波数25kHzにおける最
大磁界強度を測定すると図3の実線Bで示すように機器
の方向によってほぼ一定となる無指向性の磁界分布に近
づく。
コイル6の上方では負荷鍋10の鍋底に鎖交するととも
に、加熱コイル6の下方ではフェライトコア8a〜8d
に集中する。機器周囲の漏洩磁界を測定するために、ル
ープアンテナを使用することとし、加熱コイル6とルー
プアンテナを大地から約1mの高さになるよう設置し、
機器から3m離れた地点にて、ループアンテナを大地に
垂直に設置し、機器を回転させながらループアンテナに
よりインバータの基本発振周波数25kHzにおける最
大磁界強度を測定すると図3の実線Bで示すように機器
の方向によってほぼ一定となる無指向性の磁界分布に近
づく。
【0026】図3において、中心からの長さが測定され
た磁界強度に対応し、角度は機器の回転角度に対応し、
機器を図2の断面図の正面側がループアンテナの方向を
向いた場合を0度とし、すなわち図2のフェラトコア8
aの方向とフェライトコア8dの方向の中間の方向を0
度とし、機器を加熱コイル6の中心をセンターとして時
計回りに回転した角度であり、磁界強度はループアンテ
ナを回転して測定できる最大磁界強度を測定してプロッ
トしている。
た磁界強度に対応し、角度は機器の回転角度に対応し、
機器を図2の断面図の正面側がループアンテナの方向を
向いた場合を0度とし、すなわち図2のフェラトコア8
aの方向とフェライトコア8dの方向の中間の方向を0
度とし、機器を加熱コイル6の中心をセンターとして時
計回りに回転した角度であり、磁界強度はループアンテ
ナを回転して測定できる最大磁界強度を測定してプロッ
トしている。
【0027】また、図3において、破線Aで示す水平的
な磁界分布の測定結果は、図9(a),(b)で示す従
来の構成でのものであり、フェライトコア3a〜3dを
均等な角度間隔を設けて加熱コイル1の中心周囲に配置
した場合のものである。この場合には、加熱コイル1中
心からみて90度と270度の方向の磁界が強い有指向
性の分布となっている。一方、図3の実線Bは図1,図
2で示す構成での磁界分布の測定結果を示す。この場合
には、方向によりほとんど磁界強度が変化しない無指向
性となっており、図3の破線線Aの従来の構成の場合に
比して、0度と180度の方向では若干増えているが9
0度と270度の方向での漏洩磁界は大きく低減する。
な磁界分布の測定結果は、図9(a),(b)で示す従
来の構成でのものであり、フェライトコア3a〜3dを
均等な角度間隔を設けて加熱コイル1の中心周囲に配置
した場合のものである。この場合には、加熱コイル1中
心からみて90度と270度の方向の磁界が強い有指向
性の分布となっている。一方、図3の実線Bは図1,図
2で示す構成での磁界分布の測定結果を示す。この場合
には、方向によりほとんど磁界強度が変化しない無指向
性となっており、図3の破線線Aの従来の構成の場合に
比して、0度と180度の方向では若干増えているが9
0度と270度の方向での漏洩磁界は大きく低減する。
【0028】従来の図9(a)のようにフェライトコア
を加熱コイル1の中心周囲に均等な角度差を設けて配置
した場合には、筐体内に加熱コイル1を組み込んだと
き、加熱コイル1の磁界分布を乱すものがなければ、加
熱コイル1の形状が楕円状であるので、磁界分布も楕円
状となり、楕円の長径方向の磁界が強くなり、有指向性
の磁界分布となる。
を加熱コイル1の中心周囲に均等な角度差を設けて配置
した場合には、筐体内に加熱コイル1を組み込んだと
き、加熱コイル1の磁界分布を乱すものがなければ、加
熱コイル1の形状が楕円状であるので、磁界分布も楕円
状となり、楕円の長径方向の磁界が強くなり、有指向性
の磁界分布となる。
【0029】しかしながら、図1において、フェライト
コア8aと8bの各々の中心線のなす角度および、フェ
ライトコア8cと8dの各々の中心線のなす角度がフェ
ライトコア8bとフェライトコア8cの各々の中心線の
なす角度および、フェライトコア8aと8dの各々の中
心線のなす角度より狭くなっているので、楕円形状の加
熱コイル6の中心から見て、長径方向において短径方向
よりもフェライトコアの分布密度が大きくなる。その結
果、フェライトコアによる磁束集束効果がその方向で大
きくなり、長径方向の磁界分布の水平方向の広がりが縮
小し、ほぼ指向性のない分布とすることができる。
コア8aと8bの各々の中心線のなす角度および、フェ
ライトコア8cと8dの各々の中心線のなす角度がフェ
ライトコア8bとフェライトコア8cの各々の中心線の
なす角度および、フェライトコア8aと8dの各々の中
心線のなす角度より狭くなっているので、楕円形状の加
熱コイル6の中心から見て、長径方向において短径方向
よりもフェライトコアの分布密度が大きくなる。その結
果、フェライトコアによる磁束集束効果がその方向で大
きくなり、長径方向の磁界分布の水平方向の広がりが縮
小し、ほぼ指向性のない分布とすることができる。
【0030】以上のように、本実施例によれば負荷鍋1
0の位置する側と反対側の加熱コイル6近傍、すなわち
加熱コイル6の下方近傍で、加熱コイル6の中心周囲に
間隔を設けて配置された4本の略同形状の棒状フェライ
トコアにおいて、フェライトコア8a,8bおよびフェ
ライトコア8c,8dのなす角度を、他の隣あうフェラ
イトコアの組合せ、すなわちフェライトコア8b,8c
およびフェライトコア8a,8dのそれぞれがなす角度
より小さくして、楕円形状の加熱コイル6の中心からみ
て、その長径方向付近の磁界分布抑制効果を短径方向よ
り大きくする構成の加熱コイル6から発生する磁界分布
の指向性緩和手段を設けることにより、加熱コイル6か
ら機器周囲に漏洩する磁界の水平磁界分布を無指向性に
近付けて漏洩磁界を抑制することができるものである。
0の位置する側と反対側の加熱コイル6近傍、すなわち
加熱コイル6の下方近傍で、加熱コイル6の中心周囲に
