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JPH09268490A - ポリエステル系耐熱湿式不織布およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル系耐熱湿式不織布およびその製造方法

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Publication number
JPH09268490A
JPH09268490A JP8097645A JP9764596A JPH09268490A JP H09268490 A JPH09268490 A JP H09268490A JP 8097645 A JP8097645 A JP 8097645A JP 9764596 A JP9764596 A JP 9764596A JP H09268490 A JPH09268490 A JP H09268490A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
sheath
heat treatment
nonwoven fabric
melting point
Prior art date
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Pending
Application number
JP8097645A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Miyamoto
一徳 宮元
Junji Ikeda
純二 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Ester Co Ltd filed Critical Nippon Ester Co Ltd
Priority to JP8097645A priority Critical patent/JPH09268490A/ja
Publication of JPH09268490A publication Critical patent/JPH09268490A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、製糸性共に優れ、沸水処理後の収縮
率が低く、沸水中へ投入した後であっても強力を保持で
きるポリエステル系耐熱湿式不織布を提供しようとする
ものである。 【解決手段】 ポリエステル繊維90〜10重量%と、
芯部が融点220℃以上のポリアルキレンテレフタレー
トで、鞘部がガラス転移温度20〜80℃、結晶開始温
度90〜130℃、融点130〜180℃である芳香族
ポリエステルと脂肪族ポリラクトンとからなるブロツク
共重合ポリエステルであるポリエステル系芯鞘複合バイ
ンダー繊維10〜90重量%とからなり、沸水収縮率が
10%以下、沸水処理後の強力保持率が50%以上であ
ることを特徴とするポリエステル系耐熱湿式不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温雰囲気下で使
用したときも強力を保持している湿式不織布に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用内装材、フィルター材、
ティーバック外包材等に用いる湿式不織布の繊維構造物
において、構成繊維(以下、主体繊維という。)相互間
を接着する目的で、従来より使用されているポリビニル
アルコール、変成アクリル酸ポリマー等のバインダーに
代わって、ホットメルト型バインダー繊維が広く使用さ
れるようになっている。主体繊維としては、比較的安価
で優れた物性を有するポリエステル繊維が最も多く使用
されており、これを接着するバインダー繊維もポリエス
テル系のものが多く使用されている。
【0003】これらのバインダー繊維は、製造時の操業
性や不織布の接着強力のみを重要視したものであり、湿
潤時の強力、湿潤時の収縮、風合い等については何ら研
究されていない。
【0004】例えば、芯部がポリエチレンテレフタレー
ト(以下、PETという。)、鞘部がイソフタル酸成分
を共重合した低融点の非晶性ポリエステルとする芯鞘型
複合バインダー繊維からなる不織布では、繊維製造時の
問題が少なく、また、比較的低温の熱処理で不織布を成
形できるが、高温雰囲気下になるほど不織布強力が弱く
なり、耐熱性を有していないという問題点が指摘されて
いる。つまり、結晶性の低い共重合ポリエステルを鞘成
分としたバインダー繊維からなる不織布では、耐熱性が
十分でなく、これを改良するために結晶性共重合ポリエ
ステルを鞘成分としたバインダー繊維の研究がなされて
きた。しかし、この結晶性共重合ポリエステルは結晶化
速度が大きいために溶融紡糸時の細化中に結晶化が進行
し糸切れが生じるという問題や、前記重合体の結晶化度
