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JPH09289149A - X線マスク及びその製造方法 - Google Patents

X線マスク及びその製造方法

Info

Publication number
JPH09289149A
JPH09289149A JP10094796A JP10094796A JPH09289149A JP H09289149 A JPH09289149 A JP H09289149A JP 10094796 A JP10094796 A JP 10094796A JP 10094796 A JP10094796 A JP 10094796A JP H09289149 A JPH09289149 A JP H09289149A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorber
reference mark
film
mark
stress
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10094796A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Aoyama
肇 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP10094796A priority Critical patent/JPH09289149A/ja
Publication of JPH09289149A publication Critical patent/JPH09289149A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線マスク及びその製造方法に関し、膜を成
膜或いは除去する時に発生する位置精度の劣化を低減す
る。 【解決手段】 X線マスクの基準マーク3と吸収体4と
を異なった材料で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線マスク及びその
製造方法に関するものであり、特に、X線マスク作製時
における薄膜材料の応力の影響を低減し、位置精度及び
アライメント精度を向上させるためのX線マスク及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の微細化に伴って、紫
外線露光に代わるより波長の短い光としてX線を用いる
X線露光が開発されており、この様なX線露光に用いる
X線マスクの吸収体としてはTaやW等の重金属膜が使
用されている。
【0003】このTaやW等の吸収体膜の一部を利用し
て基準マーク及びアライメントマーク(マスクマーク)
を形成しておき、電子ビーム露光装置を用いて吸収体膜
をパターニングする場合に、試料及び装置の温度変化に
よる位置変動を防ぐために、露光時にこの基準マークを
参照して補正を行っている。
【0004】また、デバイスプロセスにおいては、X線
マスクと半導体ウェハとの合わせ精度を向上するため
に、ヘテロダインアライメントが用いられており、マス
クマーク及び半導体ウェハ上に設けたウェハマークの夫
々に波長が若干異なるアライメント光を異なった方向か
ら照射し、マスクマークのエッジからの各々の1次光の
位相差をビート信号として検出して位置合わせを行って
いる。
【0005】そして、従来のX線マスクの作製工程とし
ては、大きく分けて3通りあるので、この3つの作製工
程を図6を参照して説明する。 図6(a)参照 図6(a)は、所謂バックエッチング後行タイプと言わ
れるもので、シリコン基板上にSiC等のメンブレンを
成膜したのち、Ta膜等の吸収体を成膜し、次いで、レ
ジスト塗布、及び、露光・現像したのち吸収体をパター
ニングし、次いで、シリコン基板の中央部を裏面よりバ
ックエッチングしてメンブレンを露出させることにより
支持枠を形成し、最後に、SiCリング等のフレームを
支持枠に接着する。
【0006】しかし、このバックエッチング後行タイプ
の場合には、描画による配置精度の他に、バックエッチ
ング工程において、シリコン基板とバランスしていたメ
ンブレンの応力が崩れて、既にパターニングされている
吸収体パターンに位置変動が生じたり、或いは、フレー
ムの接着工程において、熱的に吸収体パターンに歪を生
ずるという問題があり、高精度の位置精度が得られなか
った。
