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JPH03111531A - アルミニウム合金製ローター - Google Patents

アルミニウム合金製ローター

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Publication number
JPH03111531A
JPH03111531A JP24642289A JP24642289A JPH03111531A JP H03111531 A JPH03111531 A JP H03111531A JP 24642289 A JP24642289 A JP 24642289A JP 24642289 A JP24642289 A JP 24642289A JP H03111531 A JPH03111531 A JP H03111531A
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JP
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rotor
blank
aluminum alloy
alloy
forging
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JP24642289A
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Fumio Kiyota
清田 文夫
Takae Watanabe
渡辺 孝栄
Shuji Yokozeki
横関 修史
Nobuo Mesaki
目崎 伸男
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Publication date
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Publication of JPH0547614B2 publication Critical patent/JPH0547614B2/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はロータリー式圧縮機やロータリー式真空ポンプ
のローターに関し、特に車両積載用のロータリー式圧縮
様やポンプにおいて軽量で耐摩耗性や耐焼付性にすぐれ
、しかも強度の優れたアルミニウム合金製のローターに
関するものである。
(従来の技術) 近年、自動車に積載される機器は燃料消費や性能向上の
見地から小型化と軽量化が求められている。このため、
これらの機器に使用される部品についても軽量化が求め
られている。
自動車積載用の空調用ロータリー式圧縮機のローターや
、ブレーキ用のロータリー式真空ポンプのローターには
従来は鉄鋼系材料を機械加工して製造したものや、鉄系
の焼結合金が多(使用されていた。鉄系の焼結合金によ
るものは、焼結接合法により内部を中空として軽量化が
図られていたが、素材が鉄である以上軽量化には限度が
あつた。このため、近年は軽量化の目的でローターのア
ルミニウム合金化が盛んに検討されるようになってきた
。またローターをアルミニウム合金とすることにより、
シリンダーをもアルミニウム合金とすることが可能とな
り、更にこれらの部品の軽量化を図ることが可能となる
。また、ローターの熱膨張係数がシリンダー材とほぼ同
一でなければクリアランスの変化によりリーク量が多く
なるために、ローターがアルミニウムの場合は、シリン
ダーもアルミニウム合金製とする方が機器の性能上望ま
しい。
自動車に積載する空調用のロータリー式圧縮機を例とし
て、以下にローターの説明を行う。従来、ロータリー式
圧縮機のローターは、例えば第1図に示すように、ベー
ンが収納される溝部2と、該溝部2の底に応力集中係数
を低下させる目的と、溝部の仕上加工時の工具の逃げ部
を形成し加工を容易にするとともにベーンに背圧をかけ
てシール性を向上させる目的で形成された円筒部3と、
網製シャフトが圧入される軸穴部4とを有する形状をし
ている。
