JPH0878319A - 投影露光装置 - Google Patents
投影露光装置Info
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- JPH0878319A JPH0878319A JP6334554A JP33455494A JPH0878319A JP H0878319 A JPH0878319 A JP H0878319A JP 6334554 A JP6334554 A JP 6334554A JP 33455494 A JP33455494 A JP 33455494A JP H0878319 A JPH0878319 A JP H0878319A
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- quartz
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- Lenses (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 色収差の特に2次スペクトルを低減させると
共に、レンズ設計上の制約が少ない投影光学系を具備し
た投影露光装置を提供すること。 【構成】 光源手段からの光束をマスクに照射すること
により投影光学系を介して前記マスクのパターンを感光
基板上へ露光する投影露光装置の投影光学系は、回折光
学素子と、石英レンズと、螢石レンズとをそれぞれ少な
くとも一つ有しているの。この回折光学素子は正のパワ
ーを有し、石英レンズレンズは負のパワーを有し、螢石
レンズは正のパワーを有するもの。更に、Ar−Fレー
ザを光源とするもの。
共に、レンズ設計上の制約が少ない投影光学系を具備し
た投影露光装置を提供すること。 【構成】 光源手段からの光束をマスクに照射すること
により投影光学系を介して前記マスクのパターンを感光
基板上へ露光する投影露光装置の投影光学系は、回折光
学素子と、石英レンズと、螢石レンズとをそれぞれ少な
くとも一つ有しているの。この回折光学素子は正のパワ
ーを有し、石英レンズレンズは負のパワーを有し、螢石
レンズは正のパワーを有するもの。更に、Ar−Fレー
ザを光源とするもの。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばLSI等の半導
体製造装置に用いる微細な回路パターンを基板上に露光
する投影露光装置に関するものである。
体製造装置に用いる微細な回路パターンを基板上に露光
する投影露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ICあるいはLSI等の半導
体素子や、これに類する液晶素子あるいは薄膜磁気ヘッ
ド等の微細パターンを有する部材等の製造工程において
は、所定のパターンの転写露光を伴ういわゆるリソグラ
フィ工程が応用されている。この工程においては、所定
の回路パターン等を有するマスクから投影光学系を介し
た露光光をシリコンウエハ等の感光基板上に投影するこ
とによって、マスク上のパターンをウエハへ転写する。
体素子や、これに類する液晶素子あるいは薄膜磁気ヘッ
ド等の微細パターンを有する部材等の製造工程において
は、所定のパターンの転写露光を伴ういわゆるリソグラ
フィ工程が応用されている。この工程においては、所定
の回路パターン等を有するマスクから投影光学系を介し
た露光光をシリコンウエハ等の感光基板上に投影するこ
とによって、マスク上のパターンをウエハへ転写する。
【0003】このような微細パターンの転写露光に用い
られる投影露光装置には、高度な解像力(分解能)が要
求されるが、このような光学系の分解能には使用する光
源光束の波長が関連するため、光源光束の短波長化が進
んでいる。現段階では、いわゆるエキシマレーザである
Kr−Fレーザ(248nm)やAr−Fレーザ(19
3nm)等の紫外(又は深紫外)の波長域の光束が実際
に使用されている。
られる投影露光装置には、高度な解像力(分解能)が要
求されるが、このような光学系の分解能には使用する光
源光束の波長が関連するため、光源光束の短波長化が進
んでいる。現段階では、いわゆるエキシマレーザである
Kr−Fレーザ(248nm)やAr−Fレーザ(19
3nm)等の紫外(又は深紫外)の波長域の光束が実際
に使用されている。
【0004】しかし、いわゆる半導体集積回路では、従
来のICやLSIから近年のVLSIやULSI等への
移行にみられるように、更なる高集積化が進んでおり、
それに伴って要求される解像力も更に高度になってきて
いる。このため、従来より更に短波長の光束を用いる等
の手段により、これらの高集積化の要請に対処する必要
性が生じており、F2 レーザ(157nm)やX線等の
利用化が研究されている。
来のICやLSIから近年のVLSIやULSI等への
移行にみられるように、更なる高集積化が進んでおり、
それに伴って要求される解像力も更に高度になってきて
いる。このため、従来より更に短波長の光束を用いる等
の手段により、これらの高集積化の要請に対処する必要
性が生じており、F2 レーザ(157nm)やX線等の
利用化が研究されている。
【0005】以上のように、高集積化の要請に対処する
一つの方法として、光源光束の短波長化が挙げられる
が、同時に光学系自体の精度の向上のためには、適正な
収差補正を行なうことも重要な点である。特に、色収差
については、光源光束のスペクトル幅の有限性と投影光
学系に起因するものとがある。理想的に光源光束のスペ
クトル幅がゼロ(単一波長の光束)であれば、色収差は
発生しないが、これは不可能である。しかし、それに近
づくために様々の方法によってスペクトル幅の狭帯化技
術の向上が図られている。
一つの方法として、光源光束の短波長化が挙げられる
が、同時に光学系自体の精度の向上のためには、適正な
収差補正を行なうことも重要な点である。特に、色収差
については、光源光束のスペクトル幅の有限性と投影光
学系に起因するものとがある。理想的に光源光束のスペ
クトル幅がゼロ(単一波長の光束)であれば、色収差は
発生しないが、これは不可能である。しかし、それに近
づくために様々の方法によってスペクトル幅の狭帯化技
術の向上が図られている。
【0006】例えば、Kr−Fレーザ(248nm)の
スペクトル幅は、通常0.3nm程度(FWHM:半値
全幅)であるが、レーザの共振器内にプリズム、回折格
子、エタロンなどの波長選択素子を配置することによ
り、1.0〜1.5pm(FWHM)程度のスペクトル
幅を持つ狭帯化エキシマレーザが開発されている(Op
tical and Quantum Electro
nics Vol.25(1993)p.297〜31
0)。これにより、色収差の影響を極力排している。
スペクトル幅は、通常0.3nm程度(FWHM:半値
全幅)であるが、レーザの共振器内にプリズム、回折格
子、エタロンなどの波長選択素子を配置することによ
り、1.0〜1.5pm(FWHM)程度のスペクトル
幅を持つ狭帯化エキシマレーザが開発されている(Op
tical and Quantum Electro
nics Vol.25(1993)p.297〜31
0)。これにより、色収差の影響を極力排している。
【0007】一方、短波長光源に対する投影光学系を従
来の屈折レンズで構成すると、屈折率や透過率などの問
題から充分な結像特性が得られないという問題がある。
つまり、従来の透過屈折型の光学素子や補正手段のみで
は、短波長化による更なる高集積化の要請には充分に応
じられないのが実状である。
来の屈折レンズで構成すると、屈折率や透過率などの問
題から充分な結像特性が得られないという問題がある。
つまり、従来の透過屈折型の光学素子や補正手段のみで
は、短波長化による更なる高集積化の要請には充分に応
じられないのが実状である。
【0008】また、反射部材を用いた投影光学系も実用
化されているが、球面鏡等の反射特性の問題から、微細
パターン転写に有効な縮小型の投影光学系の構築が極め
て難しく、実用的な光学系が構築できない問題があっ
た。
化されているが、球面鏡等の反射特性の問題から、微細
パターン転写に有効な縮小型の投影光学系の構築が極め
て難しく、実用的な光学系が構築できない問題があっ
た。
【0009】通常のKr−Fレーザ(248nm)を光
源として用いる場合、前述した様にスペクトル幅が0.
3nm程度であるため、このスペクトル幅に対しては投
影光学系による色収差を補正する必要があり、投影光学
系は少なくとも分散の異なる2種以上光学材料が必要で
ある。
源として用いる場合、前述した様にスペクトル幅が0.
