Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JPH0874122A - メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法 - Google Patents

メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法

Info

Publication number
JPH0874122A
JPH0874122A JP20502094A JP20502094A JPH0874122A JP H0874122 A JPH0874122 A JP H0874122A JP 20502094 A JP20502094 A JP 20502094A JP 20502094 A JP20502094 A JP 20502094A JP H0874122 A JPH0874122 A JP H0874122A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meta
aromatic polyamide
dope
producing
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20502094A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2971335B2 (ja
Inventor
Hironobu Kubo
博信 久保
Yukikage Matsui
亨景 松井
Hiroshi Fujie
廣 藤江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP20502094A priority Critical patent/JP2971335B2/ja
Publication of JPH0874122A publication Critical patent/JPH0874122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2971335B2 publication Critical patent/JP2971335B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyamides (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、極性アミド系溶媒にて重合
され中和処理されたたメタ型芳香族ポリアミドの溶液
(ドープ)を、湿式紡糸により容易に繊維化させ、かつ
優れた物性を付与するための製造方法を提供することに
ある。特に、凝固浴として最も一般的な水系凝固浴にて
優れた曵糸性を得、ひいては優れた延伸性を達成するこ
とにある。 【構成】 芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸クロラ
イドとを極性アミド系溶媒中で反応させて得られたポリ
マー溶液に、無機アルカリを添加し中和して作成したド
ープに含まれるポリマーの濃度が10〜17重量%、か
つ、ドープ中の水分率が該ポリマー対比30〜80重量
%となるように調整し、該ドープを凝固浴中に湿式紡糸
し、ついで水洗と延伸倍率3倍以上の延伸を行うことを
特徴とするメタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良されたメタ型芳香族
ポリアミド繊維の製造方法に関し、特に湿式紡糸の曵糸
性向上及び延伸性の改良を図り優れた生産性を達成する
ものである。
【0002】
【従来の技術】メタ型芳香族ポリアミド繊維は、分子骨
格が殆んど芳香族環から構成されているため、優れた耐
熱性と寸法安定性とを有する。この繊維は、産業用途や
耐熱性、防炎性、耐炎性が重視される一般用途に好適で
ある。しかし、メタ型芳香族ポリアミド繊維の製糸方法
は必ずしも容易ではない。極性アミド系有機溶媒中で芳
香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸クロライドとを反応
させて重合すると、副生物として塩酸が発生するので、
これを無機アルカリで中和して中性の無機塩と水とに変
える必要がある。無機アルカリとしては通常、水酸化カ
ルシウムが用いられ、中和後の無機塩は塩化カルシウム
となる。塩化カルシウムは析出せずに、極性アミド系溶
媒中に溶解しており、かつポリマーの溶解性を改善する
が、反面、湿式紡糸の曵糸性は著しく低下する。通常の
湿式紡糸を行うと断糸し易く、凝固工程で糸中にミクロ
ボイドが多数発生する。また、延伸性も悪く十分な繊維
強度、繊維伸度が得られない。無機アルカリとして酸化
カルシウム、水酸化リチウムなどを用いても状況は変わ
らない。
【0003】従って、曵糸性向上のため従来より種々の
対策が提案されている。例えば、特開昭51−564号
公報にはポリアルキレングリコールを主成分とする特殊
な凝固浴を使用する方法が提案されているが、この方法
のみでは凝固速度が遅く、製糸速度を上げることができ
