JPH0328033Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動記帳機等において、通帳や単票等
の媒体を印字部へ送るための媒体搬送機構に関す
るものである。

〔従来の技術〕

自動記帳機等に組込まれる媒体搬送機構は、通
常搬送路を構成するローラ及び無端状の搬送ベル
トにより通帳や単票等の媒体を上下から挾付け、
この状態で前記ローラ及び搬送ベルトを駆動する
ことにより媒体を搬送するようになつているが、
前記媒体が搬送路に対して斜めに挿入された場
合、そのまま媒体が印字部に搬送されると、印字
部で媒体上に斜めに印字が行われてしまうことに
なる。

そこで、このような斜めの印字を防止するた
め、従来より媒体を搬送路に対して平行にする幅
寄せ手段を設けた媒体搬送機構が考えられてい
る。

第２図はこのような幅寄せ手段を有する従来の
媒体搬送機構の概略側面図、第３図はその幅寄せ
手段を示す図で、同図は平面図、同図は正面
図である。

第２図において１は無端状に形成された下部搬
送ベルト、２は同じく無端状に形成された上部搬
送ベルト、３は駆動ローラ、４は駆動モータ、５
ａ〜５ｃは下部ローラ、６ａ〜６ｃは上部ローラ
で、この下部ローラ５ａ〜５ｃと上部ローラ６ａ
〜６ｃは上下に相対向して接触するように配置さ
れており、駆動ローラ３及び下部ローラ５ａ〜５
ｃには前記下部搬送ベルト１が、また上部ローラ
６ａ〜６ｃには上部搬送ベルト２がそれぞれ走行
可能に巻掛けられて支持されている。

尚、下部搬送ベルト１は第３図に示すように２
本配置され、これに対応して上部搬送ベルト２も
２本配置される。

７は支軸８を中心として回動するクランプレバ
ーで、このクランプレバー７の一端に前記上部ロ
ーラ６ａが支持されている。

９はクランプレバー７を回動させるための動力
源であるソレノイドである。

一方、第３図において１０はガイド板で、この
ガイド板１０には前記下部搬送ベルト１に対応す
る形状の穴が設けられていて、この穴に下部搬送
ベルト１を配置することによりガイド板１０の上
面は、下部搬送ベルト１の上部搬送ベルト２との
接触面とほぼ同一面となるようにしている。

１１はガイド板１０の一側に設けられた位置決
め板で、下部搬送ベルト１及び上部搬送ベルト２
に対して平行になつている。

１２は前記位置決め板１１と対向するようにガ
イド板１０の他側に移動可能に配置された幅寄せ
板で、この幅寄せ板１２は支点１３を中心として
回動するアーム１４を介してソレノイド１５に連
結されており、この１２〜１５の部品は幅寄せ手
段を構成するものである。

尚、幅寄せ板１２は第２図に示す上部ローラ６
ａ，６ｂ間の側方に位置している。

１６は通帳や単票等の媒体である。

この構成において下部搬送ベルト１と上部搬送
ベルト２は、通常下部ローラ５ａ，５ｂ，５ｃと
上部ローラ６ａ，６ｂ，６ｃとの間で接触し、こ
の状態で媒体１６は下部搬送ベルト１と上部搬送
ベルト２に挾持され、駆動モータ４により駆動ロ
ーラ３を回転させることで、下部搬送ベルト１と
上部搬送ベルト２が走行して媒体１６の搬送を行
うが、このとき第３図に示す幅寄せ手段の位置で
媒体１６は停止され、幅寄せが以下に如く行われ
る。

すなわち、媒体１６が幅寄せ板１２と位置決め
板１１との間の位置に停止するとソレノイド９が
吸引動作し、クランプレバー７が支軸８を中心と
して上方に回動する。これにより上部ローラ６ａ
を介して上部搬送ベルト２が第２図に示す実線で
示す位置から破線で示す位置に持上げられ、上部
ローラ６ａ，６ｂ間の上部搬送ベルト２が下部搬
送ベルト１から離れるため、媒体１６は挾持力か
ら解放され、自由な状態となる。

こうして媒体１６が自由な状態になると、ソレ
ノイド１５が吸引動作し、すると支点１３を中心
にアーム１４が回転して幅寄せ板１２を第３図
に示すように矢印Ａ方向に押し、これにより幅寄
せ板１２は破線で示した位置から実線で示した位
置に移動して媒体１６を位置決め板１１に押付け
る。

