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JPH0970288A - 新規なアルカリホスファターゼ - Google Patents

新規なアルカリホスファターゼ

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JPH0970288A
JPH0970288A JP8000953A JP95396A JPH0970288A JP H0970288 A JPH0970288 A JP H0970288A JP 8000953 A JP8000953 A JP 8000953A JP 95396 A JP95396 A JP 95396A JP H0970288 A JPH0970288 A JP H0970288A
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alkaline phosphatase
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phosphate
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静夫 服部
Kazumi Yamamoto
和巳 山本
Shinichi Tejima
真一 手嶋
Yoshihisa Kawamura
川村  良久
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高純度であって、安定性がよい新規なアルカリ
ホスファターゼを提供する。 【構成】pH7.5、60℃処理で少なくとも30分間
安定であり、基質に対するKm値が低いアルカルホスフ
ァターゼおよびバチルス属細菌から該酵素を製造する方
法ならびに標識として該酵素を使用する試料中のリガン
ドを検出する方法およびその試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高純度であって、安定性
がよい新規なアルカリホスファターゼおよびその製造法
ならびに該酵素を標識として使用する試料中のリガンド
の検出法およびその試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】生体物質の検出法としては多くの方法が
知られており、様々な成分が混在する中で、ある特定の
微量の成分を特異的に測定する場合には、生化学的親和
性を利用した分析法が用いられている。例えばグルコー
スや尿酸等、体液中に10-2mole/Lオーダー以上
の濃度で存在する成分に対しては、該成分を基質とする
酵素反応を利用する検出法が多く使用され、酵素の基質
とならないより高分子量の成分や、より低濃度の成分を
測定しようとする場合には、各成分の親和性、例えば抗
原−抗体、ホルモン−ホルモンレセプター、核酸−核酸
等、より親和性の高いものを利用することが一般的であ
る。これらの親和性を利用する検出法では、一方の親和
性成分を標識して検出することが多くの場合、必要であ
る。その一つとし、標識として放射性物質(RI)を用
いる方法が、検出感度の面で優れており、従来から使用
されてきた。しかし、特殊な放射性物質を取り扱う施設
や測定装置を必要とすることから、近年は、酵素でもっ
て一方の親和性成分を標識し、親和性により結合した標
識もしくは結合しなかった標識の酵素活性を測定するこ
とにより、他方の親和性成分を定量する方法が用いられ
ている。
【0003】標識酵素の検出に用いる基質を、比色用基
質から蛍光法用基質、更には発光用基質に変えることに
より飛躍的に検出感度の向上が図られている。標識用酵
素が備える条件として、一般的に高純度、安定性が高
い、ターンオーバーが高い、標識しやすい官能基を持
つ、基質に対するKm値が低い、バックグランドが低
い、検出に適した基質がある等が挙げられる。用いられ
ている酵素の種類としてはアルカリホスファターゼ、β
−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコ
ース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、ペルオキシダー
ゼ、β−ラクタマーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム
等が挙げられるが、この中でアルカリホスファターゼが
もつ大きな利点は、バックグランドが他の酵素より低い
ことおよび検出に適した基質であることなどである。
【0004】抗原、抗体または核酸の検出に適したアル
カルホスファターゼの基質としては、p−ニトロフェニ
ルリン酸、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリ
ン酸、4−メチルウンベリフェリルリン酸、ジオキセタ
ン発光基質(PPD、AMPPDなど)が従来から使用
されている。これらの基質とアルカリホスファターゼと
の反応により生じた可視光線、蛍光、発光を測定するこ
とにより、生体物質の量が測定できる。
【0005】上記した性質を最も兼ね備えたアルカリホ
スファターゼとしては、仔牛小腸由来のものが挙げら
れ、最も汎用されている。仔牛小腸由来のアルカリホス
ファターゼは、比活性3,000U/mg以上を有すこ
と、糖鎖を有しているため、過ヨウ素酸法で標識できる
ことより、他起源の酵素より優れているとされている。
しかし、その一方で、安定性に乏しいこと、および有し
ている糖鎖のためにバックグラウンドが生じることも知
られている(Besman,M.,Coleman,J.E.,J.Biol.Chem.,26
0,1190(1985),特開昭60-180584 号公報)。また、大腸
菌由来アルカリホスファターゼは安定性が良く、純度の
高い標品を容易に入手できるが、比活性が60U/mg
と低く、標識用酵素に適さず、分子生物学における脱リ
ン酸化用酵素として使用されているに過ぎない(Reid,
R.W.,Wilson,I.B. in "The Enzymes", 3rd Ed.373(197
1))。これらの酵素を改善するため、部位特異的変異に
より大腸菌アルカリホスファターゼのアミノ酸を置換
し、比活性を向上させる試みがある(特開平4-349881号
公報)。しかし、ここで得られた変異アルカリホスファ
ターゼは、比活性において3.9倍の上昇が得られたの
みであり、仔牛小腸由来のものに匹敵しない。
【0006】自然界から高い比活性を有するアルカリホ
スファターゼを獲得しようとする試みもあり、好アルカ
リ性バチルス・エスピー(Bacillus.sp.)由来の酵素(M,
Nomoto et al.,Agric.Biol.Chem.,52(7),1643(1988))や
バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)
由来の酵素に関する報告(Hulett,F.M.,J.Gen.Microbio
l.,132,2387(1986))がある。しかしながら、前者は比活
性が1650U/mgであって、仔牛小腸由来酵素の比
活性に匹敵するとはいい難い。また後者は比活性が21
15.9U/mgながら、その酵素活性測定は55℃に
おいてであり、実用的な37℃では、その7割以下であ
ると予想されるデータが示されている(Hulett,F.M. et
al.,Biochemistry,10(8),1364(1971))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記酵素より高純度、
安定性が高く、しかも仔牛小腸由来酵素程度の比活性を
有するアルカリホスファターゼを微生物から得ることが
求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、バチルス(Baci
llus)属に属する細菌から、熱安定性に優れ、かつ比活
性の高いアルカリホスファターゼを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、下記理化学的性質を有
するアルカリホスファターゼである。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
0分間安定 熱安定性において、「安定」とは、残存活性が80%以
上であることを意味する。 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
【0010】
【発明の実施態様】本発明の一実施態様は、下記理化学
的性質を有するアルカリホスファターゼである。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:60℃以下(pH7.5、30分間) 4.至適温度:60℃以上 5.安定pH:pH6〜9(25℃、16時間) 6.至適pH:pH9〜10 7.比活性:少なくとも2,300U/mg 8.糖鎖を有さない。 9.Km値:0.34mM(p−ニトロフェニルリン酸
に対する) 10.分子量:140,000〜150,000(ゲル
ろ過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE) 11.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メ
チルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グ
リセロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、