【0007】図6(b)参照 図6(b)は、所謂バックエッチング先行タイプと言わ
れるもので、シリコン基板上に吸収体を成膜し、フレー
ムをシリコン基板の裏面に接着したのち、バックエッチ
ングを行い、次いで、レジスト塗布、及び、露光・現像
したのち吸収体をパターニングするものである。
【0008】図6(c)参照 図6(c)も、所謂バックエッチング先行タイプと言わ
れるもので、シリコン基板の裏面にフレームをシリコン
基板の裏面に接着し、バックエッチングを行ったのち、
吸収体を成膜し、次いで、レジスト塗布、及び、露光・
現像したのち吸収体をパターニングするものである。
【0009】これらの(b)及び(c)の工程は、フレ
ーム接着工程の後で、且つ、バックエッチング工程の後
に吸収体をパターニングしているので、メンブレンの応
力やフレームの接着による歪の影響がなくなり、位置精
度が向上する。
【0010】しかし、この場合にも、吸収体自体の有す
る応力及びレジストの応力の影響は存在するので、吸収
体の応力については、吸収体を成膜する際に用いられる
スパッタリング装置の成膜条件を制御したり、或いは、
成膜後にアニールやイオン注入を施すことによって、応
力の低減を図っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の(b)
の工程の場合には、吸収体の成膜後に応力制御を行って
も、フレームの接着に伴う熱工程及びバックエッチング
工程において吸収体の残留応力が変化するという問題が
ある。
【0012】また、上記(c)の工程の場合には、応力
の測定に通常用いられている、成膜或いは膜除去に伴う
高さの変動により応力を計測する手法が、応力を測定す
べき吸収体が薄膜のメンブレン上に存在するため測定が
困難になるという問題がある。
【0013】即ち、基板上に薄膜を堆積した場合、堆積
に伴う変位は基板が薄くなるに連れて大きくなるが、基
板の厚さがある程度以上薄くなると、逆に変位は少なく
なり、したがって、メンブレン等の薄膜上に薄膜を成膜
してもその成膜した薄膜の応力を測定することができな
くなるためである。
【0014】また、吸収体のパターニング工程に用いる
レジストの応力による位置変動は、レジストの成分(分
子量)やプリベーク温度に依存するが、レジストの膜厚
及び応力が一定であるならば、レジストの応力による位
置変動の量は同じであるので、複数のX線マスクの相対
的位置座標は互いに一致することになる。
【0015】しかし、実施の露光においては、ゲートパ
ターンやコンタクト層パターンのパターニング工程にお
いてはX線露光を用いるものの、他の部分の露光におい
ては電子ビーム露光や紫外線露光を用いることになり、
この様な異なった露光装置を組み合わせて用いるハイブ
リッド露光においては、各マスクの相対的位置座標が異
なることになる。
【0016】即ち、露光装置が異なるとパターニングの
際に使用するレジストも必然的に異なることになり、し
たがって、レジストの成分の相違によりその応力も変化
し、各マスク間に位置ズレが生ずる。
【0017】さらに、マスクプロセスにおいて必要とさ
れるレジストの膜厚は、後方散乱によるボケを低減する
ためできる限り薄い方が望ましいが、デバイスプロセス
において、シリコンウェハ上に塗布するレジストの厚さ
は、目的によって異なり、例えば、イオン注入マスクと
してのレジストパターンは、通常のパターンより厚いこ
とが要求されるので、仮に同じレジストを用いたとして
も、マスクプロセスとデバイスプロセスとではレジスト
の膜厚が同じになることは考えづらく、したがって、両
者の間に相対的な位置変動が生ずることになる。
【0018】そこで、この様な問題を解決するために、
直描、即ち、基準マークの検出を行いながら描画を行う
ことで理想格子となるようにパターニングするが、基準
マーク座標が理想格子上にないと歪んだ形に合わせて描
画されることになり、実際、基準マークもレジストを用
いてパターニングしているので、基準マーク自体がレジ
ストの応力により位置変動が生じている。
【0019】なお、デバイスを作製する際の直描では、
レジストの応力により基準マーク座標が歪んでも、同程
度下地のパターンが歪むので、合わせ精度の劣化は生じ
ない。
【0020】また、X線リソグラフィー工程において
は、パターン転写を行う場合に、高精度のアライメント
を行うために、ヘテロダインアライメントを行っている
が、この場合には、マスクマークを透過したアライメン
ト光がX線マスクとシリコンウェハとの間で多重干渉
