JPH03115478A

JPH03115478A - 絶縁塗料および絶縁電線

Info

Publication number: JPH03115478A
Application number: JP25591189A
Authority: JP
Inventors: Misao Wake; 操和気; Yuji Ito; 勇治伊藤
Original assignee: Toshiba Chemical Corp; Showa Electric Wire and Cable Co
Current assignee: Kyocera Chemical Corp; SWCC Corp
Priority date: 1989-09-29
Filing date: 1989-09-29
Publication date: 1991-05-16

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［発明の目的］（産業上の利用分野）本発明は、耐熱性、耐加工性等が良好で潤滑性に優れた
塗膜を形成し得る絶縁塗料、およびそのような絶縁塗料
を導体上に直接もしくは他の絶縁層を介して塗布焼付け
してなる絶縁電線に関する。

（従来の技術）従来から加工劣化が少なく耐熱性も良好な絶縁電線とし
て、ポリアミドイミド線や、ポリエステルイミド／ポリ
アミドイミドダブルコート線等が使用されている。

ところで近年電気機器メーカー等においては、機器の製
造の迅速化を図るために高速自動巻線機が使用されつつ
あるが、前記絶縁電線はいずれも表面の潤滑性に乏しく
、巻線加工の際に絶縁塗膜が機械的損傷を受けるため、
このような高速自動巻線機を使用することができなかっ
た。このためかかる電線の表面潤滑性を向上させること
が要望されている。

従来から絶縁電線の表面潤滑性を向上させるためには、
最外層の絶縁塗膜の上に、流動パラフィンや冷凍機油の
ような液体潤滑剤、あるいは固形パラフィンやカルナウ
バロウの゛ような固体潤滑剤を塗布することが行われて
いる。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら液体潤滑剤を塗布する方法においては、潤
滑剤を均一に塗布することが難しいうえ、表面にゴミ等
が（＝Ｉ着しやすく、しかも潤滑性、すべり性はあまり
向上しないという問題があった。

また固体潤滑剤を塗布する方法では、液体潤滑剤に比べ
潤滑性、すべり性は向上するものの、均一に塗布するこ
とが難しいうえ、潤滑剤を溶解させる溶剤によって絶縁
塗膜にクレージングが発生するおそれがあった。さらに
固体潤滑剤を塗布した絶縁電線を冷凍機用モーター等に
使用した場合に、潤滑剤が冷媒によって抽出されるため
、潤滑性が低下するとともに、抽出された潤滑剤がコン
プレッサの弁や冷媒吹出し口等に詰まって、冷凍能力を
低下させるおそれがあった。

なお近年、絶縁電線の表面に潤滑性を付与する方法とし
て、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオ
ロエチレンのような潤滑性に優れた合成樹脂の粉末を配
合した絶縁塗料を、導体」二に塗布焼付けする方法が提
案されている。

しかしながらこの方法では、使用される合成樹脂粉末が
溶剤に難溶であるため絶縁塗料中に均一に分散差せるこ
とが難しいうえ、塗料としての安定性に欠け、しかも外
観の良好な電線が得られないという問題がある。

またこの他、分子鎖の末端に直鎖アルキル基を結合して
変性したポリアミドイミドを含むポリアミドイミド樹脂
を主成分とする絶縁塗料が開発され、この塗料を最外層
に塗布焼付けすることによって、表面の潤滑性を向上さ
せた絶縁電線が開発されている。

しかしながらこのような絶縁電線においては、変性ポリ
アミドイミ下樹脂の重合度をあまり上げることができず
、直鎖アルキル基の配合割合を増加させることが難しい
うえに、塗膜の可撓性が充分でないという問題がある。

本発明はこのような従来の問題を解決するためになされ
たもので、耐熱性、耐加工性等が良好でしかも潤滑性に
優れた塗膜を形成し得る絶縁塗料と、このような絶縁塗
料が塗布焼付けされた耐熱性、耐加工性に加え潤滑性が
著しく向上した絶縁電線を提供することを目的とする。