3nm程度であるため、このスペクトル幅に対しては投
影光学系による色収差を補正する必要があり、投影光学
系は少なくとも分散の異なる2種以上光学材料が必要で
ある。
【0010】ところで、Kr−Fレーザなどのエキシマ
レーザー光は波長が非常に短い(深紫外域)ので、レン
ズの硝材として通常のガラスを用いると透過率が不足し
てしまうため、この種の光学材料を投影光学系に用いる
場合には充分な露光強度が得られないばかりか、透過し
ない光量が光学材料に吸収され、熱変動を引き起こすと
いう問題があるので、投影光学系の硝材として使用する
ことはできない。
レーザー光は波長が非常に短い(深紫外域)ので、レン
ズの硝材として通常のガラスを用いると透過率が不足し
てしまうため、この種の光学材料を投影光学系に用いる
場合には充分な露光強度が得られないばかりか、透過し
ない光量が光学材料に吸収され、熱変動を引き起こすと
いう問題があるので、投影光学系の硝材として使用する
ことはできない。
【0011】従って、光源としてこの様な深紫外域のエ
キシマレーザー光等を使用する場合には、透過率の観点
から、レンズ等の硝材として使用できる材料は、石英
(SiO2 )と蛍石(CaF2 )にほとんど限定されて
しまう。そのため、石英と蛍石の2種類の光学材料によ
る色収差補正光学系(投影光学系)が検討された。この
辺の経緯については、例えば、安西暁「色消しレンズに
あえて挑戦 現状のレーザーでも光学系が組める(日経
マイクロデバイス、1987年2月号、103〜112
頁)」に詳しい。
キシマレーザー光等を使用する場合には、透過率の観点
から、レンズ等の硝材として使用できる材料は、石英
(SiO2 )と蛍石(CaF2 )にほとんど限定されて
しまう。そのため、石英と蛍石の2種類の光学材料によ
る色収差補正光学系(投影光学系)が検討された。この
辺の経緯については、例えば、安西暁「色消しレンズに
あえて挑戦 現状のレーザーでも光学系が組める(日経
マイクロデバイス、1987年2月号、103〜112
頁)」に詳しい。
【0012】一方、前述のような1.0〜1.5pm
(FWHM)程度のスペクトル幅を持つ狭帯化エキシマ
レーザ(Kr−F)を光源とする場合の投影光学系は、
石英のみを使用した単色レンズで構成され、これが現行
のエキシマ投影光学系の代表的な構成となっている。こ
のような単色レンズでは色収差を補正することはでき
ず、上記程度のかなり狭いスペクトル幅であっても、投
影光学系の焦点距離の0.11〜0.165%程度が、
色収差に起因して光軸方向の像のボケが生じる。(詳細
は後述する。)
(FWHM)程度のスペクトル幅を持つ狭帯化エキシマ
レーザ(Kr−F)を光源とする場合の投影光学系は、
石英のみを使用した単色レンズで構成され、これが現行
のエキシマ投影光学系の代表的な構成となっている。こ
のような単色レンズでは色収差を補正することはでき
ず、上記程度のかなり狭いスペクトル幅であっても、投
影光学系の焦点距離の0.11〜0.165%程度が、
色収差に起因して光軸方向の像のボケが生じる。(詳細
は後述する。)
【0013】ところで、近年、光学素子としていわゆる
回折光学素子が注目されている。回折光学素子は、回折
作用を利用して光路の偏向を行なわせる光学素子であ
る。この回折光学素子によれば、短波長の光束の光路を
任意に偏向させることも可能である。更に、いわゆる屈
折レンズとは異なる波長−偏向特性を示すことから、屈
折レンズとの組合せによる新たな収差補正手段等が注目
されている。
回折光学素子が注目されている。回折光学素子は、回折
作用を利用して光路の偏向を行なわせる光学素子であ
る。この回折光学素子によれば、短波長の光束の光路を
任意に偏向させることも可能である。更に、いわゆる屈
折レンズとは異なる波長−偏向特性を示すことから、屈
折レンズとの組合せによる新たな収差補正手段等が注目
されている。
【0014】回折光学素子としては、例えばフレネルゾ
ーンプレート等が良く知られているが、一般的なフレネ
ルゾーンプレートは光透過性の基板上に同心円状の遮光
部材を設けた構造のものであり、透過領域からの光束の
回折作用を利用して所定位置に光束を集光させるものが
一般的である。
ーンプレート等が良く知られているが、一般的なフレネ
ルゾーンプレートは光透過性の基板上に同心円状の遮光
部材を設けた構造のものであり、透過領域からの光束の
回折作用を利用して所定位置に光束を集光させるものが
一般的である。
【0015】ゾーンプレートを含む回折光学素子の構造
は、上記のような透過部と遮光部によるもののみでは無
く、透過特性(屈折率、透過距離等)が異なる領域を段
階的に設けたものや、基板内部に屈折率分布による透過
特性の異なる部分を設けたもの等が知られている。前者
の代表的なものは、いわゆるバイナリーオプティカルエ
レメント(BOE)であり後者の代表的なものは、いわ
ゆるホログラムオプティカルエレメント(HOE)であ
る。
は、上記のような透過部と遮光部によるもののみでは無
く、透過特性(屈折率、透過距離等)が異なる領域を段
階的に設けたものや、基板内部に屈折率分布による透過
特性の異なる部分を設けたもの等が知られている。前者
の代表的なものは、いわゆるバイナリーオプティカルエ
レメント(BOE)であり後者の代表的なものは、いわ
ゆるホログラムオプティカルエレメント(HOE)であ
る。
【0016】BOEは、リソグラフィの工程を利用して
光透過性部材に階段状の表面形状を形成し(反射部材の
表面に形成しても良い)、透過距離を部分的に異ならし
めることにより回折作用を生じさせるものである。BO
Eは、その製造方法から微細な任意のパターンを高精度
でかつ自由に構築できる利点があり、その応用分野が特
に注目されている。(写真工業、1994年、3月号9
4頁)
光透過性部材に階段状の表面形状を形成し(反射部材の
表面に形成しても良い)、透過距離を部分的に異ならし
めることにより回折作用を生じさせるものである。BO
Eは、その製造方法から微細な任意のパターンを高精度
でかつ自由に構築できる利点があり、その応用分野が特
に注目されている。(写真工業、1994年、3月号9
4頁)
【0017】これらのBOE等の高度な回折光学素子に
よれば、生じさせる回折光も従来よく知られた一点への
集束作用を有するもののみならず、任意の光波面を所望
の光波面に変換すること、光発散機能を有すること、光
集束機能と光束分離機能等を複合させること等の自由な
回折作用を生じさせることが可能である。
よれば、生じさせる回折光も従来よく知られた一点への
集束作用を有するもののみならず、任意の光波面を所望
の光波面に変換すること、光発散機能を有すること、光
集束機能と光束分離機能等を複合させること等の自由な
回折作用を生じさせることが可能である。
【0018】さらに、BOEは薄くて軽量であり、量産
が容易であること、製造が容易で高い回折作用が得られ
ること、光利用率が高いこと、深紫外領域の光束でも光
路の偏向が可能であること等から、投影光学系の光学部
材としての応用が研究されている。
が容易であること、製造が容易で高い回折作用が得られ
ること、光利用率が高いこと、深紫外領域の光束でも光
路の偏向が可能であること等から、投影光学系の光学部
材としての応用が研究されている。
【0019】ここで、特開平4−214516号には、
投影光学系(投影レンズ系)の収差補正用部材としてフ
レネルレンズを応用したものが開示されている。この従
来例では、従来から良く知られた構造のフレネルレンズ
(同心円状の溝により構成された球面又は非球面のレン
ズ面を持つもの)を使用しており、投影光学系を構成す
るレンズの硝材としては石英のみが選択されている。ま
た、使用する光源光束は、現在一般的に使用されている
Kr−Fレーザ(248nm)やAr−Fレーザ(19
3nm)を対象としている。
投影光学系(投影レンズ系)の収差補正用部材としてフ
レネルレンズを応用したものが開示されている。この従
来例では、従来から良く知られた構造のフレネルレンズ
(同心円状の溝により構成された球面又は非球面のレン
ズ面を持つもの)を使用しており、投影光学系を構成す
るレンズの硝材としては石英のみが選択されている。ま
た、使用する光源光束は、現在一般的に使用されている
Kr−Fレーザ(248nm)やAr−Fレーザ(19
3nm)を対象としている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来例のよう
に、エキシマレーザ光を光源として使用する場合の投影
露光装置の投影光学系において検討された色収差補正光
学系(投影光学系)は、石英と蛍石、あるいは石英とフ
レネルレンズの2種光学材料による構成、または石英の
みの単レンズによって構成されてきた。
に、エキシマレーザ光を光源として使用する場合の投影
露光装置の投影光学系において検討された色収差補正光
学系(投影光学系)は、石英と蛍石、あるいは石英とフ
レネルレンズの2種光学材料による構成、または石英の
みの単レンズによって構成されてきた。
【0021】しかしながら、石英と蛍石による色収差補
正光学系の場合、周知のように、石英と螢石の分散(又
はアッベ数)が大きくは違わないので、色収差を補正す
るためには、螢石レンズに大きな正のパワーを持たせ、
石英レンズに大きな負のパワーを持たせる必要があっ
た。
正光学系の場合、周知のように、石英と螢石の分散(又
はアッベ数)が大きくは違わないので、色収差を補正す
るためには、螢石レンズに大きな正のパワーを持たせ、
石英レンズに大きな負のパワーを持たせる必要があっ
た。
【0022】図2は、石英レンズと螢石レンズの組合せ
による色収差補正光学系の概念的な構成図である。図2
においては、フォトマスク201のパターンを感光基板
202上に投影するための光学系として、大きな正パワ
ーを有している螢石レンズ232と、大きな負パワーを
有している石英レンズ222とを組み合わせて、色収差
補正を達成している。
による色収差補正光学系の概念的な構成図である。図2
においては、フォトマスク201のパターンを感光基板
202上に投影するための光学系として、大きな正パワ
ーを有している螢石レンズ232と、大きな負パワーを
有している石英レンズ222とを組み合わせて、色収差
補正を達成している。
【0023】この構成の投影光学系により、Ar−Fレ
ーザ(193nm)を用い、256MbitDRAMに
要求される0.2μm程度の解像度を数mm角程度のフ
ィールドに再現することは可能である。しかし、露光フ
ィールドとして実用的な20mm角程度を確保しようと
すると解像度が達成できなくなってしまう。
