JPH0954087A - ヘモグロビン▲A1c▼測定用乾式試験具 - Google Patents
ヘモグロビン▲A1c▼測定用乾式試験具Info
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- JPH0954087A JPH0954087A JP23751895A JP23751895A JPH0954087A JP H0954087 A JPH0954087 A JP H0954087A JP 23751895 A JP23751895 A JP 23751895A JP 23751895 A JP23751895 A JP 23751895A JP H0954087 A JPH0954087 A JP H0954087A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 溶血剤と変性剤と微粒子とを塗布した溶血層
と、抗HbA1c抗体が含まれる凝集層と、凝集微粒子
を捕捉する測定層が、支持体上に順に積層されており、
展開後の展開残液を吸収する吸収層が上記測定層の周辺
に配置されている、乾式試験具である。 【発明の効果】本発明によれば、大型の分析装置を用い
ず、しかも溶血および/または変性処理操作といった前
処理を必要とせず、検体数の少ない中小病院や開業医、
または患者自身でも小型機器を用いて、簡単な操作でヘ
モグロビンAとヘモグロビンA1cとを同時に直接測定
できる。しかも、本発明の原理である免疫凝集反応は、
市販の着色ビーズを用いるので、色素等で抗体を標識す
る必要がない。目的物質を標識しないので、標識化によ
る抗体の変性の危険性もない。さらに、検体は展開液と
ともに上から下へ展開するために、液がむらなく均一に
展開される。
と、抗HbA1c抗体が含まれる凝集層と、凝集微粒子
を捕捉する測定層が、支持体上に順に積層されており、
展開後の展開残液を吸収する吸収層が上記測定層の周辺
に配置されている、乾式試験具である。 【発明の効果】本発明によれば、大型の分析装置を用い
ず、しかも溶血および/または変性処理操作といった前
処理を必要とせず、検体数の少ない中小病院や開業医、
または患者自身でも小型機器を用いて、簡単な操作でヘ
モグロビンAとヘモグロビンA1cとを同時に直接測定
できる。しかも、本発明の原理である免疫凝集反応は、
市販の着色ビーズを用いるので、色素等で抗体を標識す
る必要がない。目的物質を標識しないので、標識化によ
る抗体の変性の危険性もない。さらに、検体は展開液と
ともに上から下へ展開するために、液がむらなく均一に
展開される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘモグロビンA
(HbAと略する)とヘモグロビンA1c(HbA1c
と略する)を同時に測定することにより、HbA量に対
するHbA1c量の比率を簡易測定するための乾式の試
験具に関する。
(HbAと略する)とヘモグロビンA1c(HbA1c
と略する)を同時に測定することにより、HbA量に対
するHbA1c量の比率を簡易測定するための乾式の試
験具に関する。
【0002】
【従来の技術】血中のヘモグロビンに糖が結合したグリ
コヘモグロビンは、その濃度が過去1〜2ケ月間の平均
的な血中糖濃度を反映するために、糖尿病の診断あるい
は糖尿病の経過観察に適した指標として広く利用されて
いる。
コヘモグロビンは、その濃度が過去1〜2ケ月間の平均
的な血中糖濃度を反映するために、糖尿病の診断あるい
は糖尿病の経過観察に適した指標として広く利用されて
いる。
【0003】グリコヘモグロビンを測定する場合には、
全体のヘモグロビン量を対照とした際のグリコヘモグロ
ビン量の比率で示される。この場合、ヘモグロビンの種
類(ヘモグロビンA,S,CおよびE)のうち、ヘモグ
ロビンA(HbA)中の特定のグリコヘモグロビンであ
る、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の割合を指標と
して用いることが臨床的に一般化されており、HbAに
対するHbA1cの比率で示すと、通常約4〜6%がそ
の目安とされている。
全体のヘモグロビン量を対照とした際のグリコヘモグロ
ビン量の比率で示される。この場合、ヘモグロビンの種
類(ヘモグロビンA,S,CおよびE)のうち、ヘモグ