し、アライメント精度が劣化するため、マスクマークを
アライメント光が透過しないように遮光膜を設けてい
た。
【0021】したがって、この場合、メンブレンとして
SiCを用い、吸収体エッチング時に塩素系ガスを用い
ると、SiCからなるメンブレンはほとんどエッチング
されないため、マスクマーク検出信号は、マスクマーク
の材料と遮光膜と複素屈折率の差による回折効率によっ
て決定され、十分なS/N比が得られなかった。
【0022】一方、エッチングガスとしてフッ素系ガス
を用いたり、メンブレンとしてSiNを用いた場合に
は、メンブレンがある程度エッチングされ、マスクマー
クの在る位置のメンブレンの厚さとそれ以外の位置のメ
ンブレンの厚さに差ができ、この差に基づくアライメン
ト光の位相差により回折効率を高めることができる。
【0023】しかし、エッチング時間がパターンサイズ
で異なる所謂マイクロローディング効果により、メンブ
レンのエッチング量はパターン形状及び場所により異な
り、回折効率が一定しないという問題があり、さらに、
メンブレンのエッチングに伴ってメンブレンの応力によ
り吸収体パターンの位置変動が生ずるという問題があ
る。
【0024】したがって、本発明は、膜を成膜或いは除
去する時に発生する位置精度の劣化を低減することを目
的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図におい
て、符号1,5は、夫々支持枠及びフレームである。 図1参照 (1)本発明は、X線マスクにおいて、基準マーク3と
吸収体4とを異なった材料で構成したことを特徴とす
る。
【0026】この様に、基準マーク3と吸収体4とを異
なった材料で構成することにより、選択エッチングが可
能になるので、吸収体4のパターニング工程において、
予め異なった材料形成した基準マ−ク3を基準として用
いることにより吸収体4パターニング工程における応力
による位置変動を補正することができ、精度が向上す
る。
【0027】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、基準マーク3をCr、Co、Ru、Mo、W、A
u、Al2 3 、SiO2 、In2 3 、或いは、Ta
Nのうちのいずれか1つから構成し、また、吸収体4を
Ta、Ta2 5 、或いは、Ta4 Bのうちのいずれか
1つから構成したことを特徴とする。
【0028】この様に、基準マーク3を塩素系ガスに対
する耐性の大きなCr、Co、Ru、Mo、W、Au、
Al2 3 、SiO2 、In2 3 、或いは、TaNで
構成し、また、吸収体4を塩素系ガスでエッチング可能
なTa、Ta2 5 、或いは、Ta4 Bで構成すること
によって、塩素系ガスを用いたRIE(反応性イオンエ
ッチング)による選択エッチングが可能になる。
【0029】(3)また、本発明は、上記(1)におい
て、基準マーク3をAu、または、Alから構成し、ま
た、吸収体4をW、W−Ti、Ta、Ta2 5 、Ta
N、或いは、Ta4 Bのうちのいずれか1つから構成し
たことを特徴とする。
【0030】この様に、基準マーク3をフッ素系ガスに
対する耐性の大きなAu、または、Alから構成し、ま
た、吸収体4をフッ素系ガスでエッチング可能なW、W
−Ti、Ta、Ta2 5 、TaN、或いは、Ta4
で構成することにより、フッ素系ガスを用いたRIEに
より選択エッチングが可能になる。
【0031】(4)また、本発明は、X線マスクの製造
方法において、基準マーク3を形成したのち吸収体4を
成膜し、次いで、基準マーク3上の吸収体4を選択的に
除去したのち、レジストを塗布する前に基準マーク3の
配置を測定し、この測定結果をアライメントマーク座標
値にオフセット値として入力して、吸収体4をパターニ
ングすることを特徴とする。
【0032】この様に、レジストを塗布する直前の基準
マーク3の配置を測定し、その測定値の理想値からのズ
レを考慮してレジストの露光を行うことにより、吸収体
パターンのレジストの応力による位置変動を補償するこ
とができ、特に、ハイブリッド露光においてはその相対
的位置座標のズレを補正するために重要になる。
【0033】(5)また、本発明は、X線マスクの製造
方法において、基準マーク3の形成時に、アライメント
マークを同時に形成すると共に、メンブレン2をSiC
で構成し、吸収体4のパターニング工程においてはエッ
チングガスとして塩素系ガスを用い、基準マーク3及び
