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JPH09216874A - 光学活性ベンゾチアゼピン誘導体およびその製法 - Google Patents

光学活性ベンゾチアゼピン誘導体およびその製法

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Publication number
JPH09216874A
JPH09216874A JP8322394A JP32239496A JPH09216874A JP H09216874 A JPH09216874 A JP H09216874A JP 8322394 A JP8322394 A JP 8322394A JP 32239496 A JP32239496 A JP 32239496A JP H09216874 A JPH09216874 A JP H09216874A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
ring
optically active
benzothiazepine derivative
benzothiazepine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8322394A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Yamada
真一 山田
Ryuzo Yoshioka
龍藏 吉岡
Takeji Shibatani
武爾 柴谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tanabe Seiyaku Co Ltd filed Critical Tanabe Seiyaku Co Ltd
Priority to JP8322394A priority Critical patent/JPH09216874A/ja
Publication of JPH09216874A publication Critical patent/JPH09216874A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩
およびその製法を提供する。 【解決手段】 一般式[I]又は[II] 【化1】 [式中、環Aおよび環Bは置換基を有していてもよいベ
ンゼン環、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキル
基を表わす。]で示されるラセミ型1,5−ベンゾチア
ゼピン誘導体塩を優先晶析法により光学分割し、光学活
性な該化合物塩を得る製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性1,5−ベ
ンゾチアゼピン誘導体およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明によって得ることができる光学活
性1,5−ベンゾチアゼピン誘導体は冠血管拡張剤とし
て有用な塩酸ジルチアゼム[化学名:(2S,3S)−
シス−3−アセトキシ−5−[2−(ジメチルアミノ)
エチル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェ
ニル)−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン
塩酸塩]等の中間体として極めて重要な化合物である。
光学活性1,5−ベンゾチアゼピン誘導体の製法として
は、例えば以下(i),(ii)に示す様な製法が知ら
れている。
【0003】(i)ラセミ型3−(2−アミノフェニル
チオ)−2−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニ
ル)プロピオン酸又はそのエステルに光学活性酒石酸を
作用させ、生成した2種のジアステレオマー塩の溶媒に
対する溶解度の差を利用して難溶性ジアステレオマー塩
[(−)−(2S,3S)−ジアステレオマー塩]を得
た後、該塩を光学活性1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
に導く方法(特開平3−115273号)。
【0004】(ii)ラセミ型−シス−3−アセトキシ
−2,3−ジヒドロ−5−[2−(ジメチルアミノ)エ
チル]−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベン
ゾチアゼピン−4(5H)−オンにd−酒石酸、キナ
酸、ジベンゾイル−d−酒石酸またはd−10−カンフ
ァー−スルホン酸を作用させ、生成した2種のジアステ
レオマー塩の溶媒に対する溶解度の差を利用して難溶性
ジアステレオマー塩を得た後、該塩から光学活性1,5
−ベンゾチアゼピン誘導体を得る方法(井上ら,薬学雑
誌,93(6),729−732(1973))。
【0005】しかしながら、ラセミ型−シス−5−[2
−(ジ低級アルキルアミノ)エチル]−2,3−ジヒド
ロ−3−ヒドロキシ−2−(置換又は非置換フェニル)
−1,5−置換又は非置換ベンゾチアゼピン−4(5
H)−オンを光学活性のない化合物との塩の形で優先晶
析法により光学分割し、それぞれの光学活性体塩を得る
方法は全く知られていない。
【0006】一般に、ラセミ体を光学分割する方法にお