ロビンA(HbA)中の特定のグリコヘモグロビンであ
る、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の割合を指標と
して用いることが臨床的に一般化されており、HbAに
対するHbA1cの比率で示すと、通常約4〜6%がそ
の目安とされている。
【0004】HbA1cの測定法としては電気泳動法、
ボロン酸アフィニティクロマトグラフィー法、イオン交
換クロマトグラフィー法、イムノアッセイ法などが知ら
れているが、現在では所要時間や分離性などの点からイ
オン交換クロマトグラフィー法が主流となっている。し
かし、最近では特異性の高い抗体を用いたイムノアッセ
イ法でも測定されるようになって来ている。
ボロン酸アフィニティクロマトグラフィー法、イオン交
換クロマトグラフィー法、イムノアッセイ法などが知ら
れているが、現在では所要時間や分離性などの点からイ
オン交換クロマトグラフィー法が主流となっている。し
かし、最近では特異性の高い抗体を用いたイムノアッセ
イ法でも測定されるようになって来ている。
【0005】このイムノアッセイ法は、用いる抗体の特
異性が高いためイオン交換クロマトグラフィー法におい
て問題とされる不安定型グリコヘモグロビン、カルバミ
ル化ヘモグロビン、アセトアルデヒド化ヘモグロビンお
よびアセチル化ヘモグロビンなどの影響を受けず、迅速
かつ検体処理能力が高い長所がある。
異性が高いためイオン交換クロマトグラフィー法におい
て問題とされる不安定型グリコヘモグロビン、カルバミ
ル化ヘモグロビン、アセトアルデヒド化ヘモグロビンお
よびアセチル化ヘモグロビンなどの影響を受けず、迅速
かつ検体処理能力が高い長所がある。
【0006】しかし、グリコヘモグロビンに対する特異
抗体はヘモグロビンと化学構造の相違する部位(つまり
糖が結合した部分)をエピトープとしており、さらにH
bA1cの場合その部位は十分露出していないため、イ
ムノアッセイ法を行う際、多くの場合その部位を露出さ
せるための変性操作が必要である。
抗体はヘモグロビンと化学構造の相違する部位(つまり
糖が結合した部分)をエピトープとしており、さらにH
bA1cの場合その部位は十分露出していないため、イ
ムノアッセイ法を行う際、多くの場合その部位を露出さ
せるための変性操作が必要である。
【0007】イオン交換クロマトグラフィー法および従
来のイムノアッセイ法では、比較的大型の分析装置を必
要とし、大きな病院検査室または検査センターでのみ測
定が行なわれている。
来のイムノアッセイ法では、比較的大型の分析装置を必
要とし、大きな病院検査室または検査センターでのみ測
定が行なわれている。
【0008】一方、イムノアッセイ法を応用したもの
で、血中のヘモグロビンA、S、CおよびEの種類判定
を目視でできる使い捨てタイプの乾式検査具(Scre
ening3,67〜76,1994)も知られてい
る。この乾式検査具は患者自身で測定することが可能で
あるが、前処理として溶血操作を必要とし、HbA1c
といったグリコヘモグロビンを測定するものではない。
前処理を患者自身が行う場合、操作の煩雑さの他に汚染
も問題である。
で、血中のヘモグロビンA、S、CおよびEの種類判定
を目視でできる使い捨てタイプの乾式検査具(Scre
ening3,67〜76,1994)も知られてい
る。この乾式検査具は患者自身で測定することが可能で
あるが、前処理として溶血操作を必要とし、HbA1c
といったグリコヘモグロビンを測定するものではない。
前処理を患者自身が行う場合、操作の煩雑さの他に汚染
も問題である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】HbA1cといったグ
リコヘモグロビンを測る事ができ、かつ検体を前処理す
ることなしに測定可能な乾式試験具が開発されればその
メリットは極めて大きい。そこで本発明は、大型の分析
装置を用いず、しかも溶血および/または変性処理操作
を必要とせず、検体数の少ない中小病院や開業医、また
は患者自身でも小型機器を用いて、簡単な操作でHbA
とHbA1cとを同時に直接測定できる乾式試験具を提
供することを目的とする。
リコヘモグロビンを測る事ができ、かつ検体を前処理す
ることなしに測定可能な乾式試験具が開発されればその
メリットは極めて大きい。そこで本発明は、大型の分析