これにより、第４図に示すように搬送路に対
して斜めに挿入された状態で送られて来た媒体１
６は、同図に示すように搬送路に対して平行な
状態に矯正される。

その後、ソレノイド１５が復旧して幅寄せ板１
２が元の点線の位置に戻り、またソレノイド９も
復旧してクランプレバー７が前記と逆の方向に回
動することにより上部搬送ベルト２が下部搬送ベ
ルト１に接触して、媒体１６が再び挾持され、駆
動モータ４により駆動ローラ３が回転すると下部
搬送ベルト１と上部搬送ベルト２が走行して媒体
１６を図示しない印字部へ向つて搬送する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来の媒体搬送機構
では、上述した幅寄せ動作の際、幅寄せ板１２に
よつて媒体１６を位置決め板１１に押付けると、
そのときの媒体１６、特に単票等の薄い媒体１６
の場合には第３図に示すように中央部がガイド
板１０から浮上つて撓むため、幅寄せ板１２が第
３図の破線の位置に戻るとき媒体１６がはね返
つて位置決め板１１から離れてしまい、結局のと
ころ搬送路に対して媒体１６が平行になるように
正確な幅寄せを行うことができないという問題が
あつた。

本考案はこのような問題点を解決するためにな
されたもので、搬送路に対して媒体が平行になる
ように正確な幅寄せを行うことができる媒体搬送
機構を実現することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本考案は、複数のロ
ーラにより支持された下部搬送ベルトと、この下
部搬送ベルトと接触するように複数のローラによ
り支持され、下部搬送ベルトとの間に媒体を挟持
して搬送する上部搬送ベルトと、この上部搬送ベ
ルトと接触する下部搬送ベルトの接触面と上面が
ほぼ同一面と成るように下部搬送ベルト側に配置
され、かつ一側に下部搬送ベルトと平行な位置決
め板を有するガイド板と、前記上部搬送ベルトを
支持する任意のローラを一端に支持した回動可能
なクランプレバーと、前記下部搬送ベルトと接触
している上部搬送ベルトの一部を下部搬送ベルト
から離すように前記クランプレバーを回動させる
動力源と、前記下部搬送ベルトから上部搬送ベル
トが離れた状態のとき、前記媒体を前記位置決め
板に押しつけて幅寄せを行う幅寄せ手段とを備え
た媒体搬送機構において、前記クランプレバーと
一体に回動するフリクシヨンレバーをクランプレ
バーと同軸に設け、このフリクシヨンレバーに媒
体の幅寄せ時に該媒体を前記ガイド板上に抑付け
るクツシヨン部材を取付けたことを特徴とする。

〔作用〕

上述した手段によれば、ソレノイドによりクラ
ンプレバーを回動させて上部搬送ベルトを持上げ
る際、これと一体にフリクシヨンレバーを回動さ
せて、該フリクシヨンレバーに取付けたクツシヨ
ン部材により媒体をガイド板上に抑付け、この状
態で幅寄せ手段の幅寄せ板により媒体を位置決め
板に押付けて幅寄せを行うことができるので、正
確な媒体の幅寄せが可能となる。

〔実施例〕

以下図面を参照して実施例を説明する。

第１図は本考案による媒体搬送機構の一実施例
を示す概略側面図で、図において１は下部搬送ベ
ルト、２は上部搬送ベルト、３は駆動ローラ、４
は駆動モータ、５ａ〜５ｃは下部ローラ、６ａ〜
６ｃは上部ローラで、これらは第２図のものと同
じである。

７は一端に前記上部ローラ６ａを支持したクラ
ンプレバーで、このクランプレバー７の他端は上
部搬送ベルト２の上方に位置させた支軸８に取付
けられている。

９はクランプレバー７を回転させるソレノイド
である。

１７はフリクシヨンレバーで、このフリクシヨ
ンレバー１７の一端にはスポンジ等のクツシヨン
部材１８が取付けられており、他端は前記支軸８
に取付けられている。つまり、このフリクシヨン
レバー１７はクランプレバー７と同軸に設けられ
ていて、フリクシヨンレバー１７と一体に支軸８
を中心として回動するようになつている。

尚、この媒体搬送機構も従来と同様に第３図に
示す幅寄せ手段を有している。

次に本実施例の作用について説明する。

下部搬送ベルト１と上部搬送ベルト２は、通常
第１図に示すように下部ローラ５ａ，５ｂ，５
ｃと上部ローラ６ａ，６ｂ，６ｃとの間で接触し
ており、このときフリクシヨンレバー１７はクツ
シヨン部材１８と共に上方に退避しているので、
この状態で下部搬送ベルト１と上部搬送ベルト２
との間に媒体１６が挾持され、駆動モータ４及び
駆動ローラ３によつて両搬送ベルト１，２が走行
することにより媒体１６の搬送が行われても、前
記フリクシヨンレバー１７及びクツシヨン部材１
８がこの搬送を妨げることはない。