いて、当該ラセミ体の過飽和溶液に一方の光学活性体を
接種して、接種した光学活性体と同種の光学活性体を分
離するといういわゆる優先晶析法の原理は、たとえば、
J.ジェクエス、A.コレット、S.H.ワイレン著
「エナンチオマーズ、ラセメート、アンド レゾリュー
ション」〔J.ワィリー アンド サンズ、ニューヨー
ク(1981)〕に記載されている。
【0007】この方法はジアステレオマー法のように特
殊でかつ高価な光学活性分割剤が不要であり、工業的に
有利な分割方法である。しかし、この方法が有利に適用
できる化合物は、一般に溶液中において当該ラセミ体が
ラセミ混合物を形成するものに限られる。しかもいかな
るラセミ体がラセミ混合物を形成するか、そして優先晶
析が適用可能かは不明であり、その規則性もない。
【0008】すなわち、この光学分割法を適用しうるラ
セミ混合物を見出すには、種々のベンゾチアゼピン誘導
体の結晶を調製し確認することが必要である。しかしな
がら通常、ラセミ混合物を形成する確率は極めて低く、
形成するのはむしろ希であり、このような条件を満足す
る化合物を見いだすには非常な努力が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学活性
1,5−ベンゾチアゼピン誘導体を優先晶析法により工
業的有利にかつ高収率で製造する方法を提供するもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、(2RS,3RS)−および(2R,3R)−ま
たは(2S,3S)−シス−5−[2−(ジ低級アルキ
ルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキ
シ−2−(置換又は非置換フェニル)−1,5−置換又
は非置換ベンゾチアゼピン−4(5H)−オンの種々の
塩について検討した結果、該化合物の1−ナフタレンス
ルホン酸付加塩、または2−アミノフェノール−4−ス
ルホン酸付加塩が安定性に優れ、しかも当該酸付加塩が
ラセミ混合物を形成し、優先晶析法により光学分割が可
能であることを見出し、本発明を完成した。
【0011】本発明によれば、一般式[I]
【0012】
【化7】
【0013】[式中、環A及び環Bは置換基を有しても
よいベンゼン環、R1及びR2は同一又は異なって低級ア
ルキル基を表わす。]で示される1,5−ベンゾチアゼ
ピン誘導体塩[I]のラセミ体塩を優先晶析法により光
学分割して1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩[I]の
光学活性体塩を得ることができる。
【0014】また、一般式[II]
【0015】
【化8】
【0016】[式中、記号は前記と同一の意味を有す
る。]で示される1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩
[II]のラセミ体塩を優先晶析法により光学分割して
1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩[II]の光学活性
体塩を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、上記一般式
[I]及び[II]で示される1,5−ベンゾチアゼピ
ン化合物の環A及び/又は環Bは置換基を有しないもの
であってもよいし、低級アルキル基、低級アルコキシ基
及びハロゲン原子から選ばれる置換基を任意の置換位置
に有しているものであってもよい。
【0018】このような低級アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基等の炭素数が1から6の直鎖又は分岐
鎖アルキル基が、低級アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基等の炭素数が1から6の直鎖又は分岐鎖アルコ
キシ基が、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原
子、フッ素原子、ヨウ素原子等が挙げられらる。
【0019】このうち、環Aとしては一般式[V]
【0020】
【化9】
【0021】[但し、Rは水素原子、メチル基、メトキ
シ基又は塩素原子を表す。]で示されるベンゼン環が好
ましく、環Bとしては4位にメトキシ基又はメチル基を
有するベンゼン環が好ましい。
【0022】とりわけ、環Aとしては非置換ベンゼン環
が、環Bとしては4位にメトキシ基を有するベンゼン環
が好ましい。
【0023】また、、R1及びR2で示される低級アルキ
ル基としては、環A及び/または環Bの置換基として例
示した低級アルキル基が挙げられるが、とりわけメチル
基が好ましい。
【0024】本発明の方法において、1,5−ベンゾチ
アゼピン誘導体塩[I]又は[II]のラセミ体塩の優
先晶析法による光学分割は、[I]又は[II]のラセ
ミ体塩の過飽和溶液を調製し、この溶液に、それぞれ、
1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩[I]又は[II]
の光学活性体塩[即ち、(2S,3S)−または(2
R,3R)−体塩]の結晶を接種することにより行うこ
とができ、その接種した結晶と同種の光学活性体塩を優
先的に晶析させることができる。
【0025】1,5−べンゾチアゼピン誘導体塩[I]
