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JPH09510088A - 最終補体インヒビター融合遺伝子およびタンパク質 - Google Patents

最終補体インヒビター融合遺伝子およびタンパク質

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JPH09510088A
JPH09510088A JP7523093A JP52309395A JPH09510088A JP H09510088 A JPH09510088 A JP H09510088A JP 7523093 A JP7523093 A JP 7523093A JP 52309395 A JP52309395 A JP 52309395A JP H09510088 A JPH09510088 A JP H09510088A
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protein
cells
nucleic acid
final
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JP7523093A
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ロザー、ラッセル・ピー
ローリンズ、スコット
スクウィント、ステファン・ピー
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アレクション・ファーマシューティカル・インク
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 CD59のような親最終補体インヒビタータンパクの機能的部分および非相同膜貫通ドメインを含むキメラタンパクをコードする核酸分子を提供する。親最終補体インヒビタータンパクは、そのGPIシグナル配列を不活性化するように改変されている。非相同膜貫通ドメインは、最終補体インヒビターの補体阻害活性に実質的に干渉することなく細胞表面にキメラタンパクをつなぐのに役立つ。これらの核酸配列およびコードされるキメラタンパクは、細胞を補体侵襲から保護するために用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 最終補体インヒビター融合遺伝子およびタンパク質発明の分野 本発明は、細胞表面への付着を変えるように遺伝子工学的に処理された最終補 体インヒビタータンパク質(terminal complement inhibitory proteins)およ びそのような新規な分子の医学的な用途に関する。発明の背景 I.補体系 補体系は、体の他の免疫学的系とともに作用して、細胞性およびウイルス性病 原因子の侵入に対して防御する。少なくとも25の補体タンパクがあり、これら は血漿タンパクまたは膜コファクターの複雑な集合物として見出されている。こ れらの血漿タンパクは、脊椎動物の血清中のグロブリンの約10%を構成する。 補体成分は、その免疫防御機能を、複雑な、しかし正確な一連の酵素的切断およ び膜結合事象として相互作用することにより達成する。結果として生じる補体カ スケードは、オプソニン機能、免疫調節機能および溶解機能を有する生成物の産 生をもたらす。 補体機能の溶解の側面は、個別には「最終補体成分」として知られ、またはそ の機能的会合体においては膜侵襲複合体(membrane attack complex)すなわち「 MAC」として知られる補体タンパクの会合体の直接的作用として、標的細胞膜 を浸透性にすることにより行われる(Esser,1991; およびBhakdi,et al.,1991 を参照されたい)。MACの作用(以下、「補体侵襲」と呼ぶ)は、標的細胞に おいて浸透圧およびイオンの勾配の破壊をもたらす孔または漏出性の区域を作り だし、これは、十分に高いMAC濃度では、細胞死を引き起こす。MAC濃度が 低いと、内皮細胞および血小板の活性化を含む他の効果を生じることができる。 不適切なMAC活性は、細胞および組織に病理学的損傷をもたらし得る。 補体カスケードは、古典的経路(主経路)または第二経路(副経路)を通じて 進行する。これらの経路は多くの成分を共有し、初期の段階では異なっているが 、 両者は合流して、補体侵襲と標的細胞の活性化および/または破壊の原因となる 同じ最終補体成分を共有する。 古典的補体経路は、典型的には、抗体の、標的細胞の抗原性部位の認識および それに対する結合により開始される。第二経路は、通常、抗体には依存せず、病 原因子表面上のある種の分子により開始され得る。両経路は、補体C3が(各経 路で異なる)活性プロテアーゼにより切断されて、C3aおよびC3bを生じる 点で合流する。補体侵襲を活性化する他の経路は、後で、MAC形成を含む補体 機能の種々の側面を導く一連の事象において作用し得る。 C3aは、マスト細胞の脱顆粒化を誘導し得るアナフィラトキシンであり、ヒ スタミンおよび他の炎症媒介物質の放出をもたらす。C3bは複数の機能を有す る。これは、オプソニンとして、細菌、ウイルスおよび他の細胞および粒子に結 合し、循環からそれらを除去するための印をつける。また、C3bは、各経路に 特有の他の成分と複合体を形成し、古典的または代替的C5コンベルターゼ(転 換酵素)を形成することができる。これは、C5をC5a(別のアナフィラトキ シンである)とC5bとに切断する。C5bは、MACを構成する最終補体成分 の最初のものである(補体侵襲を開始し得るいくつかの手段の中で、プラスミン 、エラスターゼおよびカテプシンGを含む、比較的広い標的タンパク特異性を有 するタンパク分解的酵素が、C5コンベルターゼの作用を真似て活性C5bを生 成するようにC5を切断することができる)。C5bは、標的細胞の表面で、連 続的にC6、C7およびC8と結合してC5b〜8複合体を形成する。いくつか のC9分子が結合すると、活性MAC(C5b〜9)が形成される。II.補体系の調節 通常、補体系は、連続的な自発的ターンオーバーの状態にある。C3は、自発 的にC3bの機能を獲得して、機能的C3コンベルターゼを形成し、より多くの C3bの形成を導くことができる。この自発的な方式で生成されたC3bもまた 、C5コンベルターゼを形成することができ、したがって、MACを形成するカ スケードにおける最終段階を開始することができる。 通常の条件下では、血流が低レベルの自発的に活性化された補体成分を希釈し 、拡散させて、脈管構造のいかなる位置においてもMACの蓄積を防ぐのを助け て いる。その上、自己免疫侵襲を防ぐための自己補体タンパクの作用の恒常的調節 は、ほとんどのヒト細胞の表面に見い出すことができる内在的な特異的補体イン ヒビタータンパク(CIP)によって媒介される。一般的には、血流およびCI Pの作用は、損傷または溶解なしの、通常のレベルの自発的補体活性化に対して 細胞を抵抗性にするのに十分である。急性炎症の条件下では、そして補体活性化 およびMAC形成が加速される種々の疾患状態においては、内在性補体インヒビ ターの量および活性は、自己細胞をMAC誘導性溶解および/または半溶解性M AC誘導性細胞活性化から保護するには不適当である可能性がある。内在性CI P活性は、うっ血がある場合、および/または天然のインヒビターに欠陥がある か欠乏している場合には、不十分である可能性もある。 一致する種からの補体により媒介される損傷から細胞を保護するのに役立つ多 くのCIPが同定されている。Zalman,et al.,1986; Schonermark,et al.,1 986; Nose,et al.,1990; およびSugita,et al.,1988を参照されたい。これ らのインヒビターは、補体カスケードの種々の決まったポイントで作用する。例 えば、崩壊促進因子(DAF)としても知られるCD55は、C3コンベルター ゼの作用に対してその主要な阻害作用を及ぼす。 例えばスペクトルの広いプロテアーゼによる活性C5bの生成を通じて、C3 コンベルターゼ段階の後の経路中のポイントで補体カスケードが開始された場合 には、カスケード進行のより初期の段階に作用するDAFおよび他の補体インヒ ビターは有効ではない。しかし、この欠点を共有しないインヒビターが存在する 。これらのインヒビターは、MAC会合における最終段階で作用し、したがって 、ほとんどいかなる手段によって開始された補体侵襲も効果的にブロックするこ とができる。これらのインヒビターは、「最終補体インヒビター(terminal com plement inhibitors)」または「最終CIP」として知られている。III.最終CIP 最も徹底的に特徴付けされた最終CIPは、ヒトタンパクCD59(「プロテ クチン」、「MACIF」または「p18」としても知られる)である。CD5 9は、見かけの分子量が18〜21kdの糖タンパクであり、補体媒介性溶 解から細胞を保護する。CD59は、これを細胞膜に固定するグリコシル−ホス ファチジルイノシトール(GPI)糖脂質部分によって、細胞の外側につながれ ている。CD59は、赤血球、リンパ球および血管内皮細胞を含むほとんどのヒ ト細胞の表面を形成する膜に連結していることが見い出されている(例えば、Si ms,et al.,米国特許第5135916号を参照されたい)。 CD59は、C5b〜8複合体中のC8に対する結合に関してC9と競合し、 それによってC5b〜9MACの形成を減少させることにより、機能するようで ある(Rollins,et al.,1990)。したがって、CD59は、MACによる細胞 の刺激および細胞の溶解の両方を減少させるよう作用する(Rollins,et al.,1 990; Rollins,et al.,1991; Stefanova,et al.,1989; Sugita,et al.,198 8; Davies,et al.,1989; Holguin,et al.,1989; Okada,et al.,1989a; Me ri,et al.,1990; Whitlow,et al.,1990; およびHarada,et al.,1990)。 CD59のこの活性は、ほとんど種選択的であり、C8およびC9が同種の(す なわちヒト)血清に由来する条件下でMACの形成を最も効率よくブロックする (Venneker,et al.,1992)。非ヒト赤血球(これらは、それ自身の細胞表面補 体インヒビタータンパクの作用によって同種の非ヒト補体侵襲から保護されてい ると信じられている)およびオリゴデンドロサイト(細胞表面タンパクによって は、あるとしても少ししか保護されていないが、脳血液関門により生体内(in v ivo )で保護されている可能性があると信じられている脳細胞)の原形質膜中へ の精製CD59の同化は、CD59がこれらの細胞をヒト補体により媒介される 細胞溶解から保護しうることを示した(Rollins,et al.,1990; Rollins,et a l.,1991; Stefanova,et al.,1989; Meri,et al.,1990; Whitlow,et al.,1 990; Okada,et al.,1989b; およびWing,et al.,1992)。 CD59をコードするcDNAがクローニングされ、CD59遺伝子が特徴づ けされた(Davies,et al.,1989; Okada,et al.,1989b; Philbrick,et al. ,1990; Sawada,et al.,1989; およびTone,et al.,1992)。