アライメントマークのパターニング工程においてはエッ
チングガスとしてフッ素系ガスを用いることにより、基
準マーク3及びアライメントマークのパターニング工程
においてメンブレン2を100〜800nmエッチング
することを特徴とする。
【0034】SiCは塩素系ガスによってはほとんどエ
ッチングされないものの、フッ素系ガスによってはエッ
チングされるので、基準マーク3及びアライメントマー
クのパターニング工程においてフッ素系ガスを用いるこ
とによってSiCからなるメンブレン2も同時にエッチ
ングすることができ、アライメント光の回折効率を向上
してマスク合わせ精度を向上することができる。
【0035】(6)また、本発明は、X線マスクの製造
方法において、基準マーク3の位置座標の検出を吸収体
4の成膜前と成膜後の2度行い、その差に基づいて吸収
体4の応力による位置変動を計測することを特徴とす
る。
【0036】この様に、基準マーク3の位置の検出を吸
収体4の成膜前と成膜後の2度行うことにより、薄いメ
ンブレン2上に成膜した吸収体4の応力を測定すること
が可能になる。
【0037】(7)また、本発明は、上記(6)におい
て、位置変動から吸収体4の応力を測定し、その応力値
から予想される位置変動を補償するように転写パターン
のパターンデータを補正して吸収体4をパターニングす
ることを特徴とする。
【0038】この様に、測定した吸収体4の応力値か
ら、予想される位置変動を補償するように転写パターン
のパターンデータを補正することにより、吸収体4自体
が有する応力の影響による吸収体パターンの位置変動を
低減することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図2
及び図3を参照して説明する。 図2(a)参照 まず、厚さ525μmのシリコン基板11の表面に減圧
化学気相成長法(LPCVD法)によって、X線マスク
のメンブレンとなる厚さ1.0〜2.5μm、例えば、
2μmのSiC膜12を成膜し、次いで、シリコン基板
11の一方の表面に堆積したSiC膜12の表面を研磨
法によって平坦化すると共に、他方の表面に堆積したS
iC膜12を除去したのち、スパッタリング法によって
厚さ30〜650nm、例えば、500nmのW膜13
を堆積させる。
【0040】なお、このW膜13は基準マーク14とし
て用いるものであるので、電子ビームを用いて位置検出
する場合、反射電子の信号のS/N比を十分取るために
は、電子ビームの加速電圧及びビーム電流にも依存する
が、W膜13の厚さは30nm以上あれば良い。
【0041】また、エッチングガスとしてBCl3 /C
2 を用いたRIE(反応性イオンエッチング)におい
ては、Wと吸収体膜となるTaとのエッチング選択比は
約4倍程度であるので、W膜の厚さは500nmあれば
十分である。
【0042】図2(b)参照 次いで、厚さ0.4μmのレジスト(図示せず)を塗布
したのち、露光・現像することによって、チップ領域の
周辺4隅に基準マーク14を形成するためのパターンを
形成すると同時に、所定の位置にヘテロダインマークを
形成するためのパターンを形成し、このレジストパター
ン(図示せず)をマスクとして、CF4ガスを用いてW
膜13をエッチングして基準マーク14及びヘテロダイ
ンマーク(図示せず)を形成する。
【0043】なお、このエッチング工程において、同時
に、下地のSiC膜12を100〜800nm、例え
ば、320nmエッチングすることによって、アライメ
ント光の回折効率を高める。
【0044】即ち、エッチングする深さは、アライメン
ト光の波長の1/2程度、即ち、λ/2であり、アライ
メント光の波長に依存するが、厳密にλ/2である必要
はなく、必要とするS/N比に応じて適宜設定すれば良
く、また、あまりエッチングしすぎると、メンブレンの
応力変動による位置変動が問題になるので、100〜8
00nmが適当である。
【0045】図2(c)参照 次いで、スパッタリング法を用いて、全面に、厚さ30
0〜800nm、例えば、600nmの吸収体となるT
a膜15を堆積させる。
【0046】なお、この時、Ta膜の残留応力が、後の
パターン描画工程において、参照する基準マーク14の
読取や、基準マーク14上のTa膜除去用パターンの位
置マージンに影響を与えるので、アニール処理を施すこ
とによってTa膜15の応力がほぼ0になるように制御
することが望ましい。
【0047】図3(d)参照 次いで、新たにレジストを塗布し、露光・現像すること
