JPH09237630A - アルカリ蓄電池用活物質および正極 - Google Patents
アルカリ蓄電池用活物質および正極Info
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Abstract
の低下の少ない、高性能な複合水酸化物活物質を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 水酸化ニッケルを主成分とし、少なくと
も固溶状態の添加元素として、A群=(Fe、Cr、
V、Ti、Y、La、Ce、Al、Pb)から選ばれる
少なくとも1種の元素とB群=(Mn、Co)から選ば
れる少なくとも1種の元素とを含む活物質。Y、Ba、
Ca、Sr、Cd、CuおよびAgから選ばれる元素の
化合物の少なくとも1種と前記の活物質を含むニッケル
複合水酸化物正極。
Description
ニッケル水酸化物活物質および同活物質を用いたアルカ
リ蓄電池用正極に関する。
化を図る技術として、水酸化ニッケルに対し、Co、A
l、Mn、Fe、Cr等の元素を固溶させた複合水酸化
物が検討されてきた(C. Delmas, et al., Materials S
cience and Engineering, B13(1992) 89-96、L. India,
et al., Journal of Power Sources 52 (1994) 93-9
7)。これらの技術は、水酸化ニッケル活物質中のNi
元素の一部をCo、Al、Mn、Fe、Cr等で置換す
ることにより、アルカリ溶液中で通常1電子反応である
水酸化ニッケルの酸化還元反応を、1電子反応以上の反
応にさせるものである。
は、Ni元素を置換する添加元素の種類により、複合水
酸化物活物質の酸化還元平衡電位が変動する。即ち、充
電電位・放電電位が同時に上昇または下降する。従っ
て、高温における充電効率を上げるために、充電電位を
下げる元素を選択すると、放電電位も同時に下がり、利
用できる放電エネルギーが低下するという問題があっ
た。また、放電エネルギーを増加させるために、放電電
位を上げる元素を選択すると、充電電位も同時に上が
り、充電電位と酸素発生電位との差が小さくなり、高温
での充電効率が低下するという問題があった。
用活物質は、水酸化ニッケルを主成分とし、少なくとも
固溶状態の添加元素を含有する活物質であって、その添
加元素が、Fe、Cr、V、Ti、Y、La、Ce、A
l、およびPbからなるA群より選ばれる少なくとも1
種の元素と、MnおよびCoからなるB群より選ばれる
少なくとも1種の元素とであることを特徴とする。ま
た、本発明のアルカリ蓄電池用正極は、少なくとも、前
記の活物質と、Y、Ba、Ca、Sr、Cd、Cu、お
よびAgからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素
の化合物とを含むものである。
とにより水酸化ニッケルの酸化還元平衡電位を上昇もし
くは変化させない傾向にあるA群=(Fe、Cr、V、
Ti、Y、La、Ce、Al、Pb)から選ばれる少な
くとも1種の元素、および酸化還元平衡電位を低下させ
る傾向にあるB群=(Mn、Co)から選ばれる少なく
とも1種の元素とを共に含ませることにより、水酸化ニ
ッケルに対し、充電電位の低下量が大きい場合でも、放
電電位の低下を小さく抑えられることを見いだしたこと
に基づくものである。
く、かつ放電特性の低下が小さい、高性能な複合水酸化
物活物質が得られる。特に、A群元素およびB群元素の
量がそれぞれ、Ni元素とA群元素とB群元素の総量に
対し、3mol%以上であり、かつA群元素量とB群元
素量の和が50mol%以下であると効果が高い。さら
に、Ni元素、A群元素、およびB群元素の総量に対
し、A群元素量とB群元素量の和が10mol%以上、
30mol%以下であることが好ましい。
常、ニッケル水酸化物粉末もしくは水酸化ニッケル極板
を得る製造法として知られている方法、具体的には、反
応晶析法、酸化物加水分解法、金属水酸化法、電解析出
法、各種含浸法など、添加元素を固溶状態で複合化可能
な製造法により得ることができる。そして、粉末粒子や
薄膜の形態で、あるいは活物質含浸極板として得られ
る。粉末の製造法として代表的な反応晶析法は、ニッケ
ル塩および添加元素の塩の水溶液と、アルカリ水溶液と
を、反応槽内に連続的に供給し、核発生から結晶成長を
同時に進行させる方法で、高多孔度の球状複合水酸化物
粉末が得られる。結晶成長安定化のため、アンモニア等
の錯化剤を同時に添加する場合がある。ここで、前記の
添加元素とは、前記A群から選ばれる少なくとも1種の
元素および前記B群から選ばれる少なくとも1種の元素
である。また、これらの塩は、通常硫酸塩もしくは硝酸
塩が用いられる。
ニッケルおよび固溶添加元素の硝酸塩水溶液中で、電極
基板をカソード分極することによって、電極基板上に複
合水酸化物薄膜を形成することができる。