ローター1の溝底の円筒部3には、シャフトの圧入によ
ってそれぞれ円周方向に引張り応力がかかった状態とな
り、さらに圧縮機の運転時には、ローターから飛出した
状態のベーンに気体の圧力が負荷されるため、ベーン溝
底部の円筒部3には矢印で示すような引張り応力が繰返
し負荷、される。このため疲労強度の高い材質がロータ
ーとして要求される。またこのような用途の圧縮機にお
いては、通常は気体状態の冷媒を圧縮するが、使用温度
条件や冷媒を注入する時には冷媒が液化した状態が発生
する。その場合には、非常に大きな圧力かベーンに負荷
されるために、非常に大きな引張り応力が衝撃的にベー
ンを介してローターの溝底の円筒部3にかかる。このた
め円筒部3は靭性の高いことが必要となる。
ローター1は、溝部2を出入りするベーンと摺動し、さ
らに両端面ではサイドブ1/−トと摺動する。このため
耐摩耗性と耐焼付性の高いことが併せて要求される。
Al−3i合金の耐摩耗性や耐焼付性を考慮すると、S
tを10重量%(以下すべて%は重量%にて示す)以上
含有した高ケイ素アルミニウム合金が適切である。鋳造
方法でこのような高ケイ素アルミニウム合金でローター
形状を製造することは容易であるが、鋳造組織の合金の
強度や靭性は低いために、ローターの溝底部にかかる繰
返し応力や液圧縮時の衝撃応力には耐えることが出来な
い。このためローターは、鋳造組織を鍛造や押出しによ
る塑性加工を行なって鋳造組織を破壊した強度と靭性の
高いものとする必要がある。
また゛、ローターの形状は、機械加工で製作するにはコ
ストが高いものとなるため、塑性加工法を用いて製造す
ることが好ましい。
塑性加工法によるアルミニウム合金製ローターの製造方
法として特開昭64−5621号の提案に係る発明があ
る。この提案方法の骨子は、ローターの性能の観点から
高強度と耐摩耗性を合わせもつアルミニウム合金をロー
タに使用する必要があるが、このような合金の押出しは
ダイスの強度の面から難しいので、押出方法を工夫し、
アルミニウム合金の大径のビレットの先端に、軟質のア
ルミ合金製の当て板をセットして押出すことで初期の押
出し圧力を低減させ、ダイス寿命の延長の効果とともに
、ローター素材の断面形状をした長尺の素材が得られる
ようにしたところにある。
また、この提案の中では、SLが10〜25%、Cuが
0.5〜5%、Mgが0.2〜1.5%を含有するアル
ミニウム合金、および上記組成にさらにFe、 Niお
よびMnのうちの1種又は2種以上を合計で0,2〜1
0%含有するアルミニウム合金や上記組成の急冷凝固粉
末を出発原料とするアルミニウム合金からなるローター
が取り上げられている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述の提案の組成の範囲でSLが14%
を越えると、初晶Siが鋳造時に粗大化しており、鋳造
材を強化と形状出しの目的で熱間押出しても、押出材の
靭性が不足し、また粗大な初晶Stが押出中に割れてそ
の周りにボイドを発生し内部欠陥となり、かかる内部欠
陥を有するローターは液圧縮時に衝撃的に負荷される応
力に堪えないことが、本発明者によるローターの試験結
果明らかとなった。したがって、このような耐摩耗性の
観点から高Si%組成を選択する場合には、急冷凝固さ
せ、初晶S1を微細化したアルミニウム合金粉末を用い
ることが合理的になる。急冷凝固アルミニウム粉末の加
工法は熱間押出に事実上限定される。ところが、このよ
うな急冷凝固アルミニウム粉末の押出材は、Si粒子が
小さいために摺動特性が劣るという欠点がある。したが
って、摺動特性、例えば耐摩耗性、耐焼付性等を良好に
するためには、Si含有量をさらに多(するか、あるい
はFe、Ni、Mnなどの遷移元素を多量に含有させる
必要がある。そうすると、靭性や伸びが低下し、液圧縮
時のような衝撃的負荷応力によりローターが割れる不具
合を生じ、またコストも高くなる。そこで、急冷凝固ア
ルミニウム粉末ではなく鋳造法で製造したアルミニウム
合金を使用しかつSLが14%以下の組成の材質でロー
ターを製造することが望ましい。本発明者はかかる組成
を有する従来のアルミニウム合金製ロータを圧縮機に組