が本願の目的を達成するほど十分に高くないため十分な
耐熱性を有しない。また、芯部がPET、鞘部のイソフ
タル酸成分の共重合量を特定量とし融点を高くして耐熱
性を有するバインダー繊維としたものも用いられている
が、湿潤時の強力低下が激しく、収縮率が大きいため実
用に即していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なバインダー繊維からなる不織布の問題点を解消し、耐
熱性、製糸性共に優れ、沸水中での収縮率が低く、沸水
中へ投入後であっても強力を保持できるポリエステル系
耐熱湿式不織布を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な新規なポリエステル系バインダー繊維を開発すべく鋭
意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、ポリエステル繊維9
0〜10重量%と、芯部が融点220℃以上のポリアル
キレンテレフタレートで、鞘部がガラス転移温度20〜
80℃、結晶開始温度90〜130℃、融点130〜1
80℃である芳香族ポリエステルと脂肪族ポリラクトン
とからなるブロツク共重合ポリエステルであるポリエス
テル系芯鞘複合バインダー繊維10〜90重量%とから
なり、沸水収縮率が10%以下、沸水処理後の強力保持
率が50%以上であることを特徴とするポリエステル系
耐熱湿式不織布を要旨とするものである。
【0008】ポリエステル繊維90〜10重量%と、芯
部が融点220℃以上のポリアルキレンテレフタレート
で、鞘部がガラス転移温度20〜80℃、結晶開始温度
90〜130℃、融点130〜180℃である芳香族ポ
リエステルと脂肪族ポリラクトンとからなるブロツク共
重合ポリエステルであるポリエステル系芯鞘複合バイン
ダー繊維10〜90重量%を混合し、抄紙機にて抄紙と
した後、〔バインダー繊維の鞘部を構成する共重合ポリ
エステルの融点〜(融点+30)〕℃の温度で融着熱処
理を行って不織布を成形し、次いで〔前記共重合ポリエ
ステルの結晶開始温度〜(融点−20)〕℃の温度で2
分間以上耐熱化熱処理を行うことを特徴とする請求ポリ
エステル系耐熱湿式不織布の製造方法を要旨とするもの
である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。ポリエス
テル系芯鞘複合バインダー繊維の芯部は、融点220℃
以上のポリアルキレンテレフタレートである。ポリアル
キレンテレフタレートとしては、ポリエチレンテレフタ
レート(以下、PETと略記する。)、ポリブチレンテ
レフタレート(以下、PBTと略記する。)等が好まし
く、これらの単独重合体、もしくは、本発明の目的を損
なわない範囲であれば、イソフタル酸、フタル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、1,4−ブタンジオール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール等を10モル%
程度共重合させた共重合体でも良く、また艶消し剤や、
滑剤等の添加剤を添加してもよい。
【0010】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
芯部の融点は220℃以上とすることが必要であり、好
ましくは230℃以上とする。220℃未満であると、
不織布成形の際、融着熱処理の安定性も悪くなり、また
熱処理により芯部が熱劣化して強度が低下するため好ま
しくない。
【0011】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
鞘部は、ガラス転移温度20〜80℃の範囲、結晶開始
温度90〜130℃、融点130〜180℃である芳香
族ポリエステルと脂肪酸ポリラクトンとからなるブロツ
ク共重合ポリエステルである。
【0012】芳香族ポリエステルとしては、PETやP
BT等が好ましく、これらの単独重合体、もしくは、本
発明の目的を損なわない範囲であれば、20モル%以下
の範囲でイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール
等を共重合させた共重合体でもよい。20モル%を超え
ると共重合体の融点が下がり本発明の目的から外れるこ
とになるので好ましくない。
【0013】脂肪族ポリラクトンとしては、炭素数4〜
11のラクトンの単独重合体または、二種以上の共重合
体が好ましく、特に、好適なポリラクトンとして、ポリ
ε−カプロラクトンが挙げられる。
【0014】芳香族ポリエステルにブロツク共重合する
脂肪族ポリラクトンの共重合量は、10〜20モル%が
好ましく、より好ましくは12〜18モルである。共重
合量が10モル%未満では結晶性は良くなるが、融点が
180℃を超え、不織布成形の際、融着熱処理に高温処
