JPH0972357A - 車両用ディスクブレーキの摩擦パッド戻し構造 - Google Patents
車両用ディスクブレーキの摩擦パッド戻し構造Info
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- JPH0972357A JPH0972357A JP22886495A JP22886495A JPH0972357A JP H0972357 A JPH0972357 A JP H0972357A JP 22886495 A JP22886495 A JP 22886495A JP 22886495 A JP22886495 A JP 22886495A JP H0972357 A JPH0972357 A JP H0972357A
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- disk
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Abstract
(57)【要約】
【課題】摩擦パッドのディスク内外の両側面を弾持しな
がら、制動解除時の摩擦パッドをディスクロータの側面
から強制的に引戻して、ライニングの偏摩耗や摺擦音の
発生を防止する。 【解決手段】摩擦パッド7の裏板12のディスク内側面
12aをパッド受け片14a,14aにて支承し、摩擦
パッド7をパッド受け片14aの弾性湾曲部14bの弾
発力にて、ディスク外側へ付勢する。裏板のディスク外
側面12bを、剛性メンバー15のディスク内側面15
cにて支承する。剛性メンバー15のディスク内側面1
5cを、ディスクロータ3から遠ざかるに連れて、ディ
スク軸から離れるように傾斜させる。
がら、制動解除時の摩擦パッドをディスクロータの側面
から強制的に引戻して、ライニングの偏摩耗や摺擦音の
発生を防止する。 【解決手段】摩擦パッド7の裏板12のディスク内側面
12aをパッド受け片14a,14aにて支承し、摩擦
パッド7をパッド受け片14aの弾性湾曲部14bの弾
発力にて、ディスク外側へ付勢する。裏板のディスク外
側面12bを、剛性メンバー15のディスク内側面15
cにて支承する。剛性メンバー15のディスク内側面1
5cを、ディスクロータ3から遠ざかるに連れて、ディ
スク軸から離れるように傾斜させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や自動二輪
車等の各種走行車両に用いられるディスクブレーキに係
り、詳しくは、制動解除時の摩擦パッドをディスクロー
タ側面から強制的に引戻してライニングの引摺りを防止
するようにした構造に関する。
車等の各種走行車両に用いられるディスクブレーキに係
り、詳しくは、制動解除時の摩擦パッドをディスクロー
タ側面から強制的に引戻してライニングの引摺りを防止
するようにした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用ディスクブレーキに、ピストン対
向型のキャリパボディを用いた従来例として、例えば実
開平7−12638号公報に開示されるものがある。こ
のディスクブレーキは、ディスクロータの両側部に配設
されるキャリパボディの一対の作用部に、ディスクロー
タ側へ開口するシリンダ孔を対向して設け、各シリンダ
孔にそれぞれピストンを内挿し、シリンダ孔底部の液圧
室へ供給される作動液によってピストンをディスクロー
タ方向へ押動して、作用部とディスクロータとの間に配
設されたそれぞれの摩擦パッドを、ディスクロータの側
面へ押圧して制動作用を行なうもので、双方の摩擦パッ
ドは、ディスク内側面両端をリテーナから延設されたパ
ッド受け片にて支承され、該パッド受け片の弾発力にて
ディスク外方へ付勢されると共に、ディスク外側面をブ
リッジ部の天井開口部に架設した剛性メンバーのディス
ク内側面にて支承されている。
向型のキャリパボディを用いた従来例として、例えば実
開平7−12638号公報に開示されるものがある。こ
のディスクブレーキは、ディスクロータの両側部に配設
されるキャリパボディの一対の作用部に、ディスクロー
タ側へ開口するシリンダ孔を対向して設け、各シリンダ
孔にそれぞれピストンを内挿し、シリンダ孔底部の液圧