とが固溶した前記複合水酸化物と、酸素発生電位を上昇
させる効果のある、Yなどの化合物から選ばれる少なく
とも1種とを同時に含むことにより、さらに高温におけ
る充電効率の優れたニッケル複合水酸化物正極が得られ
る。本発明のアルカリ蓄電池用正極は、代表的には、前
記粉末製法で得られた前記A群元素およびB群元素が固
溶した複合水酸化物活物質粉末と、Yなどの化合物から
選ばれる少なくとも1種とを混合して、発泡金属基板、
金属繊維基板等の基板に充填することによって得ること
ができる。他の製法、例えばパンチングメタルなどの多
孔性基板に前記の活物質混合物を充填するなどの方法で
得られる極板においても同様の効果を発揮する。
a、Sr、Cd、Cu、およびAgの各元素の化合物か
らなる群より選ばれるもので、Y2(CO3)3、Y
2O3、BaO、Ca(OH)2、CaO、CaF2、Ca
S、CaSO4、CaSi2O5、CaC2O4、CaW
O4、SrCO3、Sr(OH)2、CdO、Cu2O、A
g2O等が特に効果を発揮する。これらの化合物の添加
量としては、酸素発生電位を上昇させる効果を得るため
には0.1wt%以上が好ましく、また添加量を多くす
ると容量を低下させることから5wt%以下が好まし
い。
ルカリ蓄電池用正極は、アルカリ水溶液を電解質とする
ニッケル・カドミウム蓄電池、水素吸蔵合金負極を用い
るニッケル・水素蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケ
ル・亜鉛蓄電池等のアルカリ蓄電池に適用することがで
きる。
c、0.1MのFe(NO3)3水溶液100cc、およ
び0.1MのCo(NO3)2水溶液100ccの混合液
を電解槽に入れ、電解析出用白金基板(厚さ0.15m
m、片面の表面積10cm2)および対極のニッケル基
板(厚さ0.15mm、片面の表面積100cm2)を
前記混合液に浸し、室温において、白金基板の片面当た
り10mA/cm2の電流で5秒間、白金基板をカソー
ド電解した。電解後、白金基板を取り出し、水洗し、室
温で乾燥させた。これを実施例1の電極とした。
溶液800cc、0.1MのCr(NO3)3水溶液10
0cc、および0.1MのCo(NO3)2水溶液100
ccの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行
い、実施例2の電極を得た。
溶液800cc、0.1MのV(NO3)3水溶液100
cc、および0.1MのCo(NO3)2水溶液100c
cの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行い、
実施例3の電極を得た。
溶液800cc、0.1MのTi(SO4)2水溶液10
0cc、および0.1MのCo(NO3)2水溶液100
ccの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行
い、実施例4の電極を得た。
溶液800cc、0.1MのLa(NO3)3水溶液10
0cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液100
ccの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行
い、実施例5の電極を得た。
溶液800cc、0.1MのCe(NO3)3水溶液10
0cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液100
ccの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行
い、実施例6の電極を得た。
溶液800cc、0.1MのAl(NO3)3水溶液10
0cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液100
ccの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行
い、実施例7の電極を得た。
溶液800cc、0.1MのPb(NO3)2水溶液10
0cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液100
ccの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行
い、実施例7の電極を得た。
溶液800cc、および0.1MのCo(NO3)2水溶
液200ccの混合液を用いた他は、実施例1と同様に
して電極を得た。
溶液800cc、および0.1MのAl(NO3)2水溶
液200ccの混合液を用いた他は、実施例1と同様に
して電極を得た。
溶液800cc、0.1MのAl(NO3)3水溶液10
0cc、および0.1MのFe(NO3)3水溶液100
ccの混合液を用いた他は、実施例1と同様にして電極
を得た。
