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JPH0856895A - 内視鏡の光学系 - Google Patents

内視鏡の光学系

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Publication number
JPH0856895A
JPH0856895A JP6198098A JP19809894A JPH0856895A JP H0856895 A JPH0856895 A JP H0856895A JP 6198098 A JP6198098 A JP 6198098A JP 19809894 A JP19809894 A JP 19809894A JP H0856895 A JPH0856895 A JP H0856895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical system
endoscope
hydrophilic
lens
optical
Prior art date
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Pending
Application number
JP6198098A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Shibuya
洋満 渋谷
Masako Takagi
雅子 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP6198098A priority Critical patent/JPH0856895A/ja
Publication of JPH0856895A publication Critical patent/JPH0856895A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】内視鏡を煮沸消毒したり蒸気滅菌しても、観察
に支障をきたす霧や水滴が内部の表面に発生しない内視
鏡の光学系を提供することを目的とする。 【構成】一つ又は複数の光学素子11〜14により構成
された内視鏡の光学系において、上記光学素子11〜1
4の少なくとも外部に露出しない表面の全部又は一部に
水に対して親和性を得るための親水性処理を施した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一つ又は複数の光学
素子により構成された光学系を有する内視鏡の光学系に
関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡の対物光学系又は接眼光学系等
は、いずれも一つ又は複数のレンズ或いはレンズ群又は
プリズム等の光学素子を組み合わせて構成されている。
【0003】そして、外部に露出する対物レンズの外表
面は、体腔内に挿入された際に体内の湿気等によって曇
り易いので、各種の防曇対策を施すことが検討されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】内視鏡を煮沸消毒した
り蒸気滅菌して室内に取り出してから光学系を覗いてみ
ると、白く霧がかかったように見える。この霧は、30
分から1時間程度放置すれば徐々に晴れて、正常な観察
像を得ることができる。しかし、その間は内視鏡を使用
できないので検査がはかどらず、著しく不便である。
【0005】また、煮沸消毒や蒸気滅菌を繰り返し行っ
たり長時間連続的に行うと、霧ではなく大きな水滴が光
学系内に出現して、内視鏡の観察画像を甚だしく損なう
ようになる。
【0006】このような霧や水滴の付着位置を調べてみ
ると、複数のレンズなど光学素子と光学素子とが空気層
を挟んで向かい合う場所の各光学素子の表面であること
が確認された。
【0007】この現象は、煮沸消毒や蒸気滅菌のために
高温域にある内視鏡を室温域に取り出すとすぐに発生す
ることから、光学素子間の密封空間にある空気中の水蒸
気が急冷されて露結するものと判断される。
【0008】そこで、光学素子間の密封空間に、水蒸気
成分のない例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノ
ン又はラドン等の不活性ガスや、窒素、二酸化炭素、空
気等を封入することが考えられる。
【0009】しかし、内視鏡の対物レンズは直径が1mm
以下などと非常に小さいものが多いので、密封空間も非
常に小さくて、そこに水蒸気成分のない気体を封入する
のは極めて困難である。
【0010】また、光学素子の近傍の部品を熱容量の大
きな物質で製造することも考えられるが、内視鏡の部品
は非常に小さいので、霧や水滴の発生を防ぐことができ
るほどの効果は得られない。
【0011】そこで本発明は、内視鏡を煮沸消毒したり
蒸気滅菌しても、観察に支障をきたす霧や水滴が内部の
表面に発生しない内視鏡の光学系を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡の光学系は、一つ又は複数の光学素
子により構成された内視鏡の光学系において、上記光学
素子の少なくとも外部に露出しない表面の全部又は一部
に水に対して親和性を得るための親水性処理を施したこ
とを特徴とする。
【0013】なお、上記親水性処理は、上記光学素子の
表面に親水性物質を塗布した後、塗布面で強い反射が生
じない程度までその親水性物質を拭き取って上記光学素
子の表面を親水性にするものでもよく、或いは、上記光
学素子の表面に活性酸素を生成させて上記光学素子の表
面を親水性に改質するものでもよい。
【0014】
【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図1は内
視鏡の挿入部先端を示しており、プラスチック製の先端
部本体1の最先端部分に対物光学系10が前方に向けて
配置されている。
【0015】対物光学系10は、第1ないし第4のレン
ズ11〜14を同軸に並べて配置されており、第3と第
4のレンズ13,14は接合されて一つのレンズ群を形
成している。
【0016】対物光学系10は、金属製のレンズ枠2内
に嵌入されていて、第1のレンズ11と第2のレンズと
の間には明るさ絞り3が挟み込まれ、第2のレンズ12
と第3のレンズ13との間には間隔環4が挟み込まれて
いて、対物光学系10の前端と後端からレンズ枠2でか
しめて固定されている。そのかしめ部には接着剤が塗布
されていて、レンズ枠2の内部が完全気密状態に封止さ
れている。
【0017】そのようにして、対物光学系10はレンズ
枠2内に対物レンズユニットとして独立して組み立てら