又は[II]のラセミ体塩の過飽和溶液は、1,5−べ
ンゾチアゼピン誘導体塩[I]又は[II]のラセミ体
塩を適当な溶媒に加熱溶解したのち、冷却、濃縮、ある
いは当該1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩[I]又は
[II]の溶解度を減少させるような溶媒を適当量添加
する方法等、一般の過飽和溶液の調製に常用される方法
で調製することができる。
【0026】また、当該過飽和溶液に可溶な化合物(例
えば、塩酸、塩化アンモニウム又はメチルアミン塩酸
塩)を加え、過飽和度の増大や過飽和溶液の安定性を増
すことも可能である。
【0027】溶媒としては、水の他、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、あるいはこれ
らの混合溶媒が用いられる。
【0028】種晶の接種については、1,5−ベンゾチ
アゼピン誘導体塩[I]又は[II]の過飽和溶液の溶
質が完全なラセミ体塩である場合は、分割に際し外部よ
り種晶を接種する必要があるが、一方の光学活性体塩が
過剰に存在する場合は、その活性体塩が自然起晶し、こ
れが種晶を接種したときと同様の作用をするので、必ず
しも外部よりの接種を必要としない。
【0029】接種量には特に制限はなく、多ければ多い
ほど分割が容易になり促進されるが、通常分割溶液中の
1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩[I]又は[II]
の10重量%程度以下の接種量を用いればよい。接種す
る光学活性体塩はその使用目的からして高純度であるこ
とが望ましい。
【0030】また、本発明の方法によれば、1,5−ベ
ンゾチアゼピン誘導体塩[I]又は[II]の優先晶析
後の母液に、同種のラセミ体塩を加え、先の優先晶析と
同様の方法で過飽和溶液を調製した後、先の優先晶析時
に接種した結晶と反対の光学活性体塩の結晶を接種して
優先晶析することにより、光学分割を継続することがで
きる。優先晶析後のラセミ体の添加は、結晶のままで
も、また、溶媒に溶解後添加してもよい。かかるラセミ
体塩の添加と優先晶析の操作を繰り返すことにより、
1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩[I]又は[II]
の両光学活性体塩[即ち(2S,3S)−体塩及び(2
R,3R)−体塩]をいずれも結晶の形で取得すること
ができる。
【0031】本発明方法を工業的に実施する際には、過
飽和溶液より一方の光学活性体のみを晶析させるいわゆ
るバッチ式の片側分割のみならず、平行または直列に連
結した2個の分割塔あるいは区画を有する分割槽のそれ
ぞれに相反する光学活性な1,5−ベンゾチアゼピン誘
導体塩の一方を接種することにより2種の光学活性な
1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩を同時に得ることが
できる。
【0032】こうして得られる1,5−ベンゾチアゼピ
ン誘導体塩[I]又は[II]の光学活性体は分解する
ことにより、一般式[III]
【0033】
【化10】
【0034】[式中、環A、環B及び他の記号は前記と
同一意味を有する。]で示される1,5−ベンゾチアゼ
ピン誘導体[III]の光学活性体を得ることができ
る。
【0035】1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩[I]
又は[II]の光学活性体塩を分解し、1,5−ベンゾ
チアゼピン誘導体[III]の光学活性体を得るには、
公知の方法によって実施すればよく、例えば適当な溶媒
に当該光学活性体塩を溶解し塩基を加え、析出した結晶
を取得するか、あるいは塩基添加後別の溶媒で抽出し、
溶媒を留去する等の操作により容易に実施できる。
【0036】分解反応に使用する溶媒としては、1,5
−ベンゾチアゼピン誘導体塩[I]又は[II]の光学
活性体塩を溶解できるものであれば特に限定されない
が、例えば、水の他、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール溶媒、アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類、アセトアミド、ジメチルホルム
アミド等のアミド類、あるいはこれらの混合溶媒が用い
られる。
【0037】塩基としては、無機塩基、有機塩基いずれ
も用いることができる。無機塩基としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等を、有機塩
基としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチ
ルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン等を用いることが
できる。
【0038】使用する塩基の量は、1,5−ベンゾチア
ゼピン誘導体塩[I]又は[II]の光学活性体塩に対
して通常1.0−1.5モル比、好ましくは1.0モル
比である。
【0039】抽出溶媒としては、1,5−ベンゾチアゼ
ピン誘導体[III]は溶解するが、生成するスルホン
酸塩を溶解しないものであれば良く、このような溶媒と
しては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、ジクロルメ