溶液800cc、0.1MのCo(NO3)2水溶液10
0cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液100
ccの混合液を用いた他は、実施例1と同様にして電極
を得た。
溶液1000ccを用いた他は、実施例1と同様にして
電極を得た。
電極を正極とし、これらの正極に対し過剰の容量を有す
る水素吸蔵合金負極を対極、水銀電極(Hg/HgO)
を基準電極、31wt%KOH水溶液を電解液として半
電池を構成した。充電および放電電流は、電極片面当た
り200μA/cm2とし、充電は充電電位が一定電位
に完全に飽和してから1時間、放電は基準電極に対し
0.0Vまでとした。雰囲気温度10℃で充電し、20
℃で放電した時の放電容量(C10)、および40℃で充
電し、20℃で放電した時の放電容量(C40)を測定
し、両者の比率C40/C10を求めた。また、10℃で充
電し、20℃で放電した時の、比較例5の電極を基準と
した、放電時の中間電位を測定した。これらの結果を表
1に示す。
より水酸化ニッケルの酸化還元平衡電位を上昇させる傾
向にあるA群=(Fe、Cr、V、Ti、Y、La、C
e、Al、Pb)から選ばれる少なくとも1種の元素、
および酸化還元平衡電位を低下させる傾向にあるB群=
(Mn、Co)から選ばれる少なくとも1種の元素とを
ともに含むことにより、高温における充電効率の改良と
放電電位低下の抑制とを同時に実現可能であることがわ
かる。
溶液940cc、0.1MのAl(NO3)3水溶液30
cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液30cc
の混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行い、実
施例10の電極を得た。
水溶液900cc、0.1MのAl(NO3)3水溶液5
0cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液50c
cの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行い、
実施例10の電極を得た。
水溶液800cc、0.1MのAl(NO3)3水溶液1
50cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液50
ccの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行
い、実施例11の電極を得た。
水溶液800cc、0.1MのAl(NO3)3水溶液5
0cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液150
ccの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行
い、実施例12の電極を得た。
水溶液700cc、0.1MのAl(NO3)3水溶液1
50cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液15
0ccの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行
い、実施例13の電極を得た。
水溶液500cc、0.1MのAl(NO3)3水溶液2
50cc、および0.1MのMn(NO3)2水溶液25
0ccの混合液を用いた他は実施例1と同様の操作を行
い、実施例14の電極を得た。
同様の水素吸蔵合金電極および基準極と組み合わせて半
電池を構成し、前記と同じ条件で放電容量比率(C40/
C10)、および10℃で充電し、20℃で放電した時
の、比較例5の電極を基準とした、放電時の中間電位を
測定した。これらの結果を表2に示す。
びB群元素の総量に対し、A群元素量およびB群元素量
がそれぞれ3mol%以上で、かつA群元素量とB群元
素量の和が5mol%以上、50mol%以下であると
きに効果が高いことがわかる。さらに、Ni元素、A群
元素、およびB群元素の総量に対し、A群元素量とB群
元素量の和が10mol%以上、30mol%以下であ
るとより好ましいことがわかる。
1MのAl2(SO4)3水溶液、および1MのCoSO4
水溶液を体積比8:1:1(金属イオンモル比でNi:
Al:Co=80:10:10)の割合で混合した混合
液を調製した。この混合液と、2Mの水酸化ナトリウム
水溶液と、2Mのアンモニア水とを定量ポンプを用い
て、各々同一流量で反応槽に連続的に供給し、反応槽内
を連続的に攪拌した。そして、反応槽から連続的にオー
バーフローしてくる活物質微粒子とその他の反応生成物
を含む懸濁液より、活物質粒子を分離し、アルカリ水溶
液による洗浄および水洗の後、90℃で乾燥し、活物質
粉末とした。この活物質粉末85gと、平均粒径1.5
μm、比表面積25m2/gの水酸化コバルト15gと
を水を加えながら練合してペーストとした。このペース