装置を用いず、しかも溶血および/または変性処理操作
を必要とせず、検体数の少ない中小病院や開業医、また
は患者自身でも小型機器を用いて、簡単な操作でHbA
とHbA1cとを同時に直接測定できる乾式試験具を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、全体が液体
を移送しうる材質で形成されており、展開液を用いるこ
とで血中のHbAに対するHbA1cの量を測定するた
めの乾式試験具であって、1個の支持体上に、以下のi
からvの構成すなわち i)溶血剤と変性剤と微粒子とを塗布した溶血層 ii)展開層 iii)抗HbA1c抗体が含まれる凝集層 iv)展開層 v)凝集微粒子を捕捉する測定層 が順に積層されており、展開後の展開残液を吸収する吸
収層が上記測定層の周囲に配置されている、血中HbA
1c測定用乾式試験具を用いて、血液検体を点着して展
開させた後光学的方法により測定してHbAとHbA
1cの量を同時に求め、それぞれの値からHbAに対す
るHbA1cの比率を算出することにより、達成でき
る。なお、このときに使用される血液検体としては、全
血は勿論のこと、分離された赤血球でも良い。
を移送しうる材質で形成されており、展開液を用いるこ
とで血中のHbAに対するHbA1cの量を測定するた
めの乾式試験具であって、1個の支持体上に、以下のi
からvの構成すなわち i)溶血剤と変性剤と微粒子とを塗布した溶血層 ii)展開層 iii)抗HbA1c抗体が含まれる凝集層 iv)展開層 v)凝集微粒子を捕捉する測定層 が順に積層されており、展開後の展開残液を吸収する吸
収層が上記測定層の周囲に配置されている、血中HbA
1c測定用乾式試験具を用いて、血液検体を点着して展
開させた後光学的方法により測定してHbAとHbA
1cの量を同時に求め、それぞれの値からHbAに対す
るHbA1cの比率を算出することにより、達成でき
る。なお、このときに使用される血液検体としては、全
血は勿論のこと、分離された赤血球でも良い。
【0011】免疫凝集反応は、市販の着色ビーズを用い
るので、色素等で抗体を標識する必要がない。目的物質
を標識しないので、標識化による抗体の変性の危険性も
ない。さらに、検体である全血は、展開液とともに上か
ら下へ展開するために液がむらなく均一に展開される。
るので、色素等で抗体を標識する必要がない。目的物質
を標識しないので、標識化による抗体の変性の危険性も
ない。さらに、検体である全血は、展開液とともに上か
ら下へ展開するために液がむらなく均一に展開される。
【0012】また、先の構造物の隣に、さらに以下のv
iからviiiの構成すなわち vi)溶血剤を塗布した溶血層 vii)展開層 viii)HbAを捕捉する測定層 が順に積層された構造物を設置することにより、測定精
度を向上することができる。詳細は後述する。以下具体
的に述べる。
iからviiiの構成すなわち vi)溶血剤を塗布した溶血層 vii)展開層 viii)HbAを捕捉する測定層 が順に積層された構造物を設置することにより、測定精
度を向上することができる。詳細は後述する。以下具体
的に述べる。
【0013】
【発明の実施の形態】第1図は、支持体1の上に凝集微
粒子のみを捕捉しうる測定層2を設け、測定層2の上に
展開可能な材質からなる展開層3を設け、展開層3の上
に抗HbA1c抗体を塗布した凝集層4を設け、凝集層
4の上に展開可能な材質からなる展開層5を設け、展開
層5の上に溶血剤・微粒子および変性剤を塗布した溶血
層6を設け、測定層2の周囲に展開後の展開残液を吸収
する吸収層8を設け、これらを積層したものを、穴を有
するカバー7で覆った試験具の縦断面図である。これを
試験具Aとする。この試験具の溶血層6に血液検体を点
着すると、溶血と変性が行なわれ、微粒子の表面へHb
A1cを含むHbAが吸着される。引き続き展開液を溶
血層6に加えると微粒子は凝集層4の抗HbA1c抗体
と免疫反応して凝集し、凝集した微粒子は測定層2に捕
捉され、凝集しなかった微粒子を含む展開残液は吸収層
8に吸収される。次いで、測定層2と吸収層8中のHb
AとHbA1cによる着色度と、測定層2に捕捉された
微粒子自身(HbA1c量に相当)の着色度をそれぞれ
光学的方法により測定して、その結果からそれぞれHb
AおよびHbA1cの値を求め、HbAに対するHbA
