JPH0882346A - Vリブドベルト - Google Patents
VリブドベルトInfo
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- JPH0882346A JPH0882346A JP21857394A JP21857394A JPH0882346A JP H0882346 A JPH0882346 A JP H0882346A JP 21857394 A JP21857394 A JP 21857394A JP 21857394 A JP21857394 A JP 21857394A JP H0882346 A JPH0882346 A JP H0882346A
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- Japan
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- belt
- ribbed belt
- warp
- back cloth
- ribbed
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 背面駆動時の伝達能の低下防止、リブ部間の
各部で発生する縦裂き防止及びベルト横転防等を図る。 【構成】 VリブドベルトAの接着ゴム部2の背面に貼
着された背面布5をスダレ織物で構成する。背面布5の
経糸6として、下撚りがなく上撚りが3〜10回/10
cmに設定されたものを採用する。
各部で発生する縦裂き防止及びベルト横転防等を図る。 【構成】 VリブドベルトAの接着ゴム部2の背面に貼
着された背面布5をスダレ織物で構成する。背面布5の
経糸6として、下撚りがなく上撚りが3〜10回/10
cmに設定されたものを採用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力伝達用Vリブドベ
ルトに関し、特に背面布の改良に関するものである。
ルトに関し、特に背面布の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】動力伝達用ベルトの一種であるVリブド
ベルトは、Vベルトに比べると厚みが薄いため曲げ応力
が少なく、小プーリに対する使用可能域が広くコンパク
トな設計が可能で、また省エネルギー効果も顕著であ
る。また、Vリブドベルトは、Vベルトに比べ駆動時、
プーリ溝への沈込みに起因するベルト張力の低下も少な
く、このためベルトライフも長くなる等多くの長所を備
えており、その用途も一般産業用、自動車用、農機具用
及び家庭電化機器用等拡大の一途を辿っている。
ベルトは、Vベルトに比べると厚みが薄いため曲げ応力
が少なく、小プーリに対する使用可能域が広くコンパク
トな設計が可能で、また省エネルギー効果も顕著であ
る。また、Vリブドベルトは、Vベルトに比べ駆動時、
プーリ溝への沈込みに起因するベルト張力の低下も少な
く、このためベルトライフも長くなる等多くの長所を備
えており、その用途も一般産業用、自動車用、農機具用
及び家庭電化機器用等拡大の一途を辿っている。
【0003】一般に、この種のVリブドベルトは、複数
本の心線が埋設された接着ゴム部の一方の面(ベルト内
面)に複数個のV形リブ部がベルト長手方向に沿って設
けられ、上記接着ゴム部の他方の面(ベルト背面)にゴ
ム付帆布からなる背面布が貼着されて構成されている。
本の心線が埋設された接着ゴム部の一方の面(ベルト内
面)に複数個のV形リブ部がベルト長手方向に沿って設
けられ、上記接着ゴム部の他方の面(ベルト背面)にゴ
ム付帆布からなる背面布が貼着されて構成されている。
【0004】そして、このVリブドベルトの機械的特性
を改善する手段としてベルト背面側の構造に特徴がある
ものとして、接着ゴム部の背面に背面ゴム部を設け、該
背面ゴム部に短繊維をベルト幅方向に配向するように混
入したものがある(実開平4−119651号公報参
照)。
を改善する手段としてベルト背面側の構造に特徴がある
ものとして、接着ゴム部の背面に背面ゴム部を設け、該
背面ゴム部に短繊維をベルト幅方向に配向するように混
入したものがある(実開平4−119651号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き構造のVリブドベルトをベルト背面で動力伝達が行
われる可能性のあるサーペンタインドライブ用として使
用する場合には、経糸と緯糸との製織品である帆布から
なる背面布をベルト背面に用いたVリブドベルトでは、
帆布の織目によってベルト背面に凹凸が現れ、プーリと
の接触面積が少なくなってスリップし易く、ベルト背面
