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JPH09502346A - 自己免疫疾患に関連するプロトコールにおけるミエリン希突起神経膠細胞糖蛋白質およびそのペプチド部分の使用 - Google Patents

自己免疫疾患に関連するプロトコールにおけるミエリン希突起神経膠細胞糖蛋白質およびそのペプチド部分の使用

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JPH09502346A
JPH09502346A JP7508328A JP50832895A JPH09502346A JP H09502346 A JPH09502346 A JP H09502346A JP 7508328 A JP7508328 A JP 7508328A JP 50832895 A JP50832895 A JP 50832895A JP H09502346 A JPH09502346 A JP H09502346A
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JP
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peptide
seq
mog
protein
cell
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JP7508328A
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デボ,ブリジツト
ロスバード,ジヨナサン・ビー
スミレク,ドーン
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イミユロジク・フアーマシユーチカル・コーポレーシヨン
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、脱髄性自己免疫疾患に関連する自己抗原であるヒトMOGをコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子を提供する。本発明はまた、組換え的に産生されるヒトMOGもしくは抗原性断片をも提供する。合成的に調製することが可能なMOGの抗原性断片はヒトMOGのT−細胞エピトープを表す。ヒトMOGおよびその断片は自己免疫疾患を診断および治療するのに有用である。更に、自己免疫疾患のためのスクリーニングおよびその治療に有用な治療薬の開発の方法も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 自己免疫疾患に関連するプロトコールにおけるミエリン希突起神経膠細胞糖蛋白 質およびそのペプチド部分の使用技術分野 本発明は自己抗原およびそれに関連するエピトープに関する。より具体的には 本発明は、自己免疫状態の診断、治療、および予防に有用なミエリン希突起神経 膠細糖蛋白質(MOG)およびそのペプチド領域に関する。その上、自己免疫疾 患についてのスクリーニングおよびその治療に有用な治療薬の開発の方法も開示 される。背景技術 自己免疫疾患は重大なヒト健康上の難題であり、そしてあまり良く理解されて いない。明らかな直接的原因の微生物性もしくはウイルス性要因が全く存在しな いため、このような疾患の予防、治療、および診断はその疾患の病因を基にする 必要がある。その病因には通常内因性代謝中間体、構造性構成成分、および細胞 などの複雑な一連の反応が関与している。しかしながら自己免疫状態の性質上、 少なくとも一つの自己抗原が一連の現象を引き起こすのに関与しており、それが その症状をもたらすに違いないという概念が暗示される。例えば多発性硬化症の ような自己免疫脱髄性疾患はその例にもれない。多発性硬化症はTリンパ球が中 枢神経系ミエリンを破壊する自己免疫疾患である。多発性硬化症は西側諸国にお ける疾患に関連する神経学的障害の最も一般的な原因である。 多発性硬化症について一般的に用いられる動物モデルは実験的アレルギー性脳 脊髄炎(EAE)であり、これは例えば全脳ホモジネートの投 与によりモルモットにおいて誘導することが可能である。中枢神経系の脱髄性疾 患であるEAEはマウスにおいてはミエリン塩基性蛋白質(MBP)で誘導され ており、そしてヒトの多発性硬化症のマウスモデルとして既に容認されている。 当該技術分野においては、EAEがMBPおよび完全フロインド(Freund )アジュバンドでの免疫化により誘導可能であることがよく知られている。その ように免疫化された動物はEAEの症状を呈し、この症状には麻痺およびしばし ば死が含まれるががそれらには限定されない。MBPはヒトの多発性硬化症に関 連する自己抗原であり、これについての研究は継続中である。しかしながらこの 疾患に寄与する可能性のある他の要因および他の自己抗原についての研究が継続 されている(Immunology、2d Ed.J.Kuby、(1994) p.451−457)。 ミエリン希突起神経膠細胞糖蛋白質(MOG)として知られるようになった自 己抗原の最初の明白な指標がLebar、R. et al.(J.Immun ol (1976)116:1439−1446)に開示された。この研究は、 EAEモルモットの血清中のIgG2抗体を血清の補体依存的脱髄活性の原因と して同定した研究の結果を報告した。適切な抗体が中枢神経系(CNS)ミエリ ンのホモジネート中に存在する仮想的自己抗原と反応した。この自己抗原はCN Sミエリンの脳炎誘発性塩基性蛋白質(BP)とは異なることが示されている。 後続論文においては、そこではM2と表示されるこの既知の抗原は表面抗原と して同定されており、そしてマウス、ウサギ、ラット、ウシ、およびヒトのCN S組織、ならびにモルモット中に検出されている。Lebar,R. et a l.、J Exp Immunol(198 6)66:423−443として発表されている更に別の研究は、M2は27お よび54Kdに2本のバンドとして出現し、そしてこれらのバンドは糖蛋白質で あることを報告している。M2特異的であると仮定されるモノクローナル抗体も やはりこの論文に報告されている。 1987年の論文(Linington,C and Lassman、H. J.Neuroimmunol(1987) 17:61−69)においては 、そこではMOGと称されるM2の役割が部分的に解明されている。ラット中の 血清のインビボ脱髄性活性はこの抗−MOG抗体力価に関連することが見いださ れた。この著者は、MOGに対する抗体は、この場合では慢性再発性EAEであ るモデルの病原性に関与することを示唆している。このグループによる更に別の 研究が、Lassmann,H. et al.Acta Neuropath ol(Berl)(1988)75:566−576において一年後に報告され ており、EAEモデルにおける関連現象が更に進んで解明されている。この研究 は抗−MOG抗体と多数のT細胞との間の関連性を、観察される症状の性質を決 定する際に示している。Kerleio deRosbo,N.et al. J Neurochem(1990)55:583−587による更に後の論文 においては、MOGに対するモノクローナル抗体が凝集性脳細胞培養物における 脱髄を誘導することが示されている。Piddelsden,S. et al . Clin Exp Immunol(1991)83:245−250は、 補体活性化の重要性はEAEの過程において有意であることの研究を行った。 Sun,J. et al. J Immunol(1991)146:14 90−1495はMSを患者で直接研究し、そしてB細胞およ びT細胞の両方のMOGへの応答を評価した。この論文は、MOGへのT細胞応 答はクラスII拘束性であることを確立し、かつMOGが多発性硬化症における 重要な抗原であることを確認した。 精製マウスMOGはSDS−page免疫ブロット上で53Kdの微弱バンド を伴う26−28Kdの二重バンドとして泳動することが示され、これはMat thieu,J.−M.およびAmiguet,P. Dev Neurosc i(1990)12:293−302により報告されている。Amiguet, P.et al. J.Neurochem(1992)58:1676−16 82は、マウスMOGの化学的および酵素的脱グリコシル化が単一の25Kdペ プチドをもたらすことを示した。従って、この単量体形態のマウスMOGは25 kdのアミノ酸配列である。この論説は更に、マウス蛋白質のN−末端の最初の 約26アミノ酸をも開示している。Gardinier,M.V. et al . J.Neurosci Res(1992)33:177−187は幾つか のラットMOG cDNAを単離し、そしてマウスMOG N−末端ペプチド配 列との比較によりそれらの相同性を確認した。 Gardinier(上述)により取得されたラットcDNAは、27アミノ 酸の仮想的シグナルペプチドおよびその後に続く24,962ダルトンの換算分 子量を有する218アミノ酸の成熟MOGペプチドをコードする読み取り枠を有 していた。このマウス蛋白質について取得されるN−末端アミノ酸配列はラット cDNAから推定されるものに類似していた。 本発明は、ヒトMOG蛋白質の産生のための組換え物質、ならびにその全アミ ノ酸配列を提供する。この情報を用いるとMOG蛋白質もしく はMOG蛋白質のアミノ酸配列の一部分を表す有用なペプチドを決定することが 可能であり、そしてそれらはヒトにおける脱髄性自己免疫疾患の診断および治療 に有用である。その上、自己免疫疾患のためのスクリーニングおよびその治療用 組成物を開発する方法も開示される。発明の開示 本発明は、ヒトMOG蛋白質の全アミノ酸配列(配列番号2)、ならびにその 蛋白質およびその断片の産生のための組換え物質を提供する。アミノ酸配列の知 見は自己免疫疾患の診断および治療においても有用であるそれらのペプチド部分 の設計を可能にする。 従ってある態様において本発明は、場合によっては組換え的に産生される単離 および精製されたヒトMOG蛋白質、およびその断片に関し、それらは脱髄性自 己免疫疾患における症状の進展過程を調節する。他の態様では本発明は、MOG 蛋白質もしくはそのペプチド部分の産生に有用な組換え物質および方法に関する 。更に別の態様では本発明は、脱髄性自己免疫疾患の効果を緩和させる際の薬剤 学的組成物およびそれらの使用方法に関する。 他の態様では本発明は、保存的置換が既に行われており、そして天然に存在す るMOG蛋白質およびペプチドのT−細胞エピトープの特徴を示す単離および精 製されたヒトMOG蛋白質およびペプチドに関する。 更に別の態様では本発明は、脱髄性自己免疫疾患のためのスクリーニング、な らびに哺乳類、好ましくはヒトの多発性硬化症を診断、予防、もしくは治療が可 能なMOGもしくはその断片を含んでなる治療用組成物の同定のための方法を開 示する。図面の簡単な記述 図1は、ヒトMOG蛋白質をコードするDNAの全ヌクレオチド配列(配列番 号1)および推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。 図2は、本発明に有用なペプチドをアミノ酸配列により表示して示す(配列番 号4〜9、11、15、16、および42〜72)。 図3は、DR4のMHCクラスII産物に結合するペプチド上の所定の位置の 各天然アミノ酸の影響を示す表である。 図4は、DR4のMHCクラスII産物に結合する12のペプチド(配列番号 19〜32)についてのIC50の予想値および測定値の比較を示す表である。 図5aは、配列番号73〜93に相当し、かつ本発明に有用なペプチド(20 量体)をアミノ酸配列により表示して示す。 図5bは、少なくとも一つのT−細胞エピトープを含むヒトMOG1〜121 のペプチドをアミノ酸配列により表示して示す。 図6は、実施例3からのデータの棒グラフであり、このグラフ中、X−軸は4 つの異なる細胞株を含むウエルを示し、テストした7つのペプチドを別々の凡例 により示してあり、そしてY−軸は分当たりのカウント数を表し、この場合、こ のデータは各個々のペプチドに応答する各細胞株により取り込まれる3H−チミ ジン(CPM)として表わされる。発明の実施の態様 本発明は、脱髄性自己免疫疾患に関する自己抗原であるヒトMOGをコードす る核酸配列を提供する。本発明は更に、自己免疫応答を調節するのに有用である 本発明の核酸分子によりコードされるヒトMOGのサブユニットを表すペプチド を提供する。