ーザ(193nm)を用い、256MbitDRAMに
要求される0.2μm程度の解像度を数mm角程度のフ
ィールドに再現することは可能である。しかし、露光フ
ィールドとして実用的な20mm角程度を確保しようと
すると解像度が達成できなくなってしまう。
【0024】このことは、屈折レンズの大きなパワーに
より、レンズ表面の小さな曲率半径を必要とすることか
ら、レンズの口径におのずと限界が生じてしまうことに
起因している。これは、この構成での投影光学系のNA
(開口数)やフィールド(投影領域)に限界があること
を示すものである。
より、レンズ表面の小さな曲率半径を必要とすることか
ら、レンズの口径におのずと限界が生じてしまうことに
起因している。これは、この構成での投影光学系のNA
(開口数)やフィールド(投影領域)に限界があること
を示すものである。
【0025】これらのことは、更なる解像度の向上のた
めの大NA化や、液晶等の大型素子の転写露光に必要な
大フィールド化といった仕様向上の要求に対し、光学設
計上での大きな障害となっていた。更に、小さな曲率半
径のレンズ表面を形成する場合には、レンズエレメント
の偏心公差が厳しくなるので、レンズ組立が極めて難し
く、これらが石英レンズと螢石レンズにて投影光学系を
構成する上での難点にもなっていた。
めの大NA化や、液晶等の大型素子の転写露光に必要な
大フィールド化といった仕様向上の要求に対し、光学設
計上での大きな障害となっていた。更に、小さな曲率半
径のレンズ表面を形成する場合には、レンズエレメント
の偏心公差が厳しくなるので、レンズ組立が極めて難し
く、これらが石英レンズと螢石レンズにて投影光学系を
構成する上での難点にもなっていた。
【0026】次に、前述した従来例の1.0〜1.5p
m(FWHM)程度のスペクトル幅を持つ狭帯化エキシ
マレーザ(Kr−F)を光源とする場合の投影光学系と
しては、一般に石英レンズのみを使用した単色レンズで
構成される。しかしながら、このような単レンズでは色
収差を補正することはできないため、レーザのスペクト
ル幅の狭帯化を前提として、初めて使用することができ
る。
m(FWHM)程度のスペクトル幅を持つ狭帯化エキシ
マレーザ(Kr−F)を光源とする場合の投影光学系と
しては、一般に石英レンズのみを使用した単色レンズで
構成される。しかしながら、このような単レンズでは色
収差を補正することはできないため、レーザのスペクト
ル幅の狭帯化を前提として、初めて使用することができ
る。
【0027】しかし、短波長化エキシマレーザとしてA
r−Fエキシマレ−ザを光源とし、投影光学系を石英の
みの単レンズで構成する場合、スペクトル幅に起因する
色収差の発生は、Kr−Fエキシマレーザの場合のおよ
そ2.6倍になる。従って、Kr−Fエキシマレーザの
場合と同程度の色収差で使用するならば、Ar−Fエキ
シマレ−ザのスペクトル幅をKr−Fエキシマレーザの
場合のおよそ2.6分の1にしなくてはならない。この
ような狭帯化は、レーザ共振器を構成する光学部材の耐
久性等を考慮すると、極めて困難である。
r−Fエキシマレ−ザを光源とし、投影光学系を石英の
みの単レンズで構成する場合、スペクトル幅に起因する
色収差の発生は、Kr−Fエキシマレーザの場合のおよ
そ2.6倍になる。従って、Kr−Fエキシマレーザの
場合と同程度の色収差で使用するならば、Ar−Fエキ
シマレ−ザのスペクトル幅をKr−Fエキシマレーザの
場合のおよそ2.6分の1にしなくてはならない。この
ような狭帯化は、レーザ共振器を構成する光学部材の耐
久性等を考慮すると、極めて困難である。
【0028】このような状況下で提案されたのが、例え
ば、特開平4−214516に開示されているようなフ
レネルレンズを含む投影光学系である。フレネルレンズ
は、屈折レンズと逆分散を有しているために、例えばこ
のフレネルレンズに正のパワーを持たせることで、光学
ガラスによる通常の屈折レンズに弱い正のパワーを持た
せたままで色収差の補正が可能である。
ば、特開平4−214516に開示されているようなフ
レネルレンズを含む投影光学系である。フレネルレンズ
は、屈折レンズと逆分散を有しているために、例えばこ
のフレネルレンズに正のパワーを持たせることで、光学
ガラスによる通常の屈折レンズに弱い正のパワーを持た
せたままで色収差の補正が可能である。
【0029】この投影光学系の概念構成図を図3に示
す。図3において、フォトマスク301のパターンを感
光基板302の上に投影するための光学系は、石英レン
ズ323と回折光学素子313にて構成されている。こ
のような構成とすると、回折光学素子313と石英レン
ズ323とが共に正のパワーを持つが、互いに逆分散を
示すので相互で色収差が補正される方向となる。
す。図3において、フォトマスク301のパターンを感
光基板302の上に投影するための光学系は、石英レン
ズ323と回折光学素子313にて構成されている。こ
のような構成とすると、回折光学素子313と石英レン
ズ323とが共に正のパワーを持つが、互いに逆分散を
示すので相互で色収差が補正される方向となる。
【0030】このため、図2に示した従来技術の構成と
比較して、石英レンズ323の持つパワーの絶対値を小
さくすることができる。このことは、曲率半径を大きく
できることを意味し、光学設計上は大NA化、大フィー
ルド化等の仕様向上の余裕が生まれることとなる。ま
た、製造上も偏心公差がゆるくなり、製造容易性を高め
ることとなる。
比較して、石英レンズ323の持つパワーの絶対値を小
さくすることができる。このことは、曲率半径を大きく
できることを意味し、光学設計上は大NA化、大フィー
ルド化等の仕様向上の余裕が生まれることとなる。ま
た、製造上も偏心公差がゆるくなり、製造容易性を高め
ることとなる。
【0031】しかしながら、このような光学系の構成で
は色収差の2次スペクトルが大きいという難点がある。
ここで、2次スペクトルとは、通常の色収差が補正され
ている(∂f/∂λ=0が成り立つ)という前提のもと
で、今注目している波長(光源波長)の近傍の波長にお
いて残留している色収差量のことである。即ち、光学系
の焦点距離fの2次スペクトルに基づく光軸方向のボケ
δfは、焦点距離fの波長λに関する2回微分を用いて
次の式(1)で表すことができる。なお、δλは、光源
のスペクトル幅(FWHM)を表している。
は色収差の2次スペクトルが大きいという難点がある。
ここで、2次スペクトルとは、通常の色収差が補正され
ている(∂f/∂λ=0が成り立つ)という前提のもと
で、今注目している波長(光源波長)の近傍の波長にお
いて残留している色収差量のことである。即ち、光学系
の焦点距離fの2次スペクトルに基づく光軸方向のボケ
δfは、焦点距離fの波長λに関する2回微分を用いて
次の式(1)で表すことができる。なお、δλは、光源
のスペクトル幅(FWHM)を表している。
【0032】 δf≒1/2・(∂2 f/∂λ2 )・(δλ/2)2 …(1)式
【0033】ここで、図4を用いてスペクトル幅と色収
差の関係を説明する。図4は、横軸に光源光束の波長λ
をとり、2次スペクトルに基づく色収差δf/fの大き
さ(絶対値)を縦軸に取ったものである。通常、光源
(中心)波長λ0 で光学設計がなされていることから、
波長λ0 での色収差はゼロであるが、図中に実線あるい
は点線で示す様に、波長λ0 の近傍の波長(δλの範囲
内)においては、まだ色収差が残留していることがわか
る。
差の関係を説明する。図4は、横軸に光源光束の波長λ
をとり、2次スペクトルに基づく色収差δf/fの大き
さ(絶対値)を縦軸に取ったものである。通常、光源
(中心)波長λ0 で光学設計がなされていることから、
波長λ0 での色収差はゼロであるが、図中に実線あるい
は点線で示す様に、波長λ0 の近傍の波長(δλの範囲
内)においては、まだ色収差が残留していることがわか
る。
【0034】実線と破線では、波長λ0 の近傍における
2次スペクトルが異なっている場合を示している。光源
としてエキシマレーザーを用いても、ある程度のスペク
トル幅δλを有しているために、この2次スペクトルの
大小が結像性能の優劣を決める要因となってしまうので
ある。
2次スペクトルが異なっている場合を示している。光源
としてエキシマレーザーを用いても、ある程度のスペク
トル幅δλを有しているために、この2次スペクトルの
大小が結像性能の優劣を決める要因となってしまうので
ある。
【0035】そこで本発明は、回折光学素子を用いる投
影光学系のメリットを維持しつつ色収差の2次スペクト
ルが小さくなる構成の投影光学系を具備した投影露光装
置を提案することを目的とする。
影光学系のメリットを維持しつつ色収差の2次スペクト
ルが小さくなる構成の投影光学系を具備した投影露光装
置を提案することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため本願
請求項1に記載した発明では、光源手段からの光束をマ
スクに照射することにより投影光学系を介して前記マス
クのパターンを感光基板上へ露光する投影露光装置にお
いて、前記投影光学系が、回折光学素子と、石英レンズ
と、螢石レンズとをそれぞれ少なくとも一つ有している
投影露光装置を提供する。
請求項1に記載した発明では、光源手段からの光束をマ
スクに照射することにより投影光学系を介して前記マス
クのパターンを感光基板上へ露光する投影露光装置にお
いて、前記投影光学系が、回折光学素子と、石英レンズ
と、螢石レンズとをそれぞれ少なくとも一つ有している
投影露光装置を提供する。
【0037】請求項2に記載した発明は、請求項1に記
載した投影露光装置であって、前記回折光学素子の少な
くとも一つは正のパワーを有するものであり、前記石英
レンズの少なくとも一つは負のパワーを有するものであ
り、前記螢石レンズの少なくとも一つは正のパワーを有
するものであることを特徴とするものである。
載した投影露光装置であって、前記回折光学素子の少な
くとも一つは正のパワーを有するものであり、前記石英
レンズの少なくとも一つは負のパワーを有するものであ
り、前記螢石レンズの少なくとも一つは正のパワーを有
するものであることを特徴とするものである。
【0038】請求項3に記載した発明は、請求項1又は
2記載に記載した投影露光装置であって、光源手段とし
て、Ar−Fレーザ(中心波長193nm)を用いたこ
とを特徴とするものである。
2記載に記載した投影露光装置であって、光源手段とし
て、Ar−Fレーザ(中心波長193nm)を用いたこ
とを特徴とするものである。
【0039】
【作用】請求項1に記載した発明は、光源手段からの光