間隔を設けて配置された4本の略同形状の棒状フェライ
トコアにおいて、フェライトコア8a,8bおよびフェ
ライトコア8c,8dのなす角度を、他の隣あうフェラ
イトコアの組合せ、すなわちフェライトコア8b,8c
およびフェライトコア8a,8dのそれぞれがなす角度
より小さくして、楕円形状の加熱コイル6の中心からみ
て、その長径方向付近の磁界分布抑制効果を短径方向よ
り大きくする構成の加熱コイル6から発生する磁界分布
の指向性緩和手段を設けることにより、加熱コイル6か
ら機器周囲に漏洩する磁界の水平磁界分布を無指向性に
近付けて漏洩磁界を抑制することができるものである。
【0031】基本的には、上記のように加熱コイル6の
中心から外周までの距離に応じて、すなわち、その距離
が大きい方向ほどフェライトコアの分布密度を大きくす
れば加熱コイル6磁界分布の指向性は緩和される。
中心から外周までの距離に応じて、すなわち、その距離
が大きい方向ほどフェライトコアの分布密度を大きくす
れば加熱コイル6磁界分布の指向性は緩和される。
【0032】一方、加熱コイル6からの磁界分布の指向
性は、機器を構成する金属製の筐体や内部の部品の影響
によっても生じるので、その影響も考慮して、磁界の測
定結果から判断してフェライトコア間の角度を変更する
ことにより無指向性の磁界分布に近付けることができ、
容易に漏洩磁界を抑制することができる。
性は、機器を構成する金属製の筐体や内部の部品の影響
によっても生じるので、その影響も考慮して、磁界の測
定結果から判断してフェライトコア間の角度を変更する
ことにより無指向性の磁界分布に近付けることができ、
容易に漏洩磁界を抑制することができる。
【0033】また、フェライトコアの総本数を増やせ
ば、指向性の変更を微妙にできるようになるので、必要
に応じて増減すればよい。
ば、指向性の変更を微妙にできるようになるので、必要
に応じて増減すればよい。
【0034】また、フェライトコア間の角度とは加熱コ
イルの上方から見た場合のフェライトコアの中心線のな
す角度で、特定のコア間の角度が0度、すなわち平行に
して並べて、特定方向の磁性体の分布密度を高めてもよ
い。フェライトコアと加熱コイルの間隔はすべて一様で
なくても、フェライトコア間の角度を調整することによ
り、加熱コイルから発生する磁界分布を無指向性に近付
け漏洩磁界を抑制することができる。また、フェライト
コアの形状もかならずしも一定でなくても、同様にフェ
ライトコア間の角度を調整することにより加熱コイルの
発生する磁界を抑制することができる。
イルの上方から見た場合のフェライトコアの中心線のな
す角度で、特定のコア間の角度が0度、すなわち平行に
して並べて、特定方向の磁性体の分布密度を高めてもよ
い。フェライトコアと加熱コイルの間隔はすべて一様で
なくても、フェライトコア間の角度を調整することによ
り、加熱コイルから発生する磁界分布を無指向性に近付
け漏洩磁界を抑制することができる。また、フェライト
コアの形状もかならずしも一定でなくても、同様にフェ
ライトコア間の角度を調整することにより加熱コイルの
発生する磁界を抑制することができる。
【0035】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて図4と図5により説明する。図5は図4のA−
A’における側断面図である。第1の実施例と異なる点
は、4本のフェライトコアが等しい角度間隔(90度)
を設けて、加熱コイル11の下方に設けられ、楕円形状
の長径方向に位置する2本のフェライトコア13b,1
3dの上面と加熱コイル11の下面との距離がh1=2
mm短径方向に位置するフェライトコア13a,13c
の上面と加熱コイル11の下面との距離がh2=4mm
となっていることで、加熱コイル11と前記のコアの距
離を確保するために、コイル保持台12の厚みが部分的
に異なり、フェライトコア13a,13cの接着部のコ
イル保持台12の厚みがフェライトコア13b,13d
の接着部より厚くなっている。それ以外の構成は実施例
1の図1,図2と同様である。
ついて図4と図5により説明する。図5は図4のA−
A’における側断面図である。第1の実施例と異なる点
は、4本のフェライトコアが等しい角度間隔(90度)
を設けて、加熱コイル11の下方に設けられ、楕円形状
の長径方向に位置する2本のフェライトコア13b,1
3dの上面と加熱コイル11の下面との距離がh1=2
mm短径方向に位置するフェライトコア13a,13c
の上面と加熱コイル11の下面との距離がh2=4mm
となっていることで、加熱コイル11と前記のコアの距
離を確保するために、コイル保持台12の厚みが部分的
に異なり、フェライトコア13a,13cの接着部のコ
イル保持台12の厚みがフェライトコア13b,13d
の接着部より厚くなっている。それ以外の構成は実施例
1の図1,図2と同様である。
【0036】上記の構成において、楕円形状の加熱コイ
ル11の長径方向の2本のフェライトコア13b,13
dと加熱コイル11との距離が、短径方向のフェライト
コア13a,13cと加熱コイル11との距離よりも小
さいので、加熱コイル11とフェライトコア13b,1
3dと加熱コイル11との磁気結合状態がフェライトコ
ア13a,13cと加熱コイル11との磁気結合状態よ
り強くなる。フェライトコアと加熱コイル11との磁気
結合状態が強くなると、そのフェライトコアへ集束する
加熱コイル11が増加するので、楕円形状の加熱コイル
11の中心からみて長径の方向の磁束が周囲の水平方向
に広がるのを抑制することができる。
ル11の長径方向の2本のフェライトコア13b,13
dと加熱コイル11との距離が、短径方向のフェライト
コア13a,13cと加熱コイル11との距離よりも小
さいので、加熱コイル11とフェライトコア13b,1
3dと加熱コイル11との磁気結合状態がフェライトコ
ア13a,13cと加熱コイル11との磁気結合状態よ
り強くなる。フェライトコアと加熱コイル11との磁気