フォスフォエタノールアミン、グルコース−6−リン酸
に作用する。
【0011】本発明の別な具体例は、下記理化学的性質
を有するアルカリホスファターゼである。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:60℃以下(pH7.5、30分間) 4.至適温度:60℃以上 5.安定pH:pH6〜9(25℃、16時間) 6.至適pH:pH9〜10 7.比活性:少なくとも2,300U/mg 8.糖鎖を有さない。 9.Km値:0.26mM(p−ニトロフェニルリン酸
に対する) 10.分子量:140,000〜150,000(ゲル
ろ過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE) 11.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メ
チルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グ
リセロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、
フォスフォエタノールアミン、グルコース−6−リン酸
に作用する。
【0012】本発明の別な具体例は、下記理化学的性質
を有するアルカリホスファターゼである。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:70℃以下(pH7.5、30分間) 4.至適温度:60℃以上 5.安定pH:pH6〜9(25℃、16時間) 6.至適pH:pH9.5〜10 7.比活性:少なくとも2,300U/mg 8.糖鎖を有さない。 9.Km値:0.28mM(p−ニトロフェニルリン酸
に対する) 10.分子量:140,000〜150,000(ゲル
ろ過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE) 11.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メ
チルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グ
リセロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、
フォスフォエタノールアミン、グルコース−1−リン
酸、グルコース−6−リン酸に作用する
【0013】また本発明はバチルス属に属し、上記理化
学的性質を有するアルカリホスファターゼ生産能を有す
る菌株を培地に培養し、培養物よりアルカリホスファタ
ーゼを採取することを特徴とするアルカリホスファター
ゼの製造法である。
【0014】本発明は標識として、下記理化学的性質を
有するアルカリホスファターゼを使用することを特徴と
する試料中のリガンドを検出する方法である。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
【0015】また、本発明は(i)下記理化学的性質を
有するアルカリホスファターゼで直接的または間接的に
標識されたリガンドに対する特異的結合物質または (i
i) リガンドに対する特異的結合物質および下記理化学
的性質を有するアルカリホスファターゼで標識されたリ
ガンド、および(iii) アルカリホスファターゼ測定試薬
を含有する生体試料中のリガンド検出試薬である。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
【0016】さらに、本発明は(i)アビジン化合物ま
たはビオチン化合物を結合するリガンドに対して特異的
な親和性を有する物質および(ii)ビオチン化合物また
はアビジン化合物を結合する下記理化学的性質を有する
アルカリホスファターゼおよび(iii) アルカリホスファ
ターゼを測定する物質を含有する生体試料中のリガンド
検出試薬である。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
【0017】本発明は標識として、下記理化学的性質を
有するアルカリホスファターゼを使用することを特徴と
する試料中のリガンドを定量する方法である。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
【0018】本発明は標識として、下記理化学的性質を
有するアルカリホスファターゼを使用することを特徴と
する試料中の核酸配列決定法である。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
【0019】本発明の酵素の起源は、上記理化学的性質
を有するアルカリホスファターゼを産生するものであれ
ば、動物、植物、微生物など如何なる起源のものを用い
ても良い。好ましくは、上記性質を有するアルカリホス
ファターゼを産生しうるバチルス(Bacillus)属細菌で
あって、好適な例としてはバチルス・バディウス(Baci
llus badius)TE3592(FREM BP−532
9)およびバチルス・バディウス(Bacillus badius)T
E3593(FERM BP−5330)、バチルス・
バディウス(Bacillus badius)TE3597(FERM
BP−5120)が挙げられる。なお、バチルス・バ
ディウスTE3592およびバチルス・バディウスTE
3593は、滋賀県伊香郡余呉町の土壌より分離した菌
株であり、バチルス・バディウスTE3597は福井県
武生市の土壌より分離した菌株であり、その菌学的性質
は以下の通りである。
【0020】 (A)バチルス・バディウスTE3592 (a)形態 (1)菌形:短かん菌 (2)細胞の大きさ:0.6×1.8〜3.0μm (3)細胞の多形性:無し (4)運動性:無し (5)胞子の有無:芽胞は楕円形であり、細胞の中央または末端に観察された 。芽胞のふくらみは観察されなかった。
【0021】 (b)各培地における生育状態 (1)肉汁寒天平板培地:30℃、24時間培養で灰黄色のコロニーを形成す る。コロニーの周縁は不斉歯牙状(Erose)であり、凸状(Convex)である。表面 は円滑(Smooth)で光沢を有し、半透明である。 (2)肉汁液体培養:生育は普通で、一様に混濁する。沈さや菌環は形成しな い。 (3)肉汁ゼラチン穿刺培養:生育は普通で上部のみ糸状(Filiform)に生育 する。ゼラチン液化力は弱い。 (4)リトマスミルク:色に変化はない。ミルクは固化しない。 (5)マッコンキー寒天培地:生育しない。 (6)フェニルエチルアルコール寒天培地:生育するが悪い。
【0022】 (c)生理学的性質 (1)グラム染色性: 陰性(−)または不定 (2)硝酸塩の還元: − (3)脱窒反応: − (4)MRテスト: − (5)VPテスト: − (6)インドールの生成: − (7)硫化水素の生成: − (8)デンプンの分解: − (9)カゼインの分解: + (10)ゼラチンの分解: + (11)チロシンの分解 + (12)Tween80の分解: − (13)クエン酸の利用: koser の培地 − Christensen の培地 − (14)無機窒素源の利用(炭素源はdl−リンゴ酸) 硝酸ナトリウム − 硫酸アンモニウム + グルタミン酸ナトリウム + (15)色素の生成: − (16)ウレアーゼ − (17)オキシダーゼ + (18)カタラーゼ + (19)β−ガラクトシダーゼ − (20)アルギニンジヒドロラーゼ − (21)リジンカルボキシラーゼ − (22)オルニチンカルボキシラーゼ − (23)トリプトファンデアミナーゼ − (24)β−グルコシダーゼ − (25)菌体外DNase: − (26)生育の範囲: 生育温度 10℃ − 20℃ + 25℃ + 30℃ + 37℃ + 40℃ + 50℃ − 生育pH pH4 − pH7 + pH9 + NaCl濃度 2% + 5% + (27)酸素に対する態度:好気性 (28)O−Fテスト(Hugh Leifson法):−(糖を分解せず) (29)糖から酸およびガスの生成 酸 ガス L−アラビノース − − D−キシロース − − D−グルコース − − D−マンノース − − D−フラクトース − − D−ガラクトース − − マルトース − − シュークロース − − ラクトース − − トレハロース − − D−ソルビトール − − D−マンニトール − − イノシトール − − グリセリン − − デンプン − − L−ラムノース − − D−メリビオース − − D−アミダクリン − −
【0023】 (30)有機化合物の利用 D−グルコース − L−アラビノース − D−マンノース − D−マンニトール − N−アセチル−D−グルコサミン − マルトース − グルコン酸カリウム + n−カプリン酸 − アジピン酸 − dl−リンゴ酸 + 酢酸フェニル −
【0024】 (B)バチルス・バディウスTE3593 (a)形態 (1)菌形:短かん菌 (2)細胞の大きさ:0.4×1.3〜2.8μm (3)細胞の多形性:無し (4)運動性:無し (5)胞子の有無:芽胞は楕円形であり、細胞の中央または末端に観察された 。芽胞のふくらみは観察されなかった。
【0025】 (b)各培地における生育状態 (1)肉汁寒天平板培地:30℃、24時間培養で灰黄色のコロニーを形成す る。コロニーの周縁は不斉歯牙状(Erose)であり、凸状(Convex)である。表面 は円滑(Smooth)で光沢を有し、半透明である。 (2)肉汁液体培養:生育は普通で、一様に混濁する。沈さや菌環は形成しな い。 (3)肉汁ゼラチン穿刺培養:生育は普通で上部のみ糸状(Filiform)に生育 する。ゼラチン液化力は弱い。 (4)リトマスミルク:色に変化はない。ミルクは固化しない。 (5)マッコンキー寒天培地:生育しない。 (6)フェニルエチルアルコール寒天培地:生育するが悪い。