室へ供給される作動液によってピストンをディスクロー
タ方向へ押動して、作用部とディスクロータとの間に配
設されたそれぞれの摩擦パッドを、ディスクロータの側
面へ押圧して制動作用を行なうもので、双方の摩擦パッ
ドは、ディスク内側面両端をリテーナから延設されたパ
ッド受け片にて支承され、該パッド受け片の弾発力にて
ディスク外方へ付勢されると共に、ディスク外側面をブ
リッジ部の天井開口部に架設した剛性メンバーのディス
ク内側面にて支承されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成を始めとす
るディスクブレーキでは、ピストンの押圧を解除した制
動解除時に、摩擦パッドがディスクロータとの競りによ
ってディスクロータの側面から離れるようになっている
が、上述の摩擦パッドは、ディスク内外の両側面をパッ
ド受け片と剛性メンバーとに保持される上、パッド保持
片からの弾発力が抵抗となって、上述のディスクロータ
との競り程度ではディスクロータの側面から充分に離間
させることができず、摩擦パッドのライニングを回転す
るディスクロータに引摺って、偏摩耗や摺擦音を発生す
る原因となっていた。
るディスクブレーキでは、ピストンの押圧を解除した制
動解除時に、摩擦パッドがディスクロータとの競りによ
ってディスクロータの側面から離れるようになっている
が、上述の摩擦パッドは、ディスク内外の両側面をパッ
ド受け片と剛性メンバーとに保持される上、パッド保持
片からの弾発力が抵抗となって、上述のディスクロータ
との競り程度ではディスクロータの側面から充分に離間
させることができず、摩擦パッドのライニングを回転す
るディスクロータに引摺って、偏摩耗や摺擦音を発生す
る原因となっていた。
【0004】本発明は、このような実情を背景にしてな
されたもので、その目的とするところは、摩擦パッドが
ディスク内外の両側面を弾持される場合にも、制動解除
時の摩擦パッドをディスクロータの側面から強制的に引
戻して、ライニングの偏摩耗や摺擦音の発生を有効に防
止し得る車両用ディスクブレーキの摩擦パッド戻し構造
を提供することにある。
されたもので、その目的とするところは、摩擦パッドが
ディスク内外の両側面を弾持される場合にも、制動解除
時の摩擦パッドをディスクロータの側面から強制的に引
戻して、ライニングの偏摩耗や摺擦音の発生を有効に防
止し得る車両用ディスクブレーキの摩擦パッド戻し構造
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的に従って本発
明は、ディスクロータの両側部に配設されるキャリパボ
ディの一対の作用部を、前記ディスクロータの外周を跨
ぐブリッジ部にて連結し、該ブリッジ部のディスク半径
方向内外に貫通する天井開口部に剛性メンバーをディス
ク軸方向に架設し、前記双方の作用部の間に一対の摩擦
パッドをディスクロータを挟んでディスク軸方向へ移動
可能に対向配置し、該摩擦パッドのディスク内側面を弾
発力を有するパッド受け片にて支承し、該パッド受け片
にてディスク外方へ付勢される両摩擦パッドのディスク
外側面を前記剛性メンバーのディスク内側面にて支承し
た車両用ディスクブレーキにおいて、前記剛性メンバー
のディスク内側面を、ディスクロータから遠ざかるに連
れて次第にディスク軸から離れるように傾斜させてい
る。また上記の構成に併せて、パッド受け片を、ディス
クロータから遠ざかるに連れて、次第にディスク軸へ近
づくように傾斜させることもできる。
明は、ディスクロータの両側部に配設されるキャリパボ
ディの一対の作用部を、前記ディスクロータの外周を跨
ぐブリッジ部にて連結し、該ブリッジ部のディスク半径
方向内外に貫通する天井開口部に剛性メンバーをディス
ク軸方向に架設し、前記双方の作用部の間に一対の摩擦
パッドをディスクロータを挟んでディスク軸方向へ移動
可能に対向配置し、該摩擦パッドのディスク内側面を弾
発力を有するパッド受け片にて支承し、該パッド受け片
にてディスク外方へ付勢される両摩擦パッドのディスク
外側面を前記剛性メンバーのディスク内側面にて支承し
た車両用ディスクブレーキにおいて、前記剛性メンバー
のディスク内側面を、ディスクロータから遠ざかるに連
れて次第にディスク軸から離れるように傾斜させてい
る。また上記の構成に併せて、パッド受け片を、ディス