タン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン等が挙げられ
る。
【0040】上記の如くして得られた1,5−ベンゾチ
アゼピン誘導体[III]の光学活性体は、公知の方法
に従って一般式[IV]
【0041】
【化11】
【0042】[式中、R3は低級アルカノイル基を表わ
し、他の記号は前記と同一の意味を有する。]で示され
る1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[IV]の光学活性
体またはその薬理的に許容し得る塩とすることができ
る。
【0043】すなわち、3−ヒドロキシ−1,5−ベン
ゾチアゼピン誘導体[III]の光学活性体は、特公昭
46−16988号、特公昭46−43785号、特公
昭47−813号、特公昭53−18038号、特公昭
63−13994号あるいは特開平3−157378号
に記載の公知方法に従って、光学活性1,5−ベンゾチ
アゼピン誘導体[IV]またはその薬理的に許容し得る
塩に変換することができる。
【0044】例えば、化合物[IV]は、化合物[II
I]を一般式[VI]
【0045】
【化12】
【0046】[式中、R3は低級アルカノイル基であ
る。]で示される化合物又はその反応性誘導体と縮合反
応させることにより製造することができる。
【0047】なお、低級アルカノイルとは、アセチル、
プロピオニル、イソプロピオニル、ブタノイル、ペンタ
ノイル、ヘキサノイル等の炭素数2から6の直鎖又は分
岐鎖アルカノイルを表わす。
【0048】本発明の原料化合物である1,5−ベンゾ
チアゼピン誘導体塩[I]又は[II]は新規物質であ
り、1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[III]を適当
な溶媒中、1−ナフタレンスルホン酸もしくはその塩又
は2−アミノフェノール−4−スルホン酸もしくはその
塩で処理することにより製造できる。
【0049】例えば、1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
[III]と1−ナフタレンスルホン酸又は2−アミノ
フェノール−4−スルホン酸を適当な溶媒に加熱溶解
後、冷却し、析出晶をろ別することにより得ることがで
きる。
【0050】前記原料化合物[I]又は[II]の製造
に用いる溶媒としては、水またはメタノール、エタノー
ル、プロパノールなどのアルコール類などが好適な例と
して挙げることができる。これらの溶媒は、単独で用い
てもよいが、必要に応じて適当な比率で二種類またはそ
れ以上の種類を混合して使用してもよく、とりわけ水と
アルコール類との混合溶媒が好ましい。
【0051】なお、1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
[III]は、ケミカル アンド ファーマシューティ
カル ブレティン(Chem.Pharm.Bul
l.)19、595(1971)等の記載の方法により
製造することができる。
【0052】本発明の光学分割法で得られた化合物
[I][II][III]の光学純度は、キラルカラム
を用いるHPLCで決定した。
【0053】HPLC条件 カラム:ダイセル化学工業(株)CHIRALCEL
OD 4.6×250mm キャリヤ:n−ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン
=85/15/0.1 流量:0.5ml/min 検出:UV−254nm 温度:35℃
【0054】
【実施例】つぎに、参考例および実施例を挙げて本発明
をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0055】参考例1 (±)−(2RS,3RS)−シス−5−[2−(ジメ
チルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン・1−ナフタレンスルホ
ン酸塩の合成 1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩 6.91g
(30ミリモル)を水35mlに加熱溶解し、1mol
/l塩酸30mlおよび(±)−(2RS,3RS)−
シス−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,3
−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェ
ニル)−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン
9.31g(25ミリモル)の熱メタノール47ml
溶液を加える。氷冷下20時間晶析後、析出晶をろ別、
50℃で乾燥して標記化合物13.50g(93.0
%)を得る。
【0056】融点:136−138℃ IRスペクトル(KBr錠剤)cm-1:3425、30
45、1660、1500、1465、1295、11
75、1105、1040、770、680、610 NMRスペクトル(200MHz、CDCl3)δ:
2.88(s,3H)、2.95(s,3H)、3.0
4〜3.09(m,1H)、3.25〜3.55(m,
2H)、3.80(s,3H)、4.17〜4.35
(m,2H)、4.43〜4.58(m,1H)、4.