ない。また、特公昭44−11168号公報には、湿式
紡糸の代わりに乾式紡糸を用いる方法が記載されている
が、乾式紡糸は設備費が高価になるうえ、多数のフィラ
メントを紡糸するのが技術的に難しい。
【0004】メタ型芳香族ポリアミド繊維の湿式紡糸が
難しいのは、凝固剤が糸中に侵入するとミクロボイドが
生成して糸が失透し脆化するためである。ドープ中に塩
化カルシウム等の中和塩が多いほど失透と脆化が促進さ
れる。凝固剤として水を使うとこの傾向が激しい。従来
は、この水の侵入を遅らせるために凝固液に無機塩を投
入したりその他色々な工夫がされたが成功していない。
我々は、メタ型芳香族ポリアミド繊維の製糸原理を鋭意
検討した結果、水を避けるという発想を逆転して、予め
ドープ中に大量の水を含ませることにより、曵糸性、延
伸性および繊維物性が著しく改善されることを見出し本
発明に到達した。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、極性アミド系溶媒にて
重合され中和処理されたメタ型芳香族ポリアミドの溶液
(ドープ)を、そのまま湿式紡糸により容易に繊維化さ
せ、かつ優れた物性を付与するための製造方法を提供す
ることにある。特に、凝固浴として最も一般的な水系凝
固浴にて優れた曵糸性を得、ひいては優れた延伸性を達
成することにある。
【0006】
【発明の構成】本発明は、「(請求項1) 芳香族ジア
ミンと芳香族ジカルボン酸クロライドを極性アミド系溶
媒中で反応させて得られたポリマー溶液に、無機アルカ
リを添加し中和して作成したドープに含まれるポリマー
の濃度が10〜17重量%、かつ、ドープ中の水分率が
該ポリマー対比30〜80重量%となるように調整し、
該ドープを凝固浴中に湿式紡糸し、ついで水洗と延伸倍
率3倍以上の延伸を行うことを特徴とするメタ型芳香族
ポリアミド繊維の製造方法。 (請求項2) メタ型芳香族ポリアミドの繰返し単位の
85モル%以上が下記の繰返し単位(化2)からなる請
求項1に記載のメタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方
法。
【0007】
【化2】
【0008】(請求項3) ドープ中のポリマー濃度が
12〜15重量%である請求項1のメタ型芳香族ポリア
ミド繊維の製造方法。 (請求項4) 前記極性アミド系溶媒がN−メチル−2
−ピロリドンまたは、ヂメチルアセトアミドである請求
項1のメタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法。 (請求項5) 凝固浴の主成分が無機塩の水溶液である
請求項1のメタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法。 (請求項6) 凝固浴の主成分がポリアルキレングリコ
ールからなる請求項1のメタ型芳香族ポリアミド繊維の
製造方法。 (請求項7) 凝固浴の主成分が水と前記極性アミド系
溶媒の混合物である請求項1のメタ型芳香族ポリアミド
繊維の製造方法。 (請求項8) 凝固浴の主成分が水と前記極性アミド系
溶媒の混合物である請求項1のメタ型芳香族ポリアミド
繊維の製造方法。」である。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のメタ型芳香族ポリアミド繊維は、実質的に下記繰
返し単位(化3)からなるポリ−m−フェニレンイソフ
タルアミド繊維である。15モル%未満の第3成分が含
まれた共重合体であっても差し支えない。また、メタ型
芳香族ポリアミドに不活性な顔料や難撚剤等が10重量
%未満含まれていてもよい。
【0010】
【化3】
【0011】本発明に使用する主原料は、芳香族ジアミ
ンとしてm−フェニレンジアミン、芳香族ジカルボン酸
クロライドとしてイソフタル酸クロライドであり、これ
らを極性アミド系溶媒に溶解して反応させて、ポリ−m
−フェニレンイソフタルアミドを得る。重合度としては
極限粘度[η]が1.0〜2.5、特に、繊維用には
1.3〜2.2が好ましい。
【0012】重合で発生した塩酸を中和するための無機
アルカリは、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸
化リチウムが好ましい。無機アルカリは固体微粉末のま
まで添加しても良いが、重合時に使用する極性アミド系
溶媒にスラリー化して添加する方が均一な中和が可能と
なる。水酸化カルシウムを用いるとポリマーに対して塩
化カルシウムが46.6重量%、水が15.1重量%発
生する。従って本発明の条件を満たすためには、更に水
を添加する必要がある。ドープに水を添加する場合、水
を急速に付与すると溶解しているポリマーがゲル化する
ので、少量ずつ徐々に加えるか、或いは、重合時に使用
した溶媒と水との混合物を加えるのが好ましい。この操
作によってドープ中の水をポリマーに対して30〜80
重量%に調整する。水の効果は、ドープの可塑性、特に
紡糸孔を出た直後のドラフトに対する変形性を向上さ
せ、また、凝固浴側から水が侵入した際に水と溶媒の急
激な濃度変化を緩和することにより、ミクロボイドの発
生を抑制するものと思われる。水が、30%重量未満で