クローニングさ れたCD59 cDNAでトランスフェクトされ、それゆえその表面にヒトCD 59タンパクを発現する非ヒト哺乳動物細胞は、補体媒介性細胞溶解に対し て抵抗性を獲得することが示された(Zhao,et al.,1991; およびWalsh,et al .,1991)。 CD59は、マウスのLy−6抗原と構造的に関連していることが報告された (Philbrick,et al.,1990; およびPetranka,et al.,1992)。これらの抗原 (T細胞活性化タンパクとしても知られる)をコードする遺伝子は、Ly−6多 重遺伝子ファミリーのメンバーであり、Ly−6A.2、Ly−6B.2、Ly −6C.1、Ly−6C.2およびLy−6E.1を含む。マウス胸腺細胞B細 胞抗原ThBをコードする遺伝子も、このファミリーのメンバーである(Shevac h,et al.,1989;およびGumley,et al.,1992)。 構造および機能においてCD59に類似の、多くのウイルスおよび非ヒト霊長 類の補体インヒビタータンパクが記載されている(Rother,et al.,1994; Albr echt,et al.,1992; William L.Fodor,Scott Rollins,Russell Rotherおよ びStephen P.Squintoによる、1993年8月11日出願の、「非ヒト霊長類の 補体インヒビタータンパク」なる発明の名称の、本願出願人の譲り受けた別出願 である米国特許出願第08/105735号);およびBernhard Fleckenstein およびJens-Christian Albrechtによる、1993年1月12日出願の、「ヘル ペスウイルス・サイミリ(Herpesvirus Saimiri)の補体調節タンパク」なる発 明の名称の、本願出願人の譲り受けた別出願であるPCT出願PCT/US93 /00672号を参照されたい)。 これらのタンパク、BABCIP(配列番号1)、AGMCIP(配列番号2 )、SQMCIP(配列番号3)、OWMCIP(配列番号4)、MARCIP (配列番号5)およびHVS−15(配列番号6)は、すべて、アミノ酸配列中 のシステインの区別できる保存された配置を含む、顕著な配列相同性を共有する 。これらの保存されたパターンは、図1に示すように、システイン残基を整合さ せてタンパクの配列を整列させることにより最も容易に認められる。 多くのタンパクのシステイン残基は、当業界において「システイン骨格」と呼 ばれる構造的要素を形成する。これらを有するタンパクにおいては、システイン 骨格は、分子の三次元フォールディング、三次構造および究極的な機能の決定に 本質的な役割を果たす。Ly−6多重遺伝子ファミリーのタンパク、ならびにい くつかの他のタンパクは、本明細書中で「Ly−6モチーフ」と呼ぶ特定のシス テイン骨格構造を共有する。例えば、ヒトウロキナーゼプラスミノーゲン活性化 因子レセプター(uPAR;Roldan,et al.,1990)および機能の不明なイカの いくつかの糖タンパクの1つ(Sgp2;Williams,et al.,1988)は、Ly− 6モチーフを含む。 Ly−6モチーフを有するタンパク質のサブセットは、システイン残基のすぐ 隣に保存されたアミノ酸が存在することによって同定することができる。タンパ ク質のサブセット中のこのような特異的なアミノ酸の保存は、タンパクのフォー ルディング、三次構造および究極的機能の特定の側面に関連し得る。これらの保 存されたパターンは、システイン残基を整合させるようにタンパクの配列を整列 させることによって、最も容易に認められる。 上記で参照した別出願である米国特許出願第08/105735号(この関連 部分は参照により本明細書中に包含されるものとする)において十分に考察され ているように、一連の非ヒト霊長類C5b〜9阻害性タンパクが同定されており 、これらは一般的Ly−6モチーフの特定のサブセットを定義するシステイン骨 格構造を特徴とする。 具体的には、これらの非ヒト霊長類CIPは、式: を特徴とするLy−6モチーフを有するシステイン骨格を含むポリペプチドを包 含する。 さらに、非ヒト霊長類C5b〜9阻害性タンパクは、以下の式: に従うアミノ酸配列を含む。 両方の式において、XnにおけるXは、任意のアミノ酸の組み合わせを含むペ プチドを示し、Xnにおけるnは、ペプチドのアミノ酸残基の長さを表し、そし て任意の位置の各Xは、他の任意の位置の同じ長さの他の任意のXと、同一で あっても、異なっていてもよい。 上記で参照した本願出願人の譲り受けた別出願であるPCT出願PCT/US 93/00672号(この関連部分は参照により本明細書中に包含されるものと する)およびAlbrecht,et al.,1992において十分に考察されているように、C 5b〜9阻害活性を有するHerpesvirus saimiriのタンパクが発見されている( 本明細書中で「HVS−15」と呼ぶ)。このウイルスタンパクは、上記で考察 した、すなわちその構造を上記式(1)および(2)で示した、非ヒト霊長類C 5b〜9阻害性タンパクに特徴的なLy−6モチーフを有する。 以下の考察において、Ly−6モチーフを含む最終CIPを、「Ly−6最終 CIP」と呼ぶ。これらのCIPは、一般に、上記式(1)を満足し、好ましく は式(2)も満足する。しかし、他の種の未だ特徴づけされていない最終CIP には、Ly−6モチーフを構成する10個のシステインの任意の2個の間の間隔 および隣接するアミノ酸に、いくらかの変異が予想される。 また、Petranka et al.,1993およびNorris,et al.,1993は、CD59(配 列番号7)において、Cys6とCys13との間のジスルフィド結合、ならび にCys64とCys69との間のジスルフィド結合は、これらのシステインを セリンで置換することにより、CD59の機能性を実質的に損なうことなく破壊 し得ることを報告した。これらのシステインは、上記式中、2番目、3番目、9 番目および10番目のシステインに相当する。したがって、本明細書中で用いる 場合、「Ly−6最終CIP」という用語は、上記式に従うが、2番目、3番目 、9番目および10番目のシステインのいくつかまたは全部がセリンまたは他の アミノ酸で置換されている最終補体インヒビタータンパクをも包含することを意 図している。IV.他の細胞表面補体インヒビタータンパク 上記で考察したLy−6最終CIPに加えて、他の膜結合型CIPが文献に記 載されている。例えば、以下のものがある: (a)CD46(膜コファクタータンパク、MCP、例えばPCT特許公報W O91/02002を参照されたい)は、赤血球を除いてすべての細胞に見い出 される350アミノ酸の膜貫通(トランスメンブレン、TM)タンパクである。 CD46は、C3bに結合し、いったん結合すると、C3bを不活性断片に切断 するプロテアーゼの活性を促進し、それによって細胞表面上へのC3bの蓄積を 防止し、補体侵襲から細胞を保護する。CD46の膜結合型および分泌型の両方 の形態が文献に報告されている(Purcell et al.,1991)。 (b)上記で言及したCD55(崩壊促進因子、DAF)は、赤血球を含むす べての細胞に存在する、GPIアンカーでつながれた細胞表面タンパクである。 CD46とは異なり、CD55は、C3bを破壊しない。むしろ、CD55は、 C3bが他の補体成分と反応するのを防止し、それによって補体媒介性細胞溶解 を防害する。CD55の膜結合型および分泌型の両方の形態が文献に報告されて いる(Moran,et al.,1992)。 (c)CD35(補体レセプター1、CR1)は、リンパ球の選択されたグル ープ、ならびに赤血球、好中球および好酸球に見い出され、近接する細胞に付着 しているC3b分子の分解を引き起こす。 (d)ファクターHおよびC4b結合タンパクは、ともに代替的C3コンベル ターゼ活性を阻害する。V.移植 提供者(ドナー)器官の保存中の第二経路を通じての補体侵襲の複雑な活性化 は、C5b〜9MACによる内皮細胞刺激および/または溶解の結果として生じ る、器官移植に付随するある種の問題の原因となる(Brasile,et al.,1985) 。半ビボ(ex vivo)での補体侵襲は、保存された器官を移植する場合、血管の 生存率の減少および血管の完全性の減少をもたらし、移植物の拒絶の可能性を高 める。 HLA同一性を有する同種移植の腎臓の10%は、in vivoの免疫学的メカニ ズムにより拒絶される(Brasile,et al.,1987)。これらの条件下で器官を拒 絶する患者の78%において、血管内皮細胞の表面上の分子に結合する細胞傷害 性抗体が見られる(Brasile,et al.,1987)。このような抗体細胞傷害性は、 補体侵襲により媒介され、腎臓および心臓を含む移植された固体器官の拒絶の原 因となる(Brasile,et al.,1987; Brasile,et al.,1985)。抗体により開始 される補体媒介性の拒絶は、通常、迅速かつ不可逆的な、超急性拒否反応と呼ば れる現象である。 非ヒト器官をヒト患者に移植する場合のような、異種移植の状況においては、 ドナー器官の脈管をおおう内皮細胞の表面上の分子に対する抗体による補体侵襲 の活性化は、ほとんど常に観察される。このような異種反応性抗体の出現率は、 移植片の超急性拒否反応のほとんど普遍的な発生の原因である(Dalmasso,et a l.,1992)。ヒトを含む旧世界霊長類には、一致しない種からの異種細胞の表面 に発現される炭水化物抗原決定基を主に認識する、あらかじめ存在する高レベル の循環「天然」抗体を有する。最近の証拠は、これらの抗体のほとんどが、ガラ クトース(Gal(α1−3)Gal)を有するα1−3連鎖中のガラクトース と反応することを示している(Sandrin et al.,1993)。 旧世界霊長類には、適切な機能的α1,3−ガラクトーストランスフェラーゼ が欠けており、それゆえこの炭水化物エピトープは発現されない。したがって、 血管新生した異種ドナー器官の移植に続いて、これらの高力価の抗体が、血管内 皮のGal(α1−3)Galエピトープに結合し、古典的経路を通じて受容者 (レシピエント)の補体を活性化する。補体カスケードの活性化から起こる大規 模な炎症応答は、数分から数時間以内にドナー器官の破壊をもたらす。 異種反応性抗体は、すべての場合において排他的に一致しない器官の超急性拒 否反応の原因となるわけではない。例えば、ある種からの赤血球は、第二経路を 通じてヒト補体を活性化することができるし、あらかじめ形成される抗体を持た ないように育てられた新生児ブタは、ほとんど直ちに異種移植片を拒絶する。し たがって、いくつかの種の組み合わせにおいては、第二補体経路の活性化が移植 片拒絶反応に寄与している可能性が高い。 内在的に発現された、膜結合型補体インヒビタータンパクは、通常、自己補体 から内皮細胞を保護する。しかし、これは、補体インヒビターの種に関する制限 により、一致しない異種血清補体を調節することに関してはあまり効果的ではな い。この抗体および補体媒介性超急性拒否反応を排除することを目的とする効果 的な治療法の欠如は、一致しない動物の器官をヒト受容者に成功裡に移植するこ とに対する主要な障壁となっている。 最近、ヒヒからヒトへの肝臓移植に関する報告が刊行され、この中では、異種 ドナー器官は超急性拒否反応の徴候をしめさなかった(Starzl,et al.,1993) 。ヒト血中に存在すると思われる低レベルの抗ヒヒ抗体は、超急性応答を起こり にくくする。