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JPH09318626A - 尿中乳酸の測定方法及び装置 - Google Patents

尿中乳酸の測定方法及び装置

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Publication number
JPH09318626A
JPH09318626A JP17536896A JP17536896A JPH09318626A JP H09318626 A JPH09318626 A JP H09318626A JP 17536896 A JP17536896 A JP 17536896A JP 17536896 A JP17536896 A JP 17536896A JP H09318626 A JPH09318626 A JP H09318626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactic acid
light
concentration
urine
wavelength
Prior art date
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Pending
Application number
JP17536896A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazushi Otsuka
一志 大塚
Hisashi Okuda
久 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkray Inc
Original Assignee
KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Filing date
Publication date
Application filed by KDK Corp, Kyoto Daiichi Kagaku KK filed Critical KDK Corp
Priority to JP17536896A priority Critical patent/JPH09318626A/ja
Publication of JPH09318626A publication Critical patent/JPH09318626A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 尿中の乳酸濃度を前処理を行うことなく光学
的手段により求めるための方法及び装置を提供する。 【構成】 尿中に含まれる乳酸について、乳酸水溶液の
可視又は近赤外波長領域での濃度と吸光度との間の相関
が0.5以上、好ましくは0.9以上の波長を乳酸成分
特有の測定波長として選択する。光源装置11より可視
又は近赤外の波長範囲の光を発生し、コンピュータ16
によって制御される分光装置12にて特定波長に分光
し、その光を尿サンプル設置部の尿試料に照射し、尿試
料からの透過光及び反射光を検出装置14に設置した受
光素子にて受光して受光信号を出力する。出力した受光
信号は信号処理インターフェース15を介してコンピュ
ータ16に取り込み、数値演算処理を施すことによって
乳酸濃度の定量をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、乳酸をパラメータと
して肉体疲労度の管理指標及び健康管理の指標を得る手
段として尿測定による非侵襲測定方法及び装置を提供す
る。
【0002】
【従来の技術】乳酸は、嫌気的解糖の終末代謝産物とし
て、主に骨格筋や赤血球、脳、皮膚、腸管で産生され
(1200−1500mmol/日)、大部分が肝臓や
腎臓でTCAサイクルや糖新生系の基質として利用され
る。乳酸の産生と利用の不均衡をきたす病態は、血中乳
酸値の異常として反映される。また、体内中での解糖作
用により乳酸が蓄積されることが知られており、乳酸の
蓄積量と疲労度は相関が高いことから、スポーツ医学や
運動生理学の分野ではトレーニングの管理指標として、
筋肉中から血液中に運ばれた血液中乳酸濃度の測定が行
われている。
【0003】糖尿病における乳酸の代謝量は一般的に増
加の傾向を示している。また、脱水症状、アシドーシ
ス、高血糖症が重篤であるほど乳酸値は上昇する。
【0004】乳酸の検査として、血液中の乳酸の測定は
従来より臨床的に行われている。血液中成分を測定する
方法として、乳酸脱水素酵素による酵素法が一般的であ
り、非侵襲的に乳酸濃度を測定する方法として、酵素を
