JPH09133904A - 光偏向スイッチ - Google Patents
光偏向スイッチInfo
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- JPH09133904A JPH09133904A JP28877795A JP28877795A JPH09133904A JP H09133904 A JPH09133904 A JP H09133904A JP 28877795 A JP28877795 A JP 28877795A JP 28877795 A JP28877795 A JP 28877795A JP H09133904 A JPH09133904 A JP H09133904A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 大きな偏向点を得ることが可能で、偏向効率
が高く、しかも偏向角と偏向距離を任意に設定すること
ができる光偏向スイッチを提供する。 【解決手段】 2枚の透明基板21a,21bを所定の
間隔で対向配置し、対向させた面に垂直配向処理を施
し、透明基板21a,21bの間に、スメクティックA
相の強誘電性液晶を封入し、前記透明基板21a,21
bに対して垂直配向させ、スメクティック層と平行に交
流電界を印加できるように電極22a,22bを配置
し、電極22a,22bに交流電界を印加する駆動装置
23を備えた液晶素子を用い、スメクティックA相の強
誘電性液晶による電傾効果を用い、液晶分子24の傾斜
による複屈折によって、液晶層に入射する偏光の屈折角
と変位する方向を変化できるようにした。
が高く、しかも偏向角と偏向距離を任意に設定すること
ができる光偏向スイッチを提供する。 【解決手段】 2枚の透明基板21a,21bを所定の
間隔で対向配置し、対向させた面に垂直配向処理を施
し、透明基板21a,21bの間に、スメクティックA
相の強誘電性液晶を封入し、前記透明基板21a,21
bに対して垂直配向させ、スメクティック層と平行に交
流電界を印加できるように電極22a,22bを配置
し、電極22a,22bに交流電界を印加する駆動装置
23を備えた液晶素子を用い、スメクティックA相の強
誘電性液晶による電傾効果を用い、液晶分子24の傾斜
による複屈折によって、液晶層に入射する偏光の屈折角
と変位する方向を変化できるようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の進行方向を切
り替える光偏向スイッチに関するものである。
り替える光偏向スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光の進行方向を制御する光偏向用光スイ
ッチは、光情報処理、光交換、光メモリ、光入出力デバ
イス等の構成要素として不可欠である。この種の光スイ
ッチは、その偏光の制御手段として、機械的偏向、電気
光学的偏向、音響光学的偏向による各種方法を採用して
いる。
ッチは、光情報処理、光交換、光メモリ、光入出力デバ
イス等の構成要素として不可欠である。この種の光スイ
ッチは、その偏光の制御手段として、機械的偏向、電気
光学的偏向、音響光学的偏向による各種方法を採用して
いる。
【0003】機械的偏向を採用した光スイッチは、ガル
バノメータ付きミラーや回転プリズム鏡などの反射を用
いるので、偏向効率が高く、かつ、偏向角が大きく、偏
向角も比較的任意に設定できるという利点を有する。ま
た、電気光学的偏向を採用した光スイッチとしては、例
えば、文献「光波電子工学(コロナ社)」(小山 次
郎、西原 浩 共著)に記載されているように、電界に
よって固体の屈折率が変化するポッケルス効果、あるい
は磁界によって光の偏光状態が変化するファラデー効果
等を発生させる電気光学結晶と複屈折性を有する光学的
一軸結晶を利用して、光の偏光方向を切り替え、複屈折
により二つの偏光を分離偏向するものと、高屈折率物質
中に埋め込まれた二本の近接した光導波路間での光の結
合を利用した方向性結合型光導波路型変調器等が提案さ
れている。これらは、偏向速度が速く、偏向角も大きく
取れるという利点がある。
バノメータ付きミラーや回転プリズム鏡などの反射を用
いるので、偏向効率が高く、かつ、偏向角が大きく、偏
向角も比較的任意に設定できるという利点を有する。ま
た、電気光学的偏向を採用した光スイッチとしては、例
えば、文献「光波電子工学(コロナ社)」(小山 次
郎、西原 浩 共著)に記載されているように、電界に
よって固体の屈折率が変化するポッケルス効果、あるい