しかし、最近発見されたヒヒCIPが、CD59に関連しているこ と、およびヒト補体に対して効果的であることが示されており、これもこの異種 移植された器官の完全性を維持するのにある役割を果たしていると信じられてい る(上記で引用した米国特許出願第08/105735号を参照されたい)。 上述のヒヒからヒトへの異種移植において見られた超急性拒否反応の欠如は、 ヒト補体に対して効果的である補体インヒビタータンパクが、他の拒絶反応防止 戦略と組み合わせることによって、このようなタンパクを発現するトランスジェ ニック動物の器官をヒト患者に安全かつ効果的に異種移植することを可能にし得 ることを示唆する。VI.GPIアンカーを有するCIPおよびその改変 GPIアンカーを有する最終CIPは、移植された細胞または器官の保護のた めの補体阻害性薬剤としての用途に関して、膜貫通(TM)タンパクより望まし くないある特性を共有する。 CD59、BABCIPおよびAGMCIPを含む、GPIアンカーを有する 最終CIPは、GPIアンカーを加水分解する特異的ホスホリパーゼ酵素により 細胞表面から切断され得る。このようなホスホリパーゼは、血清中に存在し(ホ スホリパーゼD、Davitz,et al.,1987)、また、虚血に応答して細胞から放出 され得る(ホスホリパーゼC、Vakeva,et al.,1992)。虚血は、移植に不可避 的に付随するので、移植の過程は、本来の(ネイティブな)および/または人為 的に導入したGPIアンカーを有するCIPを、それらが保護しようとする移植 された器官内のまさにその細胞から除去するように働き得る。 GPIアンカーを有するタンパクを細胞表面から除去する別のメカニズムは、 このようなタンパクの膜小胞(ベシクル)への取り込みと、それに続くこのベシ クルの細胞からの離脱である。このようなベシクル化は、種々の刺激、例えば、 虚血誘発性補体侵襲に応答して起こり得る。GPIアンカーを有するタンパクは 細胞膜での濃度に比較してこれらのベシクル中に濃縮されているという、これら のタンパクがベシクル化自体の過程に関与することを反映する可能性がある現象 が報告されている(Butikofer,et al.,1989; Brown,et al.,1992; Whitlow ,et al.,1993)。離脱ベシクルへのこのような優先的な取り込みは、細胞表面 のGPIアンカーを有するタンパクの濃度(GPIアンカーを有する最終CIP の濃度を含む)を減少させ得る。このような最終CIP濃度の減少、特に補体侵 襲に応答して起こるものは、補体の阻害が最も必要とされるちょうどそのときに 起こり得る。 細胞表面からの除去を受け得ることに加えて、GPIアンカーを有するタンパ クは、種々の細胞タイプでその産生が限られているという問題をも有する。これ は、ある一定の時間枠内において細胞がGPIアンカーを有する分子を通常大変 多く産生し得るので、さらなるGPIアンカーを有するタンパクの遺伝子を導入 しても、実際、細胞表面に実際に存在するタンパク質の量の実質的な増加をもた らさない可能性がある、ということである。 この問題の制限的なケースは、GPIアンカーを有するいかなるタンパクも産 生することができない細胞に関与する。発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH P aroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria)の臨床的疾患は、このタイプの細胞、具 体的にはGPIアンカーを有する最終CIPを産生しない血液細胞に関与する。 Russel Rother,Scott A.Rollins,Seth A.FidelおよびStephen P.Squintoに より、本願対応米国特許と同時に米国において出願されている、「発作性夜間ヘ モグロビン尿症の治療方法」なる発明の名称の、本願出願人が譲り受けた別出願 の、米国特許出願第08/206189号において考察されているように、PN H細胞は、本明細書に記載の膜貫通最終CIPの使用を通じて、補体侵襲に対し て抵抗性にすることができる。 GPIアンカーを有するタンパクのさらなる欠点は、特異的抗体により架橋さ れた際、そしておそらくその天然のリガンドと結合した際、細胞内にシグナルを 伝達するこれらのタンパクの能力に関与する(Okada,et al.,1989b; Seaman, et al.,1991; Su,et al.,1991; Deckert,et al.,1992; Cinek,et al.,19 92; Card,et al.,1991; Groux,et al.,1989;およびStefanova,et al.,199 1)。このような細胞内シグナルに対する望ましくない可能な細胞応答として は、ホスホリパーゼ活性化および/または放出、ならびにベシクル形成および離 脱の刺激を挙げることができる。これらの両方が、上記で考察したとおり、細胞 表面からのGPIアンカーを有するタンパクの喪失をもたらし得る。したがって 、移植された器官の細胞を補体侵襲から保護するために使われる、まさにそのG PIアンカーを有する最終CIPは、細胞表面からそれらを除去することにつな がる細胞事象を活性化する可能性がある。 細胞外表面へのGPIアンカーを有するタンパクの付着の手段を、他のアンカ ー部分との置換によりその天然のGPIアンカーから変化させる研究がなされて きた(Su et al.,1991;およびLublin,et al.,1991)。 例えば、CD55のキメラ誘導体は、CD46の膜貫通ドメイン(すなわち、 CD46のアミノ酸270〜350)を含むフラグメントまたはヒト主要組織適 合性タンパクHLA−B44の膜貫通ドメイン(すなわち、HLA−B44のア ミノ酸262〜338)を含むフラグメントに融合したCD55のアミノ酸1〜 304を含み、本来のCD55と同等の機能レベルを保持していることが報告さ れた(Lublin,et al.,1991)。重要なことに、本発明に関しては、CIPにつ いてこのような置換はまったくなされず、臨床的使用のため、特に移植のための トランスジェニック器官の作成における使用のために、このような分子をまった く開発しない。VII.タンパク質の構造および機能 タンパク質一次構造(アミノ酸配列)のわずかな変化は、その機能的特性に重 大な影響を与え得る。この現象の最もよく知られた例は、鎌状赤血球貧血の場合 であり、この場合、単一のアミノ酸の変化、すなわちヘモグロビンのβ鎖の6番 目の残基の、GluからValへの変化は、ヘモグロビン分子の酸素結合特性を 変化させ、それによって鎌状細胞疾患を引き起こすのに十分である。 新規なドメイン構造を表す非相同のアミノ酸配列の、タンパク質への挿入もま た、そのタンパク質の機能的特性に有為な影響を与えることができる。例えば、 c−mycガン原遺伝子(プロトオンコジーン)の10アミノ酸のエピトープ(myc タッグとして知られる)の、int−1プロトオンコジーンへの導入は、int −1の機能的特性を変化させる。具体的には、C57MG乳房上皮細胞は 、 野生型のint−1により形質転換(トランスフォーム)し、mycタッグを有 するint−1によってはトランスフォームしないが、mycタッグを有する nt −1遺伝子の他の機能は、Drosophilaの発生に対する効果を調べるより高感 度の検定において見られる(McMahon,et al.,1989)。 さらに、非相同タンパクからの相同配列の置換は、タンパク質の機能に顕著な 影響を与え得る。例えば、マウス神経成長因子遺伝子の2つの最もカルボキシル 末端側の12アミノ酸のセグメントのいずれかを、関連するマウス脳由来神経栄 養性(neurotrophic)因子遺伝子からの相同セグメントで置き換えると、分子の 活性が50%減少する。これは、このカルボキシル末端領域が非相同タンパクか らの相同配列での置換に対して特に感受性があり、このような置換が、タンパク 質の機能に対して活性を50%減少させるのに十分な影響を有するということで ある。同様の活性の減少は、アミノ末端の置換の後にも見られる(Suter,et al .,1992)。 すべてのLy−6最終CIPは、GPI連鎖により細胞膜に付着する特性を共 有すると信じられている。当業界で理解されているように、生成期のタンパクに 対するこのようなGPI部分の付加は、ポリペプチドのカルボキシル末端からあ る数のアミノ酸残基を除去するタンパク分解的プロセッシング工程と一致する。 したがって、成熟Ly−6最終CIPは、それをコードする完全長の核酸分子に より特定されるアミノ酸のすべてを含まない。具体的には、これらは、システイ ン骨格Ly−6モチーフの下流のアミノ酸残基、例えば、配列番号1、配列番号 2、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7(CD59)のシステイ ン69の下流のアミノ酸および配列番号3のシステイン72の下流のアミノ酸の いくつかまたは全部を含んでいない(本明細書において用いる場合、「下流」は 、ポリペプチドのカルボキシル末端に向かうこと、またはポリペプチドをコード する核酸分子のコード鎖の3′末端に向かうことを意味し、「上流」は、ポリペ プチドのアミノ末端に向かうこと、またはポリペプチドをコードする核酸分子の コード鎖の5′末端に向かうことを意味する)。これらの最終CIPが、成熟し てGPIアンカーを有する状態にある場合に、それらのいずれかにおいてLy− 6システイン骨格モチーフの下流のどのアミノ酸が存在または欠如しているかは 不明である。 以下に詳細に考察するように、本発明は、Ly−6モチーフの下流のこのよう なLy−6最終CIPの選択されたアミノ酸の除去に関する。先行技術水準から 見て、本発明以前には、このようなアミノ酸の除去が最終CIPの機能にどのよ うな効果を与え得るかは知られていなかった。特に、そのような除去の後に、L y−6最終CIPが何らかの補体阻害活性を保持し得るかは知られていなかった 。 タンパク質の機能に対するGPIアンカーの効果を調べるために種々の試みが なされた。CD55の場合には、膜貫通ドメインを含むタンパクフラグメントで の、GPIアンカーの付加に関与すると信じられているカルボキシル末端配列( 以下、「GPIシグナル配列」と呼ぶ)の置換は、本来のGPIアンカーを有す るタンパクと等しい活性を持つタンパク質をもたらした(Lublin,et al.,1991 )。CD59に構造的に関連する、GPIアンカーでつながれた細胞表面タンパ クであるLy−6タンパク、Ly−6E(Ly−6E.1)の場合には(Philbr ick,et al.,1990)、膜貫通ドメインを含むフラグメントでの、Ly−6モチ ーフの下流のカルボキシル末端GPIシグナル配列の置換は、機能的でないタン パク、すなわちT細胞を活性化することのできないタンパクを生み出す(Su,et al.,1991)。発明の概要 上記の観点から、本発明の目的の一つは、ヒトおよび他の動物の補体系を制御 することに使用し得る新規なタンパク質を提供することである。さらに、このよ うなタンパク質を生体内(in vivo)または生体外(in vitro)で産生させるた めの核酸配列および関連遺伝子工学構築体を提供することも本発明の目的である 。 より具体的には、Ly−6最終補体インヒビターであるが、GPIアンカーに 依存しない手段によって細胞表面につながれている新規なタンパク質を提供する ことが、本発明の目的である。抗体との架橋の後、またはリガンドに対する最終 CIPの結合の際に、それらが結合している細胞、例えば、内皮細胞、リンパ球 または血小板に活性化シグナルを伝えないであろうこのタイプの分子を提供する ことは、本発明のさらなる目的である。