によってマーク領域開口16を形成するためのレジスト
パターン(図示せず)を形成したのち、このレジストパ
ターンをマスクとしてBCl3 /Cl2 をエッチングガ
スとして用いたRIEによってTa膜15をエッチング
してマーク領域開口16を形成する。
【0048】これは、吸収体としてのTa膜15を成膜
したのちは、吸収体の厚さは300〜800nm程度と
厚いものであるので、基準マーク14からの反射電子を
直接検出することが不可能になり、且つ、基準マーク1
4の段差による吸収体表面の段差もならされてしまうの
で、基準マーク14の位置検出のためにマーク領域開口
16を形成する必要が生ずるためであり、基準マーク1
4と吸収体とを異なった材料で形成しているので選択エ
ッチングが可能になる。
【0049】なお、このマーク領域開口16の大きさ
は、例えば、基準マーク14のサイズを20μmとした
場合、露光装置のメカニカルアライメントのマージンを
含めて、100μm□にするものであり、また、ヘテロ
ダインマーク上にあるTa膜15は除去しない。
【0050】図3(e)参照 次いで、シリコン基板11の裏面にSiCリングからな
るフレーム17を接着したのち、このフレーム17をマ
スクとしてフッ硝酸を用いたウェット・エッチングを行
うことによってシリコン基板11をバックエッチングし
て、メンブレンとなるSiC膜12を露出させると共
に、残存するシリコン基板11を支持枠18とする。
【0051】図3(e)参照 次いで、基準マーク14の位置を電子ビーム露光装置で
測定し、測定した基準マーク14の位置と、理想格子と
の差をアライメント座標に加え、例えば、測定した4隅
の基準マーク14の座標が理想座標の(10000,1
0000)、(−10000,10000)、(−10
000,−10000)、(10000,−1000
0)に対して、(10000.4,10000.4)、
(−10000.3,10000.4)、(−1000
0.3,−10000.4)、(10000.4,−1
0000.4)であれば、直描の際のアライメントマー
ク座標に上記値を入力する。
【0052】図3(f)参照 次いで、レジスト(図示せず)、例えば、ZEP−52
0(日本ゼオン製商品名)を0.2μm塗布し、200
℃で5分間プリベークを行ったのち、基準マークを検出
しながら、上記入力したアライメントマーク座標に基づ
いて直描によってデバイスパターンを形成するためのパ
ターンを露光し、次いで、現像することによって形成し
たレジストパターン(図示せず)をマスクとして、BC
3 /Cl2 をエッチングガスとして用いたRIEによ
ってTa膜15をエッチングしてTaパターン19から
なるデバイスパターン、即ち、デバイスを形成するため
のパターンを形成する。
【0053】この本発明の第1の実施の形態により、レ
ジスト応力に起因した、倍率誤差40ppm(0.4/
10000)を補正することができる。
【0054】即ち、従来のように、レジストの塗布後に
基準マークの位置座標の測定を行っても、レジストの応
力によってズレた位置を検出することになり、このズレ
た基準マークを理想的基準として露光を行うと、最終的
にレジストを全て除去した際に、レジストの応力から開
放されて形成したパターンが位置変動を起こし理想的基
準からのズレが生ずる。
【0055】しかし、本発明のように、レジストを塗布
する前に基準マークの位置座標を測定しておき、レジス
ト塗布後に電子ビーム露光装置を用いてデバイスパター
ンを描画する際に、レジストの塗布によって基準マーク
が位置変動しても、変動した位置が測定した基準マーク
の座標であるとして、それに合わせて直描を行っている
ので、レジストを除去して応力による変動が生じても、
変動後のデバイスパターンと基準マークの位置関係は変
わらず、レジストの応力とは関係なくほぼ理想的な位置
にデバイスパターンを形成することができる。
【0056】なお、上記の第1の実施の形態において
は、吸収体と基準マークを異なった材料で形成している
が、単にレジストの応力の影響を低減するためだけであ
るならば、同じ材料、例えば、Ta膜を用いても良いも
のであり、その場合には、シリコン基板上にSiC膜及
びTa膜を堆積させたのち、フレームを接着してバック
エッチングし、次いで、BCl3 /Cl2 をエッチング
ガスとして用いたRIEによってTa膜をエッチングし
て基準マーク及びヘテロダインマークを形成し、次い
で、CF4 やBCl3 ガスを用いて下地のSiCを10