用いて尿中成分を測定する方法が提案されている(特開
平5−3798号公報)。また、非侵襲的血液中乳酸の
測定方法でも、試薬として乳酸オキシダーゼや乳酸デヒ
ドロゲナーゼなどの酵素を使用る。
【0005】尿中成分を測定する方法としては、試薬
法、試験紙法、化学発光法、イムノアッセイ法、酵素
法、クロマトグラフィー法などがある。
【0006】尿中の成分を光学的に測定する方法とし
て、尿試料に特定波長の光を照射し、吸光度を測定し、
多変量回帰分析法により尿中成分の濃度を定量する方法
が考案されている(特願平7−70849号)。
【0007】
【従来技術の問題点】これら従来法にあっては、サンプ
ル作製のための前処理や測定操作自体が非常に煩雑で測
定時間も長くかかる他、夾雑物質の影響を受けやすく、
また高価な光源、分光装置が必要であって装置全体が大
型化し、価格も高価である問題がある。
【0008】試験紙法で用いる試験紙は、セルロースに
反応性試薬を含ませた反応部分をプラスチックの指示片
に接着剤などで固定し乾燥させたものが多い。反応部分
は湿気を含むと試薬間で反応が起こり、また高温や光に
よっても変質して、感度が低下することが多いことか
ら、試験紙を収納する容器は密閉し、高温を避けて保存
し、有効期限内に使用することが必要である。試験紙法
はpH、タンパク質、ブドウ糖、ケトン体、ビルビリ
ン、潜血、ウノビリノーゲン、亜硝酸塩、細菌感染など
の項目について1分以内に測定が可能であるが、試薬部
分の反応は内因性の促進物質や阻害物質の他、反応温度
や試験紙の条件などによっても影響を受け、半定量しか
できない。
【0009】酵素法は糖の測定に用いられる。例えば、
グルコースオキシダーゼ・パーオキシダーゼ(GOD−
POD)色素系で、酸化還元反応に伴う発色を反射系で
測定する方法や、GOD固定化酵素電極により陽極酸化
電流をアンペロメトリックに測定し、その電流値を濃度
変換する方法(バイオセンサなど)が行われている。ブ
ドウ糖酸化酵素を用いる方法はブドウ糖に特異性が高
く、簡便であるが、GODの反応は酸化還元反応であ
り、内因性、外因性の種々の酸化、還元性物質によって
反応が抑制されたりすることがあり、偽陰性・偽陽性が
見られる危険性もある。
【0010】クロマトグラフィー法では、ガスクロマト
グラムや液体クロマトグラムという高価な装置を使用し
ているためコストパフォーマンスが優れているとは言い
難い。
【0011】乳酸濃度の測定は、一般的に血液を対象と
しているが、乳酸を糖尿病マーカーとする場合、被験者
は長時間に渡り繰り返し検体抽出を行うことになり、血
液を検体として抽出するため、被験者は肉体的苦痛を伴
うことになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】試薬法、試験紙法及び
酵素法では消耗品である試薬、試験紙又は酵素が必要で
あり、又その使用前の試薬等の保存安定性や使用後の廃
棄の問題もある。血液を対象にする測定方法では採血の
必要があり、採血の際の痛みや感染の危険性を伴う。さ
らに、操作が煩雑で、試薬や試料の添加量など操作時の
ミスによる誤差が起こる可能性があり、測定を目的とし
ないアスコルビン酸などのほかの成分による干渉作用を
受けるという欠点もある。試薬法や酵素法では定量はで
きるが、一度に多成分を測定することはできず、又試験
紙法では多成分を同時に測定できるが半定量しかできな
いという欠点もある。
【0013】クロマトグラフィー法では高価な装置を必
要とし、カラム性能が劣化したときはカラムを交換しな
ければならず、コストが高くなる問題がある。
【0014】従来法における如上の問題点解決に鑑み、
本発明は、消耗品である試薬、試験紙片及び酵素などを
不要にし、さらにはそれらの消耗品の使用前の保存安定
性や使用後の廃棄の問題、誤差が起こる煩わしい操作や
ほかの成分による干渉作用などの問題を無くし、多成分
を同時に定量測定する方法を提供することを目的とする
ものである。
【0015】乳酸濃度の測定に、尿を対象とすることに
よって、被験者が検体抽出時に苦痛を伴うことはないた
め、幼年層、老人など肉体的苦痛に対する耐性が低い患
者の精神的苦痛も緩和される。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、尿中に含まれ
る乳酸濃度を測定するに当たり、乳酸水溶液の可視又は
近赤外領域での濃度と吸光度との間の相関係数の絶対値
が0.5以上、好ましくは0.9以上である波長領域に
含まれる少なくとも一波長を乳酸成分特有の測定波長と
して選択し、尿試料に対し可視光又は近赤外光を照射