理が必要となり、20モル%を超えると、紡糸時の密着
が発生し、製糸性が悪くなるため好ましくない。
【0015】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
鞘部となる共重合ポリエステルのガラス転移温度(以
下、Tgと略記する。)は、20〜80℃の範囲とする
必要がある。鞘部となる共重合ポリエステルのTgが2
0℃未満では、溶融紡糸時に単糸密着発生による製糸性
が悪くなり、通常の二成分複合溶融紡糸装置では、製造
することが困難である。また、80℃を超えると、延伸
を行う際に延伸温度を上げる必要があり、高温延伸であ
るため延伸による塑性変形と同時に部分的な結晶化が始
まるが、芯部と鞘部との間で結晶化に差異が生じるた
め、糸構造にムラが生じ、したがって糸切れが発生し延
伸性が低下する等の問題が生じる。
【0016】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
鞘部となる共重合ポリエステルの結晶開始温度(以下、
Tcと略記する。)は、90〜130℃の範囲とする必
要がある。ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の鞘
部となる共重合ポリエステルのTcが90℃未満では、
熱延伸工程で結晶化が進行してしまうため、次の耐熱化
熱処理工程において安定な結晶構造を再構築することが
困難である。また、130℃を超えると融点が180℃
を超えることになりバインダー繊維として使用できな
い。
【0017】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
鞘部となる共重合ポリエステルの融点(以下、Tmと略
記する。)は、130〜180℃の範囲とする必要があ
る。鞘成分となる共重合ポリエステルのTmが130℃
未満では、たとえ繊維化した場合でも、高温雰囲気下で
使用した場合、溶融し耐熱性が得られないことから高温
雰囲気下および沸水中で使用できない。また、180℃
を超えると、高温での融着熱処理が必要となり、高温熱
処理による重合体の分解が起こりやすくなり、また経済
的にも好ましくない等の問題がある。
【0018】本発明の湿式不織布を構成する繊維におい
て、ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維を10〜9
0重量%有することが必要である。10重量%未満で
は、バインダー効果が不十分となって、十分な繊維相互
間の接着強力を得ることができない。また、90重量%
を超えると、耐熱性には優れるが、手触りが硬く、かつ
嵩がなくなり好適な風合いの湿式不織布を得ることがで
きない。
【0019】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
芯部と鞘部の複合比率は、2/3〜3/2が好ましい
が、特に限定されるものではなく、二成分それぞれの機
能を発揮させるために適宜選択すればよい。
【0020】主体繊維は用途によって選択すればよく、
例えばクツシヨン性や嵩高性が要求されるものであれば
6〜15デニールのポリエステルステープル綿、風合い
のソフトなものが要求される時は1〜5デニールのポリ
エステルステープル綿を混合使用することにより、好適
な湿式不織布が得られる。
【0021】本発明の耐熱湿式不織布は、沸水収縮率が
10%以下、沸水処理後の強力保持率が50%以上であ
る。沸水収縮率が10%を超える湿式不織布は、沸水中
での寸法安定性が悪く、本発明の目的より好ましくな
い。沸水処理後の強力保持率が50%未満である不織布
もまた本発明の目的より好ましくない。
【0022】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維
は、通常の芯鞘型複合紡糸装置を用いて溶融紡糸し、得
られた未延伸繊維を延伸した後、必要に応じて捲縮を付
与することによって得ることができる。ついで、この繊
維を切断してステープルとした後、主体繊維であるポリ
エステルステープルと混綿し、抄紙機にて抄紙を作成
し、〔バインダー繊維の鞘部を構成する共重合ポリエス
テルのTm〜(Tm+30)〕℃に昇温した熱処理装置
によって融着熱処理を行って、不織布を成形する。すな
わち、ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の鞘部の
共重合ポリエステルを溶融させ、繊維相互を点接着し不
織布を得る。熱処理装置としては熱風循環ドライヤー、
回転ドラム乾燥機等が用いられる。
【0023】以上の処理で不織布が成形されるが、本発
明は成形された不織布についてさらに耐熱化熱処理を
〔バインダー繊維の鞘部のTc〜(Tm−20)〕℃の
温度で2分間以上行う。この耐熱化熱処理を行うことに
より、高温雰囲気下および沸水中へ投入後での不織布強
力が保持できる。
【0024】すなわち、芯部のTmが220℃以上のポ
リアルキレンテレフタレートからなるため熱延伸する必
要があるが、このとき、鞘部も熱延伸の影響をうけて、
結晶化が進行する。この際、鞘部のブロツク共重合ポリ
エステルのTcが低いと結晶化がすすみ、芯部の重合体
が熱分解をしない範囲での熱処理を施した時、鞘部に形
成された結晶構造を一旦崩壊させることはできない。従
って、このような繊維は、鞘部が芯部を拘束しており芯
部が依然内部ひずみをもったままであるため、寸法安定
性に劣る。これに対し、本発明は鞘部のブロツク共重合
ポリエステルが前記のような高いTcをもっているた
め、熱延伸時には比較的低結晶性である。そして、不織
布成形後、耐熱化熱処理を〔バインダー繊維の鞘部のT
c〜(Tm−20)〕℃の温度で2分間以上行うことに
より、新たな内部ひずみを吸収した結晶構造を構築す
る。従って、寸法安定性が著しく向上する。
【0025】耐熱化熱処理時間が2分未満では処理時間
が短く不織布の耐熱性は不十分となる。また10分を超
えて耐熱化熱処理を行っても耐熱性は変わらないので、
2〜10分の範囲で耐熱化熱処理を行えば十分である。
【0026】
【作用】本発明のポリエステル系耐熱湿式不織布の芯鞘
複合バインダー繊維の鞘部が、前記載の結晶性を有する
ブロック共重合ポリエステルからなるため、溶融紡糸時
に単繊維相互の密着や繊維の擦過損傷もなく製造時の操
業調子も良好である。さらに、前記バインダー繊維を少
なくとも10重量%混綿して得た本発明の湿式不織布
は、耐熱化熱処理を行うことにより芯鞘複合バインダー
繊維の鞘部のブロツク共重合ポリエステルの結晶化度が
大幅に向上し熱的に安定な構造をつくるため、耐熱性に
優れた不織布となる。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものでない。
【0028】なお、実施例に記述した諸物性の測定およ
び評価は次の方法により行った。
【0029】(1)相対粘度ηR :フェノール四塩化エ
タンの等重量混合溶媒で、温度20℃で測定した。
【0030】(2)Tg・Tc・Tm:パーキンエルマ
ー社製の示差走査熱量計DSC−7型を用い、昇温速度
20℃/分で測定した。
【0031】(3)不織布強力:オリエンテツク社製U
TM 4型のテンシロンを用い、不織布を幅2.5c
m、長さ15cmとして温度条件変更可能な恒温槽内に
投入し、引張速度10cm/分、つかみ間隔10cmの
条件で、伸長切断し、最大点強力を読み取った。この値
を高温雰囲気下の不織布強力とした。恒温槽温度条件
は、90℃、110℃の2点とし、恒温槽投入1分後に
ついて各々試料数10個測定し、平均値を求めた。ま
た、室温下(23℃)での不織布強力は、室温下で同様
にして求めた。
【0032】(4)高温雰囲気下の不織布強力保持率
(%):次式により求めた。 A(%)=(B/C)×100 上式において、Aは、高温雰囲気下の不織布強力保持
率、Bは、90℃あるいは110℃雰囲気下の不織布強
力(g)、Cは、耐熱化熱処理前の室温下の不織布強力
(g)とする。
【0033】(5)沸水収縮率(%):不織布を縦2.
5cm、横2.5cmとして各々試料数10個用意し、
沸水中(100℃)に10分間投入した後、各々試料数
10個の面積を測定して平均値を求め、沸水収縮率
(%)を次式により求めた。 A(%)=(B−C)×100/B 上式において、Aは沸水収縮率、Bは沸水投入前の不織
布の面積、Cは沸水投入10分後の不織布の面積とす
る。
【0034】(6)沸水処理後の不織布強力保持率
(%):オリエンテツク社製UTM 4型のテンシロン
を用い、不織布を幅2.5cm、長さ15cmとして沸
水中(100℃)に10分間投入した後に、引張速度1
0cm/分、つかみ間隔10cmの条件で、伸長切断
し、最大点強力を読み取り、この値を沸水処理後の不織
布強力とした。各々試料数10個測定し、平均値を求め
た。また、室温下(23℃)での不織布強力は、室温下
で同様にして求めた。得られた値より沸水中の不織布強
力保持率を次式により求めた。 A(%)=(B/C)×100 上式において、Aは沸水処理後の不織布強力保持率、B
は沸水処理後の不織布強力(g)、Cは室温下(23
℃)の不織布強力(g)とする。
【0035】(7)風合い:湿式不織布の風合いを官能
評価により次の3段階で評価した。 ○:手触りがよく、ソフト感がある。 △:手触りがやや硬い。 ×:手触りが硬い。
【0036】(8)総合評価: ○:下記の5個の条件をすべて満足するもの △:下記の条件のうち4個の条件を満足するもの ×:下記の条件を満たすものが3個以下のもの 〔条件〕 1.高温雰囲気下(90℃)での強力保持率50%以上
である。 2.高温雰囲気下(110℃)での強力保持率50%以
上である。 3.沸水処理後の強力保持率50%以上である。 4.沸水収縮率が10%以下である。 5.風合いが○である。