それらが結合している細胞の表面からホ スホリパーゼのような脂質切断酵素の作用によって除去され得ない、そして離脱 ベシクル中に優先的に取り込まれない、このタイプの分子を提供することは、本 発明のさらなる目的である。 上記の、そしてその他の目的を達成するために、本発明は、そのある種の側面 に従って、非相同の膜貫通(TM)ドメインとのLy−6最終CIPの融合物を 含むキメラタンパク生成物をコードするキメラ遺伝子の完全cDNA配列を提供 する。融合に先立って、最終CIPのLy−6モチーフの下流に位置する選択さ れたアミノ酸残基を削除する。本発明は、これらの遺伝子によってコードされる キメラタンパク生成物をも含み、このようなキメラ分子を、以下、TMTCIP (すなわち、膜貫通最終補体インヒビタータンパク)と呼ぶ。本発明の好ましい 態様においては、キメラタンパクは、その活性を好ましくは後記の実施例4のタ イプの色素放出検定を用いて測定した場合、TMTCIPが由来するもとのネイ ティブなGPIアンカーを有する最終CIPの補体阻害活性の50%を越える活 性を有する。 本発明のTMTCIPにより与えられる補体侵襲からの保護は、(例えば、移 植における)病理学的補体侵襲の治療的予防のために、遺伝子移入(トランスフ ァー)を通じて提供することができる。このような療法の好ましい形態において は、TMTCIPの発現は、非ヒト動物器官、例えば、非ヒトトランスジェニッ ク動物の器官を、ヒト患者への移植の際に補体侵襲から保護するために、このよ うな器官の細胞の表面に向けることができる。 添付の図面は、本明細書に取り込まれ、その一部を構成するものであり、本発 明の好ましい態様のいくつかの側面を説明し、記載とともに、本発明のある原理 を解説するのに役立つものである。もちろん、図面および記載の両方が説明のた めだけのものであり、本発明を制限するものではないことは理解されるべきであ る。図面の簡単な説明 図1は、ヒト、アフリカミドリザル、ヒヒ、ヨザル、マーモセット、リスザル 、およびヘルペルウイルスSaimiriのLy−6最終CIP(各々、CD59、A GMCIP、BABCIP、OWMCIP、MARCIP、SQMCIPおよ びHVS−15)のアミノ酸配列の整列図を示す。各タンパクのLy−6骨格モ チーフを構成するシステイン残基に下線を付してある。 図2は、Balb/3T3細胞でのCD59エピトープの細胞表面の発現の比 較を示す。3つの軌跡は、CD59−MCP TMTCIPを発現する陽性(ポ ジティブ)Balb/3T3クローン(CD59−TM)、陽性対照としてネイ ティブなヒトCD59トランスフェクタント(CD59−GPI)および陰性対 照として挿入物(インサート)なしのベクター(pcDNA3、Invitrogen,Sa n Diego,CA)トランスフェクタント(ベクター対照)の細胞表面発現プロフィ ールを表す。 図3は、マウスL細胞でのCD59エピトープの細胞表面の発現の比較を示す 。幅の広い軌跡は、pL−CD59−MCP−TM−SNベクターを用いて生成 したレトロウイルスビリオン粒子で形質導入したプールL細胞の細胞表面発現プ ロフィールを表す(CD59−TM)。pL−CD59−GPI−SNベクター を用いて生成したレトロウイルスビリオン粒子(CD59−GPI)または陰性 対照としてインサートを持たないpLXSNベクターを用いて生成したレトロウ イルスビリオン粒子(ベクター対照)で形質導入したプールL細胞の細胞表面発 現プロフィールも示す。 図4は、PI−PLC消化の前後の、安定にトランスフェクトされたBalb /3T3細胞でのCD59抗原の細胞表面レベルを示す。図4Aは、ネイティブ なヒトCD59分子を発現するクローンを用いて得られたデータを示す(CD5 9−GPI)。図4Bは、CD59−MCP TMTCIPを発現するクローン を用いて得られたデータを示す(CD59−TM)。各パネルにおいて、「A」 および「B」と標識された軌跡は、各々、PI−PLC処理をして、またはせず に、二次抗体単独で染色した細胞を表す。各パネルにおいて、「C」および「D 」と標識された軌跡は、各々、PI−PLC処理をして、またはせずに、一次抗 体(CD59特異的)および二次抗体の両方で染色した細胞を表す。 図5は、図2および図4のデータを得るのに使用した、形質転換したBalb /3T3細胞を用いて行った色素放出検定により得られたデータを示す。細胞に 、精製C8およびC9の等量混合物を加えた、C8を破壊した 20%ヒト血清により抗原投与した。添加したヒトC8およびC9の混合物の量 (μg/mL、最終濃度)を横座標に示し、色素放出(%)を縦座標に示す。 図6は、図3のデータを得るのに使用した、形質転換したマウスL細胞を用い て行った色素放出検定により得られたデータを示す。細胞に、精製C8およびC 9の等量混合物を加えた、C8を破壊した20%ヒト血清により抗原投与した。 添加したヒトC8およびC9の混合物の量(μg/mL、最終濃度)を横座標に示 し、色素放出(%)を縦座標に示す。好ましい態様の説明 上記で考察したように、本発明は、非相同膜貫通ドメインおよびLy−6最終 CIPの融合物を含むキメラタンパク生成物をコードするキメラ遺伝子の完全c DNA配列を提供する。I.最終CIP 本発明の実施には、様々な最終CIPを使用することができる。特に、Ly− 6最終CIPを使用することができる。上記の式(1)および(2)に示す相同 性を共有することに加えて、Ly−6最終CIPは、図1の整列させたアミノ酸 配列に見ることができる様々な他の相同性をも共有する。これらの最終CIPの Ly−6システインモチーフの下流に見い出される相同性としては、Ly−6モ チーフの最後のCのすぐ後のN、Ly−6モチーフの最後のCの下流の別の6〜 8個のN残基(本明細書中で「トランケーション(truncation)−Asn」と呼 ぶ)、および配列の3番目の位置に上述のトランケーション−Asnを含む以下 のコンセンサス配列(以下、「下流コンセンサス配列」と呼ぶ): (LまたはI)(EまたはK)N(GまたはI)(GまたはK)(TまたはR) (SまたはT)(LまたはI)S(KまたはEまたはD)K(TまたはA)(V またはIまたはL)(LまたはV)LL(VまたはL)(AまたはTまたはI) (PまたはL)(FまたはL)L(AまたはV)(AまたはT)AW(Sまたは CまたはN)(LまたはRまたはF)(HまたはP)(PまたはL) が挙げられる。 これらの構造的共通性に加えて、図1のLy−6最終CIPの試験から、これ らがヒト補体の活性を実質的に阻害する能力を共有することがわかっている(上 記で引用した米国特許出願第08/105735号およびPCT特許出願PCT /US93/00672号を参照されたい)。特に、CD59、AGMCIP、 BABCIP、OWMCIP、SQMCIPおよびHVS−15の各々は、かな りのヒト補体阻害活性を有していた。MARCIPは試験しなかったが、これも そのような活性を有することが予期される。II.膜貫通ドメイン 当技術分野で知られているように、膜貫通タンパクは、そのアミノ酸鎖の長さ に沿って、1回または数回、膜を横断しうる。一般に、膜を1回だけ横断する膜 貫通タンパクが膜に埋め込まれ得る2つの異なる方法がある。最も一般的には、 これらのタンパク質は、ポリペプチド鎖のカルボキシル末端に向かって位置する 単一の膜貫通ドメインを有しており、膜貫通ドメインのアミノ末端側の領域が細 胞の外側または非細胞質細胞区画にあって、膜貫通ドメインのカルボキシル末端 側の領域が細胞質区画にあるように向いている。単一の膜横断膜貫通ドメインを 有する膜貫通タンパクの第二の向きは、この一般的な配置の反対であり、つまり 、膜貫通ドメインのアミノ末端側の領域が細胞質区画の中にあって、膜貫通ドメ インのカルボキシル末端側の領域が細胞の外側または非細胞質細胞区画の中にあ る。 他の膜貫通タンパクは、膜を数回横切る。最も一般的には、このタイプの膜貫 通タンパクの真核生物の代表的なものは、7個の連続する膜貫通ドメインを有し 、それらのほとんどが短い親水性ループ領域で連結されている。 一般に、膜貫通タンパクは、脂質二重層膜中に存在する、少なくとも1つの、 連続的なアミノ酸残基のストレッチ(以下、「膜アミノ酸」と呼ぶ)と、膜から 伸びて、1つは一般に細胞質にある(以下、「細胞質アミノ酸」と呼ぶ)、そし て1つは一般に細胞外にあるかまたは非細胞質細胞区画にとどまる(以下、「細 胞外アミノ酸」と呼ぶ)、少なくとも2つの連続的なアミノ酸残基のストレッチ とを含む。本明細書において呼ぶ場合、細胞質アミノ酸および細胞外アミノ酸は 、常に、膜アミノ酸のすぐ隣に少なくとも1個の荷電したアミノ酸残基を含む( 本明細書中で、各々、「第一の細胞質アミノ酸」および「第一の細胞外アミノ酸 」と呼ぶ)。 膜アミノ酸は、そのほとんどが疎水性(非荷電)アミノ酸である少なくとも約 20個(一般に膜を横断するのに必要な最小数)のアミノ酸のグループとして特 徴づけられる。荷電(親水性)アミノ酸は、通常、このグループには存在しない が、いくつかの場合には、反対の電荷を有する2個の親水性残基が膜中で互いに 近接して存在し、そこで互いを中和している可能性がある。 様々な膜貫通タンパクに由来する膜貫通ドメインを、本発明の実施において用 いることができる。しかし、第一の細胞質アミノ酸の近傍にシステイン残基を含 む細胞質アミノ酸を有する膜貫通ドメインは、このようなシステインを含まない 膜貫通ドメインよりも、低いレベルで細胞表面上に発現される可能性がある。こ の減少した発現は、これらのシステイン残基が、隣接する生成期の膜貫通タンパ ク分子に同様に位置するシステインと、分子間結合を形成する傾向に起因すると 信じられている。このような分子間システイン連結は、一般にはゴルジ装置内( ここで、典型的細胞内で新規に合成された膜貫通タンパクがプロセッシングされ る)で、生成期の膜貫通タンパクの凝集を引き起こし、それにより細胞表面への このような生成期のタンパクの輸送をブロックする。 本発明のTMTCIP分子に関しては、ヘルペスウイルスsaimili CCPH 遺伝子からの推定膜貫通ドメインを含むキメラ最終CIPをコードする発現ベク ターでの哺乳動物細胞のトランスフェクション(上述のPCT特許出願第PCT /US93/00672号を参照されたい)は、FACS解析により検出される のに十分に高いレベルの最終CIPエピトープの細胞表面での発現をもたらさな いことが注目される(実施例1を参照されたい)。この推定膜貫通ドメインの細 胞質アミノ酸は、第一の細胞質アミノ酸であるヒスチジンから2個および5個の アミノ酸の間隔をおいたシステイン残基を含む。これらのシステインの存在は、 この推定膜貫通ドメインを用いて見られる低レベルの発現の原因であると信じら れている。この理由のために、このタイプの膜貫通ドメインは、本発明について 使用するには好ましくない。 本明細書で用いる場合、「膜貫通ドメイン」という用語は、以下のものを含む ことを意図している:1)膜を横断する膜貫通タンパクのその部分、すなわち、 この目的のために通常必要とされる少なくとも約20個の膜アミノ酸、2)膜ア ミノ酸から約5〜約10残基以内の、隣接する優勢に荷電した細胞質アミノ酸、 および3)膜アミノ酸から約5〜約10残基以内の、隣接する優勢に荷電した細 胞外アミノ酸。これらの隣接する優勢に荷電した細胞質および細胞外アミノ酸は 、タンパク質を膜につなぎ止めること(アンカーリング)に関与する。上記で考 察したように、好ましい膜貫通ドメインは、第一の細胞質アミノ酸の5アミノ酸 以内に、システイン残基である細胞質アミノ酸を含まない。 