クロータから遠ざかるに連れて、次第にディスク軸へ近
づくように傾斜させることもできる。
【0006】かかる構成により、制動時の摩擦パッド
は、パッド受け片をディスク半径内方へ押し退けながら
ディスクロータ方向へ移動して行く。そして、制動操作
を解除された摩擦パッドは、ディスク外側へ復元して行
くパッド受け片と、剛性メンバーのディスク内側面やパ
ッド受け片の傾斜形状とによって、ディスクロータの側
面から反ディスクロータ側へ強制的に戻されていく。
は、パッド受け片をディスク半径内方へ押し退けながら
ディスクロータ方向へ移動して行く。そして、制動操作
を解除された摩擦パッドは、ディスク外側へ復元して行
くパッド受け片と、剛性メンバーのディスク内側面やパ
ッド受け片の傾斜形状とによって、ディスクロータの側
面から反ディスクロータ側へ強制的に戻されていく。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の形態例を図面に基
づいて説明する。
づいて説明する。
【0008】図1乃至図4は、本発明の第1形態例を示
すもので、ディスクブレーキ1に用いるキャリパボディ
2は、車両の前進走行に伴って矢印A方向へ回転するデ
ィスクロータ3の両側部に作用部2a,2bを配設し、
該作用部2a,2bにそれぞれ大小2個づつのシリンダ
孔4を対向して設け、これらシリンダ孔4に、大径また
は小径のピストン5を収容した4ポットのピストン対向
型で、キャリパボディ2は、車体マウント側となる一方
の作用部2aにユニオン孔2dと共に穿設されたディス
ク半径方向の車体取付け孔2e,2eと取付けボルトと
を用いて、車体にラジアルマウントされる。
すもので、ディスクブレーキ1に用いるキャリパボディ
2は、車両の前進走行に伴って矢印A方向へ回転するデ
ィスクロータ3の両側部に作用部2a,2bを配設し、
該作用部2a,2bにそれぞれ大小2個づつのシリンダ
孔4を対向して設け、これらシリンダ孔4に、大径また
は小径のピストン5を収容した4ポットのピストン対向
型で、キャリパボディ2は、車体マウント側となる一方
の作用部2aにユニオン孔2dと共に穿設されたディス
ク半径方向の車体取付け孔2e,2eと取付けボルトと
を用いて、車体にラジアルマウントされる。
【0009】マウント側の作用部2aと反マウント側の
作用部2bとは、ディスクロータ3の外周を跨ぐブリッ
ジ部2cにてつながれており、ブリッジ部2cの中央部
には、矩形の天井開口部6が内外に貫通して設けられて
いる。シリンダ孔4が開口する作用部2aと作用部2b
のディスクロータ側には、パッド装着凹部2f,2fが
天井開口部6の内側面と面一に連続して設けられてお
り、これらパッド装着凹部2f,2fに、一対の摩擦パ
ッド7,7がディスクロータ3を挟んでディスク軸方向
へ移動可能に配設されている。
作用部2bとは、ディスクロータ3の外周を跨ぐブリッ
ジ部2cにてつながれており、ブリッジ部2cの中央部
には、矩形の天井開口部6が内外に貫通して設けられて
いる。シリンダ孔4が開口する作用部2aと作用部2b
のディスクロータ側には、パッド装着凹部2f,2fが
天井開口部6の内側面と面一に連続して設けられてお
り、これらパッド装着凹部2f,2fに、一対の摩擦パ
ッド7,7がディスクロータ3を挟んでディスク軸方向
へ移動可能に配設されている。
【0010】前記ピストン5は、先端をシリンダ孔4か
らパッド装着凹部2fへ突出させて、シリンダ孔4に角
シール8を介して液密且つ移動可能に保持されており、
各ピストン5とシリンダ孔4の底部間にはそれぞれ液圧
室9が画成される。4つの液圧室9は、作用部2a,2
bのそれぞれで隣接する2つが液通孔10にて連通し、
更にディスク回出側で対向する2つが、ディスクロータ
3の外側を跨いで配設される外部の液通管11にて連通
しており、更にマウント側の作用部2aのディスク回出
側の1つに、前述のユニオン孔2dが連通している。
らパッド装着凹部2fへ突出させて、シリンダ孔4に角
シール8を介して液密且つ移動可能に保持されており、
各ピストン5とシリンダ孔4の底部間にはそれぞれ液圧
室9が画成される。4つの液圧室9は、作用部2a,2
bのそれぞれで隣接する2つが液通孔10にて連通し、
更にディスク回出側で対向する2つが、ディスクロータ