一般的には少なくとも12〜1 3程度のアミノ酸を含むこれらのサブユニットは、それらがヒトMOGのT−細 胞エピトープ領域に相当することを特徴とする。 多発性硬化症のような自己免疫疾患の症状の発症の病因は明らかと言うには程 遠い状態であるものの、所定の現象がこの症状の進行にとって重要であると考え られる。脱髄性自己免疫疾患はミエリン鞘での免疫系による攻撃に関連しており 、神経系の短絡回路に相当するものをもたらす。免疫系による攻撃はT−細胞に より媒介される。この場合ではミエリンの一部分であるヒトMOG自己抗原であ る特定抗原に対するT−細胞の応答は抗原提示細胞による抗原の取り込みおよび 後続の蛋白質分解的開裂、ならびにクラスII主要組織適合性遺伝子複合体(M HC)コード化蛋白質に関連する抗原の提示(これがT−細胞によるそれらの認 識を可能にさせる)を必要とする。従って自己抗原のT−細胞エピトープ領域は 、T−細胞レセプターへクラスII MHC蛋白質により表示される領域である 。関連するT−細胞は自己抗原のT−細胞エピトープ領域を提供することによる 複数のプロトコールで抗原特異的様式で非応答性になることが可能であり、この ことはこれ以降に更に詳細に記述される。 ヒトMOGをコードする核酸配列の一つの態様が演繹されるアミノ酸配列(配 列番号2)と共に図1(配列番号1)に示される。コードされる成熟蛋白質は2 18のアミノ酸を含み、全長蛋白質(シグナルペプチドを含む)はラットMOG 蛋白質と87%相同である。既述のように、ヒトMOGの推定アミノ酸配列の利 用性は哺乳類において免疫応答を誘導するそれらのペプチド断片、ならびにT− 細胞エピトープであるペプチド断片を設計する、すなわちT−細胞レセプターに より認識される分 子のそれらの部分を構築する機会を提供する。これらのペプチドおよび断片もや はり本発明の範囲内に含まれる。 ヒトMOGをコードする核酸配列を含むベクター(PVL1393、Phar mingen社、CA)で形質転換させた宿主細胞は、1994年9月8日にA merican Type Culture Collectionに寄託され ており、そして受託番号75554を得ている。 しかしながら本発明の範囲は、図1に記載されるアミノ酸配列によりコードさ れるヒトMOG蛋白質、もしくは表示される特異的核酸配列に限定される訳では ない。天然に存在する変異体、ならびに核酸配列それ自体を改変するためもしく はコードされる蛋白質を改変するために設計された計画的な突然変異体も本発明 の範囲内に含まれ、その詳細が以下に記載される。天然に存在する変異体に関し ては、DNA配列多形性、特にヒトMOGのアミノ酸配列に影響を与えはしない が配列多形性に影響を与えてアミノ酸配列の変化を誘導する「サイレント」突然 変異をもたらすものがヒト集団中に存在することが予想される。MOGをコード する配列の一つもしくは複数のヌクレオチド(ヌクレオチドの内の最高約1%) におけるこれらの変異体は天然の対立遺伝子変異体の結果である。このようなヌ クレオチドおよび得られるアミノ酸多形性のいずれかおよび全てが本発明の範囲 内に含まれる。その上、機能およびアミノ酸配列の点で、本明細書に開示される DNAによりコードはされるが別々の遺伝子によりコードされるMOGに関連す るMOGの一つもしくは複数の「ファミリー構成員」が存在する可能性がある。 このようなファミリー構成員もやはりヒトMOGおよびそれをコードするヌクレ オチド配 列の定義内に含まれる。 新規であり、かつヒトMOGもしくはその断片に免疫学的に関連する単離され た自己抗原蛋白質もしくはその断片(既に同定されているものを除く)は本発明 の範囲内に含まれる。これらは抗体の交差反応性もしくはT−細胞の交差反応性 により同定することが可能である。このような蛋白質もしくはその断片は本発明 の蛋白質もしくはペプチドに特異的な抗体に結合するか、あるいは本発明の蛋白 質もしくはペプチドに特異的なT−細胞を剌激化する。 「抗原性断片」は、完全な蛋白質よりは少な目のアミノ酸残基を有するアミノ 酸配列を意味し、そして哺乳類、好ましくはヒトにおける免疫応答を誘導する断 片もしくはペプチドを含み、その免疫応答とは例えば、IgGおよびIgM抗体 の産生の誘導、あるいは例えば増殖および/またはリンホカイン分泌および/ま たはT−細胞アネルギーおよび/またはTH1およびTH2サブセットの改変のよ うなT−細胞応答のようなものである。T−細胞エピトープを含む抗原性断片が 特に目的とされる。ペプチドは天然に存在するMOG配列もしくは保存的アミノ 酸置換が既に行われているペプチドから取得することが可能である。各々の例を 図2(配列番号4〜9、11、15、16、および42〜72)に示す。核酸の調製 ヒトMOGもしくはその抗原性断片をコードする配列を含む核酸分子はヒト脳 もしくは他のCNS組織に存在する逆転写mRNAにより、ならびにゲノムDN Aから取得することができ、そして標準的固相技術を用いて最も簡便に調製する ことが可能である。ポリデオキシヌクレオチドを化学的に合成する様々な方法が 知られており、それにはペプチド合 成のように市販品として入手可能な合成機中で全自動化されている固相合成が含 まれる(例えば、引用により本明細書に取り込まれるItakura et a l.、米国特許第4,598,049号;Caruthers et al.、 米国特許第4,458,066号;ならびにItakura、米国特許第4,4 01,796号および第4,373,071号を参照せよ)。本発明の核酸分子 もやはり先の要領で調製されるDNAから転写することが可能なRNAを含む。ヒトMOGおよびその断片の調製 本発明はまた、コード化蛋白質の産生のための発現系およびそれらの系で形質 転換させた宿主細胞をも提供する。宿主細胞には、例えば大腸菌(E. col )のような細菌細胞、昆虫細胞(バキュロバイラス)、イースト、あるいは例 えばチャイニーズ(Chainese)ハムスター卵巣細胞(CHO)のような 哺乳類細胞が含まれる。適切な宿主細胞、ならびに関連するプロモーター、エン ハンサー、および他の発現調節因子を含む発現ベクターは、Goeddel、G ene Expression Technology:Methods in Enzymology 185、Academic Press、San D iego、California(1990)中に見いだすことができる。他の 適切な宿主細胞および発現ベクターは当業者に知られている。 例えば哺乳類、イースト、もしくは昆虫細胞のような真核生物細胞中での発現 は、組換え蛋白質の部分的もしくは完全なグリコシル化および/または適切な鎖 間もしくは鎖内ジスルフィド結合の形成をもたらすことが可能である。イースト であるS.セレビシアエ(S. cerevisae)における発現用のベクタ ーの例には、pYepSec1(B aldari.et al.、(1987)Embo J 6:229−234 )、pMFa(Kurjan and Herskowitz、(1982)C ell 30:933−943)、pJRY88(Schultz et al .、(1987)Gene 54:113−123)、およびpYES2(In vitrogen Corporation社、San Diego、CA)が 含まれる。培養昆虫細胞(SF9細胞)中での蛋白質の発現に利用可能なバキュ ロバイラスベクターには、pAcシリーズ(Smith et al.、(19 83)Mol Cell Biol 3:2156−2165)およびpVLシ リーズ(Lucklow,V.A., and Summers,M.D.、(1 989)Virology 170:31−39)が含まれる。一般的にはCO S細胞(Gluzman,Y.、(1981)Cell 23:175−182 )が哺乳類細胞における一過性増幅/発現のためにpCDM8(Aruffo, A. and Seed,B.,(1987)Proc Natl Acad Sci USA 84:8573−8577)のようなベクターと組み合わせて 用いられるが、CHO(dhfr- チャイニーズ ハムスターの卵巣(hi nese amster vary))細胞が哺乳類細胞中の安定な増幅/ 発現用にpMT2PC(Kaufman et al.(1987)、EMBO J.6:187−195)のようなベクターと共に用いられる。ベクターDN Aは、例えばリン酸カルシウムもしくは塩化カルシウム共沈殿、DEAE−デキ ストラン−媒介性トランスフェクション、あるいは電気穿孔法のような通常の技 術を介して哺乳類細胞内に取り込ませることが可能である。宿主細胞を形質転換 させるための適切な方法は、S ambrook et al.(Molecular Cloning:A L aboratory Manual、2nd Edition、Cold Sp ring Harbor Laboratory press(1989))、 および他の研究室用の参考書に見いだすことができる。 当業者は様々な発現の方法を用いるが、原核生物における発現は融合もしくは 非融合誘導性発現ベクターのいずれかを用いて大腸菌(E. coli)中で最 も頻繁に実施される。融合ベクターは通常は、発現される標的遺伝子に多数のN H2末端アミノ酸を添加する。これらのNH2末端アミノ酸はしばしばレポーター 基として引用される。このようなレポーター基は通常は:1)標的組換え蛋白質 の可溶性を増加する;および2)親和性精製におけるリガンドとして作用するこ とにより標的組換え蛋白質の精製の際の補助を行うという2つの目的に役立つ。 融合発現ベクターではしばしば蛋白質分解性開裂部位がレポーター基と標的組換 え蛋白質との連結部に導入されて、レポーター基からの標的組換え蛋白質の分離 および後続の融合蛋白質の精製が可能となる。このような酵素およびそれらの同 族認識配列には、因子Xa、トロンビン、およびエンテロキナーゼが含まれる。 典型的な融合発現ベクターにはpGEX(Amrad Corp.社、Melb ourne、Australia)、pMAL(New England Bi olabs社、Beverly、MA)、およびpRIT5(Pharmaci a社、Piscataway、NJ)が含まれ、これらはグルタチオンS−トラ ンスフェラーゼ、マルトースE結合性蛋白質、もしくはプロテインAを各々を標 的組換え蛋白質に融合する。 誘導性非融合発現ベクターには、pTrc(Amann et al.、(1 988)Gene 69:301−315)およびpET11d(Studie r et al.、Gene Expression Technology; Methods in Enzymology 185、Academic P ress、San Diego、California(1990)60−89 )が含まれる。標的遺伝子発現はpTrcにおけるハイブリッドtrp−lac 融合プロモーターからの宿主RNAポリメラーゼ転写に依存する一方で、pET 11d内へ挿入される標的遺伝子の発現は同時発現されるウイルスRNAポリメ ラーゼ(T7 gn1)により媒介されるT7 gn10−lac0融合プロモ ーターからの転写に依存する。このウイルスポリメラーゼは、lacUV5プロ モーターの転写制御下でT7 gn1を宿す内在性gプロファージから宿主株B L21(DE3)もしくはHMS174(DE3)により供給される。 大腸菌(E. coli)内での発現を最大にするための一つの手法は、組換 え蛋白質を蛋白質分解的に開裂する損なわれた能力を有する宿主細菌内でその蛋 白質を発現することである(Gottesman,S.、Gene Expre ssion Technology:Methods in Enzymolo gy 185、Academic Press、San Diego、Cali fornia(1990)119−128)。他の手法は、各アミノ酸について の個々のコドンが高率で発現される大腸菌(E. coli)蛋白質内で優先的 に利用されるものとなるようにその遺伝子のコーディング配列を変化させること であろう(Wada et al.、(1992)Nuc Acids Res 20:2111−2118)。本発明の核酸配列のこのような改変は標 準的なDNA合成技術により実施することができるであろう。 コードされる遺伝子の発現の際には組換え蛋白質もしくはペプチド産物が分泌 され、そしてそれをその培地から回収することができる。別法では、この蛋白質 は細胞質に保持され、そしてその細胞を回収および溶菌し、そしてその蛋白質を 単離および精製することができる。