は磁界によって光の偏光状態が変化するファラデー効果
等を発生させる電気光学結晶と複屈折性を有する光学的
一軸結晶を利用して、光の偏光方向を切り替え、複屈折
により二つの偏光を分離偏向するものと、高屈折率物質
中に埋め込まれた二本の近接した光導波路間での光の結
合を利用した方向性結合型光導波路型変調器等が提案さ
れている。これらは、偏向速度が速く、偏向角も大きく
取れるという利点がある。
【0004】図7はかかる従来の光偏向スイッチを示す
図であり、1,2,3は偏向スイッチ(電気光学結
晶)、4,5,6は偏向分離プリズム(複屈折結晶)で
あり、ここでは、従来の電気光学効果を用いた3段ディ
ジタル光偏向スイッチを示している。すなわち、電気光
学結晶である偏向スイッチ1,2,3と複屈折性を有す
る光学的一軸結晶である偏向分離プリズム4,5,6を
利用して、光の偏光方向を切り換え、複屈折により二つ
の偏光を分離偏向するものを多段に積層し、電気光学結
晶である偏向スイッチ1,2,3に印加する電圧のO
N、OFFの組み合わせにより、光線をディジタル偏向
するようにしている。
図であり、1,2,3は偏向スイッチ(電気光学結
晶)、4,5,6は偏向分離プリズム(複屈折結晶)で
あり、ここでは、従来の電気光学効果を用いた3段ディ
ジタル光偏向スイッチを示している。すなわち、電気光
学結晶である偏向スイッチ1,2,3と複屈折性を有す
る光学的一軸結晶である偏向分離プリズム4,5,6を
利用して、光の偏光方向を切り換え、複屈折により二つ
の偏光を分離偏向するものを多段に積層し、電気光学結
晶である偏向スイッチ1,2,3に印加する電圧のO
N、OFFの組み合わせにより、光線をディジタル偏向
するようにしている。
【0005】また、音響光学的偏向は、超音波歪みによ
る物質の屈折率変化を用いている。図8はかかる超音波
によるブラッグ反射を用いた従来の音響光学型偏向光ス
イッチの構成図である。基本的な原理は超音波USの伝
播にともない、高周波電源12の光学結晶11に対する
電界の印加状態に応じて、光学結晶11の屈折率が周期
的に変化し、これが一種の回折格子となる。このような
状態にある光学結晶11に、角度θをもって光λin1
3を入射すると、ブラッグ回折が生じ、放射角θの光が
得られる。この原理を利用して出射光λout14の光
路切り換えが行われる。
る物質の屈折率変化を用いている。図8はかかる超音波
によるブラッグ反射を用いた従来の音響光学型偏向光ス
イッチの構成図である。基本的な原理は超音波USの伝
播にともない、高周波電源12の光学結晶11に対する
電界の印加状態に応じて、光学結晶11の屈折率が周期
的に変化し、これが一種の回折格子となる。このような
状態にある光学結晶11に、角度θをもって光λin1
3を入射すると、ブラッグ回折が生じ、放射角θの光が
得られる。この原理を利用して出射光λout14の光
路切り換えが行われる。
【0006】この音響光学偏向光スイッチは、比較的速
い偏向速度が得られるという利点を有している。
い偏向速度が得られるという利点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の機械的偏向を採用した光スイッチは、上記のよ
うな利点を有するものの、その偏向速度は、駆動部の機
械的振動数や回転数で決まるので、速度に制約を受け、
また小型化および集積化が困難であるという欠点があ
る。
た従来の機械的偏向を採用した光スイッチは、上記のよ
うな利点を有するものの、その偏向速度は、駆動部の機
械的振動数や回転数で決まるので、速度に制約を受け、
また小型化および集積化が困難であるという欠点があ
る。
【0008】また、電気光学的偏向によるものは、偏向
速度が速く偏向角も大きくとれるものの、光の並列処理
に重要な偏向点を大きくとることができず、また偏向角
も一義的に設定され、外部より制御できないという欠点
がある。また、音響光学的偏向によるものは、比較的速
い偏向速度が得られるものの、偏向角および偏向点を大
きくとることができず、また、偏向角も一義的に設定さ
れ、外部より制御できないという欠点を有している。
速度が速く偏向角も大きくとれるものの、光の並列処理
に重要な偏向点を大きくとることができず、また偏向角
も一義的に設定され、外部より制御できないという欠点
がある。また、音響光学的偏向によるものは、比較的速
い偏向速度が得られるものの、偏向角および偏向点を大
きくとることができず、また、偏向角も一義的に設定さ
れ、外部より制御できないという欠点を有している。