での動力伝達能力が大きく低下するという不具合があ
る。
如き構造のVリブドベルトをベルト背面で動力伝達が行
われる可能性のあるサーペンタインドライブ用として使
用する場合には、経糸と緯糸との製織品である帆布から
なる背面布をベルト背面に用いたVリブドベルトでは、
帆布の織目によってベルト背面に凹凸が現れ、プーリと
の接触面積が少なくなってスリップし易く、ベルト背面
での動力伝達能力が大きく低下するという不具合があ
る。
【0006】一方、ベルト背面に背面布を用いずにゴム
層を用いたVリブドベルトでは、ベルト背面での動力伝
達能力は向上するものの、リブ部で挟まれる谷部分に縦
裂き(ベルト長手方向の亀裂)が発生し易くなるという
不具合がある。また、背面ゴム部に短繊維を混入したV
リブドベルトでは、分散不良が1ヶ所でもあると、そこ
が亀裂の開始点になり必ずしも寿命アップにはつながら
ない。
層を用いたVリブドベルトでは、ベルト背面での動力伝
達能力は向上するものの、リブ部で挟まれる谷部分に縦
裂き(ベルト長手方向の亀裂)が発生し易くなるという
不具合がある。また、背面ゴム部に短繊維を混入したV
リブドベルトでは、分散不良が1ヶ所でもあると、そこ
が亀裂の開始点になり必ずしも寿命アップにはつながら
ない。
【0007】ところで、バイアス状の2層のゴム付スダ
レコードを接着ゴム部の背面に配置することにより、ベ
ルト幅方向及びべルト長手方向に対する剛性を高めるよ
うにしたVリブドベルトが提案されている(特開平3−
33536号公報及び実開昭55−45082号公報参
照)。
レコードを接着ゴム部の背面に配置することにより、ベ
ルト幅方向及びべルト長手方向に対する剛性を高めるよ
うにしたVリブドベルトが提案されている(特開平3−
33536号公報及び実開昭55−45082号公報参
照)。
【0008】本発明は、このスダレコードに着眼したも
のである。すなわち、本発明の目的とするところは、ス
ダレコードを背面布として用い、それを構成する経糸及
び緯糸、さらには経糸の配向を工夫することにより、背
面駆動時の伝達能の低下防止、リブ部間の各部で発生す
る縦裂き防止、さらにはベルト横転防止等を図らんとす
ることにある。
のである。すなわち、本発明の目的とするところは、ス
ダレコードを背面布として用い、それを構成する経糸及
び緯糸、さらには経糸の配向を工夫することにより、背
面駆動時の伝達能の低下防止、リブ部間の各部で発生す
る縦裂き防止、さらにはベルト横転防止等を図らんとす
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、複数本の心線が埋設された接着ゴム部の
一方の面に複数個のV形リブ部がベルト長手方向に沿っ
て設けられ、上記接着ゴム部の他方の面に背面布が貼着
されたVリブドベルトを対象とし、次のような解決手段
を講じた。
め、本発明は、複数本の心線が埋設された接着ゴム部の
一方の面に複数個のV形リブ部がベルト長手方向に沿っ
て設けられ、上記接着ゴム部の他方の面に背面布が貼着
されたVリブドベルトを対象とし、次のような解決手段
を講じた。
【0010】すなわち、本発明の第1の解決手段は、下
撚りがなく上撚りが3〜10回/10cmに設定された複
数本の経糸と、該各経糸をその長手方向に所定間隔をあ
けた位置で連結する複数本の緯糸とでスダレ織りして上
記背面布を構成したことを特徴とする。
撚りがなく上撚りが3〜10回/10cmに設定された複
数本の経糸と、該各経糸をその長手方向に所定間隔をあ
けた位置で連結する複数本の緯糸とでスダレ織りして上
記背面布を構成したことを特徴とする。
【0011】本発明の第2の解決手段は、第1の解決手
段において、背面布の経糸の密度を40〜55本/5cm
に、背面布の緯糸の密度を3本/5cm以下にそれぞれ設
定したことを特徴とする。
段において、背面布の経糸の密度を40〜55本/5cm
に、背面布の緯糸の密度を3本/5cm以下にそれぞれ設
定したことを特徴とする。
【0012】本発明の第3の解決手段は、第1又は第2
の解決手段において、経糸がベルト幅方向に沿うように
背面布を接着ゴム部の他方の面に貼着したことを特徴と
する。
の解決手段において、経糸がベルト幅方向に沿うように
背面布を接着ゴム部の他方の面に貼着したことを特徴と
する。
【0013】本発明の第4の解決手段は、第3の解決手
段において、背面布の経糸をベルト幅方向に対し0〜1
0°の傾きになるように配向したことを特徴とする。
段において、背面布の経糸をベルト幅方向に対し0〜1
0°の傾きになるように配向したことを特徴とする。
【0014】
【作用】上記の構成により、本発明の第1の解決手段で