3の外側を跨いで配設される外部の液通管11にて連通
しており、更にマウント側の作用部2aのディスク回出
側の1つに、前述のユニオン孔2dが連通している。
【0011】各摩擦パッド7は、ピストン5に押圧され
る金属製の裏板12と、ピストン5の押圧を受けてディ
スクロータ3の側面と摺接するライニング13とを接合
して構成され、裏板12のディスク内外両側面12a,
12bを、後述するパッド受け片14a,14aと弾性
湾曲部14bと剛性メンバー15とで弾持して配設され
ており、メンテナンスやパッド交換時には、剛性メンバ
ー15を取外した天井開口部6を通して着脱される。
る金属製の裏板12と、ピストン5の押圧を受けてディ
スクロータ3の側面と摺接するライニング13とを接合
して構成され、裏板12のディスク内外両側面12a,
12bを、後述するパッド受け片14a,14aと弾性
湾曲部14bと剛性メンバー15とで弾持して配設され
ており、メンテナンスやパッド交換時には、剛性メンバ
ー15を取外した天井開口部6を通して着脱される。
【0012】トルク受け面となるパッド装着凹部2f,
2fのディスク回入側及び回出側面には、薄板のリテー
ナ14が密着して設けられており、制動及び制動解除時
の摩擦パッド7をディスク軸方向へ円滑に案内し、制動
時には裏板12の側面を支承する。ディスクロータ3を
挟んで対向するリテーナ14,14は、ディスクロータ
3の外方で一体に連結され、更に天井開口部6のディス
ク回入側及び回出側面に沿って配設されており、各リテ
ーナ14のディスク内側端には、それぞれ上述のパッド
受け片14aが延設されている。パッド装着凹部2fの
ディスク回入側及び回出側のパッド受け片14a,14
aは、それぞれパッド装着凹部2fの内方へ突出して、
裏板12のディスク内側面12aの両角部を支承し、リ
テーナ14との間に膨出させた弾性湾曲部14bの弾発
力によって、摩擦パッド7をディスク外方へ付勢してい
る。
2fのディスク回入側及び回出側面には、薄板のリテー
ナ14が密着して設けられており、制動及び制動解除時
の摩擦パッド7をディスク軸方向へ円滑に案内し、制動
時には裏板12の側面を支承する。ディスクロータ3を
挟んで対向するリテーナ14,14は、ディスクロータ
3の外方で一体に連結され、更に天井開口部6のディス
ク回入側及び回出側面に沿って配設されており、各リテ
ーナ14のディスク内側端には、それぞれ上述のパッド
受け片14aが延設されている。パッド装着凹部2fの
ディスク回入側及び回出側のパッド受け片14a,14
aは、それぞれパッド装着凹部2fの内方へ突出して、
裏板12のディスク内側面12aの両角部を支承し、リ
テーナ14との間に膨出させた弾性湾曲部14bの弾発
力によって、摩擦パッド7をディスク外方へ付勢してい
る。
【0013】前記剛性メンバー15は、長手方向の左右
両側部で下側に膨らむ断面矩形の隆条部15a,15a
に、ボルト差し込み孔15b,15bを穿設した幅広の
帯材によって形成されており、ボルト差し込み孔15
b,15bに2本の取付けボルト16,16を差し込ん
で、天井開口部6にディスク軸方向に架設され、天井開
口部6を刳り抜いたブリッジ部2cの剛性を高めてお
り、隆条部15a,15a下面である剛性メンバー15
のディスク内側面15c,15cに、上述の裏板12の
ディスク外側面12bが支承される。
両側部で下側に膨らむ断面矩形の隆条部15a,15a
に、ボルト差し込み孔15b,15bを穿設した幅広の
帯材によって形成されており、ボルト差し込み孔15
b,15bに2本の取付けボルト16,16を差し込ん
で、天井開口部6にディスク軸方向に架設され、天井開
口部6を刳り抜いたブリッジ部2cの剛性を高めてお
り、隆条部15a,15a下面である剛性メンバー15
のディスク内側面15c,15cに、上述の裏板12の
ディスク外側面12bが支承される。
【0014】剛性メンバー15のディスク内側面15
c,15cは、剛性メンバー15を天井開口部6に架設
した際に、ディスク軸と平行なパッド受け片14a,1
4aに対し、ディスクロータ3から遠ざかるに連れて次
第にディスク軸から離れるよう、中央部を境にボルト差
し込み孔15b,15bが開口する長手方向両端へ向け
て緩やかなV字状に傾斜しており、パッド受け片14a