【0009】本発明は、上記問題点を除去し、大きな偏
向点を得ることが可能で、偏向効率が高く、しかも偏向
角と偏向距離を任意に設定することができる光偏向スイ
ッチを提供することを目的とする。
向点を得ることが可能で、偏向効率が高く、しかも偏向
角と偏向距離を任意に設定することができる光偏向スイ
ッチを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、2枚の透明基板を所定の間隔で対向配置
し、対向させた面に垂直配向処理を施し、前記透明基板
の間に、スメクティックA相の強誘電性液晶を封入し、
前記透明基板に対して垂直配向させ、スメクティック層
と平行に交流電界を印加できるように電極を配置し、該
電極に交流電界を印加する駆動装置を備えた液晶素子を
用い、スメクティックA相の強誘電性液晶による電傾効
果を用い、液晶分子の傾斜による複屈折によって、液晶
層に入射する偏光の屈折角と変位する方向を変化できる
ように構成したものである。
成するために、2枚の透明基板を所定の間隔で対向配置
し、対向させた面に垂直配向処理を施し、前記透明基板
の間に、スメクティックA相の強誘電性液晶を封入し、
前記透明基板に対して垂直配向させ、スメクティック層
と平行に交流電界を印加できるように電極を配置し、該
電極に交流電界を印加する駆動装置を備えた液晶素子を
用い、スメクティックA相の強誘電性液晶による電傾効
果を用い、液晶分子の傾斜による複屈折によって、液晶
層に入射する偏光の屈折角と変位する方向を変化できる
ように構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施例
を示す光偏向スイッチの構成図である。この図におい
て、21a,21bは一対の透明基板で、互いに一表面
同士がほぼ平行に対向するように所定間隔Dをもって配
置されており、例えば、ガラス材料で形成されている。
22a,22bは電極であり、交流電界を印加する外部
の駆動装置23より電極22a,22b間に交流電界が
印加される。電極22a,22bは光を透過させる必要
がないので、適当な金属電極、例えば、アルミニウムな
どでよい。24は液晶分子であり、透明基板21a,2
1bの互いに所定間隔Dの間に封入されている。液晶は
強誘電性液晶のSmA(スメクティック・エー)相の状
態で用いる。
て図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施例
を示す光偏向スイッチの構成図である。この図におい
て、21a,21bは一対の透明基板で、互いに一表面
同士がほぼ平行に対向するように所定間隔Dをもって配
置されており、例えば、ガラス材料で形成されている。
22a,22bは電極であり、交流電界を印加する外部
の駆動装置23より電極22a,22b間に交流電界が
印加される。電極22a,22bは光を透過させる必要
がないので、適当な金属電極、例えば、アルミニウムな
どでよい。24は液晶分子であり、透明基板21a,2
1bの互いに所定間隔Dの間に封入されている。液晶は
強誘電性液晶のSmA(スメクティック・エー)相の状
態で用いる。
【0012】具体的な液晶材料については、特に規定し
ないが、デバイスを使用する環境温度において、SmA
相を示す材料を用いる必要がある。例えば、室温におい
てデバイスを用いるならば、メルク社製764E、チッ
ソ石油化学株式会社製TM−C108などが現在知られ
ている。本発明の実施例において、液晶分子24は電界
を印加していない状態で、透明基板21a,21bに対
し、垂直配向されている。垂直配向方法については、特
に規定しないが、例えば、垂直配向材ODS−E〔化学
式:CH3 (CH2 )16CH2 Si(OC2 H5 )3 〕
を基板表面に塗布するなどの方法がある。強誘電製液晶
のスメクティック層は透明基板21a,21bと平行に
形成される。入射光Lは基板21a方向から基板法線と
平行に(すなわち基板と垂直に)入射され、その偏光方
向は電界方向(E)と直交させる。図1に示すように、
電界はスメクティック層と平行に印加されることにな
る。
ないが、デバイスを使用する環境温度において、SmA
相を示す材料を用いる必要がある。例えば、室温におい
てデバイスを用いるならば、メルク社製764E、チッ
ソ石油化学株式会社製TM−C108などが現在知られ
ている。本発明の実施例において、液晶分子24は電界
を印加していない状態で、透明基板21a,21bに対
し、垂直配向されている。垂直配向方法については、特
に規定しないが、例えば、垂直配向材ODS−E〔化学
