JPH0885245A

JPH0885245A - インキリボンカセット

Info

Publication number: JPH0885245A
Application number: JP24672494A
Authority: JP
Inventors: Hisatoshi Matsuo; 尚敏松尾
Original assignee: Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Current assignee: Resonac Corp
Priority date: 1994-09-16
Filing date: 1994-09-16
Publication date: 1996-04-02

Abstract

(57)【要約】【目的】インパクトプリンターに用いられるエンドレ
スインキリボンを填装するインキリボンカセットにおい
て、簡易構成でリボン走行性がよく、混色の虞を解消す
ることができるようにする。【構成】インキリボンの幅方向にインパクトゾーンを
２トラック以上形成しているエンドレスインキリボンが
装填されると共に、このインキリボンを移送およびファ
ンフォールドするローラーアッセンブリーを備えている
インキリボンカセットにおいて、前記ローラーアッセン
ブリーを構成している弾性ローラー部材がインキリボン
におけるインパクトゾーンの夫々に対応する位置にあ
り、前記弾性ローラー部材の幅（Ｒ_W）とインパクトゾ
ーンの幅（Ｉ_W）の関係がＲ_W≦Ｉ_Wになるよう構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インキリボンカセット
の内、特にインパクトプリンターに用いられるエンドレ
スインキリボンのファンホールド型カセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】エンドレスインキリボンのファンホール
ド型カセットとしては、図２に示す構造のものが挙げら
れる。同図のカセットは、ケース本体４から蓋４１を取
った状態であり、エンドレスインキリボン５が内部に充
填されていて、開口側にあって板バネ６でインクリボン
５を軽く抑えながら内設された駆動ローラーアッセンブ
リー１と従動ローラーアッセンブリー２とで引き込み、
折り畳んだ状態で順次収納するようになっている。

【０００３】このリボン移送機構は図１に示されてい
る。駆動ローラーアッセンブリー１は、軸１１およびロ
ーラー部材１４等からなり、軸１１がその両端部分をケ
ース本体４の底と蓋４１の軸孔とに軸支されて組み込ま
れている。つまり、軸１１はその下端側にプリンタ機器
側の回転軸９と係合する十字穴１２を、上端側に蓋４１
から突出する回転つまみ１３を有し、また軸１１の周壁
部に４個のローラー部材１４を一体的に装着している。
各ローラー部材１４はポリウレタン発泡体あるいはフェ
ルト等の弾性体からなっている。そして、ケース本体４
内にあって、各ローラー部材１４の間にはフォーク状の
セパレーター７１が付設されている。従動ローラーアッ
センブリー２は、軸２１が前記と同様なローラー部材１
４をその周壁部に一体的に装着していると共に、その両
端部分をセパレーター７２の対応壁部に軸支して組み付
けられる一方、セパレーター７２がケース本体４の底お
よび蓋４１に設けた上下スリット４２，４２に進退自在
に嵌合された状態で組み込まれている。また、セパレー
ター７２は案内壁４３にガイドされたばね３により駆動
ローラーアッセンブリー１側へ常に付勢され、軸１１の
ローラー部材１４に対し軸２１のローラー部材１４を圧
接している。

【０００４】なお、図２に示す他のリボン移送機構とし
ては、従動ローラーアッセンブリー２もケース本体４の
底および蓋４１との軸孔に軸支されているものや、さら
に、軸１１，２１に互いに噛み合う一対のギアを付設し
て、駆動側の回転を従動側に伝える構造のものもある。

【０００５】前記軸１１，２１のローラー部材１４は、
インキリボン幅が１３ｍｍ程度の場合は軸方向に２個が
配置され、２５ｍｍ程度の幅広リボンの場合は図２と同
様に軸方向に４個程度が配置される。また、多色インキ
リボンの場合は、各々の色の帯に対応して、ローラー部
材１４が配置される。ローラー部材１４の幅は、５ｍｍ
程度のものが一般的である。