は、この効果が不十分であり、紡糸時の単糸切れやミク
ロボイドによる失透が改善されない。水が80重量%を
越えるとドープ自身の安定性が低下しゲル化が起こり紡
糸できなくなる。
【0013】ドープ中のポリマー濃度も重要である。一
般のメタ型芳香族ポリアミドの紡糸の場合、ポリマー濃
度は18%重量以上で好適な曵糸性が得られるが、本発
明においては、ポリマー濃度はこれよりも低くしなけれ
ばならない。これは、前記水分率とポリマー濃度の相互
作用により、好適な紡糸領域が従来の常識とはかけ離れ
たところに変化したためと思われる。ポリマー濃度が1
8%を越えると水系凝固浴での曵糸性が著しく低下す
る。逆に、ポリマー濃度が10重量%未満になるとドー
プの粘度が低くなり過ぎて紡出糸が互いに接触して単糸
切れや密着が発生する。とりわけ、12〜15重量%の
ポリマー濃度範囲が好適である。
【0014】本発明の重合時に使用する極性アミド系溶
媒は、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略
す)またはヂメチルアセトアミド(以下DMACと略
す)等の良溶媒が好適である。
【0015】本発明は、水系凝固浴において著しい効果
が発揮できる。メタ型芳香族ポリアミドを水系凝固浴に
紡糸すると、溶媒と水との交換が急速に行われるため、
ミクロボイドが発生して製糸性が低下し糸が劣化しやす
いが、本発明の方法で紡糸すると著しく製糸性並びに繊
維物性が改善される。水系凝固浴に、塩素系無機塩、例
えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチュウ
ム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化錫、塩化鉄、塩
化ナトリウム、または、硝酸塩、例えば硝酸アルミニウ
ム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛、またはロダン塩等を混
合すると糸中への水の侵入を更に遅らせることができ、
本発明の効果が最大限に発揮できる。
【0016】本発明の効果は、主成分がポリアルキレン
グリコールからなる凝固浴においても得られる。ポリア
ルキレングリコール自身は凝固能力が小さいが、本発明
に規定したポリマー濃度と水分率の範囲で湿式紡糸する
と紡速の高いところでも十分な製糸性が得られる。本発
明に使用するポリアルキレングリコールは、実質的に、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール或
いはこれらの共重合物または混合物である。15重量%
以下の第3成分が共重合されたり、混合されていても良
い。
【0017】本発明において、ドープが紡糸された後、
糸中に含まれる溶媒濃度がポリマー対比200重量%以
下になるまで凝固させる。溶媒濃度が200重量%を越
えると糸が軟弱で水洗での取り扱いが困難となり、また
失透も起こりやすくなる。ついで、水洗と延伸を行う。
水洗によって、糸中に含まれる溶媒がほぼ完全に除去さ
れてから延伸しても良いし、水洗の途上で延伸が部分的
に同時並行しても良い。延伸は水洗の途上または水洗さ
れた糸が湿潤している間に2倍以上延伸する。この糸を
乾燥し、加熱下で定長熱処理するか更に延伸すると、工
程調子も良く物性の優れた繊維に仕上げることができ
る。全倍延伸率は、3倍以上必要である。延伸倍率が3
倍未満では、4g/de以上の繊維強度が得難い。本発
明においては、3.5から5倍程度が好ましい。
【0018】本発明に用いる紡糸装置は、公知の湿式紡
糸方法に依るもので差し支えない。紡糸口金と凝固液と
の間に空隙を設けたいわゆるドライジェット湿式紡糸で
も良い。紡糸孔数は10〜1000個のフィラメントタ
イプでも良いし、また紡糸孔数が1000〜30000
個のスフタイプでも良い。紡糸孔径は0.05〜0.2
mmが一般に用いられる。紡糸速度は5〜50m/分が
製糸調子が安定である。流動式凝固浴に依って凝固糸を
加速すれば更に高い紡糸速度も可能となる。延伸設備
は、60〜99℃の温水延伸バスと、温水延伸の後に更
に定長熱処理または乾熱延伸を行うための熱板、加熱ロ
ール或いは非接触式ヒーターを用いる。これらの加熱温
度は250〜400℃である。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、メタ型芳
香族ポリアミドのドープ濃度を従来より低くし、更に水
を添加調整して、水系凝固浴またはポリアルキレングリ
コール系凝固浴に紡糸し、水洗と適正な延伸を行うこと
により、今まで得られなかった優れた工程調子の下で、
優れた物性を有するメタ型芳香族ポリアミド繊維を得る
ことができる。
【0020】本発明を以下実施例にて詳細に記述する。
実施例に示される各特性値は、以下の方法で測定した。
【0021】<極限粘度[η]>ポリマーあるいは繊維
を97重量%濃硫酸に溶解して、30℃で測定した粘度
から求めた。
【0022】<ポリマー濃度>ドープ中に含まれるポリ
マー純分をドープ全体に対する重量%にて表す。ポリマ
ー純分は化学量論的に正確に計算できるし、ドープの薄