は、背面布がスダレ織物であり、かつ経糸として下撚り
がなく上撚りが3〜10回/10cmに設定された糸が用
いられていることから、ゴムが繊維の中へ含浸し易くな
り耐亀裂性が向上する。また、従来の帆布の如き織目に
よる凹凸がベルト背面に現れず、プーリとVリブドベル
トとの接触面積が広くなってスリップが防止され、背面
駆動時の伝達能が向上する。
は、背面布がスダレ織物であり、かつ経糸として下撚り
がなく上撚りが3〜10回/10cmに設定された糸が用
いられていることから、ゴムが繊維の中へ含浸し易くな
り耐亀裂性が向上する。また、従来の帆布の如き織目に
よる凹凸がベルト背面に現れず、プーリとVリブドベル
トとの接触面積が広くなってスリップが防止され、背面
駆動時の伝達能が向上する。
【0015】本発明の第2の解決手段では、背面布の経
糸の密度が40〜55本/5cmに、緯糸の密度が3本/
5cm以下にそれぞれ設定されていることから、Vリブド
ベルトの耐屈曲疲労性が向上する。したがって、径の小
さなプーリでの使用が可能になる。
糸の密度が40〜55本/5cmに、緯糸の密度が3本/
5cm以下にそれぞれ設定されていることから、Vリブド
ベルトの耐屈曲疲労性が向上する。したがって、径の小
さなプーリでの使用が可能になる。
【0016】本発明の第3の解決手段では、背面布のベ
ルト幅方向に沿う経糸により、Vリブドベルトの耐屈曲
疲労性がさらに向上する。
ルト幅方向に沿う経糸により、Vリブドベルトの耐屈曲
疲労性がさらに向上する。
【0017】本発明の第4の解決手段では、背面布の経
糸のベルト幅方向に対する傾きが0〜10°で、心線の
スパイラル角度とバランスしており、Vリブドベルトが
横転しない。
糸のベルト幅方向に対する傾きが0〜10°で、心線の
スパイラル角度とバランスしており、Vリブドベルトが
横転しない。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0019】図1は本発明の実施例に係るVリブドベル
トAを示す。該VリブドベルトAは、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維等のような低
伸度高強力のロープからなる複数本の心線1が埋設され
たNR、SBR、CR、HNBR等の単一材又はこれら
をブレンドしてなる接着ゴム部2を備えてなり、該接着
ゴム部2の一方の面(図1で下面である内面)には3個
のV形リブ部3がベルト長手方向に沿って一体に形成さ
れている。また、該各リブ部3は上記接着ゴム部2と同
材質で構成され、かつ短繊維4がベルト幅方向に配向す
るように混入されている。さらに、上記接着ゴム部2の
他方の面(図1で上面である背面)には、該接着ゴム部
2と接着し易いように表面処理した背面布5が一体に貼
着されている。
トAを示す。該VリブドベルトAは、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維等のような低
伸度高強力のロープからなる複数本の心線1が埋設され
たNR、SBR、CR、HNBR等の単一材又はこれら
をブレンドしてなる接着ゴム部2を備えてなり、該接着
ゴム部2の一方の面(図1で下面である内面)には3個
のV形リブ部3がベルト長手方向に沿って一体に形成さ
れている。また、該各リブ部3は上記接着ゴム部2と同
材質で構成され、かつ短繊維4がベルト幅方向に配向す
るように混入されている。さらに、上記接着ゴム部2の
他方の面(図1で上面である背面)には、該接着ゴム部
2と接着し易いように表面処理した背面布5が一体に貼
着されている。
【0020】本発明の特徴して、上記背面布5は、複数
本の経糸6と緯糸7とでスダレ織りされて構成され、上
記接着ゴム部2の背面に少なくとも1層以上積層されて
いる。上記各経糸6は、タイヤに用いられるような撚り
数の多いものでなく、下撚りがなく、つまり上撚りだけ
であってその上撚りが3〜10回/10cmに設定された
ものであり、該各経糸6を平行に並べた状態でその長手
方向に所定間隔をあけた位置で複数本の緯糸7で連結し
て製織し、背面布5を構成している。
本の経糸6と緯糸7とでスダレ織りされて構成され、上
記接着ゴム部2の背面に少なくとも1層以上積層されて
いる。上記各経糸6は、タイヤに用いられるような撚り
数の多いものでなく、下撚りがなく、つまり上撚りだけ
であってその上撚りが3〜10回/10cmに設定された
ものであり、該各経糸6を平行に並べた状態でその長手
方向に所定間隔をあけた位置で複数本の緯糸7で連結し
て製織し、背面布5を構成している。
【0021】上記経糸6は、例えば840de/2の織
り構成からなっており、材質としては6ナイロン、6,