細胞培養のための適切な培地は当業者に知ら れている。本発明の蛋白質およびペプチドを細胞培養培地、宿主細胞、もしくは その両者から蛋白質およびペプチドを精製するための当該技術分野に知られる技 術を使用して精製することができ、その技術には、イオン交換クロマトグラフィ ー、ゲル濾過クロマトグラフィー、金属親和性クロマトグラフィー、限外濾過、 電気穿孔法、および特異的抗体での免疫親和性精製が含まれる。用語「単離され た」および「精製された」は本明細書では互換的に用いられ、そして組換えDN A技術により産生される際には細胞性物質もしくは培養培地を実質的に含まない ペプチド、蛋白質、蛋白質断片、および核酸分子を、あるいは化学的に合成され る場合には化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まないペプチド、蛋 白質、蛋白質断片、および核酸分子を意味する。従って単離されたペプチドは組 換え的もしくは化学的に産生され、そして細胞性物質および培養培地を実質的に 含まないか、あるいは化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。抗原性断片および「抗原性」応答 所望される抗原性応答を誘導する本発明の蛋白質の断片(本明細書では抗原性 断片もしくはペプチドとして互換的に引用される)は、例えばその蛋白質の部分 に相当するペプチドをスクリーニングすることにより 取得することができる。これらのペプチドは当該技術分野に知られる技術を使用 して化学的に合成するか、あるいは組換え的にもしくは蛋白質分解を介して産生 することができる。例えば、この蛋白質をそれぞれの断片が重複しないように所 望の長さの断片に随意に分割させるか、あるいは好ましくは所望の長さの重複性 断片に分割することができる。それぞれの断片を検査してそれらの抗原性を決定 する(例えば、哺乳類で免疫応答を誘導するその断片の能力)。その蛋白質の断 片を治療目的に用いる予定であれば、例えば刺激化(すなわち増殖もしくはリン ホカイン分泌)のようなT−細胞応答を誘導可能であり、そして/またはT−細 胞アネルギーを誘導可能である断片が特に所望される。 脱髄性自己免疫疾患にかかりやすい個体に投与する際には、単離された蛋白質 、もしくはその好ましい抗原性断片は、その自己抗原へのその個体のB−細胞応 答、T−細胞応答、もしくはB−細胞およびT−細胞応答の両方を改変可能であ るか、あるいは症状の減退をもたらすことを示すことが可能である。本明細書に 引用される用に、症状の減退には、本発明のペプチドもしくは蛋白質での治療法 後の脱髄性特質の疾患状態のいずれかの減少が含まれる。この症状の減退は主観 的もしくは臨床的に決定することができる。 ヒトT−細胞刺激化活性は、自己抗原および/またはその自己抗原に由来する ペプチドと共に自己免疫状態を有する被験体から取得されたT−細胞を培養し、 そしてT−細胞の増殖が自己抗原および/またはペプチドに応答して生じるか否 かを例えばトリチウム化チミジンの細胞取り込みにより測定することで決定する ことにより検査することが可能である。T−細胞によるペプチドへの応答につい ての刺激化指数は対照CP Mで割られるペプチドへの応答での最大CPMとして算出することが可能である 。バックグラウンドレベルの二倍に等しいかもしくはそれを上回る刺激化指数( S.I.)が「陽性」とみなされる。陽性結果を用いて、検査した患者の群につ いて各々のペプチドにとっての平均刺激化指数を算出する。本発明の好ましいペ プチドは少なくとも一つのT−細胞エピトープを含み、そして1.5を上回るか もしくはそれに等しい平均T−細胞剌激化指数を有する。検査した患者の有意数 (すなわち検査した患者の内の少なくとも10%)で1.5を上回るかもしくは それに等しい平均T−細胞刺激化指数を有するペプチドを治療用試薬として有用 であると見なす。好ましいペプチドは少なくとも1.5の、より好ましくは少な くとも2.0〜3.0の平均T−細胞刺激化指数を有する。 好ましいペプチドはまた、ある患者中で比較的高率のT−細胞に影響を及ぼす それらの能力により同定することができる。この率は、ある患者からの複数の相 同培養物を限定数の白血球ならびに自己抗原および/またはその自己抗原からの ペプチドを用いて作成することにより測定される。個々の培養物を刺激化指数( 既述)により特定される要領で、ペプチドとの陽性反応性について分析する。ペ プチド反応性T−細胞の率は陽性剌激化指数を示す患者からの培養物のパーセン テージである。 その上、好ましいペプチドは少なくとも約100、より好ましくは少なくとも 約200、そして最も好ましくは少なくとも約300の陽性指数(P.I.)を 有する。あるペプチドについての陽性指数は、このようなペプチドへの少なくと も1.5、より好ましくは少なくとも2.0のT−細胞刺激化指数を有する自己 免疫患者の集団では(例えば、好ましくは少なくとも15人の個体、より好まし くは少なくとも30人の個 体、もしくはそれを上回る人数の個体)、個体のパーセントを平均T−細胞刺激 化指数とかけ合わすことにより決定される。従って陽性指数はあるペプチドへの T−細胞応答の強度(S.I.)および自己免疫個体の集団におけるペプチドへ のT−細胞応答の率の両方を意味する。 例えば巧妙なマッピング技術により正確なT−細胞エピトープを決定する目的 では、T−細胞刺激化活性を有し、そしてそのためT−細胞の生物学的技術によ り決定される少なくとも一つのT−細胞エピトープを含むペプチドを、そのペプ チドのアミノ末端もしくはカルボキシ末端のいずれかでのアミノ酸残基の添加も しくは欠損により改変させ、そして検査を行ってその改変化ペプチドへのT−細 胞反応性の変化を決定する。天然の蛋白質配列中の重複領域を共有する2つもし くはそれを上回るペプチドが、T−細胞の生物学的技術により決定した際にヒト T−細胞刺激化活性を有すると判明すれば、このようなペプチドの全てもしくは ある部分を含むさらなるペプチドを産生することが可能であり、そしてこれらの 追加的ペプチドを類似方法により検査することが可能である。この技術の後には ペプチドが選択され、そしてこれらは組換え的もしくは合成的に産生される。ペ プチドは様々な因子に基づいて選択されるが、それらの因子にはそのペプチドへ のT−細胞応答の強度(例えば刺激化指数)および自己免疫患者の集団中でのそ のペプチドへのT−細胞応答の率が含まれる。これらの選択されるペプチドの物 理学的および化学的特性(例えば可溶性、安定性)を調査して、これらのペプチ ドが治療的組成物での使用に適するか否か、あるいはこれらのペプチドが本明細 書に記載される改変を必要とするか否かを決定する。選択されたペプチドもしく は選択された改変化ペプチドがヒトT−細胞を刺激化する能力(例 えば増殖、リンホカイン分泌の誘導)が決定される。 治療的養生法で、ある被験体に投与する際には、本発明のT−細胞エピトープ −含有性ペプチドは、自己抗原へのその個体の応答を改変することが可能である 。 本発明の好ましいペプチドは全長蛋白質の少なくとも一つのT−細胞エピトー プを含み、そしてそのためこのペプチドは少なくとも約7、好ましくは少なくと も約12〜40、そしてより好ましくは13〜30のアミノ酸残基を含む。これ らのペプチドは縦列反復する単一エピトープおよび/または一つを上回るエピト ープを含む可能性がある。治療的効果の目的では、本発明の好ましい治療的組成 物は、好ましくは少なくとも2つのT−細胞エピトープを含む。その上本発明の 一つもしくは複数の好ましい単離されたペプチドを含む治療用組成物は、好まし くは全蛋白質の内の十分なパーセンテージのT−細胞エピトープを含み、そのた めその組成物の投与の治療的養生法は疾患症状の改善をもたらす。約45を下回 るアミノ酸残基、および最も好ましくは約30を下回るアミノ酸残基を含む本発 明の合成的に生成されるペプチドが特に所望され、それは長さの増加がペプチド 合成上の難題をもたらす可能性があるためである。本発明のペプチドは既述の要 領で組換え的に産生することもでき、そして45もしくはより長いアミノ酸から なるペプチドが組換え的に産生されることが好ましい。 T−細胞刺激化活性を有し、そしてそのために少なくとも一つのT−細胞エピ トープを含む単離された抗原性ペプチド断片が特に所望される。あるエピトープ を引用する際にはこのエピトープは、具体的には免疫グロブリン、組織的合成抗 原、およびT−細胞レセプターであるレセプタ ーによる認識の基本要素すなわち最小単位であり、その際このエピトープは天然 蛋白質のアミノ酸を含む。エピトープのものに類似するアミノ酸配列も使用する ことが可能である。T−細胞エピトープは、T−細胞レセプターによる認識の基 本要素すなわち最小単位であり、この場合このエピトープはレセプター認識にと って必須の自己抗原中のアミノ酸を含む。天然のT−細胞エピトープのものに類 似するアミノ酸配列もやはり本発明の範囲内に含まれる。T−細胞エピトープは 自己免疫応答の開始および永続に関与すると考えられる。これらのT−細胞エピ トープは抗原提示細胞の表面上の適切なHLA分子により提示されることにより Tヘルパー細胞のレベルで初期現象を開始させ、そのことによりそのエピトープ にとって適切なT−細胞レセプターを用いてT−細胞亜集団を刺激化すると考え られる。これらの現象はT−細胞増殖、リンホカイン分泌、局所的炎症反応、抗 原/T−細胞相互作用部位への追加的免疫細胞の増員、ならびに抗体の産生をも たらすB−細胞カスケードの活性化をもたらす。 自己抗原の少なくとも一つのT−細胞エピトープを含むペプチドもしくは蛋白 質への被検体の露出は適切なT−細胞亜集団に寛容、アネルギー、もしくはそう でなければ改変をもたらため、それらの被験体は自己抗原に非反応性になり、そ して免疫応答の剌激化に関与しなくなる可能性がある。その上、少なくとも一つ のT−細胞エピトープを含む蛋白質もしくはペプチドの投与は天然に存在する自 己抗原への露出と比較してリンホカイン分泌特性を改変する可能性がある(例え ば、IL−4の減少および/またはIL−2の増加をもたらしてTH1およびT H2集団の改変を生じる)。その上、このような蛋白質もしくはペプチドへの露 出 は、正常状態では自己抗原への応答に関与しているT−細胞亜集団に影響を与え 、そのためこれらのT−細胞が自己抗原への正常露出の部位(一つもしくは複数 )(例えばCNSの組織)からその蛋白質もしくはそれに由来するペプチドの治 療的投与の部位(一つもしくは複数)へと撤退する可能性がある。T−細胞亜集 団のこの再分布は個体の免疫系の能力を改善もしくは低減させて自己抗原への正 常露出の部位での通常の免疫応答を刺激化して症状の減退をもたらす可能性があ る。 どのペプチドがある特別な疾患についてのT−細胞エピトープ−含有性ペプチ ドであるかを決定する際には、当業者は各許容される多くの方法での作業を試み るであろう。本発明では、選択された方法は限定を意味するのではない。ある作 業を試みる一つの様式の選択は、例えば一群のペプチドからのそれらしいT−細 胞エピトープ−含有性ペプチドの選択のような当業者による別の方法により同一 結果を達成することが可能な他の様式を排除することを意図するのではない。一 般的には本出願では、本明細書中により詳細に説明されるように、ある蛋白質を 精製および分析し、ペプチドを検査用に選択し、選択されたペプチドを産生させ 、そしてその選択されたペプチドをT−細胞エピトープの特徴的な性質について 検査する。ヒトMOGのT−細胞エピトープ領域 MOG自己抗原へのある被験体の応答を調節する、ヒトMOGに由来するペプ チドも本発明内に含まれる。そのようなペプチドについてのそれらしい候補物を 、先に論議される要領および/またはHLA DR蛋白質を結合する候補物の親 和性についての検査(HLA DR蛋白質を取得するための方法は、「HLA DR蛋白質の精製および分析」と題 される以下の項目に詳細に論じされる)を行ってT−細胞増殖における効果につ いて検査することが可能である。このようなペプチドは、例えばB−細胞および /またはT−細胞応答に影響を及ぼす能力について調査予定のペプチドとして産 生されるはずの構造を調査することおよび適切な領域を選択すること(組換え発 現系を介して、合成的に、もしくはそれ以外の方法で)、ならびにこれらの細胞 により認識されるエピトープを含むペブチドを選択することにより同定すること ができる。