［発明の構成］（課題を解決するための手段）本発明の絶縁塗料は、（Ａ）フェノール系溶剤可溶性の
ポリアミドイミド樹脂を主成分とする塗料に、（Ｂ）（
ａ）芳香族テトラカルボン酸および／またはその誘導体
と、（ｂ）高級脂肪酸および／またはその誘導体と、（
Ｃ）芳香族ジアミンとを反応させて得られるフェノール
系溶剤可溶性のポリイミド樹脂を、（Ａ）のポリアミド
イミド樹脂と（Ｂ）のポリイミド樹脂との割合が重量比
で９５：５〜７０：３０となるように混合するか、ある
いはこれらの（Ａ）成分および（Ｂ）成分にさらに（Ｃ
）セイック変性ポリエステルイミド樹脂を、（Ａ）のポ
リアミドイミド樹脂と（Ｂ）のポリイミド樹脂と（Ｃ）
のセイック変性ポリエステルイミド樹脂との割合が重量
比で９０：５：５〜５０：３０：２０となるように混合
してなることを特徴としている。

また本発明の絶縁電線は、このような絶縁塗料を導体上
に直接もしくは他の絶縁層を介して塗６ｉ焼付けしてな
ることを特徴としている。

本発明において、（Ａ）のフェノール系溶剤可溶性のポ
リアミドイミド樹脂を主成分とする塗料としては、たと
えば特開昭８１−１．３０３２２号に開示されているよ
うな、少なくとも　５モル％のジカルボン酸またはその
誘導体を含むトリカルボン酸無水物またはその誘導体と
、ポリイソシアネートまたはその誘導体の１種または２
種以上とを、当量比でほぼ１：１の割合で、フェノール
、クレゾール、キシレノール、石油ナフサ等のフェノー
ル系溶剤中でかつポリアミド樹脂の共存下で、加熱反応
させて得られたものが使用される。

また（Ｂ）のフェノール系溶剤に、可溶性のポリイミド
樹脂としては、たとえば（ａ）少なくとも３０モル％の
　３．３″、４．４−−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸（ＢＴ）またはその誘導体（無水物および低級アルキ
ルエステルを含む。以下酸成分については同様である。

）を含む芳香族テトラカルボン酸またはその誘導体と、
（ｂ）高級脂肪酸またはその誘導体と、（Ｃ）少なくと
も３０モル％の次の一般式（式中Ｘ　１ｉｃＩ１２　、Ｏ１，ＳＯ２、Ｃ（ＣＨ３
）　２またはＳから選ばれた２価の基であり、Ｒは低級
アルキル基、低級アルコキシル基、ＣＯＯＨ基、ＯＨ基
、５Ｏ３１（基またはハロゲンから選ばれた１価の有機
基である。以下同じ。）で表されるジアミンを含む芳香
族ジアミンとを、加熱反応させて得られる樹脂が使用さ
れる。

ここで（ａ）のＢＴ以外の芳香族テトラカルボン酸とし
ては、ピロメリット酸、３．３−．４．４−ジフェニル
テトラカルボン酸、３．３−．４．４−−ジフェニルエ
ーテルテトラカルボン酸、ビシクロオクテン−２，３，
５，８−テトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン
酸等があげられる。

また（ｂ）の高級脂肪酸としては、トコサン酸、トリコ
サン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサ
ン酸等があり、特にモンクンワックス酸（炭素数２８〜
３２）またはその誘導体をベースとしたヘキストワック
ス（ヘキストジャバン社製）等が好適に使用される。