6ナイロン、4,6ナイロン、1,2ナイロン等のポリ
アミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アラミ
ド等が含まれる。一方、緯糸7の材質としては例えば綿
等が含まれる。
り構成からなっており、材質としては6ナイロン、6,
6ナイロン、4,6ナイロン、1,2ナイロン等のポリ
アミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アラミ
ド等が含まれる。一方、緯糸7の材質としては例えば綿
等が含まれる。
【0022】上記経糸6の上撚りを3〜10回/10cm
に設定したのは、3回/10cm未満では経糸6がばらけ
て強度が低下する一方、10回/10cmを超えると加硫
したときにゴムの含浸が悪く、ベルト背面の亀裂開始点
となるため適さないからである。なお、このスダレ織物
は接着処理として一般のRFL処理する方がよい。
に設定したのは、3回/10cm未満では経糸6がばらけ
て強度が低下する一方、10回/10cmを超えると加硫
したときにゴムの含浸が悪く、ベルト背面の亀裂開始点
となるため適さないからである。なお、このスダレ織物
は接着処理として一般のRFL処理する方がよい。
【0023】また、経糸6の密度は40〜55本/5cm
に、緯糸7の密度は3本/5cm以下にそれぞれ設定され
ている。このように、経糸6の密度を40〜55本/5
cmに設定したのは、これよりも少ない場合にはベルト成
形時にトラブルが生じ易くなる一方、55本/5cmより
も多い時にはゴムの含浸が悪く、亀裂開始点になり易い
からである。
に、緯糸7の密度は3本/5cm以下にそれぞれ設定され
ている。このように、経糸6の密度を40〜55本/5
cmに設定したのは、これよりも少ない場合にはベルト成
形時にトラブルが生じ易くなる一方、55本/5cmより
も多い時にはゴムの含浸が悪く、亀裂開始点になり易い
からである。
【0024】さらに、上記経糸6はベルト幅方向に沿う
ように、しかも、ベルト幅方向に対し0〜10°の傾き
になるように配向せしめられている。その角度はVリブ
ドベルトAの長さや心線1の巻きピッチにより異なる
が、心線1のスパイラル角度θと、経糸6のベルト幅方
向となす角度αをほぼ等しくすることが望ましい(図2
参照)。
ように、しかも、ベルト幅方向に対し0〜10°の傾き
になるように配向せしめられている。その角度はVリブ
ドベルトAの長さや心線1の巻きピッチにより異なる
が、心線1のスパイラル角度θと、経糸6のベルト幅方
向となす角度αをほぼ等しくすることが望ましい(図2
参照)。
【0025】以下、さらに具体的な実験例により本発明
の効果を確認する。
の効果を確認する。
【0026】経糸6に6,6ナイロン、緯糸7に綿の8
40de/2を用い、これをスダレ織りで製織し経糸6
の密度を52本/5cmとした。かかる背面布5をRFL
液でディップ処理した。この背面布5を用いてVリブド
ベルト(外周長920mm)Aを作製した。なお、接着ゴ
ム部2及びリブ部3にクロロプレンゴム組成物を、心線
1としてポリエステル繊維のロープからなるものを用い
た。
40de/2を用い、これをスダレ織りで製織し経糸6
の密度を52本/5cmとした。かかる背面布5をRFL
液でディップ処理した。この背面布5を用いてVリブド
ベルト(外周長920mm)Aを作製した。なお、接着ゴ
ム部2及びリブ部3にクロロプレンゴム組成物を、心線
1としてポリエステル繊維のロープからなるものを用い
た。
【0027】次に本発明の効果を明確にするため、背面
布5としてスダレ織物を用いた本発明のVリブドベルト
A(本発明例)と、従来の帆布を用いたVリブドベルト
A(比較例1)及び背面に短繊維を混入しないVリブド
ベルトA(比較例2)との性能比較を以下に説明する。
布5としてスダレ織物を用いた本発明のVリブドベルト
A(本発明例)と、従来の帆布を用いたVリブドベルト
A(比較例1)及び背面に短繊維を混入しないVリブド
ベルトA(比較例2)との性能比較を以下に説明する。
【0028】まず、縦裂きは2つのリブ部を境として引
張試験機で50mm/min で引っ張り、リブ部間の縦裂き
を調べた。その結果を表1に示す。表1のデータから明
らかなように、スダレ仕様の本発明例では、従来帆布仕
様の比較例1とほぼ同じ縦裂き抵抗があることが確認で
きたが、背面繊維なしの比較例2では縦裂き抵抗が非常
に低かった。
張試験機で50mm/min で引っ張り、リブ部間の縦裂き
を調べた。その結果を表1に示す。表1のデータから明
らかなように、スダレ仕様の本発明例では、従来帆布仕
様の比較例1とほぼ同じ縦裂き抵抗があることが確認で