結合状態が強くなると、そのフェライトコアへ集束する
加熱コイル11が増加するので、楕円形状の加熱コイル
11の中心からみて長径の方向の磁束が周囲の水平方向
に広がるのを抑制することができる。
【0037】以上のように、本実施例によれば負荷鍋の
位置する側と反対側の加熱コイル11近傍すなわち加熱
コイル11の下方近傍で、加熱コイル11の中心周囲に
放射状に均等な角度間隔を設けて配置された4本の略同
形状の棒状フェライトコアのうち、楕円形状の加熱コイ
ル11の長径方向に位置するフェライトコア13b,1
3dと加熱コイル11との相対的位置関係(この場合に
は両者間の距離)を短径方向に位置するフェライトコア
13a,13cと加熱コイル11との相対的位置関係
(この場合には両者間の距離)と異ならせる(この場合
には小さくする)ことによって、長径方向のフェライト
コアと加熱コイル11との磁気結合状態を短径方向のフ
ェライトコアと加熱コイル11との磁気結合状態より強
くしているので、実施例1で特定の方向のフェライトコ
ア間の角度を狭くして、特定の方向のフェライトコアの
分布密度を高くするのと同様の効果を得ることができ
る。したがって加熱コイル11が楕円形状であること
で、長径方向の磁界強度が強くなるのを抑制し、無指向
性の磁界分布に近付けることにより漏洩磁界を抑制する
ことができるものである。
位置する側と反対側の加熱コイル11近傍すなわち加熱
コイル11の下方近傍で、加熱コイル11の中心周囲に
放射状に均等な角度間隔を設けて配置された4本の略同
形状の棒状フェライトコアのうち、楕円形状の加熱コイ
ル11の長径方向に位置するフェライトコア13b,1
3dと加熱コイル11との相対的位置関係(この場合に
は両者間の距離)を短径方向に位置するフェライトコア
13a,13cと加熱コイル11との相対的位置関係
(この場合には両者間の距離)と異ならせる(この場合
には小さくする)ことによって、長径方向のフェライト
コアと加熱コイル11との磁気結合状態を短径方向のフ
ェライトコアと加熱コイル11との磁気結合状態より強
くしているので、実施例1で特定の方向のフェライトコ
ア間の角度を狭くして、特定の方向のフェライトコアの
分布密度を高くするのと同様の効果を得ることができ
る。したがって加熱コイル11が楕円形状であること
で、長径方向の磁界強度が強くなるのを抑制し、無指向
性の磁界分布に近付けることにより漏洩磁界を抑制する
ことができるものである。
【0038】上記実施例2では均等な角度で同一形状の
フェライトコアを使用したが、特にこれに限定されるも
のではなく、同一形状のフェライトコアを使用しなくて
もよい。
フェライトコアを使用したが、特にこれに限定されるも
のではなく、同一形状のフェライトコアを使用しなくて
もよい。
【0039】また、上記実施例では均等な角度間隔でフ
ェライトコアを配置しているが、これに限定されるもの
ではない。他の金属部品の影響を受けて磁界分布に指向
性が生じる場合があるので、これを補正するためにフェ
ライトコアと加熱コイル11の結合状態を変えて無指向
性の分布に近付けて漏洩磁界を低減してもよい。
ェライトコアを配置しているが、これに限定されるもの
ではない。他の金属部品の影響を受けて磁界分布に指向
性が生じる場合があるので、これを補正するためにフェ
ライトコアと加熱コイル11の結合状態を変えて無指向
性の分布に近付けて漏洩磁界を低減してもよい。
【0040】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて図6により説明する。図6において平面形状が楕
円形状の加熱コイル14の下方に一定の距離をおいて、
10本の同一形状のフェライトコア15a〜15jが接
着されている。上記第2の実施例と異なる点は、フェラ
イトコア15a〜15jと加熱コイルの間隔がすべて同
一であるということと、フェライトコア15a〜15j
の相互の間隔(角度間隔)が同一でないということと、
フェライトコア15a〜15jの加熱コイル14の内周
縁からの距離を、方向により変更していることである。
ついて図6により説明する。図6において平面形状が楕
円形状の加熱コイル14の下方に一定の距離をおいて、
10本の同一形状のフェライトコア15a〜15jが接
着されている。上記第2の実施例と異なる点は、フェラ
イトコア15a〜15jと加熱コイルの間隔がすべて同
一であるということと、フェライトコア15a〜15j
の相互の間隔(角度間隔)が同一でないということと、
フェライトコア15a〜15jの加熱コイル14の内周
縁からの距離を、方向により変更していることである。
【0041】上記構成により楕円形状の加熱コイル14
の短径方向に設けられたフェライトコア15a,15
e,15f,15jが最も内側(加熱コイル14の中心
方向)に配置され、加熱コイル14の長径方向に設けら
れたフェライトコア15c,15hが最も外側に配設さ
れているので、楕円形状の加熱コイル14の長径方向の
磁界分布の広がりを抑制して指向性を緩和することがで
きる。また、短径方向のフェライトコア15eと15f
のなす角度とフェライトコア15jと15aのなす角度
を、他の隣合うフェライトコアのなす角度より広くして
いることによっても、磁界分布の指向性を緩和し漏洩磁
界強度を少なくすることができるものである。
の短径方向に設けられたフェライトコア15a,15
e,15f,15jが最も内側(加熱コイル14の中心
方向)に配置され、加熱コイル14の長径方向に設けら
れたフェライトコア15c,15hが最も外側に配設さ
れているので、楕円形状の加熱コイル14の長径方向の
磁界分布の広がりを抑制して指向性を緩和することがで
きる。また、短径方向のフェライトコア15eと15f
のなす角度とフェライトコア15jと15aのなす角度
を、他の隣合うフェライトコアのなす角度より広くして
いることによっても、磁界分布の指向性を緩和し漏洩磁
界強度を少なくすることができるものである。