膜を水にて凝固させ完全に水洗した後、乾燥し重量を計
量することにより測定することもできる。
【0023】<水分率>ドープ中に含まれる水分量をポ
リマーに対する重量%で表す。
【0024】<強度、伸度>繊維の強度、伸度はJIS
−1074に準拠し、サンプル長2cm、伸張速度2c
m/分で測定した。
【0025】
【実施例1〜3、比較例1〜4】撹拌機、窒素導入口、
塩化カルシウムの乾燥管を装着したセパラブルフラスコ
内へm−フェニレンジアミン(MPDA)を129.8
部投入し、次いでNMPを1000部加えて撹拌しなが
らMPDAを溶解した。MPDAを溶解した後も撹拌を
継続し、該溶液をドライアイス/アセトンの冷媒にて−
20℃まで冷却した。この溶液にイソフタル酸クロライ
ド(IPC)の粉末243.6部を添加した。フラスコ
内の温度が10℃を越えないように添加速度を調整しな
がら徐々にIPCを添加した。IPCを全量投入した
後、反応液温度を50℃に上げ、1時間反応を継続し、
粘稠なポリ−m−フェニレンイソフタルアミド(PMI
A)溶液を得た。副生した塩酸を中和するために、NM
P中に水酸化カルシウム微粒子を30%含有したスラリ
ーを添加した後に、水とNMPを種々の混合比で混合し
た溶液を徐々に加えて、種々のポリマー濃度および水分
率を有するドープを作成した。これらのドープを85℃
に加温し、孔径0.06mm、孔数200の紡糸口金か
ら凝固浴に湿式紡糸した。凝固浴の組成は、塩化カルシ
ウムが40重量%、NMPが5重量%、残りの水は55
重量%であり、凝固浴温度は98℃であった。糸条は凝
固浴中を約100cm走行させ10m/分の速度で引き
出した。該糸条を水洗し、85℃の温水で2.4倍に延
伸して200℃のロールで乾燥した後、300℃の熱板
上で1.8倍に延伸して、400デニール/200フィ
ラメントの延伸糸を得た。全延伸倍率は4.32であっ
た。これらの結果を表1にまとめて記載する。
【0026】比較例1は、ドープのポリマー濃度が9重
量%と低すぎるため粘度が低く、凝固浴内で糸条が弛ん
で正常に走行しなかった。得られた延伸糸の強度も低く
使用に耐えないものであった。濃度が12重量%まで濃
くなると、実施例1に示すように凝固浴中での走行状態
が正常になり紡糸・延伸調子共に良好で5g/de以上
の強度が得られた。実施例3は、ポリマー濃度14重量
%、ドープ中の水分率がポリマー対比50重量%の場合
であるが、紡糸・延伸調子は本表の中で最も良好であっ
た。ポリマー濃度が適正であっても水分率が27重量%
まで低くなると、比較例2に示すように紡糸時の単糸切
れが散発し工程調子が不良となった。逆に、比較例3に
示すように水分率が90重量%まで増えると、ドープが
ゲル化し易くなり長期の保存が不可能となった。ポリマ
ー濃度が17重量%を越えると、比較例4に示すように
ドープが粘稠になり過ぎたためか紡糸時の断糸が多く発
生した。ポリマー濃度およびドープ中水分率の影響につ
いても表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【実施例4〜6、比較例5】前記実施例3と同じドープ
を用いて、今度は温水延伸倍率および熱板延伸倍率を変
えて延伸糸の物性の変化を調べた。検討結果(実施例
4)を表2に示す。比較例5は、糸条を水洗したのち、
温水中で2.7倍に延伸し、熱板上で300℃で1.1
倍に延伸した例であるが、得られた延伸糸の強度は低く
利用価値のない繊維となった。温水中での延伸倍率を
3.4に上げ熱板上で1.1倍に延伸すると、実施例5
に示すように実用上の問題のない延伸糸が得られた。実
施例6は、温水中で2.7倍に延伸した後、熱板上で
1.8倍に延伸し全延伸倍率を4.86にした例である
が、強度が6g/deを越える高強度繊維が得られた。
ここで、延伸倍率の影響(ポリマー濃度14重量%、水
分率50%、温水85℃、熱板300℃)について表2
に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
【実施例7〜10】前記実施例3と同様にドープを作成
し、凝固浴の成分を変えて製糸実験を行った。その他の
紡糸条件は、実施例3と同様にした。これらの結果を表
3に示す。実施例7は凝固浴として塩化亜鉛水溶液、実
施例8は硝酸亜鉛水溶液、実施例9はロダン塩(Ca
(SCN)2 )の水溶液を用いた例であるが、前記実施
例3と同様に紡糸延伸を行って良好な糸質と工程調子が
得られた。実施例10は、純度98%以上のポリエチレ
ングリコールを凝固浴として使用した例であるが、凝固
速度は比較的遅いものの良好な繊維物性が得られた。こ
こで、凝固浴組成と糸物性、工程調子との関係について
表3に示した。
【0031】
【表3】
【0032】
【実施例11】前記実施例2と同様にポリマー濃度12
%のドープを作成した。このドープを30℃で供給し、
孔径0.05mmの紡糸孔から、温度5℃、NMP濃度
2%の水溶液の第1凝固浴に押し出し3秒間浸漬した
後、温度95℃、濃度42%の塩化カルシウム水溶液の
第2凝固浴に移行して凝固を完了させて20m/分の速
度で引き上げた。次いで、5℃の冷水で水洗した後85
℃の熱水で2.8倍に延伸し、350℃の熱板上で1.