0〜800nmエッチングし、その後は、上記の第1の
実施の形態の工程と同様に基準マークの位置測定を行
い、位置の補正を行って吸収体パターンを形成すれば良
い。
【0057】次に、図4及び図5を参照して、本発明の
第2の実施の形態を説明する。上記の第1の実施の形態
においてはレジストの応力の影響を回避するものである
が、実際には吸収体の応力を問題になるので、この第2
の実施の形態は吸収体の応力の影響を回避するものであ
る。
【0058】図4(a)参照 この第2の実施の形態は、従来の(c)の工程に対応す
るものであり、まず、厚さ525μmのシリコン基板2
1の表面に減圧化学気相成長法(LPCVD法)によっ
て、X線マスクのメンブレンとなる厚さ1.0〜2.5
μm、例えば、2μmのSiC膜22を成膜し、次い
で、シリコン基板21の一方の表面に堆積したSiC膜
22の表面を研磨法によって平坦化すると共に、他方の
表面に堆積したSiC膜22を除去する。
【0059】次いで、シリコン基板21の裏面にSiC
リングからなるフレーム23を接着したのち、このフレ
ーム23をマスクとしてフッ硝酸を用いたウェット・エ
ッチングを行うことによってシリコン基板21をバック
エッチングして、メンブレンとなるSiC膜22を露出
させると共に、残存するシリコン基板21を支持枠24
とする。
【0060】図4(b)参照 次いで、スパッタリング法によって厚さ30〜650n
m、例えば、500nmのW膜25を堆積させる。な
お、この場合も、W膜25は基準マーク26として用い
るものであるので、電子ビームも用いて位置検出する場
合、反射電子の信号のS/N比を十分取るために、エッ
チングレートを考慮して30nm〜500nmあれば良
い。
【0061】図4(c)参照 次いで、厚さ0.4μmのレジスト(図示せず)を塗布
したのち、露光・現像することによって、チップ領域の
周辺4隅に基準マーク26を形成するためのパターンを
形成すると同時に、所定の位置にヘテロダインマークを
形成するためのパターンを形成し、このレジストパター
ン(図示せず)をマスクとして、CF4ガスを用いてW
膜25をエッチングして基準マーク26及びヘテロダイ
ンマーク(図示せず)を形成する。
【0062】そして、レジストパターンを除去したの
ち、電子ビーム露光装置を用いて第1回目の基準マーク
26の位置測定を行う。
【0063】図5(d)参照 次いで、スパッタリング法を用いて、全面に、厚さ30
0〜650nm、例えば、600nmの吸収体となるT
a膜27を堆積させる。なお、こ場合も、アニール処理
を施すことによってTa膜27の応力がほぼ0になるよ
うに制御することが望ましい。
【0064】図5(e)参照 次いで、新たにレジストを塗布し、露光・現像すること
によってマーク領域開口28を形成するためのレジスト
パターン(図示せず)を形成したのち、このレジストパ
ターンをマスクとしてBCl3 /Cl2 をエッチングガ
スとして用いたRIEによってTa膜27をエッチング
してマーク領域開口28を形成する。
【0065】この場合も、マーク領域開口16の大きさ
は、例えば、基準マーク14のサイズを20μmとした
場合、露光装置のメカニカルアライメントのマージンを
含めて、100μm□にするものであり、また、ヘテロ
ダインマーク上にあるTa膜15は除去しない。
【0066】そして、レジストパターンを除去したの
ち、電子ビーム露光装置を用いて第2回目の基準マーク
26の位置測定を行い、第1回目と第2回目との位置の
差がTa膜の成膜による位置変動を表すことになり、こ
の位置変動の結果に基づいて補正した位置データを入力
する。
【0067】図5(f)参照 次いで、レジスト(図示せず)、例えば、ZEP−52
0(日本ゼオン製商品名)を0.2μm塗布し、200
℃で5分間プリベークを行ったのち、基準マーク26を
検出しながら、上記補正入力した位置データに基づいて
直描によってデバイスパターン形成するためのパターン
を露光し、次いで、現像することによって形成したレジ
ストパターン(図示せず)をマスクとして、BCl3
Cl2 をエッチングガスとして用いたRIEによってT
a膜27をエッチングしてTaパターン29からなるデ
バイスパターンを形成する。
【0068】なお、ここで注意するのは、レジストは最
終的に完全に除去されるのに対して、吸収体はデバイス
パターンに応じて残存するため、ネガ型レジストを用い
て電子ビーム露光装置での描画率が極めて低い場合に