式:CH3 (CH2 )16CH2 Si(OC2 H5 )3 〕
を基板表面に塗布するなどの方法がある。強誘電製液晶
のスメクティック層は透明基板21a,21bと平行に
形成される。入射光Lは基板21a方向から基板法線と
平行に(すなわち基板と垂直に)入射され、その偏光方
向は電界方向(E)と直交させる。図1に示すように、
電界はスメクティック層と平行に印加されることにな
る。
【0013】本発明は、強誘電性液晶のSmA相におけ
る電傾効果を用いて、液晶分子の配向方向(傾斜角)を
変化させ、電気的に結晶軸方向を制御できる光学的一軸
結晶を実現し、入射偏光が液晶層を出るときに発生する
シフトのシフト量、シフト方向を電気的に制御できる光
偏向スイッチを実現するものである。図2はかかる光偏
向スイッチの電傾効果を模式的に示した図である。この
図は図1における電極22aの方向から眺めた様子を示
している。
る電傾効果を用いて、液晶分子の配向方向(傾斜角)を
変化させ、電気的に結晶軸方向を制御できる光学的一軸
結晶を実現し、入射偏光が液晶層を出るときに発生する
シフトのシフト量、シフト方向を電気的に制御できる光
偏向スイッチを実現するものである。図2はかかる光偏
向スイッチの電傾効果を模式的に示した図である。この
図は図1における電極22aの方向から眺めた様子を示
している。
【0014】図2(a)は電界E=0の場合である。液
晶分子は透明基板21a,21bに対し垂直配向されて
おり、電界が印加されていないので、液晶分子配向方向
はスメクティック層法線16方向を向いている。14は
液晶分子、15はスメクティック層である。図2(b)
は電界E>0の場合である。電傾効果により液晶分子2
4はスメクティック層法線16に対し、+φだけ傾く。
晶分子は透明基板21a,21bに対し垂直配向されて
おり、電界が印加されていないので、液晶分子配向方向
はスメクティック層法線16方向を向いている。14は
液晶分子、15はスメクティック層である。図2(b)
は電界E>0の場合である。電傾効果により液晶分子2
4はスメクティック層法線16に対し、+φだけ傾く。
【0015】図2(c)は電界E<0の場合である。電
傾効果により液晶分子24はスメクティック層法線16
に対し、−φだけ傾く。傾き角φは電界の大きさEに比
例し、極性によって傾く方向(図の場合、向かって右側
に傾くか、左側に傾くか)が異なる。傾き角φと電界の
大きさEの関係を示す典型的な例として、例えば、代表
的な強誘電性液晶材料であるMHPOBCを用いた場
合、SmA相(133℃)で、 傾き角φ=0.4E という実験結果が報告されている。
傾効果により液晶分子24はスメクティック層法線16
に対し、−φだけ傾く。傾き角φは電界の大きさEに比
例し、極性によって傾く方向(図の場合、向かって右側
に傾くか、左側に傾くか)が異なる。傾き角φと電界の
大きさEの関係を示す典型的な例として、例えば、代表
的な強誘電性液晶材料であるMHPOBCを用いた場
合、SmA相(133℃)で、 傾き角φ=0.4E という実験結果が報告されている。
【0016】図1より、液晶層の厚さDの部分で電界が
印加されることになるので、上下透明基板21a、21
bの間で均一に液晶分子24が傾斜する。液晶分子24
は均一に配向した場合、その分子長軸方向の屈折率n‖
と分子短軸方向の屈折率n⊥で異方性が発生し(Δn=
n‖−n⊥)、光学的な一軸結晶のように振る舞う。図
3はその電傾効果によって発生した分子軸の傾斜と、こ
の場合に光学的に等価と考えられる光学的一軸結晶を示
している。ただし、この図は、図1における電極22a
の方向から眺めた様子を示している。図3から分かるよ
うに、電界Eの極性と大きさによって光学軸(結晶軸)
の傾斜角度φと、その方向が変化する光学的一軸結晶が
実現できることになる。
印加されることになるので、上下透明基板21a、21
bの間で均一に液晶分子24が傾斜する。液晶分子24
は均一に配向した場合、その分子長軸方向の屈折率n‖
と分子短軸方向の屈折率n⊥で異方性が発生し(Δn=
n‖−n⊥)、光学的な一軸結晶のように振る舞う。図
3はその電傾効果によって発生した分子軸の傾斜と、こ
の場合に光学的に等価と考えられる光学的一軸結晶を示
している。ただし、この図は、図1における電極22a
の方向から眺めた様子を示している。図3から分かるよ
うに、電界Eの極性と大きさによって光学軸(結晶軸)
の傾斜角度φと、その方向が変化する光学的一軸結晶が
実現できることになる。
【0017】図4はその複屈折結晶における結晶軸方向