【０００６】一方、インキリボンのインパクトゾーン
は、単色インキリボンの場合、リボン幅を有効に利用す
るためにインキリボンの幅方向に２トラック以上形成す
る構造のプリンターがある。例えば、１３ｍｍ幅の単色
インキリボンでは、リボン幅の片側寄りにインパクトゾ
ーンが形成されるようインキリボンカセットに固定して
おいて、リボンをメビウスで反転することによりリボン
幅の反対寄りに第２のトラックを形成するようにしてあ
る。２５ｍｍ程度の幅広リボンでは、インキリボンカセ
ットをリボン幅方向に４段程度シフトする構造をしてい
る。また、多色インキリボンの場合は、前記したと同様
にインキリボンカセットをリボン幅方向にシフトして、
インパクトゾーンが指定する色帯に対応するようになっ
ている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、織布にイン
キを含浸させたインキリボンは、プリンターヘッドのド
ットワイヤーでインパクトされると、その部分の繊維束
が偏平になってインパクトゾーンの織布を収縮させる。
寸法収縮は約４％程度である。このインパクトゾーンの
寸法収縮により、インパクトされていない部分が波状に
湾曲し、リボン全体がワカメ状になる。

【０００８】このようにワカメ状になった状況でリボン
を移送すると、弾性ローラー部材の位置や幅に特別な考
慮がされていない従来のリボンカセットでは、弾性ロー
ラー部材がインパクトゾーンの寸法収縮した平らな部分
と印字していない波状の部分の両方を挾み込んでリボン
を移送することになる。このため、インキリボンは、部
分的に折れ曲がったり、蛇行したり、ファンホールドし
たリボンの折り畳み長さが不均一になり、ジャミングが
発生する等、リボン走行に支障をきたす虞れがあった。
また、リボン送りが不正確になると、リボンが局部的に
インパクトされ、特にリボン接合部では破断が生じる虞
があった。しかも、使用前よりリボン幅が短くなりワカ
メ状になるため、リボンは走行中に幅方向に暴れ、多色
インキリボンの場合、弾性ローラー部材が隣の色帯部に
接したり、ファンホールドされたインキリボンの異なる
色帯が擦れ合うことにより、色混じりを起こす虞があっ
た。

【０００９】本発明は、上述のような背景のもとになさ
れたもので、特にリボン走行性がよく、混色の虞を解消
することを目的としている。他の目的は以下に述べる内
容説明の中で明らかにする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成のため、
本発明は、インキリボンの幅方向にインパクトゾーンを
２トラック以上形成しているエンドレスインキリボンが
装填されると共に、このインキリボンを移送およびファ
ンフォールドするローラーアッセンブリーを備えている
インキリボンカセットにおいて、前記ローラーアッセン
ブリーを構成している弾性ローラー部材がインキリボン
におけるインパクトゾーンの夫々に対応する位置にあ
り、前記弾性ローラー部材の幅（Ｒ_W）とインパクトゾ
ーンの幅（Ｉ_W）の関係がＲ_W≦Ｉ_Wであることを要部と
している。また、前記の弾性ローラー部材の幅（Ｒ_W）
は２．５〜３．５ｍｍであることがより好ましい。

【００１１】

【作用】本発明によれば、インパクトゾーンは寸法収縮
しても平坦であるから、弾性ローラー部材をインパクト
ゾーンの位置に対応させ、弾性ローラー部材の幅Ｒ_Wを
インパクトゾーンの幅Ｉ_Wより小さく形成することによ
り、波状にうねった非インパクトゾーンが弾性ローラー
部材に極力挟み込まれないようにしたことである。そし
て、試験結果からは、インキリボンの走行およびファン
ホールドは終始安定し、インキリボンの走行暴れやジャ
ミングが起こり難くなること、そのため、多色インキリ
ボンでは混色も起こり難くなることが確認された。

【００１２】ここで、インパクトゾーンの幅Ｉ_Wは通
常、約３．５ｍｍ程度である。これに対し、弾性ローラ
ー部材の幅Ｒ_Wは２〜３．５ｍｍとし、望ましくは２．
５〜３ｍｍに設定することである。弾性ローラー部材が
２ｍｍより薄いとリボンを移送するための摩擦力が発生
し難く、リボン走行不良が発生し易くなったり、弾性ロ
ーラー自体の耐久性に不安があるので好ましくない。ま
た、３．５ｍｍより厚いと、インパクトゾーンの幅から
はみ出ることになり、前述したように、インパクトゾー
ンと印字していない部分の両方を挾み込んでリボンを移
送するため、部分的な折れ曲がり、蛇行、ファンホール
ドの不均一、ジャミング、色混じりを起こす虞がある。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。この
実施例では、幅２５．４ｍｍで長さ２０ｍのナイロン繊
維基布製リボンに、等幅で下側から黄、赤、青、黒色の
インクを塗工したエンドレスインキリボンを、図１のロ
ーラー機構を備えた図２に示す構造のインキリボンカセ
ットに装填した。