タンパク質配列を調べて、約20の連続する疎水性アミノ酸を有する領域を拾 い上げることは可能であるが、上記で考察したように、いくつかの膜貫通ドメイ ンは、その優勢に疎水性である残基内に散在する少数の親水性アミノ酸を含む。 したがって、膜貫通ドメインは、疎水性スケールを用いて疎水性/親水性(ハイ ドロパシー)プロットを計算することにより最も効果的に同定することができる (Branden,et al.,1991)。 疎水性スケールは、個々のアミノ酸の疎水性について数値的な値を提供する。 これらのスケールは、異なる溶媒中でのアミノ酸の溶解性測定値、側鎖アナログ の蒸気圧、可溶性タンパク内での側鎖分布の解析、および理論的エネルギー計算 に基づいて開発された(Kyte,et al.,1982; およびEngelman,et al.,1986) 。 ハイドロパシープロットは、疎水性値を用いてアミノ酸配列から以下のように して計算される。最初に、配列中の各位置について、疎水性インデックスを算出 する。疎水性インデックスは、各位置の周囲の、通常19残基の長さの「ウイン ドウ」内のアミノ酸の疎水性の平均値である。次に、疎水性インデックスを、ア ミノ酸配列位置に対してプロットし、ハイドロパシープロットを作成する。 膜貫通ドメインは、次に、配列中の連続する多くの位置について疎水性インデ ックスが高い領域を検索すること、例えば、高ポジティブ(すなわち、疎水性) 値の太いピークを有する領域を検索することにより、ハイドロパシープロットか ら同定する。 本発明に関しては、好ましくは、膜貫通ドメインは、Kyte et al.のスケール (Kyte,et al.,1982)および19アミノ酸のウインドウを用いて、少なくとも 約12アミノ酸残基の領域にわたって、約+0.5を越える疎水性インデックス を有する。 膜貫通タンパクのさらなる連続するアミノ酸は、それらのさらなるアミノ酸が 、膜への膜貫通ドメインの挿入、細胞表面への生成期のキメラタンパクの輸送、 またはキメラ分子の最終CIP部分の補体阻害活性を妨げない限り、本発明のキ メラ分子に含まれているか、それにコードされていることができる。 本発明の分子は、任意の機能的膜貫通ドメインを用いて作成することが可能で ある一方、単一の膜貫通ドメインのみを有し、細胞質中にその膜貫通ドメインの カルボキシル末端側の領域を有するタンパク質に由来するものが好ましい。この ようなタンパク質は、文献に多数報告されており、以下のものが挙げられる:C D46;主要組織適合性抗原、および細胞間接着分子、例えば、ICAM−1( CD54)、ICAM−2、ICAM−3、VCAM−1、PECAM−1(C D31)およびHCAM(CD44)を含む、免疫グロブリン多重遺伝子スーパ ーファミリーの関連膜貫通タンパク;セレクチン、例えば、E−セレクチン、L −セレクチンおよびP−セレクチン(CD62);アルツハイマーのアミロイド 前駆体タンパク;インシュリンレセプター;上皮成長因子レセプター;AIDS ウイルス、HIVのgp41タンパク;HTLV1およびHTLV2のp21タ ンパク;およびマウスおよびネコ白血病ウイルスのp15Eタンパク。 これらのタンパク質のいずれかに由来するTMドメイン、ならびに他の膜貫通 タンパクに由来するものを、本発明の実施において使用することができる。これ らのドメインは、膜貫通ドメインの上流のある点に始まる膜貫通タンパクのカル ボキシル末端全体を、キメラ分子に取り入れることによって、最も容易に用いる ことができる。特に好ましいTMドメインは、CD46のアミノ酸294〜32 6を構成するもの(MCP、配列番号8)である。このドメインは、CD46タ ンパクの膜貫通ドメインの下流のこの分子のカルボキシル末端を含むアミノ酸3 27〜350とともに、そして、細胞膜中へのCD46 TMドメインの挿入に 干渉せず、以下に示すように、Ly−6最終CIPの補体阻害活性を阻害しない 、TMドメインの上流のアミノ酸270〜293とともに、好都合に使用するこ とができる。 本発明における使用に好適なTMドメインを、ハイドロパシープロットを用い て同定することに加えて、このようなドメインは、例えば、プロテアーゼ消化技 術を用いて、またはシグナル配列に作動可能に連結された可溶性タンパクを含み 、推定膜貫通ドメインを含むキメラ分子を作成して、キメラタンパクの膜挿入に ついて検定することにより、生化学的に同定することもできる。III.TMTCIP遺伝子およびこのような遺伝子を含むベクター 最終CIPおよびTMドメインをコードする核酸フラグメントの単離、短縮( トランケーション)および融合は、所望のフラグメントのPCR生成および/ま たはクローニングした遺伝子の制限酵素消化;所望のフラグメントのPCR融合 ;または制限酵素消化生成物の酵素的連結(Sambrook,et al.,1989; およびAu subel,et al.,1992)を含む、当技術分野において公知の組換え核酸技術を用 いて行うことができる。あるいは、本発明のTMTCIPをコードする核酸分子 、またはTMTCIPのためのキメラ遺伝子を組み立てるのに用いる核酸フラグ メントのいずれかまたは全部は、化学的手段によって合成することもできる(Ta lib,et al.,1991)。 本発明のキメラ遺伝子は、1)正常なGPIシグナル配列を不活性化するため に、Ly−6モチーフの下流の選択されたアミノ酸残基を除去するように、Ly −6最終CIPに関する核酸配列を切り取り、2)短縮された配列を、選択した TMドメインおよびTMドメインの周囲の所望のアミノ酸をコードする配列に融 合させることによって、調製する。 Ly−6最終CIPをコードする核酸配列の短縮は、Ly−6モチーフの最後 の(10番目の)Cysの後ろの6および8アミノ酸残基の間に位置するAsn の下流のカルボキシル末端アミノ酸残基の少なくともいくつかを除去することに なる。このAsnは、上記に呈示した下流コンセンサス配列中の第3位にも位置 する。すなわち、それが、上記で定義したトランケーション−Asnである。す べての公知のLy−6最終CIPは、このようなトランケーション−Asnを含 む。 いくつかの場合には、トランケーション−Asnの後のアミノ酸残基のすべて を除去する。あるいは、GPIシグナル配列が作動不能であるのに十分な数の残 基を除去することを基準として、全部より少ない数を除去することもできる。一 般に、最も簡便なアプローチは、トランケーション−Asnの下流のすべてのア ミノ酸残基を除去することである。望ましい場合には、短縮は、トランケーショ ン−Asnからさらに上流に広げることもでき、好ましくは、Ly−6モチーフ の最後のCysから下流の点で開始させる。Ly−6モチーフの最後のCysの 上流で始まる短縮は、一般に好ましくないが、所望であれば用いることができる 。トランケーション−Asnの上流の短縮の基準は、親の(ネイティブな)Ly −6最終CIPの補体阻害活性の50%より多くをTMTCIPが有するという 要件である。 図1のLy−6最終CIPについては、好ましい短縮は、BABCIP(配列 番号1)のAsn77、AGMCIP(配列番号2)のAsn75、SQMCI P(配列番号3)のAsn80、OWMCIP(配列番号4)のAsn77、M ARCIP(配列番号5)のAsn77、HVS−15(配列番号6)のAsn 77、およびCD59(配列番号7)のAsn77の下流のすべてのアミノ酸を 含む。これらのLy−6最終CIPのうち、CD59が好ましい。上記で考察し たように、好ましいTMドメインは、CD46由来のものである。したがって、 本発明の特に好ましい態様は、CD46(配列番号8)のアミノ酸270〜35 0に融合したCD59(配列番号7)の残基1〜77を含む。 上述のものに加えて、本発明は、本発明のキメラTMTCIPをコードする核 酸フラグメントを含む組換え発現ベクターを提供する。このようなキメラタンパ クをコードする核酸分子は、適切な発現ベクター、すなわち、挿入されたタンパ クコード配列の転写および翻訳に必要な要素を含むベクターに、挿入することが できる。必要な転写および翻訳シグナルは、本発明の融合遺伝子を構築するのに 用いた遺伝子および/またはその隣接(フランキング)領域から供給することも できる。 脊椎動物細胞において発現を指示するのに用いるべき発現ベクター系のための 転写および翻訳調節配列は、ウイルス供給源から提供してもよい。例えば、一般 に使用されるプロモーターおよびエンハンサーは、ポリオーマウイルス、アデノ ウイルス、サルウイルス40(SV40)、モロニーマウス白血病ウイルス(M MLV)、そのロングターミナルリピート(MMLV−LTR)、ならびに ヒトサイトメガロウイルス(CMV)、そのサイトメガロウイルス初期(immedi ate-early)遺伝子1プロモーターおよびエンハンサーから由来する。レトロウ イルス発現ベクターは、本発明のTMTCIPの発現に関して好ましい系である 。 レトロウイルスベクターを構築するためのレトロウイルス核酸およびパッケー ジング細胞の操作は、当業界で公知の技術を用いて達成する。Ausubel,et al. ,1992、1巻、セクションIII(ユニット9.10.1〜9.14.3);Sambr ook,et al.,1989; Miller,et al.,1989; Eglitis,et al.,1988; 米国特許 第4650764号、第4861719号、第4980289号、第51227 67号、および第5124263号;ならびにPCT特許公報WO85/056 29号、WO89/07150号、WO90/02797号、WO90/028 06号、WO90/13641号、WO92/05266号、WO92/079 43号、WO92/14829号、およびWO93/14188号を参照された い。 特に、本発明のレトロウイルスベクターは、以下のように調製し、使用するこ とができる。最初に、TMTCIPレトロウイルスベクターを構築し、両栄養性 (amphotropic)パッケージング系、好ましくは遺伝子治療での適用に使用する のに好適なものを使用して、非感染性の形質導入ウイルス粒子(ビリオン)にパ ッケージングする。 このようなパッケージング系の例は、例えば、Miller,et al.,1986; Markow itz,et al.,1988; Cosset,et al.,1990;米国特許第4650764号、第4 861719号、第4980289号、第5122767号、および第5124 263号;ならびにPCT特許公報WO85/05629号、WO89/071 50号、WO90/02797号、WO90/02806号、WO90/136 41号、WO92/05266号、WO92/07943号、WO92/148 29号、およびWO93/14188号に見い出される。好ましいパッケージン グ細胞は、PA317パッケージング細胞株(ATCC CRL9078)であ る。 「プロデューサー細胞」の生成は、レトロウイルスベクターをパッケージング 細胞に導入することにより達成する。このようなレトロウイルスベクターの例は 、例えば、Korman,et al.,1987; Morgenstern,et al.,1990;米国特許第44 05712号、第4980289号、および第5112767号;ならびにPC T特許公報WO85/05629号、WO90/02797号、およびWO92 /07943号に見い出される。好ましいレトロウイルスベクターは、MMLV 由来発現ベクターであるpLXSN(Miller,et al.,1989)である。本発明の 実施に使用するレトロウイルスベクターは、TMTCIPをコードするキメラ遺 伝子を含むように改変する。 