【0026】 (c)生理学的性質 (1)グラム染色性: 陰性(−)または不定 (2)硝酸塩の還元: − (3)脱窒反応: − (4)MRテスト: − (5)VPテスト: − (6)インドールの生成: − (7)硫化水素の生成: − (8)デンプンの分解: − (9)カゼインの分解: + (10)ゼラチンの分解: + (11)チロシンの分解 + (12)Tween80の分解: − (13)クエン酸の利用: koser の培地 − Christensen の培地 − (14)無機窒素源の利用(炭素源はdl−リンゴ酸) 硝酸ナトリウム − 硫酸アンモニウム + グルタミン酸ナトリウム + (15)色素の生成: − (16)ウレアーゼ − (17)オキシダーゼ + (18)カタラーゼ + (19)β−ガラクトシダーゼ − (20)アルギニンジヒドロラーゼ − (21)リジンカルボキシラーゼ − (22)オルニチンカルボキシラーゼ − (23)トリプトファンデアミナーゼ − (24)β−グルコシダーゼ − (25)菌体外DNase: + (26)生育の範囲: 生育温度 10℃ − 20℃ + 25℃ + 30℃ + 37℃ + 40℃ + 50℃ − 生育pH pH4 − pH7 + pH9 + NaCl濃度 2% + 5% +
【0027】 (27)酸素に対する態度:好気性 (28)O−Fテスト(Hugh Leifson法):−(糖を分解せず) (29)糖から酸およびガスの生成 酸 ガス L−アラビノース − − D−キシロース − − D−グルコース − − D−マンノース − − D−フラクトース − − D−ガラクトース − − マルトース − − シュークロース − − ラクトース − − トレハロース − − D−ソルビトール − − D−マンニトール − − イノシトール − − グリセリン − − デンプン − − L−ラムノース − − D−メリビオース − − D−アミダクリン − −
【0028】 (30)有機化合物の利用 D−グルコース − L−アラビノース − D−マンノース − D−マンニトール − N−アセチル−D−グルコサミン − マルトース − グルコン酸カリウム + n−カプリン酸 − アジピン酸 − dl−リンゴ酸 + クエン酸 − 酢酸フェニル −
【0029】 (C)バチルス・バディウスTE3597 (a)形態 (1)菌形:短かん菌 (2)細胞の大きさ:1.0×3.3〜4.0μm (3)細胞の多形性:無し (4)運動性:無し (5)胞子の有無:芽胞は楕円形であり、細胞の中央または末端に観察された 。芽胞のふくらみは観察されなかった。
【0030】 (b)各培地における生育状態 (1)肉汁寒天平板培地:30℃、24時間培養で灰黄色のコロニーを形成す る。コロニーの周縁は不斉歯牙状(Erose)であり、凸状(Convex)である。表面 は円滑(Smooth)で光沢を有し、半透明である。 (2)肉汁液体培養:生育は普通で、一様に混濁する。沈さや菌環は形成しな い。 (3)肉汁ゼラチン穿刺培養:生育は普通で上部のみ糸状(Filiform)に生育 する。ゼラチン液化力は弱い。 (4)リトマスミルク:色に変化はない。ミルクは固化しない。 (5)マッコンキー寒天培地:生育しない。 (6)フェニルエチルアルコール寒天培地:生育するが悪い。
【0031】 (c)生理学的性質 (1)グラム染色性: 陽性(+) (2)硝酸塩の還元: 陰性(−) (3)脱窒反応: − (4)MRテスト: − (5)VPテスト: − (6)インドールの生成: − (7)硫化水素の生成: − (8)デンプンの分解: − (9)カゼインの分解: + (10)ゼラチンの分解: + (11)チロシンの分解 + (12)Tween80の分解: − (13)クエン酸の利用: koser の培地 − Christensen の培地 − (14)無機窒素源の利用(炭素源はdl−リンゴ酸) 硝酸ナトリウム − 硫酸アンモニウム + グルタミン酸ナトリウム + (15)色素の生成: − (16)ウレアーゼ − (17)オキシダーゼ + (18)カタラーゼ + (19)β−ガラクトシダーゼ − (20)アルギニンジヒドロラーゼ − (21)リジンカルボキシラーゼ − (22)オルニチンカルボキシラーゼ − (23)トリプトファンデアミナーゼ − (24)β−グルコシダーゼ − (25)菌体外DNase: − (26)生育の範囲: 生育温度 10℃ − 20℃ + 25℃ + 30℃ + 37℃ + 40℃ + 50℃ − 生育pH pH4 − pH7 + pH9 + NaCl濃度 2% + 5% +
【0032】 (27)酸素に対する態度:好気性 (28)O−Fテスト(Hugh Leifson法):−(糖を分解せず) (29)糖から酸およびガスの生成 酸 ガス L−アラビノース − − D−キシロース − − D−グルコース − − D−マンノース − − D−フラクトース − − D−ガラクトース − − マルトース − − シュークロース − − ラクトース − − トレハロース − − D−ソルビトール − − D−マンニトール − − イノシトール − − グリセリン − − デンプン − − L−ラムノース − − D−メリビオース − − D−アミダクリン − −
【0033】 (30)有機化合物の利用 D−グルコース − L−アラビノース − D−マンノース − D−マンニトール − N−アセチル−D−グルコサミン + マルトース − グルコン酸カリウム − n−カプリン酸 − アジピン酸 − dl−リンゴ酸 + クエン酸 − 酢酸フェニル +
【0034】上記菌学的性質同定のための実験法は、主
として長谷川武治編著、改訂版「微生物の分類と同定」
学会出版センター(1985年)によって行った。また
分類同定の基準として「バージェーズ・マニュアル・オ
ブ・システマティック・バクテリオロジー」(1984
年)を参考にした。
【0035】以上の文献および菌学的性質を参考にする
と、菌体外DNaseの産生で異なるが、いずれもグラ
ム染色性不定で胞子形成能のある好気性桿菌であること
よりバチルス(Bacillus)属に属するとみなされる。ま
たバチルス属中では芽胞が楕円形でふくらまないこと、
D−グルコースより酸を生成しないこと、ゼラチンを分
解するが、澱粉を分解しないことを考えると、いずれも
バチルス・バディウス(Bacillus badius)に属すると考
えられ、それぞれバチルス・バディウス(Bacillus bad
ius)TE3592、バチルス・バディウス(Bacillus b
adius)TE3593およびバチルス・バディウス(Baci
llus badius)TE3597と命名した。これらの菌はそ
れぞれ微生物寄託番号FERM BP−5329および
FERMBP−5330、FERM BP−5120と
して寄託されている。
【0036】本発明の酵素を製造するにあたっては、上
記アルカリホスファターゼ生産菌を栄養培地に培養し、
該培養物からアルカリホスファターゼを採取する。アル
カリホスファターゼ生産菌の培養にあたって使用する培
地としては、使用菌株が資化しうる炭素源、窒素源、無
機物、その他必要な栄養素を適量含有するものであれ
ば、合成培地、天然培地いずれも使用できる。炭素源と
しては、例えばグルコース、グリセロール等が使用され
る。窒素源としては、例えばペプトン類、肉エキス、酵
母エキス等の窒素含有天然物や、塩化アンモニウム、ク
エン酸アンモニウム等の無機窒素含有化合物が使用され
る。無機物としては、リン酸カリウム、リン酸ナトリウ
ム、硫酸マグネシウム等が使用される。またアルカリホ
スファターゼの生産誘導として、リン酸濃度を低くして
おくことが望ましい。
【0037】培地は通常、振盪培養、あるいは通気撹拌
培養で行う。培養温度は20〜40℃、好ましくは25
〜37℃、培養pH5〜11の範囲で、好ましくは6〜
10に制御するのが良い。これら以外の条件下でも使用
する菌株が生育すれば実施できる。培養期間は通常1〜
7日で生育し、菌体内および菌体外にアルカリホスファ
ターゼが生産蓄積される。
【0038】本発明の酵素の精製法は一般に使用される
精製法を用いれば良い。例えば、菌体除去後の培地を、
硫安やぼう硝などの塩析法、塩化マグネシウムや塩化カ
ルシウムなどの金属凝集法、プロタミンやポリエチレン
イミンなどの凝集法、さらにはDEAE(ジエチルアミ
ノエチル)−セルロース、CM(カルボキシメチル)−
セファロースなどのイオン交換クロマト法などにより精
製することができる。またこれらの方法で得られた粗酵
素液や精製酵素液は、例えば、スプレードライや凍結乾
燥により粉末化できる。さらには適当な担体に固定化し
て固定化酵素として使用できる。
【0039】次に本発明のアルカリホスファターゼの活
性測定法を示す。 まず下記反応混液をキュベットに調製し、37℃で約5分予備加温する。 3.00ml 0.1mM CoCl2 および0.5mM MgCl2 を含む 1M ジエタノールアミン緩衝液、pH9.8 0.05ml 0.67M p−ニトロフェニルリン酸溶液 次に、酵素溶液0.05mlを加え、緩やかに混和後、
水を対照に37℃で制御された分光光度計で405nm
の吸光度変化を3〜4分間記録し、その初期直線部分か