【0037】実施例1〜7 芯成分に相対粘度1.38、256℃のPETペレツト、
鞘成分にテレフタル酸(TPA)/エチレングリコール
(EG)/1,4ブタンジオール(1,4−BD)=100
/50/50(モル比)共重合させたものに、ポリε
カプロラクトン(ε−CL)あるいは、ポリδ−バレロ
ラクトン(δ−VL)を表1に示す割合に従って共重合
して得た共重合ポリエステルペレツトを各々減圧乾燥し
た。上記ペレツトを通常の二成分複合溶融紡糸装置を用
い、1:1の複合比率(体積比)で、紡糸温度270
℃、吐出量120g/分、口金板孔数225孔、紡糸速
度700m/分で紡糸した。紡出糸条を冷風(18℃)
で冷却し、引き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸
糸条を集束し、10万デニールのトウにして延伸倍率を
3.3倍、延伸温度60℃で延伸し、130℃の緊張熱処
理を施し、油剤を付与した後ノークリンプトウを5mm
に切断して単糸繊度2デニールの実施例1〜7のポリエ
ステル系芯鞘複合バインダー繊維を得た。得られた実施
例1〜7のポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の鞘
成分のブロツク共重合ポリエステルのTg・Tc・Tm
およびηR を表1に示した。
【0038】実施例8 実施例3において、芯成分に相対粘度1.55、227℃
のPBTペレツトを使用する以外は、実施例3と同様に
して実施例8のポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維
を得た。得られた実施例8のポリエステル系芯鞘複合バ
インダー繊維の鞘成分のブロツク共重合ポリエステルの
Tg・Tc・TmおよびηR を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】実施例1〜4、6〜8のポリエステル系芯
鞘複合バインダー繊維の製糸性は良好であった。一方、
実施例5のポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維は、
紡糸時に密着が発生し、製糸性は悪かった。
【0041】実施例11 繊度2デニール、繊維長5mmのPET繊維と実施例3
で得られたポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維を重
量割合1:1で混綿し、抄紙機にて抄紙を作成し、回転
乾燥機を用いて熱処理温度160℃×100秒で融着熱
処理を行って成形し、得られた耐熱化熱処理前の不織布
の室温下(23℃)での不織布強力(g)を測定して表
2に示した。次いで100℃×5分で耐熱化熱処理を行
い、目付40g/m2 の耐熱性湿式不織布を得た。
【0042】実施例12〜13 実施例11において、表2に示す熱処理温度および耐熱
化熱処理温度で熱処理をした以外は、実施例11と同様
にして実施例12〜13の耐熱性湿式不織布を得た。
【0043】実施例14 実施例11において、実施例2で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして実施例14の耐熱性湿式不織布を
得た。
【0044】実施例15 実施例11において、実施例4で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして実施例15の耐熱性湿式不織布を
得た。
【0045】実施例16 実施例11において、実施例8で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして実施例16の耐熱性湿式不織布を
得た。
【0046】実施例17 実施例11において、繊度2デニール、繊維長51mm
のPET繊維と実施例3で得られたポリエステル系芯鞘
複合バインダー繊維を重量割合3:7で混合した以外
は、実施例11と同様にして実施例17の耐熱性湿式不
織布を得た。
【0047】実施例18 実施例11において、繊度2デニール、繊維長51mm
のPET繊維と実施例3で得られたポリエステル系芯鞘
複合バインダー繊維を重量割合7:3で混綿した以外
は、実施例11と同様にして実施例18の耐熱性湿式不
織布を得た。
【0048】比較例1 実施例11において、実施例5で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして比較例1の不織布を得た。
【0049】比較例2 実施例11において、実施例6で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして比較2の不織布を得た。
【0050】比較例3 実施例11において、実施例7で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして比較例3の不織布を得た。