は、ほとんどの吸収体が除去されるため、基準マーク2
6はほぼ吸収体の成膜前の位置に戻るので、第1回目に
測定した座標を、絶対座標として用いる。
【0069】また、ポジ型レジストを用いて電子ビーム
露光装置での描画率が極めて低い場合には、ほとんどの
吸収体が残存するため、基準マーク26はほぼ吸収体の
成膜後の位置に留まるので、第2回目に測定した座標
を、絶対座標として用いる。
【0070】また、実際のデバイスパターンに適用する
場合には、描画率やパターンの配置に応じて基準マーク
26のパターニング後の位置が変動するので、第1回目
の位置データと第2回目の位置データの差を換算し、第
2回目の測定結果に加えることによって、位置精度を向
上することが可能になる。
【0071】この様に、第2の実施の形態においては、
レジストの応力の影響のみならず、吸収体の応力の影響
も回避することができるので、位置精度をさらに向上す
ることができる。
【0072】なお、上記の第2の実施の形態の説明にお
いては、基準マーク26をバックエッチング後に行って
いるが、バックエッチング工程前に行っても良いもので
ある。
【0073】以上、本発明の第1の実施の形態及び第2
の実施の形態を説明してきたが、本発明においては、へ
テロダインマーク上のTa膜は除去しないので、Ta膜
からなる吸収体がヘテロダインアライメント工程におい
て遮光膜として機能するため、遮光膜を別個に形成する
工程が不要になる。
【0074】また、上記各実施の形態の説明において
は、基準マークの検出のために電子ビーム露光装置を用
いているが、光波5I(ニコン製商品名)等の位置検査
装置を用いても良いものである。
【0075】また、上記の各実施の形態の説明において
は、レジストのみを吸収体のエッチングの際のエッチン
グマスクとして利用しているが、マイクロローディング
効果や電子ビーム描画による近接効果の影響を低減する
ために、SiO2 膜やAl23 膜をエッチングマスク
として用いても良い。
【0076】この場合には、エッチングマスク自体の応
力によって位置変動が生ずるが、エッチングマスクを最
終的に全て除去する場合には、レジストと同様にエッチ
ングマスクの成膜前に基準マークの位置測定を行えば良
い。
【0077】即ち、具体的には、基準マーク及びマスク
マークの形成、吸収体の成膜、基準マーク上の吸収体の
除去、第1回目の基準マークの位置測定、エッチングマ
スクの成膜、第2回目の基準マークの位置測定、デバイ
スパターン描画の工程を順次行えば良い。
【0078】また、エッチングマスクを除去しない場合
には、エッチングマスクと吸収体とが一体となって応力
を持っているのと等しいため、第1回目の位置測定後
に、吸収体とエッチングマスクの成膜を行えば良い。
【0079】この場合の第1回目と第2回面の測定結果
の差は、メンブレン上に吸収体やエッチングマスクを成
膜した時の膜応力によるIn−Plane−Disto
rtion(面内歪)を示すことになる。
【0080】即ち、成膜や、アニール或いはイオン注入
による応力制御に伴う位置変動を、各プロセスの前後の
位置変動から推測することができ、また、その結果をフ
ィードバックすることによってパターニング工程に伴う
位置変動を補償することができる。
【0081】さらに、メンブレン上に、複数のマーク
を、例えば、21mm□内に3mmピッチでマトリクス
状に配置することにより、その領域における成膜した膜
の応力の面内分布を測定することができる。
【0082】また、上記の実施の形態においては、吸収
体膜としてTa膜を用いているが、Taの代わりにTa
と同様に塩素系ガスでエッチング可能なTa2 5 また
はTa4 Bを用いても良いものであり、その場合には、
基準マークとして塩素系ガスに対する耐性の大きなC
r、Co、Ru、Mo、Au、Al2 3 、SiO2
In2 3 、或いは、TaNを用いれば良く、Cr、C
o、Ru、Mo、Au、Al2 3 、SiO2 、In2
3 、及び、TaNのBCl3 /Cl2 に対する耐性は
Taの10倍以上である。
【0083】さらに、吸収体としては、フッ素系ガスで
エッチング可能なW、W−Ti、Ta、Ta2 5 、T
aN、或いは、Ta4 Bを用いても良いものであり、そ
の場合には、基準マークとしてフッ素系ガスに対する耐
性の大きなAuまたはAlを用いれば良い。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、レジストの塗布前に測
