JPH09121500A - 電気的な機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気的な機械、特に自動車用の三相発電機に
おいて、ロータとステータ孔との極めて高い同軸性が得
られるようにする。 【解決手段】 ステータ巻線を有するステータ薄板組を
取り囲むケーシングのフード状の両ケーシング部分が、
直接半径方向でセンタリングされていて、このため、一
方のケーシング部分が、他方のケーシング部分に面した
端部で、外側の周方向に延びる旋削加工された嵌合面を
備えた同軸的なセンタリング管片を有しており、他方の
ケーシング部分に、互いに回転角間隔を置いて、内側の
円弧区分によって嵌合面に被せられる成形部材が配置さ
れており、ステータ薄板組が、ステータ薄板組の多数の
中央薄片を介して固定されていて、該中央薄片が、突起
によって半径方向でステータ薄板組の周面から突出して
いてかつ成形部材の互いに向かい合って位置する側壁の
間にほぼ係合接続式に受容されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特許請求の範囲第
１項の上位概念に記載の形式の電気的な機械、特に自動
車用の三相発電機に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記形式の自動車用の公知の三相発電機
（西ドイツ国実用新案第９３０１８２５号明細書）で
は、３つの中央薄片のそれぞれ４つの突起は、一方のケ
ーシング部分の周方向に亘って均一に分配して配置され
た４つの軸方向の窪み部内に位置しかつこの窪み部にお
いて窪み部底部に接触している。窪み部とは反対の突起
側で他方のケーシング部分の周方向範囲には、それぞれ
１つの膨出部（Podest）が設けられている。

【０００３】この場合、膨出部のほぼ半円形の横断面
は、窪み部の同様に半円形の横断面よりも小さいので、
膨出部と窪み部底部との間に突起を締め付け固定するた
めに、膨出部は窪み部内に突入する。この場合、締付け
力は４つの締付けねじによってかけられ、この締付けね
じは、膨出部内の孔及び中央薄片の突起内の貫通孔を介
して差し込まれ、かつ、窪み部を有するケーシング部分
内の、前記孔に整合するそれぞれ１つのねじ孔内にねじ
込まれる。

【０００４】各ケーシング部分は、孔を備えた旋回アー
ムを支持していて、この場合、三相発電機をボルトを用
いて自動車のエンジンに固定できるようにするために、
両ケーシング部分の取付け後前記孔は互いに整合させら
れねばならない。孔を整合させるために、両ケーシング
部分を互いに正確な回転角位置で調整して結合する必要
がある。回転角調整は、センタリングピン及びセンタリ
ング凹所を有するセンタリングユニットによって保証さ
れ、有利にはセンタリングピンは、全部で４つの膨出部
の１つをセンタリング膨出部として拡大することによっ
て形成され、このセンタリング膨出部は、周方向でみて
係合接続式に他方のケーシング部分の所属の窪み部内に
係合する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、公知
の機械を改良することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題は本発明によれ
ば、特許請求の範囲第１項の特徴部分に記載の本発明の
機械によって解決された。

【０００７】

【発明の効果】特許請求の範囲第１項の特徴部分に記載
の本発明による電気的な機械の利点は、ロータとステー
タ孔との極めて高い同軸性が得られるということにあ
る。それというのも、両ケーシング部分は直接半径方向
でセンタリングされていて、他面、ステータ薄板組は一
方のケーシング部分内で固定されているからである。こ
の場合、所要のセンタリングエレメントは、センタリン
グエレメントを加工するために、軸線方向を機械軸線に
対して平行に調整されている工具を使用すればよいよう
に、構成されている。これによって、ケーシング部分の
安価で大量生産に適した加工が行われる。同様にコスト
的に最適にしかも大量生産に適するよう機械の組立てを
行うことができる。それというのも、ケーシング部分の
いわゆる仮り差込みが不要であるから、即ち、ねじ結合
時の支承マンドレル上での予備取付けが不要であるから
である。

【０００８】その他の請求項に記載の構成によって、請
求項１記載の電気的な機械の有利な構成及び改良が得ら
れる。

【０００９】本発明の有利な構成では、中央薄片は、ス
テータ薄板組の周面から突出する周方向に延びる環状の
支持面を有していて、この支持面には突起が一体成形さ
れている。中央薄片は、締付けねじの圧力を受けて支持
面で互いに密接して、両ケーシング部分の環状の端面に
接触する。中央薄片の前記支持面によって、大きな締付
け面が得られかつ同時に突起は締付け力による負荷を軽
減されるので、従来必要とされた突起範囲でのケーシン
グ部分のフライス加工が不要になる。