【0051】比較例4 実施例11において、実施例1で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして比較例4の不織布を得た。
【0052】比較例5 実施例11において、繊度2デニール、繊維長5mmの
PET繊維と実施例3で得られたポリエステル系芯鞘複
合バインダー繊維を重量割合95:5で混合した以外
は、実施例11と同様にして比較例5の耐熱湿式不織布
を得た。
【0053】比較例6 実施例11において、繊度2デニール、繊維長5mmの
PET繊維と実施例3で得られたポリエステル系芯鞘複
合バインダー繊維を重量割合5:95で混合した以外
は、実施例11と同様にして比較例6の耐熱湿式不織布
を得た。
【0054】実施例11〜18、比較実施例1〜6で得
られた不織布の物性の測定および評価を行い表2に示し
た。
【0055】
【表2】
【0056】表2において、本発明の耐熱湿式不織布
は、耐熱化熱処理を行うことにより高温雰囲気下および
沸水中での不織布強力が明らかに高くなり、また、沸水
中での収縮率も低く、耐熱性および沸水中での強力保持
率に優れていた。
【0057】比較例1〜2はバインダー繊維の鞘部のT
g、Tc、あるいはTmが本発明の構成要件を満たない
ものである。
【0058】バインダー繊維の鞘部のTmが130℃未
満である比較例1の不織布は、高温雰囲気下で溶融し耐
熱性に劣り、沸水中での収縮率が高く、沸水中での寸法
安定性に劣るものであった。
【0059】バインダー繊維の鞘部のTcが130℃を
超え、Tmが180℃を超えた比較例2の不織布は、不
織布成形の際、融着熱処理により重合体の分解が起こり
不織布強力が劣るものであった。
【0060】バインダー繊維の鞘部のTcが90℃未満
である比較例3の不織布は、熱延伸工程で結晶化が進行
して次の耐熱化熱処理工程において安定な結晶構造が再
構築されず、高温雰囲気下での不織布強力が劣るもので
あった。
【0061】バインダー繊維の鞘部のTmが180℃を
超える比較例4の不織布は、不織布成形の際、融着熱処
理により重合体の分解が起こり不織布強力が劣るもので
あった。
【0062】比較例5〜6は、ポリエステル系芯鞘複合
バインダー繊維と主体繊維との構成比率が1:9〜9:
1から外れるものである。
【0063】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維が
本発明の構成比率より少ない比較例5の不織布は、繊維
相互間の接着が不十分となりその結果、不織布強力にも
劣り、また耐熱性にも劣るものであった。
【0064】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維が
本発明の構成比率より多い比較例6で得られた不織布
は、耐熱性および不織布強力に優れているが、手触りが
硬く、また嵩がなくペーパーライクなものであった。
【0065】
【発明の効果】本発明のポリエステル系芯鞘複合バイン
ダー繊維は、繊維製造の際、紡糸時の繊維相互間の密着
発生がない。しかも、この繊維を用いて得た湿式不織布
は、高温雰囲気下および沸水中でも強力を保持し、耐熱
性を有する風合いの柔らかいものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維90〜10重量%と、
    芯部が融点220℃以上のポリアルキレンテレフタレー
    トで、鞘部がガラス転移温度20〜80℃、結晶開始温
    度90〜130℃、融点130〜180℃である芳香族
    ポリエステルと脂肪族ポリラクトンとからなるブロツク
    共重合ポリエステルであるポリエステル系芯鞘複合バイ
    ンダー繊維10〜90重量%とからなり、沸水収縮率が
    10%以下、沸水処理後の強力保持率が50%以上であ
    ることを特徴とするポリエステル系耐熱湿式不織布。
  2. 【請求項2】 ポリエステル繊維90〜10重量%と、
    芯部が融点220℃以上のポリアルキレンテレフタレー
    トで、鞘部がガラス転移温度20〜80℃、結晶開始温
    度90〜130℃、融点130〜180℃である芳香族
    ポリエステルと脂肪族ポリラクトンとからなるブロツク
    共重合ポリエステルであるポリエステル系芯鞘複合バイ
    ンダー繊維10〜90重量%を混合し、抄紙機にて抄紙
    とした後、〔バインダー繊維の鞘部を構成する共重合ポ
    リエステルの融点〜(融点+30)〕℃の温度で融着熱
    処理を行って不織布を成形し、次いで〔前記共重合ポリ
    エステルの結晶開始温度〜(融点−20)〕℃の温度で
    2分間以上耐熱化熱処理を行うことを特徴とする請求ポ
    リエステル系耐熱湿式不織布の製造方法。
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