1cの比率を算出する。
粒子のみを捕捉しうる測定層2を設け、測定層2の上に
展開可能な材質からなる展開層3を設け、展開層3の上
に抗HbA1c抗体を塗布した凝集層4を設け、凝集層
4の上に展開可能な材質からなる展開層5を設け、展開
層5の上に溶血剤・微粒子および変性剤を塗布した溶血
層6を設け、測定層2の周囲に展開後の展開残液を吸収
する吸収層8を設け、これらを積層したものを、穴を有
するカバー7で覆った試験具の縦断面図である。これを
試験具Aとする。この試験具の溶血層6に血液検体を点
着すると、溶血と変性が行なわれ、微粒子の表面へHb
A1cを含むHbAが吸着される。引き続き展開液を溶
血層6に加えると微粒子は凝集層4の抗HbA1c抗体
と免疫反応して凝集し、凝集した微粒子は測定層2に捕
捉され、凝集しなかった微粒子を含む展開残液は吸収層
8に吸収される。次いで、測定層2と吸収層8中のHb
AとHbA1cによる着色度と、測定層2に捕捉された
微粒子自身(HbA1c量に相当)の着色度をそれぞれ
光学的方法により測定して、その結果からそれぞれHb
AおよびHbA1cの値を求め、HbAに対するHbA
1cの比率を算出する。
【0014】ここで、各構成要素の機能と材料を以下に
示す。基本的に、材料は公知のもので構わない。
示す。基本的に、材料は公知のもので構わない。
【0015】支持体は光透過性の物質が好ましく、本発
明では展開終了後の光学的測定を支持体下部から行うた
めに、測定層の下部は必ず光透過性でなくてはならな
い。また、支持体は一枚板である必要はなく、例えば支
持体全体が光非透過性であり、測定層下部に貫通孔を有
していてもよい。材質は、ある程度の強度を有するもの
で、例えばガラス,ポリスチレン,ポリエステル,ポリ
エチレンテレフタレート,酢酸セルロースなどが挙げら
れる。
明では展開終了後の光学的測定を支持体下部から行うた
めに、測定層の下部は必ず光透過性でなくてはならな
い。また、支持体は一枚板である必要はなく、例えば支
持体全体が光非透過性であり、測定層下部に貫通孔を有
していてもよい。材質は、ある程度の強度を有するもの
で、例えばガラス,ポリスチレン,ポリエステル,ポリ
エチレンテレフタレート,酢酸セルロースなどが挙げら
れる。
【0016】展開層をなす展開膜は、吸着反応や免疫凝
集反応を行わせるための場として、またその反応の速度
を調節するためにある。また、この展開層の一部へ溶血
剤等を塗布して溶血層を、抗体を塗布して凝集層を設け
る。材質としては、酢酸セルロース、ニトロセルロー
ス、セルロース、ガラスファイバーなどの、液体と微粒
子が通りやすい物質であることが必要である。
集反応を行わせるための場として、またその反応の速度
を調節するためにある。また、この展開層の一部へ溶血
剤等を塗布して溶血層を、抗体を塗布して凝集層を設け
る。材質としては、酢酸セルロース、ニトロセルロー
ス、セルロース、ガラスファイバーなどの、液体と微粒
子が通りやすい物質であることが必要である。
【0017】溶血層に含まれる溶血剤としてはサポニン
が有力であるが、界面活性剤も使用できる。その界面活
性剤の種類としては、ポリソルベート、ポリエチレング
リコ−ル−p−イソオクチルエーテルなどが挙げられ
る。その中でも溶血能の点から、トリトンX−100が
市販品として特に望ましい。同時に溶血層に塗布される
変性剤は、HbA1cを変性させてHbAとの化学構造
の相違する部位(つまり糖部分)を露出させ、抗HbA
1c抗体が免疫的に認識し易くする役割を有する。種類
としては、チオシアン酸塩のような酸や、プロテアーゼ
のような加水分解酵素が好ましく、単に酸性にするのみ
でも良い。さらに、ヘモグロビンA1cを捕捉するため
の構造物の溶血剤層には、抗原を吸着させるための微粒
子を含ませる。それは、免疫凝集反応で使用される市販
の着色ビーズ(ラテックス製)でよく、また、着色また
は無着色の金属コロイド(金、銀、銅)も使用できる。
ただし、これら微粒子の着色は、ヘモグロビンの色(赤
色)と光学的に区別して測定できるものでなければなら
ない。
が有力であるが、界面活性剤も使用できる。その界面活
性剤の種類としては、ポリソルベート、ポリエチレング
リコ−ル−p−イソオクチルエーテルなどが挙げられ
る。その中でも溶血能の点から、トリトンX−100が
市販品として特に望ましい。同時に溶血層に塗布される
