JPH018190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はヘアブラシに関し、更に詳しくはブリ
ツスルを植毛する植毛部と把持部とから成る基台
を有するヘアブラシにおいて、そのブリツスルを
放射状に１束あたり１本即ち１本づつ分散して植
毛部の周囲に210〜270度の範囲に植毛し、且つ、
ブリツスルの植毛されていない部位に近傍するブ
リツスルが他の部位に植毛されているブリツスル
に比して短かいことを特徴とするブロー仕上げ用
ヘアブラシに関する。

従来ドライヤーを使用して髪を乾燥させながら
ヘアスタイルを仕上げるブロー仕上げ用のアブラ
シとしては通常ハンドルと称される基台のブリツ
スルを植毛する部分にブリツスルを放射状に全周
にわたつて植毛するか、又は約1/4周の範囲に植
毛したヘアブラシが市販され、前者は通称「ロー
ルブラシ」、後者は「ハーフラウンドブラシ」と
称されている。

しかしながら、獣毛を使用したロールブラシは
植毛穴あたりのブリツスル数が多く、ブロー仕上
げにおいてヘスタイルを作る時に、髪がすくいに
くく、ブリツスルへの髪の保持性が悪く、又十分
にカールが作られないという欠点を有する。更に
は余分な髪がからまりつき、髪がひつぱられ地肌
が痛くそれ故使用感が悪いといつた様な欠点をも
つ。

一方、獣毛に変えて成型ブリツスル１本植え若
しくはフイラメント状プラスチツクブリツスル２
〜４本植え等々のロールブラシは何れも余分な髪
のからみつきがみられ、生え際の髪をカールしに
くく、又、使用感も悪く本質的な改善となつてい
ない。

又、ハーフラウンドブラシは、成程、髪がすく
い易くからまりつきが少ないが、反面、ブリツス
ルの髪の保持性が悪く、カール形成能力は非常に
悪い。更に、シヨートヘアあるいは生え際の髪が
カールしにくく、又、ブリツスルの先端が肌に当
り使用感が悪い。

斯様に、ドライヤーを使用して髪を乾燥させな
がらヘアスタイルを仕上げるブロー仕上げに使用
されるヘアブラシは、末だ満足ゆくものが得られ
ておらず、需要者の間においても、改善開発が切
望されている。

本考案者らは、かかるカール形成能力及び作業
性の両方を満足するブロー仕上げ用ヘアブラシに
ついて鋭意研究した結果、１束あたり１本のブリ
ツスルを、ヘアブラシの基台植毛部の周囲に、放
射状に210〜270度の範囲に植毛し、且つブリツス
ルの長さを変化させたものが、髪の長さによらず
カール形成能力及び作業性の両方を著しく改善す
ることを見い出し本考案を完成した。

本考案のヘアブラシは植毛部及び把持部が一体
成型されて成るか又はこれらの部分を結合成型し
て成る基台を有し、この基台の植毛部の周囲の
210〜270度にブリツスルを１束あたり１本放射状
に植毛し、かつブリツスルの植毛されていない部
位に近傍するブリツスルが他の部位に植毛されて
いるブリツスルに比して短かいことを特徴とす
る。本考案にかかわるヘアブラシのブリツスルの
長さはヘアブラシの植毛部の横切断面によりその
特徴を理解することができる。すなわち本考案の
好ましいブリツスルの特徴はブリツスルの長さが
該横断切断面における植毛されたブリツスルの一
端から順次長くなり単一若しくは複数の最長ブリ
ツスルを持ち次いで順次短かくなる様に植毛され
てブリツスルの他端に達する様に規定して植毛さ
れているものである。

本考案に従つてブリツスルの長さを順次短かく
したものは、凡てのブリツスルを同一の長さにし
たものに比べ、カール形成能及びブローブラシと
しての使い易さが顕著に優れている。これは次の
様な理由によるものと推定される。

即ち、シヨートヘアもしくは生え際の髪をカー
ルしてヘアスタイルを形成する場合、まず毛髪を
ブリツスルでつかみ、固定することが必要であ
る。ブリツスルの植毛されていない部位に近傍す
るブリツスルが他の部位に植毛されているブリツ
スルと同じ長さのヘアブラシの場合、ブリツスル
の長さが同じため毛髪をつかむ量は十分多くなる
が、植毛部と頭皮の間にブリツスル分の隙間がで
きるため、毛髪を十分固定することができない。
また、毛髪を固定するために植毛部を頭皮に近づ
けようとするとブリツスルが頭皮を圧迫し、使用
感が著しく悪くなる。これに対し、本考案のヘア
ブラシは毛髪を十分固定することができるので、
その結果、特にシヨートヘアもしくは生え際の髪
をカールする効果が高く、しかも頭皮をブリツス
ルで圧迫しないので、使用感も良好である。

以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。

第１図は、本考案ヘアブラシの植毛部１の箇所
の横切断面図であつて、ブリツスル２は基台の植
毛部分の周囲の全周にわたつて植毛されているの
ではなく、第１図で始点Ａから終点Ｂで例示され
る210〜270度という特定の範囲にのみ植毛されて
おり、且つ、植毛部周囲のブリツスルの長さが変
化していることを示す。

第２図は、本考案ヘアブラシを第１図において
XYを示される方向に切断した場合の縦断面図
で、ブリツスル２は第１図で植毛されていない部
分は一様に植毛されていないことを示す。