【００１４】つまり、図１，図２のインキリボンカセッ
トは、弾性ローラー部材１４の幅設定を除いて従来と共
通である。そして、弾性ローラー部材１４は、ポリウレ
タンフォーム製で、その幅（Ｒ_W）が２ｍｍ，２．５ｍ
ｍ，３ｍｍ，３．５ｍｍ，５ｍｍに設定された合計５種
類のものを作成した。同幅の弾性ローラー部材１４をグ
ループとして、図２の如く同幅の弾性ローラー部材１４
をインキリボンカセットの軸１１，２１にリボンの各色
帯の初期インパクトゾーンに対応するよう装着し、５種
類のインキリボンカセットを用意した。５種類のインキ
リボンカセットは同じプリンターに順次にセットし、印
字耐久試験を行った。プリンターの印字ヘッドの高さは
３．５ｍｍである。

【００１５】なお、試験結果のまとめを表１に示す。表
中、○は良好であることを表わし、△は異常が認められ
たことを表わし、×は不具合な状態となったことを表わ
している。

【００１６】

【表１】

【００１７】各色５０万字印字した後では、何れのイン
キリボンカセットにおいてもリボン幅は約０．８ｍｍ収
縮していた。本発明に係る幅Ｒ_Wが２、２．５、３、
３．５ｍｍのローラー部材１４を用いたインキリボンカ
セットでは、何れも色混じり、ジャミングの発生はなか
った。これに対し幅Ｒ_W＝５ｍｍの従来のローラー部材
を用いたものでは、色混じりは認められなかったが、フ
ァンホールドの折り畳みの不均一さが顕著に認められ
た。

【００１８】次に、印字数１００万字では、何れのイン
キリボンカセットにおいてもリボン幅は約１．３ｍｍ収
縮していた。幅Ｒ_W＝５ｍｍの従来ローラー部材を用い
たものは、リボン走行が蛇行し、ファンホールドの折り
畳みの不均一になる等、ジャミングが認められ、色混じ
りも認められた。これに対し、幅Ｒ_W＝３．５ｍｍのロ
ーラー部材１４を用いたものは、リボンの折り畳み長さ
が不規則になる部分が僅かに認められたが、色混じりは
なかった。幅Ｒ_W＝２．５ｍｍおよびＲ_W＝３ｍｍのロー
ラー部材１４を用いたものは、良好な状態を示してい
た。幅Ｒ_W＝２ｍｍのローラー部材１４を用いたもの
は、ジャミングおよびそれに伴う色混じりは認められな
いが、ローラー部材１４の摩耗変形が比較的多く、リボ
ンとの接触面積が少ないためかリボン接合部の損傷が僅
かに認められた。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、インキ
リボンにプリンターヘッドでインパクトされる複数のト
ラックに対応して、インキリボンの送りローラー部材を
備えると共に、それらのローラー部材の幅をインパクト
ゾーンの幅と同じか狭く形成したエンドレスインキリボ
ンカセットとしたものであり、リボンの平滑な面にロー
ラー部材が接してリボン走行させる構造なので、リボン
が蛇行することなく、ジャミングの発生や色混じりが起
こり難くなるから、インキリボンの品質を長期間維持す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】インキリボンカセットを蓋を取った状態で示す
図である。

【図２】前記インキリボンカセットのリボン送り機構部
を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１駆動ローラーアッセンブリー２従動ローラーアッセンブリー４ケース本体５エンドレスインキリボン１４ローラー部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】インキリボンの幅方向にインパクトゾー
ンを２トラック以上形成しているエンドレスインキリボ
ンが装填されると共に、このインキリボンを移送および
ファンフォールドするローラーアッセンブリーを備えて
いるインキリボンカセットにおいて、前記ローラーアッセンブリーを構成している弾性ローラ
ー部材がインキリボンにおけるインパクトゾーンの夫々
に対応する位置にあり、前記弾性ローラー部材の幅（Ｒ
_W）とインパクトゾーンの幅（Ｉ_W）の関係がＲ_W≦Ｉ_Wで
あることを特徴とするインキリボンカセット。
【請求項２】前記弾性ローラー部材の幅（Ｒ_W）が、
２．５〜３．５ｍｍである請求項１記載のインキリボン
カセット。