8倍に延伸した。工程調子は良好で、強度4.7g/d
e、伸度62%の延伸糸が得られた。
【0033】
【実施例12】前記実施例1と同様、撹拌機、窒素導入
口、塩化カルシウムの乾燥管を装着したセパラブルフラ
スコ内へMPDAを129.8部投入し、次いで、今回
はDMACを1000部加えて撹拌しながらMPDAを
溶解した。MPDAを溶解した後も撹拌を継続し、該溶
液をドライアイス/アセトンの冷媒にて−20℃まで冷
却した。この溶液にIPCの粉末243.6部を添加し
た。フラスコ内の温度が10℃を越えないように添加速
度を調整しながら徐々にIPCを添加した。IPCを全
量投入した後、反応液温度を50℃に加熱し、1時間反
応を継続し、粘稠なポリ−m−フェニレンイソフタルア
ミド(PMIA)溶液を得た。副生した塩酸を中和する
ために、DMAC中に水酸化カルシウム微粒子を30%
含有したスラリーを添加した後に、水とDMACとを種
々の混合比で混合した溶液を徐々に加えて、ポリマー濃
度16%および水分率50%のドープを作成した。
【0034】このドープを85℃に加温し、孔径0.0
6mm、孔数200の紡糸口金から凝固浴に湿式紡糸し
た。凝固浴の組成は、塩化カルシウムが40重量%、D
MACが5重量%、残りの水は55重量%であり、該凝
固浴の温度は98℃であった。糸条は凝固浴中を約10
0cm走行させ10m/分の速度で引き出した。該糸条
を水洗し、85℃の温水で2.4倍に延伸したのち20
0℃のロールで乾燥し、ついで、300度の熱板上で
1.8倍に延伸して400de/200フィラメントの
延伸糸を得た。全延伸倍率は4.32であった。工程調
子は問題なく、延伸糸の物性も良好で強度は5.2g/
de、伸度は58%であった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ク
    ロライドを極性アミド系溶媒中で反応させて得られたポ
    リマー溶液に、無機アルカリを添加し中和して作成した
    ドープに含まれるポリマーの濃度が10〜17重量%、
    かつ、ドープ中の水分率が該ポリマー対比30〜80重
    量%となるように調整し、該ドープを凝固浴中に湿式紡
    糸し、ついで水洗と延伸倍率3倍以上の延伸を行うこと
    を特徴とするメタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 メタ型芳香族ポリアミドの繰返し単位の
    85モル%以上が下記の繰返し単位(化1)からなる請
    求項1のメタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法。 【化1】
  3. 【請求項3】 ドープ中のポリマー濃度が12〜15重
    量%である請求項1のメタ型芳香族ポリアミド繊維の製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記極性アミド系溶媒がN−メチル−2−
    ピロリドンである請求項1のメタ型芳香族ポリアミド繊
    維の製造方法。
  5. 【請求項5】前記極性アミド系溶媒がヂメチルアセトア
    ミドである請求項1のメタ型芳香族ポリアミド繊維の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 凝固浴の主成分が無機塩の水溶液である
    請求項1のメタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 凝固浴の主成分がポリアルキレングリコ
    ールからなる請求項1のメタ型芳香族ポリアミド繊維の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 凝固浴の主成分が水と前記極性アミド系
    溶媒の混合物である請求項1のメタ型芳香族ポリアミド
    繊維の製造方法。
JP20502094A 1994-08-30 1994-08-30 メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法 Expired - Fee Related JP2971335B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20502094A JP2971335B2 (ja) 1994-08-30 1994-08-30 メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20502094A JP2971335B2 (ja) 1994-08-30 1994-08-30 メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0874122A true JPH0874122A (ja) 1996-03-19
JP2971335B2 JP2971335B2 (ja) 1999-11-02

Family

ID=16500119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20502094A Expired - Fee Related JP2971335B2 (ja) 1994-08-30 1994-08-30 メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2971335B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001061086A1 (fr) * 2000-02-16 2001-08-23 Teijin Limited Fibre de polyamide entierement aromatique de type meta-aramide et procede pour produire ladite fibre
