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JPH0856543A - アブ捕獲器 - Google Patents

アブ捕獲器

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Publication number
JPH0856543A
JPH0856543A JP21964194A JP21964194A JPH0856543A JP H0856543 A JPH0856543 A JP H0856543A JP 21964194 A JP21964194 A JP 21964194A JP 21964194 A JP21964194 A JP 21964194A JP H0856543 A JPH0856543 A JP H0856543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fly
catcher
present
insecticide
carbon dioxide
Prior art date
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JP21964194A
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English (en)
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JP2685088B2 (ja
Inventor
Shigeru Shikimura
茂 式村
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NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIY
NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIYOU CENTER SHOCHO
Original Assignee
NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIY
NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIYOU CENTER SHOCHO
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Publication date
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Publication of JPH0856543A publication Critical patent/JPH0856543A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 牛白血病を媒介するなど、家畜、特に牛の最
も嫌うアブを効率良く、しかも安価に捕獲しうる捕獲器
を提供することを目的とする。 【構成】 毒餌2の付着又は浸透せしめられた軟質材1
からなる誘引板Aを有するアブ捕獲器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、牛白血病を媒介するな
ど、家畜、特に牛の最も嫌うアブを効率良く、しかも安
価に捕獲(防除)しうる捕獲器に関する。
【0002】
【従来の技術】アブは、夏期の草原及び林野で見られる
吸血昆虫であり、家畜、特に牛の最も嫌う害虫である。
アブは、特に牛白血病を媒介するため、その防除が強く
求められている。アブの防除方法には、昔から殺虫剤の
散布、捕虫網による捕獲が行なわれているが、アブは飛
翔力が強く、棲息範囲が広く、吸血時間が短い(牛体に
付着している時間が短い)ことなどから、この方法では
効果的な防除を行なうことはできなかった。また、ダス
トバックによる防除方法は、牛の背中には濃厚に薬剤が
付着するが、肝心の腹部には付着が少ないために、サシ
バエのように背中に寄生する種類やダニのように長時間
寄生する種類のものには有効ではあるが、主に腹部に寄
生し、しかも付着している時間の短いアブには殆ど役に
立たなかった。さらに、牛体に強力な殺虫剤を付着させ
てアブを殺す方法も試みられたが、雨等により洗い流さ
れて、すぐに効果が無くなること及びアブを殺すためと
はいえ、牛が吸血されるのであれば防除にならないこと