87(d,1H)、6.86〜8.89(m,15H) 参考例2 (±)−(2RS,3RS)−シス−5−[2−(ジメ
チルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン・2−アミノフェノール
−4−スルホン酸塩の合成 (±)−(2RS,3RS)−シス−5−[2−(ジメ
チルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン7.46g(20ミリモ
ル)及び2−アミノフェノール−4−スルホン酸(含量
95%)4.38g(22ミリモル)をメタノール16
ml、水48mlの混合溶媒に加熱溶解する。氷冷下2
0時間晶析後、析出晶をろ別、50℃で乾燥して標記化
合物10.42g(92.8%)を得る。
【0057】融点:134−137℃ IRスペクトル(KBr錠剤)cm-1:1660、16
00、1505、1465、1280、1245、11
70、1100、1020、760、685、595 NMRスペクトル(200MHz、DMSOd6)δ:
2.81(s,6H)、3.05〜3.20(m,2
H)、3.76(s,3H)、3.94〜4.10
(m,1H)、4.24(t,1H)、4.35〜4.
55(m,1H)、4.83(d,1H)、4.92
(d,1H)、6.52〜7.75(m,11H) 実施例1 (±)−(2RS,3RS)−シス−5−[2−(ジメ
チルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン・1−ナフタレンスルホ
ン酸塩の優先晶析法による光学分割 (A) (±)−(2RS,3RS)−シス−5−[2
−(ジメチルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3
−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5
−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン・1−ナフタレ
ンスルホン酸塩5.01gおよびその(+)−(2S,
3S)−体塩0.18gを50%DMF−H2O(w/
w)20gに加熱溶解した後25℃まで冷却する。該溶
液に上記(+)−(2S,3S)−体塩20mgを接種
し、攪拌しながら19時間晶析する。析出物をろ過し冷
50%DMF−H2O(w/w)で洗浄した後50℃で
乾燥して、前記(+)−(2S,3S)−体塩0.55
gを得る。
【0058】[α]25 D:+67.6°(C=1,DM
F) 光学純度:98.4%ee IRスペクトルおよびNMRスペクトルは参考例1の化
合物と一致。
【0059】(B) (A)の操作後得られた母液に上
記出発原料である(±)−(2RS,3RS)−体塩
0.7gを加えて加熱溶解した後25℃まで冷却する。
続いて当該出発原料の(−)−(2R,3R)−体塩2
0mgを接種し、攪拌しながら15時間晶析する。析出
物をろ過し冷50%DMF−H2O(w/w)で洗浄し
た後50℃で乾燥して、前記(−)−(2R,3R)−
体塩0.15gを得る。
【0060】[α]25 D:−65.4°(C=1,DM
F) 光学純度:95.2%ee IRスペクトルおよびNMRスペクトルは参考例1の化
合物と一致。
【0061】実施例2 (±)−(2RS,3RS)−シス−5−[2−(ジメ
チルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン・1−ナフタレンスルホ
ン酸塩の優先晶析法による光学分割 (±)−(2RS,3RS)−シス−5−[2−(ジメ
チルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン・1−ナフタレンスルホ
ン酸塩5.37gおよびその(−)−(2R,3R)−
体塩0.21gを50%DMF−H2O(w/w)20
gに加熱溶解した後25℃まで冷却する。該溶液に上記
(−)−(2R,3R)−体塩20mgを接種し、攪拌
しながら3時間晶析する。析出物をろ過し冷50%DM
F−H2O(w/w)で洗浄した後50℃で乾燥して、
上記(−)−(2R,3R)−体塩0.37gを得る。
【0062】[α]25 D:−63.4°(C=1,DM
F) 光学純度:92.3%ee IRスペクトルおよびNMRスペクトルは参考例1の化
合物と一致。
【0063】実施例3 (±)−(2RS,3RS)−シス−5−[2−(ジメ
チルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン・2−アミノフェノール