【0042】(実施例4)以下本発明の第4の実施例に
ついて図7により説明する。図7において加熱コイル1
6の下部に加熱コイル16の下面から、一定の距離をお
いてフェライトコア17a〜17dが配設されている。
上記第2の実施例と異なる点は、フェライトコアと加熱
コイル11との相対的位置関係がすべてのフェライトコ
アついて同様となっている、すなわち加熱コイル16の
下面とフェライトコアの上面の距離がすべてのフェライ
トコアについてほぼ等しくなっていることと、フェライ
トコア17b,17dの形状が他のフェライトコアより
大きくなっている(厚みは同じであり横幅が約2倍にな
っている)ことである。
ついて図7により説明する。図7において加熱コイル1
6の下部に加熱コイル16の下面から、一定の距離をお
いてフェライトコア17a〜17dが配設されている。
上記第2の実施例と異なる点は、フェライトコアと加熱
コイル11との相対的位置関係がすべてのフェライトコ
アついて同様となっている、すなわち加熱コイル16の
下面とフェライトコアの上面の距離がすべてのフェライ
トコアについてほぼ等しくなっていることと、フェライ
トコア17b,17dの形状が他のフェライトコアより
大きくなっている(厚みは同じであり横幅が約2倍にな
っている)ことである。
【0043】上記構成により加熱コイル16が非円形形
状であるので、加熱コイル16から発生する磁界の水平
的な分布に指向性が生じ、加熱コイル16の中心からみ
て、長径方向の磁界がそれ以外の方向より強くなるが、
長径方向に設けたフェライトコア17b,17dの断面
積が、短径方向に配置されたフェライトコア17a,1
7cの断面積の2倍になっているので、フェライトコア
全体としての磁束集積効果が短径方向より長径方向のほ
うが大きくなる。これにより、加熱コイル16の形状に
よる磁界分布の指向性が緩和される。
状であるので、加熱コイル16から発生する磁界の水平
的な分布に指向性が生じ、加熱コイル16の中心からみ
て、長径方向の磁界がそれ以外の方向より強くなるが、
長径方向に設けたフェライトコア17b,17dの断面
積が、短径方向に配置されたフェライトコア17a,1
7cの断面積の2倍になっているので、フェライトコア
全体としての磁束集積効果が短径方向より長径方向のほ
うが大きくなる。これにより、加熱コイル16の形状に
よる磁界分布の指向性が緩和される。
【0044】なお、上記実施例においてはほぼ直方体の
形状をしたフェライトコアの横幅を変えて断面積を変更
して、磁界分布の指向性を緩和し漏洩磁束を低減した
が、厚さや、長さを変えて磁界分布の指向性を変えて同
様の効果を得ることも可能である。
形状をしたフェライトコアの横幅を変えて断面積を変更
して、磁界分布の指向性を緩和し漏洩磁束を低減した
が、厚さや、長さを変えて磁界分布の指向性を変えて同
様の効果を得ることも可能である。
【0045】(実施例5)以下本発明の第5の実施例に
ついて図8により説明する。図8において、加熱コイル
18は平面形状が略楕円の平板状に巻かれており、加熱
コイル18下面から一定の距離をおいて、8本の同形状
のフェライトコア19a〜19hが加熱コイル18の中
心から放射状に設けられている。フェライトコア19a
〜19hは長径方向の分布密度が大きくなるように相互
になす角度が決められている。
ついて図8により説明する。図8において、加熱コイル
18は平面形状が略楕円の平板状に巻かれており、加熱
コイル18下面から一定の距離をおいて、8本の同形状
のフェライトコア19a〜19hが加熱コイル18の中
心から放射状に設けられている。フェライトコア19a
〜19hは長径方向の分布密度が大きくなるように相互
になす角度が決められている。
【0046】また、加熱コイル18の周囲には約1mm
の厚さのアルミ板を、幅が周囲にわたってほぼ一定のリ
ング状に打ち抜いたシールドリング20が設けられてい
る。シールドリング20の内縁と加熱コイル18の外縁
の距離は一定である。
の厚さのアルミ板を、幅が周囲にわたってほぼ一定のリ
ング状に打ち抜いたシールドリング20が設けられてい
る。シールドリング20の内縁と加熱コイル18の外縁
の距離は一定である。
【0047】上記の構成により、加熱コイル18から発
生した磁束により、シールドリング20に電流が誘導さ
れ、この電流はシールドリング20の外側で加熱コイル
18の磁界を打ち消し加熱コイル18から周囲に漏洩す
る磁界を低減することができる。また、シールドリング
20の内縁と加熱コイル18の外縁との距離が一定であ
り、シールドリング20の幅が加熱コイル18の周囲に
わたってほぼ同一なので、加熱コイル18単体の磁界分
布とシールドリング20を付設して漏洩磁界を低減した
場合の水平磁界分布は、ほぼ相似形で楕円形状となる。
生した磁束により、シールドリング20に電流が誘導さ
れ、この電流はシールドリング20の外側で加熱コイル
18の磁界を打ち消し加熱コイル18から周囲に漏洩す
る磁界を低減することができる。また、シールドリング
20の内縁と加熱コイル18の外縁との距離が一定であ
り、シールドリング20の幅が加熱コイル18の周囲に
わたってほぼ同一なので、加熱コイル18単体の磁界分
布とシールドリング20を付設して漏洩磁界を低減した
場合の水平磁界分布は、ほぼ相似形で楕円形状となる。
【0048】さらに、8本の同形状のフェライトコア1
9a〜19hが加熱コイル18下面から一定の距離をお
いて、加熱コイル18の中心から放射状に設けられ、フ
ェライトコア19a〜19hは長径方向の分布密度が大
きくなるように相互になす角度が決められているので、
シールドリング20を付設して低減した磁界分布の指向
性を緩和して無指向性に近付けて、特定方向の磁界の漏
洩強度をさらに低減することができるものである。
9a〜19hが加熱コイル18下面から一定の距離をお
いて、加熱コイル18の中心から放射状に設けられ、フ
ェライトコア19a〜19hは長径方向の分布密度が大