し、前記の条件で選択した測定波長での吸光度を測定
し、尿中の乳酸濃度を定量することを特徴とする乳酸濃
度測定方法を提供する。
【0017】更に、本発明は、如上の方法を実現するに
適した乳酸濃度測定装置を提供する。即ち、本発明は、
尿試料に可視又は近赤外領域の範囲にある特定波数の光
を照射する発光手段と、前記試料を透過する光を受光し
前記試料中に含まれる成分の吸光度に対応する受光信号
を出力する受光手段と、前記受光手段からの受光信号か
ら吸光度を算出し乳酸濃度を定量する演算処理手段とを
備えたことを特徴とする乳酸濃度測定装置を提供する。
当該測定装置にあっては、多変量回帰分析法を含む演算
処理手段を備えたことを特徴とする。
【0018】ある成分についての波長λjでの吸光度A
と濃度のとの相関関係Rjは次の式により与えられる。
【数1】 上記の式中で、Aijはi番目のサンプルでのその成分
の波長λでの吸光度、Cはi番めのサンプルでのそ
の成分の濃度である。
【0019】測定対象波長として、水に対して強い吸収
を持つ波長領域を避け、水に対して透過率の高い250
00〜5280cm−1又は、4980〜4000cm
−1の波長領域から選択する。就中、乳酸に対する好ま
しい測定波長としては、波数で表わして、6300〜5
400cm−1及び4800〜4200cm−1から選
択する。
【0020】
【作用】試料に光を照射し、その吸光度を測定すると
き、波長jでの透過光強度ItjはLAMBERT−B
EERの法則により、次の式で表現される。 Itj= Ioj exp(−ΣαkjL)… = Ioj (1) ただし、Itjは波長jでの透過光強度 Iojは波長jでの入射光の強度 αkjは、k成分の波長jでの吸光係数 Cは溶液中のk成分の濃度 k=1,2,……Kで、Kは溶液中の成分数 Tは波長jでの透過度 Lはセル長 である。波長jでの吸光度Aは、セルと溶液との界面
における反射を無視すると、 Aj=−logT =−log(Itj/Ioj) =LΣ(αkj) (2) で表わされる。
【0021】(2)式から、未知数はC(k=1,
2,……,K)であるので、K個の独立な変数で吸光度
を測定し、連立方程式を解けば各成分の濃度を算出する
ことができる。主成分回帰分析法(PCR法)や部分最
小二乗法(PLS法)などの多変量回帰分析法を用いて
データ解析を行えば、濃度をより高精度に求めることが
できる。
【0022】多変量回帰分析法では、一度に多くの吸光
度情報を用いて回帰分析することができるので、単回帰
分析に比べて高い精度の定量分析が可能である。重回帰
分析は最も多用されているが、多数の試料が必要であ
り、各波長の吸光度どうしの相関が高い場合にはその定
量分析精度は非常に低くなる。一方、多変量回帰分析法
である主成分回帰分析法は多波長の吸光度情報を互いに
無相関な主成分に集約させることができ、さらに不必要
なノイズデータを削除することができるので、高い定量
分析精度が得られる。また部分最小二乗法は主成分の抽
出の際に試料濃度のデータも利用することができるの
で、主成分回帰分析法と同様に高い定量分析精度を得る
ことができる。
【0023】
【実施例】図1に、この発明に用いる測定装置の概略を
示す。光源装置11により、可視及び近赤外波長領域の
光を発生し、コンピュータ16で制御された分光装置1
2によって、特定波長の光を分光する。分光した光は、
尿試料を封入したセルが設置されている尿サンプル設置
部13に導かれる。尿サンプルを透過又は拡散反射した
光を検出装置14中の検出素子で検出することによっ
て、前記特定波長に対する尿サンプル中成分の吸光度を
測定できる。検出素子の出力は、信号処理インターフェ
ース15で、デジタル値に変換し、コンピュータ16の
記憶媒体中に保存され、数値演算処理によって吸光度と
乳酸濃度との検量線が得られる。
【0024】図1の装置で乳酸濃度の測定を行うために
は、まず尿サンプル設置部13中のセルを空のまま分光
装置12の分光波長をj=1からnまで変化させ、その
時の透過光量Ioj(j=1,2…,n)を測定する。
次に、セルに尿試料を入れ、同様に分光装置12の分光
波長をj=1からnまで変化させ、セルを通過した各波
長での透過光量強度Itj(j=1,2,…,n)を測
定する。これらIoj、Itjを基にデータ解析を行
い、各成分濃度C(k=1,2,…K)を求める。
【0025】図2は、乳酸水溶液をセルに入れて得られ
た近赤外領域の吸収スペクトルを示す。試料は濃度が1
00,200,300及び400mMの4種類の水溶液
試料である。濃度に比例して吸光度が変化しているバン
ドが随所に見られ、乳酸の吸収のスペクトルを特徴づけ
ている。それらのバンドを波数で表わすと、6300〜
