JPH09307257A

JPH09307257A - 映像表示装置

Info

Publication number: JPH09307257A
Application number: JP12423696A
Authority: JP
Inventors: Atsushi Noto; 敦志能戸
Original assignee: Fujitsu General Ltd
Current assignee: Fujitsu General Ltd
Priority date: 1996-05-20
Filing date: 1996-05-20
Publication date: 1997-11-28

Abstract

(57)【要約】【課題】低圧下でのＰＤＰのプラズマ放電に起因する
異音の筺体外への漏出を防止し、ＰＤＰを冷却し温度上
昇を抑え、性能をフルに発揮させる。【解決手段】筺体１は合成樹脂等で所要の肉厚に形成
し、前面は二重の強化ガラス２で構成し、空隙３を設
け、筺体内の冷却に伴う結露を防止する。ＰＤＰ４の前
面側に通風空間を設け、背面の回路基板５の背後に冷凍
サイクルの冷却器６を配設し、下方に送風ファン７を設
ける。冷却器は２本の冷媒配管11、12で排熱ユニット８
に接続し、コンプレッサ９で冷却器よりの暖められた冷
媒を圧縮し、放熱器10で放熱させ、冷えた冷媒を冷媒配
管12で冷却器に送る。冷却器で冷却された空気を送風フ
ァンで筺体内を矢印のように循環させ、ＰＤＰおよび回
路基板等を冷却する。筺体内に温度センサ13を設け、所
要温度以上の場合に冷凍サイクルおよび送風ファンを運
転する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はプラズマディスプレ
イパネル（ＰＤＰ）を用いた映像表示装置に係り、冷却
装置を付設して筐体内を冷却し、ＰＤＰの性能低下を抑
制し、輝度・コントラストを改善するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】ＰＤＰは同一画面サイズの陰極線管に比
べて奥行きが薄いので、駆動回路等を搭載した回路基板
をＰＤＰの背面に取付けることにより筐体の奥行きを大
幅に短縮できる。しかし、ＰＤＰはプラズマ放電で発熱
し、この熱でＰＤＰ自体の温度が上昇し、同時に回路基
板が暖められる。ＰＤＰは、温度上昇により蛍光体の発
光効率が下り、輝度が低下し、温度上昇を抑えるべく点
灯時間を制限すればさらに輝度が低下するという問題が
あり、また、回路基板の温度上昇で駆動回路部品の信頼
性が低下するため、温度定格の余裕のある部品を使用し
なければならないという問題がある。

【０００３】このため、ＰＤＰを用いた映像表示装置で
はＰＤＰの放熱に重きを置き、例えば、図２に示す如
く、ＰＤＰ４の背面の回路基板５の背後に軸流ファン21
等を設け、筐体22の底部等から外気を吸入し、ＰＤＰ４
と回路基板５との間、あるいは回路基板５の背後を通
し、筺体背面の通風孔23から筺体外に排出し、ＰＤＰ４
および回路基板５を冷却するようにしている。なお、Ｐ
ＤＰ４の前面には外光の反射防止等のため光学フィルタ
24を配設するので、この光学フィルタ24を熱伝導のよい
材料を使用すれば有効な放熱手段となるが、人の手等が
触れた場合に熱く感じないようにする必要があり、この
ような理由もあって光学フィルタ24を熱伝導のよくない
プラスチック材で構成しているのが現状であり、光学フ
ィルタ24による放熱効果は期待できない。