きくなるように相互になす角度が決められているので、
シールドリング20を付設して低減した磁界分布の指向
性を緩和して無指向性に近付けて、特定方向の磁界の漏
洩強度をさらに低減することができるものである。
【0049】以上のように本実施例によれば、平面形状
が楕円形状の加熱コイル18の外周近傍に連設され、加
熱コイル18の発生する磁束により誘導電流を発生する
シールドリング20を設け、かつフェライトコアの分布
密度を長径方向で高くすることで、より効果的に加熱コ
イル18から発生する漏洩磁界を抑制することができる
ものである。
が楕円形状の加熱コイル18の外周近傍に連設され、加
熱コイル18の発生する磁束により誘導電流を発生する
シールドリング20を設け、かつフェライトコアの分布
密度を長径方向で高くすることで、より効果的に加熱コ
イル18から発生する漏洩磁界を抑制することができる
ものである。
【0050】なお、第5の実施例では磁界分布を無指向
性に近付けるためにフェライトコアの分布密度を方向に
より異ならせたが、フェライトコアと加熱コイルの磁気
的結合を特定の方向で異ならせてもよいし、フェライト
コアの形状を特定の方向で異ならせてもよい。
性に近付けるためにフェライトコアの分布密度を方向に
より異ならせたが、フェライトコアと加熱コイルの磁気
的結合を特定の方向で異ならせてもよいし、フェライト
コアの形状を特定の方向で異ならせてもよい。
【0051】また、第5の実施例ではシールドリング2
0の幅を一定とし、シールドリング20の内縁形状と加
熱コイル18の外縁形状を相似形としたが、これに限定
されるものではない。すなわち、シールドリング20の
内縁に切り欠きを設けたりシールドリング33の幅を一
定としない場合や、シールドリング33の内周あるいは
外周の形状を、加熱コイル11の形状と相似形にしない
場合でも、フェライトコアの形状や配置構成を変更する
ことにより、指向性を緩和して漏洩磁界を低減する効果
を得ることができるものである。また、シールドリング
20と加熱コイル18の外周縁との距離を部分的に変更
することにより指向性を変更することもできる。
0の幅を一定とし、シールドリング20の内縁形状と加
熱コイル18の外縁形状を相似形としたが、これに限定
されるものではない。すなわち、シールドリング20の
内縁に切り欠きを設けたりシールドリング33の幅を一
定としない場合や、シールドリング33の内周あるいは
外周の形状を、加熱コイル11の形状と相似形にしない
場合でも、フェライトコアの形状や配置構成を変更する
ことにより、指向性を緩和して漏洩磁界を低減する効果
を得ることができるものである。また、シールドリング
20と加熱コイル18の外周縁との距離を部分的に変更
することにより指向性を変更することもできる。
【0052】また、シールドリング20は加熱コイル1
1の周囲に連接して設けられておればよく、アルミなど
の導電金属部材をネジなどにより接合して構成してもよ
い。
1の周囲に連接して設けられておればよく、アルミなど
の導電金属部材をネジなどにより接合して構成してもよ
い。
【0053】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、平面投影
形状において中心から外周縁までの距離が一定でない非
円形加熱コイルと、負荷の位置する側と反対側の非円形
加熱コイル近傍に位置し、非円形加熱コイル中心周囲に
間隔を設けて、非円形加熱コイルの外周付近から略中心
方向に配設された複数の磁性体を備え、非円形加熱コイ
ルの磁界分布の指向性に応じて前記磁性体の分布を変更
し、非円形加熱コイルの磁界分布を無指向性に近付ける
指向性緩和手段としたので、方向により磁界強度が大き
く変化しない略等方向性に近付けることが可能となり、
誘導加熱調理器の特定の方向で磁界が強くなるのを抑制
することができるもので、組み立てる上で簡単な構成と
することが可能で、インバータなどの周波数変換装置の
発振波形や機器内の冷却効果に対する影響が少なく、安
価で小型でかつ漏洩磁界の少ない非円形加熱コイルを有
する誘導加熱調理器を提供することができるものであ
る。
形状において中心から外周縁までの距離が一定でない非
円形加熱コイルと、負荷の位置する側と反対側の非円形
加熱コイル近傍に位置し、非円形加熱コイル中心周囲に
間隔を設けて、非円形加熱コイルの外周付近から略中心
方向に配設された複数の磁性体を備え、非円形加熱コイ
ルの磁界分布の指向性に応じて前記磁性体の分布を変更
し、非円形加熱コイルの磁界分布を無指向性に近付ける
指向性緩和手段としたので、方向により磁界強度が大き
く変化しない略等方向性に近付けることが可能となり、
誘導加熱調理器の特定の方向で磁界が強くなるのを抑制
することができるもので、組み立てる上で簡単な構成と
することが可能で、インバータなどの周波数変換装置の
発振波形や機器内の冷却効果に対する影響が少なく、安
価で小型でかつ漏洩磁界の少ない非円形加熱コイルを有
する誘導加熱調理器を提供することができるものであ
る。
【0054】請求項2記載の発明によれば、複数の磁性
体のうち一組以上の隣あうふたつの磁性体間の距離ある
いは、なす角度を、その他の隣あうふたつの磁性体の距
離あるいは、なす角度より小とする非円形加熱コイルに
よる磁界分布の指向性緩和手段を設けたので、非円形加
熱コイルの形状に起因する磁界分布の指向性を緩和して
無指向性に近付け、容易にまた効率的に特定の方向での
磁界の増大を抑制することができ、安価で小型でかつ加
熱コイルから機器周囲に漏洩する磁界の少ない誘導加熱
調理器を提供することができるものである。
体のうち一組以上の隣あうふたつの磁性体間の距離ある
いは、なす角度を、その他の隣あうふたつの磁性体の距
離あるいは、なす角度より小とする非円形加熱コイルに
よる磁界分布の指向性緩和手段を設けたので、非円形加
熱コイルの形状に起因する磁界分布の指向性を緩和して
無指向性に近付け、容易にまた効率的に特定の方向での
磁界の増大を抑制することができ、安価で小型でかつ加
熱コイルから機器周囲に漏洩する磁界の少ない誘導加熱
調理器を提供することができるものである。
【0055】請求項3記載の発明によれば、非円形加熱
コイルの中心から外周までの距離に応じて前記磁性体の
分布密度を変更して前記非円形加熱コイルから発生する
磁界分布の指向性緩和手段としたので、非円形加熱コイ
ルの形状に起因する磁界分布の指向性を緩和して無指向
性に近付け、容易にまた効率的に特定の方向での磁界の
増大を抑制することができ、安価、小型でかつ加熱コイ
ルから機器周囲に漏洩する磁界の少ない誘導加熱調理器
を提供することができるものである。
コイルの中心から外周までの距離に応じて前記磁性体の
分布密度を変更して前記非円形加熱コイルから発生する
磁界分布の指向性緩和手段としたので、非円形加熱コイ
ルの形状に起因する磁界分布の指向性を緩和して無指向
性に近付け、容易にまた効率的に特定の方向での磁界の
増大を抑制することができ、安価、小型でかつ加熱コイ
ルから機器周囲に漏洩する磁界の少ない誘導加熱調理器
を提供することができるものである。
【0056】請求項4記載の発明によれば、前記複数の
磁性体のうちひとつ以上の特定の磁性体と非円形加熱コ
イルの間隔を、それ以外の磁性体と非円形加熱コイルと
の間隔より小さくする構成とすることにより、誘導加熱
調理器から周囲に漏洩する磁界を抑制することができる
ので、加熱コイル周囲の隣接した空間にシールド部材を
省略したり、小さくすることができるので、機器を安価
にまた、小型化することが可能となるものである。
磁性体のうちひとつ以上の特定の磁性体と非円形加熱コ
イルの間隔を、それ以外の磁性体と非円形加熱コイルと
の間隔より小さくする構成とすることにより、誘導加熱
調理器から周囲に漏洩する磁界を抑制することができる
ので、加熱コイル周囲の隣接した空間にシールド部材を
省略したり、小さくすることができるので、機器を安価
にまた、小型化することが可能となるものである。
【0057】請求項5記載の発明によれば、複数の磁性
体のうちの特定のひとつ以上の磁性体の位置を他の磁性
体の位置に比して、非円形加熱コイルの外側あるいは内
側方向にずらせて配設することにより、非円形加熱コイ
ルを有する誘導加熱調理器から周囲に漏洩する磁界を抑
制することができるので、小型で安価で漏洩磁界の少な
い非円形加熱コイルを有する誘導加熱調理器を提供する
ことが可能となるものである。
体のうちの特定のひとつ以上の磁性体の位置を他の磁性
体の位置に比して、非円形加熱コイルの外側あるいは内
側方向にずらせて配設することにより、非円形加熱コイ
ルを有する誘導加熱調理器から周囲に漏洩する磁界を抑
制することができるので、小型で安価で漏洩磁界の少な
い非円形加熱コイルを有する誘導加熱調理器を提供する
ことが可能となるものである。
【0058】請求項6記載の発明によれば、負荷の位置
する側と反対側の加熱コイル近傍に位置し、非円形加熱
コイル略中心周囲に加熱コイルの外周付近から略中心方
向に間隔を設けて配設された複数の磁性体のうちひとつ
以上の磁性体の形状を、他の磁性体の形状と異ならせ、
非円形加熱コイルから発生する磁界分布の指向性緩和手
段としたことにより、非加熱コイル近傍の構成を複雑な
ものとすることなく、非円形加熱コイルの漏洩磁界を抑
制することができるもので、インバータなどの周波数変
換装置の発振波形や機器内の冷却効果に対する影響も少
なく、安価で小型でかつ漏洩磁界の少ない非円形加熱コ
イルを有する誘導加熱調理器を提供することができるも
のである。
する側と反対側の加熱コイル近傍に位置し、非円形加熱
コイル略中心周囲に加熱コイルの外周付近から略中心方
向に間隔を設けて配設された複数の磁性体のうちひとつ
以上の磁性体の形状を、他の磁性体の形状と異ならせ、
非円形加熱コイルから発生する磁界分布の指向性緩和手
段としたことにより、非加熱コイル近傍の構成を複雑な
ものとすることなく、非円形加熱コイルの漏洩磁界を抑
制することができるもので、インバータなどの周波数変
換装置の発振波形や機器内の冷却効果に対する影響も少
なく、安価で小型でかつ漏洩磁界の少ない非円形加熱コ
イルを有する誘導加熱調理器を提供することができるも
のである。
【0059】請求項7記載の発明によれば、非円形加熱
コイルの中心から外周までの距離に起因する磁界分布の
指向性を、磁性体の長さあるいは断面積を変更すること
により緩和する構成なので、非加熱コイル近傍の構成を
複雑なものとすることなく、非円形加熱コイルの漏洩磁
界を抑制することができるもので、容易に実現可能で、
インバータなどの周波数変換装置の発振波形や機器内の
冷却効果に対する影響も少なく、安価で小型でかつ漏洩
磁界の少ない非円形加熱コイルを有する誘導加熱調理器
を提供することができるものである。
コイルの中心から外周までの距離に起因する磁界分布の
指向性を、磁性体の長さあるいは断面積を変更すること
により緩和する構成なので、非加熱コイル近傍の構成を
複雑なものとすることなく、非円形加熱コイルの漏洩磁
界を抑制することができるもので、容易に実現可能で、
インバータなどの周波数変換装置の発振波形や機器内の
冷却効果に対する影響も少なく、安価で小型でかつ漏洩
磁界の少ない非円形加熱コイルを有する誘導加熱調理器
を提供することができるものである。
【0060】請求項8記載の発明によれば、非円形加熱
コイルの外周近傍に連設され、非円形加熱コイルの発生
する磁束により誘導電流を発生する磁気シールド用導電
部材と、非円形加熱コイルの略中心からみて特定の方向
においてその他の方向に比して、磁性体の分布密度を高
くする、あるいは磁性体と非円形加熱コイルとの相対的
位置関係を異ならせる、あるいは磁性体の形状を異なら
せることにより、加熱コイルと磁気シールド用導電部材
による磁界分布の指向性を無指向性に近付け、磁気シー
ルド用導電部材の漏洩磁界低減効果をより効果的なもの