ら1分間当たりの吸光度変化を求める。盲検は反応混液
に酵素溶液の代わりに酵素希釈液(0.05mM Co
Cl2 および0.05mM MgCl2を含む50mM
トリス塩酸緩衝液、pH7.5)を加え、上記同様に
操作を行って1分間当りの吸光度を求めた。上記条件下
で1分間に1マイクロモルのp−ニトロフェノールを生
成する酵素量を1単位(U)とする。
【0040】本発明の試料中のリガンドを検出する方法
とは、試料中のリガンドとリガンドに対して特異的な親
和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
り、該反応により結合した物質に結合するアルカリホス
ファターゼ活性を測定するか、あるいは結合しなかった
アルカリホスファターゼ活性を測定する方法である。
【0041】本発明において、試料中のリガンドとして
は、抗原、抗体、ホルモン、ホルモンレセプターまたは
核酸などが例示される。リガンドとリガンドに対して特
異的な親和性を有する物質との親和性反応としては、抗
原抗体反応、ホルモン−ホルモンレセプター反応、核酸
ハイブリダイゼーション反応などがある。
【0042】本発明に使用するアルカリホスファターゼ
は、上記理化学的性質を有するアルカリホスファターゼ
であれば、いずれの起源のものを用いても良い。好適な
ものとしては、バチルス(Bacillus)属のアルカリホスフ
ァターゼなどがある。例えばバチルス・バディウス(Bac
illus badius) TE3492、バチルス・バディウス(B
acillus badius) TE3493、バチルス・バディウス
(Bacillus badius) TE3497のアルカリホスファタ
ーゼが例示される。
【0043】バチルス・バディウス(Bacillus badius)
TE3492のアルカリホスファターゼの理化学的性質
は、以下の通りである。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メチ
ルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グル
セロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、フ
ォスフォエタノールアミン、グルコース−6−リン酸に
作用する。 3.Km値:0.34mM(p−ニトロフェニルリン酸
に対する) 4.至適pH:pH9〜10 5.安定pH:pH6〜9(25℃、16時間) 6.至適温度:60℃以上 7.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 8.比活性:少なくとも2,300U/mg 9.糖鎖を有さない。 10.熱安定性:60℃以下(pH7.5、30分間) 11.分子量:140,000〜150,000(ゲル
濾過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
【0044】バチルス・バディウス(Bacillus badius)
TE3493のアルカリホスファターゼの理化学的性質
は、以下の通りである。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メチ
ルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グル
セロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、フ
ォスフォエタノールアミン、グルコース−6−リン酸に
作用する。 3.Km値:0.26mM(p−ニトロフェニルリン酸
に対する) 4.至適pH:pH9〜10 5.安定pH:pH6〜9(25℃、16時間) 6.至適温度:60℃以上 7.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 8.比活性:少なくとも2,300U/mg 9.糖鎖を有さない。 10.熱安定性:60℃以下(pH7.5、30分間) 11.分子量:140,000〜150,000(ゲル
濾過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
【0045】バチルス・バディウス(Bacillus badius)
TE3497のアルカリホスファターゼの理化学的性質
は、以下の通りである。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メチ
ルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グル
セロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、フ
ォスフォエタノールアミン、グルコース−6−リン酸に
作用する。 3.Km値:0.28mM(p−ニトロフェニルリン酸
に対する) 4.至適pH:pH9.5〜10 5.安定pH:pH6〜11(25℃、16時間) 6.至適温度:60℃以上 7.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 8.比活性:少なくとも2,300U/mg 9.糖鎖を有さない。 10.熱安定性:60℃以下(pH7.5、30分間) 11.分子量:140,000〜150,000(ゲル
濾過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
【0046】本発明において、アルカリホスファターゼ
で標識される物質としては、例えば、抗原としてはタン
パク質、核酸などの高分子物質などが挙げられる。最
近、良く用いられている抗原のエピトープ部位をデザイ
ンしたペプチドも使用することができる。また抗体とし
ては通常、使用されるもの、例えばヤギ、ウサギ、モル
モットなどに免疫して得られるポリクローナル抗体、マ
ウス腹水等のハイブリドーマから得られるモノクローナ
ル抗体、更にこれらの抗体をプロテアーゼ処理して得ら
れる抗原結合活性フラグメント(Fab’)などを使用
することができる。遺伝子組換え技術で得られるFv抗
体、一本鎖Fv抗体等、抗原結合活性を有するタンパク
質を使用することも可能である。
【0047】本発明において、アルカリホスファターゼ
は、リガンドまたはリガンドに対して特異的な親和性を
有する物質のいずれか一方に結合されていることが好ま
しい。
【0048】アルカリホスファターゼを上記抗原や抗体
などに標識する際に使用する方法としては、グルタルア
ルデヒド法、マレイミド法、カルビジイミド法、ピリジ
ン−ジスルフィド法などを用いることができるが、好ま
しいのはマレイミド法のように抗原、抗体や酵素の活性
を低下させない方法である。
【0049】抗体や抗原1分子に導入される標識用酵素
としては、通常、1分子以上、好ましくは2分子以上結
合した酵素標識体を使用することが望ましい。
【0050】本発明の具体例な例としては、試料中のリ
ガンド、例えば抗原または抗体とアルカリホスファター
ゼを結合した該リガンドに特異的な親和性を有する物
質、例えば抗体または抗原を反応させ、反応生成物と未
反応生成物を分離した後、反応生成物に結合したアルカ
リホスファターゼ活性または未反応生成物のアルカリホ
スファターゼ活性を測定する。
【0051】標識物質としてアリカリホスファターゼを
用いる免疫学的測定法は、抗体、抗原のいずれを測定す
る場合にも、競合法、もしくは非競合法のヘテロジニア
ス法に使用することができる。いずれの方法においても
一次抗体のみならず、二次抗体を用いる方法において
も、それらにアルカリホスファターゼを標識することが
できる。また二次抗体の代わりに、プロテインA、プロ
テインGのようなFcレセプターにアルカリホスファタ
ーゼを標識して使用できる。
【0052】また、本発明の方法の別な具体例として
は、リガンドまたはリガンドに対して特異的な親和性を
有する物質を固相に結合しているリガンドの検出法があ
る。固相としては、従来既知のものを使用すればよく、
例えばポリスチレンビーズなどが挙げられる。
【0053】また、他の具体的な例としては、アビジン
化合物またはビオチン化合物がリガンドに対して特異的
な親和性を有する物質、例えば抗体または抗原に結合
し、アルカリホスファターゼがビオチン化合物またはア
ビジンに化合物結合して、リガンド、例えば抗原または
抗体とリガンドに対して特異的な親和性を有する物質、
例えば抗体または抗原との親和性反応と同時に、または
その後にアビジン化合物−ビオチン化合物結合反応を行
い、該反応により結合したアルカリホスファターゼ活性
または残存するアルカリホスファターゼ活性を測定する
試料中のリガンドの検出法がある。ここにアビジン化合
物とはビオチン化合物と強く結合する糖タンパク質であ
り、例えばアビジン、ストレプトアビジンなどが挙げら
れる。また、ビオチン化合物とはビタミンB複合体の1
つであり、例えばビオチンなどが挙げられる。
【0054】アビジン化合物とビオチン化合物、就中ア
ビジンとビオチンの結合定数は、1015-1レベルで非
常に高いこと、アビジン化合物、就中アビジンは4つの
ビオチン結合部位を持つこと、ビオチン化合物を導入す
ることは、例えば抗体などの活性の損失が少ないことに
よりアビジン化合物−ビオチン化合物系は大きなメリッ
トを有している。
【0055】例えば固相サンドウイッチ免疫測定法にお
いて、固相に固定化した抗体と試料を反応させ、さらに
ビオチン化合物を結合した抗体と反応させた後、反応生
成物中のビオチン化合物または未反応生成物中のビオチ
ン化合物をアルカリホスファターゼで標識したアビジン