に対する光シフト方向と光シフト距離を示す模式図であ
る。ただし、この図は、図1における電極22aの方向
から眺めた様子を示している。図4(a)から明らかな
ように、電界E=0のときは、結晶軸方向が入射方向と
平行(すなわち透過基板21a,21bと垂直)である
ので、シフトは発生せず、図4(b)の電界E>0の時
は結晶軸方向が+φであり、入射偏光は、+θの方向に
屈折し、Sだけシフトし、出力される(この方向を+方
向とする)。
に対する光シフト方向と光シフト距離を示す模式図であ
る。ただし、この図は、図1における電極22aの方向
から眺めた様子を示している。図4(a)から明らかな
ように、電界E=0のときは、結晶軸方向が入射方向と
平行(すなわち透過基板21a,21bと垂直)である
ので、シフトは発生せず、図4(b)の電界E>0の時
は結晶軸方向が+φであり、入射偏光は、+θの方向に
屈折し、Sだけシフトし、出力される(この方向を+方
向とする)。
【0018】図4(c)の電界E<0の時は結晶軸方向
が−φであり、入射偏光は−θの方向に屈折し、Sだけ
シフトし、出力される(この方向を−方向とする)。こ
こで、シフト量Sは次の式で表すことができる。 S=[〔D(b2 −a2 )〕/2c2 ]sin2φ …(1) ここで、a=1/ne ,b=1/n0 c2 =a2 sin2 φ+b2 cos2 φ ただし、液晶分子24の長軸方向の屈折率をne 、液晶
分子14の短軸方向の屈折率をn0 としている。
が−φであり、入射偏光は−θの方向に屈折し、Sだけ
シフトし、出力される(この方向を−方向とする)。こ
こで、シフト量Sは次の式で表すことができる。 S=[〔D(b2 −a2 )〕/2c2 ]sin2φ …(1) ここで、a=1/ne ,b=1/n0 c2 =a2 sin2 φ+b2 cos2 φ ただし、液晶分子24の長軸方向の屈折率をne 、液晶
分子14の短軸方向の屈折率をn0 としている。
【0019】したがって、光学軸の傾斜方向φの大きさ
が電界と比例し、電界の極性によって傾斜角も極性も変
化し、電気的に制御できるので、(1)式に示したシフ
ト量Sの大きさも電気的に制御できる。例えば、液晶分
子長軸方向の屈折率をne =1.663、液晶分子短軸
方向の屈折率をn0 =1.511とし、分子傾き角が電
界に比例して一方向に0〜10°の間で変化する場合、
液晶層厚を100μmとすれば、シフト量は分子傾き角
にほぼ比例して、片側0〜3μm、すなわち±3μmの
間で可変できる光シフタを構成できる。
が電界と比例し、電界の極性によって傾斜角も極性も変
化し、電気的に制御できるので、(1)式に示したシフ
ト量Sの大きさも電気的に制御できる。例えば、液晶分
子長軸方向の屈折率をne =1.663、液晶分子短軸
方向の屈折率をn0 =1.511とし、分子傾き角が電
界に比例して一方向に0〜10°の間で変化する場合、
液晶層厚を100μmとすれば、シフト量は分子傾き角
にほぼ比例して、片側0〜3μm、すなわち±3μmの
間で可変できる光シフタを構成できる。
【0020】図5は、本発明の実施例において、外部の
駆動装置より正負極性の三角波電界が印加された場合の
光変位量を模式的に表した量、図6は本発明の実施例に
おいて、外部の駆動装置よりsin波交流電界が印加さ
れた場合の光変位量を模式的に表した量を示す図であ
る。これらの図に示すように、正負極性の三角波、si
n波交流電界を印加することにより、シフト方向と変位
量をアナログ的に可変できる光シフタを構成できるので
ある。
駆動装置より正負極性の三角波電界が印加された場合の
光変位量を模式的に表した量、図6は本発明の実施例に
おいて、外部の駆動装置よりsin波交流電界が印加さ
れた場合の光変位量を模式的に表した量を示す図であ
る。これらの図に示すように、正負極性の三角波、si
n波交流電界を印加することにより、シフト方向と変位
量をアナログ的に可変できる光シフタを構成できるので
ある。
【0021】したがって、本発明によれば、シフト量の
大きさと方向を電気的に制御できる光偏向スイッチが実
現できる。また、強誘電性液晶のSmA層における電傾
効果を用いているので、応答速度は速く、μsecのオ
ーダーである。なお、本発明は上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可
能であり、これらを本発明の範囲から排除するものでは
ない。
大きさと方向を電気的に制御できる光偏向スイッチが実
現できる。また、強誘電性液晶のSmA層における電傾
効果を用いているので、応答速度は速く、μsecのオ