さらに（ｃ）の前述の一般式［Ｎ　　　［ＩＩコ［ＩＩ
［］で表される特殊な構造のジアミンの例としては、３
．Ｖ−ジアミノジフェニルメタン、３．３′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、３．３−ジアミノジフェニルスル
フォン、３．３＝−ジアミノジフェニルプロパン、３．
３”−ジアミノジフェニルスルファイド、３．３”−ジ
メチル−４，４−ジアミノジフェニルエーテル、３．Ｆ
’−ジメチル４．４゛−ジアミノジフェニルメタン、２
．４−ジアミノトルエン、２．６ジアミノトルエン、　
ｌ−イソプロピル−２，４−メタフェニレンジアミン、
１−工ｌ・キシ−２，４−ジアミノベンゼン、２．４−
ジアミノ安息香酸、２．６−ジアミノ安息香酸、２．４
−ジアミノフェノール、２．６−ジアミノフェノール、
１−スルホ−２６４−ジアミノベンゼン、■−スルホー
　２，６−ジアミノベンゼン、　■−クロロー２．４−
ジアミノベンゼン等がある。

またこれらの特殊ジアミン以外の芳香族ジアミンとして
は、４．４−−ジアミノジフェニルメタン、４．４′−
ジアミノジフェニルプロパン、４．４−ジアミノジフェ
ニルスルファイド、４．４−−ジアミノジフェニルスル
フォン、４．４＝−ジアミノジフェニルエーテル、１．
５−ジアミノナフタレン等がある。

これらの成分を反応させて（Ｂ）のフェノール系溶剤に
可溶性のポリイミド樹脂を得るには、酸成分とジアミン
成分とを当量比でほぼｌ：１の割合で配合し、１００〜
１．８０℃の温度で１．−１０数時間加熱する。

この反応は、コントロールのし易さの点で、また反応生
成物をそのまま前記（Ａ）のポリアミドイミド樹脂を主
成分とする塗料に添加混合することができるという点で
、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノー
ル系溶剤中で行うことが望ましい。

本発明の絶縁塗料において、（Ａ）ポリアミドイミド樹
脂塗料と（Ｂ）のフェノール系溶剤に可溶性のポリイミ
ド樹脂との混合比は、樹脂成分の重量比で９５：５〜７
０：３０の範囲とする。

（Ｂ）の樹脂の配合割合が５重量％（以下単に％とする
。）未満の場合には、絶縁塗膜の潤滑性向上の効果が得
られないうえ、耐熱性も不充分となる。逆に（Ｂ）の樹
脂の配合割合が３０％を越えた場合には、塗料中１の樹
脂分が分離して安定性が悪くなるうえ、絶縁塗膜の可撓
性が低下する。

本発明の絶縁塗料において、（Ａ）および（Ｂ）の同成
分に加え、第三の成分として配合する（Ｃ）のセイック
変性ポリエステルイミド樹脂は、分子構造中にＴＨＥｒ
Ｃ［トリス−（２−ヒドロキシエチル）イソシアヌレー
ト］を含むポリエステルイミドであり、通常以下に示す
方法で製造され、絶縁塗料として市販されている。

すなわち、グリセリン架橋型のポリエステル樹脂塗料で
あるアルカネックス（米国ＧＥ社製）に、シアヌル環を
導入して得られたセイック変性ポリエステル（米国スケ
ネクタディ社製　商品名アイソネル）の一部に、さらに
イミド基を導入するか、あるいはアルカネックスにイミ
ド基を導入して得られたポリエステルイミド樹脂塗料（
ドクターベック社製　商品名テレベックＰｌ＋）に、さ
らにシアヌル環を導入する等の方法によって得られる。

本発明においてはこのようなセイック変性ポリエステル
イミド樹脂の中でも、たとえばアイソミツド４０ＳＨ（
日蝕スケネクタディ化学（株）製）、ＴＶＥ　５３８５
　（東芝ケミカル（株）社製）のように、ＴＩ（Ｅ　Ｉ
　Ｃの含有量が樹脂分全体の５〜８０モル％の範囲のも
のの使用が適している。

また前記（Ａ）および（Ｂ）の同成分と、このようなセ
イック変性ポリエステルイミド樹脂との混合比は、樹脂
成分の重量比で９０：５：５〜５０：３０：２０の範囲
とすることが望ましい。