トを発泡ニッケル製電極基板に充填し、これを乾燥後プ
レスして、容量1Ahの電極を作製した。
代わりに、1MのNiSO4水溶液、1MのAl2(SO
4)3水溶液、および1MのMnSO4水溶液の混合液
(金属イオンのモル比でNi:Al:Mn=80:5:
15)を使用した他は実施例15と同一の条件で活物質
粉末および電極を作製した。
わりに、1MのNiSO4溶液を使用した他は実施例1
5と同一の条件にて活物質粉末および電極を作製した。
極を正極とし、前記と同様の水素吸蔵合金電極および基
準極と組み合わせて半電池を構成し、前記と同じ条件で
放電容量比率(C40/C10)、および10℃で充電し、
20℃で放電した時の、比較例6の電極を基準とした、
放電時の中間電位を測定した。これらの結果を表3に示
す。
質粉末を用いても前記の活物質薄膜と同様の効果が得ら
れることがわかる。
質粉末84g、CaF2 1g、および実施例15で使
用した水酸化コバルト15gを混合し、実施例15と同
様にして電極を作製した。
(OH)2を使用した他は、実施例17と全く同様にし
て電極を作製した。
極を正極とし、前記と同様の水素吸蔵合金電極および基
準極と組み合わせて半電池を構成し、前記と同じ条件で
放電容量比率(C40/C10)、および10℃で充電し、
20℃で放電した時の、比較例6の電極を基準とした、
放電時の中間電位を測定した。これらの結果を表4に示
す。
し、固溶状態の添加元素として、A群元素のAlとB群
元素のCoを含む活物質、およびCaまたはSrの化合
物を含むニッケル複合水酸化物正極は、放電電位の低下
が少なく、高温における充電効率が優れていることがわ
かる。上記の実施例では、水酸化ニッケルに対する添加
元素がAlとCoであり、水酸化ニッケルに混合する化
合物がCaまたはSrの化合物に限定して説明した。し
かし、水酸化ニッケルに対する添加元素が、A群=(F
e、Cr、V、Ti、Y、La、Ce、Al、Pb)お
よびB群=(Mn、Co)から選ばれる他の組み合わせ
であり、水酸化ニッケルに混合する化合物がY、Ba、
Ca、Sr、Cd、Cu、およびAgからなる群より選
ばれる元素の他の化合物であっても上記とほぼ同様の効
果が得られる。
おける充電効率が高く、かつ放電特性の低下が小さい、
高性能な複合水酸化物活物質が得られる。また、本発明
によれば、放電電位の低下が少なく、高温における充電
効率が高く、かつ放電特性の低下が小さい、ニッケル複
合水酸化物正極が得られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 水酸化ニッケルを主成分とし、少なくと
も、固溶状態の添加元素として、Fe、Cr、V、T
i、Y、La、Ce、Al、およびPbからなるA群よ
り選ばれる少なくとも1種の元素と、MnおよびCoか
らなるB群より選ばれる少なくとも1種の元素とを含む
ことを特徴とするアルカリ蓄電池用活物質。 - 【請求項2】 Ni元素、A群元素、およびB群元素の
総量に対し、A群元素量およびB群元素量がそれぞれ3
mol%以上であり、かつA群元素量とB群元素量の和
が50mol%以下である請求項1記載のアルカリ蓄電
池用活物質。 - 【請求項3】 Ni元素、A群元素、およびB群元素の
総量に対し、A群元素量とB群元素量の和が10mol
%以上、30mol%以下である請求項1記載のアルカ
リ蓄電池用活物質。 - 【請求項4】 水酸化ニッケルを主成分とし、Fe、C
r、V、Ti、Y、La、Ce、Al、およびPbから
なるA群より選ばれる少なくとも1種の元素と、Mnお
よびCoからなるB群より選ばれる少なくとも1種の元
素とを固溶状態の添加元素として含有する活物質、なら
びに、Y、Ba、Ca、Sr、Cd、Cu、およびAg
からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物
を含むことを特徴とするアルカリ蓄電池用正極。 - 【請求項5】 Y、Ba、Ca、Sr、Cd、Cu、お
よびAgからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素
の化合物の添加量が0.1〜5wt%である請求項4記
載のアルカリ蓄電池用正極。
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09237630A true JPH09237630A (ja) | 1997-09-09 |
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Family Applications (1)
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DE (1) | DE69713932T2 (ja) |
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