【００１０】

【発明の実施の形態】第１図で部分的に側面図でかつ部
分的に縦断面図で図示された、電気的な機械の特殊例と
しての自動車用の三相発電機は、多数の薄片１１から成
るステータ薄板組１０を有していて、このステータ薄板
組１０は、溝１２（第５図参照）内に公知の形式で図示
されてないステータ巻線（第２図参照）を受容してい
る。ステータ薄板組１０の中央の３つの薄片、いわゆる
中央薄片１４（これらのうち１つを部分的に第５図平面
図で図示）は、ステータ薄板組１０の周面から突出する
それぞれ１つの周方向に延びる環状の支持面１５を有し
ていて、この支持面１５には、互いに等しい回転角間隔
を置いて配置された４つの突起１６が一体成形されてい
る。

【００１１】ステータ巻線を有するステータ薄板組１０
は、フード状の両ケーシング部分１７１，１７２を備え
た二部分から成るケーシング１７によって完全に取り囲
まれている。この場合、ステータ薄板組１０は、中央薄
片１４を介して両ケーシング部分１７１，１７２の間に
締め付けられる。このために、３つの中央薄片１４の支
持面１５は互いに密接して、両ケーシング部分１７１，
１７２の環状の端面に接触していてかつ両ケーシング部
分は全部で４つの締付けねじ１８（締付けねじの１つを
第１図及び第２図で図示）によって互いに締め付けられ
ている。

【００１２】この場合、締付けねじ１８はそれぞれ、一
方のケーシング部分１７１内の孔１９及び中央薄片１５
内の貫通孔２０を介して差し込まれていて（第５図参
照）かつ他方のケーシング部分１７２のねじ孔２１内に
ねじ固定されている（第２図参照）。中央薄片１４内の
貫通孔２０は、中央薄片１４の突起１６内に配置されて
いてかつケーシング部分１７１，１７２と中央薄片１４
との間の圧着力を改善するために、支持面１５の範囲に
まで達している。

【００１３】両ケーシング部分１７１，１７２及びステ
ータ薄板組１０を半径方向でセンタリングするために、
一方のケーシング部分１７１は他方のケーシング部分１
７２に面した側で、外側の周方向に延びる旋削加工され
た嵌合面２３を備えた同軸的な一体のセンタリング管片
２２を支持しているのに対して、他方のケーシング部分
１７２には互いに回転角間隔を置いて配置された成形部
材２４が形成されていて、この成形部材２４は、内側の
円弧区分２４１によって嵌合面２３に精密嵌合して被せ
られている（第３図及び第４図参照）。

【００１４】更に、少なくとも１つの成形部材２４は、
周方向で互いに向かい合って位置する側壁２４２，２４
３を有していて、この側壁は側壁間で、３つの中央薄片
１４の合同の突起１６をほぼ係合接続式に受容してい
る。この場合、成形部材２４はケーシング部分１７２に
一体注型されている。前記センタリング手段によって、
一面では、ケーシング１７を組合わせた際に両ケーシン
グ部分１７１，１７２の高い同軸性が保証され、かつ、
他面では、ケーシング１７内でのステータ薄板組１０の
同軸性も保証されるので、三相発電機の組立て後、ロー
タとステータ孔との高精度の同軸性が得られる。

【００１５】図示されてないが公知のように、各ケーシ
ング部分１７１，１７２には取付け孔を備えた取付けア
ームが一体成形されていて、この場合、両取付けアーム
は、自動車のエンジンに三相発電機を固定するのに用い
られる。このために、固定ピンが取付けアーム内の両取
付け孔を介して案内され、この場合、ケーシング１７を
組合せた後で両取付け孔を整合させる必要がある。

【００１６】このような整合を保証するために、ケーシ
ング１７にセンタリングユニット２５が設けられ（第１
図及び第４図参照）、このセンタリングユニット２５
は、一方のケーシング部分１７２に成形されたセンタリ
ングピン２７と、他方のケーシング部分１７１に形成さ
れたセンタリング凹所２６とから構成されている。この
場合、センタリングピン２７は、軸方向で成形部材２４
の端面から他方のケーシング部分１７１内にまで延びて
いてかつ端面側でケーシング部分１７１のセンタリング
凹所２６内に係合している。センタリング凹所２６は、
センタリングピン２７を周方向で係合接続式に受容する
（第１図参照）。

