JPH017798Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ドア等の開き戸開閉用の心釣りピボ
ツトヒンジ装置に関し、ドア閉鎖戻し用のスプリ
ングを設けると共に、このスプリングの作用力を
調整可能にすることを目的とする。

従来のドア等の開き戸用心釣り支持装置として
は、ピボツトヒンジとフロアヒンジとがあり、こ
のピボツトヒンジはドアの開閉支点に設けられる
ので、丁番に比べて耐久性があり、建具枠のねじ
れや取付け部のゆるみなどがなく、また開閉もな
めらかであるため多用されているが、その取付け
空間が極めて狭いために、ドア閉鎖戻し手段は設
けられていない。

この欠点を解消するものとしてフロアヒンジが
あるが、ドア閉鎖戻し手段はフロアに埋込まれた
大型のもので、高価で且つ取付け作業が困難であ
り、ピボツトヒンジに適用してドア自体に設ける
ことは困難であつた。

本考案は、このような従来装置の問題点を解消
したものであり、その特徴とするところは、開き
戸の回動中心に戻し用スプリングを収納すると共
にその一端を係止した収納筒を配置し、この収納
筒内でスプリングの他端に係止したセンタ軸を相
対回動自在に設け、このセンタ軸を開き戸額縁に
回動可能に支持すると共に、額縁にセンタ軸の回
動位置を任意選択可能に固定する固定手段を設け
た点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図乃至第３図に示す本考案の第１実施例に
おいて、１は開き戸としてのドアで、縦枠２及び
上枠３等で形成された額縁４内の開口部５を開閉
自在であり、ドア１は上下心釣りピボツトヒンジ
装置６，７によつて心釣り支持されている。

ドア１と縦枠２との間にはドア１に固定の凸状
目隠し部材８と、縦枠２に固定の凹状目隠し部材
９とが設けられ、両目隠し部材８，９によつてド
ア１と縦枠２との間隙から室内が覗かれるのを防
止している。

縦枠２の端面下部にはＬ字形金具１１が固定さ
れ、この金具１１の先端にドア１の開閉支点Ａ
（回動中心）と同芯の下軸１２が設けられ、ドア
１の下端に固定の支持金具１３に設けられたブツ
シユ１４が嵌合しており、これらによつて下心釣
りがピボツトヒンジ装置７が構成され、ドア１を
担持すると共に回動可能にしている。

上心釣りピボツトヒンジ装置６はドア１の開閉
支点Ａにその上端から埋込まれた円筒状収納筒１
５と、この収納筒１５内に収納されたコイルスプ
リング１６と、係止回動体１７と、センタ軸１８
とを有している。

収納筒１５の底部にはスプリング１６の下端を
係止した係止部材１９が固定されており、前記係
止回動体１７はスプリング１６の上端を係止して
おり、相対回動することにより、スプリング１６
をつる巻方向に引張り可能であり、スプリング１
６は係止部材１９と係止回動体１７との間に若干
圧縮状態で収納されている。

２０は平板状の取付金具で、ドア１の上面に固
定されており、且つ前記収納筒１５の上端を溶着
等により固着しており、前記係止回動体１７は取
付金具２０に固定の押え板２１によつて抜止めさ
れている。

係止回動体１７は軸挿入凹部２３が形成され、
中心よりずれた位置に廻止めピン２４が貫設され
ており、この軸挿入凹部２３に断面半円形部１８
ａを有するセンタ軸１８が挿入され、廻止めピン
２４によつて廻止めが為されている。

センタ軸１８の上端には位置決めフランジ部２
５が一体成形され、その周囲に多数の凹部２６が
形成されている。２７は上枠３に固定の取付金具
で、センタ軸１８はこの取付金具２７を介して上
枠３に支持されており、取付金具２７に対して回
動可能である。取付金具２７には前記凹部２６に
対応する少なくとも１箇所、実施例では２箇所に
ネジ孔２８が形成されており、凹部２６を貫通し
てネジ孔２８にネジ２９を螺合することにより、
センタ軸１８は取付金具２７に固定される。

前記フランジ部２５、凹部２６、ネジ２９等に
よつて、上枠３に対してセンタ軸１８を回動した
位置で固定する固定手段３０が構成されており、
ネジ２９を離脱させることによりセンタ軸１８は
回動自在で、回動した位置でネジ２９をネジ孔２
８に螺合して凹部２６に係合することにより、セ
ンタ軸１８は固定される。