束をマスクに照射することにより投影光学系を介してマ
スクのパターンを感光基板上へ露光する投影露光装置に
搭載される投影光学系が、回折光学素子と、石英レンズ
と、螢石レンズとをそれぞれ少なくとも一つ有している
ことを特徴としているが、回折光学素子は回折作用で光
路を偏向するものであり、屈折レンズとは逆分散を持つ
ものである。
束をマスクに照射することにより投影光学系を介してマ
スクのパターンを感光基板上へ露光する投影露光装置に
搭載される投影光学系が、回折光学素子と、石英レンズ
と、螢石レンズとをそれぞれ少なくとも一つ有している
ことを特徴としているが、回折光学素子は回折作用で光
路を偏向するものであり、屈折レンズとは逆分散を持つ
ものである。
【0040】このため、本発明ではこの回折光学素子を
屈折レンズである石英レンズや蛍石レンズと組み合わせ
て用いることで、互いに異なる分散をもつ光学素子を利
用して色収差の補正を行なうものであり、特に、これら
を組み合わせて、色収差の2次スペクトルの小さい結像
特性を有する投影露光装置を実現している。
屈折レンズである石英レンズや蛍石レンズと組み合わせ
て用いることで、互いに異なる分散をもつ光学素子を利
用して色収差の補正を行なうものであり、特に、これら
を組み合わせて、色収差の2次スペクトルの小さい結像
特性を有する投影露光装置を実現している。
【0041】まず、回折光学素子の屈折レンズに対する
逆分散の特性について説明する。この種の回折光学素子
を含む通常の屈折系及び反射系を考える際に、回折光学
素子は、厚さが無限小、且つ屈折率が無限大の屈折レン
ズに置き換えて(これと同様に)考えることが可能であ
る。詳細は、W.C.Sweattの論文(J.Op
t.Soc.Am.vol.69,No.3,p.48
6(1979))に論じられている。
逆分散の特性について説明する。この種の回折光学素子
を含む通常の屈折系及び反射系を考える際に、回折光学
素子は、厚さが無限小、且つ屈折率が無限大の屈折レン
ズに置き換えて(これと同様に)考えることが可能であ
る。詳細は、W.C.Sweattの論文(J.Op
t.Soc.Am.vol.69,No.3,p.48
6(1979))に論じられている。
【0042】この論文によれば回折光学素子をレンズと
みなす時、このレンズに入射する光線の入射角θ1 、射
出角θ2 、光軸方向の座標をt、レンズの表面に沿った
方向の座標をsとすると、レンズの屈折率n→∞、厚さ
t→0の極限において、光線の振る舞いを表す光線追跡
式は、次の式(2)の様になる。
みなす時、このレンズに入射する光線の入射角θ1 、射
出角θ2 、光軸方向の座標をt、レンズの表面に沿った
方向の座標をsとすると、レンズの屈折率n→∞、厚さ
t→0の極限において、光線の振る舞いを表す光線追跡
式は、次の式(2)の様になる。
【0043】 (n−1)・(dt/ds)=sinθ1 −sinθ2 …(2)式
【0044】一方、光の回折より与えられる式は、mを
回折次数、λを波長、pを格子のピッチとする時、次の
式(3)の様になる。
回折次数、λを波長、pを格子のピッチとする時、次の
式(3)の様になる。
【0045】 m・λ/p=sinθ1 −sinθ2 …(3)式
【0046】式(2)と(3)より、次の式(4)を得
る。
る。
【0047】 m・λ/p=(n−1)・(dt/ds) …(4)式
【0048】ここで、式(4)のλに関する対数微分
(両辺の対数を取ってλについて微分する)を取れば、
次の微分方程式(5)が得られ、その解は次の式(6)
に示されるものとなる。
(両辺の対数を取ってλについて微分する)を取れば、
次の微分方程式(5)が得られ、その解は次の式(6)
に示されるものとなる。
【0049】 ∂n/∂λ=(n−1)/λ …(5)式
【0050】 n(λ)=1+((n0 −1)/λ0 )・λ …(6)式
【0051】ここで、λ0 は基準波長、n0 は基準波長
における屈折率である。前提として、屈折率n→∞のレ
ンズを想定していたので、実務的にはn0 としては十分
大きな正の数が設定される。
における屈折率である。前提として、屈折率n→∞のレ
ンズを想定していたので、実務的にはn0 としては十分
大きな正の数が設定される。
【0052】式(5)より、屈折率n→∞のレンズであ
る回折光学素子では、屈折率の分散∂n/∂λは正の値
となる。周知の様に、通常の光学ガラスでは、∂n/∂
λは負の値なので、これが回折光学素子が逆分散を有し
ているといわれるゆえんである。
る回折光学素子では、屈折率の分散∂n/∂λは正の値
となる。周知の様に、通常の光学ガラスでは、∂n/∂
λは負の値なので、これが回折光学素子が逆分散を有し
ているといわれるゆえんである。
【0053】次に、回折光学素子のもつ逆分散と、石
英、蛍石の互いに異なる(正)分散を組み合わせた投影
光学系の作用について説明する。考察を容易にするため
に、薄肉密着系にて考える。以下において、石英、螢
石、回折光学素子の屈折率を各々nQ 、nC 、nD 、合
成曲率(total curvature)を各々C
Q 、CC 、CD と表すことにする。
英、蛍石の互いに異なる(正)分散を組み合わせた投影
光学系の作用について説明する。考察を容易にするため
に、薄肉密着系にて考える。以下において、石英、螢
石、回折光学素子の屈折率を各々nQ 、nC 、nD 、合
成曲率(total curvature)を各々C
Q 、CC 、CD と表すことにする。
【0054】投影光学系が各々一つの石英レンズ、螢石
レンズ、回折光学素子で構成されているとするとき、全
系の焦点距離fの逆数1/f、パワーは、次の式(7)
で表すことができる。
レンズ、回折光学素子で構成されているとするとき、全
系の焦点距離fの逆数1/f、パワーは、次の式(7)
で表すことができる。
【0055】 1/f=(nQ −1)・CQ +(nC −1)・CC +(nD −1)・CD …(7)式
【0056】今注目している波長(光源波長)λ0 に関
して、色収差が補正されているためには、式(6)を波
長λに関して微分した式がゼロになる、即ち、次の条件
式(8)が成り立つ必要がある。
して、色収差が補正されているためには、式(6)を波
長λに関して微分した式がゼロになる、即ち、次の条件
式(8)が成り立つ必要がある。
【0057】 −1/f2 ・(∂f/∂λ) =CQ ・(∂nQ /∂λ)+CC ・(∂nC /∂λ)+CD ・(∂nD /∂λ) =0 …(8)式
【0058】波長λ0 において条件式(8)を満足し、
一次の色収差が補正されていても、光源はある程度のス
ペクトル幅(δλ:FWHM)を有しているために、波
長λ0 近傍の波長(λ0 ±δλ/2)においては、色収
差が残留してしまう。この色収差残留量(2次スペクト
ルと呼ぶ)は、やはり結像性能の優劣を決める重要な要
因となるため無視することはできず、充分に評価するこ
とが必要である。
一次の色収差が補正されていても、光源はある程度のス
ペクトル幅(δλ:FWHM)を有しているために、波
長λ0 近傍の波長(λ0 ±δλ/2)においては、色収
差が残留してしまう。この色収差残留量(2次スペクト
ルと呼ぶ)は、やはり結像性能の優劣を決める重要な要
因となるため無視することはできず、充分に評価するこ
とが必要である。
【0059】この2次スペクトルは、式(7)を波長λ
に関して2回微分した量に対応するので、式(8)に関
して更なる波長微分を考えればよい。結果は、次の式
(9)となる。
に関して2回微分した量に対応するので、式(8)に関
して更なる波長微分を考えればよい。結果は、次の式
(9)となる。
【0060】 −1/f2 ・(∂2 f/∂λ2 ) =CQ ・(∂2 nQ /∂λ2 )+CC ・(∂2 nC /∂λ2 ) +CD ・(∂2 nD /∂λ2 ) …(9)式
【0061】ここで、石英レンズ、螢石レンズ、回折光
学素子の焦点距離fQ 、fC 、fDは、各屈折率nQ 、
nC 、nD 、および各合成曲率CQ 、CC 、CD と、次
の各式(10)〜(12)により関係づけられる。
学素子の焦点距離fQ 、fC 、fDは、各屈折率nQ 、
nC 、nD 、および各合成曲率CQ 、CC 、CD と、次
の各式(10)〜(12)により関係づけられる。
【0062】 1/fQ =(nQ −1)・CQ …(10)式 1/fC =(nC −1)・CC …(11)式 1/fD =(nD −1)・CD …(12)式
【0063】式(10)〜(12)を、式(7)〜
(9)に代入すると、以下の式(13)〜(15)を得
る。
(9)に代入すると、以下の式(13)〜(15)を得
る。
【0064】 1/f=1/fQ +1/fC +1/fD …(13)式
【0065】 −1/f2 ・(∂f/∂λ) =1/(fQ ・(nQ −1))・(∂nQ /∂λ) +1/(fC ・(nC −1))・(∂nC /∂λ) +1/(fD ・(nD −1))・(∂nD /∂λ) =0 …(14)式
【0066】 −1/f2 ・(∂2 f/∂λ2 ) =1/(fQ ・(nQ −1))・(∂2 nQ /∂λ2 ) +1/(fC ・(nC −1))・(∂2 nC /∂λ2 ) +1/(fD ・(nD −1))・(∂2 nD /∂λ2 ) …(15)式
【0067】ここで、石英レンズ、螢石レンズ並びに回
折光学素子の各々の屈折率の波長依存性n(λ)は、既
知の量であるから、式(14)における屈折率の波長に
関する一回微分量∂n/∂λと、式(15)における屈
折率の波長に関する二回微分量∂2 n/∂λ2 を各々求
めることができる。従って、式(13)〜(15)にお
ける未知数は、1/fQ 、1/fC 、1/fD の3つだ
けとなる。
折光学素子の各々の屈折率の波長依存性n(λ)は、既
知の量であるから、式(14)における屈折率の波長に
関する一回微分量∂n/∂λと、式(15)における屈
折率の波長に関する二回微分量∂2 n/∂λ2 を各々求
めることができる。従って、式(13)〜(15)にお
ける未知数は、1/fQ 、1/fC 、1/fD の3つだ
けとなる。
【0068】回折光学素子の屈折率の波長依存性nD
(λ)は、前述の式(6)で表現される。式(6)を波
長λで微分することにより、次の式(16)、式(1
7)を得る。
(λ)は、前述の式(6)で表現される。式(6)を波
長λで微分することにより、次の式(16)、式(1
7)を得る。
【0069】 (1/(nD −1))・(∂nD /∂λ)=1/λ …(16)式 ∂2 nD /∂λ2 =0 …(17)式
【0070】石英の屈折率nQ の波長λ依存性は、I.