きたが、背面繊維なしの比較例2では縦裂き抵抗が非常
に低かった。
【0029】次に、縦裂きと同仕様でリブ数が3リブの
ベルト長さ1100(3PK1100)のVリブドベル
トAについて背面伝達能力試験を行った。なお、このと
きの試験条件は下記の通りである。
ベルト長さ1100(3PK1100)のVリブドベル
トAについて背面伝達能力試験を行った。なお、このと
きの試験条件は下記の通りである。
【0030】すなわち、図3に示すように、直径120
mmの駆動プーリ11、同径のアイドラプーリ12及び直
径45mmのテンションプーリ13にVリブドベルトAを
巻き掛け、直径85mmの背面従動プーリ14にて曲げ角
度β=120°に設定して巻き付け、ベルト張力15Kg
f/3リブで駆動プーリ11の回転数4900rpm 、アイ
ドラプーリ12及びテンションプーリ13は無負荷、従
動プーリ14の負荷を変量しながら室温で試験を行い、
VリブドベルトAのスリップ率2%時の従動プーリ14
の負荷を測定した。
mmの駆動プーリ11、同径のアイドラプーリ12及び直
径45mmのテンションプーリ13にVリブドベルトAを
巻き掛け、直径85mmの背面従動プーリ14にて曲げ角
度β=120°に設定して巻き付け、ベルト張力15Kg
f/3リブで駆動プーリ11の回転数4900rpm 、アイ
ドラプーリ12及びテンションプーリ13は無負荷、従
動プーリ14の負荷を変量しながら室温で試験を行い、
VリブドベルトAのスリップ率2%時の従動プーリ14
の負荷を測定した。
【0031】その結果は、下記の表1に示すように、ス
ダレ仕様の本発明例では背面短繊維なしの比較例2とほ
ぼ同じ背面伝達力があることが確認できたが、従来帆布
仕様の比較例1では背面伝達力が低かった。このこと
は、比較例1では帆布の織目がベルト背面に凹凸として
現れ、プーリとVリブドベルトとの接触面積が狭くなっ
てスリップし易くなることによるものであるが、本発明
例ではリブ布がスダレ織物であることから、ベルト背面
に凹凸が現れず、プーリとVリブドベルトとの接触面積
が広くなって滑り難くなっていることによるものであ
る。
ダレ仕様の本発明例では背面短繊維なしの比較例2とほ
ぼ同じ背面伝達力があることが確認できたが、従来帆布
仕様の比較例1では背面伝達力が低かった。このこと
は、比較例1では帆布の織目がベルト背面に凹凸として
現れ、プーリとVリブドベルトとの接触面積が狭くなっ
てスリップし易くなることによるものであるが、本発明
例ではリブ布がスダレ織物であることから、ベルト背面
に凹凸が現れず、プーリとVリブドベルトとの接触面積
が広くなって滑り難くなっていることによるものであ
る。
【0032】
【表1】
【0033】さらに、図4に示すように、耐熱走行試験
では、VリブドベルトAを直径120mmの駆動プーリ1
5、同径の従動プーリ16及び直径70mmのテンション
プーリ17に掛け渡してVリブドベルトAの初期張力8
5Kgf とし、駆動プーリ15を回転数3600rpm で回
転させ従動プーリ16に負荷10PSを与え、雰囲気1
20℃で走行させてVリブドベルトAのリブ部3にクラ
ックが発生するまでの時間を指数で示した。
では、VリブドベルトAを直径120mmの駆動プーリ1
5、同径の従動プーリ16及び直径70mmのテンション
プーリ17に掛け渡してVリブドベルトAの初期張力8
5Kgf とし、駆動プーリ15を回転数3600rpm で回
転させ従動プーリ16に負荷10PSを与え、雰囲気1
20℃で走行させてVリブドベルトAのリブ部3にクラ
ックが発生するまでの時間を指数で示した。
【0034】その結果、表1に示すように、本発明例は
比較例1,2とほぼ同じ耐熱クラック寿命を得ることが
できた。
比較例1,2とほぼ同じ耐熱クラック寿命を得ることが
できた。
【0035】また、図5に示すように、Vリブドベルト
Aの耐横転性は、VリブドベルトAを直径120mmの駆
動プーリ18及び同径の従動プーリ19に掛け渡し、V
リブドベルトAの初期張力85Kgf として、ベルト周速
70m/sec の条件を作りベルトの横ブレ等を目視観察し
たものである。比較例1,2では横ブレが見られるのに
対し、本発明例では、背面布5の経糸6のベルト幅方向
に対する傾きαが心線1のスパイラル角度θとほぼ等し
くバランスしているため横ブレせず、非常にスムーズな
走行であった。
Aの耐横転性は、VリブドベルトAを直径120mmの駆
動プーリ18及び同径の従動プーリ19に掛け渡し、V
リブドベルトAの初期張力85Kgf として、ベルト周速
70m/sec の条件を作りベルトの横ブレ等を目視観察し
たものである。比較例1,2では横ブレが見られるのに