このようなペプチドを同定する一つの方法には、ヒトMOG蛋白質抗 原を所望される長さの非重複性もしくは重複性ペプチドに分割し、そしてそれら のペプチドの合成、精製、および検査を行って、それぞれのペプチドが少なくと も一つのT−細胞エピトープを含むか否かをいずれかの数のアッセイを用いて決 定することが含まれる。他の方法では、これらのペプチドを予測するのにアルゴ リズムが用いられている。当業者に知られる他の方法も利用することが可能であ る。本出願においては、これらのペプチドの内の所定のものを、本明細書中によ り詳細に論議される要領でアルゴリズムを用いて選択した。 37の天然に存在する13量体を(天然に存在するペプチドの3つのアナログ と共に)図2(配列番号4〜9、11、15、16、および42〜72)に示し たが;アミノ酸の長さは随意に選択される。これらのペプチドは、至適MHCク ラスII結合を予想するアルゴリズムに従って選択された。そのペプチドを適切 なT−細胞レセプターに結合可能にさせる目的では、それがクラスII MHC 蛋白質に結合可能であることが必須である。各々のN−および/またはC−末端 から1〜2のアミノ酸を除去し、かつ依然としてMHC結合活性を維持させてお くことが 可能である。これらのペプチドはアミノ酸配列により表示され、そして図1(配 列番号2)の位置1〜218として示される成熟アミノ酸配列の内の表示領域を 表す。これらのサブユニットペプチドはクラスII MHC蛋白質に結合するそ れらの能力を特徴とし、そのためT−細胞エピトープとして効果的に提示される 能力を有する(Rothbard,et al.、The EMBO Jour nal 7:93−100、1988)。クラスII MHC蛋白質への結合の ための必須(しかし十分である必要はない)条件は、例えばグリシン、アラニン 、セリン、スレオニン、もしくはシステインのような小アミノ酸残基から4−ア ミノ酸の距離を隔てる疎水性側鎖残基、好ましくはチロシン、フェニルアラニン 、もしくはトリプトファン残基の存在であり、そしてイソロイシニン、ロイシン 、バリン、もしくはメチオニン残基の存在はあまり所望されない。図2(配列番 号4〜9、11、15、16、および42〜72)に示される全てのMOGペプ チドはこれらの最低条件を満たす。更に図2に示されるように、これらのペプチ ド全ては所定の対立遺伝子によりコードされるMHC蛋白質に結合するそれらの 能力に関して既に検査してある。図中のIC50値により示されるように、これら のペプチドの内の大部分のものはDRB1*0101およびDRB1*1501 の両方に強固に結合する。ペプチド結合の特異性は以下に記載される阻害アッセ についての項目に含まれる。図2は、選択のためのアルゴリズムの代表例であ ることが意図され、そしてこれらは非常に有用である。しかしながらこれは全て を含む訳ではなく、それは他の有用な可能性のある抗原性ペプチドが存在する可 能性があるためである。 前の文節に記載される、ペプチドを同定するための基準として用いら れる疎水性残基と小残基との間の4つのアミノ酸間隔の必要性は以下に示す実験 的プロトコールを用いて既に立証されており:この設計の実験は、全てのペプチ ドがほぼ相同の位置にペプチド主鎖との相互作用による向きで結合し、そして密 接に関連する立体配座を適用することを仮定している。この設計の実験はMHC クラスII分子の結合部位を結合に特異的に寄与する個別の亜部位に分割するこ とが可能であり、結合の総括的な自由エネルギーは、あるペプチドがそのポケッ トで形成する有利および有害な接触の総計であり、そして各々のポケット内での ペプチドの間の相互作用を独立に観察することが可能であるということも仮定し ていた。この実験の結果はこれらの仮説、ならびに側鎖における主鎖相互作用の ための個別の条件を有する単純な多項式としての結合の自由エネルギーのモデル を支持する。一般的な長さのペプチドについてはその主鎖の条件は一定である一 方で、側鎖の寄与はそれらの構造ならびに結合部位での相補的ポケットの化学組 成およびサイズに依存して変化するであろう。各側鎖の位置の相対的重要性は対 立遺伝子およびイソタイプに依存して変化するであろうが、一般的にはペプチド 結合は個別の独立した減少の総計として観察することが可能である。 従って、出願者の実験の結果は、一般的な長さのいずれかの配列の見かけの親 和性はモデルペプチドの各位置での天然のアミノ酸の相対的効果のデータベース を基にする実験的に決定される値の内の2もしくは3の因子の範囲内で予想する ことができる。簡素化ペプチド、AAYAAAKAAAAAA(配列番号33) の中央11カ所の位置での全ての可能な一置換化アナログを合成し、そしてDR B1*0401(正式にはDR4DW4と称される)への結合についてアッセイ した。各アナログ の測定されるIC50値から、親の簡素化ペプチドに関する比率を算出した。これ らの比率および測定値を図3に示す。その後にこれらの比率を用いて、図4に示 される広範囲の親和性でDRB1*0401に結合することが知られるペプチド に相当する12の無関係の天然配列(配列番号19〜32)の親和性を予測した 。図3および4に示されるデータは、このモデルが4つのアミノ酸の間隔を予測 するのに有用であり、かつ実験結果に矛盾しないことを証明する。このモデルを 用いると13量体の候補物がそれらしいT−細胞エピトープ−含有性ペプチドと して選択された。HLA DR蛋白質の精製および分析 HLA−DR(ヒトHMC蛋白質)分子の洗剤溶解化および親和性精製につい て用いられる方法は、Gorga(J.Biol.Chem.262:1608 7−16094、1987)およびBuelow(Eur.J.Immunol . 23:69−76、1993)により記載されるものに類似していた。簡潔 に記載すると、DRB1*0101およびDRB1*1501対立遺伝子につい ての遺伝子でトランスフェクトさせたCHO細胞(Marshall et a l.、J.Immunol.、152:4946−4957、1994)を、1 0%の熱不活化ウシ胎仔血清(FCS)、2mMのグルタミン、および抗生物質 を補足してあるRPMI 1640培地中で増殖させた。細胞を回収し、PBS 中で洗浄し、1%のNP−40で溶菌させ、そしてその上清を遠心分離により核 破片から分離した。溶解化させたMHCクラスII蛋白質を、セファロース(S epharose)CL4Bに結合させたモノクローナル抗体LB3.1を用い て親和性精製した。クラスII蛋白質 を1%のオクチル−β−D−グルコピラノシド(オクチルグルコシド)、50m Mのリン酸(pH11.5)で溶出させ、そして即座に1Mのリン酸(pH6. 0)を用いて中和した。精製化αβヘテロ二量体をBio−Gel A0.5の 60cm×2.5cm直径のカラムを用いるサイズ排除法により単離した。この ヘテロ二量体を含む分画をAmicon Centri−Prep(商標)30 装置を用いて500μg/mlの公称濃度に濃縮した。 この物質の純度は既述の要領(Buelow et al.、1993)で、 SDS−PAGE、高速サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)、および エドマン(Edoman)配列決定法によりアッセイした。このHPSECカラ ムはBIOSEP SEC−S3000(300×7.5mm)(Phenom enex社)であり、1.0%のオクチルグルコシドおよび1.0%のアセトニ トリルを含むPBSの緩衝系を用いて0.800ml/分の流速(作業あたり約 25分)で溶出させた。蛍光検出機を設置してトリプトファンの蛍光をモニター した(λex=282nm、λem=348nm)。阻害アッセイ ペプチド結合アッセイは既述の要領で実施した(Hill et al.、1 994)。簡潔に記載すると、親和性精製したクラスII蛋白質(10nM)を 96ウエルのポリプロピレン製プレート(Coster社)中、pH6.5で1 .0%のオクチルグルコシドを含むPBS中で、テストペプチドの一連の希釈液 および固定濃度のビオチニル化HA 307−319(2nM)と共に16時間 、37℃でインキュベートした。DR−ペプチド複合体(50μL)を二重検査 用に、モノクロー ナル抗体LB3.1で予備コートしてある96−ウエルのマイクロタイタープレ ートの各ウエルに移し、そしてウシ胎仔血清で遮断した。余剰のペプチドを、0 .02%のTween 20および0.05%のNaN3を含むPBSでの洗浄 により除去した。ユーロピウムラベル化ストレプトアビジン(Pharmaci a社)を添加し、そして一晩インキュベートした。洗浄後、0.1%のTrit on X−100、15μMの2−ナフチルトリフルオロアセトン、および50 pMの酸化トリ−N−オクチルホスフィンを含む0.1Mの酢酸塩/フタル酸塩 緩衝液(pH3.2)の溶液を添加してストレプトアビジンからキレート化ユー ロピウムを解離させた。得られる蛍光(これは結合したビオチニル化HA 30 7−319の量に比例した)を蛍光プレート測定機(DELPHIA LKB/ Pharmacia社)を用いて測定した。このデータを特異的クラスII蛋白 質に結合するテストペプチドの濃度を算出する結合機能にこのデータを適合させ ることにより分析したが、このことにより対応するIC50値による等級づけを行 うことが可能であり、この場合、より低い値がより良い結合ペプチドに相当する 。MOGエピトープを同するのに用いられるT−細胞アッセイ T−細胞アッセイはT−細胞エピトープの同定を更に綿密に行うために実施し た。末梢血リンパ球をヒトボランティアのHLA−DR2陽性ドナーから、本明 細書の実施例2に概略が記載される技術を用いて単離した。検査用に選択された MOGペプチドは: であった。ヒトMOGペプチドへのT−細胞応答のこのような一つの研究の結果 を図6に説明する。この結果は、MOG1−13(配列番号42)は境界線上の T−細胞エピトープ−含有ペプチドであることを説明および指示していた。その 上同一データが、MOG 103−115(配列番号55)が少なくとも一つの エピトープを含むことを強く示唆していた。更にその上これらの結果は、全体で 13量体を下回るペプチドがT−細胞エピトープ−含有性ペプチドであることが できるという可能性を排除してはいない。 その上、多発性硬化症(Multiple Sclerosis)を患うヒト 患者のT−細胞応答が実施例4に論議されており、ここではMOGペプチド(2 0アミノ酸の長さであり、そして図5aに示される)の混合物は多発性硬化症( Multiple Sclerosis)の原因となる自己抗原についての少な くとも一つのT−細胞エピトープを含むことが見いだされた。その上これらの結 果は全体で20量体を下回るペプチドがT−細胞エピトープ−含有性ペプチドと なることができるという可能性を排除しはしない。 本発明の蛋白質もしくはペプチドの構造を、可溶性を増加させること、治療的 もしくは予防的効率、あるいは安定性(例えば、エックスビボでの保存性、およ びインビボでの蛋白質分解への耐性)を冗進させることのような目的のためにか 、そうでなければ一般的には保存的置換および 改変法により改変することが可能である。例えばアミノ酸置換、欠失、もしくは 添加によりアミノ酸配列を既に変化させてある改変化蛋白質もしくはペプチドを 産生させて免疫原性を改変させるか、あるいはある構成成分を同一目的で予め付 加させてあるものを産生させることが可能である。図2は、3つのこのようなア ミノ酸であるヒトMOG 70−82,A78(配列番号8);ヒトMOG74 −86,A78(配列番号53);およびヒトMOG88−100,K89,S 98(配列番号9)を示す。 改変化は、適切なT−細胞サブセットを認識する能力が変化しないような様式 で行われる必要がある。当該技術分野では、アミノ酸側鎖のどの位置がAPCの 上部表面に配向しているか、およびどれが内向きになっているかが一般的に理解 されている。内向きであるものは改変についての適切な候補物であり、それはそ れらが適切なT−細胞レセプターへの結合に影響を及ぼすことがあまりなさそう であることが明らかであるためである。 本発明のある態様はその蛋白質の少なくとも一つのT−細胞エピトープを含み 、かつ図2、5a、および/または5bに示されT−細胞レセプター結合にとっ て重要であるペプチドの領域を含むペプチド、あるいは先に記載されるその改変 化形態(場合によっては無関係のアミノ酸配列でN−および/またはC−末端を 伸長してある)を特徴とする。 本発明の他の態様は、先に記載される少なくとも2つのT−細胞エピトープを 含むペプチドを提供する。