−4−スルホン酸塩の優先晶析法による光学分割 (A) (±)−(2RS,3RS)−シス−5−[2
−(ジメチルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3
−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5
−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン・2−アミノフ
ェノール−4−スルホン酸塩5.02gおよびその
(+)−(2S,3S)−体塩0.25gを水160g
に加熱溶解した後40℃まで冷却する。該溶液に上記
(+)−(2S,3S)−体塩30mgを接種し、攪拌
しながら7時間晶析する。析出物をろ過し冷水で洗浄し
た後50℃で乾燥して、上記(+)−(2S,3S)−
体塩0.49gを得る。
【0064】[α]25 D:+86.0°(C=1,Me
OH) 光学純度:97.1%ee IRスペクトルおよびNMRスペクトルは参考例2の化
合物と一致。
【0065】(B) (A)の操作後得られた母液の水
量を160gに調整後、上記出発原料である(±)−
(2RS,3RS)−体塩0.42gを加えて加熱溶解
した後40℃まで冷却する。続いて当該出発原料の
(−)−(2R,3R)−体塩30mgを接種し、攪拌
しながら5時間晶析する。析出物をろ過し冷水で洗浄し
た後50℃で乾燥して、上記(−)−(2R,3R)−
体塩0.40gを得る。
【0066】[α]25 D:−83.2°(C=1,Me
OH) 光学純度:96.3%ee IRスペクトルおよびNMRスペクトルは参考例2の化
合物と一致。
【0067】以下、上記(A)及び(B)の操作と同様
に、優先晶析後の母液に、出発原料である(±)−(2
RS,3RS)−体塩を追加後、種晶を接種し、(+)
−(2S,3S)−体塩及び(−)−(2R,3R)−
体塩を得る操作を交互に8回まで繰り返して分割(詳細
な分割条件を下記第1表に示す)することにより各光学
活性体塩を得る(各塩の収量、光学純度及び分割率を下
記第2表に示す。)。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】実施例4 (+)−(2S,3S)−シス−5−[2−(ジメチル
アミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ
−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾチア
ゼピン−4(5H)−オン・2−アミノフェノール−4
−スルホン酸塩の分解 (+)−(2S,3S)−シス−5−[2−(ジメチル
アミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ
−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾチア
ゼピン−4(5H)−オン・2−アミノフェノール−4
−スルホン酸塩0.56g(1mmol、97.8%e
e)を水30mlに加熱溶解し、炭酸水素ナトリウム
0.09g(1.1mmol)を加え、酢酸エチルで抽
出する。酢酸エチル層を水洗後濃縮乾固することによ
り、(+)−(2S,3S)−シス−5−[2−(ジメ
チルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン0.35g(93.0
%)を得る。
【0071】融点:84−86℃ [α]25 D:+166.1°(C=1,MeOH) 光学純度:98.0%ee IRスペクトル(KBr錠剤)cm-1:2825、16
70、1610、1510、1470、1440、13
65、1305、1255、1180、1130、77
0 NMRスペクトル(200MHz、DMSOd6)δ:
2.14(s,6H)、2.22〜2.35(m,1
H)、2.49〜2.62(m,1H)、3.63〜
3.76(m,1H)、3.76(s,3H)、4.2
0(t,1H)、4.26〜4.41(m,1H)、
4.50(d,1H)、4.89(d,1H)、6.8
7〜7.70(m,8H)
【0072】
【発明の効果】本発明方法によれば、ジルチアゼムの中
間体として重要な光学活性1,5−ベンゾチアゼピン誘
導体を、高価な光学活性試薬を用いることなく、優先晶
析光学分割法により高い光学純度で得られる。よって、
本発明方法は工業的に優れた光学活性ベンゾチアゼピン
誘導体及びその製法となるものである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I] 【化1】 [式中、環A及び環Bは置換基を有してもよいベンゼン