込試験した結果、ベーンとの摺動面やサイドプレートと
の摺動面で焼付が発生したり、異常な摩耗を発生するこ
とを見出した゛。
したがって、本発明は上記のような従来の摺動上の問題
を解決し、また従来の熱間押出法による全面的な塑性加
工による組織の破壊による強化に頼らず、安価で高い寸
法精度と良好な表面状態のもとに、塑性加工で強化した
アルミニウム合金製ローターを提供することを課題とし
ている。
(課題を解決するための手段) 本発明のアルミニウム合金製ローターは、上記課題の内
、先ず摺動特性上の問題を高ケイ素アルミニウム合金の
組成を特定の範囲として硬度を従来の公知の材質よりも
高くすることによって解決し、強度上の問題は強度が特
に要求される部分でローターの鋳造組織を塑性加工で局
部的に破壊することで解決した。
すなオ)ち、本発明に係るローターは、Sj:10〜1
4重量%、C1l:4〜8%、Mg: 0.3〜2%を
必須成分とし、必要に応じてFe、 Mn、 Ni、C
r、 Zrの内の1種または2種以上を併せて0.5〜
3%を含有し残部が実質的にA1から成る合金組成を有
し、且つ硬度がH,880以上であり、更に少なくとも
ベーン収納部においては鋳造組織が破壊されていること
を特徴とする。
また、本発明の好ましい実施態様に係るローターは、ア
ルミニウム合金中に分散するSi粒子の大きさが平均粒
径にて2μm以上であることを特徴とする。
さらに別の好ましい実施態様に係るローターは、アルミ
ニウム合金中に分散するSi粒子の大きさが5μm以上
のものの面積率が全断面積の5%以上であることを特徴
とする。
以下、本発明の組成限定理由を説明する。 上記成分の
内まずSiについては、10%未満では基地中に分散す
るSi粒子の径が小さく且つその面積率も低(く良好な
摺動特性を発揮できない。
14%を越えると、初晶Si粒子が多く析出し、後述す
る塑性加工時に内部割れを発生し得られるローターの衝
撃値を低下させる。特に好ましいSi含有量の範囲は1
1〜13%である。
次に、Cuは、熱膨張率を低下させ、基地中に分散する
Si粒子径を大きくし、さらに時効硬化によって150
〜200℃程度までの温度範囲での強度や硬度を高めて
、ローターの摺動特性と強度を確保することを目的とし
ている。4%未満ではそれらの効果が不十分であり、他
方8%越えると靭性を低下させる他、耐食性が悪くなる
。特に好ましいCu含有屋の範囲は5〜7%である。
MgはCuと同様に強度や硬度を高める目的で含有させ
るが、と(に150℃までの温度範囲での強度と硬度確
保を目的としている。0.3%未満では、時効硬化によ
って強度や硬度を高めて、ローターの摺動特性と強度を
確保するには不十分である。他方2%を越えると材質が
脆(なり塑性流動しにくくなる他、得られたローターの
衝撃値を低下させてしまう。特に好ましいMg含有量の
範囲は0.5〜1.5%である。
アルミニウム合金製ローターが特に回転数の高いエンジ
ンを積載した自動車用の圧縮機のような用途に使用され
る場合は、更にFe、  Mn 、 Ni、Cr、 Z
rのうちの1種または2種以上を併せて0.5〜3%を
さらに含有させると、高温強度や高温強度が高(なり、
また高温での寸法安定性も良(なる。その効果は1種ま
たは2種以上を併せて0.5%未満では効果が顕著でな
く、3%を越えると粗大な金属間化合物が析出し、材質
が脆(なり塑性流動しにくくなる他、得られるローター
の衝撃値を低下させてしまう。
本発明に係るロータは第1図に示すような溝部2、円筒
部3および軸穴部4を有するものであって、これらの部
分の寸法精度を高めるために仕上機械加工をすることは
あるが、その基本形状寸法は鋳造で作られたインゴット
、ビレット、長尺材を塑性加工すること番こより作られ
ているものである。塑性加工法は鍛造、特に熱間での鍛
造などが好ましく、設備コストもまたダイスなどのラン
ニングコストも高い押出法は好ましくない。鍛造等の塑
性加工の量は、ブランクの面積減少率で5〜50%が適
当である。押出法を採用する場合は、製品はコスト高に
なる。
続いて、他の1つの課題である使用条件下における繰返
し応力と液圧縮状態での衝撃的な応力に耐えるための手