などから、現在では殺虫剤によるアブの防除は殆ど行な
われていないのが実情である。
【0003】そこで近年、アブを誘引して捕獲する方法
の一つとして、動物の呼気に含まれる炭酸ガスに誘引さ
れるアブの性質を利用したトラップ(罠)法が開発さ
れ、野外で普及している(特公昭55−40212号公
報)。第4図に示す器具は、このトラップ法に用いる装
置の態様を示す斜視図である。この装置では、誘引剤と
してガスボンベ5に充填された炭酸ガスを用い、この炭
酸ガスを上部の捕獲室10に放出し、アブの捕獲室10
への入口となる、四角錐をした傘板11の上部への侵入
口9より外部へ拡散させる。アブは、この炭酸ガスに引
き寄せられ、傘板11の下底部の侵入口から、透明アク
リル板でできた上部の捕獲室10に侵入するが、捕獲室
10の中から出られず、太陽熱で温度が上昇するため、
熱気で脱水死するというものである。
【0004】しかしながら、このトラップ法による捕獲
器では、捕獲室内に侵入せず、捕獲器の回りに止まっ
て、飛び去るアブが数多く見られ、誘引されたアブの一
部しか捕獲することができないという欠点がある。ま
た、このトラップ法による捕獲器は、それほど安価なも
のとは言えないものであった。さらに、捕獲室内に侵入
したアブが逃亡しにくいように戻りがついているもの
の、捕獲室内に侵入したアブが一部逃亡してしまうとい
う問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記従来
の問題点を解消するため、鋭意検討を重ねた。その過程
において、本発明者は、誘引されたアブは、止まった場
所が生物の皮膚でなくとも針状の口器を刺し、刺口を舐
めるという性質があることに着目し、これを利用して、
従来の捕獲室に閉じ込める方法とは違い、毒餌を塗布し
た軟質材を用い、アブを死滅させることで、上記従来の
課題の解決に成功したものである。アブにとって吸血行
動の持続は、針状の口器が容易に刺入できるかどうかで
決まり、刺入できれば、蠅と同様にスポンジ状の口で舐
める習性を有していることから、軟質材と毒餌を組み合
わせた誘引板を用いることにより、有効にアブを防除す
ることができることを見出したものである。
【0006】すなわち、本発明は、上記従来の問題点を
解消し、牛白血病を媒介するなど、牛の嫌うアブを効率
良く、しかも安価に捕獲しうる捕獲器を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、毒餌
の付着又は浸透せしめられた軟質材からなる誘引板を有
するアブ捕獲器を提供するものである。
【0008】以下、本発明を図面により詳細に説明す
る。第1図は、本発明のアブ捕獲器の一態様を示す斜視
図である。また、第2図は、本発明のアブ捕獲器におけ
る誘引板の断面図である。
【0009】本発明のアブ捕獲器は、毒餌2の付着又は
浸透せしめられた軟質材1からなる誘引板Aを有するも
のである。誘引板Aは、アブに吸血行動を取らせ、かつ
持続させるような軟質材からなるものであればよく、特
に制限はないが、表面状態や硬さが牛体にできるだけ近
いものを選択することが好ましい。このような軟質材と
しては、例えばベニヤ板などの木質板からなるものの
他、紙状のもの、スポンジ状のもの、布状のもの、皮状
のものなどを挙げることができ、アブの刺し易さやコス
トなどを考慮すると、特にベニヤ板などの木質板からな
るものを用いることが好ましい。
【0010】毒餌2は、文字通りアブにとって毒となる
ものと餌となるものとを組み合わせたものであり、例え
ば殺虫剤に砂糖水を添加したものが挙げられる。殺虫剤
のみのように毒だけを用いたのでは、アブに吸血行動を
とらせにくく、また吸血行動を持続させにくい。殺虫剤
としては、有機リン系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、
塩素系殺虫剤などがあるが、刺激臭が弱く、アブが吸血
行動に移る割合が高いことなどから特に有機リン系殺虫
剤が好ましい。後記する実施例で使用した有機リン系殺
虫剤(市販名:アルファクロン、三菱化成製)によれ
ば、10秒間吸血行動が続けば、アブは痙攣を起こして
死亡する。アブにとって致死量の殺虫剤を短時間に誤飲
させることが必要である。殺虫剤の殺虫効果を維持さ
せ、誘引板Aへの展着効果を上げる目的で、必要に応じ
て適当な添加剤を選択することもできる。
【0011】本発明のアブ捕獲器は、このような毒餌2
が付着又は浸透せしめられた軟質材からなる誘引板Aを