US6569987B1 (en) 1999-10-21 2003-05-27 Teijin Limited Process for producing meta-aromatic polyamide fiber
CN100455706C (zh) * 2006-11-17 2009-01-28 钟洲 制备聚间苯二甲酰间苯二胺纺丝溶液的方法
JP2016117964A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 東レ・デュポン株式会社 湿潤剤が付与されたアラミド繊維およびそれを染色したアラミド繊維
JP2020193420A (ja) * 2019-05-30 2020-12-03 帝人株式会社 メタ型全芳香族ポリアミド繊維及びその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6569987B1 (en) 1999-10-21 2003-05-27 Teijin Limited Process for producing meta-aromatic polyamide fiber
WO2001061086A1 (fr) * 2000-02-16 2001-08-23 Teijin Limited Fibre de polyamide entierement aromatique de type meta-aramide et procede pour produire ladite fibre
US6569366B1 (en) 2000-02-16 2003-05-27 Teijin Limited Process for producing meta-type wholly aromatic polyamide filaments
CN100455706C (zh) * 2006-11-17 2009-01-28 钟洲 制备聚间苯二甲酰间苯二胺纺丝溶液的方法
JP2016117964A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 東レ・デュポン株式会社 湿潤剤が付与されたアラミド繊維およびそれを染色したアラミド繊維
JP2020193420A (ja) * 2019-05-30 2020-12-03 帝人株式会社 メタ型全芳香族ポリアミド繊維及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2971335B2 (ja) 1999-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1143048B1 (en) Process for producing meta-aromatic polyamide fiber
CA2255686C (en) Wet spinning process for aramid polymer containing salts and fiber produced from this process
WO2007089008A1 (ja) 高温加工性に優れたメタ型全芳香族ポリアミド繊維及びその製造方法
JPS63288237A (ja) ポリ‐p‐フエニレンテレフタルアミドからのコード
JP4647680B2 (ja) 易染色性メタ型全芳香族ポリアミド繊維
WO2001061086A1 (fr) Fibre de polyamide entierement aromatique de type meta-aramide et procede pour produire ladite fibre
WO2011118022A1 (ja) メタ型全芳香族ポリアミド繊維
JPS62231014A (ja) 高強力ポリメタフエニレンイソフタラミド系繊維及びその製造方法
JPH0874123A (ja) メタ型アラミド繊維の製造方法
JPH0874122A (ja) メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法
JP3995532B2 (ja) 緻密なメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法
JPH0874121A (ja) メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造法
US5177175A (en) Fiber of wholly aromatic copolyamide from 2,6-naphthalene dicarboxylic acid and 3,4'-diaminodiphenylether
JP4588032B2 (ja) 塩を含有するアラミドポリマーのための湿式紡糸の改良方法
JP2001172819A (ja) メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法
US4035465A (en) Drawing polyoxadiazoles filaments
JP2001114889A (ja) メタ型芳香族ポリアミド溶液の製造方法
JP2014070283A (ja) 全芳香族ポリアミド繊維の製造方法
JPH02216211A (ja) 改良されたポリパラフェニレンテレフタルアミド系繊維の製造法
JPS6353286B2 (ja)
JP3929342B2 (ja) 緻密なメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法
JPS63165515A (ja) 芳香族ポリアミド共重合体繊維
JPS6139408B2 (ja)
JP2005054315A (ja) 緻密なメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法
JP2018084000A (ja) メタ型全芳香族ポリアミド繊維及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees