JPH03897B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、エネルギー収集屋根の接続部材に関
するものである。

従来技術 本発明者は、先に、金属屋根材と該金属屋根材
を接続するための接続部材と、隣接する接続部材
間にスライド可能に嵌挿されたカバーガラス体並
びに関連構造について発明し、これらの部材によ
つて形成された箱状空間に集熱用の配管を設置す
ることにより屋根と一体に組込むことのできる太
陽熱収集装置を提供した。

しかし、この発明に係わる太陽熱収集装置は、
下部接続部材がボルトのねじ部によつてナツトで
締付けられているために熱膨脹による摺動が十分
にできず、熱膨脹による部材の破損を生じるおそ
れがあつた。

発明の目的 本発明は、上述した欠点を除去し、下部接続部
材が中央を基点として一様に熱膨脹による摺動を
十分に行なうことが可能で、部材の破損を防止で
きるエネルギー収集装置のために好適な接続部材
を提供することを目的とする。

発明の構成 上記目的を達成するために、本発明のエネルギ
ー収集装置の接続部材は、本体の底部に下面に長
手方向に沿う支持溝を設け、前記支持溝には長手
方向ほぼ中央に固定用孔を、その両側に間隔をお
いて長孔をそれぞれ設けた下部接続部材と、前記
長孔に嵌入する平滑摺動部とねじ部とを有するボ
ルトを設けた固定金具とよりなることを特徴とす
る構成を有するものである。

実施例 以下、本発明の実施例を添付図面を参照して、
詳細に説明する。

第１図は、エネルギー収集装置の横断面を示
す。

１は垂木で、この上に野地板２が張られてい
る。３は野地板２上に張られた下地材で、この上
には垂木１と直交する棧木１′が軒先部から棟部
まで一定間隔で張られ、前記棧木１′上には金属
屋根板４が軒先と棟との間に取付けられ、中間部
接続部材Ａによつて順次横方向に接続されてい
る。

金属屋根板４の両側には立上り部５を設け、前
記金属屋根板４の下側には、グラスウールまたは
発泡樹脂等よりなる断熱材６が充填されている。

金属屋根板４は、その立上り部５を中間部接続
部材Ａに係合することにより、横方向に順次接続
される。

Ｂは接続部材間に取付けられたカバーガラス体
で、前記カバーガラス体Ｂの下側には、アモルフ
アスシリコンあるいは結晶シリコン等からなるエ
ネルギー収集器Ｓが取付けられている。Ｄは接続
部材カバーである。

中間部接続部材Ａは、第２〜４図に示すよう
に、上部接続部材７及び下部接続部材１９から構
成され、アルミ合金等の金属または合成樹脂等よ
りなる。

第２図及び第３図は、上部接続部材７を示し、
前記上部接続部材７の本体８は中間に形成され
る。本体８の下面両側には垂下係合支脚９を形成
し、該垂下係合支脚９の上部には抑止突部１０を
設け、前記垂下係合支脚９外側には該抑止突部１
０の下部に嵌合凹部１１を設ける。本体８の上面
両側に立上り部１２を設け、上面開放部を形成
し、該立上り部１２内側には嵌合凸部１３を設け
る。本体８の中間部外側は張出して、上部支持溝
１４及び上部排出溝１５を形成する。第３図の１
６は、本体８の水平部に穿設した取付孔である。

Ｐはカバーガラス固定金具で、上記上部接続部
材７の上部支持溝１４を覆うように載置し、上部
支持溝１４を利用してねじ１７で固定される。カ
バーガラス固定金具Ｐは、上部に棟方向に開口す
る係合段部１８を有し、ここに、カバーガラス体
Ｂを上方から嵌合する。

下部接続部材１９は、第４図及び第８図に示す
ように、断面ほぼ溝型をなした本体２０とその両
側上部に一体的に設けられた下部係合排出溝２
１、該排出溝２１の下部に設けられた垂下脚片２
２を有している。

２３は、本体２０の底部下面中央に設けた長手
方向に沿う支持溝で、前記支持溝２３には長手方
向中央から両側に向けて間隔をおいて長孔よりな
る取付孔２４が穿設され、前記支持溝２３の長手
方向ほぼ中央には固定用の丸孔２５，２６がそれ
ぞれ穿設されている。２７，２７は本体２０の底
部に設けたＵ字型係合部で、前記上部接続部材７
の垂下係合支脚９が嵌合する。２８は、垂下係合
支脚９の嵌合凹部１１に嵌合する嵌合凸部であ
る。

２９は、金属屋根板４の立上り部５が嵌合する
金属屋根板係合片であり、３０，３１は上部接続
部材７と下部接続部材１９を連結するボルトで、
３０は軒先用ボルト、３１は棟用ボルトである。

第５図は、下部接続部材７の上方開放部を覆う
接続部材カバーＤを示し、下面に上部接続部材７
の立上り部１２内側に設けた嵌合凸部１３に係合
する嵌合凹部３２を有する垂下脚片３３を２条、
その両外側には水切片３４を有する垂下水切抑止
片３５を、下面両端には係合片３６を設ける。

第６図は、接続部材固定金具Ｔを示す。固定金
具Ｔは、前記下部接続部材１９の支持溝２３に嵌
合する突部３７を有し、該突部３７上面には前記
支持溝２３の取付孔２４と丸孔２５に嵌入するボ
ルト３８を設ける。突部３７両側下部に設けたＵ
字型係合部２７に当接する水平フランジ３９には
取付孔４０を設け、釘等により垂木１′に固定す
る。

４１は、接続部材固定金具Ｔのボルト３８の突
部３７との接合部に設けた平滑摺動部であり、ボ
ルト３８はこの平滑摺動部４１の先端にねじ部を
有しており、前記突部３７には目測ガイド切欠部
４２が設けられている。そして、この平滑摺動部
４１は、接続部材固定金具Ｔの突部３７を下部接
続部材１９の支持溝２３に嵌入させたとき、ねじ
部との境の先方段部がわずかに下部接続部材１９
の底部上に突出するような寸法とされる。

第７図は、垂木係合支脚４３を示す。前記垂木
係合支脚４３は前記接続部材固定金具Ｔとほぼ同
形状で、前記下部接続部材１９の支持溝２３に嵌
合する突部４４には取付孔４５を有し、前記突部
４４には目測ガイド切欠部が設けられておらず、
突部３７両側下部に設けたＵ字型係合部２７に当
接する水平フランジ４６には取付孔が設けられて
おらず、垂木係合支脚４３は固定用ボルト４７と
ナツトにより丸孔２６に強固に緊結固定され、中
央部棧木１′に固定された接続部材固定金具Ｔに
当接して係合する。

次に、下部接続部材１９の取付けについて説明
する。

第８図及び第９図に示すように、棧木１′に接
続部材固定金具Ｔを釘等により固定し、下部接続
部材１９には丸孔２６に垂木係合支脚４３を固定
ボルト４７とナツトによりあらかじめ強固に緊結
固定し、下部接続部材１９を第８図の図面矢印方
向に移動し、取付孔２４を接続部材固定金具Ｔの
ボルト３８に嵌合しておき、丸孔２５の接続部材
固定金具Ｔのボルト３８にナツトを緊結固定し、
第１０図に示すように、下部接続部材１９の長手
方向ほぼ中央に固定した接続部材固定金具Ｔと垂
木係合支脚４３とを隣接し、各取付孔２４に嵌合
する接続部材固定金具Ｔはボルト３８のねじ部を
ナツトにより締付け、この際、取付孔２４をボル
ト３８の平滑摺動部４１と係合させて下部接続部
材１９の底部を前記ナツトで圧着しないように
し、下部接続部材１９を熱膨脹による摺動が自由
自在であるようにする。

以下、下部接続部材１９の熱膨脹による摺動を
述べる。

下部接続部材１９は、標準取付けの場合には、
第１１図及び第１２図に示すように、長手方向略
中央の丸孔２５，２６が接続部材固定金具Ｔと垂
木係合支脚４３に対してボルト４７とナツトによ
り、緊結固定され、接続部材固定金具Ｔのボルト
４７は長孔２４の中央に位置しており、接続部材
固定金具Ｔの両端と野地幅の両端とが同一位置で
一致している。