上述の手順で生成されたプロデューサー細胞は、レトロウイルスベクター粒子 (ビリオン)を作成するのに使用する。これは、細胞を好適な生育培地中で培養 することによって達成する。好ましくは、ビリオンは、培養物から収穫し、形質 導入すべき標的細胞、例えば、TMTCIPのLy−6最終CIPにより補体を 阻害されうる患者への移植に使用すべき異種細胞、このような患者への移植に使 用すべき異種器官の細胞、患者自身の細胞、および補体侵襲から保護すべき他の 細胞、ならびに胚性幹細胞のような幹細胞に投与する。これらは、移植のための トランスジェニック細胞、組織または器官を生成するのに使用することができる 。あるいは、実施可能な場合には、標的細胞をプロデューサー細胞と同時培養す ることもできる。ビリオンの安定な保存およびその後の使用のために好適な緩衝 液および条件は、例えば、Ausubel,et al.,1992に見い出すことができる。 本発明のレトロウイルスベクター粒子を含有する医薬組成物は、様々な単位用 量形態で投与することができる。用量は、例えば、特定のベクター、投与の仕方 、治療する特定の疾患およびその重症度、患者の総合的健康状態および年齢、処 置する細胞の状態、および医師の判断によって変化する。哺乳動物細胞の形質導 入のための投薬レベルは、一般に、1処置あたり約106〜1014コロニー形成 単位のレトロウイルスベクター粒子の間である。 本発明のレトロウイルスベクター粒子の投与には、様々な医薬製剤を用いるこ とができる。好適な製剤は、例えば、「レミントンの医薬科学(Remington's Ph armaceutical Sciences)」、第17版、Mack Publishing Company,Philadelph ia,PA(1985)に見い出され、生理食塩水、緩衝(例えば、リン酸緩 衝)生理食塩水、ハンクス液、リンガー溶液、デキストロース/生理食塩水、ブ ドウ糖溶液のような医薬的に有効な担体、その他を含有する。製剤は、必要に応 じて医薬的に許容可能な補助物質、例えば、浸透圧調整剤(tonicity adjusting agents)、湿潤剤、殺菌剤、保存剤、安定剤などを含有していてもよい。IV.トランスジェニック動物 本発明のある側面に従って、本発明の核酸分子は、当技術分野で公知の技術を 用いて細胞(例えば、内皮細胞)の表面に本発明のTMTCIPを発現する工学 処理されたトランスジェニック動物(例えば、齧歯類、例えばマウス、ラット、 キャピバラなど、ウサギ目、例えばウサギ、ノウサギなど、有蹄類、例えばブタ 、ウシ、ヤギ、ヒツジなど)を生成するのに用いられる。これらの技術としては 、(例えば前核の)マイクロインジェクション、卵または接合子の電気穿孔法( エレクトロポレーション)、核移植、および/または選択した動物由来の胚性幹 細胞の安定なトランスフェクションまたは形質導入が挙げられるが、それらに制 限されない。 これらの技術の共通の要素は、移入遺伝子(transgene)転写単位の調製に関 する。このような単位は、一般に、1)プロモーター、2)目的の核酸配列、す なわち本発明のTMTCIPをコードする配列、および3)ポリアデニル化シグ ナル配列、を含むDNA分子を包含する。他の配列、例えば、エンハンサーおよ びイントロン配列は、所望であれば含ませることができる。この単位は、TMT CIPタンパクを(例えば哺乳動物細胞で)発現するプラスミドベクターの制限 フラグメントを単離することにより好都合に調製することができる。好ましくは 、制限フラグメントは、細菌宿主細胞で複製を指示する配列を含まない。これは 、そのような配列が胚の生存率に対して悪影響を有することが知られているため である。 トランスジェニック動物の作成のための最もよく知られた方法は、ドナー雌の 排卵過度化、卵の外科的除去、胚の前核への移入遺伝子転写単位の注入、および 通常は同じ種である偽妊娠宿主母の生殖管へのトランスジェニック胚の導入によ って、トランスジェニックマウスを作成するのに用いられた方法である。 Wagnerの米国特許第4873191号;Brinster,et al.,1985; Hogan et al. ,1986; Robertson,1987; Pedersen,et al.,1990を参照されたい。 トランスジェニック家畜を作成するためのこの方法の使用も、当業者により広 く行われている。一例としては、トランスジェニックブタは、ブタ胚への移入遺 伝子転写単位のマイクロインジェクションにより日常的に作成されている。例え ば、PCT公報WO92/11757号を参照されたい。手短に述べると、この 手順は、以下のように実施し得る。 最初に、移入遺伝子転写単位をゲルで単離し、例えばELUTIPカラム(Sc hleicher & Schuell,Keene,NH)を通して徹底的に精製して、発熱物質(パイ ロジェン)無含有注入緩衝液(パイロジェン無含有水中、10mMトリス、pH7. 4および0.1mMEDTA)に対して透析し、胚注入に用いる。 胚を、ホルモンにより同調させた、排卵誘発した雌の卵管から、好ましくは前 核段階で回収する。これらを、約0.5mlの胚移入培地(10%ウシ胎児血清を 含むリン酸緩衝生理食塩水)を含有する1.5ml微量遠心管に入れる。これを、 微量遠心機で16000×gで12分間遠心分離する。先を細くして磨いたパス ツールピペットで微量遠心管から胚を回収し、検査のために35mmペトリ皿に入 れる。前核が明確に見えないように細胞質が脂質でまだ不透明だったら、さらに 15分間、胚を再び遠心分離する。マイクロインジェクションに用いるべき胚を 、100mmペトリ皿の蓋の中央の1滴の培地(約100μl)中に置く。シリコ ーン油を用いて、この1滴をおおい、培地が蒸発するのを防ぐために蓋を満たす 。胚を含むペトリ皿の蓋を、加熱したステージ(37.5〜38℃)およびホフ マンモジュレーションコントラスト部材(Hoffmann moduration contrast optic s)を装着した倒立顕微鏡(最終拡大率200倍)の上に設置する。細く延ばし て磨いたマイクロピペットを用いて胚を安定化しながら、別の細く延ばして磨い たマイクロピペットで、約200〜500コピーの精製された移入遺伝子転写単 位を含有する約1〜2pl(ピコリットル)の注入緩衝液を、核、好ましくは雄性 前核中に送り込む。形態学的観察により判断して、マイクロインジェクションの 過程を生き残った胚を、レシピエントの偽妊娠ブタへの移入のためにポリプロピ レン管(内径2mm)に入れる。 子孫を、各仔ブタの尾から採った組織からゲノムDNAを単離し、このゲノム DNA約5μgを、移入遺伝子特異的プローブを用いる核酸ハイブリダイゼーシ ョン解析に付すことによって、移入遺伝子の存在について試験する。 トランスジェニック動物の作成のために一般に用いられる別の技術は、PCT 特許公報WO93/02188号およびRobertson,1987に記載されているよう に、胚性幹細胞(ES細胞)の遺伝子操作に関する。この技術に従えば、ES細 胞は、例えば、Robertson,1987およびWilliams et al.に対する米国特許第51 66065号に記載されているように生育させる。遺伝物質を、例えばMacMahon ,et al.,1990に従って、電気穿孔法などにより、または例えばRobertson,et al.,1986の方法に従って、レトロウイルスベクターでの形質導入により、また はLovell-Badge,1987に記載されている種々の技術のいずれかにより、胚性幹細 胞中に導入する。 キメラ動物は、例えば、Bradley,1987に記載のように生成する。手短に述べ れば、遺伝的に改変したES細胞を胚盤胞に導入し、次に改変した胚盤胞を偽妊 娠雌動物に移植する。キメラは、例えば、ES細胞の調製に用いた系統と胚盤胞 の調製に用いた系統との差異によって生じるモザイク状の外皮の色を観察するこ とにより、子孫から選択して、非キメラトランスジェニック動物を生成するため に交配する。 トランスジェニック動物の作成のための他の方法は、Wagner et al.に対する 米国特許第5032407号およびPCT公報WO90/08832号に開示さ れている。 他の応用の中で、本発明に従って調製したトランスジェニック動物は、その工 学処理された組織または器官の異種移植の試験のためのモデル系として、そして 、異種移植のための工学処理された組織または器官の供給源として有用である。 トランスジェニック動物の組織または器官の内皮細胞および/または他のタイプ の細胞(例えば、膵臓の小島中のもののようなホルモン産生細胞)の表面での機 能的TMTCIPの発現は、これらの細胞、組織および器官に対して、レシピエ ント動物、例えばTMTCIPのLy−6最終CIPによりその補体を阻害し得 るヒトのような動物における異種移植後の超急性補体媒介性拒絶反応からの、強 化 された保護を提供する。移植用の器官の生成における用途に加えて、本発明のT MTCIP核酸構築体は、移植における後の使用のために種々の種の培養細胞( 例えば、内皮細胞)を工学処理するためにも使用することができる。V.代表的な改変態様 本発明の特定の態様を本明細書において記載し、説明するが、本発明の精神お よび範囲から逸脱することなしに、変更を加えることができることは理解される べきである。 例えば、本発明のTMTCIPの一次アミノ酸構造は、アミノ酸置換または核 酸突然変異を作ることにより改変してもよい。そのような改変の後、少なくとも いくらかの補体調節活性は保持されるはずである。同様に、アミノ酸配列を変え ない核酸突然変異、例えば、縮重コドンの3番目のヌクレオチドの変化は、本発 明の範囲内に包含される。TMTCIPを作成するのに用いるCIPおよびTM 遺伝子の天然の対立遺伝子変異体として見い出される変化を含む配列もまた、包 含される。 本発明を、いかなる形においても制限することを意図せずに、以下の実施例に おいて、より十分に説明する。実施例1 CD59/MCP TMTCIPを包含するレトロウイルスビリオン粒子およ び発現ベクター CD59の膜貫通形態(CD59−TM)は、本発明に従って、CD59のG PIアンカーシグナルを含むカルボキシル末端領域を、膜貫通ドメインを含む、 MCP(CD46)のカルボキシル末端領域で置き換えることにより、構築した 。上記の「トランケーション−Asn」、すなわち成熟タンパクのアミノ酸77 で短縮したCD59を含む約314bpの制限フラグメント(以下、CD5977と 呼ぶ)は、プラスミドpCD59/CCPH(以下を参照されたい)をSspI およびBamHIで消化することにより調製した。 CD46のカルボキシル末端を、鋳型としてHeLa細胞逆転写mRNAを用 い、以下のプライマー:5′−CGCGAGGCCT ACTTACAAGC CTCCAG−3′(配列番号9)および5′−CGCGCTATTC AGCCTCTCTG CTCTGC−3′(配列番号10)を用いてPCR増 幅した。これらのオリゴヌクレオチドは、以前に機能的膜貫通ドメインを含むこ とが示された領域である(Lublin,et al.,1991)、成熟CD46タンパクのア ミノ酸270〜350をコードするフラグメントを増幅した。このPCR反応に より生成された約250bpのフラグメントを、T/Aクローニングキット(Invi trogen,San Diego,CA)を用いてプラスミドベクター中にクローニングした。 このキットに含まれていたpCRIIプラスミドベクターをレシピエントとして 役立て、結果として生じたプラスミド構築体を、E.coliで増幅し、精製した。 