ーダーである。なお、本発明は上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可
能であり、これらを本発明の範囲から排除するものでは
ない。
【0022】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、大きな偏向点を得ることが可能で、偏向効率が
高く、しかも偏向角と偏向距離を任意に設定することが
できる。
よれば、大きな偏向点を得ることが可能で、偏向効率が
高く、しかも偏向角と偏向距離を任意に設定することが
できる。
【図1】本発明の実施例を示す光偏向スイッチの構成図
である。
である。
【図2】本発明の実施例を示す光偏向スイッチの電傾効
果を模式的に示した図である。
果を模式的に示した図である。
【図3】本発明の実施例を示す電傾効果によって発生し
た分子軸の傾斜と、この場合に光学的に透過と考えられ
る光学的一軸結晶を示す図である。
た分子軸の傾斜と、この場合に光学的に透過と考えられ
る光学的一軸結晶を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示す複屈折結晶における結晶
軸方向に対する光シフト方向と光シフト距離を示す模式
図である。
軸方向に対する光シフト方向と光シフト距離を示す模式
図である。
【図5】本発明の実施例を示す外部の駆動装置より正負
極性の三角波電界が印加された場合の光変位量を模式的
に表した量を示す図である。
極性の三角波電界が印加された場合の光変位量を模式的
に表した量を示す図である。
【図6】本発明の実施例を示す外部の駆動装置よりsi
n波交流電界が印加された場合の光変位量を模式的に表
した量を示す図である。
n波交流電界が印加された場合の光変位量を模式的に表
した量を示す図である。
【図7】従来の光偏向スイッチを示す図である。
【図8】超音波によるブラッグ反射を用いた従来の音響
光学型偏向光スイッチの構成図である。
光学型偏向光スイッチの構成図である。
21a,21b 一対の透明基板 22a,22b 電極 23 駆動装置 24 液晶分子
Claims (1)
- 【請求項1】 2枚の透明基板を所定の間隔で対向配置
し、対向させた面に垂直配向処理を施し、前記透明基板
の間に、スメクティックA相の強誘電性液晶を封入し、
前記透明基板に対して垂直配向させ、スメクティック層
と平行に交流電界を印加できるように電極を配置し、該
電極に交流電界を印加する駆動装置を備えた液晶素子を
用い、スメクティックA相の強誘電性液晶による電傾効
果を用い、液晶分子の傾斜による複屈折によって、液晶
層に入射する偏光の屈折角と変位する方向を変化できる
ように構成したことを特徴とする光偏向スイッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28877795A JPH09133904A (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | 光偏向スイッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28877795A JPH09133904A (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | 光偏向スイッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09133904A true JPH09133904A (ja) | 1997-05-20 |
Family
ID=17734587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28877795A Withdrawn JPH09133904A (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | 光偏向スイッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH09133904A (ja) |
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1995
- 1995-11-07 JP JP28877795A patent/JPH09133904A/ja not_active Withdrawn
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