とし、非円形加熱コイルから周囲に漏洩する磁界の少な
い誘導加熱調理器を提供ことができるものである。
コイルの外周近傍に連設され、非円形加熱コイルの発生
する磁束により誘導電流を発生する磁気シールド用導電
部材と、非円形加熱コイルの略中心からみて特定の方向
においてその他の方向に比して、磁性体の分布密度を高
くする、あるいは磁性体と非円形加熱コイルとの相対的
位置関係を異ならせる、あるいは磁性体の形状を異なら
せることにより、加熱コイルと磁気シールド用導電部材
による磁界分布の指向性を無指向性に近付け、磁気シー
ルド用導電部材の漏洩磁界低減効果をより効果的なもの
とし、非円形加熱コイルから周囲に漏洩する磁界の少な
い誘導加熱調理器を提供ことができるものである。
【図1】本発明の第1の実施例の誘導加熱調理器の要部
平面図
平面図
【図2】同誘導加熱調理器の要部断面図
【図3】同誘導加熱調理器の磁界分布の指向性を示す図
【図4】本発明の第2の実施例の誘導加熱調理器の要部
平面図
平面図
【図5】同誘導加熱調理器の要部断面図
【図6】本発明の第3の実施例の誘導加熱調理器の要部
平面図
平面図
【図7】本発明の第4の実施例の誘導加熱調理器の要部
平面図
平面図
【図8】本発明の第5の実施例の誘導加熱調理器の要部
平面図
平面図
【図9】(a)は、従来例の誘導加熱調理器の要部平面
図 (b)は、同要部断面図
図 (b)は、同要部断面図
【図10】同誘導加熱調理器の磁界分布の指向性を示す
図
図
6 非円形加熱コイル 8a〜8d フェライトコア(磁性体) 10 負荷 11 非円形加熱コイル 13a〜13d フェライトコア(磁性体) 14 非円形加熱コイル 15a〜15j フェライトコア(磁性体) 16 非円形加熱コイル 17a〜17h フェライトコア(磁性体) 18 非円形加熱コイル 19a〜19h フェライトコア(磁性体) 20 シールドリング(磁気シールド用導電部材)
フロントページの続き (72)発明者 藤井 裕二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 負荷と対向して配置され平面投影形状に
おいて中心から外周縁までの距離が略一定でない非円形
加熱コイルと、前記非円形加熱コイルに高周波電流を供
給する周波数変換装置と、前記負荷と反対側に位置し前
記非円形加熱コイルの中心周囲に間隔を設けつつ前記非
円形加熱コイルの外周付近から略中心方向に配設された
複数の磁性体とを備え、前記複数の磁性体は、前記非円
形加熱コイルの磁界分布を無指向性に近付けるべくその
分布を変更してなる誘導加熱調理器。 - 【請求項2】 複数の磁性体は、一組以上の隣あう磁性
体間の距離あるいは角度を、他の隣あう磁性体間の距離
あるいは角度より小としてなる請求項1記載の誘導加熱
調理器。 - 【請求項3】 複数の磁性体は、非円形加熱コイルの中
心から外周までの距離に応じて配置を変更してなる請求
項1記載の誘導加熱調理器。 - 【請求項4】 複数の磁性体は、少なくとも一の磁性体
と前記非円形加熱コイルとの相対的位置を、他の相対的
位置より小としてなる請求項1記載の誘導加熱調理器。 - 【請求項5】 複数の磁性体は、少なくとも一の磁性体
の前記非円形加熱コイル内周縁からの距離を、他の磁性
体に比して外側あるいは内側方向にずらせてなる請求項
1記載の誘導加熱調理器。 - 【請求項6】 負荷と対向して配置され平面投影形状が
半径略一定の円形でない非円形加熱コイルにおいて、複
数の磁性体のうち少なくとも一の磁性体の形状を、他の
磁性体の形状と異ならせてなる請求項1記載の誘導加熱
調理器。 - 【請求項7】 複数の磁性体は、少なくとも一の磁性体
の長さあるいは断面積を、他の磁性体の形状と異ならせ
てなる請求項1記載の誘導加熱調理器。 - 【請求項8】 非円形加熱コイルの外周近傍に連設さ
れ、前記非円形加熱コイルの発生する磁束により誘導電
流を発生する磁気シールド用導電部材を設けてなる請求
項1〜7のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26959696A JPH10116681A (ja) | 1996-10-11 | 1996-10-11 | 誘導加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26959696A JPH10116681A (ja) | 1996-10-11 | 1996-10-11 | 誘導加熱調理器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10116681A true JPH10116681A (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=17474574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26959696A Pending JPH10116681A (ja) | 1996-10-11 | 1996-10-11 | 誘導加熱調理器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10116681A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010277761A (ja) * | 2009-05-27 | 2010-12-09 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 電磁誘導加熱調理器及び電磁誘導加熱調理器セット |
JP2011034815A (ja) * | 2009-08-03 | 2011-02-17 | Daihen Corp | 電磁誘導加熱調理器の加熱コイルユニット |
JP2012043669A (ja) * | 2010-08-20 | 2012-03-01 | Daihen Corp | 電磁誘導加熱調理器の加熱コイルユニット |