さて、本考案の特徴であるブリツスルの長さの
変化は第１図及び第３図に示される。第１図にお
けるブリツスルは植毛されたブリツスルの左端か
ら時計方向に５番目のブリツスルまでは順次その
長さが増長されており、次いで右端ブリツスルま
でその長さが短かくなつて連続的に変化している
ことを示す例示である。第３図は植毛されたブリ
ツスルの左部及び右部の各３列が各々植毛された
ブリツスルの左端及び右端を最短の長さとして順
次頂部に移行するに従つて増長されておりそれ以
外のブリツスルは該第３列目のブリツスルの同一
長さのブリツスルを有することを示す例示であ
る。

本考案ヘアブラシにおいて植毛部周囲全植毛列
数は好ましくは５〜20列であり、最大長さを持つ
ブリツスルの植毛列の数が少なくも１列、又は全
植毛列数の80％を最大とする範囲にあることが適
当である。ブリツスルの最長のものの長さとして
は10〜25mm、最短長さとしては３〜20mmであり、
最大の長さと最小の長さとの比が１：0.3から
１：0.8の範囲が最もカール形成力、作業性およ
び使用感がよい。

本考案において植毛とは、広義に解釈される。
即ち単にブリツスルを植えつけるのみならず、植
毛部にブリツスルを備えていることをも包含す
る。従つて植毛の方法も尚第５図に示す様に、基
台１の植毛部分に設けられた植毛穴６に直接ブリ
ツスル２をピン７にて植えつけても良いし（第６
図参照）、又は第４図に示す様に、ブリツスル２
が貫通する穴７を設けた可撓性シートもしくはプ
ラスチツクプレート等の支持台４にブリツスル２
が該穴を貫通植毛する様に支持台４の裏面から挿
入し、支持台４を基台１の植毛部に捲回すること
により植毛部１に形成しても良い。このときブリ
ツスル２の安定化のため、ブリツスルの下端に第
４図に示す如き平板部分８を設けることが好まし
い。これによつてブラツシングする時ブリツスル
に応力が加わつてもブリツスルの抜けを効果的に
防止出来、耐久性が向上する。尚ピン７に代えて
繊条を用いてもよい。更には全体を一体成形して
製造する等公知の植毛方法も当然用いることがで
きる。

更には、髪の保護をより効果的にする為にはブ
リツスルの一端５は第５図に図示の如く基台表面
に露出していない方が良い。

本考案において、基台の形状は特に限定を要し
ない。好ましくは基台の植毛部の横断面は円形を
もつものが良い。基台の直径は10〜25mmのものが
使い易く、ブリツスル２の太さは0.5〜２mmのも
のが使い易い。

基台及びブリツスルの材質はプラスチツク、金
属何れでも良く、又木製のハンドルも使用出来
る。

ブリツスル２の植毛密度は３〜25本／cm²、植毛
部１の長さは60〜100mmの範囲が使い易い。

かくして最端部が短かいもので、シヨートヘア
や髪のはえぎわの髪の毛も容易にそろえる様にな
りヘアスタイルの仕上げが容易になり思うままに
仕上げることができる様になる。

実施例及び比較例 第１図に示した縦方向植毛列数９列（各列間の
横断面角度30゜、従つて植毛部周囲240゜の範囲に
植毛）の本考案のヘアブラシを基台の植毛部の長
さ80mm、直径15mm、ブリツスルの直径１mm、横方
向植毛列数20列、ブリツスルの長さは植毛された
ブリツスルの左端から時計方向に15mm、18mm、20
mm、22mm、25mmと増加し、次いで22mm、20mm、18
mm、15mmと減少する様にしてつくつた。比較品と
して凡てのブリツスルの長さを25mmとした以外は
上記本考案品と同様のヘアブラシをつくつた。

長さ15cm、重さ20ｇの毛束をシヤンプーし、乾
燥した後、上記本考案品又は比較品を用い、ブラ
シを半回転させて髪をすくつた後ブラツシング
し、ブラツシングに要する力をストレインゲージ
で測定した。

この髪をすくつて梳かした場合のブラツシング
力の値（10回平均）は比較品568±22ｇに対して
本考案品829±18ｇであり、本考案品は毛髪を固
定する力が大きいことがわかる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図および第
３図は横切断面図、第２図は第１図Ｙ−Ｙ線に沿
う縦切断面図、第４図及び第５図は植毛部切断面
図、第６図は第５図のＸ−Ｘ視図である。 １……植毛部、２……ブリツスル、３……把持
部、４……支持台、５……ブリツスル末端、６…
…植毛穴、７……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブリツスルを植毛する横断面円形の植毛部と該
   植毛部に連設した把持部とから成る基台を有する
   ブロー仕上げ用ヘアブラシにおいて、ブリツスル
   が当該植毛部の周囲210〜270度の範囲に放射状に
   一本づつ５〜20列の縦方向列状に分散して植毛さ
   れ、かつブリツスルの長さが植毛部の横切断面に
   於ける植毛されたブリツスルの一端から順次長く
   なり単一若しくは複数の最長ブリツスルを持ち次
   いで順次短かくなる様に植毛されてブリツスルの
   他端に達し、最大の長さと最小の長さとの比が
   １：0.3から１：0.8の範囲である様に植毛されて
   なることを特徴とするブロー仕上げ用ヘアブラ
   シ。