化合物により検出する。アビジンおよび類縁物質のスト
レプトアビジンは分子量5万程度のタンパク質であり、
これらはアルカリホスファターゼとグルタルアルデヒド
法、マレイミド法、カルボジイミド法、ピリジン−ジス
ルフィド法などを用いて結合することができる。
【0056】一方、ビオチン化合物に代えてアビジン化
合物を結合する抗体を使用した場合、抗原抗体反応の
後、アビジン化合物とアルカリホスファターゼで標識し
たビオチン化合物により検出する。アルカリホスファタ
ーゼをビオチン化する試薬は市販されており、例えばビ
オチン−N−ハイドロキシ−コハク酸イミドエステル、
ビオチン−N−ハイドロキシ−スルホコハク酸イミドエ
ステル、ビオチノイル−ε−アミノカプロン酸−N−ハ
イドロキシ−コハク酸イミドエステルなどを挙げること
ができる。
【0057】本発明の試料中のリガンド検出試薬とは、
下記理化学的性質を有するアルカリホスファターゼで標
識されたリガンドに対する特異的結合物質または下記理
化学的性質を有するアルカリホスファターゼで標識され
たリガンドおよびアルカリホスファターゼ測定試薬を含
有する。アルカリホスファターゼ測定試薬としては、発
色基質、蛍光基質、発光基質などが例示される。
【0058】発色基質としては、p−ニトロフェニルリ
ン酸、1−ナフトールフタレインモノリン酸(特公平5
−13958号公報)、5−ブロモ−4−クロロ−3−
インドリルリン酸およびそれとニトロブルーテトラゾリ
ウムとの組み合わせなどが挙げられる。また、蛍光基質
としては、4−メチルウンベリフェリルリン酸、フェナ
レノン−6−リン酸とその類縁化合物、ベンズフェナレ
ン−6−リン酸とその類縁化合物(特開昭62−190
191号公報)などが挙げられる。さらに、発光基質と
しては、PPD、AMPPD等の1,2−ジオキセタン
化合物またはそれらの誘導体およびこれらの化合物とエ
ンハンサー、例えば界面活性剤、蛍光性物質またはタン
パク質などの混合物などが挙げられる。
【0059】本発明のこれら基質の濃度は、0.01〜
200mmol/l、好ましくは〜50mmol/lで
ある。本発明の酵素反応は、通常、pH7〜11で行う
が、至適pHを考慮すると、pH8〜11で酵素反応す
ることが望ましい。使用する緩衝液としては、トリス塩
酸緩衝液、リン酸緩衝液、ジエタノールアミン塩酸緩衝
液、トリエタノールアミン塩酸緩衝液、重炭酸緩衝液、
N−メチル−D−グルカミン塩酸緩衝液、バルビタール
緩衝液、グリシン水酸化ナトリウム緩衝液、2−アミノ
−2−メチルプロパノール塩酸緩衝液、アミノアルコー
ル系緩衝液などを例示することができる。これらの緩衝
液の濃度は、5〜200mmol/l、好ましくは20
〜50mmol/lである。
【0060】反応生成物に結合する酵素または未反応生
成物に結合する酵素の活性は、アルカリホスファターゼ
活性をレート法で測定することより実施できるが、上記
基質と酵素結合体を一定時間反応させ、反応停止後に該
生成物を検出することによっても行うことができる。停
止剤として使用できるものとしては、アルカリ溶液、酵
素阻害剤、EDTA等のキレート剤、無機リン酸等が使
用できる。また反応停止後、強アルカリ条件にすること
により、p−ニトロフェニルリン酸、ジオキセタン化合
物等の基質では、感度を更に上げることができる(特開
平2−273199号公報)。
【0061】本発明に使用する緩衝液中にはアルカリホ
スファターゼの不活性化を防ぐために金属塩を添加する
ことが望ましい。使用できる金属塩としてはマグネシウ
ム塩、コバルト塩、亜鉛塩、マンガン塩、カルシウム塩
が挙げられるが、好ましくはマグネシウム塩とコバルト
塩である。好ましいマグネシウム塩の添加濃度は0.0
5mmol/l〜10mmol/lであり、酢酸マグネ
シウム、塩化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、硫
酸マグネシウム、エチレンジアミン四酢酸マグネシウム
等のマグネシウム錯化合物を使用することができる。好
ましいコバルト塩の添加濃度は0.02〜5mmol/
lであり、酢酸コバルト、塩化コバルト、クエン酸コバ
ルト、硫酸コバルト、エチレンジアミン四酢酸コバルト
等のコバルト錯化合物を使用することができる。マグネ
シウム塩とコバルト塩を併用することが望ましいが必須
ではない。
【0062】本発明の実施に有用な界面活性剤は、アル
カリホスファターゼ活性を大きく阻害しない任意のもの
を使用することができる。一般に有用な界面活性剤は非
イオン性界面活性剤であるが、両性界面活性剤およびイ
オン性界面活性剤も使用できる。また本発明には水と混
和しうる有機溶媒の併用も可能である。その例としてメ
タノール、エタノール、プロパノール、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリ
ル、ヘキサメチレンホスホアミドなどである。
【0063】さらに、本発明の試薬には酵素反応を円滑
に行わせるため、あるいはその構成成分の活性を維持す
るため、他の化合物を添加してもよい。このような化合
物として、例えば安定化剤、賦形剤が挙げられる。また
バックグラウンドや非特異反応の低減にアルカリホスフ
ァターゼの不活化型酵素を添加することは有効である。
【0064】本発明は上記固相サンドウイッチ免疫測定
法のみならず、ホルモン−レセプター親和性を利用した
ホルモンやそのレセプターの測定、核酸−核酸親和性、
例えばDNA−DNA反応またはDNA−RNA反応な
どを利用した測定などにも用いることができる。
【0065】本発明の具体的な核酸を検出する例として
は、捕捉オリゴヌクレオチドを固定した部材に核酸(D
NAまたはRNA)を含む試料を作用させ、次いでアル
カリホスファターゼを標識した検出オリゴヌクレオチド
を作用させて、捕捉オリゴヌクレオチドに結合した核酸
と標識した検出オリゴヌクレオチドとの核酸ハイブリダ
イゼーションを行い、未反応の検出オリゴヌクレオチド
を分離した後、核酸ハイブリダイゼーションされた結合
体のアルカリホスファターゼ活性を測定することによ
り、試料中の核酸を検出する方法がある。
【0066】試料中の核酸としては、DNAまたはRN
Aなど、1本鎖または2本鎖核酸が例示される。試料と
しては、血清、尿、リンパ液などの体液、各種組織など
の材料が例示される。
【0067】本発明のアルカリホスファターゼとDNA
またはRNAとの複合体の作製は、例えば M.Renz and
C.Kurz,Nucleic Acids Res.,12(8),3435(1984)に記載の
方法を用いることができる。例えば、アルカリフォスフ
ァターゼとポリエチレンイミンを架橋して、コンジュゲ
ートを作製した後、DNAまたはRNAのオリゴヌクレ
オチドをグルタルアルデヒドにより架橋させ、標識核酸
を得る。またオリゴヌクレオチドを合成する場合、その
5’末端や任意の鎖にスペーサーアームを介して、直
接、アミノ基やチオール基を導入する試薬が市販されて
おり、これらの試薬とアルカリホスファターゼをグルタ
ルアルデヒド法、マレイミド法、カルボジイミド法、コ
ハク酸イミドエステル法、ピリジン−ジスルフィド法を
により結合して、オリゴヌクレオチドにアルカリホスフ
ァターゼを導入することもできる。
【0068】試料としてはDNAが例示され、DNAを
鋳型として伸長反応を行う際、ビオチン化プライマーも
しくはビオチン化ターミネーター等を利用して、ビオチ
ンをDNA断片に取り込ませる。次に電気泳動により断
片を展開した後、アビジン化アルカリホスファターゼも
しくはアビジン、続いてビオチン化アルカリホスファタ
ーゼと反応させて、断片を検出する。
【0069】更には、本発明は試料中の核酸を取り出し
て、核酸ハイブリダイゼーションを行う方法に代えて、
細胞中で核酸ハイブリダイゼーションを行う in situ
ハイブリダイゼーションにも使用可能である。
【0070】本発明の他の具体例としては、標識とし
て、上記理化学的性質を有するアルカリホスファターゼ
を使用することを特徴とする試料中の核酸配列決定法が
ある。配列決定にはジデオキシターミネーション法、マ
キサム−ギルバート法など公知の手法を選択することが
できる。例えば、ジデオキシターミネーション法を用い
る場合、以下の方法が例示される。まず配列を決定すべ
き核酸(一本鎖もしくはアルカリ変性した二本鎖)にビ
オチン化プライマーをハイブリダイズさせ、さらに1種
のジデオキシリボヌクレオチド(例えばddATP)を
4種のデオキシリボヌクレオチド(dNTPs)および
核酸合成酵素(例えば、Klenow酵素、T7ポリメ
ラーゼ等)とともに加え、伸長反応と停止反応を同時に
行わせる。他の3種のジデオキシリボヌクレオチド(d
dCTP、ddGTPおよびddTTP)についても同
様に反応をおこなわせ、得られる4種の反応液をそれぞ
れシークエンスゲル上の電気泳動に付した後、アビジン
化アルカリホスファターゼもしくはアビジン、続いてビ
オチン化アルカリホスファターゼを反応させ、発色基質
等を用いて種々の伸長断片を検出、各レーンを比較対照
することにより核酸配列を決定する。上記アルカリホス
ファターゼ標識核酸を用いる核酸配列決定用試薬として
は、該酵素を直接的または間接的に結合するDNAまた
はRNAとアルカリホスファターゼ測定試薬を包含す
る。
【0071】
【発明の効果】本発明によって高純度であって、安定性
がよい新規なアルカリホスファターゼを得ることができ
る。また、本発明で特定されるアルカリホスファターゼ
を使用するバインディングアッセイ用試薬、それによる
試料中のリガンド検出法は、高感度であって、長期保存