【０００４】ＰＤＰ４は、２枚のガラス基板で密閉され
た空間にキセノンガス等を封入し、電極間の放電でキセ
ノンガス等の分子を励起し、紫外線を発生させ、この紫
外線で内部に塗布されている蛍光物質を励起し、可視光
領域の光を発光するものであるが、この放電（プラズマ
放電）によりキセノンガス等の体積が膨張し、ガラス基
板が振動し、異音を発生する。ガラス基板間の密閉空間
の気圧は略数十分の１気圧程度であり、低地では２枚の
ガラス基板が大気圧により押圧されるので振動が抑えら
れ、異音はさほど気にならないレベルであるが、ＰＤＰ
を気圧の低い状態、例えば、飛行中の航空機内あるいは
高地等で動作させた場合、ガラス基板外からの押圧力が
相対的に低下するためガラス基板は振動しやすい状態と
なり、異音のレベルが高くなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような点
に鑑み、映像表示装置の筺体を密閉式とし、異音の漏出
レベルを低減させ、筺体内に冷凍サイクルの冷却器およ
び送風ファンを設け、冷凍サイクルの放熱器を筺体外に
配設し、冷却器で冷却された空気を送風ファンにより筺
体内を循環させ、ＰＤＰを冷却し、ＰＤＰの性能をフル
に発揮させるようにすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するため、密閉された筺体内に、ＰＤＰと、冷却器と
放熱器とで構成される冷凍サイクルの冷却器と、送風フ
ァンとを配設し、前記冷凍サイクルの放熱器を筺体外に
配設し、前記冷却器による冷気にてＰＤＰを冷却するよ
うにした映像表示装置を提供するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明による映像表示装置では、
筺体を断熱性を有する合成樹脂材で密閉構造に形成し、
内部にＰＤＰと冷却器と送風ファンとを配設し、この冷
却器とで冷凍サイクルを構成する放熱器を筺体外に配設
し、冷却器はＰＤＰの背面側に配置し、送風ファンを冷
却器の下方に配置し、筺体前面のＰＤＰの映像表示面に
対向する部分を強化ガラスの二重構造とし、ガラス部分
を含む筺体前部とＰＤＰとの間に通風空間を設け、送風
ファンの回転により、冷却器で冷却された空気が前記通
風空間の下端に向けて送風され、通風空間を通った空気
が通風空間の上端より冷却器に向かう循環経路を形成す
るようにし、筺体内に温度センサを設け、筺体内の温度
が所要温度以上に上昇した場合、冷凍サイクルおよび送
風ファンを運転し、ＰＤＰの温度を下げ、ＰＤＰを最良
の状態で動作させるようにする。

【０００８】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明による映像表示
装置の実施例を詳細に説明する。図１は本発明による映
像表示装置の一実施例の要部側断面図である。図におい
て１は筺体で、合成樹脂材等で形成する。２は強化ガラ
スで、二重構造とし、中間に空隙３を設ける。４はＰＤ
Ｐ、５はＰＤＰ４の駆動回路等を配設した回路基板で、
ＰＤＰ４の背面に取付けられる。６は冷却器、７は送風
ファン、８は排熱ユニット、排熱ユニット８内の９はコ
ンプレッサ、10は放熱器、11および12は冷媒配管で、こ
れら冷却器６、コンプレッサ９、放熱器10、冷媒配管11
および12により冷凍サイクルを構成する。13は温度セン
サで、筺体１内の温度を検出する。

【０００９】次に、本発明による映像表示装置の動作を
説明する。ＰＤＰ４は映像信号に基づく回路基板５から
の信号で駆動され、プラズマ放電によりガラス基板内に
封入されたキセノンガス等の分子を励起し、紫外線を発
生させ、内部に塗布されている蛍光物質を励起し、可視
光領域の光を発光し、映像を表示する。筺体１は合成樹
脂材により所要の肉厚に形成し、前面部に強化ガラス２
（二重構造）を用いて密閉構造とし、ＰＤＰ４等の保持
に必要な強度を得ると同時に断熱性を持たせるようにす
る。強化ガラス２を用いるのは、外部から強い衝撃が加
わった場合にガラスが破損し破片が飛散しないようにす
るためであり、この部分（強化ガラス）にプラスチック
等を用いないのは、例えば、航空機の機内、あるいは標
高の高い場所等に設置する場合に外気圧と筺体内の気圧
の差で変形する（膨らむ）ことがないようにするためで
ある。なお、強化ガラス２を２枚用いて空隙３を作るの
は、筺体１内の冷却により外気との温度差でガラスに結
露を生じないようにするためである。

【００１０】ＰＤＰ４は、筺体１および強化ガラス２と
の間に適宜の幅の通風空間を設けて取付ける。冷却器６
は回路基板５の背後に配設し、冷媒配管11および12で排
熱ユニット８と接続する。そして、排熱ユニット８内の
コンプレッサ９で冷媒を高温高圧に圧縮し、放熱器10に
送り、外気との熱交換（排熱）により凝縮液化させ、冷
媒配管12で筺体１内に送り、図示しないキャピラリチュ
ーブ等で減圧した後、冷却器６により筺体１内の空気と
接交換（吸熱）を行い、筺体１内の空気を冷却する。熱
交換により低圧ガスとなった冷媒は冷媒配管11によりコ
ンプレッサ９に戻る。冷却器６で冷却された空気は送風
ファン７により矢印の向きに送風され、ＰＤＰ４の前面
の通風空間を通り、ＰＤＰ４の発熱で暖められ（ＰＤＰ
４の温度を下げ）、ＰＤＰ４の上端を通り冷却器６に入
る。そして、再び冷却器６で冷却され、送風ファン７に
より送風されるという循環経路を形成する。なお、送風
ファン７は、例えば、クロスフローファンを使用し、Ｐ
ＤＰ４の全幅に満遍なく冷風を送るようにする。