の弾性湾曲部14bに付勢される摩擦パッド7は、制動
及び制動解除時に、このディスク内側面15cの傾斜形
状に沿ってディスク軸方向へ案内される。
c,15cは、剛性メンバー15を天井開口部6に架設
した際に、ディスク軸と平行なパッド受け片14a,1
4aに対し、ディスクロータ3から遠ざかるに連れて次
第にディスク軸から離れるよう、中央部を境にボルト差
し込み孔15b,15bが開口する長手方向両端へ向け
て緩やかなV字状に傾斜しており、パッド受け片14a
の弾性湾曲部14bに付勢される摩擦パッド7は、制動
及び制動解除時に、このディスク内側面15cの傾斜形
状に沿ってディスク軸方向へ案内される。
【0015】このように構成される本形態例は、ディス
ク回入側または回出側から見たパッド受け片14aと剛
性メンバー15のディスク内側面15cとの間隔が、デ
ィスクロータ3側で摩擦パッド7の裏板12の上下幅よ
りも狭く、ディスクロータ3から遠ざかるに連れて、デ
ィスク外側へ拡がる形状となっており、非制動時の摩擦
パッド7,7は、内外のパッド受け片14a,14aと
剛性メンバー15と弾性湾曲部14b,14bとによっ
て、ガタ付きなく弾持される。
ク回入側または回出側から見たパッド受け片14aと剛
性メンバー15のディスク内側面15cとの間隔が、デ
ィスクロータ3側で摩擦パッド7の裏板12の上下幅よ
りも狭く、ディスクロータ3から遠ざかるに連れて、デ
ィスク外側へ拡がる形状となっており、非制動時の摩擦
パッド7,7は、内外のパッド受け片14a,14aと
剛性メンバー15と弾性湾曲部14b,14bとによっ
て、ガタ付きなく弾持される。
【0016】そして、運転者が制動操作を行なうと、昇
圧した作動液がユニオン孔2dと液通孔10及び液通管
11を通して4つの液圧室9に供給され、それぞれのピ
ストン5がシリンダ孔4を前進して、双方の摩擦パッド
7,7を押動し、ライニング13,13をディスクロー
タ3の両側面へ摺接させて制動作用が行なわれる。
圧した作動液がユニオン孔2dと液通孔10及び液通管
11を通して4つの液圧室9に供給され、それぞれのピ
ストン5がシリンダ孔4を前進して、双方の摩擦パッド
7,7を押動し、ライニング13,13をディスクロー
タ3の両側面へ摺接させて制動作用が行なわれる。
【0017】ピストン5の押圧を受ける制動時の摩擦パ
ッド7は、裏板12のディスク外側面12bを剛性メン
バー15のディスク内側面15c,15cに滑らせ、パ
ッド受け片14a,14aを、弾性湾曲部14bの付勢
に抗してディスク内方へ押し拡げながら、ディスクロー
タ方向へ移動して行く。そして、上述の制動操作を解除
して、ピストン5が制動開始前の位置へ後退すると、パ
ッド受け片14aの拡がりで付勢力を高めた弾性湾曲部
14bが、パッド受け片14aをディスク外方へ強く付
勢し、摩擦パッド7は、裏板12のディスク外側面12
bが、ディスクロータ3の反対方向へ拡がるように傾斜
する剛性メンバー15のディスク内側面15c,15c
に案内されながら、ディスクロータ3の側面から強制的
に離間して行く。
ッド7は、裏板12のディスク外側面12bを剛性メン
バー15のディスク内側面15c,15cに滑らせ、パ
ッド受け片14a,14aを、弾性湾曲部14bの付勢
に抗してディスク内方へ押し拡げながら、ディスクロー
タ方向へ移動して行く。そして、上述の制動操作を解除
して、ピストン5が制動開始前の位置へ後退すると、パ
ッド受け片14aの拡がりで付勢力を高めた弾性湾曲部
14bが、パッド受け片14aをディスク外方へ強く付
勢し、摩擦パッド7は、裏板12のディスク外側面12
bが、ディスクロータ3の反対方向へ拡がるように傾斜
する剛性メンバー15のディスク内側面15c,15c
に案内されながら、ディスクロータ3の側面から強制的
に離間して行く。
【0018】本形態例はこのように、摩擦パッド7を、
内外のパッド受け片14a,14aと剛性メンバー1
5、及び弾性湾曲部14b,14bによって、常時ガタ
付きなく弾持する一方、制動操作を解除した際には、弾
性湾曲部14bと、剛性メンバー15のディスク内側面
15c,15cの傾斜形状とによって、摩擦パッド7を
ディスクロータ3の側面から強制的に引き戻すので、ラ
イニング12の偏摩耗や摺擦音の発生を有効に防止する
ことができる。