そして、下部接続部材１９が熱膨脹によりプラ
スに膨脹すると、第１３図及び第１４図に示すよ
うに、下部接続部材１９は接続部材固定金具Ｔと
垂木係合支脚４３とにより固定した長手方向中央
よりそれぞれ両端方向に摺動部４１を介して長孔
２４に沿つて摺動するために、接続部材固定金具
Ｔのボルト３８が長孔２４の下部接続部材１９中
心寄りに位置しており、野地幅の両端より前記下
部接続部材１９の両端が突出する。

また、下部接続部材１９が熱膨脹によりマイナ
スに膨脹して収縮すると、第１５図及び第１６図
に示すように、下部接続部材１９は両端が長手方
向中心に向かつて摺動部を介して摺動するため、
長孔２４と係合する接続部材固定金具Ｔのボルト
３８は下部接続部材１９の両端寄りに位置してお
り、野地幅の両端が下部接続部材１９の両端より
突出してする。

発明の効果 以上に述べたように、本発明によれば、下部接
続部材の底部下面の長手方向に沿う支持溝の長手
方向略中央に固定用孔を設け、その両端には間隔
をおいて長孔を設けたので、前記固定用孔をボル
トとナツト等で固定的に取付け、前記長孔に平滑
摺動部を有するボルトを設けた固定金具の前記摺
動部を嵌入して取付けることにより、前記下部接
続部材は中央を基点として前記平滑摺動部を介し
て前記長孔に沿つて熱膨脹による摺動を一様かつ
十分に行なうことができ、このため、部材の破損
を防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例におけるエネルギー
収集屋根の要部正断面図、第２図は、上部接続部
材の斜視図、第３図は、同平面図、第４図は、下
部接続部材の斜視図、第５図は、接続部材カバー
の斜視図、第６図は、接続部材固定金具の斜視
図、第７図は、垂下係合支脚の後方斜視図、第８
図は、下部接続部材の取付けを示す後方斜視図、
第９図は、下部接続部材の取付時における要部後
方斜視図、第１０図は、第９図の右側面図、第１
１図は、下部接続部材の標準取付けを示す平面
図、第１２図は、第１１図の側面図、第１３図
は、下部接続部材のプラス摺動時の平面図、第１
４図は、第１３図の側面図、第１５図は、下部接
続部材のマイナス摺動時の平面図、第１６図は、
第１５図の側面図である。 １……垂木、１′……棧木、２……野地板、３
……下地材、４……金属屋根板、５……立上り
部、６……断熱材、７……上部接続部材、８……
本体、９……垂下係合支脚、１０……抑止突部、
１１……嵌合凹部、１２……立上り部、１３……
嵌合凸部、１４……上部支持溝、１５……上部排
水溝、１６……取付孔、１７……ねじ、１８……
係合段部、１９……下部接続部材、２０……本
体、２１……下部係合排水溝、２２……垂下脚
片、２３……支持溝、２４……取付孔、２５，２
６……孔、２７……Ｕ字型係合部、２８……嵌合
凸部、２９……金属屋根板係合片、３０……軒先
用ボルト、３１……棟用ボルト、３２……嵌合凹
部、３３……垂下脚片、３４……水切片、３５…
…垂下水切抑止片、３６……係合片、３７……突
部、３８……ボルト、３９……水平フランジ、４
０……取付孔、４１……摺動部、４２……目測ガ
イド切欠部、４３……垂下係合支脚、４４……突
部、４５……取付孔、４６……水平フランジ、４
７……ボルト、Ａ……中間部接続部材、Ｂ……カ
バーガラス枠、Ｄ……接続部材カバー、Ｓ……エ
ネルギー収集器、Ｔ……接続部材固定金具、Ｐ…
…カバーガラス固定金具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体の底部下面に長手方向に沿う支持溝を設
   け、前記支持溝には長手方向ほぼ中央に固定用孔
   を、その両側に間隔をおいて長孔をそれぞれ設け
   た下部接続部材と、前記長孔に嵌入する平滑摺動
   部とねじ部とを有するボルトを設けた固定金具と
   よりなることを特徴とするエネルギー収集屋根の
   接続部材。