5400cm−1、4800〜4200cm−1であ
る。
【0026】特徴的な吸収波長4361.5cm−1
おける吸光度を乳酸濃度に対してプロットして得られた
検量線が図3に示されるものである。図2の検量線の直
線性は相関係数Rで表わすと0.999967であり、
検量線として優れたものであることを示している。
【0027】図4は、図2の吸収スペクトルから吸光度
と濃度の相関係数Rを各波数について計算し図示した
ものである。多くの波帯域で高い相関係数が得られて
おり、その相関係数の高い波数領域においてPCR法や
PLS法などの多変量解析演算を行えば、乳酸の高精度
の検量式が得られる。
【0028】
【発明の効果】本発明では測定対象に対し可視光又は近
赤外光を照射し、測定しようとする乳酸について濃度と
吸光度との間の相関係数が高い波長を測定波長として選
択して吸光度を測定し、多変量回帰分析法により定量分
析するようにしたので、測定試料中の乳酸を定量測定で
きるとともに、試薬や試験紙などの消耗品が不要であ
り、又そのような消耗品の使用後の廃棄の問題も発生し
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】乳酸濃度測定装置を概略的に表わすブロック図
である。
【図2】乳酸水溶液の近赤外領域での吸収スペクトルを
示す図である。
【図3】乳酸水溶液の吸収波数4361.5cm−1
おける吸光度を濃度に対してプロットして得られた検量
線を示す図である。
【図4】図2の吸収スペクトルから吸光度と濃度の相関
係数Rを各波数について計算し図示したものである。
【符号の説明】
11 光源装置 12 分光装置 13 尿サンプル設置部 14 検出装置 15 信号処理インターフェース 16 コンピュータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尿中に含まれる乳酸濃度を測定するに当
    たり、乳酸水溶液の可視又は近赤外領域での濃度と吸光
    度との間の相関係数の絶対値が0.5以上、好ましくは
    0.9以上である波長領域に含まれる少なくとも一波長
    を乳酸成分特有の測定波長として選択し、尿試料に対し
    可視光又は近赤外光を照射し、前記選択した測定波長で
    の吸光度を測定し、尿中の乳酸濃度を定量することを特
    徴とする乳酸濃度測定方法。
  2. 【請求項2】 乳酸濃度測定波長を選択する波長領域が
    波数で表して6300から5400cm−1、4800
    から4200cm−1であることを特徴とする請求項1
    に記載の乳酸濃度測定方法。
  3. 【請求項3】 尿試料に可視又は近赤外領域の範囲にあ
    る特定波数の光を照射する発光手段と、前記試料を透過
    する光を受光し前記試料中に含まれる成分の吸光度に対
    応する受光信号を出力する受光手段と、前記受光手段か
    らの受光信号から吸光度を算出し乳酸濃度を定量する演
    算処理手段とを備えたことを特徴とする乳酸濃度測定装
    置。
  4. 【請求項4】 乳酸濃度を定量する演算処理手段が多変
    量回帰分析法を含むことを特徴とする請求項3に記載の
    乳酸濃度測定装置。
JP17536896A 1996-05-31 1996-05-31 尿中乳酸の測定方法及び装置 Pending JPH09318626A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004006336A (ja) * 2002-04-30 2004-01-08 Xtreme Technologies Gmbh パルス駆動されるガス放電連関式の放射線源における放射線出力を安定化するための方法
JP2010112887A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Astellas Pharma Inc 主成分分析方法、主成分分析装置、異種品検出装置、主成分分析プログラム、及び、主成分分析プログラムが記録された記録媒体
JP2014119457A (ja) * 2012-12-13 2014-06-30 Gwangju Inst Of Science & Technology レーザープラズマスペクトルを用いた試料内の測定対象元素の定量分析方法
JP2018031663A (ja) * 2016-08-24 2018-03-01 学校法人東京理科大学 代謝産物分析方法及び代謝産物分析装置

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