これらの成分の配合比が上記範囲を外れた場合には、樹
脂分の分離が生じ塗料が不安定となる。

また表面潤滑性、耐熱性、可撓性、耐加工性、耐冷媒性
等の諸特性にバランス良く優れた絶縁電線が得られない
。

本発明の絶縁塗料から絶縁電線を製造するには、導体上
に直接または他の絶縁層を介して絶縁塗料を塗布焼付け
、少なくとも最外側に潤滑性絶縁層を形成する。

特にセイック変性ポリエステルイミド樹脂塗料、あるい
は通常のポリエステルイミド樹脂塗料を導体上に塗布焼
付けて下層絶縁層を形成し、その上に本発明の絶縁塗料
を塗布焼付けた場合に、より優れた特性を有する絶縁電
線が得られる。

すなわち密着性が良好で耐熱性、絶縁特性に一段と優れ
ているうえ、耐冷媒性が著しく向上している。

（作用）本発明の絶縁塗料においては、（Ａ、　）フェノール系
溶剤可溶性のポリアミドイミド樹脂を主成分とする塗料
に、（Ｂ）（ａ）芳香族テトラカルボン酸および／また
はその誘導体と、（ｂ）高級脂肪酸および／またはその
誘導体と、（Ｃ）芳香族ジアミンとを反応させて得られ
るフェノール系溶剤可溶性のポリイミド樹脂が、あるい
はさらに（Ｃ）セイック変性ポリエステルイミド樹脂が
所定の比率で混合されているので、塗料としての安定性
に優れており、長期間保存しても樹脂分が分離すること
がない。

またこのような絶縁塗料を導体上に直接または他の絶縁
層を介して塗布焼付けしてなる本発明の絶縁電線は、優
れた表面潤滑性を有しており、高速自動巻線機によって
コイル巻きを行っても、塗膜に損傷が生じることがない
。しかも耐熱性、耐加工性、可撓性、耐冷媒性、電気的
および機械的特性等にも優れている。

（実施例）以下、本発明の実施例について説明する。

実施例１トリメリット酸無水物９．６ｇ（０，０５モル）　イソ
フタル酸８．３ｇ（０，０５モル）、ジフェニルメタン
ジイソシアナート２５．０ｇ（０，１モル）、ナイロン
６６（アミランＣＭＩＯ０７東し社商品名）４．０ｇ、
りレゾール３０ｇとを発生する炭酸ガスを除去しながら
　２００〜２１０℃で１０時間反応させた後、クレゾー
ル８０ｇを加えて反応を停止させた。室温に戻った後ブ
ロックＭＤＩ（ミリオネートＭＳ−５０日本ポリウレタ
ン社商品名）５ｇを加え、さらにクレゾールで稀釈して
不揮発分３０．０％、粘度４９．０Ｐｏｉｓｅ（３０’
Ｃ）のポリアミドイミド樹脂溶液（Ａ）を得た。

また、３．３−　　４．４＝−ベンゾフェノンテトラカ
ルホン酸二無水物（Ｂ　Ｔ　Ｄ　Ａ　）　３０．６ｇ　
（０，０９５モル）と、モンタンワックス酸５．０ｇと
、３．３−ジメチル−４，４′−ジアミノジフェニルメ
タン２２．８ｇ　（０，１０モル）とを、ｍ−クレゾー
ル１４５ｇ中で反応溜出水を除去しながら１．６０　℃
の温度で３時間反応させ、対数粘度が０．４２（０，５
重量％ｍクレゾール中）のポリイミド樹脂溶液（Ｂ）を
得た。

次いでこれらのポリアミドイミド樹脂溶液（Ａ）とポリ
イミド樹脂溶液（Ｂ）とを、樹脂固形分比で８０：２０
の割合で混合し、樹脂分濃度が２９．３％、粘度５８Ｐ
ｏｉｓｅ（３０℃）の絶縁塗料を得た。

得られた絶縁塗料は安定性が良く、室温で２ケ月放置し
ても樹脂分が分離することがなかった。

またこの絶縁塗料を、直径１．０００ｍｍの導体上に、
セイック変性ポリエステルイミド樹脂ＴＶＥ５３８５を
粘度５８Ｐｏｉｓｃ（３０℃）常法により塗布焼付けし
て下層絶縁層を形成した後、その上に塗布し、炉温上部
４５０℃、中間部８８０℃、下部２７０℃、線速１２．
０ｍ７分の条件で焼付けて、仕上り外径１．０８４ｍｍ
（上層／下層が３／７）の絶縁電線を得た。