性に優れる。しかも目的物質の検出にあたり、バックグ
ラウンドの少ない良好な結果を与えることができる。
【0072】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示
す。実施例1 3.0%グリセロール、1.0%ポリペプトン、0.1
%酵母エキス、0.02%硫酸マグネシウム、0.00
2%リン酸一カリウム、0.3%塩化ナトリウムを含む
培地100mlを500ml容坂口フラスコに移し、1
21℃、15分間オートクレーブを行った。種菌とし
て、バチルス・バディウスTE3592(FERM B
P−5329)を一白金耳植菌し、30℃で20時間培
養し、種培養液とした。次に同培地6Lを10Lジャー
ファーメンターに移し、121℃で15分間オートクレ
ーブを行い、放冷後、種培養液100mlを移し、30
0rpm,通気量2l/分、30℃で20時間培養し
た。得られた培養液について遠心分離を行い、上清液を
得た。本液を硫安分画、DEAE−セファロースクロマ
トグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィ
ー、セファデックスG−200によるゲルろ過により比
活性2,300U/mgにまで精製した。
【0073】得られたアルカリホスファターゼは下記特
性を有していた。 1.下記の反応を触媒した。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸
【0074】2.基質特異性
【表1】
【0075】3.Km値 p−ニトロフェノールに対するKm値は0.34mMで
あった。 4.至適pH 0.97Mジエタノールアミン緩衝液(pH8.0〜1
1.0)中での酵素活性を測定した。その結果は図1に
示す通りであって、至適pHは9〜10であった。 5.安定pH グリシン塩酸緩衝液(pH2〜3)、酢酸緩衝液(pH
3〜6)、K−リン酸緩衝液(pH6〜8)、トリス塩
酸緩衝液(pH8〜9)、グリシンNaOH緩衝液(p
H9〜10)で25℃、16時間保存して、その残存活
性を測定した。その結果、図2に示す通りであって、安
定pHはpH6〜9であった。 6.至適温度 各温度における酵素活性を測定した。その結果は図3に
示す通りであって、至適温度は60℃以上であった。 7.熱安定性 本発明の酵素を1.0mM MgCl2 および0.1m
M CoCl2 を含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH
7.5)中で30分間保温した後、残存する酵素活性を
測定した。その結果は図4に示す通りであって、60℃
まで安定であった。 8.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++が必須
であった。 9.分子量: 140,000〜150,000(ゲルろ過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE) 10.糖含量:糖は検出されなかった。
【0076】実施例2 3.0%グリセロール、1.0%ポリペプトン、0.1
%酵母エキス、0.02%硫酸マグネシウム、0.00
2%リン酸一カリウム、0.3%塩化ナトリウムを含む
培地100mlを500ml容坂口フラスコに移し、1
21℃、15分間オートクレーブを行った。種菌とし
て、バチルス・バディウスTE3593(FERM B
P−5330)を一白金耳植菌し、30℃で20時間培
養し、種培養液とした。次に同培地6Lを10Lジャー
ファーメンターに移し、121℃で15分間オートクレ
ーブを行い、放冷後、種培養液100mlを移し、30
0rpm,通気量2l/分、30℃で20時間培養し
た。得られた培養液について遠心分離を行い、上清液を
得た。本液を硫安分画、DEAE−セファロースクロマ
トグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィ
ー、セファデックスG−200によるゲルろ過により比
活性2,790U/mgにまで精製した。
【0077】得られたアルカリホスファターゼは下記特
性を有していた。 1.下記反応を触媒した。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸
【0078】2.基質特異性
【表2】
【0079】3.Km値 p−ニトロフェノールに対するKm値は0.26mMで
あった。 4.至適pH 0.97Mジエタノールアミン緩衝液(pH8.0〜1
1.0)中での酵素活性を測定した。その結果は図5に
示す通りであって、至適pHは9〜10であった。 5.安定pH グリシン塩酸緩衝液(pH2〜3)、酢酸緩衝液(pH
3〜6)、K−リン酸緩衝液(pH6〜8)、トリス塩
酸緩衝液(pH8〜9)、グリシンNaOH緩衝液(p
H9〜10)で25℃、16時間保存してその残存活性
を測定した。その結果は図6に示す通りであって、安定
pHはpH6〜9であった。 6.至適温度 各温度における酵素活性を測定した。その結果は図7に
示す通りであって、至適温度は60℃以上であった。 7.熱安定性 本発明の酵素を1.0mM MgCl2 および0.1m
M CoCl2 を含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH
7.5)中で30分間保温した後、残存する酵素活性を
測定した。その結果は図8に示す通りであって、60℃
まで安定であった。 8.活性化および安定化剤 Mg++およびCo++が必須であった。 9.分子量 140,000〜150,000(ゲルろ過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE) 10.糖含量 糖は検出されなかった。
【0080】実施例3 3.0%グリセロール、1.0%ポリペプトン、0.1
%酵母エキス、0.02%硫酸マグネシウム、0.00
2%リン酸一カリウム、0.3%塩化ナトリウムを含む
培地100mlを500ml容坂口フラスコに移し、1
21℃、15分間オートクレーブを行った。種菌とし
て、バチルス・バディウスTE3597(FERM B
P−5120)を一白金耳植菌し、30℃で20時間培
養し、種培養液とした。次に同培地6Lを10Lジャー
ファーメンターに移し、121℃で15分間オートクレ
ーブを行い、放冷後、種培養液100mlを移し、30
0rpm,通気量2l/分、30℃で20時間培養し
た。得られた培養液について遠心分離を行い、上清液を
得た。本液を硫安分画、DEAE−セファロースクロマ
トグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィ
ー、セファデックスG−200によるゲルろ過により比
活性2,300U/mgにまで精製した。
【0081】得られたアルカリホスファターゼは下記特
性を有していた。 1.下記反応を触媒した。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸
【0082】2.基質特異性
【表3】
【0083】3.Km値 p−ニトロフェノールに対するKm値は0.28mMで
あった。 4.至適pH 0.97Mジエタノールアミン緩衝液(pH8.0〜1
1.0)中での酵素活性を測定した。その結果は図9に
示す通りであって、至適pHは9.5〜10であった。 5.安定pH グリシン塩酸緩衝液(pH2〜3)、酢酸緩衝液(pH
3〜6)、K−リン酸緩衝液(pH6〜8)、トリス塩
酸緩衝液(pH8〜9)、グリシンNaOH緩衝液(p
H9〜10)で25℃、16時間保存してその残存活性
を測定した。その結果は図10に示す通りであって、安
定pHはpH6〜11であった。 6.至適温度 各温度における酵素活性を測定した。その結果は図11
に示す通りであって、至適温度は60℃以上であった。 7.熱安定性 本発明の酵素を1.0mM MgCl2 および0.1m
M CoCl2 を含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH
7.5)中で30分間保温した後、残存する酵素活性を
測定した。その結果は図12に示す通りであって、70
℃まで安定であった。 8.活性化および安定化剤 Mg++およびCo++が必須であった。 9.分子量 140,000〜150,000(ゲルろ過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE) 10.糖含量 糖は検出されなかった。
【0084】比較例1 本願発明の酵素と従来から公知であった酵素との性質を
下記表に対比する。
【0085】
【表4】
【0086】実施例4 (1)アルカリホスファターゼ標識ヤギ抗ヒトCRPI
gGの作製 実施例3のアルカリホスファターゼ5mgを含む50m
Mリン酸緩衝液、pH7.2(1mM MgCl2 およ
び0.1mM CoCl2 を含む)2.5mlに25%
グルタルアルデヒド溶液35μlを加え、25℃で50
分間インキュベートした。次に、2.5mgのヤギ抗ヒ
トCRPIgG分画(日本バイオテスト研究所製)を含
む0.5ml 50mMリン酸緩衝液、pH7.2を加
え、25℃で更に75分間インキュベートした。次に2
M Tris/HCl、pH8.7を150μl添加
後、4℃で30分間撹拌し、150mgのNaBH4
含む水溶液を150μl添加後、4℃で15時間インキ
ュベートした。得られた混合物はSuperdexTM
200(ファルマシア製)を用いる高速液体クロマトグ
ラフィー(溶出液として0.1M NaCl、1mM