変性剤は、HbA1cを変性させてHbAとの化学構造
の相違する部位(つまり糖部分)を露出させ、抗HbA
1c抗体が免疫的に認識し易くする役割を有する。種類
としては、チオシアン酸塩のような酸や、プロテアーゼ
のような加水分解酵素が好ましく、単に酸性にするのみ
でも良い。さらに、ヘモグロビンA1cを捕捉するため
の構造物の溶血剤層には、抗原を吸着させるための微粒
子を含ませる。それは、免疫凝集反応で使用される市販
の着色ビーズ(ラテックス製)でよく、また、着色また
は無着色の金属コロイド(金、銀、銅)も使用できる。
ただし、これら微粒子の着色は、ヘモグロビンの色(赤
色)と光学的に区別して測定できるものでなければなら
ない。
【0018】凝集層に含まれる抗HbA1c抗体として
は、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体がともに
使用できる。
は、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体がともに
使用できる。
【0019】測定層は、凝集した微粒子を捕捉し得る孔
径を有する濾過剤である多孔性マトリックスが望まし
い。濾過剤の例は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
スルオン、ポリプロピレン、ポリビニリデンジフロライ
ド、セルロース混合エステルなどが挙げられる。また、
この層に捕捉された微粒子の呈色を観察するために、そ
の呈色とは波長の異なる色をした膜が好ましい。好まし
くは白色である。捕捉の方法は、濾過剤を使用して濾過
することが望ましくて一般的であるが、抗体やイオン交
換樹脂を使用する方法もある。
径を有する濾過剤である多孔性マトリックスが望まし
い。濾過剤の例は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
スルオン、ポリプロピレン、ポリビニリデンジフロライ
ド、セルロース混合エステルなどが挙げられる。また、
この層に捕捉された微粒子の呈色を観察するために、そ
の呈色とは波長の異なる色をした膜が好ましい。好まし
くは白色である。捕捉の方法は、濾過剤を使用して濾過
することが望ましくて一般的であるが、抗体やイオン交
換樹脂を使用する方法もある。
【0020】吸収剤の条件としては、展開残液を吸収す
るのに十分な細孔容積を有する多孔性マトリックスか、
十分な液吸収能を有する乾燥ゲルが挙げられる。例とし
ては、セルロース、酢酸セルロース、ポリアクリル酸、
ポリビニールアルコールなどがある。
るのに十分な細孔容積を有する多孔性マトリックスか、
十分な液吸収能を有する乾燥ゲルが挙げられる。例とし
ては、セルロース、酢酸セルロース、ポリアクリル酸、
ポリビニールアルコールなどがある。
【0021】展開に用いる展開液としては、通常のイム
ノアッセイ法に使用されるような、少量の蛋白質、塩、
界面活性剤を含む緩衝液が望ましく、一例としては、
0.1%ウシ血清アルブミンと、0.01%トリトンX
−100と、0.9%塩化ナトリウムを含む0.1Mリ
ン酸緩衝液が挙げられる。
ノアッセイ法に使用されるような、少量の蛋白質、塩、
界面活性剤を含む緩衝液が望ましく、一例としては、
0.1%ウシ血清アルブミンと、0.01%トリトンX
−100と、0.9%塩化ナトリウムを含む0.1Mリ
ン酸緩衝液が挙げられる。
【0022】溶血層と凝集層と測定層は、展開膜に各種
試薬を含浸・塗布または結合させることで作製するが、
手法としては当業者間で公知の方法で良く、施すべき物
質を1種以上の含浸溶液中へ溶かし込み、塗り付けるこ
とで含浸したり、インクジェットプリンターで噴霧した
り、化学的に結合する(「酵素免疫測定法」医学書院、
1987年)ことができる。いずれにしても、最終的に
は乾燥させる。
試薬を含浸・塗布または結合させることで作製するが、
手法としては当業者間で公知の方法で良く、施すべき物
質を1種以上の含浸溶液中へ溶かし込み、塗り付けるこ
とで含浸したり、インクジェットプリンターで噴霧した
り、化学的に結合する(「酵素免疫測定法」医学書院、
1987年)ことができる。いずれにしても、最終的に
は乾燥させる。
【0023】支持体上へ各層を配置する方法としては、
円形に加工した各々の層の膜を重ね合わせ,カバーと支