これらのT−細胞エピトープは相同であることができ るか、あるいはヒトMOGに適切な異なるT−細胞エピトープであることができ る。先により詳細に記載されるように、これ らのT−細胞エピトープは典型的には少なくとも7のアミノ酸、好ましくは12 〜40のアミノ酸、一層より好ましくは13〜30のアミノ酸の長さである。所 望される場合には、T−細胞エピトープのアミノ酸配列をリンカーに連結させて 、抗原提示細胞によるプロセシングへの感受性を増加させることが可能である。 このようなリンカーはいずれかの非エピトープアミノ酸配列、あるいは他の適切 な結合剤もしくは連結剤であることが可能である。少なくとも2つのT−細胞エ ピトープを含む好ましいペプチドでは、これらのエピトープは天然のヒトMOG 蛋白質中のエピトープの天然に存在する立体配座と同一もしくは異なる立体配座 で整列する。例えば、T−細胞エピトープ(一つもしくは複数)を隣接的もしく は非隣接的立体配座で整列させることが可能である。非隣接的とは、エピトープ 間に追加的残基を含むT−細胞エピトープ(一つもしくは複数)の配列として特 定される。その上、これらのT−細胞エピトープは非連続的な順序で整列させる ことが可能である(例えば、そのT−細胞エピトープ(一つもしくは複数)を取 得してくる天然の蛋白質のアミノ酸の順序とは異なる順序)。本発明のペプチド は少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40% 、少なくとも60%、あるいはそれらを上回るヒトMOGのT−細胞エピトープ を含むことが可能である。 好ましいペプチドは先に論議されるT−細胞エピトープの2つもしくはそれを 上回るものの様々な組み合わせ物を含む。2つもしくはそれを上回るエピトープ の組み合わせ物を含む好ましいペプチドは、それらのペプチドが図2(配列番号 4〜9、11、15、16、および42〜72)、図5a、ならびに図5b中の ものから選択される配列を含むもの である。 本発明の蛋白質もしくはペプチドは、それがT−細胞非応答性を誘導する能力 を維持し、かつ免疫原性形態で投与される場合に強力な応答もしくはいずれかの 増殖性応答を誘導する能力を伴うことなくMHC蛋白質に結合するように改変す ることが可能である。この事例では、T−細胞レセプター機能のための重大な結 合性残基を既知の技術(例えば、各残基の置換、およびT−細胞反応性の存在も しくは非存在の決定)を用いて決定することが可能である。T−細胞レセプター との相互作用に必須であることが見いだされているこれらの残基は、必須アミノ 酸を、それらの存在がT−細胞反応性を冗進もしくは後退させるが誘導はさせな いことが知られている他の残基、好ましくは類似のアミノ酸残基(保存的置換) で置換することにより改変することが可能である。その上、T−細胞レセプター 相互作用にとって必須ではないこれらのアミノ酸残基は、それらの取り込みがT −細胞反応性を冗進もしくは後退させる可能性があるが、適切なMHCへの結合 を誘導することのない他のアミノ酸により置換することにより改変することが可 能である。 その上本発明のペプチドは、MHC蛋白質複合体との相互作用に必須であるこ とが示されているアミノ酸を、その存在がT−細胞活性を冗進もしくは後退させ るが誘導はしないことが示されている他のもの、好ましくは類似のアミノ酸残基 (保存的置換)で置換することにより改変することが可能である。高親和性でM HCを結合するペプチドは一層低い濃度でインビボでのT−細胞免疫受動を付与 するはずであると考えられる。その上、MHC蛋白質複合体との相互作用にとっ ては必須ではないが、結合されたペプチド上には存在するアミノ酸残基を、その 取り込み がT−細胞反応性を冗進もしくは後退させる可能性があるが誘導はしない他のア ミノ酸により置換することにより改変することが可能である。非必須アミノ酸に ついての好ましいアミノ酸置換には、アラニン、グルタミン酸、もしくはメチル アミノ酸での置換が含まれるが、これらに限定はされない。 蛋白質もしくはペプチドの改変の他の例は、ジスルフィド結合を介する二量化 を最低限にするためのシステイン残基の、好ましくはアラニン、セリン、スレオ ニン、ロイシン、もしくはグルタミン酸残基での置換である。その上、本発明の ペプチドのアミノ酸側鎖を化学的に改変することが可能である。他の改変はその ペプチドの環化である。 安定性および/または反応性を冗進させる目的では、本発明の蛋白質もしくは ペプチドを改変させて、いずれかの天然の対立遺伝子変異体から生じる蛋白質自 己抗原のアミノ酸配列内に一つもしくは複数の多形性を取り込ませることが可能 である。その上、D−アミノ酸、非天然のアミノ酸、もしくは非アミノ酸アナロ グを置換もしくは添加して、本発明の範囲内の改変化蛋白質もしくはペプチドを 産生することが可能である。その上、本発明の蛋白質もしくはペプチドを、A. Sehonおよび共同研究者(Wie et al.、上述)の方法に従ってポ リエチレングリコール(PEG)を用いて改変させてPEGと複合体形成させた 蛋白質もしくはペプチドを産生することが可能である。その上、PEGを本発明 の蛋白質もしくはペプチドの化学合成中に添加することが可能である。蛋白質も しくはペプチド、あるいはそれらの部分の改変には、還元/アルキル化(Tar r:Methods of Protein Microcharacteri zation、J.E.Silver ed.、Humana Press、Clifton NJ 155−194 (1986)中);アシル化(Tarr、上述);適切な担体への化学的カップ リング(Mishell and Shiigi、eds、SeleCted Methods in Cellular Immunology、WH Fr eeman、San Francisco、CA(1980)、米国特許第4, 939,239号)、あるいは緩和なホルマリン処理(Marsh(1971) 、Int Arch of Allergy and Appl Immuno l 41:199−215)も含まれる。 本発明の蛋白質もしくはペプチドの精製を容易にさせ、かつ可能であらばそれ らの可溶性を増加させるためには、そのペプチド主鎖に、あるアミノ酸レポータ ー基を添加することが可能である。例えばヘキサヒスチジンを、固定化金属イオ ン親和性クロマトグラフィーによる精製のために蛋白質もしくはペプチドに添加 することが可能である(Hochuli,E. et al.、(1988) Bio/Technology 6:1321−1325)。その上、無関係の 配列を含まない蛋白質もしくはペプチドの単離を容易にするためには、特異的エ ンドプロテアーゼ開裂部位をそのレポーター基とその蛋白質もしくはペプチドと の配列間に取り込ませることが可能である。ある蛋白質抗原に対してある個体を うまく脱感作させる目的では、ある蛋白質もしくはペプチドの可溶性を、その蛋 白質もしくはペプチドに官能基を添加することによるか、あるいはその蛋白質の 疎水性領域を消去することにより増加させることが必須である可能性がある。 可能性として、あるペプチド内でのT−細胞エピトープの適切な抗原 プロセシングを補助するには、標準的なプロテアーゼ感受性部位を、各々が少な くとも一つのT−細胞エピトープを含む領域間に組換え法もしくは合成法を介し て工学的に作成することが可能である。例えば、KKもしくはRRのような帯電 化アミノ酸対をあるペプチド内の領域間に、そのペプチドの組換え構築中に導入 させることが可能である。得られるペプチドをカテプシンおよび/または他のト リプシン様酵素による開裂に感受性にさせることが可能であり、このことにより 一つもしくは複数のT−細胞エピトープを含むペプチドの部分が作成される。そ の上、このような帯電化アミノ酸残基はあるペプチドの可溶性の増加をもたらす ことが可能である。 本発明のペプチドもしくは蛋白質をコードするDNAの部位特異的突然変異誘 発を使用して、当該技術分野に知られる方法によりそのペプチドもしくは蛋白質 の構造を改変することが可能である。このような方法は中でも、一つもしくは複 数の突然変異を有するオリゴヌクレオチドプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖 反応(PCR)(Ho et al.、(1989)Gene 77:51−5 9)、もしくは突然変異化遺伝子の全合成(Hostomsky,Z. et al.、(1989)Biochem Biophys Res Comm 1 61:1056−1063)を含むことができる。組換え蛋白質発現を促進させ るには既述の方法を適用させて、本発明のcDNA配列中に存在するコドンを、 組換え蛋白質が発現される宿主細胞により優先的に利用されるものに変化させる ことが可能である(Wada et al.、上述)。 単離された蛋白質および/または抗原性断片を、脱髄性自己免疫応答の診断、 治療、および予防の方法に用いることが可能である。従って本 発明は、単離されたヒトMOG(配列番号1および2)もしくはその抗原性断片 、および薬剤学的に許容される担体もしくは賦形剤を含む治療用組成物を提供す る。その上この単離された蛋白質および/または断片を自己免疫疾患のためのス クリーニングに、および治療用組成物についての候補物の開発のために用いるこ とが可能である。薬剤学的組成物 本発明の治療用組成物の投与は既知の方法を使用して、その疾患を改善するの に効果的な用量および期間実施することが可能である。単一ペプチドもしくは蛋 白質を含む組成物に加え、各々がヒトMOGの少なくとも一つのT−細胞エピト ープを含む少なくとも2本のペプチドの混合物(例えば、少なくとも2本のペプ チドの物理学的混合物)も提供することが可能であり、このような組成物は薬剤 学的に許容される担体もしくは賦形剤を含む治療用組成物の形態で投与すること が可能である。その上更に、この治療用組成物は少なくとも2つの領域(その各 々の領域はMOGの少なくとも一つのT−細胞エピトープを含む)を含むペプチ ドを含む可能性があり、かつそれらの領域をヒトMOG中の領域の天然に存在す る立体配座とは異なる立体配座で整列させることができる。一つもしくは複数の このような組成物の治療的有効量を同時もしくは連続的に投与することが可能で ある。 同時もしくは連続的に投与することが可能なペプチドの好ましい組成物ならび に好ましい組み合わせ物は、図2(配列番号4〜9、11、15、16、および 42〜72)、5a(配列番号73〜80、82、83)、および5b(ヒトM OG蛋白質(配列番号2)の内の最初の121アミノ酸)において示されるアミ ノ酸配列、より好ましくはMOG1 〜13(配列番号42)およびMOG103〜115(配列番号55)を含むペ プチドを含む。 治療用組成物の有効量はその個体の罹患の度合い、その個体の年齢、性別、お よび体重、ならびにその個体において抗原応答を誘導するその蛋白質もしくはそ の断片の能力のような因子に依存して変化するであろう。投与剤の養生法を調節 して至適治療応答を提供することができる。例えば、幾つかに分割される用量を 毎日投与することができるし、あるいはその用量を治療状況の用件により指示さ れる際に部分的に減少させることができる。 その蛋白質、ペプチド、もしくはそれらの薬剤学的組成物を、注射(皮下的、 静脈内的など)、経口投与、舌下投与、吸入、経皮的適用、もしくは経腸投与に よるような都合の良い様式で投与することができる。投与の経路に依存して組成 物は、不活化を生じる可能性がある酵素、酸、および他の天然の条件から保護す るための物質でのコーティングを含むことができる。 注射による投与のためには、例えば用量単位当たり約1μg〜3mgの、そし て好ましくは約20μg〜750μgの蛋白質もしくはペプチドが典型的である 。注射用使用に適する薬剤学的組成物には、滅菌水性溶液(水溶性である場合) もしくは分散液、および滅菌注射用溶液もしくは分散液の処方箋に応じる製剤用 の滅菌粉末がある。全ての事例において、組成物は滅菌される必要があり、かつ 容易なシリンガビリティー(syringability)が存在する程度に流 動的であるべきである。組成物は製造および貯蔵の条件下で安定であるべきであ り、かつ細菌および真菌類のような微生物の混在性作用に対して保護されるべき である。この担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロー ル、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それら の適切な混合物、ならびに植物油を含む溶媒もしくは分散性媒質であることが可 能である。