H.Malitsonの論文(J.Opt.Soc.A
m.vol.55,No.10,p.1205(196
5))より、次の式(18)を引用した。
H.Malitsonの論文(J.Opt.Soc.A
m.vol.55,No.10,p.1205(196
5))より、次の式(18)を引用した。
【0071】 nQ 2 −1 =0.6961663・λ2 /(λ2 −(0.0684043)2 ) +0.4079426・λ2 /(λ2 −(0.1162414)2 ) +0.8974794・λ2 /(λ2 −(9.896161)2 ) …(18)式
【0072】また、螢石の屈折率nC の波長λ依存性
は、I.H.Malitsonの論文(Appl.Op
t.vol.2,No.10,p.1103(196
3))より、次の式(19)を引用した。なお、式(1
8)と式(19)に現れる波長λの単位はμmである。
は、I.H.Malitsonの論文(Appl.Op
t.vol.2,No.10,p.1103(196
3))より、次の式(19)を引用した。なお、式(1
8)と式(19)に現れる波長λの単位はμmである。
【0073】 nC 2 −1 =0.5675888・λ2 /(λ2 −(0.050263605)2 ) +0.4710914・λ2 /(λ2 −(0.1003909)2 ) +3.8484723・λ2 /(λ2 −(34.649040)2 ) …(19)式
【0074】式(16)と、式(18)及び式(19)
より得られる石英の屈折率nQ 及び螢石の屈折率nC の
波長に関する一回微分量を、式(14)に代入すれば、
式(13)と式(14)からなる連立方程式の各係数が
全て定まることになる。ここで、未知数は1/fQ 、1
/fC 、1/fD の3つであり、自由度が一つ残ること
になる。この自由度を変数として取り扱えば、式(1
5)にて表される2次スペクトル量を評価することがで
きる。このようにして、石英レンズ、螢石レンズ、回折
光学素子の焦点距離fQ 、fC 、fD についての検討が
できることになる訳である。
より得られる石英の屈折率nQ 及び螢石の屈折率nC の
波長に関する一回微分量を、式(14)に代入すれば、
式(13)と式(14)からなる連立方程式の各係数が
全て定まることになる。ここで、未知数は1/fQ 、1
/fC 、1/fD の3つであり、自由度が一つ残ること
になる。この自由度を変数として取り扱えば、式(1
5)にて表される2次スペクトル量を評価することがで
きる。このようにして、石英レンズ、螢石レンズ、回折
光学素子の焦点距離fQ 、fC 、fD についての検討が
できることになる訳である。
【0075】例えば、回折光学素子に関する1/fD を
変数として取り扱い、2次スペクトルを評価した結果、
以下のことが見出された。(具体的な事例は、実施例の
中で述べる。)
変数として取り扱い、2次スペクトルを評価した結果、
以下のことが見出された。(具体的な事例は、実施例の
中で述べる。)
【0076】2次スペクトル量は、従来例の投影光学系
のように、石英レンズと回折光学素子の二つの構成要素
で構成する(螢石レンズにはパワーを持たせない:fC
=∞)よりも、本発明のように、螢石レンズにもパワー
を持たせる(fC ≠∞)ことによって、石英レンズ、螢
石レンズ、回折光学素子の三種の組み合わせによる構成
要素の方が、低減させることができる。即ち、光源の波
長λ0 近傍の波長(波長帯の中心波長以外の波長)にお
ける色収差をも良好に補正することができ、優れた投影
光学系を構成し得る。
のように、石英レンズと回折光学素子の二つの構成要素
で構成する(螢石レンズにはパワーを持たせない:fC
=∞)よりも、本発明のように、螢石レンズにもパワー
を持たせる(fC ≠∞)ことによって、石英レンズ、螢
石レンズ、回折光学素子の三種の組み合わせによる構成
要素の方が、低減させることができる。即ち、光源の波
長λ0 近傍の波長(波長帯の中心波長以外の波長)にお
ける色収差をも良好に補正することができ、優れた投影
光学系を構成し得る。
【0077】請求項2に記載した発明では、請求項1の
投影露光装置において、投影光学系を構成する回折光学
素子の少なくとも一つは正のパワーを有するものであ
り、石英レンズの少なくとも一つは負のパワーを有する
ものであり、螢石レンズの少なくとも一つは正のパワー
を有するものであることを特徴とし、以下の作用を奏す
る。
投影露光装置において、投影光学系を構成する回折光学
素子の少なくとも一つは正のパワーを有するものであ
り、石英レンズの少なくとも一つは負のパワーを有する
ものであり、螢石レンズの少なくとも一つは正のパワー
を有するものであることを特徴とし、以下の作用を奏す
る。
【0078】なお、本明細書において回折光学素子のお
ける正のパワーとは、回折光学素子による偏向作用を屈
折レンズに対応させて表現したものであり、素子により
光路を偏向された光束が集光方向に進行する様に回折作
用が機能するものを言う。逆に、回折光学素子の負のパ
ワーとは、発散方向に光路を偏向させる作用を持つもの
をいう。
ける正のパワーとは、回折光学素子による偏向作用を屈
折レンズに対応させて表現したものであり、素子により
光路を偏向された光束が集光方向に進行する様に回折作
用が機能するものを言う。逆に、回折光学素子の負のパ
ワーとは、発散方向に光路を偏向させる作用を持つもの
をいう。
【0079】前述のように、回折光学素子に関する1/
fD を変数として取り扱い、三種の構成要素の各焦点距
離fQ 、fC 、fD の各組み合わせに対して2次スペク
トルを評価した。
fD を変数として取り扱い、三種の構成要素の各焦点距
離fQ 、fC 、fD の各組み合わせに対して2次スペク
トルを評価した。
【0080】その結果、2次スペクトルを完全にゼロに
するような組み合わせも可能であるが、この場合には、
石英レンズ及び螢石レンズの各レンズパワーが大きくな
るため、レンズの口径におのずと限界が生じてしまう難
点があり、更に、レンズパワーが大きいと製造が難しい
という問題もある。
するような組み合わせも可能であるが、この場合には、
石英レンズ及び螢石レンズの各レンズパワーが大きくな
るため、レンズの口径におのずと限界が生じてしまう難
点があり、更に、レンズパワーが大きいと製造が難しい
という問題もある。
【0081】このため、実務的には、二次スペクトルが
実用範囲内に小さくなり、レンズパワーの小さい組み合
わせとして、fQ <0(マイナス)、fC >0(プラ
ス)、fD >0(プラス)となるのが望ましい構成であ
ることが見出された。
実用範囲内に小さくなり、レンズパワーの小さい組み合
わせとして、fQ <0(マイナス)、fC >0(プラ
ス)、fD >0(プラス)となるのが望ましい構成であ
ることが見出された。
【0082】言い換えると、回折光学素子が正のパワー
(集束特性)を有し、石英レンズが負のパワーを有し、
螢石レンズが正のパワーを有するものであることを意味
するものであり、少なくともこれらの組み合わせ一組を
光学系に備えることで、二次スペクトルが良好に補正で
きる実用的な投影光学系が構築できる。
(集束特性)を有し、石英レンズが負のパワーを有し、
螢石レンズが正のパワーを有するものであることを意味
するものであり、少なくともこれらの組み合わせ一組を
光学系に備えることで、二次スペクトルが良好に補正で
きる実用的な投影光学系が構築できる。
【0083】従って、このような範囲内の組み合わせで
構成される投影光学系は、光源の波長λ0 近傍の波長に
おける色収差(二次スペクトル)を実用上問題の無い程
度に補正することができるだけでなく、レンズのパワー
が比較的小さなものを使用できるので、光学素子(レン
ズ)の製造も容易となる。更に、レンズパワーが小さけ
ればレンズ口径が大きなものを使用できるので、投影光
学系のNA(開口数)やフィールド(投影領域)の拡大
が可能と成り、即ち、解像度(分解能)の向上に寄与す
るものとなる。
構成される投影光学系は、光源の波長λ0 近傍の波長に
おける色収差(二次スペクトル)を実用上問題の無い程
度に補正することができるだけでなく、レンズのパワー
が比較的小さなものを使用できるので、光学素子(レン
ズ)の製造も容易となる。更に、レンズパワーが小さけ
ればレンズ口径が大きなものを使用できるので、投影光
学系のNA(開口数)やフィールド(投影領域)の拡大
が可能と成り、即ち、解像度(分解能)の向上に寄与す
るものとなる。
【0084】請求項3に記載した発明は、請求項1又は
2の投影露光装置において、光源手段として、Ar−F
レーザ(中心波長193nm)を用いたことを特徴と
し、以下の作用を奏する。
2の投影露光装置において、光源手段として、Ar−F
レーザ(中心波長193nm)を用いたことを特徴と
し、以下の作用を奏する。
【0085】Ar−Fレーザ(193nm)は、現在最
も一般的に用いられているエキシマレーザ光源であるK
r−Fレーザ(248nm)よりも、更に短波長の光源
であり、投影光学系の更なる高分解能化の要請に対処す
るための光源として期待されているものである。しか
し、光源の短波長化が進められると、同じ波長幅(スペ