【００１１】筺体１内の天井部等に温度センサ13を取付
け、筺体１内の温度を検出し、所要の温度以上になった
場合に前記冷凍サイクルおよび送風ファン７を運転する
ようにする。なお、上記では、冷凍サイクルは冷却器
６、コンプレッサ９および放熱器10等で構成する冷媒圧
縮式の例で説明したが、液体アンモニア等を高圧下で加
熱し、冷却器に送り蒸発させ、この蒸発熱で筺体１内の
空気を冷却する吸収式冷凍サイクルで構成してもよい。
この方式はコンプレッサ９を用いないのでコンプレッサ
の運転による騒音対策を要しない利点がある。

【００１２】上記では、冷凍サイクルの冷却器を筺体内
に配設する例で説明したが、コンプレッサ、放熱器と共
に冷却器も筺体外に設置し、この冷却装置と筺体との間
を２本の通風管で接続し、一方の通風管で冷却装置より
筺体内に冷気を送り、この冷気を送風ファンにより筺体
内で循環させ、暖められた空気を他方の通風管で冷却装
置に戻すようにしてもよい。

【００１３】上述のように、また、冷凍サイクルを設け
て筺体内を冷却することによりＰＤＰ４の温度上昇が抑
制され、蛍光体の発光効率が低下しないので高輝度の映
像を表示でき、回路基板の温度上昇が抑制されるので駆
動回路等の部品の信頼性が向上する。また、筺体１を密
閉構造とすることにより、ＰＤＰ４のプラズマ放電に伴
って発生する異音の筺体外への漏出レベルが低減され、
平地に比べて気圧の低い状態、例えば、飛行中の航空機
の中あるいは高地に設置した場合でもＰＤＰの異音は殆
ど気にならないものとなる。

【００１４】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明による映
像表示装置によれば、冷凍サイクルを設けて筺体内を冷
却するので、ＰＤＰの温度上昇が抑制され、蛍光体の発
光効率が低下しないので高輝度の映像を表示でき、回路
基板の温度上昇が抑制されるので駆動回路等の部品の信
頼性が向上する。また、筺体を密閉構造にしたのでＰＤ
Ｐのプラズマ放電に起因する異音の筺体外への漏出レベ
ルが低減され、平地に比べて気圧の低い状態、例えば、
飛行中の航空機の中あるいは高地に設置した場合でもＰ
ＤＰの異音は殆ど気にならないものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による映像表示装置の一実施例の要部側
断面図である。

【図２】従来の映像表示装置の一例の要部側断面図であ
る。

【符号の説明】

１筺体２強化二重ガラス４プラズマディスプレイパネル（ＰＤＰ）５回路基板６冷却器７送風ファン（クロスフローファン）９コンプレッサ 10 放熱器

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】密閉された筺体内に、プラズマディスプ
レイパネルと、冷却器と放熱器とで構成される冷凍サイ
クルの冷却器と、送風ファンとを配設し、前記冷凍サイ
クルの放熱器を筺体外に配設し、前記冷却器による冷気
にてプラズマディスプレイパネルを冷却するようにした
映像表示装置。
【請求項２】前記冷却器をプラズマディスプレイパネ
ルの背面側に配設し、前記送風ファンを冷却器の下方に
配設し、前記筺体とプラズマディスプレイパネルの前面
との間に通風空間を設け、送風ファンの回転により、冷
却器で冷却された空気が前記通風空間の下端に向けて送
風され、通風空間を通った空気が通風空間の上端より冷
却器に向かう循環経路を形成するようにした請求項１記
載の映像表示装置。
【請求項３】前記筺体は、断熱性を有する合成樹脂材
で形成すると共に、プラズマディスプレイパネルの映像
表示面に対向する部分を強化ガラスの二重構造とし、強
化ガラス間に空隙を設け、筺体内の冷却によるガラス面
への結露を防止するようにした請求項１または請求項２
記載の映像表示装置。
【請求項４】前記筺体内に温度センサを配設し、筺体
内の温度が所要温度以上の場合に前記冷凍サイクルおよ
び送風ファンの運転を行うようにした請求項１、請求項
２または請求項３記載の映像表示装置。
【請求項５】密閉された筺体内にプラズマディスプレ
イパネルおよび送風ファンを配設すると共に、筺体外に
冷凍装置を付設し、筺体および冷凍装置の間を二本の通
風管で連結し、一方の通風管で冷凍装置より冷却された
空気を筺体内に送り、前記送風ファンにより筺体内を循
環させ、他方の通風管で筺体内で温められた空気が冷却
装置に戻されるようにし、プラズマディスプレイパネル
を冷却するようにした映像表示装置。