対し、本発明例では、背面布5の経糸6のベルト幅方向
に対する傾きαが心線1のスパイラル角度θとほぼ等し
くバランスしているため横ブレせず、非常にスムーズな
走行であった。
【0036】なお、表1にデータとして挙げなかった
が、本発明例では、背面布5の経糸6及び緯糸7の密
度、さらには経糸6の配向等の特定により、Vリブドベ
ルトAの優れた耐屈曲疲労性を得ることができ、小プー
リで使用することができる。
が、本発明例では、背面布5の経糸6及び緯糸7の密
度、さらには経糸6の配向等の特定により、Vリブドベ
ルトAの優れた耐屈曲疲労性を得ることができ、小プー
リで使用することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る本
発明によれば、背面布をスダレ織物で構成し、その経糸
として下撚りがなく上撚りが3〜10回/10cmに設定
された糸を用いたので、ゴムの繊維への含浸性の容易化
により耐亀裂性を向上させることができる。また、従来
の如き帆布の織目がベルト背面による凹凸として現れる
ことがなく、プーリとVリブドベルトとの広い接触面積
によってスリップを防止でき、背面駆動時の伝達能を向
上させることができる。
発明によれば、背面布をスダレ織物で構成し、その経糸
として下撚りがなく上撚りが3〜10回/10cmに設定
された糸を用いたので、ゴムの繊維への含浸性の容易化
により耐亀裂性を向上させることができる。また、従来
の如き帆布の織目がベルト背面による凹凸として現れる
ことがなく、プーリとVリブドベルトとの広い接触面積
によってスリップを防止でき、背面駆動時の伝達能を向
上させることができる。
【0038】請求項2に係る本発明によれば、背面布の
経糸の密度を40〜55本/5cmに、緯糸の密度を3本
/5cm以下にそれぞれ設定したので、Vリブドベルトに
優れた耐屈曲疲労性を付与することができる。
経糸の密度を40〜55本/5cmに、緯糸の密度を3本
/5cm以下にそれぞれ設定したので、Vリブドベルトに
優れた耐屈曲疲労性を付与することができる。
【0039】請求項3に係る本発明によれば、背面布の
ベルト幅方向に沿う経糸により、Vリブドベルトの耐屈
曲疲労性をさらに向上させることができる。
ベルト幅方向に沿う経糸により、Vリブドベルトの耐屈
曲疲労性をさらに向上させることができる。
【0040】請求項4に係る本発明によれば、背面布の
経糸のベルト幅方向に対する傾きを0〜10°に設定し
たので、心線のスパイラル角度とのバランスによってV
リブドベルトの横転を防止することができる。
経糸のベルト幅方向に対する傾きを0〜10°に設定し
たので、心線のスパイラル角度とのバランスによってV
リブドベルトの横転を防止することができる。
【図1】本発明の実施例に係るVリブドベルトの一部を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図2】背面布の経糸のVリブドベルトに対する配向状
態を示す平面図である。
態を示す平面図である。
【図3】Vリブドベルトの背面伝達能力の試験要領を説
明する説明図である。
明する説明図である。
【図4】Vリブドベルトの耐熱クラック寿命の試験要領
を説明する説明図である。
を説明する説明図である。
【図5】Vリブドベルトの耐横転性の試験要領を説明す
る説明図である。
る説明図である。
1 心線 2 接着ゴム部 3 リブ部 5 背面布 6 経糸 7 緯糸 A Vリブドベルト α 経糸のベルト幅方向に対する傾き
Claims (4)
- 【請求項1】 複数本の心線が埋設された接着ゴム部の
一方の面に複数個のV形リブ部がベルト長手方向に沿っ
て設けられ、上記接着ゴム部の他方の面に背面布が貼着
されたVリブドベルトであって、 上記背面布は、下撚りがなく上撚りが3〜10回/10
cmに設定された複数本の経糸と、該各経糸をその長手方
向に所定間隔をあけた位置で連結する複数本の緯糸とで
スダレ織りされて構成されていることを特徴とするVリ
ブドベルト。 - 【請求項2】 背面布は、経糸の密度が40〜55本/
5cmに、緯糸の密度が3本/5cm以下にそれぞれ設定さ
れていることを特徴とする請求項1記載のVリブドベル
ト。 - 【請求項3】 背面布は、経糸がベルト幅方向に沿うよ
うに接着ゴム部の他方の面に貼着されていることを特徴
とする請求項1又は2記載のVリブドベルト。 - 【請求項4】 背面布の経糸は、ベルト幅方向に対し0
〜10°の傾きになるように配向されていることを特徴