前記センタ軸１８を回動すると、係止回動体１
７を介してスプリング１６の上端が回動され、ス
プリング１６の作用力が調整されて、ドア１の戻
り力が調整される。センタ軸１８の回動は半円形
部１８ａに回動工具を係合して行なわれる。

尚、前記支持金具１３、取付金具２０，２７は
夫々ネジ３２，３３等を介してドア１又は上枠３
に固定されており、ネジ貫通孔３４，３５，３６
は金具長手方向の長孔となつていて、取付け位置
を長手方向に調整自在としている。

前記上心釣りピボツトヒンジ装置７は組立て状
態でセンタ軸１８は固定であり、ドア１をセンタ
軸１８を中心にして開方向に回動すると、収納筒
１５を回してスプリング１６の一端が引張られ
る。ドア１開放力をを解除すると、ドア１はスプ
リング１６の復元力によつて自動的に閉方向へ回
動する。

第４図は本考案の第２実施例を示しており、係
合回動体１７′には押え板２１から上方へ突設さ
れた角軸部３８を有し、センタ軸１８′には角軸
部３８に適合嵌合する角孔部３９が形成され、ま
た、センタ軸１８′の上端には、固定手段３０′を
形成すべく、フランジ部２５と同一平面形状の位
置決め部材４０がネジ４１を介して嵌合固定され
且つ廻止めが為されている。

この第２実施例でも、収納筒15内にスプリング
１６及び係止回動体１７′が組込まれており、ド
ア１への組付けが簡単であり、スプリング１６に
よつて開放したドア１を自動的に閉鎖方向へ戻す
ことができ、且つスプリング１６の強弱調整もで
きる。

第５図は第３実施例を示しており、この実施例
では、係止回動体１７を設ける代りに、センタ軸
１８′の下端を直接収納筒１５内に挿入して、下
端係止部４２にスプリング１６の上端を係止する
ようにしており、また、固定手段３０′はセンタ
軸１８′の上端に六角軸部４３を形成して、取付
金具２７にネジ固定される六角孔付き板４４で廻
止めをするように構成されている。４５は六角孔
付き板４４を離脱してセンタ軸１８′を回動させ
るための回動工具係合部である。

この第３実施例によれば、係止回動体が不要で
あるので、安価に製作でき且つ組立ても容易であ
り、固定手段３０′は製作・組立てを簡単にでき
る。即ち、センタ軸１８はスプリング１６の一端
と係合すると共にドア１の回動支軸となり且つ上
枠３に貫通できる形状であれば、係止回動体１７
は不要となる。

尚、本考案は上心釣ピボツトヒンジ装置として
例示したが、ドアの下側に配置するように設計変
更することも可能である。

以上詳述した本考案によれば、ドア１の回動中
心Ａに収納筒１５を設け、この収納筒１５内に開
放したドア１を閉鎖するための戻し用スプリング
１６を設け、このスプリング１６と係合するセン
タ軸１８をドア額縁４に回動可能に設け、且つド
ア額縁４にセンタ軸１８の回動位置を任意選択可
能に固定する固定手段３０を設けているので、ス
プリング１６の作用によつてドア１を自動閉鎖さ
せることができ、且つ固定手段３０を介してセン
タ軸１８の回動位置を調調整することによつて、
前記スプリング１６の強弱を調整でき、従つてド
ア１の閉鎖力の調整が自由にできる。また、スプ
リング１６は予め収納筒１５に収納してドア１内
に組込めるので、装置６の組立てが簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の第１実施例を示し
ており、第１図は縦断面図、第２図は第１図の
−線断面図、第３図は第１図の矢視図、第４
図及び第５図は夫々本考案の第２、第３実施例の
要部を示す断面図である。 １……ドア（開き戸）、４……額縁、６……上
心釣りピボツトヒンジ装置、７……下心釣りピボ
ツトヒンジ装置、１６……コイルスプリング、１
７……係止回動体、１８……センタ軸、Ａ……開
閉支点（回動中心）、３０……固定手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開き戸１の回動中心Ａに戻し用スプリング１６
   を収納すると共にその一端を係止した収納筒１５
   を配置し、この収納筒１５内でスプリング１６の
   他端に係止したセンタ軸１８を相対回動自在に設
   け、このセンタ軸１８を開き戸額縁４に回動可能
   に支持すると共に、額縁４にセンタ軸１８の回動
   位置を任意選択可能に固定する固定手段３０を設
   けたことを特徴とする心釣りピボツトヒンジ装
   置。