持体とを物理的に(例えば接着剤で)固定する。もちろ
ん、円形である必要は特にない。その際のカバーの材質
の例は、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレ
ン,メタクリル樹脂,ポリカーボネートなどが挙げられ
る。
円形に加工した各々の層の膜を重ね合わせ,カバーと支
持体とを物理的に(例えば接着剤で)固定する。もちろ
ん、円形である必要は特にない。その際のカバーの材質
の例は、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレ
ン,メタクリル樹脂,ポリカーボネートなどが挙げられ
る。
【0024】第2図は、支持体11の上に、HbA1c
を捕捉するための構造物と、その隣にHbAを捕捉する
ための新しい構造物を有する試験具の断面図である。こ
の試験具を試験具Bとする。HbA1cを捕捉するため
の構造物は、図1の試験具Aと同様である。HbAを捕
捉するための構造物は、支持体11の上に抗HbA抗体
またはイオン交換物質を固定化した測定層22を有し、
その測定層の上に液を展開可能な材質からなる展開層2
3を有し、その展開層の上に溶血剤を塗布した溶血層2
6を有している。これらの構成要素は、検体と展開液を
供給するための穴を有するカバー27で覆われており、
積層されると同時に支持体へ固定されている。測定層2
2の周囲には、展開残液を吸収させる吸収剤からなる吸
収層28が設けてある。HbA1cを捕捉するための構
造物は、支持体11の上に凝集微粒子のみを捕捉しうる
濾過剤でできた測定層12を有し、その測定層12の上
に液を展開可能な材質からなる展開層13を有し、その
展開層13の上に抗HbA1c抗体を塗布した凝集層1
4を有し、その凝集層14の上に液を展開可能な材質か
らなる展開層15を有し、その展開層15上に溶血剤,
変性剤および微粒子を塗布した溶血層16を有してい
る。これらの構成要素は、穴を有するカバー17で覆わ
れており、積層されると同時に支持体へ固定されてい
る。測定層の周囲には、展開残液を吸収させる吸収剤か
らなる吸収層18が設けてある。
を捕捉するための構造物と、その隣にHbAを捕捉する
ための新しい構造物を有する試験具の断面図である。こ
の試験具を試験具Bとする。HbA1cを捕捉するため
の構造物は、図1の試験具Aと同様である。HbAを捕
捉するための構造物は、支持体11の上に抗HbA抗体
またはイオン交換物質を固定化した測定層22を有し、
その測定層の上に液を展開可能な材質からなる展開層2
3を有し、その展開層の上に溶血剤を塗布した溶血層2
6を有している。これらの構成要素は、検体と展開液を
供給するための穴を有するカバー27で覆われており、
積層されると同時に支持体へ固定されている。測定層2
2の周囲には、展開残液を吸収させる吸収剤からなる吸
収層28が設けてある。HbA1cを捕捉するための構
造物は、支持体11の上に凝集微粒子のみを捕捉しうる
濾過剤でできた測定層12を有し、その測定層12の上
に液を展開可能な材質からなる展開層13を有し、その
展開層13の上に抗HbA1c抗体を塗布した凝集層1
4を有し、その凝集層14の上に液を展開可能な材質か
らなる展開層15を有し、その展開層15上に溶血剤,
変性剤および微粒子を塗布した溶血層16を有してい
る。これらの構成要素は、穴を有するカバー17で覆わ
れており、積層されると同時に支持体へ固定されてい
る。測定層の周囲には、展開残液を吸収させる吸収剤か
らなる吸収層18が設けてある。
【0025】試験具Bの溶血層26に血液検体を点着す
ると溶血され、次いで展開液を溶血層26に加えると、
HbAは展開され測定層22に固定化されている抗Hb
A抗体またはイオン交換物質に捕捉される。その際の展
開残液は吸収層28に吸収される。一方、溶血層16に
血液検体を点着すると、検体は溶血および変性され、H
bA1cを含むHbAは微粒子に吸着する。引き続き展
開液を溶血層16に加えると、HbA1cを含むHbA
と吸着したその微粒子は凝集層14の抗HbA1c抗体
と反応して凝集する。凝集した微粒子は測定層12に捕
捉され、凝集していない微粒子を含む展開残液は吸収層
18に吸収される。次いで、測定層22中のHbAの着
色度と、測定層12に捕捉された微粒子自身(HbA
1c量に相当)の着色度とをそれぞれ光学的に測定し、