内外のパッド受け片14a,14aと剛性メンバー1
5、及び弾性湾曲部14b,14bによって、常時ガタ
付きなく弾持する一方、制動操作を解除した際には、弾
性湾曲部14bと、剛性メンバー15のディスク内側面
15c,15cの傾斜形状とによって、摩擦パッド7を
ディスクロータ3の側面から強制的に引き戻すので、ラ
イニング12の偏摩耗や摺擦音の発生を有効に防止する
ことができる。
【0019】図5及び図6は本発明の第2形態例を示
し、パッド装着凹部2f,2fのディスク回入側と回出
側のそれぞれで、裏板12のディスク内側面12aの両
角部を支承するパッド受け片20は、リテーナ14から
分離した別体品となっており、作用部2a,2bにビス
止めされる取付け部との間に、摩擦パッド7,7をディ
スク外方へ付勢するS字状の弾性湾曲部20aを持って
いる。
し、パッド装着凹部2f,2fのディスク回入側と回出
側のそれぞれで、裏板12のディスク内側面12aの両
角部を支承するパッド受け片20は、リテーナ14から
分離した別体品となっており、作用部2a,2bにビス
止めされる取付け部との間に、摩擦パッド7,7をディ
スク外方へ付勢するS字状の弾性湾曲部20aを持って
いる。
【0020】作用部2a,2bに装着された各パッド受
け片20は、ディスクロータ3から遠ざかるに連れて、
次第にディスク軸へ近づくように傾斜しており、パッド
受け片20と第1形態例と同様に傾斜させた剛性メンバ
ー15のディスク内側面15c,15cとの間隔は、デ
ィスクロータ3側で摩擦パッド7の裏板12の上下幅よ
りも狭く、ディスクロータ3から遠ざかるに連れて、デ
ィスク内外へテーパ状に拡がる形状となっている。
け片20は、ディスクロータ3から遠ざかるに連れて、
次第にディスク軸へ近づくように傾斜しており、パッド
受け片20と第1形態例と同様に傾斜させた剛性メンバ
ー15のディスク内側面15c,15cとの間隔は、デ
ィスクロータ3側で摩擦パッド7の裏板12の上下幅よ
りも狭く、ディスクロータ3から遠ざかるに連れて、デ
ィスク内外へテーパ状に拡がる形状となっている。
【0021】本形態例はこのように、摩擦パッド7の裏
板12を内外から挟むパッド受け片20と剛性メンバー
15のディスク内側面15c,15cの双方を傾斜させ
たから、制動操作を解除した摩擦パッド7を、弾性湾曲
部20aの付勢力によって、ディスクロータ3の側面か
ら一層確実に離間させることができるようになる。
板12を内外から挟むパッド受け片20と剛性メンバー
15のディスク内側面15c,15cの双方を傾斜させ
たから、制動操作を解除した摩擦パッド7を、弾性湾曲
部20aの付勢力によって、ディスクロータ3の側面か
ら一層確実に離間させることができるようになる。
【0022】尚、上述の形態例では、剛性メンバーのデ
ィスク内側面を緩やかなV字状の傾斜で連続させたが、
剛性メンバーのディスク内側面の傾斜は、少なくとも摩
擦パッドがディスク軸方向へ移動する長さがあればよ
く、双方の作用部に分断して設けてもよい。また、剛性
メンバーのディスク内側面として、形態例では隆条部の
下面を用いたが、剛性メンバーの平らな下面全体を用い
ることもできる。
ィスク内側面を緩やかなV字状の傾斜で連続させたが、
剛性メンバーのディスク内側面の傾斜は、少なくとも摩
擦パッドがディスク軸方向へ移動する長さがあればよ
く、双方の作用部に分断して設けてもよい。また、剛性
メンバーのディスク内側面として、形態例では隆条部の
下面を用いたが、剛性メンバーの平らな下面全体を用い
ることもできる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、摩擦パッドのディスク内側面
を弾発力を有するパッド受け片にて支承し、該摩擦パッ
ドのディスク外側面を、キャリパボディの天井開口部に
架設される剛性メンバーのディスク内側面にて支承する
と共に、剛性メンバーのディスク内側面を、ディスクロ
ータから遠ざかるに連れて次第にディスク軸から離れる
ように傾斜させたことにより、制動解除後の摩擦パッド
を、パッド受け片の付勢力と、剛性メンバーの傾斜した
ディスク内側面形状とによって、ディスクロータの側面
から強制的に引き戻すので、摩擦パッドのライニングを
ディスクロータに引摺って、偏摩耗を招いたり摺擦音を