有するものである。毒餌2の軟質材1への付着又は浸透
は、例えば殺虫剤に砂糖を加え、水で溶かしたものを、
刷毛等で軟質材1に塗布することによる他、殺虫剤に砂
糖を加え、水で溶かしたものの中に軟質材1を浸漬する
ことなどにより行なえばよい。誘引板Aは、1枚のみで
あってもよいが、通常は軟質材1を複数組み合わせて用
い、特に図示したように十字状に4枚組み合わせるな
ど、多角形状に組み合わせたものを用いるのが最も効率
的である。また、誘引板Aは、金属製の枠材など(図示
していない)により補強してもよい。さらに、誘引板A
は、必要に応じて建物に取付けてもよいし、車などに取
付けてもよい。
【0012】本発明のアブ捕獲器は、毒餌2の付着又は
浸透せしめられた軟質材1からなる誘引板Aを有するも
のであればよいが、通常はさらに炭酸ガス供給手段を有
するものである。炭酸ガスを誘引剤として使用し、アブ
を呼び寄せるわけである。炭酸ガス供給手段は、通常
は、ガスボンベ5とゴムホース6よりなるものである。
このような炭酸ガス供給手段は、従来公知のものと同様
のものを使用することができる。さらに、本発明のアブ
捕獲器においては、雨よけ等を目的として、通常、屋根
3が設けられている。屋根3の形状は特に制限はない
が、誘引板Aとして、図示したように十字状に4枚組み
合わせたものを用いた場合には、四角錐の如き、いわば
傘状のものを用いると、雨除けと炭酸ガスの効率の良い
拡散効果が得られるので好ましい。また、屋根3の材質
としても特に制限はないが、通常は透明アクリル板など
を用いればよい。
【0013】本発明のアブ捕獲器は、上記の如き構造を
有するものである。このような本発明のアブ捕獲器は、
軟質材1に、毒餌2を付着又は浸透せしめて誘引板Aを
製作し、必要に応じてこれを複数組み合わせ、さらに炭
酸ガス供給手段や屋根3を組み合わせることにより製作
することができる。炭酸ガス供給手段のうちのゴムホー
ス6は、通常は屋根3の上部から内側に向けて挿入され
る。
【0014】本発明のアブ捕獲器の使用法等について、
第1図に示す本発明のアブ捕獲器の一態様を例にとって
説明すると、まずガスボンベ5よりゴムホース6を介し
て炭酸ガスを屋根3の内側の上部へ放出する。第3図
は、アブの主に頭部の構造を示す説明図である。炭酸ガ
スに誘引されたアブは、誘引板Aにとまり、針状の口器
7を誘引板Aに刺す。誘引板Aは軟質材でできているた
め容易に刺さり、アブは反射的に針状の口器7の後ろに
ある、スポンジ状の下唇8で誘引板Aを舐める。前記し
たように、軟質材Aには、毒餌2が付着又は浸透せしめ
られているため、アブはこれを飲み込んで死に至るもの
である。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 実施例及び比較例 農林水産省家畜改良センター新冠牧場において、第1〜
2図に示す如き本発明のアブ捕獲器(実施例)と、第4
図に示す如き従来のトラップ法による捕獲器(特公昭5
5−40212号公報参照)(比較例)を用い、気象条
件の良い14日間にわたり捕獲されたアブの種類別捕獲
数を調査した。結果を第1表に示す。本発明のアブ捕獲
器(実施例)としては、第1〜2図に示すように、ベニ
ヤ板で作ったピラミッド型の誘引板Aに、雨除けのアク
リル板(屋根3)を取付け、誘引板Aには毒餌を塗布し
た。毒餌としては、誘引板1平方メートル当たり、有機
リン系殺虫剤(市販名:アルファクロン、三菱化成製)
35gに、上白糖46gを加え、60mlの水で溶かし
たものを刷毛で塗布した。誘引板の総面積は6平方メー
トルであった。また、両方の捕獲器共に、炭酸ガスは1
分間に1500〜2000mlの割合で出るように、ゴ
ムホース6の先端に注射針を刺し、気圧は1.5気圧に
調整した。さらに、条件をできるだけ同じにするため、
両方の捕獲器の間口を同じ120cmとした。両方の捕
獲器を10m離して設置し、炭酸ガスはボンベから分岐
管を通じて両方の捕獲器へ同一量が流れるようにした。
ガスの放出時間は8時30分〜16時00分とし、捕獲
されたアブの回収は、ガス放出停止後、直ちに実施し
た。アブの分類は、「原色昆虫図鑑」(北陸館)及び
「アブの分類、生態とその対策」(早川博文、動薬研
究、No.23〜39)に基づき実施した。
【0016】
【表1】
【0017】第1表の結果によれば、本発明のアブ捕獲
器(実施例)は、従来のトラップ法による捕獲器(比較
例)に比べて、約2.76倍もアブの捕獲数が多いこと
が分かる。また、本発明のアブ捕獲器(実施例)によれ