JP2013030513A (ja) * | 2011-07-26 | 2013-02-07 | Seiko Epson Corp | ガスセルユニットおよび原子発振器 |
JP2013055071A (ja) * | 2012-12-19 | 2013-03-21 | Mitsubishi Electric Corp | 誘導加熱調理器 |
JP2014175303A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-22 | Taida Electronic Ind Co Ltd | 拡大した加熱範囲を有する電磁誘導加熱器 |
CN110557856A (zh) * | 2018-05-31 | 2019-12-10 | 宁波方太厨具有限公司 | 一种加热线盘结构及应用有该加热线盘结构的电磁灶 |
JP2020198932A (ja) * | 2019-06-06 | 2020-12-17 | 三菱電機株式会社 | 加熱調理器 |
-
1996
- 1996-10-11 JP JP26959696A patent/JPH10116681A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010277761A (ja) * | 2009-05-27 | 2010-12-09 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 電磁誘導加熱調理器及び電磁誘導加熱調理器セット |
JP2011034815A (ja) * | 2009-08-03 | 2011-02-17 | Daihen Corp | 電磁誘導加熱調理器の加熱コイルユニット |
JP2012043669A (ja) * | 2010-08-20 | 2012-03-01 | Daihen Corp | 電磁誘導加熱調理器の加熱コイルユニット |
JP2013030513A (ja) * | 2011-07-26 | 2013-02-07 | Seiko Epson Corp | ガスセルユニットおよび原子発振器 |
JP2013055071A (ja) * | 2012-12-19 | 2013-03-21 | Mitsubishi Electric Corp | 誘導加熱調理器 |
JP2014175303A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-22 | Taida Electronic Ind Co Ltd | 拡大した加熱範囲を有する電磁誘導加熱器 |
CN110557856A (zh) * | 2018-05-31 | 2019-12-10 | 宁波方太厨具有限公司 | 一种加热线盘结构及应用有该加热线盘结构的电磁灶 |
JP2020198932A (ja) * | 2019-06-06 | 2020-12-17 | 三菱電機株式会社 | 加熱調理器 |
JP2023009224A (ja) * | 2019-06-06 | 2023-01-19 | 三菱電機株式会社 | 加熱調理器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2015309164B2 (en) | Induction heating arrangement and induction hob | |
JP5235836B2 (ja) | 誘導加熱調理装置 | |
EP2048914B1 (en) | A cooking device having an induction heating element | |
KR970073225A (ko) | 전자유도가열을 이용한 가열조리기 | |
JPH10116681A (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JPH10302953A (ja) | 誘導加熱装置 | |
JPH07249480A (ja) | 電磁調理器 | |
JP2939554B2 (ja) | 電磁調理具 | |
KR102187884B1 (ko) | 워킹 코일 베이스 | |
JP2873659B2 (ja) | 電磁調理器用均一加熱シート | |
JP2010257891A (ja) | 誘導加熱調理器 | |
WO2019239557A1 (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JPH1140335A (ja) | 電磁加熱調理器 | |
EP2991446B1 (en) | Induction heating arrangement and induction hob | |
JP3979083B2 (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JP2978097B2 (ja) | 電磁誘導加熱装置 | |
CN221227763U (zh) | 一种线盘组件和烹饪器具 | |
JP4654743B2 (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JP2002043044A (ja) | 誘導加熱装置用加熱コイル | |
JPH0536794U (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JPS633428B2 (ja) | ||
JP2023136185A (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JPS6262428B2 (ja) | ||
JPH10335056A (ja) | 電磁誘導加熱用コイル | |
JP2011159580A (ja) | 誘導加熱調理器の加熱コイルユニット |