段につき説明する。鋳造組織のまま上記の素材は疲労強
度や衝撃値が低いために、ローターの応力が集中する部
分から破壊を生じる。このため塑性流動によって鋳造組
織を破壊し強化する必要がある。本発明では、使用時に
負荷応力が集中する部分を塑性加工することでその部分
の負荷応力に対する信頼性を向上させる。すなわち、ベ
ーン収納部は特に疲労強度、靭性、耐焼付性などが優れ
ていることが要求されるので、この部分のデンドライト
を破壊し、針状に晶出している金属間化合物を分断して
微細化し、また塑性加工後の熱処理により加工組織を再
結晶させて微細化する。
ベーン収納部のみで鋳造組織を破壊する方法の具体例を
第5図を参照して説明する。
連続鋳造丸棒を、外周側を旋削して表面欠陥部を除き、
次に切断して所定寸法の鍛造用ブランクを得る。次に、
400〜450℃に加熱保持したブランク15を同様に
加熱保持されたコンテナ12中に挿入しく第5図(a)
参照)、ダイプレート13によりバックアップされ加熱
保持されたダイス8の穴の中に加圧パンチ16によって
ブランク15を押込み、ダイス18大内に充満させ(第
5図(b)参照)、ダイプレート13内のノックアウト
バンチ14によってブランク15をコンテナ12を通し
て取り出す(第5図(C))、その際、ダイス穴の軸方
向に垂直な断面積に対するコンテナ内の軸方向に垂直な
断面積の比がl:1〜1:2であるコンテナの内部から
同軸のダイス穴の中に加圧によりブランク15が押込ま
れることにより、ローターのベーン収納部の溝部、及び
溝底の円筒部近傍の組織は塑性流動し鋳造組成が破壊さ
れて強化される。一方、その他の部分でも塑性流動は起
こるが鋳造組織は残存している。第5図を参照として説
明した製造方法では、局部的に鋳造組織を破壊できるこ
とに加えて次のような利点もある。
■ブランクが長尺材に押出されるのでなく、型に鍛造さ
れるために、ネジレにくく、また曲りや反りを生じない
ため寸法精度良好であり、仕上加工時の歩留りが高い。
■型にかかる応力が低く、ダイスの寿命が長い。
■鍛造法では1回の鍛造毎に金型に潤滑剤をスプレーで
塗布するので鍛造ダイスとブランクの間で潤滑効果をも
たせることができる。したがって、ローターの表面には
カジリやムシレを生じない。仕上加工時の加工基準とな
る外周部にこのようなガジリやムシレがあると加工軸が
偏芯しベーンを収納する溝部との位置精度が確保できな
くなる。また溝底の円筒部に発生したカジリ傷やムシレ
の傷は使゛用時に応力が負荷される時に切り欠きとして
作用し、その部分から破壊しやすく信頼性を低下させる
。上記した本発明の方法では、位置精度が高(信頼性に
優れたローターが得られる。
■押出法の場合は、800 ton以上の大きな加圧力
が必要であるため大型の高価な設備が必要であるが、上
記した鍛造方法によれば、ブランクの重量にもよるが、
数十トンのハンマーでローターの製造が可能である。
■押出法の場合はダイスと押出材の摺接する部分が多い
ため、低速でなければ押出材にクラックが発生する。こ
のため高額な設備でありながら生産性が低いので、ロー
ターのコストは高いものとなる。一方、鍛造法は押出法
に比較して加工速度が高(、生産性に優れている。
本発明においては、ベーン収納部以外の鋳造組織を破壊
することは必須ではない。すなわち、ベーン収納部以外
では鋳造組織を残存させる(破壊しない)軽度の加工法
を採用することができる。一般に押出法等では被加工材
の鋳造組織が全体として破壊されるが、ダイスの寿命が
短く、製品のコスト高を招く。本発明ではローターの特
定部分のみの鋳造組織を破壊すればローターとして十分
な強度が得られる。もちろん、ローター全体の鋳造組織
を破壊するとベーン収納部以外でも強度が高められ、ロ
ーターとしての性能はさらに向上する。しかし、鋳造組
織全体を破壊する場合は、押出法により一挙にローター
を製造するのではなく、−旦長尺材の細径丸棒どへの押
出あるいはビレットの据込鍛造などの粗加工を行って全
体の鋳造組織を破壊し、その後ローターへの塑性加工を
行うことが好ましい。
さらに、硬度の限定理由について説明する。なお、本発
明で言うローターの硬度は鋳造組織破壊部を含む全体の
硬度を指す。ローターの硬度がH,,80未満であると
、耐摩耗性、耐焼付性が不足する。なお、Siが14%
以上の高5i−A1合金では初晶Siを粗大かっ/また
は多量に分散させると、硬度が低くても耐摩耗性の劣化
は少ないが、本発明ではSiを14%以下に限定してい
るために、良好な耐摩耗性を確保するためには硬度をH
ll、80以上、好ましくはH□85以上にする必要が
ある。このような硬度を得るにはCuを多量に含有させ
た本発明のA1合金を、塑性加工後に、Cuを十分に固
溶体化処理させ、その後時効処理することが必要である
。溶体化処理は480〜510℃で、また時効処理は1
80〜200℃で行うことが好ましい。
上記した本発明の化学組成を有する溶湯を連続鋳造法に
よって長尺の丸棒とする連続鋳造法にあたり、冷却水量
を減らすことで冷却速度を遅くし、さらに得られた連続
鋳造丸棒を500〜530℃の温度で2〜10時間の保
持する処理で、Si粒子の粗大化と組織の均一化を図る
。このことによって基地中に分散するSi粒子の大きさ
を平均粒径で2〜30μmとし、且つ5μmを超えるも
のの面積率を全断面積に対して5%以上とすることが可
能となった。
このように硬質相が分散した組織の材料では、同一組成
であっても耐摩耗性や耐焼付性は硬質相の大きさによっ
て太き(影響される。すなわち、硬質相が大きい場合に
は相手材との接触が硬質相で荷電をささえるような状態
となり、摺動面間の油膜は切れに(い。このため、摩擦
係数は低くなり焼付も発生しにくく、摩耗量も少ない。
硬質相が小さい場合には油膜は形成されにくく、硬質相
は基地ごと摩耗粉として脱落するようになり、摩耗量も
多く焼付も発生しやすい。特に摺動相手材の硬度が高く
表面が粗い場合に゛は、硬質相の大きさの影響は顕著で
ある。
(作用) 通常、Al−3L系アルミニウム合金では、靭性や塑性
加工性を良好なものとするために如何にSi粒子を小さ
くするかが課題となっていたが、Si粒子を微細化する
とローターとして要求される耐摩耗性や耐焼付性が劣っ
たものとなる。そこで、本発明では、Cuを多く含有さ
せて、基地中に分散するSi粒子径を大きくする配慮を
加えた組成にしている。なお、Cuは主としてアルミニ
ウム基地に固溶して、Al−Si合金の共晶点を下げる
作用もあり、晶出するSi粒子を大きくする作用がある
。このような配慮を加えた組成のアルミニウム合金であ
っても、それだけではSiの平均粒子径を2〜30 (
t mとするには不十分である。
また、鋳造時の冷却速度を遅くし、且つ得られた連続鋳
造丸棒を高温で加熱保持することで、基地中に分散する
Si粒子大きさとその面積率を制御することにより摺動
特性をさらに良好にする。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
(実施例) 第1表に示す化学組成を有する3種類のインゴットを作
成し、これをそれぞれ再溶解し実験用の連続鋳造機で径
53mmの丸棒とした。合金組成N[LA、B、Cは本
発明の組成範囲であり、合金組成NαDは比較材であり
、耐熱性と耐摩耗性に優れたピストン用合金として多用
されているJ I 5−AC8Aである。鋳造条件と鋳
造材に対する高温保持の条件を変更して、第2表に示す
ような鍛造用ブランク試料を作成した。
第1表 第2表 次にこのブランクを用いてローターとする製造法の実施
例について詳細に説明する。
第2図に示すような、外形D = 50.2mm、溝底
部である円筒部5を配置した円周径D+ = 14.3
3mm、円筒部5の内径d=4.5mm、ベーン溝6の
巾t=2.7o+m 、ベーン溝6の開口端部の円周方
向の角度間隔θ=72°である5枚ベーンタイプの車積
載の空調用ロータリー式圧縮機のローター素材1を熱間
鍛造法により製造した。
第3図及び第4図において、型8にはローター素材7の
外周部に相当する型内周部9と、ベーン収納部に相当す
るフィン部10とベーン溝底部に相当する小円筒部11
とが形成されている。
型8の内径寸法は、第1図で示したローター素材1の外
径寸法と同一となるように作成しである。
第5図は、金型構造を示すものであり、12はコンテナ
であり、8は前記の型であり、それぞれ図示しないヒー
ターによって300〜450℃に加熱保持されるように
なっている。13はダイプレートであり、型8のフィン
部10とその先端の小円筒部11とそれぞれ完全に接触
する構造となっており、またグイプレート13の中央部
には、ノックアウトバンチ14が設けてあり鍛造完了後
ローター素材15を図の上方向にノックアウトするよう
になっている。また上部には加圧パンチ16が、図示し
ないプラテンに取り付けられ手いる。
コンテナ12の内径寸法は50.3mmとし、型の穴部
の軸方向に垂直な断面積と、コンテナ12の軸方向に垂
直な断面積の比は1:1.1である。
第2表に示した各ブランク用試料を機械加、工して、直
径50mm、高さ45mmの鍛造素材即ちブランクとし
た。このブランクを430℃に加熱しコンテナ温度43
0℃、型温度400℃の条件で第5図に示す工程のよう
に熱間で鍛造した。鍛造時の最高圧力は15tonとし
た。
第5図のa、b、cは工程の順を示すものであり、図中
(a)では図示しない外部の連続式全熱炉から加熱され
たブランク15を、コンテナ12の中に自動挿入し加圧
パンチ16によって鍛造が開始された状態を示している
。なお潤滑は黒鉛系の液状のものをダイスとコンテナ内
部にスプレーして使用した。
第5図(b)では、加圧パンチ16が所定のストローク
を移動し終った状態を示している。この状態で、ブラン
ク15はダイス8内においてほぼ密閉状態となり、所定
の寸法に仕上がる。
第5図(C)では、加圧パンチ16をコンテナ12から
所定のストローク移動させ、次にノックアウトパンチ1
4によって鍛造の完了したブランク15即ちローター素
材をコンテナより取り出す。
かくして得られたローター素材は、切断調査の結果いず
れもベーン溝部及び溝底部の近傍には、鍛造工程での塑
性流動によって鋳造組成が破壊されている。
次に各試料のローター素材を、495℃で溶体化処理後
に人工時効させるT7処理を施し、硬度と組織の定量化
を行なった。組織の定量化は、倍率800倍で画像解析
装置(ルーゼックス500)を用いて、基地中に分散す
るSi粒子粒径と粒子の面積率を詳細に各試料とも50
視野測定し平均化した。その結果を第3表に示す。
(以下余白) 第3表 また各試料からなるローター素材をT−7処理後、所定
のローター寸法に仕上げ、更に鋼製シャフトを軸部に圧
入後、外径、両端面、溝部の最終仕」二を施して、圧縮
機に組込んだ。
圧縮機による耐久試験の条件は、摩耗条件の厳しい低速
高負荷の条件にて行なった。回転数は500rpm、吐
出圧力28 kg/mm”、吸入圧力4kg/mm2と
し、トルクと油の汚染状況を監視しながら連続運転を行
なった。なお、圧縮機のサイドプレートは、クラッチ側
をアルミニウム合金(AC4A)の母材に、Ni系のメ
ツキN(Ni−Pからなる基地中に、平均粒径が0.8
μmの窒化ケイ素が面積率で15%となるよう分散し、
且つ硬度がHmvで700)を10μmの厚さで摺動面
に設けたものを用いた。反対側のサイドプレートは鋳鉄
(Fe12)材を用いた。ベーンは、20%5i−7,
5%Fe −4Cu −I Mg−残部がA1からなる
粉末押出材とし、ローターの溝部と摺動する両面および
シリンダー内周面と摺動する曲面部には、前述のサイド
プレートと同一のメツキを厚さ10μmで設けたものを
組合せて試験した。
試験の結果、本発明のローターであるブランク試料Na
、 2.3.4から熱間鍛造でローター素材としたロー
ターを組込んだ圧縮機は、いずれも200時間異常なく
運転でき、また圧縮機を分解して調査した結果異常は認
められなかった。
またブランク試料No、1から熱間鍛造でローター素材
としたローターを組込んだ圧縮機は150時間で、油中
に摩耗粉が観察され、分解調査の結果ベーンとの摺動面
に軽度の摩耗痕が観察された。これに対して比較材とし
てブランク試料N095を熱間鍛造でローター素材とし
ローターを組込んだ圧縮機では、50時間で油中に摩耗
粉が観察され、分解調査の結果ベーンとの摺動面とサイ
ドプレートとの摺動面にそれぞれ深い摩耗傷が観察され
た。
次に耐久試験後のブランク試料1,2,3゜4、を組込
んだ圧縮機を再度組立てて、液圧縮状態で起動を500
回繰返す試験を行い分解調査した結果、ローターの応力
集中部にはクラックの発生は認められなかった。
またブランク試料1,2,3,4.5から機械加工で仕
上げた(即ち、応力集中部が鋳造組織のままである)ロ
ークーを組込んだ圧縮機を同様の液圧縮状態での起動繰
返し試験を行い分解調査の結果それぞれ応力集中部にク
ラックを生じていた。
(発明の効果) 本発明請求項1記載のアルミニウム合金製ローターは、
塑性加工が容易な低SLの合金とし、Cu含有量を高め
て従来公知の材料よりも硬度を高めたものとしているこ
とにより、摩耗を大幅に軽減させることができた。
また応力が集中するベーンの溝底部からの破壊について
は、その部分の塑性加工で鋳造組織を破壊したことによ
って、実用上の余裕度を見越した液圧縮状態での繰返し
起動試験でも破壊やクラックを発生していないことから
判断して、溝底部での破壊は実用ローターにおいても起
こらない。
さらに、従来公知の高ケイ素アルミニウム粉末を押出し
たローターでは、原料粉末が急冷されるため、どうして
もSi粒子が小さ(なり、摺動特性が劣る。このためS
i%を高めたものとし、更に遷移元素(Fe、Ni、M
n)を多く入れて硬度を増すこ′とで摺動特性を向上さ
せる必要があったが、そうした材料では靭性(例えば伸
び)の低下によって、液圧縮時のような衝撃的な負荷応
力に対してロークーが割れ易くなった。すなわち、急冷
高ケイ素アルミニウム合金を押出したローターでは、摺
動特性と靭性をともに良好にすることは困難であったが
、本発明では靭性の向上は応力集中部での鋳造組織破壊
などの手段により、摺動特性の向上はCu含有量を高く
するなどの手段により達成し、これらの良好な性質を両
立させることに成功した。
またコストも本発明のローターは、粉末押出法にくらべ
安価であり、かつ寸法精度が高く、曲がりや反りが少な
く、表面も良好なものとなる。このため、製品の歩留ま
りが高い、仕上加工代が少ないなどの製造サイドの利点
の他に、コンプレッサーに組み込んだ時の信頼性も高い
などの機器サイドの利点も生まれる。
さらに請求項2および3記載のアルミニウム合金製ロー
ターは基地中に分散するSi粒子を平均粒径で2μm以
上とし、その大きさが5μm以上の面積率を5%以上と
することで摩耗量はさらに減少する。
【図面の簡単な説明】
第1図はローターの斜視図、 第2図はローターの平面図、 第3図は型の平面図、 第4図は第3図の1点鎖線に沿った断面図、第5 (a
)、(b)、(c)’図はローターの鍛造工程を説明す
る図で、型とその周辺部を断面図で示し、(a)図はブ
ランクを型の中に挿入する工程、(b)図はパンチング
工程、(c)図はノックアウト工程をそれぞれ示す図面
である。 2−溝部2.3−円筒部、4−軸穴部、12−コンテナ
、13−グイプレート、14−ノックアウトパンチ、1
5−ブランク、16−加圧パンチ、18−ダイス

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、Si:10〜14重量%(以下すべて重量%)、C
    u:4〜8%、Mg:0.3〜2%を必須成分とし、必
    要に応じてFe、Mn、Ni、Cr、Zrの内の1種ま
    たは2種以上を併せて0.5〜3%を含有し残部が実質
    的にAlから成る合金組成を有し、且つ硬度がH_R_
    B80以上であり、更に少なくともベーン収納部におい
    ては鋳造組織が破壊されていることを特徴とするアルミ
    ニウム合金製ローター。 2、前記アルミニウム合金中に分散するSi粒子の大き
    さが平均粒径にて2μm以上であることを特徴とする請
    求項1項記載のアルミニウム合金製ローター。 3、前記アルミニウム合金中に分散するSi粒子の大き
    さが5μm以上のものの面積率が5%以上であることを
    特徴とする請求項1項または2記載のアルミニウム合金
    製ローター。
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