次に、MCPインサートを配列決定して、プラスミドが配列番号11に示す配列 を含むことを確認した。 CD46のPCRフラグメントの5′末端に見い出される内在性StuI部位 を利用して、このドメインを、真核生物発現ベクターpcDNA3(Invitrogen ,San Diego,CA)中のCD5977の3′末端のSspI部位に連結し、プラス ミドpcDNA/CD59−MCP−TM(ATCC命名:69530)を作成 した。 得られた構築体をEcoRIで直線化し、対を形成していない末端を充填して 、生じた平滑末端にBamHIリンカー(#1071、New England Biolabs,T ozer,MA)を連結した。このリンカー付構築体をBamHIで消化し、放出され たフラグメントを、レトロウイルスベクターpLXSN(Miller,et al.,1989 )のBamHI部位にサブクローニングし、pL−CD59−MCP−TM−S Nを作成した。発現のための正しい向きを有する構築体を制限酵素解析によって 同定し、配列決定により確認した。 CCPH遺伝子のカルボキシル末端をコードするDNAフラグメントを、鋳型 としてプラスミドpKS−/mCCPH(ATCC命名:69178)を用い、 以下のプライマー:5′−CCGGACCTGT GTAACTTTAA CG AACAGCTT GAAAATATTG GTAGGATATG CAATG GAAAT TGTTACAAC−3′(配列番号12)および5′−TAGT TACTGC CCGGACATGC−3′(配列番号13)を用いてPCR増 幅により調製した。MCPのPCRフラグメントについて上述したよ うに、約250bpのCCPHのPCR生成物をプラスミドpCRIIにクローニ ングして、プラスミドpCRII/CCPHを作成し、CCPHインサートを配 列決定して、このプラスミドが所望の配列(この場合、配列番号14)を含むこ とを確認した。 次に、pCRII/CCPHプラスミドをAvaIIおよびEcoRIで消化し 、インサートフラグメントを、精製して、BamHIおよびEcoRIで切断し たプラスミドpcDNA/AMP(Invitrogen)と、pUC19中の全長CD5 9 cDNA構築体(Philbrick,et al.,1990)から単離した約300bpのB amHI−AvaIIフラグメントとを用いて、三方連結(three-way ligation) 反応においてサブクローニングした。この三方連結の生成物を、本明細書中でプ ラスミドpCD59/CCPHと呼ぶ。 このプラスミドを、Balb/3T3細胞にトランスフェクトし、細胞を、以 下の実施例2に記載するように、間接免疫蛍光法によってCD59エピトープの 細胞表面発現について検定した。上記で考察したように、CCPHの推定TMド メインは、第一の細胞質アミノ酸から5アミノ酸以内に、システインである2個 の細胞質アミノ酸を含む。これは、低レベルの細胞表面発現をもたらすと信じら れている特徴である。CD59エピトープの細胞表面発現は、確かに間接免疫蛍 光法で検出し得るレベルを下回っていた。対照ベクター GPIアンカーシグナルを含む全長CD59(CD59−GPI)を、プラス ミドpc8−hCD59−103(ATCC命名:69231)から得られたB amHI−EcoRIフラグメントとして、BamHIとEcoRIで消化した pcDNA3(Invitrogen)にクローニングし、プラスミドpcDNA3−CD 59−GPIを作成した。 レトロウイルスベクタープラスミドpL−CD59−GPI−SNは、pUC 19中の全長CD59 cDNA構築体(Philbrick,et al.,1990)からの約 1100bpのEcoRIフラグメントを単離し、このフラグメントをプラスミド pLXSNに連結することにより作成した。発現のための正しい向きを有する構 築体は、制限酵素解析によって同定した。両栄養性(amphotropic)ウイルス作成 両栄養性ウイルスは、Warren,et al.,1987に記載されたように、中間的なエ コトロピック(ecotropic)パッケージング細胞株を通じて作成した。手短に述 べると、psi2細胞(Stephen L.Warren博士,Department of Pathology,Ya le University School of Medicine,New Haven,CTから入手した)を、DMS Oショックと、それに続いての500μg/ml(活性)G418および10%熱 非働化FCSを含むDMEM中での選択を用いて、pLXSNまたは上記のpL XSN構築体、すなわちpL−CD59−MCP−TM−SNもしくはpL−C D59−GPI−SNでトランスフェクトした。トランスフェクタントをプール して、90%の集密度の細胞から24時間上清を収穫した。このエコトロピック ウイルス保存液(ストック)を、両栄養性パッケージング細胞株PA317(A TCC命名:CRL9078)を感染させるのに使用した。これらの細胞は、G 418を含む同じ培地中でも選択し、その後、G418を含まない同じ培地中の プールしたトランスフェクタントからウイルスストックを集めた。実施例2 哺乳動物細胞によるCD59/MCP TMTCIPの発現 マウス繊維芽細胞株Balb/3T3(ATCC命名:CCL163)の細胞 を、pcDNA3−CD59−GPI、pcDNA3/CD59−MCP−TM 、またはpcDNA3単独により、リン酸カルシウム法を用いて安定にトランス フェクトした(Ausubel,et al.,1992)。細胞を、10%熱非働化FCSおよ び500μg/mlのG418(活性)を含有するDMEM中で選択し、クローニ ングシリンダーを用いてコロニーを単離した。 マウスL細胞は、Peter Cresswell博士,Immunobiology Department,Yale Un iversity School of Medicine,New Haven,CTから入手した。このようなマウス L細胞は、GPIアンカーを有するタンパク質を発現することができない(Ferg uson,et al.,1988)。L細胞を、pL−CD59−GPI−SN、pL−CD 59−MCP−TM−SN、またはpLXSN単独を用いて得られた両栄養性ウ イルス上清を用いて、ウイルスストック1mlを8μg/mlのポリブレンを含有す る培地中の5×105個のL細胞に添加することにより形質導入した。 一晩インキュベーションした後、500μg/mlのG418を含有する培地を添 加し、選択を14日間続けた。形質導入されたL細胞は、プールとして選択し、 解析した。G418耐性細胞を、モノクローナルおよびポリクローナル抗体調製 物を用いて間接免疫蛍光法によって細胞表面のCD59抗原の存在について検定 した。ウサギポリクローナル抗CD59抗体調製物である#349は、Sims,et al.,1989により記載されたようにヒト赤血球から精製したCD59をウサギに 注射して作成されたものであり、Peter Sims博士(Blood Research Institute, Milwaukee,WI)から提供を受けた。抗CD59モノクローナル抗体(mAb) であるMEM−43は、Biodesign International,Kennebunkport,MEから購入 した。 細胞表面間接免疫蛍光解析法は、典型的には、2%ウシ胎児血清を含有する1 倍PBS中の50μg/mlの一次ポリクローナル抗体または20μg/mlのモノク ローナル抗体を用いて、2.5×105細胞について実施した。ヤギ抗ウサギI gGまたはヤギ抗マウスIgG FITC結合(コンジュゲート化)抗血清を二 次抗体として用いた(Zymed Laboratories,South San Francisco,CA)。蛍光 は、FACSort機(Becton-Dickinson Immunocytometry Systems,San Jose ,CA)を用いて測定した。 図2は、CD59−TMを発現する陽性Balb/3T3クローン、ならびに 陽性対照としてネイティブなヒトCD59のトランスフェクタント(CD59− GPI)、および陰性対照としてインサートを含まないベクター(pcDNA3 )のトランスフェクタント(ベクター対照)の細胞表面発現プロフィールを示す 。そこに示されるように、ネイティブなCD59を発現する陽性対照細胞に結合 したのと実質的に同じ量の抗CD59抗体が、CD59−TM融合タンパクを発 現する細胞の表面に結合した。この結果は、同等の量の抗原が、本発明のBal b/3T3細胞上(CD59−TM)および陽性対照細胞上(CD59−GPI )に存在することを示す。 プールしたL細胞トランスフェクタントは、GPIアンカーを有するタンパク 質を発現できない細胞に予期されたように、CD59−GPIは発現されなかっ たのに対し、広い範囲のCD59−TMの発現を示した(図3)。実施例3 哺乳動物細胞で発現されるTMTCIPはホスファチジルイノシトール−ホス ホリパーゼC消化に影響されない GPIアンカーの存在について試験するために、FACS解析に先立って、細 胞を、1U/mlのホスファチジルイノシトール−ホスホリパーゼC(PI−PL C、Boehringer-Mannheim Corporation,Biomedical Products Division,India napolis,Indiana)で、37℃で1時間処理した。この処理は、GPIアンカー を加水分解(切断)し、それにより細胞表面からGPIアンカーを有するタンパ ク質を遊離させる。PI−PLC消化は、CD59−TM TMTCIP(また は対照としてCD59−GPI)を発現するBalb/3T3細胞に行った。こ れらの実験の結果を図4に示す。これらの実験においては、疑似(モック)処理 した細胞(PI−PLCなし)は、TMTCIPおよびネイティブなCD59を その細胞表面上に保持していた(図4Aおよび図4Bの曲線Dを参照されたい) のに対し、PI−PLC処理は、ネイティブなCD59対照細胞では細胞表面C IPの喪失をもたらしたが(図4Aの曲線Cを参照されたい)、CD59−TM 細胞ではもたらさなかった(図4Bの曲線Cを参照されたい)。これらの実験は 、CD59−TMはGPI連鎖を通じて細胞表面につながれていないこと、およ びCD59−TMはグリコシル−ホスファチジルイノシトール(GPI)アンカ ーを切断し得るリパーゼ酵素の作用に対して実質的に抵抗性であることを明らか にする。実施例4 マウス細胞におけるCD59−TMの機能解析 トランスフェクトしたマウスBalb/3T3細胞および形質導入したマウス L細胞において発現されたTMTCIP分子の機能的活性を、色素放出検定によ って評価した。この検定は、細胞質からの分子、特に細胞質指示薬色素、カルセ イン(Calcein)AM(Molecular Probes,Inc.,Eugene,Oregon)の流出を測 定することからなっている。 CD59−TM TMTCIPを発現するトランスフェクトした細胞、ならび に(対照として)CD59−TMをコードするインサートを持たない親発現ベク ターでトランスフェクトした細胞を、96ウェルプレートで集密状態(コンフル エントの状態)まで生育させた。10mg/mlウシ血清アルブミンを含有するハン クス液(HBSS/BSA)200μlで、細胞を2回洗浄した。 カルセインAMを添加し(最終10μM)、プレートを37℃で30分間イン キュベートして、色素が、細胞に内在化され、細胞のエステラーゼにより、損傷 していない細胞の内側に保持される極性蛍光性誘導体に変換されるようにした。 次に、ウェルをHBSS/BSAで2回洗浄して、細胞の外側に残っている色素 を除去した。次いで、細胞を、古典的補体経路の活性剤として役立つ抗Balb /3T3 IgG(HBSS/BSA中、2mg/ml)とともにインキュベートし た。23℃で30分間のインキュベーションの後、結合していないIgGを洗い 落とした。 細胞を、次に精製C8およびC9を加えたヒトC8欠損血清の存在下で37℃ で30分間インキュベートし、補体媒介性損傷が起こるのを可能にした。ヒトC 8破壊血清ならびに精製C8およびC9は、Quidel Corporation,San Diego,C Aから入手した。次いで、蛍光測定のために、細胞を浸す培地を清浄な96ウェ ルプレートに移した。 この検定の条件下では、カルセインAMの蛍光性極性誘導体は、細胞膜の完全 性が損なわれている場合、試験細胞を浸す培地中に放出されるのみである。した がって、試験細胞を浸す培地中へ放出されたカルセインAMの蛍光に対する細胞 に保持されたそれは、細胞が受けた補体媒介性損傷のレベルの、間接的ではある が正確な測定値を提供する。残っている細胞付随色素は、96ウェル培養プレー ト中に保持された細胞の1%SDS溶解物(ライセート)から決定した。これは 、以下の式を用いて色素放出(%)を算出することを可能にした:総量=放出量 +保持量、および放出(%)=(放出量/総量)×100。蛍光は、ミリポア( Millipore)CYTOFLUOR 2350蛍光プレートリーダー(490nm励 起、530nm放射)を用いて測定した。 色素放出検定により、同等のレベルのCD59−GPIまたはCD59−TM を発現するトランスフェクトしたBalb/3T3クローンについては(図2) 、CD59−TMは、ネイティブなGPIアンカーを有するCD59− GPI分子により付与されるのと同等のレベルの、補体侵襲からの保護を提供し たことが示された(図5)。特に、これらの分子のいずれかを発現する細胞は、 2.5μg/mlのC8/C9での補体媒介性溶解の防止において、pcDNA3 ベクターでトランスフェクトした細胞(これは直ちに溶解した)よりも約3倍、 より効果的であった。 これらの結果は、1)CD59−TMは、Balb/3T3細胞の表面で安定 に発現され得ること、および2)このキメラ分子は、ネイティブなCD59に匹 敵する機能を有することを明らかにする。CD59−TMによる野生型レベルの 補体調節活性の保持は、それがTMドメインの付加に付随する短縮によってCD 59分子の機能性が実質的に変えられないことを示す点において、非常に重要で ある。この結果は、前もって予測し得なかったものである。これは、特に、CD 59分子の他の変更、例えばTMドメインの付加を伴わないカルボキシル末端の 短縮、または単一のアミノ酸の変更が、実質的に変化した発現および/または機 能性を有する分子を生み出すことが示されていたためである。例えば、Nakano, et al.,1993; Norris,et al.,1993;およびPetranka,et al.,1993を参照さ れたい。 色素放出検定は、pL−CD59−MCP−TM−SNベクター、pL−CD 59−GPI−SNベクター、またはインサートなしのpLXSNベクターを用 いて生成したレトロウイルスビリオン粒子で形質導入したマウスL細胞について も行った。これらの実験の結果を図6に示す。pL−CD59−MCP−TM− SNを用いて生成したレトロウイルス粒子で形質導入したL細胞のみが、補体侵 襲に対する実質的な保護を証明した。これらの結果は、キメラCD59−TM分 子はGPIアンカーを有するタンパク質を発現することができない細胞株におい て成功裡に発現されうること、およびこの分子は補体による溶解から細胞を保護 するように機能することを明らかにする。 上述の結果は、CD59が、GPIアンカーではなく、非相同膜貫通ドメイン によって細胞膜につながれている場合に、Ly−6最終補体インヒビター活性を 保持していることを示す。この基本的な結果は、すべての既知のLy−6最終補 体インヒビタータンパクの保存された性質(米国特許第08/105735号お よびPCT特許出願PCT/US93/006772号を参照されたい)との組 み合わせにより、非相同膜貫通ドメインは、Ly−6最終補体インヒビタータン パクのGPIシグナル配列を、このタンパクの補体阻害活性を実質的に変えるこ となく置換しうることを示す。 ネイティブなLy−6最終CIPを用いることと比較して、本発明のTMTC IPは、ネイティブなLy−6最終CIPのGPIアンカーの存在に依存するタ イプの細胞活性化を生じ得ないこと、およびホスホリパーゼ酵素の作用により細 胞表面から除去され得ず、ベシクル離脱を受けにくいこと、という利点を有する 。これらの利点により、本発明のTMTCIPは、異種器官の移植の容易化を含 む、種々の医学的応用に、ネイティブなLy−6最終CIPよりも好適である。 本発明の、好ましい、またはその他の態様を本明細書において記載したが、様 々な改変態様を含む他の態様を、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者は 看取し、実施することができる。例えば、本発明の融合タンパクの一次アミノ酸 構造は、アミノ酸突然変異体を作り出すことにより改変してもよい。このような 突然変異体は、親の最終CIPの補体調節活性の50%を越える活性を保持する べきである。他の改変および変異としては、他のタンパク質またはポリペプチド とのタンパク質またはそのフラグメントの共有結合または凝集コンジュゲートを 含む融合タンパクの誘導体の形成が挙げられる。後記のクレーム(請求の範囲) は、本明細書に記載の具体的な態様ならびにこのような改変体、変異体および等 価物をカバーすることを意図するものである。 この出願を通じて、種々の刊行物、特許および特許出願が引用されている。こ れらの刊行物、特許および特許出願の教示および開示全体は、本発明が属する技 術水準をより十分に説明するために、参照により本出願に包含される。寄託物 上述のプラスミドpcDNA3/CD59−MCP−TM、pc8−hCD5 9−103、およびpKS−/mCCPHは、E.coli中で米国American Type C ulture Collection,12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland,20852に寄 託され、各々69530、69231、および 69178と命名されている。これらの寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国 際的承認に関するブダペスト条約(1977)に基づいて行った。 ATCC受託番号69530、69231、および69178を有する上記の 寄託は、各々1994年1月6日、1993年1月29日、および1993年1 月6日に行った。寄託物第69530号は、Escherichia coli株TOP10F′ 中に作成されたものであり、これは以下の遺伝子型を有する:F′{lacIqTN10(T etR)}mcrAΔ(mrr-hsdRMS-mcrBC)φ80lacZΔM15 ΔlacX74deoR recA1 araD139 Δ(ara-leu)7697 galU galK rpsL(StrR)endA1nupG 寄託物第69231号および第69178号は、Escherichia coli株DH5α中 に作成されたものであり、これは以下の遺伝子型を有する: F-φ80dlacZΔM15 Δ(lacZYA-argF)U169 recA1 endA1 hsd17(rk-,mk+)supE44 λ thi-1 gyrA96 relA1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 9356−4H C07K 14/47 C07K 14/47 9356−4H 14/81 14/81 9356−4H 19/00 19/00 9637−4B C12P 21/02 C C12N 5/10 9282−4B C12N 5/00 B C12P 21/02 9051−4C A61K 37/02 ABB //(C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 スクウィント、ステファン・ピー アメリカ合衆国、コネチカット州 06524、 ベサニー、コーチマンズ・レーン 16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下のもの: (a) (i)親最終補体インヒビタータンパクの部分であって、完全なLy−6モ チーフを含み、かつグリコシル−ホスファチジルイノシトール(GPI)アンカ ーの付着を指示する作動可能なシグナル配列を含まない部分を包含する、第一の ポリペプチド領域、および(ii)非相同タンパクからの膜貫通ドメインを含む、第 一のポリペプチド領域に連結された第二のポリペプチド領域;または (b) (a)に相補的な配列;または (c) (a)および(b)の両方 を含み、(a)、(b)または(c)を含まない核酸分子を実質的に包含しない核酸分 子。 2.上記キメラタンパクが、親最終補体インヒビタータンパクの補体阻害活性の 50%を越える活性を有する、請求項1記載の核酸分子。 3.上記親最終補体インヒビタータンパクの部分が、そのLy−6モチーフの下 流のアミノ酸残基を除いたそのタンパクを含む、請求項1記載の核酸分子。 4.上記キメラタンパクが、ヒト補体に対する補体阻害活性を有する、請求項1 記載の核酸分子。 5.そのベクターを含む宿主が上記キメラタンパクを発現するよう、第二の核酸 分子に作動可能に連結された請求項1記載の核酸分子を含む核酸ベクター。 6.請求項4記載のベクターを含む組換え宿主。 7.ヒト補体侵襲から非ヒト器官を保護する方法であって、請求項4記載の核酸 分子を、非ヒトトランスジェニック動物を生成することができる多能性細胞に導 入する工程、および上記細胞から非ヒトトランスジェニック動物を生成する工程 を含み、それによりヒト補体侵襲に対する上記非ヒトトランスジェニック動物の 器官の抵抗性を強化することを特徴とする方法。 8.請求項7記載のトランスジェニック動物から単離された細胞。 9.以下のもの: (i) 親最終補体インヒビタータンパクの部分であって、完全なLy−6モチー フを含み、かつグリコシル−ホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーの 付着を指示する作動可能なシグナル配列を含まない部分を包含する、第一のポリ ペプチド領域、および (ii) 非相同タンパクからの膜貫通ドメインを含む、第一のポリペプチド領域 に連結された第二のポリペプチド領域 を含むキメラタンパク。 10.親最終補体インヒビタータンパクの補体阻害活性の50%を越える活性を有 する、請求項9記載のキメラタンパク。 11.上記親最終補体インヒビタータンパクの部分が、そのLy−6モチーフの下 流のアミノ酸残基を除いたそのタンパクを含む、請求項9記載のキメラタンパク 。 12.ヒト補体に対する補体阻害活性を有する、請求項9記載のキメラタンパク。 13.グリコシル−ホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを切断しうる リパーゼ酵素の作用に対して実質的に抵抗性である膜結合型最終補体インヒビタ ータンパク。 14.Ly−6モチーフを含む、請求項13記載の膜結合型最終補体インヒビター タンパク。
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