    環、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキル基を表
    わす。]で示される1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩
    [I]のラセミ体塩を優先晶析法により光学分割するこ
    とを特徴とする1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩
    [I]の光学活性体塩の製法。
  2. 【請求項2】 一般式[II] 【化2】 [式中、環A及び環Bは置換基を有してもよいベンゼン
    環、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキル基を表
    わす。]で示される1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩
    [II]のラセミ体塩を優先晶析法により光学分割する
    ことを特徴とする1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩
    [II]の光学活性体塩の製法。
  3. 【請求項3】 環Aが非置換ベンゼン環、環Bが4位に
    メトキシ基を有するベンゼン環、R1及びR2が共にメチ
    ル基である請求項1又は2記載の製法。
  4. 【請求項4】 得られる光学活性1,5−ベンゾチアゼ
    ピン誘導体塩が(2S,3S)−体塩である請求項1、
    2又は3記載の製法。
  5. 【請求項5】 優先晶析後の母液に1,5−ベンゾチア
    ゼピン誘導体塩のラセミ体塩を加え、更に優先晶析を引
    き続き実施する請求項1、2又は3記載の製法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5の製法によ
    り得られた光学活性1,5−ベンゾチアゼピン誘導体塩
    を分解することによる、一般式[III] 【化3】 [式中、環A及び環Bは置換基を有してもよいベンゼン
    環、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキル基を表
    わす。]で示される1,5−べンゾチアゼピン誘導体
    [III]の光学活性体の製法。
  7. 【請求項7】 請求項6の製法により得られた1,5−
    ベンゾチアゼピン誘導体[III]の光学活性体を、公
    知方法に従って一般式[IV] 【化4】 [式中、環A及び環Bは置換基を有してもよいベンゼン
    環、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキル基、R
    3は低級アルカノイル基を表わす。]で示される1,5
    −ベンゾチアゼピン誘導体[IV]の光学活性体または
    その薬理的に許容しうる塩とすることを特徴とする光学
    活性1,5−ベンゾチアゼピン誘導体またはその薬理的
    に許容しうる塩の製法。
  8. 【請求項8】 一般式[I] 【化5】 [式中、環A及び環Bは置換基を有してもよいベンゼン
    環、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキル基を表
    わす。]で示される1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
    塩。
  9. 【請求項9】 一般式[II] 【化6】 [式中、環A及び環Bは置換基を有してもよいベンゼン
    環、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキル基を表
    わす。]で示される1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
    塩。
  10. 【請求項10】 環Aが非置換ベンゼン環、環Bが4位
    にメトキシ基を有するベンゼン環、R1及びR2が共にメ
    チル基である請求項8又は9記載の1,5−ベンゾチア
    ゼピン誘導体塩の光学活性体塩。
  11. 【請求項11】 (2S,3S)−体塩である請求項
    8、9又は10記載の1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
    塩。
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