適切な流動性を、例えばレシチンのようなコーティングの使用により 、分散液の場合には要求される粒子サイズの維持により、そして界面活性剤の使 用により維持することが可能である。微生物の作用の予防は、例えばパラベンズ (parabenz)、クロロブタノール(chlorobutanol)、フ ェノール(phenol)、アスコルビン酸、およびチメロサル(thimer osal)などの様々な抗生物質および殺真菌剤により達成することが可能であ る。多くの事例では、例えば糖、ポリアルコール類(例えばマニトール、ソルビ トール、塩化ナトリウム)のような等張剤をその組成物内に含むことが好ましい であろう。注射用組成物の持続的吸収は、その組成物中に吸収を遅延させる試薬 (例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を含ませることによ り成し遂げることが可能である。 滅菌注射用溶液は、適切な溶媒中の必要量の活性成分を必要に応じて先に列挙 される一つもしくは組み合わせた成分と共に取り込ませること、およびその後に フィルター滅菌を施すことにより調製することが可能である。一般的には分散液 は、基本的な分散培地を含む滅菌賦形剤内に活性化合物、ならにび先に列挙され るものからの必要とされる他の成分を取り込ませることにより調製される。滅菌 注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合には、調製の好ましい方法は吸引乾燥 および凍結乾燥であり、これらの方法により予め滅菌濾過されているその溶液か らのいずれ かの追加的な所望される成分を含む活性成分(すなわち、蛋白質もしくはペプチ ド)の粉末が産生される。 この蛋白質もしくはその断片は適切な賦形剤もしくはアジュバント中で個体に 投与することができ、酵素阻害剤と共に同時投与すること、もしくはリポソーム のような適切な担体中で投与することができる。薬剤学的に許容される賦形剤に は食塩水および水性緩衝溶液が含まれる。アジュバントは最も広い意味で用いら れ、そして例えばインターフェロンのようないずれかの免疫刺激性化合物を含む 。本明細書中で考慮されるアジュバントには、レゾルシノール類、非イオン性界 面活性剤類(例えばポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシ ルポリエチレンエーテル)が含まれる。酵素阻害剤には、膵臓のトリプシン阻害 剤、ジイソプロピルフルオロリン酸エステル(DEP)、およびトラシロールが 含まれる。リポソームには水中油中水型のCGF乳剤、ならびに通常のリポソー ム(Strejan et al.、(1984)J.Neuroimmuno l.7:27)が含まれる。T−細胞の非応答性を誘導する目的にはこの治療用 組成物は、非免疫原的形態(例えばアジュバントを含まないもの)で投与される ことが好ましい。 蛋白質もしくはペプチドが既述の用量で適切に保護される際には、この蛋白質 もしくはペプチドを、例えば不活性賦形剤もしくは同化可能な食用担体と共に経 口的に投与することができる。この蛋白質もしくは他の成分を硬質もしくは軟質 シェルのゼラチンカプセル中に封入すること、錠剤に圧縮すること、あるいは個 体の食事中に直接取り込ませることもできる。経口治療用投与については、その 活性成分を賦形剤投与共に取り込ませること、および摂取用錠剤、バッカル錠剤 、トローチ剤、カプ セル剤、エレキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、およびウエハス剤などの形態で用 いることができる。このような組成物および製剤は有効量を含む。このような薬 剤学的に有用な組成物中の活性化合物の量は、適切な用量が取得されるであろう ものである。本発明に従う好ましい組成物もしくは製剤は、経口用量単位が約1 0μg〜約200mgの間の活性化合物を含むように調製される。 本明細書中に用いられる際には、用語「薬剤学的に許容される担体」は、いず れかのおよび全ての溶媒、分散用媒質、コーティング剤、抗生物質および殺真菌 剤、等張剤および吸収遅延化剤などを含む。薬剤学的に活性な物質のためのこの ような媒質および試薬の使用は当業者によく知られている。いずれかの通常の媒 質もしくは試薬がその活性化合物に不適合である限りはそれを除外して、治療用 組成物におけるその使用が考えられる。補足的活性化合物をその組成物中に取り 込ませることも可能である。 投与の簡便化および用量の均一性のために用量単位形態で非経口用組成物を製 剤することが特に有利である。本明細書で用いられる用量単位形態は、治療予定 の哺乳類被検体のための単一用量として適する物理学的個別の単位を意味し;各 単位は必要とされる薬剤学的担体と共同して所望される治療効果を産生するよう 計算された予め決定された量の活性化合物を含む。本発明の用量単位形態の具体 的記述は、(a)その活性化合物の独特な特性および達成予定の特別な治療効果 、ならびに(b)個体の感受性の治療のためのそのような活性化合物を化合する ことの当該技術分野における固有の制限、により決定され、かつこれらに直接的 に依存する。 本発明は、各々が少なくとも一つのT−細胞エピトープを含む少なくとも2本 のペプチド(例えば、少なくとも2本のペプチドの物理学的混合物)を含む組成 物をも提供する。このような組成物を、本明細中にこれまでに記載される薬剤学 的に許容される担体もしくは賦形剤を伴う治療用組成物の形態で個体に投与する ことができる。一つもしくは複数のこのような組成物の治療的有効量を同時もし くは連続的に投与することが可能である。診断法 本発明の蛋白質もしくはペプチドは、自己免疫疾患の診断および治療のための 薬剤の標準化のために「精製化」形態で用いることが可能である。単離および精 製された蛋白質もしくはペプチドは診断の際の使用のための抗血清もしくはモノ クローナル抗体を調製するのに有用でもある。例えばマウスもしくはウサギのよ うな動物を、この単離化蛋白質もしくは単離化ペプチドの免疫原性形態で免疫化 することが可能であるが、必要であらば担体にカップリングさせることによるか 、あるいは当該技術分野においてよく知られる他の技術によりある蛋白質もしく はペプチドに免疫原性を付与させて先の免疫化を行うことも可能である。この蛋 白質もしくはペプチドをアジュバントの存在下で投与することが可能であり、そ して免疫化の進展を血漿もしくは血清中の抗体力価の検出によりモニターするこ とができ、そして標準的なELISAもしくは他の免疫アッセイを抗原としての 免疫原と共に用いて抗体レベルを評定することができる。 免疫化後には抗血清を取得し、そして所望であらばその血清からポリクローナ ル抗体を単離することができる。モノクローナル抗体を産生す るには、抗体産生性細胞(リンパ球)を免疫化動物から回収し、そして標準的な 体細胞融合方法により骨髄腫細胞のような不滅化細胞と融合させてハイブリーマ 細胞を産生する。ハイブリドーマ細胞は、本発明の蛋白質もしくはそのペプチド と反応する抗体の産生について免疫化学的にスクリーニングすることができる。 この抗血清もしくはモノクローナル抗体を使用して標準アッセイで試薬を標準化 することが可能である。 本発明の蛋白質、ペプチド、もしくは抗体を自己免疫疾患の検出および診断の ために用いることも可能である。このことは例えば、ある個体から取得された血 液もしくは血液産物を単離化抗原性ペプチドと、その血液中の構成成分(例えば 、抗体、HLA分子、T−細胞およびB−細胞)とそのペプチド(一つもしくは 複数)あるいは蛋白質を結合させるのに適切な条件下で合わせること、ならびに このような結合が生じる程度を決定することにより実施することができる。本発 明の蛋白質、ペプチド、もしくは抗体を使用することが可能な自己免疫疾患の他 の診断方法には、ペーパー放射免疫吸収テスト(PRIST)、酵素関連免疫吸 収アッセイ(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)、免疫ラジオメトリッ クアッセイ(IRMA)、およびルミネセンス免疫アッセイ(LIA)が含まれ る。プライマー、プローブ、および他のオリゴマー 図1に示されるヌクレオチド配列(配列番号1)およびその相補物(配列番号 2)の利用性により、治療および診断状況において有用な様々なオリゴヌクレオ チドの設計が可能になる。MOGをコードする遺伝子の発現の調節は自己免疫疾 患の進行に影響を及ぼし;その上その進行をプローブを用いてRNAについての 発現をモニターすることによりモニタ ー可能である。更に本明細書の図1に開示されるヌクレオチド配列に基づくオリ ゴマーを、MOGをコードするDNAもしくはRNAを検出するための標準アッ セイ法に用いることが可能である。 図1(配列番号1)に開示される配列に「基づく」オリゴマーによっては、そ の配列の部分を含むオリゴマー、その配列もしくはその部分に相補的なオリゴマ ー、大量のDNAが所望される際(例えば、遺伝子操作のため)にはその配列の 部分を増幅するのに用いるためのプライマーを意味するオリゴマー、ならびにM OG遺伝子である二重らせんの関連部分との三重ヘリックス形成に影響を及ぼす 開示配列を基に設計されたオリゴマーが意味される。PCRプライマー、一本鎖 標的にハイブリダイズ可能なオリゴマー、ならびにDNA二重らせんとの三重ヘ リックス形成が可能なオリゴマーについての適切な設計用パラメーターは当該技 術分野によく知られている。従って図1(配列番号1)のDNAに「基づく」オ リゴマーは従来の設計用パラメーターを通すと、このDNAの部分と同一の配列 、その相補物もしくはその部分と同一の配列、あるいは異なる配列ではあるが図 1に開示されるもの(配列番号1)に関連する配列を有することができる。 図1に示されるヌクレオチド配列(配列番号1)に基づくヌクレオチド配列を 有するオリゴマーは、通常のRNAもしくはDNA多量体であることができるか 、あるいは当該技術分野において一般的に知られるそれらの改変化形態であるこ とができる。例えば、それらのオリゴマーのホスホジエステル結合を例えばホス ホロチオエート、およびメチルホスホネートなどのような別の連結に置換するこ とができる。その上、ヌクレオチド塩基のための別の骨格形成も既に開示されて おり、そしてその ような改変は本明細書に特許請求されるオリゴマーの範囲内に含まれる。 以下の実施例は本発明を説明することが意図されるのであって、制限すること を意図するのではない。 実施例1 ヒトMOG蛋白質をコードするcDNA MOG蛋白質をコードするヒトDNAを取得する最初の試みでは、ヒトcDN Aライブラリーを、Gardinier et al(上述)の公開されている ラットMOGコーディング配列から設計された3’および5’プライマーを用い るポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に供した。このヒトMOG配列はこの様式で は取得することができず、それはヒト配列とラット配列の5’および/または3 ’末端の不十分な相同性に起因するものと仮定される。 従って4本のラット中間部オリゴヌクレオチドを設計した。それらの内の2本 はその遺伝子の上の鎖(プライマー94〜111および166〜183(配列番 号34)、塩基1はATGで開始する)に相同であり、そして2本はその遺伝子 の下の鎖(プライマー538〜555(配列番号35)および685〜702) に相同であった。プライマー166〜183(配列番号34)および538〜5 55(配列番号35)の組み合わせ物はヒト脳cDNAライブラリーからの約4 00bpの予想サイズの断片の増幅を実施するのに効を奏した。これらのプライ マーの配列は: a)166−183:CAGAATCCGGGAAGAATGCCACGG GC (配列番号34);および b)538−555:CAGCGGCCGCACGGAGTTTT CCTCTCAG (配列番号35)であった。 EcoRI部位は166〜183プライマー(配列番号34)中に存在し; ot I部位は538〜555プライマー(配列番号35)中に存在する。 400bpのPCR産物を発現ベクターpVL1393内に、pVL1393 (Pharmingen社 CA)をEcoRIおよびNotIで消化すること によりクローン化し、その増幅化産物を同一酵素で消化し、そして得られる断片 を連結させた。