MgCl2 、0.1mM CoCl2 、0.1% Na
3 を含む50mM Tris/HCl、pH8.0を
使用)で精製し、第一ピークを酵素標識抗体として取得
した。
【0087】(2)ヒトCRPの検量線 ヤギ抗ヒトCRPIgG分画(日本バイオテスト研究所
製)を被覆したポリスチレンビーズ1個にヒトCRP
0〜1000ng/ml 1mlを加え、30℃で1時
間インキュベートした。次に固相をPBSで3回洗浄
後、アルカリホスファターゼ活性当たり1U/mlに希
釈した酵素標識抗体1mlを加え、30℃で1時間イン
キュベートした。更にPBSで3回洗浄後、11mM
p−ニトロフェニルリン酸、5mM MgCl2 を含む
1Mジエタノールアミン緩衝液、pH9.8を加え、3
7℃で30分間反応させ、0.5N NaOH 2ml
を加えて反応を停止させ、405nmにおける吸光度を
測定し、検量線を作成した(図13)。
【0088】比較例2 仔牛小腸由来アルカリホスファターゼ(CIAP)5m
gを含む50mM リン酸緩衝液(pH7.2)2.5
mlに25%グルタルアルデヒド溶液150μlを加
え、実施例1と同様に操作を行い、酵素標識抗体を取得
した。上記酵素標識抗体を用い、実施例1と同様にヒト
CRPについての検量線を作製した(図13)。特異発
色(10ng/ml ヒトCRP)とブランクの吸光度
(0ng/ml ヒトCRP)の比(S/N比)は、本
発明のアルカリホスファターゼ12.5に対して、CI
APは5.13であり、本発明のアルカリホスファター
ゼの方が非特異吸着が小さかった。
【0089】実施例5 (1)アルカリホスファターゼ標識ヒツジ抗ヒトCRP
Fab’の作製 ヒツジ抗ヒトCRP F(ab’)2 (バインディング
サイト社)5mgを含む0.1Mリン酸緩衝液、pH
6.0 1mlに0.1M 2−メルカプトエチルアミ
ン、10mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液、
pH6.0 100mlを加え、37℃、90分間イン
キュベートした。該混合液を5mM EDTAを含む
0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0で脱塩後、0.5m
lに濃縮した。一方、実施例3のアルカリホスファター
ゼ2.5mgを含む30mM トリエタノールアミン緩
衝液、pH7.6(1mM MgCl2 、0.1mM
CoCl2 を含む)500μlに0.1mg N−サク
シニミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキ
サン−1−カルボキシレートを含むジメチルホルムアミ
ド10μlを加え、30℃で30分間インキュベートし
た。得られた液は1mMMgCl2 、0.1mM Co
Cl2 を含む0.1M トリス塩酸緩衝液、pH7.0
で脱塩後、0.5mlに濃縮した。調製したヒツジ抗ヒ
トCRP Fab’にマレイミド化アルカリホスファタ
ーゼを加え、4℃、20時間インキュベートした。次に
10mM 2−メルカプトエチルアミン 50μlを加
え、25℃で20分間インキュベートした。得られた混
合物はSuperdexTM200で精製し、第一ピー
クを酵素標識抗体として取得した。
【0090】(2)ヒトCRPの検量線 ヤギ抗ヒトCRPIgG分画(株式会社日本バイオテス
ト研究所製)を被覆したポリスチレンビーズ1個に、ヒ
トCRP0〜1000ng/ml 1mlを加え、30
℃で1時間インキュベートした。次に固相をPBSで3
回洗浄後、アルカリホスファターゼ活性当たり1U/m
lに希釈した酵素標識抗体1mlを加え、30℃で1時
間インキュベートした。更にPBSで3回洗浄後、11
mM p−ニトロフェニルリン酸、5mM MgCl2
を含む1Mジエタノールアミン緩衝液、pH9.8を加
え、37℃で30分間反応させ、0.5N NaOH
2mlを加えて反応を停止させ、405nmにおける吸
光度を測定し、検量線を作成した(図14)。
【0091】比較例3 CIAP2.5mgを含む30mM トリエタノールア
ミン緩衝液、pH7.6(1mM MgCl2 、0.1
mM ZnCl2 、3M NaClを含む)500μl
について実施例5と同様の操作を行い、酵素標識抗体を
取得した。上記酵素標識抗体を用い、実施例4と同様に
してヒトCRPについての検量線を作成した(図1
4)。特異発色(10ng/ml ヒトCRP)とブラ
ンクの吸光度(0ng/ml ヒトCRP)の比(S/
N比)は、本発明のアルカリホスファターゼ55.2に
対して、CIAPは34.8であり、本発明のアルカリ
ホスファターゼの方が非特異吸着が小さかった。
【0092】実施例6 (1)ストレプトアビジン標識アルカリホスファターゼ
の作製 ストレプトアビジン4mgを含む0.1Mリン酸緩衝
液、pH7.5 600μlに0.1mg S−アセチ
ルメルカプトスクシニックアンハイドライドを含むジメ
チルホルムアミド10μlを添加し、30℃で30分間
インキュベートした。次に0.1M EDTA、pH
7.0 20μl、0.1M Tris/HCl、pH
7.0 120μl、1M塩酸ハイドロキシルアミン1
20μlを添加し、30℃で5分間インキュベートし、
0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0で脱塩後、600μ
lに濃縮した。実施例5で作製したマレイミド化アルカ
リホスファターゼ溶液100μlに作製したメルカプト
スクシニル化ストレプトアビジン100μlを加え、4
℃、20時間インキュベート後、得られた混合物をSu
perdexTM200で精製し、第一ピークを酵素標
識ストレプトアビジンとした。
【0093】比較例4 CIAPについて実施例6と同様な方法で酵素標識スト
レプトアビジンを作製した。常法に従い、イモビロン
(ミリポア社)にビオチニルBSAを0〜5ngアプラ
イし、1%カゼインを含むPBSでブロッキング後、本
発明の酵素標識ストレプトアビジン及びCIAP標識ス
トレプトアビジン0.3U/mlと30℃で1時間イン
キュベートした。次に発光基質PPDを含む1M ジエ
タノールアミン緩衝液,pH9.8(5mM MgCl
2 を含む)と反応させ、X線フィルムに感光させて検出
した。本発明の酵素標識体およびCIAP標識体共に
0.5ngのビオチニル化ストレプトアビジンを検出す
ることができた。次に本発明の酵素標識ストレプトアビ
ジンおよびCIAP標識ストレプトアビジンを1mM
MgCl2 を含む50mM Tris/HCl、pH
7.5で40℃に7日間保存して、アルカリホスファタ
ーゼ活性を比較した。結果を図15に示すが、本発明の
酵素標識ストレプトアビジンの方が安定であった(図1
5)。
【0094】実施例7 (1)ビオチニル化アルカリホスファターゼの作製 本発明のアルカリホスファターゼ6mgを含む30mM
トリエタノールアミン緩衝液、pH7.5(1mM M
gCl2 、0.1mM CoCl2を含む)600μl
に0.128mg D−ビオチニン−ε−アミノカプリ
ン酸−N−ハイドロキシスクシイミドエステルを含むジ
メチルホルムアミド20μlを加え、25℃で3時間撹
拌した後、0.1M NaCl、1mM MgCl2
0.1mM CoCl2 、0.1%NaN3 を含む50
mMトリス塩酸緩衝液に対して透析した。
【0095】比較例5 CIAPについて実施例7と同様の方法でビオチニル化
アルカリホスファタを作製した。常法に従い、イモビロ
ン(ミリポア社)にビオチニルBSAを0〜5ngアプ
ライし、1%カゼインを含むPBSでブロッキング後、
1μg/mlの本発明のビオチニル化アルカリホスファ
ターゼ及びビオチニル化CIAP0.3U/mlと30
℃で1時間インキュベートした。次に発光基質PPDを
含む1M ジエタノールアミン緩衝液、pH9.8(5
mM MgCl2 を含む)と反応させ、X線フィルムに
感光させて検出した。本発明の酵素標識体およびCIA
P標識体共に50pgのビオチニル化ストレプトアビジ
ンを検出することができた。次に本発明のビオチニル化
アルカリホスファターゼおよびビオチニル化CIAPを
1mM MgCl2 を含む50mM Tris/HC
l、pH7.5中で熱アルカリフォスファターゼ活性の
熱安定性を比較した。結果を図16に示すが、本発明の
ビオチニル化アルカリフォスファターゼの方が安定であ
った。
【0096】実施例8 (1)アルカリホスファターゼ標識プローブ Uni−LinkTMAminoModifier(クロ
ーンテック社製)を5’端に組み込んだ下記配列のオリ
ゴヌクレオチドを通常の方法で合成し、精製した。5’
−GTAAAACGACGGCCAGTGAGCGCG
CGTAAT−3’上記プローブ10nmoleを含む
0.1M NaHCO3 10μlにジスクシミジルスベ
リン酸溶液(10mg/ml−DMSO)50μl加
え、攪拌後、25℃15分間反応させ、セファデックス
G−25カラムでゲルろ過し、最初のオリゴヌクレオチ
ドを含むピークを分取した。該ピークを100μlに濃
縮し、本発明のアルカリフォスファターゼ1.5mgを
含む0.1M NaHCO3 40μlを加え、25℃で
一晩反応した。該混合物に約500μlの1.0mM
MgCl2 を含む20mM Tris/HCl、pH
7.0を加えた後、MonoQ(ファルマシア製)を用
いる高速液体クロマトグラフィー(溶出液A:1.0m
M MgCl2 を含む20mMTris/HCl、pH
7.0、溶出液B:1.0mM MgCl2 、1M N
aClを含む20mM Tris/HCl、pH7.