クトル幅)でも、二次スペクトル量が大幅に増加する。
このため、このような短波長の光束を用いる投影光学系
においては、2次スペクトル量の補正が更に重要性を増
すことになる。特に、Ar−Fレーザのスペクトル幅は
かなり大きい。
も一般的に用いられているエキシマレーザ光源であるK
r−Fレーザ(248nm)よりも、更に短波長の光源
であり、投影光学系の更なる高分解能化の要請に対処す
るための光源として期待されているものである。しか
し、光源の短波長化が進められると、同じ波長幅(スペ
クトル幅)でも、二次スペクトル量が大幅に増加する。
このため、このような短波長の光束を用いる投影光学系
においては、2次スペクトル量の補正が更に重要性を増
すことになる。特に、Ar−Fレーザのスペクトル幅は
かなり大きい。
【0086】本発明は、前述の石英レンズ、螢石レン
ズ、回折光学素子の三種の構成要素による投影光学系に
対して、Ar−Fレーザを用いたものであり、光源のス
ペクトル幅は大きくても2次スペクトルの発生量を低減
させることによって、実用的な色収差補正が可能となっ
た。更に、前記同様に色収差補正が良好に行なわれる構
成において、各々のレンズパワーの絶対値を小さくする
ことができる。従って、解像力の向上した投影露光装置
を組むことができる。
ズ、回折光学素子の三種の構成要素による投影光学系に
対して、Ar−Fレーザを用いたものであり、光源のス
ペクトル幅は大きくても2次スペクトルの発生量を低減
させることによって、実用的な色収差補正が可能となっ
た。更に、前記同様に色収差補正が良好に行なわれる構
成において、各々のレンズパワーの絶対値を小さくする
ことができる。従って、解像力の向上した投影露光装置
を組むことができる。
【0087】なお、透過屈折光学素子(レンズ等)の屈
折性や透過率の問題から、現在光源として利用できる光
源手段の内、屈折レンズを利用した投影光学系に使用で
きる光源はAr−Fレーザがほぼ限界であり、更なる短
波長の光源としてF2 レーザ(157nm)等が知られ
ているが、これらでは透過屈折型の投影光学系は使用で
きない。
折性や透過率の問題から、現在光源として利用できる光
源手段の内、屈折レンズを利用した投影光学系に使用で
きる光源はAr−Fレーザがほぼ限界であり、更なる短
波長の光源としてF2 レーザ(157nm)等が知られ
ているが、これらでは透過屈折型の投影光学系は使用で
きない。
【0088】また、Kr−Fレーザ(248nm)にお
いては、レーザの狭帯化により従来の石英レンズのみに
て構成される投影光学系が使用できる様になったが、更
に短波長のAr−Fレーザ(193nm)においては、
レーザの狭帯化の見通しは必ずしも明るくなく、実用化
に至っていない問題があった。しかし、本発明によれ
ば、Ar−Fレーザを用いた投影光学系が構築できるの
で、これを備えた投影露光装置によれば、従来より微細
なパターンの露光転写が可能となり、更なる光集積半導
体素子等の製造が可能となる。
いては、レーザの狭帯化により従来の石英レンズのみに
て構成される投影光学系が使用できる様になったが、更
に短波長のAr−Fレーザ(193nm)においては、
レーザの狭帯化の見通しは必ずしも明るくなく、実用化
に至っていない問題があった。しかし、本発明によれ
ば、Ar−Fレーザを用いた投影光学系が構築できるの
で、これを備えた投影露光装置によれば、従来より微細
なパターンの露光転写が可能となり、更なる光集積半導
体素子等の製造が可能となる。
【0089】
【実施例】以下に、実施例を通じ、本発明を更に詳しく
説明する。図1は、本発明の第1の実施例として、Ar
−Fエキシマレーザ(λ=193nm)を光源とする投
影露光装置の投影光学系を示す概念図である。この図お
ける投影光学系は、回折光学素子111、石英レンズ1
21並びに螢石レンズ131の三種の構成要素からなる
ものである。Ar−Fエキシマレーザ(不図示)からの
露光光は、フォトマスク101と上記の投影光学系を介
して感光基板102上に投影され、装置全体としてはマ
スク上のパターンを感光基板上に転写露光するものであ
る。
説明する。図1は、本発明の第1の実施例として、Ar
−Fエキシマレーザ(λ=193nm)を光源とする投
影露光装置の投影光学系を示す概念図である。この図お
ける投影光学系は、回折光学素子111、石英レンズ1
21並びに螢石レンズ131の三種の構成要素からなる
ものである。Ar−Fエキシマレーザ(不図示)からの
露光光は、フォトマスク101と上記の投影光学系を介
して感光基板102上に投影され、装置全体としてはマ
スク上のパターンを感光基板上に転写露光するものであ
る。
【0090】投影光学系の作用については、作用の項で
前述したものと同様であり、投影光学系のパワー(焦点
距離の逆数)と各構成要素のパワーとの関係は、式(1
3)、色収差の補正条件は式(14)、2次スペクトル
量は式(15)で与えられている。これらの式におい
て、未知数は石英レンズのパワー1/fQ 、螢石レンズ
のパワー1/fC 、回折光学素子のパワー1/fD の3
つであり、各係数は露光光の波長をパラメーターとして
定められるものである。
前述したものと同様であり、投影光学系のパワー(焦点
距離の逆数)と各構成要素のパワーとの関係は、式(1
3)、色収差の補正条件は式(14)、2次スペクトル
量は式(15)で与えられている。これらの式におい
て、未知数は石英レンズのパワー1/fQ 、螢石レンズ
のパワー1/fC 、回折光学素子のパワー1/fD の3
つであり、各係数は露光光の波長をパラメーターとして
定められるものである。
【0091】本実施例においては、露光光としてAr−
Fエキシマレーザを用いるため、波長λ=0.193μ
mにおいて、前述の式(18)、式(19)を用いて求
めることができる。波長λ=193nmにおける、石英
と螢石の屈折率、及びそれらの波長微分量は、以下の様
になる。
Fエキシマレーザを用いるため、波長λ=0.193μ
mにおいて、前述の式(18)、式(19)を用いて求
めることができる。波長λ=193nmにおける、石英
と螢石の屈折率、及びそれらの波長微分量は、以下の様
になる。
【0092】 nQ =1.560769 …(20)式 nC =1.501532 …(21)式 ∂nQ /∂λ =−1.5906 …(22)式 ∂nC /∂λ =−0.97993 …(23)式 ∂2 nQ /∂λ2 =184.41 …(24)式 ∂2 nC /∂λ2 =106.73 …(25)式
【0093】上記の数値を用いて、式(13)と式(1
4)を連立させ、本実施例の装置における2次スペクト
ル(式(15))を、以下に評価する。このとき、回折
光学素子のパワー1/fD を変数として取り扱う。
4)を連立させ、本実施例の装置における2次スペクト
ル(式(15))を、以下に評価する。このとき、回折
光学素子のパワー1/fD を変数として取り扱う。
【0094】図5は、横軸を回折光学素子のパワーに取
り、それに対する石英レンズパワー(1/fQ )と螢石
レンズのパワー(1/fC )を左側の縦軸、2次スペク
トル量(−1/f・(∂2 f/∂λ2 ))を右側の縦軸
にプロットしたものである。ここでは、投影光学系のパ
ワー(1/f)が1になるように正規化した。
り、それに対する石英レンズパワー(1/fQ )と螢石
レンズのパワー(1/fC )を左側の縦軸、2次スペク
トル量(−1/f・(∂2 f/∂λ2 ))を右側の縦軸
にプロットしたものである。ここでは、投影光学系のパ
ワー(1/f)が1になるように正規化した。
【0095】図5を概観すれば、回折光学素子のパワー
をゼロにした光学系の組み合わせ(1/fD =0のと
き)から、少しづつ回折光学素子に正のパワーを与えた
組み合わせとするに従って、負のパワーを持つ石英レン
ズ及び正のパワーを持つ螢石レンズのパワーの絶対値は
少しづつ小さくなることがわかる。一方、それと同時
に、2次スペクトルは初め負から正に変化し、後は単調
に増加していくことがわかる。
をゼロにした光学系の組み合わせ(1/fD =0のと
き)から、少しづつ回折光学素子に正のパワーを与えた
組み合わせとするに従って、負のパワーを持つ石英レン
ズ及び正のパワーを持つ螢石レンズのパワーの絶対値は
少しづつ小さくなることがわかる。一方、それと同時
に、2次スペクトルは初め負から正に変化し、後は単調
に増加していくことがわかる。
【0096】まず、図5において、1/fD =0の場合
は、回折光学素子を平行平面板と等価であると見なす場
合に相当しており、従来技術の一つである石英レンズと
螢石レンズのみによる色収差補正光学系に対応するもの
である。このとき、石英レンズのパワー、螢石レンズの
パワー、及び2次スペクトル量の各量に対して、次の数
値が得られる。
は、回折光学素子を平行平面板と等価であると見なす場
合に相当しており、従来技術の一つである石英レンズと
螢石レンズのみによる色収差補正光学系に対応するもの
である。このとき、石英レンズのパワー、螢石レンズの
パワー、及び2次スペクトル量の各量に対して、次の数
値が得られる。