とする請求項3記載のVリブドベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21857394A JP3451561B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | Vリブドベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21857394A JP3451561B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | Vリブドベルト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0882346A true JPH0882346A (ja) | 1996-03-26 |
JP3451561B2 JP3451561B2 (ja) | 2003-09-29 |
Family
ID=16722070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21857394A Expired - Fee Related JP3451561B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | Vリブドベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3451561B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004029477A1 (ja) * | 2002-09-27 | 2004-04-08 | Bando Chemical Industries, Ltd. | 摩擦伝動ベルト |
US7052425B2 (en) | 2002-09-30 | 2006-05-30 | Bando Chemical Industries, Ltd. | Power transmission belt and belt drive system with the same |
DE102014213237A1 (de) | 2014-07-08 | 2016-01-14 | Contitech Antriebssysteme Gmbh | Keilrippenriemen mit verstärkter Decklage |
WO2016008630A1 (de) | 2014-07-16 | 2016-01-21 | Contitech Antriebssysteme Gmbh | Riementrieb mit keilrippenscheibe und keilrippenriemen |
DE102015214102A1 (de) | 2015-07-27 | 2017-02-02 | Contitech Antriebssysteme Gmbh | Riementrieb und Antriebsriemen für einen Riementrieb |
-
1994
- 1994-09-13 JP JP21857394A patent/JP3451561B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004029477A1 (ja) * | 2002-09-27 | 2004-04-08 | Bando Chemical Industries, Ltd. | 摩擦伝動ベルト |
US7052425B2 (en) | 2002-09-30 | 2006-05-30 | Bando Chemical Industries, Ltd. | Power transmission belt and belt drive system with the same |
DE102014213237A1 (de) | 2014-07-08 | 2016-01-14 | Contitech Antriebssysteme Gmbh | Keilrippenriemen mit verstärkter Decklage |
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DE102015214102A1 (de) | 2015-07-27 | 2017-02-02 | Contitech Antriebssysteme Gmbh | Riementrieb und Antriebsriemen für einen Riementrieb |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3451561B2 (ja) | 2003-09-29 |
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