0)で精製した。
【0097】比較例6 CIAPについて実施例5の方法で、CIAP標識プロ
ーブを作製した。本発明の酵素標識プローブおよびCI
AP標識プローブを1mM MgCl2を含むPBSで
70℃で2時間処理して、アルカリフォスファターゼ活
性を比較した。結果は図17に示すように、本発明の酵
素標識プローブの方が安定であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】バチルス・バディウスTE3592が産生する
酵素の反応pHと相対活性との関係を示すグラフであ
る。
【図2】バチルス・バディウスTE3592が産生する
酵素のpH安定性を示すグラフである。
【図3】バチルス・バディウスTE3592が産生する
酵素の反応温度と相対活性との関係を示すグラフであ
る。
【図4】バチルス・バディウスTE3592が産生する
酵素の熱安定性を示すクラフである。
【図5】バチルス・バディウスTE3593が産生する
酵素の反応pHと相対活性との関係を示すグラフであ
る。
【図6】バチルス・バディウスTE3593が産生する
酵素のpH安定性を示すグラフである。
【図7】バチルス・バディウスTE3593が産生する
酵素の反応温度と相対活性との関係を示すグラフであ
る。
【図8】バチルス・バディウスTE3593が産生する
酵素の熱安定性を示すクラフである。
【図9】バチルス・バディウスTE3597が産生する
酵素の反応pHと相対活性との関係を示すグラフであ
る。
【図10】バチルス・バディウスTE3597が産生す
る酵素のpH安定性を示すグラフである。
【図11】バチルス・バディウスTE3597が産生す
る酵素の反応温度と相対活性との関係を示すグラフであ
る。
【図12】バチルス・バディウスTE3597が産生す
る酵素の熱安定性を示すグラフである。
【図13】本発明の酵素標識およびCIAP標識ヤギ抗
ヒトCRPIgGを用いたヒトCRPの検量線の比較を
示す。
【図14】本発明の酵素標識およびCIA標識ヒツジ抗
ヒトCRPFabを用いたヒトCRPの検量線の比較を
示す。
【図15】ストレプトアビジンによる本発明の酵素標識
体とCIAP標識体の保存安定性の比較を示す。
【図16】ビオチンによる本発明の酵素標識体とCIA
P標識体の熱安定性の比較を示す。
【図17】本発明の酵素およびCIAP標識プローブの
熱安定性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 良久 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社敦賀バイオ研究所内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記理化学的性質を有するアルカリホス
    ファターゼ。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
    ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
    0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
    過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
  2. 【請求項2】 下記理化学的性質を有する請求項1記載
    のアルカリホスファターゼ。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
    ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:60℃以下(pH7.5、30分間) 4.至適温度:60℃以上 5.安定pH:pH6〜9(25℃、16時間) 6.至適pH:pH9〜10 7.比活性:少なくとも2,300U/mg 8.糖鎖を有さない。 9.Km値:0.34mM(p−ニトロフェニルリン酸
    に対する) 10.分子量:140,000〜150,000(ゲル
    ろ過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE) 11.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メ
    チルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グ
    リセロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、
    フォスフォエタノールアミン、グルコース−6−リン酸
    に作用する。
  3. 【請求項3】 下記理化学的性質を有する請求項1記載
    のアルカリホスファターゼ。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
    ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:60℃以下(pH7.5、30分間) 4.至適温度:60℃以上 5.安定pH:pH6〜9(25℃、16時間) 6.至適pH:pH9〜10 7.比活性:少なくとも2,300U/mg 8.糖鎖を有さない。 9.Km値:0.26mM(p−ニトロフェニルリン酸
    に対する) 10.分子量:140,000〜150,000(ゲル
    ろ過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE) 11.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メ
    チルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グ
    リセロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、
    フォスフォエタノールアミン、グルコース−6−リン酸
    に作用する。
  4. 【請求項4】 下記理化学的性質を有する請求項1記載
    のアルカリホスファターゼ。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
    ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:70℃以下(pH7.5、30分間) 4.至適温度:60℃以上 5.安定pH:pH6〜11(25℃、16時間) 6.至適pH:pH9.5〜10 7.比活性:少なくとも2,300U/mg 8.糖鎖を有さない。 9.Km値:0.28mM(p−ニトロフェニルリン酸
    に対する) 10.分子量:140,000〜150,000(ゲル
    ろ過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE) 11.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メ
    チルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グ
    リセロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、
    フォスフォエタノールアミン、グルコース−1−リン
    酸、グルコース−6−リン酸に作用する
  5. 【請求項5】 バチルス属に属し、下記理化学的性質を
    有するアルカリホスファターゼ生成能を有する菌株を培
    地にて培養し、培養物より該アルカリホスファターゼを
    採取することを特徴とするアルカリホスファターゼの製
    造法。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
    ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
    0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
    過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
  6. 【請求項6】 アルカリホスファターゼ生成能を有する
    菌株が、バチルス・バディウスTE3592(FERM
    BP−5329)、TE3593(FERMBP−5
    330)またはTE3597(FERM BP−512
    0)である請求項5記載のアルカリホスファターゼの製
    造法。
  7. 【請求項7】 標識として、下記理化学的性質を有する
    アルカリホスファターゼを使用することを特徴とする試
    料中のリガンドを検出する方法。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
    ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
    0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
    過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
  8. 【請求項8】 試料中のリガンドを検出する方法が、試
    料中のリガンドとリガンドに対して特異的な親和性を有
    する物質との親和性反応を利用するものであり、該反応
    により結合した物質に結合するアルカリホスファターゼ
    活性を測定するか、あるいは結合しなかったアルカリホ
    スファターゼ活性を測定する方法である請求項7記載の
    試料中のリガンドの検出法。
  9. 【請求項9】 リガンドとリガンドに対して特異的な親
    和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
    り、アルカリホスファターゼがリガンドに対して特異的
    な親和性を有する物質に直接的または間接的に結合する
    請求項7記載の試料中のリガンドの検出法。
  10. 【請求項10】 リガンドとリガンドに対して特異的な
    親和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
    り、アルカリホスファターゼがリガンドに直接的または
    間接的に結合する請求項7記載の試料中のリガンドの検
    出法。
  11. 【請求項11】 アビジン化合物またはビオチン化合物
    が結合したリガンドに対して特異的な親和性を有する物
    質と、アルカリホスファターゼとビオチン化合物との結
    合とを、リガンドとリガンドに対して特異的な親和性を
    有する物質との親和性反応と同時に、またはその後にア
    ビジン化合物−ビオチン化合物結合反応に付し、該反応
    により結合したアルカリホスファターゼ活性または残存
    するアルカリホスファターゼ活性を測定する請求項7記
    載の試料中のリガンドの検出法。
  12. 【請求項12】 リガンドが抗原、抗体、ホルモン、ホ
    ルモンレセプターまたは核酸である請求項7記載の試料
    中のリガンドの検出法。
  13. 【請求項13】 リガンドとリガンドに対して特異的な
    親和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
    り、該親和性反応が抗原抗体反応である請求項7記載の
    試料中のリガンドの検出法。
  14. 【請求項14】 リガンドとリガンドに対して特異的な
    親和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
    り、該親和性反応がホルモン−レセプター反応である請
    求項7記載の試料中のリガンドの検出法。
  15. 【請求項15】 リガンドとリガンドに対して特異的な
    親和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
    り、該親和性反応が核酸ハイブリダイゼーション反応で
    ある請求項7記載の試料中のリガンドの検出法。
  16. 【請求項16】 リガンドとリガンドに対して特異的な
    親和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
    り、リガンドまたはリガンドに対して特異的な親和性を
    有する物質のいずれか一方が固相に結合している請求項
    7記載の試料中のリガンドの検出法。
  17. 【請求項17】 (i)下記理化学的性質を有するアル
    カリホスファターゼで標識されたリガンドに対する特異
    的結合物質または(ii)下記理化学的性質を有するアル
    カリホスファターゼで標識されたリガンドおよび (iii)
    アルカリホスファターゼ測定試薬を含有する生体試料中
    のリガンド検出試薬。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
    ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
    0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
    過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
  18. 【請求項18】 (i)アビジン化合物またはビオチン
    化合物を結合するリガンドに対して特異的な親和性を有
    する物質および(ii)ビオチン化合物またはアビジン化
    合物を結合する下記理化学的性質を有するアルカリホス
    ファターゼおよび(iii) アルカリホスファターゼを測定
    する物質を含有する生体試料中のリガンド検出試薬。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
    ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
    0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
    過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
  19. 【請求項19】 アルカリホスファターゼ測定試薬が
    1,2−ジオキセタン化合物またはこの誘導体、フェナ
    レノン−6−リン酸、ベンズフェナレン−6−リン酸、
    4−メチルウンベリフェリルリン酸、p−ニトロフェニ
    ルリン酸、1−ナフトールフタレインリン酸、5−ブロ
    モ−4−クロロ−3−インドリルリン酸またはこれらの
    化合物の誘導体である請求項17または18記載の生体
    試料中のリガンド検出試薬。
  20. 【請求項20】 リガンドが抗原、抗体、ホルモン、ホ
    ルモンレセプターまたは核酸である請求項17または1
    8記載の試料中のリガンド検出試薬。
  21. 【請求項21】 リガンドまたはリガンドに対して特異
    的な親和性を有する物質とが親和性反応性であって、親
    和性反応が抗原抗体反応である請求項17または18記
    載の試料中のリガンド検出試薬。
  22. 【請求項22】 リガンドとリガンドに対して特異的な
    親和性を有する物質とが親和性反応性であって、親和性
    反応がホルモン−ホルモンレセプター反応である請求項
    17または18記載の試料中のリガンド検出試薬。
  23. 【請求項23】 リガンドとリガンドに対して特異的な
    親和性を有する物質とが親和性反応性であって、親和性
    反応が核酸ハイブリダイゼーション反応である請求項1
    7または18記載の試料中のリガンド検出試薬。
  24. 【請求項24】 リガンドまたはリガンドに対して特異
    的な親和性を有する物質のいずれか一方が固相に結合し
    ている請求項17または18記載の試料中のリガンド検
    出試薬。
  25. 【請求項25】 標識として、下記理化学的性質を有す
    るアルカリホスファターゼを使用することを特徴とする
    試料中のリガンドを定量する方法。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
    ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
    0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
    過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
  26. 【請求項26】 標識として、下記理化学的性質を有す
    るアルカリホスファターゼを使用することを特徴とする
    試料中の核酸配列決定法。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
    ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg++およびCo++ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で少なくとも3
    0分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
    過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE)
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