【0097】 1/fD =0 …(26)式 1/fQ =−2.214 …(27)式 1/fC =3.214 …(28)式 (−1/f)・(∂2 f/∂λ2 )=−0.441×102 …(29)式
【0098】これらの数値により以下のことがわかる。
まず、従来の(回折光学素子の無い)色収差補正光学系
でも、2次スペクトル量を比較的小さい値に抑えること
ができる。しかし、石英レンズと螢石レンズのパワーの
絶対値が大きく、レンズ表面の小さな曲率が必要とされ
る。従って、レンズ素子の偏心公差が厳しくなり、レン
ズの組立製造も難しい。さらに、レンズ径が小さくなる
ので、大きなフィールドが得られない問題もある。
まず、従来の(回折光学素子の無い)色収差補正光学系
でも、2次スペクトル量を比較的小さい値に抑えること
ができる。しかし、石英レンズと螢石レンズのパワーの
絶対値が大きく、レンズ表面の小さな曲率が必要とされ
る。従って、レンズ素子の偏心公差が厳しくなり、レン
ズの組立製造も難しい。さらに、レンズ径が小さくなる
ので、大きなフィールドが得られない問題もある。
【0099】一方、別の従来技術の一つである石英レン
ズと回折光学素子のみによる色収差補正光学系は、1/
fC =0となる点に対応するものである。このときの石
英レンズパワーと回折光学素子のパワーは、1/fC =
0の点を通る垂線との交点から読み取ることができ、次
の値が得られる。
ズと回折光学素子のみによる色収差補正光学系は、1/
fC =0となる点に対応するものである。このときの石
英レンズパワーと回折光学素子のパワーは、1/fC =
0の点を通る垂線との交点から読み取ることができ、次
の値が得られる。
【0100】 1/fD =0.354 …(30)式 1/fQ =0.646 …(31)式 1/fC =0 …(32)式 (−1/f)・(∂2 f/∂λ2 )=2.13×102 …(33)式
【0101】この従来例の色収差補正光学系では、先の
石英レンズと螢石レンズによる光学系の場合と比較し
て、それぞれのレンズパワーの絶対値が小さい値となる
ので、レンズ形状の上で有利な良い構成といえる。しか
し、2次スペクトル量が容認できない程度に大きくなっ
てしまい、光源の波長半値幅(スペクトル幅)との関係
で、実用に耐え得る精度の露光投影は困難である。
石英レンズと螢石レンズによる光学系の場合と比較し
て、それぞれのレンズパワーの絶対値が小さい値となる
ので、レンズ形状の上で有利な良い構成といえる。しか
し、2次スペクトル量が容認できない程度に大きくなっ
てしまい、光源の波長半値幅(スペクトル幅)との関係
で、実用に耐え得る精度の露光投影は困難である。
【0102】例えば、現在一般的に用いられているKr
−Fエキシマレーザ(248nm)を光源とする投影露
光装置においては、投影光学系は石英レンズのみで構成
されており、全系の焦点距離fが光源のスペクトル幅δ
λに起因してボケる量δfは、式(10)の微分量と式
(18)より求めることができ、次の式(34)の様に
なる。
−Fエキシマレーザ(248nm)を光源とする投影露
光装置においては、投影光学系は石英レンズのみで構成
されており、全系の焦点距離fが光源のスペクトル幅δ
λに起因してボケる量δfは、式(10)の微分量と式
(18)より求めることができ、次の式(34)の様に
なる。
【0103】 δf/f≒1.10・δλ …(34)式
【0104】Kr−Fエキシマレーザのスペクトル幅δ
λは、δλ=1.0×10-3〜1.5×10-3(nm)
であるから、式(34)に代入することによって次の値
(35)が求まる。
λは、δλ=1.0×10-3〜1.5×10-3(nm)
であるから、式(34)に代入することによって次の値
(35)が求まる。
【0105】 δf/f≒(1.1〜1.65)×10-3 …(35)式
【0106】即ち、このKr−Fエキシマレーザを光源
とする投影光学系では、全系の焦点距離の0.11〜
0.165%程度が、色収差に起因する光軸方向のボケ
となっている。
とする投影光学系では、全系の焦点距離の0.11〜
0.165%程度が、色収差に起因する光軸方向のボケ
となっている。
【0107】これに対して、従来技術の一つである上記
石英レンズと回折光学素子からなる投影光学系を、Ar
−Fエキシマレーザ(193nm)光源に対して使用す
る場合の、全系の焦点距離fが光源のスペクトル幅δλ
に起因してボケる量δfについて考察する。この場合
は、一次の色収差は補正済であるが、前述の様に2次ス
ペクトルが大きく、色収差の原因となっている。この2
次スペクトルに起因する焦点距離の光軸方向のボケを求
め、上記現行の値(式(35))と比較する。
石英レンズと回折光学素子からなる投影光学系を、Ar
−Fエキシマレーザ(193nm)光源に対して使用す
る場合の、全系の焦点距離fが光源のスペクトル幅δλ
に起因してボケる量δfについて考察する。この場合
は、一次の色収差は補正済であるが、前述の様に2次ス
ペクトルが大きく、色収差の原因となっている。この2
次スペクトルに起因する焦点距離の光軸方向のボケを求
め、上記現行の値(式(35))と比較する。
【0108】 δf/f≒(1/f)(1/2)(∂2 f/∂λ2 )(δλ/2)2 …(36)式
【0109】式(36)の中に、式(33)の値及びA
r−Fエキシマレーザのスペクトル幅δλ=10×10
-3(nm)を代入することによって、次の値(37)が
求まる。
r−Fエキシマレーザのスペクトル幅δλ=10×10
-3(nm)を代入することによって、次の値(37)が
求まる。
【0110】 δf/f≒−2.66×10-3………………(37)式
【0111】即ち、この従来のKr−Fエキシマレーザ
投影光学系では、全系の焦点距離の0.266%程度が
色収差に起因する光軸方向のボケとなっており、上記現
行の場合(式(35))より2倍程度大きいことがわか
る。これでは解像度が悪く、実用の投影光学系として用
いることは難しい。少なくとも2次スペクトル量を式
(37)のおよそ半分(1.0×102 程度)に抑える
ことができれば、色収差に起因する光軸方向のボケは、
上記現行の場合と同程度になる。
投影光学系では、全系の焦点距離の0.266%程度が
色収差に起因する光軸方向のボケとなっており、上記現
行の場合(式(35))より2倍程度大きいことがわか
る。これでは解像度が悪く、実用の投影光学系として用
いることは難しい。少なくとも2次スペクトル量を式
(37)のおよそ半分(1.0×102 程度)に抑える
ことができれば、色収差に起因する光軸方向のボケは、
上記現行の場合と同程度になる。
【0112】本実施例の三種の構成要素による色収差補
正光学系では、図5の実線で示されている様に、上記2
つの従来例を含めた多くの組み合わせが可能である。こ
れら多数の組み合わせのうち、回折光学素子のパワー
が、図5中において次の条件式(38)を満たす場合
は、従来例と比較してレンズパワー及び2次スペクトル
の観点から向上したものとなっている。
正光学系では、図5の実線で示されている様に、上記2
つの従来例を含めた多くの組み合わせが可能である。こ
れら多数の組み合わせのうち、回折光学素子のパワー
が、図5中において次の条件式(38)を満たす場合
は、従来例と比較してレンズパワー及び2次スペクトル
の観点から向上したものとなっている。
【0113】 0<1/fD <0.354…………(38)式
【0114】即ち、石英レンズと螢石レンズのみによる
色収差補正光学系に比べて、各々のレンズパワーの絶対
値が小さく、レンズ形状の制限条件が抑えられるため、
有利である。更に、石英レンズと回折光学素子のみによ
る色収差補正光学系に比べて、2次スペクトル量が大幅
に小さく抑えられた組み合わせに相当する。
色収差補正光学系に比べて、各々のレンズパワーの絶対
値が小さく、レンズ形状の制限条件が抑えられるため、
有利である。更に、石英レンズと回折光学素子のみによ
る色収差補正光学系に比べて、2次スペクトル量が大幅
に小さく抑えられた組み合わせに相当する。
【0115】上記条件範囲の中で、回折光学素子のパワ
ーを次の値に定めることにより、2次スペクトル量をゼ
ロにすることが可能である。
ーを次の値に定めることにより、2次スペクトル量をゼ
ロにすることが可能である。
【0116】 1/fD =0.06 …(39)式 1/fQ =−1.72 …(40)式 1/fC =2.66 …(41)式 (−1/f)・(∂2 f/∂λ2 )=0 …(42)式
【0117】しかし、実務的には、2次スペクトル量と
して若干プラス側に値を許容し、石英レンズと螢石レン
ズのパワーの絶対値を小さくする方が望ましい。特に、
本実施例において、前述の様に2次スペクトル量が1.
0×102 程度のとき、色収差による焦点距離の光軸方
向のボケが、現行の露光装置と同程度になることから、
その値のときを2次スペクトルの許容限界と考えること
ができる。従って、条件式(38)のうち更に望ましい
のは回折光学素子のパワーが次の条件式(43)を満た
すときである。
して若干プラス側に値を許容し、石英レンズと螢石レン
ズのパワーの絶対値を小さくする方が望ましい。特に、
本実施例において、前述の様に2次スペクトル量が1.