れ、その対物レンズユニットがさらにユニット固定筒5
の先端に接合される。そして、そのユニット固定筒5に
像伝送用光学繊維束6がピント調節をしながら固定され
て、観察光学系ユニットが完成する。
【0018】このようにして先端部本体1外で組み立て
られた観察光学系ユニットは、最後に先端部本体1に接
着固定されるが、金属製のレンズ枠2が表面に露出しな
いように、その先端部分は先端部本体1の表面から少し
凹んだ位置に配置されて、その凹部に黒色の接着剤7が
充填されている。
【0019】対物光学系10の各レンズ11〜14の表
面には、第3と第4のレンズ13,14の接合面を除い
て、水に対して親和性を有する親水性の物質が、レンズ
枠2への組み込み前に塗布されている。
【0020】そして、塗布面で強い反射が生じない程度
まで、親水性物質は塗布後にきれいに空拭きされてい
る。その結果、図1に太線で示されるように、各レンズ
11,12,13,14の表面に、親水性の極薄膜層が
形成された状態になっている。
【0021】この実施例においては、親水性の物質とし
て界面活性剤を用いた。界面活性剤は極性を持ち水に溶
解するか水に親和性を示す親水基と、無極性で有機溶媒
に溶解するか親和性を示す親油基または疎水基の両方を
同時に分子内に持つ化合物である。
【0022】構造的に分類すると、イオンに解離するイ
オン性界面活性剤として陰イオン界面活性剤、陽イオン
界面活性剤又は両性界面活性剤等があり、イオンに解離
しないものとして非イオン界面活性剤がある。
【0023】(実験例)以下の組成で作製した親水性の
塗布液を用いて実験を行った。 非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレン、ソルビ
タンアルキレート) アニオン系界面活性剤(アルカノールアミンサルフェ
ート) 変性シロキサン 多価アルコール 水。
【0024】この塗布液を各レンズ面に塗布し、そのレ
ンズ面をレンズペーパー等で拭き上げ、目視によって曇
りやギラツキ等がないように拭き上げてから、レンズ枠
2に組み込んだ。
【0025】そして、この処理を行った対物光学系10
を装着した内視鏡と処理を行っていない内視鏡を、煮沸
30分後にすぐに室温にさらす処理を20回行い、1回
ごとに内視鏡像を観察した。
【0026】その結果は次表のとおりである。
【0027】
【表1】
【0028】なお、上記実施例では親水性物質として界
面活性剤を用いたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、親水性ビニル化合物、シラン化合物などを塗布
してもよい。
【0029】また、多層又は単層の反射防止膜や増透膜
などが形成されたレンズ面には使用できないが、レンズ
に紫外線を照射することにより、光学ガラスの表面の水
のぬれ性が改善されることが判明した。
【0030】波長が184.9nmと253.7nmの紫外
線が出る、出力650Wの低圧水銀灯を使用してレンズ
表面に10分間照射したところ、接着でいうところの水
のぬれ性指数が20dyne/cmであったものが50dyne/
cmになり、実験の結果、曇りに関して親水物を塗布した
ものと同様の良好な結果を得た。
【0031】これは2つの波長の紫外線照射によって、
2の分解とO3の生成及び分解が行われることにより活
性酸素〔O〕が発生して、ガラス面の洗浄性を上げ、あ
るいは一部改質したものと思われる。
【0032】したがって紫外線照射に限らず、光学レン
ズの表面に活性酸素〔O〕を発生させる処理であれば、
プラズマ処理、グロー放電及びコロナ放電等も利用する
ことができる。
【0033】なお、レンズ面に親水物をコーティングす
る方法として、ヒドロキシエチルメタクリレートとポリ
エチレンジメタクリレートの混合物をレンズ面に塗布、
あるいはポリビニルアルコールを主成分とするものをレ
ンズ面に塗布して、150℃で5分程度熱処理して、親
水物のコーティング膜を作製することを試みた。
【0034】しかし、1mm以下の小さなレンズに塗布す
るのが非常にたいへんなだけでなく、乾燥工程において
は、粉塵がコーティング部に付着したりコーティングが
均一に塗布されないなど、かなりの問題が発生した。
【0035】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、親水性を得るための処理は、対物
光学系10の外部に面する表面11aには施さなくても
よく、対物光学系10の内部の表面の一部に施してもよ
い。
【0036】また、光学素子としてはレンズの他、プリ
ズム、光学フィルター或いは単なる平行平面板や、光学
繊維束の端面なども対象となり、光学系が一個の光学素
子で形成されていてもよい。
【0037】また、本発明の適用の対象としては、対物
光学系に限らず接眼光学系に適用してもよく、観察像の
伝送に固体撮像素子を用いたいわゆる電子内視鏡の光学
系に適用してもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、光学素子の表面に親水
性物質を単に塗布して拭きあげたり、紫外線等を照射し
て親水性処理を施すだけで、内視鏡を煮沸消毒したり蒸
気滅菌したときに、観察に支障をきたす霧や水滴が光学
系内に発生しないようにすることができ、それを光学性
能を低下させることなく低コストで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の挿入部の側面断面図である。
【符号の説明】
2 レンズ枠2 10 対物光学系 11〜14 対物レンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つ又は複数の光学素子により構成された
    内視鏡の光学系において、上記光学素子の少なくとも外
    部に露出しない表面の全部又は一部に水に対して親和性
    を得るための親水性処理を施したことを特徴とする内視
    鏡の光学系。
  2. 【請求項2】上記親水性処理が、上記光学素子の表面に
    親水性物質を塗布した後、塗布面で強い反射が生じない
    程度までその親水性物質を拭き取って上記光学素子の表
    面を親水性にしている請求項1記載の内視鏡の光学系。
  3. 【請求項3】上記親水性処理が、上記光学素子の表面に
    活性酸素を生成させて上記光学素子の表面を親水性に改
    質している請求項1記載の内視鏡の光学系。
JP6198098A 1994-08-23 1994-08-23 内視鏡の光学系 Pending JPH0856895A (ja)

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