【図面の簡単な説明】

【図１】自動車用の三相発電機の部分的な側面図。

【図２】第１図ＩＩーＩＩ線に沿った断面図。

【図３】第１図ＩＩＩーＩＩＩ線に沿った断面図。

【図４】第１図ＩＶーＩＶ線に沿った断面図。

【図５】第１図ＶーＶ線に沿った断面図。

【符号の説明】

１０ ステータ薄板組 １１ 薄片 １２ 溝 １５ 支持面 １６ 突起 １７ ケーシング １８ 締付けねじ １９ 孔 ２０ 貫通孔 ２１ ねじ孔 ２２ センタリング管片 ２３ 嵌合面 ２４ 成形部材 ２５ センタリングユニット ２６ センタリング凹所 ２７ センタリングピン １７１，１７２ ケーシング部分 ２４１ 円弧区分 ２４２，２４３ 側壁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘルマン レーネルツ ドイツ連邦共和国 フェルバッハ テンホ ーファー ヴェーク 35 (72)発明者 オイゲン ヘレケス ドイツ連邦共和国 シュツットガルト ラ ンダウアー シュトラーセ 25 (72)発明者 トーマス ビルズィング ドイツ連邦共和国 ビーティッヒハイム− ビッシンゲン ブレスラウアー シュトラ ーセ 89

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気的な機械、特に自動車用の三相発電
   機であって、多数の薄片（１１）から成る、ステータ巻
   線を支持するステータ薄板組（１０）が設けられてい
   て、前記薄片のうち複数の互いに密接する中央薄片（１
   ４）が、ステータ薄板組（１０）の周面から半径方向に
   突出する突起（１８）を有していて、該突起が、それぞ
   れ１つの貫通孔（２０）を有しており、ステータ薄板組
   （１０）及びステータ巻線を取り囲む２部分から成るケ
   ーシング（１７）が設けられていて、該ケーシングのフ
   ード状のケーシング部分（１７１，１７２）の間に、ス
   テータ薄板組（１０）の中央薄片（１４）が締め付けら
   れていて、この場合、締付け力が、ケーシング部分（１
   ７１，１７２）を互いにねじ結合する、前記貫通孔（２
   ０）を貫通する締付けねじ（１８）によってかけられて
   おり、両ケーシング部分（１７１，１７２）を互いに所
   定の回転角で固定するセンタリングユニット（２５）が
   設けられていて、該センタリングユニット（２５）が、
   一方のケーシング部分（１７２）に成形されたセンタリ
   ングピン（２７）と、他方のケーシング部分（１７１）
   に形成されたセンタリング凹所（２６）とを有してい
   て、該センタリング凹所（２６）が、センタリングピン
   （２７）を周方向で係合接続式に受容している形式のも
   のにおいて、両ケーシング部分（１７１，１７２）を直
   接半径方向でセンタリングするために、一方のケーシン
   グ部分（１７１）が、他方のケーシング部分（１７２）
   に面した端部で、一体の同軸的なセンタリング管片（２
   ２）を有していて、該センタリング管片（２２）が、外
   側の周方向に延びる旋削加工された嵌合面（２３）を有
   しており、他方のケーシング部分（１７２）に、互いに
   回転角間隔を置いて成形部材（２４）が配置されてい
   て、該成形部材（２４１）が、内側の円弧区分（２４
   １）によって嵌合面（２３）に精密嵌合して被せられて
   おり、少なくとも１つの成形部材（２４）が、周方向で
   互いに向かい合って位置する側壁（２４２，２４３）を
   有していて、該側壁（２４２，２４３）が側壁間で、中
   央薄片（１４）の突起（１６）をほぼ係合接続式に受容
   していることを特徴とする、電気的な機械。
2. 【請求項２】 成形部材（２４）が、ケーシング部分
   （１７２）に一体注型されている、請求項１記載の機
   械。
3. 【請求項３】 中央薄片（１４）が、ステータ薄板組
   （１０）の周面から突出する周方向に延びる環状の支持
   面（１５）を有していて、該支持面（１５）に、突起
   （１６）が成形されており、中央薄片（１４）が、締付
   けねじ（１８）の圧力を受けて支持面（１５）で密接し
   て、両ケーシング部分（１７１，１７２）の環状の端面
   に接触している、請求項１又は２記載の機械。
4. 【請求項４】 締付けねじ（１８）用の貫通孔（２０）
   が、少なくとも部分的に、中央薄片（１４）の支持面
   （１５）の範囲に位置している、請求項３記載の機械。
5. 【請求項５】 センタリングユニット（２５）のセンタ
   リングピン（２７）が、軸方向で１つの成形部材（２
   ４）の端面から他方のケーシング部分（１７１）のセン
   タリング凹所（２６）内にまで延びている、請求項１か
   ら４までのいずれか１項記載の機械。