0×102 程度のとき、色収差による焦点距離の光軸方
向のボケが、現行の露光装置と同程度になることから、
その値のときを2次スペクトルの許容限界と考えること
ができる。従って、条件式(38)のうち更に望ましい
のは回折光学素子のパワーが次の条件式(43)を満た
すときである。
【0118】 0<1/fD <0.2 …(43)式
【0119】以上は、説明を簡単にするため、薄肉密着
系として記述したが、実際のレンズ系は厚肉系であり、
しかも、色収差以外の収差の補正のために、各種形状の
レンズを複数枚組み合わせる必要がある。この場合に
も、本発明に関する原理は適用可能であり、光学系を構
成する要素として、回折光学素子と石英レンズと螢石レ
ンズの三種を含んで、光学系に生ずる色収差、特に二次
スペクトルを補正することが本発明の主眼である。
系として記述したが、実際のレンズ系は厚肉系であり、
しかも、色収差以外の収差の補正のために、各種形状の
レンズを複数枚組み合わせる必要がある。この場合に
も、本発明に関する原理は適用可能であり、光学系を構
成する要素として、回折光学素子と石英レンズと螢石レ
ンズの三種を含んで、光学系に生ずる色収差、特に二次
スペクトルを補正することが本発明の主眼である。
【0120】また、レンズのパワーの絶対値を小さくし
て、レンズの形状上の優位性を確保すると同時に、色収
差に係る2次スペクトル量を低減するために、光学系を
構成する少なくとも一つの回折光学素子は、正のパワー
を有し、少なくとも一つの石英レンズが負のパワーを有
し、少なくとも一つの螢石レンズが正のパワーを有する
ことが望ましい。
て、レンズの形状上の優位性を確保すると同時に、色収
差に係る2次スペクトル量を低減するために、光学系を
構成する少なくとも一つの回折光学素子は、正のパワー
を有し、少なくとも一つの石英レンズが負のパワーを有
し、少なくとも一つの螢石レンズが正のパワーを有する
ことが望ましい。
【0121】次に、第2実施例として、Kr−Fエキシ
マレーザー(λ=248nm)を光源とする投影露光装
置を考える。この場合の投影光学系は、第1実施例と同
様に、回折光学素子、石英レンズ、螢石レンズの三種の
構成要素からなるものであり、概念説明図は第1実施例
の説明に用いた図1と同様である。
マレーザー(λ=248nm)を光源とする投影露光装
置を考える。この場合の投影光学系は、第1実施例と同
様に、回折光学素子、石英レンズ、螢石レンズの三種の
構成要素からなるものであり、概念説明図は第1実施例
の説明に用いた図1と同様である。
【0122】本実施例においては、光源としてKr−F
エキシマレーザを用いるため、波長λ=248nmにお
ける石英と螢石の屈折率及びそれらの波長微分量を、前
述の式(18)、式(19)より求めることができ、結
果は以下の様になる。
エキシマレーザを用いるため、波長λ=248nmにお
ける石英と螢石の屈折率及びそれらの波長微分量を、前
述の式(18)、式(19)より求めることができ、結
果は以下の様になる。
【0123】 nQ =1.508551 …(44)式 nC =1.468033 …(45)式 ∂nQ /∂λ =−0.56079 …(46)式 ∂nC /∂λ =−0.37347 …(47)式 ∂2 nQ /∂λ2 =29.740 …(48)式 ∂2 nC /∂λ2 =19.077 …(49)式
【0124】上記の諸量を用いて、第1実施例における
方法と同様に、本実施例の装置における2次スペクトル
を、以下に評価する。図6は、図5と同様に、横軸を回
折光学素子のパワーに取り、それに対する石英レンズパ
ワー(1/fQ )と螢石レンズのパワー(1/fC )を
左側の縦軸、2次スペクトル量(−1/f・(∂2 f/
∂λ2 ))を右側の縦軸にプロットしたものである。こ
こでは、投影光学系のパワー(1/f)が1になるよう
に正規化した。
方法と同様に、本実施例の装置における2次スペクトル
を、以下に評価する。図6は、図5と同様に、横軸を回
折光学素子のパワーに取り、それに対する石英レンズパ
ワー(1/fQ )と螢石レンズのパワー(1/fC )を
左側の縦軸、2次スペクトル量(−1/f・(∂2 f/
∂λ2 ))を右側の縦軸にプロットしたものである。こ
こでは、投影光学系のパワー(1/f)が1になるよう
に正規化した。
【0125】本実施例の図6を、前述の第1実施例の図
5と比較すると、2次スペクトル量を表す右側縦軸のス
ケールが拡大されていることが特徴として挙げられる。
つまり、2次スペクトル量の絶対値は、光源の波長が短
い本実施例の方が全体的に小さいことがわかる。即ち、
二次スペクトルの影響が、波長が長くなったことに伴い
少なくなっている。
5と比較すると、2次スペクトル量を表す右側縦軸のス
ケールが拡大されていることが特徴として挙げられる。
つまり、2次スペクトル量の絶対値は、光源の波長が短
い本実施例の方が全体的に小さいことがわかる。即ち、
二次スペクトルの影響が、波長が長くなったことに伴い
少なくなっている。
【0126】上記以外は、ほぼ同一の傾向が認められ、
次の効果が認められる。即ち、石英レンズと螢石レンズ
のみで構成される光学系に比べて、それぞれのレンズパ
ワーの絶対値を小さくすることができるので、レンズ形
状上、有利である。また、石英レンズと回折光学素子に
て構成される光学系に比べて、2次スペクトル量を小さ
い値とすることができる。
次の効果が認められる。即ち、石英レンズと螢石レンズ
のみで構成される光学系に比べて、それぞれのレンズパ
ワーの絶対値を小さくすることができるので、レンズ形
状上、有利である。また、石英レンズと回折光学素子に
て構成される光学系に比べて、2次スペクトル量を小さ
い値とすることができる。
【0127】なお、以上の実施例並びに作用では、回折
光学素子や、石英レンズ並びに螢石レンズのパワーを正
負で表現したが、これらは光学素子の少なくとも近軸域
においてこの条件を満足するものであれば良い。例え
ば、非球面レンズや、集光又は発散以外の回折作用を持
つ回折格子で合っても、本発明を応用できることはいう
までもない。
光学素子や、石英レンズ並びに螢石レンズのパワーを正
負で表現したが、これらは光学素子の少なくとも近軸域
においてこの条件を満足するものであれば良い。例え
ば、非球面レンズや、集光又は発散以外の回折作用を持
つ回折格子で合っても、本発明を応用できることはいう
までもない。
【0128】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、投
影露光装置の投影光学系として、回折光学素子と、石英
レンズと、螢石レンズの三種の構成要素を組み合わせて
用いることにより、従来の投影光学系に比べて、2次ス
ペクトルを低減させることができ、色収差の補正が波長
帯域で良好に行なわれることとなる。
影露光装置の投影光学系として、回折光学素子と、石英
レンズと、螢石レンズの三種の構成要素を組み合わせて
用いることにより、従来の投影光学系に比べて、2次ス
ペクトルを低減させることができ、色収差の補正が波長
帯域で良好に行なわれることとなる。
【0129】このことは、例えば、Ar−Fエキシマレ
ーザ(193nm)等のような波長の短い光源を用いる
ほど顕著な効果として現れるため、投影光学系の更なる
高分解能化の要請に対処するための光源の短波長化の要
請に十分に答えることが可能となる。特に、Ar−Fエ
キシマレーザ(193nm)を使用する場合に有用であ
る。
ーザ(193nm)等のような波長の短い光源を用いる
ほど顕著な効果として現れるため、投影光学系の更なる
高分解能化の要請に対処するための光源の短波長化の要
請に十分に答えることが可能となる。特に、Ar−Fエ
キシマレーザ(193nm)を使用する場合に有用であ
る。
【0130】更に、色収差補正が良好に行なわれる上記
の構成において、それぞれのレンズパワーの絶対値を小
さくすることができる。このように、それぞれのレンズ
パワーの絶対値を小さく構成しても収差の補正ができる
ことは、レンズ形状上、有利である。即ち、レンズ径
(開口径)を大きく設計することができるので、大NA
化や大フィールド化を実現することができ、その結果、
露光装置としての性能は更に向上することとなる。
の構成において、それぞれのレンズパワーの絶対値を小
さくすることができる。このように、それぞれのレンズ
パワーの絶対値を小さく構成しても収差の補正ができる
ことは、レンズ形状上、有利である。即ち、レンズ径
(開口径)を大きく設計することができるので、大NA
化や大フィールド化を実現することができ、その結果、
露光装置としての性能は更に向上することとなる。
【0131】加えて、回折光学素子に適当な正のパワ
ー、石英レンズに適当な負のパワー、螢石レンズに適当
な正のパワーを与えることにより、2次スペクトル量を
ゼロにするという効果を持たせることができる。
ー、石英レンズに適当な負のパワー、螢石レンズに適当
な正のパワーを与えることにより、2次スペクトル量を
ゼロにするという効果を持たせることができる。
【0132】あるいは、実務的観点から、2次スペクト
ル量にプラス側の許容度を設ければ、石英レンズと螢石
レンズのパワーの絶対値を大幅に軽減し、レンズ形状の
制約を少なくして設計上の優位性という効果を確保する
こともできる。
ル量にプラス側の許容度を設ければ、石英レンズと螢石
レンズのパワーの絶対値を大幅に軽減し、レンズ形状の
制約を少なくして設計上の優位性という効果を確保する
こともできる。
【図1】本発明に係る投影露光装置の実施例の概念説明
図である。
図である。
【図2】従来例を示す概念構成図である。
【図3】従来例を示す概念構成図である。
【図4】2次スペクトルを説明する図である。
【図5】光源の波長がλ=193nmの場合に第1実施
例の効果を説明するための図である。
例の効果を説明するための図である。
【図6】光源の波長がλ=248nmの場合に第2実施
例の効果を説明するための図である。
例の効果を説明するための図である。
101、201、301:フォトマスク 102、202、302:感光性基板 111、313:回折光学素子 121、222、323:石英レンズ 131、232:螢石レンズ
Claims (3)
- 【請求項1】 光源手段からの光束をマスクに照射する
ことにより、投影光学系を介して前記マスクのパターン
を感光基板上へ露光する投影露光装置において、 前記投影光学系は、回折光学素子と、石英レンズと、螢
石レンズとをそれぞれ少なくとも一つ有していることを
特徴とする投影露光装置。 - 【請求項2】 前記回折光学素子の少なくとも一つは正
のパワーを有するものであり、前記石英レンズの少なく
とも一つは負のパワーを有するものであり、前記螢石レ
ンズの少なくとも一つは正のパワーを有するものである
ことを特徴とする請求項1に記載した投影露光装置。 - 【請求項3】 光源手段として、Ar−Fレーザを用い
たことを特徴とする請求項1又は2記載の投影露光装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6334554A JPH0878319A (ja) | 1994-06-30 | 1994-12-20 | 投影露光装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-170376 | 1994-06-30 | ||
JP17037694 | 1994-06-30 | ||
JP6334554A JPH0878319A (ja) | 1994-06-30 | 1994-12-20 | 投影露光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0878319A true JPH0878319A (ja) | 1996-03-22 |
Family
ID=26493374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6334554A Pending JPH0878319A (ja) | 1994-06-30 | 1994-12-20 | 投影露光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0878319A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998043135A1 (en) * | 1997-03-25 | 1998-10-01 | Heraeus Quarzglas Gmbh | Optical system for integrated circuit fabrication |
EP0863440A3 (en) * | 1997-02-28 | 1999-07-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Projection exposure apparatus and device manufacturing method |
US6642480B2 (en) * | 2001-09-11 | 2003-11-04 | Seiko Epson Corporation | Laser processing method and laser processing apparatus |
US6829099B2 (en) | 2000-03-31 | 2004-12-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Projection optical system and projection exposure apparatus |
JP2005308933A (ja) * | 2004-04-20 | 2005-11-04 | Y E Data Inc | 2枚組レンズ |
-
1994
- 1994-12-20 JP JP6334554A patent/JPH0878319A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6483639B2 (en) | 1997-03-25 | 2002-11-19 | Heraeus Quarzglas Gmbh | Optical system for integrated circuit fabrication |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040803 |