発生するといった従来の不具合を解消することができ
る。更に、摩擦パッドを引き戻すための特別な部材は一
切用いないから、組付け性や製品コストの面でも優れて
いる。また上述の構成に併せて、パッド受け片をディス
クロータから遠ざかるに連れて、次第にディスク軸へ近
づくように傾斜させることにより、ディスクロータの側
面から摩擦パッドを一層確実に引き戻すことができて、
ライニングの偏摩耗や摺擦音の発生防止を有効に図るこ
とができる。
を弾発力を有するパッド受け片にて支承し、該摩擦パッ
ドのディスク外側面を、キャリパボディの天井開口部に
架設される剛性メンバーのディスク内側面にて支承する
と共に、剛性メンバーのディスク内側面を、ディスクロ
ータから遠ざかるに連れて次第にディスク軸から離れる
ように傾斜させたことにより、制動解除後の摩擦パッド
を、パッド受け片の付勢力と、剛性メンバーの傾斜した
ディスク内側面形状とによって、ディスクロータの側面
から強制的に引き戻すので、摩擦パッドのライニングを
ディスクロータに引摺って、偏摩耗を招いたり摺擦音を
発生するといった従来の不具合を解消することができ
る。更に、摩擦パッドを引き戻すための特別な部材は一
切用いないから、組付け性や製品コストの面でも優れて
いる。また上述の構成に併せて、パッド受け片をディス
クロータから遠ざかるに連れて、次第にディスク軸へ近
づくように傾斜させることにより、ディスクロータの側
面から摩擦パッドを一層確実に引き戻すことができて、
ライニングの偏摩耗や摺擦音の発生防止を有効に図るこ
とができる。
【図1】本発明の第1形態例を示す図3のI−I断面図
【図2】本発明の第1形態例を示すキャリパボディの一
部断面平面図
部断面平面図
【図3】本発明の第1形態例を示す図2のIII −III 断
面図
面図
【図4】本発明の第1形態例を示す剛性メンバーの斜視
図
図
【図5】本発明の第2形態例を示すキャリパボディの断
面正面図
面正面図
【図6】本発明の第2形態例を示す図5のVI−VI断面図
1…ディスクブレーキ 2…キャリパボディ 2a,2b…作用部 2c…ブリッジ部 2f…パッド装着凹部 3…ディスクロータ 4…シリンダ孔 5…ピストン 6…天井開口部 7…摩擦パッド 9…液圧室 12…摩擦パッド7の裏板 12a…裏板12のディスク内側面 12b…裏板12のディスク外側面 13…摩擦パッド7のライニング 14…リテーナ 14a…リテーナ14と一体のパッド受け片 14b…パッド受け片14aの弾性湾曲部 15…剛性メンバー 15a…剛性メンバー15の隆条部 15c…剛性メンバー15のディスク内側面 16…取付けボルト 20…パッド受け片 20a…パッド受け片20の弾性湾曲部 A…ディスクロータ3の回転方向
Claims (2)
- 【請求項1】 ディスクロータの両側部に配設されるキ
ャリパボディの一対の作用部を、前記ディスクロータの
外周を跨ぐブリッジ部にて連結し、該ブリッジ部のディ
スク半径方向内外に貫通する天井開口部に剛性メンバー
をディスク軸方向に架設し、前記双方の作用部の間に一
対の摩擦パッドをディスクロータを挟んでディスク軸方
向へ移動可能に対向配置し、該摩擦パッドのディスク内
側面を弾発力を有するパッド受け片にて支承し、該パッ
ド受け片にてディスク外方へ付勢される両摩擦パッドの
ディスク外側面を前記剛性メンバーのディスク内側面に
て支承した車両用ディスクブレーキにおいて、前記剛性
メンバーのディスク内側面を、ディスクロータから遠ざ
かるに連れて次第にディスク軸から離れるように傾斜さ
せたことを特徴とする車両用ディスクブレーキの摩擦パ
ッド戻し構造。 - 【請求項2】 前記パッド受け片を、ディスクロータか
ら遠ざかるに連れて、次第にディスク軸へ近づくように
傾斜させたことを特徴とする請求項1記載の車両用ディ
スクブレーキの摩擦パッド戻し構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22886495A JPH0972357A (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 車両用ディスクブレーキの摩擦パッド戻し構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22886495A JPH0972357A (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 車両用ディスクブレーキの摩擦パッド戻し構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0972357A true JPH0972357A (ja) | 1997-03-18 |