その結果からそれぞれHbAおよびHbA1cの値を求
めた後、HbAに対するHbA1cの比率を算出する。
ると溶血され、次いで展開液を溶血層26に加えると、
HbAは展開され測定層22に固定化されている抗Hb
A抗体またはイオン交換物質に捕捉される。その際の展
開残液は吸収層28に吸収される。一方、溶血層16に
血液検体を点着すると、検体は溶血および変性され、H
bA1cを含むHbAは微粒子に吸着する。引き続き展
開液を溶血層16に加えると、HbA1cを含むHbA
と吸着したその微粒子は凝集層14の抗HbA1c抗体
と反応して凝集する。凝集した微粒子は測定層12に捕
捉され、凝集していない微粒子を含む展開残液は吸収層
18に吸収される。次いで、測定層22中のHbAの着
色度と、測定層12に捕捉された微粒子自身(HbA
1c量に相当)の着色度とをそれぞれ光学的に測定し、
その結果からそれぞれHbAおよびHbA1cの値を求
めた後、HbAに対するHbA1cの比率を算出する。
【0026】試験具Bでは、HbAとHbA1cを捕捉
する場所が異なり、それぞれを異なる手段で確実に捕捉
するために、試験具Aと比較すると、測定精度が向上す
る。
する場所が異なり、それぞれを異なる手段で確実に捕捉
するために、試験具Aと比較すると、測定精度が向上す
る。
【0027】HbA1cを捕捉するための構造物中の溶
血層では、HbA1cを変性させてHbAとの化学構造
の相違する部位(つまり糖部分)を露出させ、抗HbA
1c抗体が免疫的に認識し易くする必要があるが、Hb
Aを捕捉するための構造物中の溶血層では、HbA1c
を含むHbA全体を捕捉するために、変性剤は特に必要
としない。また、凝集する微粒子もないので、測定層に
は抗HbA抗体やイオン交換樹脂(イオン交換樹脂の例
としては、ジエチルアミノエチルセルロース,カルボキ
シメチルセルロース)などを固定化して含ませておけば
よい。抗HbA抗体は、HbAとHbA1cの両方を認
識し、種類としては、ポリクローナル抗体とモノクロー
ナル抗体がともに使用できる。
血層では、HbA1cを変性させてHbAとの化学構造
の相違する部位(つまり糖部分)を露出させ、抗HbA
1c抗体が免疫的に認識し易くする必要があるが、Hb
Aを捕捉するための構造物中の溶血層では、HbA1c
を含むHbA全体を捕捉するために、変性剤は特に必要
としない。また、凝集する微粒子もないので、測定層に
は抗HbA抗体やイオン交換樹脂(イオン交換樹脂の例
としては、ジエチルアミノエチルセルロース,カルボキ
シメチルセルロース)などを固定化して含ませておけば
よい。抗HbA抗体は、HbAとHbA1cの両方を認
識し、種類としては、ポリクローナル抗体とモノクロー
ナル抗体がともに使用できる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、大型の分析装置を用い
ず、しかも溶血および/または変性処理操作といった前
処理を必要とせず、検体数の少ない中小病院や開業医、
または患者自身でも小型機器を用いて、簡単な操作でH
bAとHbA1cとを同時に直接測定できる。しかも、
本発明の原理である免疫凝集反応は、市販の着色ビーズ
を用いるので、色素等で抗体を標識する必要がない。目
的物質を標識しないので、標識化による抗体の変性の危
険性もない。さらに、検体は展開液とともに上から下へ
展開するために、液がむらなく均一に展開される。
ず、しかも溶血および/または変性処理操作といった前
処理を必要とせず、検体数の少ない中小病院や開業医、
または患者自身でも小型機器を用いて、簡単な操作でH
bAとHbA1cとを同時に直接測定できる。しかも、
本発明の原理である免疫凝集反応は、市販の着色ビーズ
を用いるので、色素等で抗体を標識する必要がない。目
的物質を標識しないので、標識化による抗体の変性の危
険性もない。さらに、検体は展開液とともに上から下へ
展開するために、液がむらなく均一に展開される。
【0029】
【図1】 本発明の試験具Aの縦断面図である。
【図2】 本発明の試験具Bの縦断面図である。
1,11 : 支持体 2,12,22 : 測定層 3,5,13,15,23: 展開層 4,14, : 凝集層 6,16,26 : 溶血層 7,17,27 : カバー 8,18,28 : 吸収層
Claims (5)
- 【請求項1】展開液を用いることにより全血中のヘモグ