幅寄せ時は、媒体１６が第３図に示す幅寄せ板
１２と位置決め板１１との間の位置で停止され、
ソレノイド９が吸引動作してクランプレバー７が
支軸８を中心として上方に回動する。これにより
上部ローラ６ａを介して上部搬送ベルト２が持上
げられ、第１図に示すように上部ローラ６ａと
６ｂとの間の上部搬送ベルト２が下部搬送ベルト
１から離れるため、両搬送ベルト１，２による挾
持力から媒体１６が従来同様に解放されるが、こ
のときクランプレバー７と一体にフリクシヨンレ
バー１７が支軸８を中心として下方に回動し、該
フリクシヨンレバー１７に設けられているクツシ
ヨン部材１８が媒体１６の中央部を適当な力で第
３図に示すガイド板１０上に押付ける。

この状態でソレノイド１５が吸引動作し、する
と支点１３を中心にアーム１４が回転して幅寄せ
板１２を第３図に示す矢印Ａ方向に押し、これ
に伴つて幅寄せ板１２は破線で示した位置から実
線で示した位置に移動して媒体１６を位置決め板
１１に押付ける。

このとき媒体１６はクツシヨン部材１８で抑付
けられているが、クツシヨン部材１８は弾力があ
り、その抑付け力は弱いので、適当な摩擦力が加
わるだけで媒体１６は確実に位置決め板１１に押
付けられる。

これにより、第４図に示すように搬送路に対
して斜めに挿入されて送られて来た媒体１６は、
同図に示すように搬送路に対して平行な状態に
矯正される。

その後、ソレノイド１５が復旧して幅寄せ板１
２が元の位置に戻るが、このとき媒体１６はまだ
クツシヨン部材１８によつて抑付けられているの
で、媒体１６が自身の弾性によつてはね返ること
は無い。

幅寄せ板１２が元の位置に戻ると、ソレノイド
９が復旧して、クランプレバー７が支軸８を中心
に前記と逆の方向に回動し、これにより上部搬送
ベルト２が下部搬送ベルト１に接触して、両搬送
ベルト１，２で再び媒体１６が挾持されると共
に、フリクシヨンレバー１７と一体にクツシヨン
部材１８が上方に退避して媒体１６から離れ、印
字への媒体１６の搬送が可能な状態となる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、クランプレバー
と同軸にフリクシヨンレバーを設け、このフリク
シヨンレバーにクツシヨン部材を取付けて、媒体
の幅寄せ時にこのクツシヨン部材で媒体を抑付け
ることにより、媒体にある程度の摩擦力をかけて
幅寄せを行うようにしているため、従来のように
媒体がはね返ることなく、正確な幅寄せを行うこ
とができるという効果がある。

また、フリクシヨンレバーは、上部搬送ベルト
を下部搬送ベルトから離すためのクランプレバー
と一体に回動するようにしているため、媒体への
摩擦力の付与を極めて簡単な機構で実現できると
いう効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による媒体搬送機構の一実施例
を示す概略側面図、第２図は従来の媒体搬送機構
を概略側面図、第３図は幅寄せ手段を示す図で、
同図は平面図、同図は正面図、第４図は媒体
の幅寄せ状態を示す平面図である。 １：下部搬送ベルト、２：上部搬送ベルト、
３：駆動ローラ、４：駆動モータ、５ａ〜５ｃ：
下部ローラ、６ａ〜６ｃ：上部ローラ、７：クラ
ンプレバー、８：支軸、９：ソレノイド、１０：
ガイド板、１１：位置決め板、１２：幅寄せ板、
１３：支点、１４：アーム、１５：ソレノイド、
１６：媒体、１７：フリクシヨンレバー、１８：
クツシヨン部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数のローラにより支持された下部搬送ベルト
   と、 この下部搬送ベルトと接触するように複数のロ
   ーラにより支持され、下部搬送ベルトとの間に媒
   体を挟持して搬送する上部搬送ベルトと、 この上部搬送ベルトと接触する下部搬送ベルト
   の接触面と上面がほぼ同一面と成るように下部搬
   送ベルト側に配置され、かつ一側に下部搬送ベル
   トと平行な位置決め板を有するガイド板と、 前記上部搬送ベルトを支持する任意のローラを
   一端に支持した回動可能なクランプレバーと、 前記下部搬送ベルトと接触している上部搬送ベ
   ルトの一部を下部搬送ベルトから離すように前記
   クランプレバーを回動させる動力源と、 前記下部搬送ベルトから上部搬送ベルトが離れ
   た状態のとき、前記媒体を前記位置決め板に押し
   つけて幅寄せを行う幅寄せ手段とを備えた媒体搬
   送機構において、 前記クランプレバーと一体に回動するフリクシ
   ヨンレバーをクランプレバーと同軸に設け、この
   フリクシヨンレバーに媒体の幅寄せ時に該媒体を
   前記ガイド板上に抑付けるクツシヨン部材を取付
   けたことを特徴とする媒体搬送機構。