ば、約10秒間吸血行動が続くと、約20秒間でアブは
痙攣を起こして落下し、その後数秒で死亡した。なお、
本発明のアブ捕獲器(実施例)による捕獲割合は、設置
場所におけるアブの棲息数(シロフアブが圧倒的に多
く、次にゴマフアブ、ホルバートアブ、ウシアブなどの
棲息数が多い)にほぼ応じたものと考えられる。なお、
大型種であるアカウシアブについては、比較例の方が実
施例よりも5倍も多く捕獲することができたが、これは
アカウシアブが背部に好んで寄生するため、第1〜2図
に示す如き構造の本発明のアブ捕獲器(実施例)より
も、牛の背中に近い形状の休息台を有する従来のトラッ
プ法による捕獲器(比較例)の方がより寄生しやすいた
めと考えられるので、構造について再度検討すればよい
と考えられる。
【0018】アブについては、これまで動物の出す呼気
に含まれる炭酸ガスにより引き寄せられ、近くでは視覚
及び臭覚により寄生相手を識別することから、ベニヤ板
のような動物以外のものには吸血行動をとらないと考え
られてきた。しかしながら、今回の試験で炭酸ガスに引
き寄せられたアブは、付着した場所が動物の皮膚以外の
ものであっても、反射的に直ちに吸血行動に移ることが
確認された。
【0019】
【発明の効果】本発明のアブ捕獲器は、アブの捕獲(防
除)効率が良く、従来の方法では捕獲器の外側に止まる
だけで、捕獲器内に侵入しないようなアブをも防除する
ことができる。すなわち、本発明のアブ捕獲器によれ
ば、飛来したアブが牛と誤認して吸血行動をとった時点
で毒殺することができるため、付着したアブの殆どを殺
すことができる。また、本発明のアブ捕獲器は、構造が
簡単であるため、持ち運びや組み立てなど、設置が簡単
になる。次に、本発明のアブ捕獲器によれば、アブ防除
の費用を低減することができる。すなわち、本発明のア
ブ捕獲器は構造が簡単であることから、製作費が安く、
防除にかかる費用が安くなる。さらに、本発明のアブ捕
獲器によれば、アブの数を減らすことができる。すなわ
ち、本発明のアブ捕獲器によれば、これまで逃していた
アブを捕獲することができるため、アブの棲息数が減
り、また、逃げて繁殖する数も減ることから、長期間の
使用により著しくアブの棲息数を減らすことができる。
従って、本発明によれば、アブを有効に防除し、牛白血
病の蔓延を有効に防止することが可能である。本発明
は、殺虫剤の空中散布のような棲息する全ての生物を殺
すような方法や、残留が懸念される家畜への直接的な殺
虫剤の使用に比べて、同じ殺虫剤を使用するものではあ
るが、環境にも優しく、広く利用されることが期待され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明のアブ捕獲器の一態様を示す
斜視図である。
【図2】第2図は、本発明のアブ捕獲器における誘引板
の断面図である。
【図3】第3図は、アブの主に頭部の構造を示す説明図
てある。
【図4】従来のトラップ法による捕獲器(比較例)の態
様を示す斜視図である。
【符号の説明】
A 誘引板 1 軟質材 2 毒餌 3 屋根 5 ガスボンベ 6 ゴムホース 7 アブの口器 8 アブの下唇 9 侵入口 10 捕獲室 11 傘板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毒餌の付着又は浸透せしめられた軟質材
    からなる誘引板を有するアブ捕獲器。
  2. 【請求項2】 炭酸ガス供給手段を有する請求項1記載
    のアブ捕獲器。
JP6219641A 1994-08-23 1994-08-23 アブ捕獲器 Expired - Lifetime JP2685088B2 (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0640637B2 (ja) * 1985-03-28 1994-05-25 富士通株式会社 多重化システム
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US20170086447A1 (en) * 2014-09-16 2017-03-30 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Carbon dioxide source for arthropod vector surveillance

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