実施例２実施例１で使用したポリアミドイミド樹脂溶液（Ａ）、
！：、、ホＩＪ　ゴミＦｍ脂溶Ｍ　（Ｂ）　ト、ＴＶＥ
　５３８５とを、樹脂固形分比で７０：２０：１０の割
合で混合し、樹脂分濃度が３０．１％、粘度５５Ｐｏｉ
ｓｅ（３０℃）の絶縁塗料を得た。

得られた絶縁塗料は、室温で２ケ月放置しても樹脂分が
分離することがなかった。

次いでこの絶縁塗料を、実施例１と同様にして、直径１
．０００ＩＩ１１ノ導体上ニ設ケタＴｖＥ５３８５ノ塗
布焼付層上に塗布焼付けて、仕上り外径１．０８４ｍｍ
の絶縁電線を得た。

このようにして得られた実施例１および実施例２の絶縁
電線の特性は次表に示す通りであった。

なお表面の滑り性は静摩擦係数で示した。

また比較のために、導体上にＴＶＥ　５３８５の塗布焼
付層を設け、その上に、ポリアミドイミド樹脂溶液（Ａ
）のみを塗布焼付けしてなる絶縁電線（比較例１）、お
よび導体上にＴＶＥ　５３８５の塗布焼付層のみを設け
てなる絶縁電線（比較例２）について、同様の特性試験
を行い、結果を同表に示した。

（以下金白）［発明の効果］以上の実施例からも明らかなように、本発明の絶縁塗料
は安定性が良く、長期間保存しても樹脂分が分離するこ
とがない。

またこの絶縁塗料を塗布焼付けることによって、耐熱性
、耐加工性を始め、電気絶縁性、機械的特性、可撓性、
耐摩耗性、耐冷媒性等が良好で、しかも潤滑性の非常に
優れた絶縁塗膜を形成することができる。

そしてこのような絶縁塗料が塗布焼付けされた絶縁電線
は、耐熱性、耐加工性等に加え潤滑性が著しく向上して
いる。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）　（Ａ）フェノール系溶剤可溶性のポリアミドイ
ミド樹脂を主成分とする塗料に、（Ｂ）（ａ）芳香族テ
トラカルボン酸および／またはその誘導体と、（ｂ）高
級脂肪酸および／またはその誘導体と、（ｃ）芳香族ジ
アミンとを反応させて得られるフェノール系溶剤可溶性
のポリイミド樹脂を、（Ａ）のポリアミドイミド樹脂と
（Ｂ）のポリイミド樹脂との割合が重量比で９５：５〜
７０：３０となるように混合してなることを特徴とする
絶縁塗料。
（２）　（Ａ）フェノール系溶剤可溶性のポリアミドイ
ミド樹脂を主成分とする塗料に、（Ｂ）（ａ）芳香族テ
トラカルボン酸および／またはその誘導体と、（ｂ）高
級脂肪酸および／またはその誘導体と、（ｃ）芳香族ジ
アミンとを反応させて得られるフェノール系溶剤可溶性
のポリイミド樹脂、および（Ｃ）セイック変性ポリエス
テルイミド樹脂とを、（Ａ）のポリアミドイミド樹脂と
（Ｂ）のポリイミド樹脂と（Ｃ）のセイック変性ポリエ
ステルイミド樹脂との割合が重量比で９０：５：５〜５
０：３０：２０となるように混合してなることを特徴と
する絶縁塗料。
（３）第１項記載の絶縁塗料を、導体上に直接もしくは
他の絶縁層を介して塗布焼付けしてなることを特徴とす
る絶縁電線。
（４）第２項記載の絶縁塗料を、導体上に直接もしくは
他の絶縁層を介して塗布焼付けしてなることを特徴とす
る絶縁電線。