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JPH0851599A - 画像情報変換装置 - Google Patents

画像情報変換装置

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JPH0851599A
JPH0851599A JP20593494A JP20593494A JPH0851599A JP H0851599 A JPH0851599 A JP H0851599A JP 20593494 A JP20593494 A JP 20593494A JP 20593494 A JP20593494 A JP 20593494A JP H0851599 A JPH0851599 A JP H0851599A
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Japan
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data
circuit
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JP20593494A
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Masashi Uchida
真史 内田
Tetsujiro Kondo
哲二郎 近藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Television Systems (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 供給された画像信号を、より解像度の高い画
像信号へ変換することができる。 【構成】 領域分割化回路2へ供給されたSD画像が所
定の領域に分割され、ADRC回路3と遅延回路8へ供
給される。同様にSD画像が供給された領域分割化回路
4は、領域分割化回路2より大きい範囲に領域が分割さ
れ、動きクラス決定回路5へ供給される。クラスコード
発生回路6では、ADRC回路3から領域のパターン
と、動きクラス決定回路5から動きクラスmv-classとが
供給され、統合され最終的なクラスコードclass が発生
する。ROMテーブル7では、クラスコード発生回路6
から供給されたクラスコードclass に基づいて、係数デ
ータが読み出され、推定演算回路9へ供給される。推定
演算回路9では、供給された係数データと画素値から垂
直補間がなされる。同様に水平補間フィルタ10におい
て、水平補間が行われ、HD画像が取り出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、テレビジョ
ン受像器やビデオテープレコーダ装置等に用いて好適な
画像情報変換装置に関し、特に、外部から供給される通
常の解像度の画像情報を高解像度の画像情報へ変換して
出力するような画像情報変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日において、オーディオ・ビジュアル
指向の高まりから、より高解像度の画像を得ることが出
来るようなテレビジョン受像器の開発が望まれ、この要
望に応えて、いわゆるハイビジョン方式が開発された。
このハイビジョン方式は、いわゆるNTSC方式に規定
される走査線数が525本なのに対して、2倍以上の1
125本となっているうえ、表示画面の縦横比もNTS
C方式が3:4に対して、ハイビジョン方式は9:16
と広角画面になっている。このため、高解像度で臨場感
のある画面を得ることができるようになっている。
【0003】ここで、このような優れた特性を有するハ
イビジョン方式ではあるが、NTSC方式の映像信号を
そのまま供給しても画像表示を行うことはできない。こ
れは、上述のようなNTSC方式とハイビジョン方式と
では規格が異なるためである。このため、NTSC方式
の映像信号に応じた画像をハイビジョン方式で表示しよ
うとする場合、従来は、例えば図9に示すような画像情
報変換装置を用いて映像信号のレート変換を行ってい
た。
【0004】図9において、従来の画像情報変換装置
は、入力端子41を介して供給されるNTSC方式の映
像信号に対して、水平方向の補間処理を行う水平補間フ
ィルタ42と、水平方向の補間処理の行われた映像信号
に対して、垂直方向の補間処理を行う垂直補間フィルタ
43とから構成され、出力端子44からハイビジョン方
式の映像信号を得ることができる。
【0005】具体的には、水平補間フィルタ42は、図
10に示すような構成を有しており、入力端子41を介
して供給される映像方式の映像信号は、入力端子51を
介して第1〜第mの乗算器52〜52m にそれぞれ供給
される。各乗算器52は、映像信号に係数データを乗算
して出力する。係数データの乗算された映像信号は、そ
れぞれ第1〜第mの加算器53〜53m-1 へ供給され
る。各加算器53〜53m-1 の間には、それぞれ時間T
の遅延レジスタ54〜54m が設けられる。そして、第
mの乗算器52m から出力された映像信号は、第mの遅
延レジスタ54mにより時間Tの遅延が施され、第m−
1の加算器53m-1 へ供給される。
【0006】第m−1の加算器53m-1 は、第mの遅延
レジスタ54m からの時間Tの遅延時間の施された映像
信号と、第m−1の乗算器52m-1 からの映像信号とを
加算処理して出力する。この加算処理の施された映像信
号は、第m−1の遅延レジスタ54m-1 により再度、時
間Tの遅延が施され、図示しない第m−2の加算器53
m-2 において、同じく図示しない第m−2の乗算器53
m-2 からの映像信号と加算処理される。水平補間フィル
タ42は、このようにしてNTSC方式の映像信号が出
力端子55を介して垂直補間フィルタ43へ供給する。
【0007】垂直補間フィルタ43は、上述した水平補
間フィルタ42と同様の構成を有しており、水平補間処
理の行われた映像信号に対して、垂直方向の画素の補間
を行う。これにより、NTSC方式の映像信号に対し
て、垂直方向の画素の補間が行われる。このような変換
のなされたハイビジョン方式の映像信号は、ハイビジョ
ン受像器へ供給される。これにより、NTSC方式の映
像信号に応じた画像をハイビジョン受像器で表示するこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の画像情報変換装置は、NTSC方式の映像信号を
基にして、単に水平方向、および垂直方向の補間を行っ
ているに過ぎないため、解像度は基となるNTSC方式
の映像信号と何ら変わらなかった。特に、通常の動画を
変換対象とした場合、垂直方向の補間は、フィールド内
処理で行うのが一般的であるが、図9に示す画像変換の
場合、画像のフィールド間相関を有していないため、画
像静止部においては、変換ロスのためNTSC方式の映
像信号よりむしろ解像度が劣化する欠点があった。
【0009】これに対し、入力信号である画像信号レベ
ルの3次元(時空間)分布に応じてクラス分割を行い、
クラス毎に予め学習により獲得された予測係数値を格納
した記憶手段を持ち、予測式に基づいた演算により最適
な推定値を出力する、というものがある。
【0010】この手法は、HD(High Definition )画
素を創造する場合、創造するHD画素の近傍にある、垂
直方向に連続する同一フレーム内のSD(Standerd Def
inition )画素をクラス分割し、それぞれのクラス毎に
予測係数値を学習により獲得することで、画像静止部に
おいてはフレーム内相関、また動き部においてはフィー
ルド内相関を利用して、より真値に近いHD画素を得
る、というような巧妙なものである。
【0011】例えば、図11において、SD画素x1
6 をクラス分類に用いた場合、SD画素x1 〜x6
対して、2ビットADRCを行った結果の量子化データ
がそれぞれ順に3、0、3、0、3、0であった場合、
その部分は動き画像である可能性が極めて高い。すなわ
ち、創造するべきHD画素y周辺の画像は動いている可
能性が高い。そこで、画像信号変換装置では、時間的に
等しいデータの中で空間位置の近いSD画素x2 とSD
画素x4 に重きをおいて、HD画素yを創造する。
【0012】一方、SD画素x1 〜x6 に対して、2ビ
ットADRCを行った結果の量子化データがそれぞれ順
に、3、3、2、2、1、0であった場合、その部分は
静止画像である可能性が高い。そこで、画像信号変換装
置では、時間的位相にかかわらず、空間位置の近いSD
画素x2 とSD画素x4 に重きをおいて、HD画素yを
創造する。この際、クラス分類は、動きのある/なし、
のみならず、創造するHD画素近傍の信号波形をも表現
し、それぞれの波形において、最適となるような予測係
数値を出力することも大きな特長である。
【0013】この手法によれば、静止/動き、の切り換
わりも実際の画像を用いて学習することにより滑らかに
表現できるので、従来の動き適応方式のように静止/動
きの切り換わりによる不自然さの発生を大幅に減少させ
ることができる。
【0014】しかしながら、上述の手法は、有限個のク
ラス分割により、動き情報と空間内の波形の二つを表現
する必要があり、クラスによっては、本来なら分離する
べきパターンが一つのクラス内に混在してしまう場合が
あった。
【0015】例えば、上述のSD画素x1 〜x6 に対し
て、2ビットADRCを行った結果の量子化コードがそ
れぞれ順に3、0、3、0、3、0であった場合、上述
のように、このパターンの場合その部分が動き画像であ
る確率が極めて高いのであるが、稀に空間的な周波数が
高い場合、動きがなくてもこのようなパターンが出現す
ることがある。この場合は、細かい横縞パターンがそれ
にあたる。このような場合、静止している細かい横縞パ
ターンに対しても動画向けの処理、すなわち時間的に等
しい位相の中で、空間的に近いデータを用いて変換を行
う、しかしながら、これにより解像度が劣化することが
あった。
【0016】これに対し、特願平5−172617号に
記載された画像信号変換装置では、3フィールド分のデ
ータを用いて、空間的に同一の位置にあるデータの値を
利用して、クラス分類を行う、というものがある。これ
は、例えば図12に示すように、SD画素x1 〜x6
加え、SD画素x3 と空間的に同一位置にあるSD画素
7 をも加えてクラス分類する、というものである。
【0017】この手法によれば、SD画素x1 〜x6
量子化したデータのパターンによる動き表現に加えSD
画素x1 とSD画素x7 を量子化したデータによる動き
表現を利用することが出来る。すなわち、図12におい
て、SD画素x1 とSD画素x7 の差分値が小さい場合
は、創造するべきHD画素y周辺の画像は静止している
可能性が高い。そこで、上述の画像信号変換装置では、
空間位置の近いSD画素x1 とSD画素x2 に重きをお
いて、HD画素yを創造する。一方、SD画素x1 とS
D画素x7 の差分値が大きい場合は、創造するべきHD
画素y周辺の画像は動いている可能性が高い。そこで、
上述の画像信号変換装置では、時間的に近いSD画素x
3 とSD画素x4 に重きをおいて、HD画素yを創造す
る。
【0018】しかしながら、空間的に同一位相にあるS
D画素データが一組だけでは、動きの種類、あるいはノ
イズ等の影響により、誤動作が発生しやすいため、より
性能の向上を求める為には、2組以上の空間的に同一位
相にあるSD画素データを使うことが望ましい。
【0019】また、すばやい動きが画像中にある場合、
例えば画像中の1フィールドにのみ動きが介入した場
合、上述の手法では、検出が原理的に困難な場合があ
る。すなわち、図12中の#(k+1)フィールドのみ
動き物体が通過した場合、SD画素x1 とSD画素x7
の差分値が小さいため、そのパターンに対しては、静止
寄りの処理がなされることになる。したがって、この意
味からは、空間的に同一位相にあるSD画素データの組
が時間的に異なった組合せで存在することが望ましい。
【0020】この対策としてクラス分割に用いる画素数
を増やして、クラス数を増加させることにより、復元画
像の品質劣化を低減する、という手法も考えられる。例
えば、SD画素x3 と空間的に同一位置にあるSD画素
7 、のみならず、図13に示すように、SD画素x2
と空間的に同一位置にあるSD画素x8 、SD画素x4
と空間的に同一位置にあるSD画素x9 を加えるなどと
いう手法が考えられる。この手法によれば、空間的に同
一位相にあるSD画素データの組が増加するため、パタ
ーンによる動き判定の性能は向上する。
【0021】しかしながら、追加した3画素の量子化を
例えば、他の画素と同様に2ビットADRCを行ったと
すると、図11に示すオリジナルの方式に比べ、クラス
数は64倍となり、結果的にクラス数が非常に大きなも
のになってしまい、その結果ハードウェア規模の増加を
招き、現実性に乏しい。
【0022】したがって、この発明の目的は、上述の問
題点を鑑みてなされたものであり、解像度を向上させて
NTSC方式の映像信号をハイビジョン方式の映像信号
へ変換することが出来るような画像情報変換装置を提供
することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明は、ディジタル
画像信号を、より画素数の多いディジタル画像信号へ変
換するようにした画像情報変換装置において、外部から
供給された画像情報を同一フレーム内データからなる複
数のブロックに分割する第1の画像情報分割手段と、第
1の画像情報分割手段により分割されたブロック毎にレ
ベル分布のパターンが検出され、検出されたパターンに
基づいて、ブロック毎に属するクラスを決定することに
より、クラス検出情報を出力するクラス検出手段と、外
部から供給された画像情報を空間的に同位置の複数のフ
レーム間データからなる複数のブロックに分割する第2
の画像情報分割手段と、第2の画像情報分割手段により
分割されたブロック毎にフレーム間差分の絶対値の平均
値が算出され、予め設定されたしきい値に基づいて、動
きを表すクラスを決定することにより、動きクラス検出
情報を出力する動きクラス検出手段と、クラス検出手段
と動きクラス検出手段の情報を統合して最終的なクラス
を決定するクラスコード発生手段と、外部から供給され
た画像情報を、画像情報よりも高い解像度の画像情報へ
変換するための情報である推定式の係数データがクラス
毎に記憶され、クラスコード発生手段からのクラスに応
じて係数データを出力する係数データ記憶手段と、係数
データ記憶手段からの係数データに応じて、外部から供
給された画像情報が画像情報よりも高い解像度の画像情
報へ変換され、出力する画像変換手段とを有することを
特徴とする画像情報変換装置である。
【0024】
【作用】この発明に係る画像情報変換装置は、入力SD
信号を画像情報分割手段により、垂直方向に連続する同
一フレーム内の複数の画素からなる複数の領域に分割さ
れ、それぞれの領域毎に画像情報のレベル分布のパター
ンが検出され、この検出されたパターンに基づいて、そ
の領域の画像情報が属するクラスを決定してクラス検出
情報を出力する。さらに、異なる種類の画像情報分割手
段により、複数のフレーム間データの組合せに分割さ
れ、それぞれの領域毎に空間的に同一位置にあるフレー
ム間差分の絶対値が算出され、予め設定したしきい値に
より動きの程度を示すクラスが決定され、クラス検出情
報が出力される。上述の2つのクラスをクラスコード発
生手段により統合し、最終的なクラスとして出力する。
係数データ記憶手段には、外部から供給された画像情報
を、この画像情報よりも高い解像度の画像情報へ変換す
るための情報である線形推定式の係数データがクラス毎
に記憶されており、この係数データがクラス検出情報に
応じて出力される。そして、画像情報変換手段では、係
数データ記憶手段から供給された係数データに応じて、
外部から供給された画像情報を、外部から供給された画
像情報よりも高い解像度の画像情報へ変換される。
【0025】
【実施例】以下、この発明に係る画像信号変換装置の一
実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。図
1は、この一実施例、すなわち画像信号変換装置の信号
処理の概略的構成を示す。1で示す入力端子は、外部か
ら供給される画像情報として、例えばいわゆるNTSC
方式の映像信号がディジタル化されたSD画素として供
給される。
【0026】この実施例における、SD画素と創造する
べきHD画素の位置関係は、図2に示す。すなわち、創
造するべきHD画素には、同一フィールド内で見たと
き、SD画素から近い位置に存在するHD画素y1 とS
D画素から遠い位置に存在するHD画素y2 の2種類が
ある。以降、SD画素から近い位置に存在するHD画素
1 を推定するモードをモード1と称し、SD画素から
遠い位置に存在するHD画素y2 を推定するモードをモ
ード2と称する。
【0027】領域分割化回路2では、入力端子1より供
給されたSD画像信号を複数の領域に分割する。この実
施例では、創造するべきHD画素の同一フレーム内の例
えば上下各3画素ずつのSD画素を1画素×6ラインの
計6画素からなる領域に分割する。
【0028】モード1に関しては、図3におけるHD画
素y1 に対する、SD画素x1 、x2 、x3 、x4 、x
5 、x6 がその領域にあたる。この領域をブロック1と
呼ぶことにする。モード2に関しては、図4におけるH
D画素y2 に対する、SD画素x1 、x2 、x3 、x
4 、x5 、x6 がその領域にあたる。この領域をブロッ
ク2と呼ぶことにする。
【0029】領域分割化回路2によりブロック化された
データが、ADRC回路3、および遅延回路8へ供給さ
れる。遅延回路8は、ADRC回路3、クラスコード発
生回路6、ROMテーブル7の処理に必要な時間だけデ
ータを遅延させて、推定演算回路9に出力する。
【0030】ADRC回路3は、領域毎に供給されるS
Dデータの1次元的、あるいは2次元的なレベル分布の
パターンを検出すると共に、上述のように各領域のデー
タを、例えば8ビットのSDデータから2ビットのSD
データへ圧縮するような演算を行うことによりパターン
圧縮データを形成し、このパターン圧縮データをクラス
コード発生回路6へ供給する。
【0031】本来、ADRC(Adaptive Dynamic Range
Coding )は、VTR(Video TapeRecoder)向け高能
率符号化用に開発された適応的再量子化法であるが、信
号レベルの局所的なパターンを短い語長で効率的に表現
できるので、この発明の実施例では、信号パターンのク
ラス分類のコード発生に使用している。ADRC回路
は、領域内のダイナミックレンジをDR、ビット割当を
n、領域内画素のデータレベルをL、再量子化コードを
Q、として以下の式(1)により、領域内の最大値MA
Xと最小値MINとの間を指定されたビット長で均等に
分割して再量子化を行う。
【0032】 DR=MAX−MIN+1 Q={(L−MIN+0.5)×2/DR} (1) ただし、{ }は切り捨て処理を意味する。
【0033】この実施例では、領域分割化回路2により
分割されたそれぞれ6画素のSDデータを各2ビットに
圧縮するものとする。圧縮されたSDデータをそれぞれ
1〜q6 とする。
【0034】一方、入力端子1から供給されたSD画像
信号は、領域分割化回路4にも供給される。領域分割化
回路4においても、供給されたSD画像信号を複数の領
域に分割する。この実施例では、供給されたSD画像信
号から、創造するべきHD画素の前フレーム内の例えば
上下3画素ずつのSD画素を1画素×6ラインの計6画
素からなる領域に分割し、創造するべきHD画素と同一
フレーム内の例えば上下3画素ずつのSD画素を1画素
×6ラインの計6画素からなる領域に分割する。
【0035】すなわち、モード1に関しては、図5にお
けるHD画素y1 に対する前フレームのSD画素m1
6 、および同一フレームのSD画素n1 〜n6 がその
領域にあたる。モード2に関しては、図6におけるHD
画素y1 に対する前フレームのSD画素m1 〜m6 、お
よび同一フレームのSD画素n1 〜n6 がその領域にあ
たる。
【0036】領域分割回路4により切り出されたデータ
が、動きクラス決定回路5へ供給される。動きクラス決
定回路5では、領域毎に供給されるSDデータの差分が
算出され、算出された差分に対して絶対値処理が行われ
る。絶対値処理が行われたSDデータの平均値param を
算出し、その平均値param に対してしきい値処理がなさ
れることにより、動きの指標である動きパラメータが算
出され、算出された動きパラメータから動きクラスmv-c
lassが決定される。決定された動きクラスmv-classは、
クラスコード発生回路6へ供給される。具体的には、動
きクラス決定回路5は以下の式(2)により、供給され
るSDデータの差分の絶対値の平均値param を算出す
る。
【0037】
【数1】 ただし、この実施例では、n=6である。
【0038】上述の手法で算出したSDデータの差分の
絶対値の平均値param が予め設定されたしきい値によ
り、このSDデータの差分の絶対値の平均値param を用
いて動きクラスmv-classが決定される。例えば、この実
施例では、動きクラスmv-classを4つ設けるとし、平均
値param と動きクラスmv-classを図7に示すように設定
する。
【0039】クラスコード発生回路6では、ADRC回
路3から供給されるパラメータ圧縮データ、および動き
クラス決定回路5から供給される動きクラスmv-classに
基づいて以下の式(3)の演算が行われることにより、
そのブロックが属するクラスが検出され、そのクラスを
示すクラスコードclass がROMテーブル7へ供給され
る。このクラスコードclass は、ROMテーブル7から
の読み出しアドレスを示す。
【0040】
【数2】 この実施例では、nは6、Pは2である。
【0041】ROMテーブル7には、SDデータのパタ
ーンとHDデータの関係を学習することにより、線形推
定式を用いて、SDデータに対応するHDデータを算出
するための係数データが各クラス毎に記憶されている。
これは、線形推定式によりSDデータをこの画像情報よ
りも高い解像度の画像情報である、いわゆるハイビジョ
ン方式の規格に合致したHDデータへ変換するための情
報である。この実施例においては、係数データは、モー
ド1とモード2で独立に用意される。なお、ROMテー
ブル7に記憶されている係数データの作成方法について
は後述する。ROMテーブル7からは、クラスコードcl
ass で示されるアドレスから、そのクラスの係数データ
であるwi (class )が読み出される。この係数データ
は、推定演算回路9へ供給される。
【0042】推定演算回路9では、遅延回路8を介し
て、領域分割化回路2から供給されるSDデータ、およ
びROMテーブル7から供給される係数データであるw
i (class )に基づいて、入力されたSDデータに対応
するHDデータが算出される。
【0043】より具体的には、推定演算回路9は、遅延
回路8より供給されたSDデータとROMテーブル7か
ら供給された係数データにより、モード1に関してはブ
ロック1用の係数データを用いて、モード2に関しては
ブロック2の係数データを用いて、係数データであるw
i (class )に基づいて、それぞれ以下の式(4)に示
す演算を行うことにより、入力されたSDデータに対応
するHDデータを算出する。作成されたHDデータは水
平補間フィルタ10へ供給される。
【0044】 hd´=w11 +w22 +w33 +w44 +w55 +w66 (4)
【0045】水平補間フィルタ10は、図9の水平補間
フィルタ42と同一なもので、補間処理により水平方向
の画素数を2倍にするのもである。水平補間フィルタ1
0の出力は、出力端子11を介して出力される。この出
力端子11を介して出力されるHDデータは、例えばH
D用のテレビジョン受像器やHD用のビデオテープレコ
ーダ装置等に供給される。
【0046】このように、SDデータに対応するHDデ
ータを推定するための係数データが各クラス毎に予め学
習により求められた上で、ROMテーブル7に記憶して
おき、入力されるSDデータ、およびROMテーブル7
から読み出された係数データに基づいて演算が行われ、
入力されたSDデータに対応するHDデータを形成して
出力することにより、入力されるSDデータを単に補間
処理したのとは異なり、実際のHDデータにより近いデ
ータを出力することが出来る。
【0047】続いて、ROMテーブル7に格納される係
数データの作成方法(学習)について図8を用いて説明
する。係数データを学習によって得るためには、まず、
既に知られているHD画像に対応した、HD画像の1/
4の画素数のSD画像を形成する。具体的には、図8に
示す理想フィルタ回路により、入力端子21を介して供
給されるHDデータの垂直方向の画素が垂直間引きフィ
ルタ22によりフィールド内の垂直方向の周波数が1/
2になるように間引き処理され、さらに水平間引きフィ
ルタ23により、HDデータの水平方向の画素が間引き
処理されることにより、SDデータを得る。垂直間引き
フィルタ23により得られたSDデータは、領域分割化
回路24へ供給される。
【0048】領域分割化回路24では、水平間引きフィ
ルタ23より供給されたSD画像信号を複数の領域に分
割する。具体的には、領域分割化回路24は、先に説明
した領域分割化回路2と同一の働きをするものである。
この実施例では、領域分割化回路2と同じく、各6画素
からなる領域に分割する。すなわち、モード1に対して
はブロック1の領域の領域分割を行い、モード2に関し
ては、ブロック2の領域分割を行う。この領域毎のSD
データがADRC回路25、および正規方程式加算回路
29へ供給される。
【0049】ADRC回路25では、領域毎に供給され
るSDデータの1次元的、あるいは2次元的なレベル分
布のパターンが検出されると共に、上述のように各領域
の全てのデータ、あるいは一部のデータを、例えば8ビ
ットのSDデータから2ビットのSDデータに圧縮する
ような演算が行われることによりパターン圧縮データを
形成し、このパターン圧縮データがクラスコード発生回