この挿入断片は、その連結化プラスミドに由来する数々のクロー ンをEcoRIおよびNotIで消化し、そして得られる400bpのヒトMO G断片の配列決定を行うことにより確認した。取得された挿入断片は、738b pのラットの読み取り枠を基にすると仮想的には184bpの5’配列および2 01bpの3’配列を欠失している。 2本のプライマーを位置346〜363の上の鎖および下の鎖からの400b pから設計し、それらを以下に示す: および [これらの配列中、EcoRI部位が第一鎖中に、そしてNotI部位が第二鎖 中に存在する]。下線を施した領域がMOG配列に相当する。 ヒトMOG346〜363の上部および下部プライマー(配列番号36および 37)を、既述の5’および3’ラットプライマーと組み合わ せてそれぞれ用いて、先に用いた要領で同一のヒト脳cDNAライブラリーから の遺伝子の5’および3’欠失端を増幅した。その遺伝子の3’端に相当するP CR産物が取得されたが、対応する5’端は生じなかった。 取得された3’断片は予期された400bpサイズを有しており、そしてこの 断片をpVL1393内にクローン化し、そして配列決定を行った。 この遺伝子の5’部分を取得するのには、予め増幅させてあり、かつ8×1010 pfu/mlの力価を有するClontech社から取得されるヒト脳髄質の λgt10ライブラリーを、製造業者により記載されるプロトコールに従ってスク リーニングした。このライブラリーを30,000プラーク/プレートで12の 大プレート上にプレート培養し、そしてプラークをニトロセルロースフィルター (2レプリカフィルター/プレート)上に移し取った。その後に12枚の異なる プレートから移し取った12枚のフィルターを、始めにクローン化させたヒトM OG中間部400bp断片(位置184〜534)に相当する32Pラベル化プロ ーブに対してハイブリダイズさせた。22の強い陽性プラークが取得された。も ともとのプレートからの各陽性プラークについてのプラグに穴を開け、そして一 晩λ希釈緩衝液で培養してアガーからファージを溶出させた。その後にこの試験 管を遠心分離にかけ、そして上清を取り出した。 このDNAを個々のプールから、SstII部位を含むλgt10前向きプライ マー:5’−CTTTTGAGCAAGTTCAGCCTGGTTAAG−3’ (配列番号38)もしくはXhoI部位を含むλgt1 0逆向きプライマー:5’−ACCTCGAGGAGGTGGCTTATGAG TATTTCTTCCAGGGTA−3’(配列番号39)、ならびにヒトMO G中間部プライマーの上の鎖もしくは下の鎖:5’−GGTGCGGGAAAG GTGACTCTCAGGATCCGGAAT−3’(配列番号40)、もしく は5’−ATTCCGGATCCTGAGAGTCACCTTTCCCGCAC C−3’(配列番号41)を用いて増幅した。 後者の2本のプライマー(配列番号40および41)は、ヒトMOG配列中に 天然に存在するBamHI部位(配列中に下線を施してある)を含む。 これらのプライマーを4つの異なる組み合わせ:1)上の鎖の前向きプライマ ー/下の鎖のMOGの中間部プライマー;2)下の鎖の逆向きプライマー/下の 鎖のMOGの中間部プライマー;3)上の鎖のMOGの中間部プライマー/下の 鎖の逆向きプライマー;および4)上の鎖のMOGの中間部プライマー/上の鎖 の前向きプライマー、で用いた。 最初の2つの組み合わせ物はその遺伝子の5’末端(BamHI部位まで)を 、そして後者2つはその遺伝子の3’端を提供した。5’および3’部分の両方 共が非翻訳化領域を含む。各組み合わせ物の2つの構成員の内のいずれが所望さ れる断片を実際にもたらすかは、λgt10内にクローン化されたcDNAの配向 に依存する。 取得される断片のサイズはプール毎に異なっていた。5本の最大の5’断片も しくは3’断片を、SKポリリンカーのSstIIおよびBamHI部位もしく はBamHIおよびXhoI部位内にサブクローン化した。その後に各プールか らの3本のクローンの配列決定を行ってPC Rエラーの存在を除外した。このことによりその遺伝子のコーディング領域の全 配列、ならびに174bpの5’非翻訳化配列が提供された。 回収された全DNA配列(配列番号1)および演繹されるアミノ酸配列(配列 番号2)が図1に示される。 ヒトMOGは248アミノ酸のプレ蛋白質をコードし、それはラット蛋白質中 の246アミノ酸と87%の相同性を有する。成熟蛋白質は218のアミノ酸を 含み、これは図1(配列番号2)中では1〜218と番号づけされる。成熟蛋白 質は位置1に示されるグリシンで開始し、そしてMET開始コドンから位置1に 示されるグリシンの直前に存在するアラニン残基にまで伸長するプレ配列からの 開裂による248アミノ酸プレ蛋白質に由来する。 その上、ヒトMOG cDNAを大腸菌(E. coli)中での発現のため のpET H6ベクター内にクローン化させた。Novagen社(Madis on、WI)から取得されるpET.H6は6つのヒスチジンをコードする配列 を含み、このことはNi++カラムに通すいずれかの組換え蛋白質の精製を考慮 してある。ヒトMOGのアミノ酸1〜121(配列番号2の最初の121アミノ 酸)をコードする切断化ヒトMOG cDNA(リーダー配列を含まず、かつ貫 膜ドメインを含まない)をPCRにより、以下のオリゴヌクレオチド: を用いて増幅した。その後に363bpのPCR断片を、pET.H6 の非反復SstIIおよびXhoI部位の間にクローン化した。クローニング後 に、このcDNAの全配列決定を行った。 実施例1A SF−9昆虫細胞および大腸菌(E. coli)内の切断化ヒトMOGの発現 SF−9発現 ヒトMOGのアミノ酸1〜121(配列番号2の最初の121アミノ酸)をコ ードする切断化ヒトMOG cDNAを含むPVL1393転移ベクターを、B aculogold直線化バキュロバイラス(Baculovirus)DNA (Pharmingen社、San Diego、CA)と共にSF−9細胞内 に同時トランスフェクトした。組換えウイルスを含む培養上清を4日後に回収し た。この組換えウイルスをプラーク精製し、そして3周期の増幅に供して高力価 のウイルスストックを取得した。その後にAF−9細胞をそのウイルスストック で2.0のMOIで感染させた。感染細胞からの上清を感染後48時間目に回収 し、そしてNiNTAアガロースカラムに乗せた。この組換えMOG蛋白質を2 50mMのイミダゾール(Imidazole)を用いて非変性条件下で溶出さ せ、5%のプロピオン酸およびH2Oに対し透析し、そしてその後に凍結乾燥さ せた。この蛋白質濃度をBCAにより評定した。精製したMOG蛋白質をクーマ シー(Coomassie)ブルーで染色した12.5%のポリアクリルアミド ゲル上で可視化させた。 大腸菌(E. coli)発現 切断化ヒトMOG cDNAを含むpET.H6ベクターを形質転換によりB L21(DE3)細胞(Novagen社、Madison、 WI.)中に取り込ませた。幾つかのコロニーを1.0のODまで2YT培地中 で一緒に増殖させた。その後にこの細菌を1mMのIPTGで一晩誘導させた。 細胞を回収し、そして6Mグアニジン(Guanidine)/100mM T ris.HCl pH8.0で溶菌した。この溶菌物を20,000rpmで3 0分間遠心分離し、そして得られる上清をNiNTAアガロースカラムに乗せた (Quiagen社、Chatsworth、CA)。この蛋白質を6Mグアニ ジン(Guanidine)/100mMのリン酸ナトリウム pH4.5で溶 出し、最初に5%のプロピオン酸に対し、次いでH2Oに対して透析し、そして その後に凍結乾燥させた。蛋白質濃度をBCAにより評定した。精製MOG蛋白 質をクーマシー(Coomassie)ブルーで染色した12.5%のポリアク リルアミドゲル上で可視化させた。 実施例2 インビボでEAEを誘導するための昆虫SF−9中でのヒトMOG発現 2群の(PLJ×SJL)F1マウスに、昆虫SF−9中で発現される組換え ヒトMOGのN−末端断片(−TM、組換え体、SF−9)の10μgおよび5 0μgを各々注入したが、この断片は、本明細書中の実施例1および1Aに従っ て調製された。切断化MOGはアミノ酸1〜121(本明細書では今後MOG1 〜121を引用することが意図される)を含み、そしてこれは部分的にはMOG 蛋白質のアミノ酸122〜218(配列番号2)の可溶性に関連するその可溶性 がために選択された。MOG1〜121を完全フロインド(Freund)アジ ュバント中に乳化させ、そしてマウスに皮下的に注射した。MOG1〜121注 射と同時に200ngの百日咳毒素も静脈内注射した。200ngの百 日咳毒素のI.V.注射を2日後に繰り返した。乳液はMOG1〜121(−T M、組換え体、SF−9)を用いて、既述の要領でCFA中で400μgのH3 7Ra(Difco Laboratories社、Detroit、MI)と 合わせて調製した。初回免疫化後8日目に開始して、マウスを麻痺の兆候につい て観察し、そしてEAEが縮小していることの指標として毎日の評定を行った。 マウスは以下の基準:1、尾部の麻痺;2、部分的な後足の麻痺;3、完全な後 足の麻痺;4、前足の麻痺;5、瀕死状態もしくは死亡、に従う臨床兆候に基づ いて評定した。 症状の開始は数匹のマウスについては14日という早期に始まった。これらの マウスを31日間観察し、その31日目にマウスを屠殺し、脳および脊髄を回収 し、そして組織学的調査を実施して臨床的所見を確認した。50μgのrMOG (−TM、組換え体、SF−9)で免疫化したマウスの60パーセント(60% )ならびに10μgのrMOG(−TM、組換え体、SF−9)で免疫化したマ ウスの80パーセント(80%)がEAEの症状を呈した。 この方法を反復して大腸菌(E. coli)中で発現される組換えヒトMO G1〜121の組換えN−末端断片(−TM、組換え体、E. coli)を昆 虫SF−9中で発現される組換えヒトMOG1〜121の組換えN−末端断片( −TM、組換え体、SF−9)の代わりに置換した。未だに未確立ではあるが予 備的にはこれらの結果は類似所見を示す。 従って、この様式でEAEが誘発されるマウスは多発性硬化症の治療の有望な 治療薬をスクリーニングするための動物モデルとして有用であ る可能性がある。以下のものは多発性硬化症の治療のための治療用組成物を同定 するためのある方法であり、それは: ヒトMOGを免疫原性形態でマウスに投与して前記マウスにEAEの誘導を起 こす段階、 EAEが誘発された前記マウスを、前記マウスにおけるEAEの症状開始以前 もしくはEAEの症状開始後にヒトMOGの少なくとも一つの抗原性断片を含む 治療用組成物で治療する段階、および 前記治療用組成物がEAEが誘導された前記マウスでのEAEの症状の開始も しくは進行を予防するかどうかを決定する段階、 を含む。 実施例3 ヒトMOGペプチドへのT−細胞応答 ペプチドは、Applied Biosystems社のペプチド合成機もし くはAdvanced Chemtech社のロボティクス系のいずれかを用い 、市販品として入手可能なWang樹脂でのFastMOC(商標)化学法、お よびFmoc保護化アミノ酸を利用して、Hill et al.(J.Imm unol.52:2890−2898、1994)により既に記載される要領で 合成した。先に引用されるHill、Buelow、Gorga、およびMar shallの教示は引用により本明細書に取り込まれる。 T−細胞アッセイを実施してT−細胞エピトープの同定を更に緻密に実施した 。末梢血リンパ球をヒトボランティアのHLA−DR2陽性ドナーからFico ll Hypaqueを用いて単離した。2000万のリンパ球を、ヒトAB血 清を補足してあるRPMI培養培地中、ウエ ル当たり2×105で96ウエルのマイクロタイターウエルに撒種した。選択さ れたMOGペプチドの混合物を各ペプチドについて50μMの最終濃度で添加し た。選択されたMOGペプチドは天然に存在するペプチドと天然に存在するペプ チドのアナログの両方であり、それらは: であった。培養物をCO2で湿潤させた37℃インキュベーター内で12日間イ ンキュベートし、断続的にヒトIL2(20U/ml)およびIL4(5U/m l)を補足した。各培養ウエルからの試料を取り出し、洗浄して予め添加されて いたペプチドを除去し、そして新しいマイクロタイターウエルの4つのウエルに 再撒種した(各試料について、2つのウエルはペプチド混合物を含み、そして2 つのウエルはペプチド混合物を含まない)。