ロビンA(HbAと略する)量に対するヘモグロビンA
1c(HbA1cと略する)量を測定するための乾式試
験具であって、1個の支持体上に、以下のiからvの構
成すなわち i)溶血剤と変性剤と微粒子とを塗布した溶血層 ii)展開層 iii)抗HbA1c抗体が含まれる凝集層 iv)展開層 v)凝集微粒子を捕捉する測定層 が順に積層されており、展開後の展開残液を吸収する吸
収層が上記測定層の周囲に配置されている、HbA1c
測定用乾式試験具。 - 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の構造物の隣
に、さらに以下のviからviiiの構成すなわち vi)溶血剤を塗布した溶血層 vii)展開層 viii)抗HbA抗体かイオン交換樹脂が固定化され
ている測定層 が順に積層された構造物が並列に設置してあり、展開後
の展開残液を吸収する吸収層が上記測定層の周囲に配置
されている、血中HbA1c測定用乾式試験具 - 【請求項3】測定層での凝集微粒子の捕捉方法が、濾過
剤による濾過作用によるものである、特許請求の範囲第
1又は2項に記載の試験具。 - 【請求項4】微粒子が、ヘモグロビンの色と光学的に区
別して測定し得る色に着色されている、特許請求の範囲
第1から3項のいずれかに記載の試験具。 - 【請求項5】測定層における光学的測定のために、支持
体の全体又は一部分が光透過性であるか、又は測定層の
下部に穴を開けたものである、特許請求の範囲第1から
4項のいずれかに記載の試験具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23751895A JPH0954087A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | ヘモグロビン▲A1c▼測定用乾式試験具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23751895A JPH0954087A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | ヘモグロビン▲A1c▼測定用乾式試験具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0954087A true JPH0954087A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=17016519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23751895A Pending JPH0954087A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | ヘモグロビン▲A1c▼測定用乾式試験具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0954087A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001069237A1 (fr) * | 2000-03-15 | 2001-09-20 | Arkray, Inc. | Specimen avec capacite de separation de composant solide |
-
1995
- 1995-08-10 JP JP23751895A patent/JPH0954087A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001069237A1 (fr) * | 2000-03-15 | 2001-09-20 | Arkray, Inc. | Specimen avec capacite de separation de composant solide |
US7201871B2 (en) | 2000-03-15 | 2007-04-10 | Arkray Inc. | Specimen having capability of separating solid component |
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