定した基準マークの位置座標を用いてパターンを直描す
るので、レジストの応力の影響を回避することができ、
また、基準マークと吸収体とを異なった材料で構成する
ことによって、吸収体膜或いはエッチングマスク成膜前
後の夫々位置測定が可能になり、その位置測定の結果を
用いることによって吸収体膜或いはエッチングマスクの
応力の影響も回避することができるので、精度の高いX
線マスクを製造することができ、特に、ハイブリッド露
光を採用する半導体装置の製造工程に有用となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の途中までの製造工
程の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の図2以降の製造工
程の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の途中までの製造工
程の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の図4以降の製造工
程の説明図である。
【図6】従来のX線マスク作製工程の説明図である。
【符号の説明】
1 支持枠 2 メンブレン 3 基準マーク 4 吸収体 5 フレーム 11 シリコン基板 12 SiC膜 13 W膜 14 基準マーク 15 Ta膜 16 マーク領域開口 17 フレーム 18 支持枠 19 Taパターン 21 シリコン基板 22 SiC膜 23 フレーム 24 支持枠 25 W膜 26 基準マーク 27 Ta膜 28 マーク領域開口 29 Taパターン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準マークと吸収体とを異なった材料で
    構成したことを特徴とするX線マスク。
  2. 【請求項2】 上記基準マークをCr、Co、Ru、M
    o、W、Au、Al 2 3 、SiO2 、In2 3 、或
    いは、TaNのうちのいずれか1つから構成し、また、
    上記吸収体をTa、Ta2 5 、或いは、Ta4 Bのう
    ちのいずれか1つから構成したことを特徴とする請求項
    1記載のX線マスク。
  3. 【請求項3】 上記基準マークをAu、または、Alか
    ら構成し、また、上記吸収体をW、W−Ti、Ta、T
    2 5 、TaN、或いは、Ta4 Bのうちのいずれか
    1つから構成したことを特徴とする請求項1記載のX線
    マスク。
  4. 【請求項4】 基準マークを形成したのち吸収体を成膜
    し、次いで、前記基準マーク上の前記吸収体を選択的に
    除去したのち、レジストを塗布する前に前記基準マーク
    の配置を測定し、この測定結果をアライメントマーク座
    標値にオフセット値として入力して、前記吸収体をパタ
    ーニングすることを特徴とするX線マスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 基準マークの形成時に、アライメントマ
    ークを同時に形成すると共に、メンブレンをSiCで構
    成し、吸収体のパターニング工程においてはエッチング
    ガスとして塩素系ガスを用い、前記基準マーク及びアラ
    イメントマークのパターニング工程においてはエッチン
    グガスとしてフッ素系ガスを用いることにより、前記基
    準マーク及びアライメントマークのパターニング工程に
    おいて前記メンブレンを100〜800nmエッチング
    することを特徴とするX線マスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 基準マークの位置座標の検出を吸収体の
    成膜前と成膜後の2度行い、その差に基づいて前記吸収
    体の応力による位置変動を計測することを特徴とするX
    線マスクの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記位置変動から、上記吸収体の応力を
    測定し、その応力値から予想される位置変動を補償する
    ように転写パターンのパターンデータを補正して、上記
    吸収体をパターニングすることを特徴とする請求項6記
    載のX線マスクの製造方法。
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