照射化して低温保存させた自己リン パ球を抗原提示細胞に添加した。更に3日間のインキュベーションの後、3H− チミジン取り込みを測定した。陽性マイクロタイターの株を、ペプチドウエルの 平均取り込みがペプチド非含有性のウエルの1.5倍を上回るかもしくは1.5 倍に等しいかどうかを採点した。陽性マイクロタイターの株をI L2およびIL4で拡張させ、そしてその後に次の週に、そのペプチドミックス 以外の個別のペプチドでの同一方法により再アッセイした。 この方法を用いてT−細胞エピトープ含有性ペプチドとして同定されたペプチ ドはMOG1〜13(配列番号42)およびMOG103〜115(配列番号5 5)であった。図6は実施されたアッセイの結果を示す。 実施例4 MOG20量体ペプチドおよび昆虫SF−9中で発現される組換えヒトMOGの N−末端断片(−TM、組換え体、SF−9)へのヒトMS患者T−細胞応答 ペプチド(20アミノ酸の長さ)を、Applied Biosystems 社のペプチド合成機もしくはAdvanced Chemtech社のロボティ クス系のいずれかを用い、市販品として入手可能なWang樹脂でのFastM OC(商標)化学法、およびFmoc保護化アミノ酸を利用して、Hill e t al.(J.Immunol.52:2890−2898、1994)によ り既に記載される要領で合成した。先に引用されるHill、Buelow、G orga、およびMarshallの教示は引用により本明細書に取り込まれる 。これらのペプチドは10アミノ酸が重複するヒトMOGの20アミノ酸ペプチ ドであり、そして図5aに示される。 実施例3の方法の後に、多発性硬化症を患うヒト患者のT−細胞応答を、図5 aに示されるMOG20量体ペプチドの群および昆虫SF−9において発現され る組換えヒトMOG1〜121のN−末端断片(−TM、組換え体、SF−9) (これは実施例2においてマウスにEAEを 誘導することが示されている)に関して検査した。検査したMOGペプチドの内 の一つもしくは複数が、多発性硬化症の原因である自己抗原のための少なくとも 一つのT−細胞エピトープを含む疑いがある。 MS患者のPBLをマイクロタイターウエル中、組換えMOG1〜121(9 6中の48ウエル)および10本のMOG断片の混合物(図5aに示される20 量体ペプチド)(96中の48ウエル)の両方を別々に用いて培養を開始したこ とを除外しては実施例3のプロトコールに従って培養した。各培養ウエルからの 試料を取り出し、洗浄して予め添加されていたペプチドを除去し、そして新しい マイクロタイターディッシュの6つのウエル内に再撒種した。6つのマイクロタ イターウエルはその後にrMOGおよびペプチド混合物の両方と反応することが 見いだされた(その培養物からの2ウエルはrMOGで開始し、そしてその培養 物からの4ウエルはペプチド混合物で開始させた)。この結果は、MS患者は、 MOGにより活性化され、かつMOGペプチド混合物中に含まれる一つもしくは 複数のT−細胞エピトープを認識するT−細胞を有することを証明している。ペ プチド混合物とは反応するが、組換えMOGとは反応しないウエルも多数存在し ていた。これらの陽性ウエルの重要性はあまり明白ではないが、しかしMOG中 のエピトープを認識する真のMOG反応性T−細胞はインビトロでは簡単に処理 されないものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 14/47 7804−4B C12N 1/21 C12N 1/21 9637−4B C12P 21/02 C C12P 21/02 9358−4B 21/08 21/08 0276−2J G01N 33/53 V G01N 33/53 0276−2J 33/564 33/564 9284−4C A61K 39/395 D // A61K 39/395 9051−4C 37/02 ABB (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV ,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SK,UA,US,UZ,V N (72)発明者 スミレク,ドーン アメリカ合衆国カリフオルニア州95070サ ラトガ・フレデリクスバーグ12589

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ヒトミエリン稀突起神経膠細糖蛋白質(MOG)もしくはその少なくと も一つの抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸 分子。 2. 前記ヌクレオチド配列が本質的には図1のアミノ酸1〜218(配列番 号2)もしくはその対立遺伝子変異体をコードするヌクレオチドでできている、 請求の範囲1の核酸分子。 3. 図1のヌクレオチド配列(配列番号1)に基づくヌクレオチド配列を含 んでなるオリゴマー。 4. ヒトMOGもしくはその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含 んでなり、適合性宿主内での発現のための制御用配列に操作的に連結されるDN A分子である発現系。 5. 前記ヌクレオチド配列が図1のアミノ酸1〜218(配列番号2)もし くはその抗原性断片部分をコードする、請求の範囲4の発現系。 6. 請求の範囲4の発現系を含むように改変された組換え宿主細胞。 7. 単離および精製されたヒトMOGもしくはその抗原性断片。 8. a)ヒトMOGもしくはその断片をコードするヌクレオチド配列の発現 を指令する発現系を含むように改変された宿主細胞を適切な培地中で培養してヒ トMOGもしくはその断片を含む培養物を産生させる段階、および b)その培養物から前記ヒトMOGもしくはその断片を回収する段階 を含んでなる、ヒトMOGもしくはその抗原性断片を産生する方法。 9. ヒトMOGの少なくとも一つのT−細胞エピトープもしくはそ の縦列コピーを含んでなるペプチド。 10. 前記ペプチドが図2(配列番号4〜9、11、15、16、および42 〜72)、図5aおよび5bに示されるいずれかのアミノ酸配列を含んでなる、 請求の範囲9のペプチド。 11. ヒトもMOGの少なくとも2つのT−細胞エピトープを含んでなるペプ チド。 12. 前記改変が、前記ペプチドもしくは蛋白質の一つもしくは複数のアミノ 酸を、前記ペプチドもしくは蛋白質の生物学的活性を妨害しない異なるアミノ酸 に置換することを含んでなる、ヒトMOGの改変化形態もしくはその抗原性断片 。 13. 請求の範囲9〜12の内のいずれか一つのペプチドをコードするヌクレ オチド配列を含んでなる核酸分子。 14. 請求の範囲9〜12の内のいずれか一つのペプチドをコードするヌクレ オチド配列を含んでなり、適合性宿主における発現のための制御用配列に操作的 に連結されるDNA分子である発現系。 15. 請求の範囲14の発現系を含むように改変された組換え宿主細胞。 16. a)前記ペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を指令する発現 系を含むように改変させた宿主細胞を適切な培地中で培養して前記ペプチドを含 む培養物を産生させる段階、および b)その培養物からそのペプチドを回収する段階 を含んでなる、請求の範囲9〜12の内のいずれか一つのペプチドを産生する方 法。 17. 前記改変が前記蛋白質、断片、もしくはペプチドを、ポリエチ レングリコール、蛋白質、断片、もしくはペプチドの可溶性を促進させる部分、 前記蛋白質、断片、もしくはペプチドの精製を容易にさせる部分、ならびに蛋白 質分解性開裂部位を含む部分からなる群から選択される追加的部分にカップリン グさせることを含んでなる、ヒトMOGの改変化形態、もしくはその抗原性断片 、あるいは請求の範囲9〜12の内のいずれかのペプチド。 18. 単離されたヒトMOG、および/またはその少なくとも一つの抗原性断 片、および/または請求の範囲9〜12もしくは16の内のいずれかの少なくと も一つのペプチド、ならびに薬剤学的に許容される担体もしくは賦形剤を含んで なる、治療用組成物。 19. 前記ヒトMOGが図1に示される位置1〜218のアミノ酸配列(配列 番号2)もしくは図1のヌクレオチド配列(配列番号1)の対立遺伝子変異体に よりコードされるアミノ酸配列、あるいはそれらの抗原性断片を含んでなる、請 求の範囲11の治療用組成物。 20. ある被験体に請求の範囲19の組成物の治療学的有効量を投与すること を含んでなる、脱髄性自己免疫疾患を治療する方法。 21. 検査予定の被験体から取得される血液試料を、単離されたヒトMOGも しくはその抗原性断片、あるいは請求の範囲9〜12および16の内のいずれか のペプチドと、血液構成成分のMOGもしくはその断片との結合に適切な条件下 で合わせ、そしてそのような結合が生じる程度を決定することを含んでなる、脱 髄性自己免疫疾患を診断する方法。 22. 結合が生じる程度を、T−細胞機能、T−細胞増殖、B−細胞機能、そ の蛋白質もしくはその断片の血液中に存在する抗体への結合、あるいはそれらの 組み合わせ物を評定することにより決定する、請求の 範囲21の方法。 23. ヒトMOGもしくはその抗原性断片、あるいは請求の範囲9〜12およ び16の内のいずれかのペプチドと特異的に反応する、モノクローナル抗体もし くはその免疫反応性断片。 24. ヒトMOGに含まれる疎水性アミノ酸を同定すること; 介在性の4つのアミノ酸N Cにより前記疎水性アミノ酸からが隔離 されているヒトMOG配列中のアミノ酸の特性を決定すること、 前記アミノ酸が、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、およびシ ステインからなる群より選択される小アミノ酸であるか、あるいは異なるアミノ 酸であるか否かを決定すること、ならびに 前記疎水性および小アミノ酸をT−細胞エピトープとして同定すること (この場合、前記小アミノ酸は前記疎水性アミノ酸から4つのアミノ酸N C により隔離されている)、 を含んでなる、ヒトMOGのT−細胞エピトープを同定する方法。 25. ペプチドが少なくとも一つのT−細胞エピトープを含んでなり、前記ペ プチドが、MOG1〜13(配列番号42)、MOG103〜115(配列番号 55)、MOG1〜121(配列番号2の最初の121アミノ酸)、MOG1〜 20(配列番号73)、MOG11〜30(配列番号74)、MOG21〜40 (配列番号75)、MOG31〜50(配列番号76)、MOG41〜60(配 列番号77)、MOG51〜70(配列番号78)、MOG61〜80(配列番 号79)、MOG71〜90(配列番号80)、MOG91〜110(配列番号 82)、およびMOG101〜120(配列番号83)からなる群より選択され るアミノ酸残基の配列を含んでなる、ヒトMOGの単離されたペプチド。 26. 混合物が、MOG1〜20(配列番号73)、MOG11〜30(配列 番号74)、MOG21〜40(配列番号75)、MOG31〜50(配列番号 76)、MOG41〜60(配列番号77)、MOG51〜70(配列番号78 )、MOG61〜80(配列番号79)、MOG71〜90(配列番号80)、 MOG91〜110(配列番号82)、およびMOG101〜120(配列番号 83)を含んでなり、そして前記混合物は少なくとも一つのT−細胞エピトープ を含んでなる、ヒトMOGのペプチドの混合物。 27. ヒトMOGをマウスに免疫原性形態で投与して前記マウスにEAEの誘 発を生じさせる段階、 EAEを誘発させた前記マウスを、ヒトMOGの少なくとも一つの抗原 性断片を含む少なくとも一つの治療用組成物で、前記マウスにおけるEAEの症 状の開始以前もしくはEAEの症状の開始後に治療する段階、 前記少なくとも一つの治療用組成物が、EAEを誘発させた前記マウス におけるEAEの症状の開始もしくは進行を阻止するかどうかを決定する段階、 を含んでなる、多発性硬化症の治療のための治療用組成物を同定するための方法 。
JP7508328A 1993-09-03 1994-09-01 自己免疫疾患に関連するプロトコールにおけるミエリン希突起神経膠細胞糖蛋白質およびそのペプチド部分の使用 Pending JPH09502346A (ja)

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