Family
ID=16883083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22886495A Pending JPH0972357A (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 車両用ディスクブレーキの摩擦パッド戻し構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0972357A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2372081B (en) * | 1999-10-29 | 2004-05-05 | Stop Technologies Llc | Stiffening bracket for brake calipers |
JP2007032720A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Advics:Kk | オープントップ型のキャリパを備える対向型ディスクブレーキ |
EP1944521A1 (en) * | 2006-12-19 | 2008-07-16 | Freni Brembo S.p.A. | Brake caliper in two parts |
JP2009097637A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-07 | Nissin Kogyo Co Ltd | 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ |
JP2009222225A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-10-01 | Nissin Kogyo Co Ltd | 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ |
-
1995
- 1995-09-06 JP JP22886495A patent/JPH0972357A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2372081B (en) * | 1999-10-29 | 2004-05-05 | Stop Technologies Llc | Stiffening bracket for brake calipers |
JP2007032720A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Advics:Kk | オープントップ型のキャリパを備える対向型ディスクブレーキ |
EP1944521A1 (en) * | 2006-12-19 | 2008-07-16 | Freni Brembo S.p.A. | Brake caliper in two parts |
JP2009097637A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-07 | Nissin Kogyo Co Ltd | 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ |
JP2009222225A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-10-01 | Nissin Kogyo Co Ltd | 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ |
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