路28へ供給される。ADRC回路25は、先に説明し
たADRC回路3と同一のものである。この実施例で
は、領域分割化回路24により分割された6画素からな
る各領域のSDデータ(図3、図4におけるSD画素x
1 〜x6 )をADRCを行い各2ビットへ圧縮するもの
とする。
【0050】一方、水平間引きフィルタ23より供給さ
れたSD画素信号は、領域分割化回路26にも供給され
る。具体的には、領域分割化回路26は、先に説明した
領域分割化回路4と同一の働きをするものである。領域
分割化回路26により切り出されたSDデータは、動き
クラス決定回路27へ供給される。動きクラス決定回路
27は、具体的には、先に説明した動きクラス決定回路
5と同一の動きをするものである。動きクラス決定回路
27で決定された動きクラスmv-classは、クラスコード
発生回路28へ供給される。
【0051】クラスコード発生回路28は、先に説明し
たクラスコード発生回路6と同一のものであり、ADR
C回路25から供給されるパターン圧縮データ、および
動きクラス決定回路27から供給された動きクラスmv-c
lassに基づいて、式(2)の演算が行われることによ
り、そのブロックの属するクラスが検出され、そのクラ
スを示すクラスコードを出力するものである。クラスコ
ード発生回路28は、クラスコードを正規方程式加算回
路29へ出力する。
【0052】ここで、正規方程式加算回路29の説明の
ために、複数個のSD画素からHD画素への変換式の学
習とその予測式を用いた信号変換について述べる。以下
に、説明のために学習をより一般化してn画素による予
測を行う場合について説明する。SD画素レベルをそれ
ぞれx1 、‥‥、xn として、それぞれにpビットAD
RCを行った結果の再量子化データをq1 、‥‥、qn
とする。
【0053】このとき、この領域のクラスコードclass
を式(2)で定義する。上述のようにSD画素レベルを
それぞれ、x1 、‥‥、xn とし、HD画素レベルをy
としたとき、クラス毎に係数データw1 、‥‥、wn
よるnタップの線形推定式を設定する。これを式(5)
に示す。学習前は、wi が未定係数である。
【0054】 y=w11 +w22 +‥‥+wn n (5)
【0055】学習は、クラス毎に複数の信号データに対
して行う。データ数がmの場合、式(5)にしたがっ
て、以下に示す式(6)が設定される。
【0056】 yk =w1k1+w2k2+‥‥+wn kn (6) (k=1,2,‥‥m)
【0057】m>nの場合、係数データwi 、‥‥wn
は、一意に決まらないので、誤差ベクトルeの要素を以
下の式(7)で定義して、式(8)を最小にする係数デ
ータを求める。いわゆる、最小自乗法による解法であ
る。
【0058】 ek =yk −{w1k1+w2k2+‥‥+wn kn} (7) (k=1,2,‥‥m)
【0059】
【数3】
【0060】ここで、式(8)のwi による偏微分係数
を求める。それは以下の式(9)を`0' にするよう
に、各wi を求めればよい。
【0061】
【数4】
【0062】以下、式(10)、(11)のように
ij、Yi を定義すると、式(9)は、行列を用いて式
(12)へ書き換えられる。
【0063】
【数5】
【0064】
【数6】
【0065】
【数7】
【0066】この方程式は、一般に正規方程式と呼ばれ
ている。正規方程式加算回路29は、クラスコード発生
回路28から供給されたクラスコードclass 、領域分割
化回路24より供給されたSD画素x1 、‥‥、xn
入力端子21より供給された、SDデータに対応するH
D画素yを用いて、この正規方程式の加算を行う。
【0067】全ての学習用のデータの入力が終了した
後、正規方程式加算回路29は、予測係数決定回路30
に正規方程式データを出力する。予測係数決定回路30
は、正規方程式を掃き出し法等の一般的な行列解法を用
いて、wi について解き、予測係数を算出する。予測係
数決定回路30は、算出された予測係数をメモリ31に
書き込む。
【0068】以上のように学習を行った結果、メモリ3
1には、量子化データq1 、‥‥、q6 で規定されるパ
ターン毎に、注目HD画素yを推定するための、統計的
にもっとも真値に近い推定が出来る予測係数が格納され
る。このメモリ31に格納されたテーブルが、上述のよ
うに、この発明の画像信号変換装置において、使用され
るROMテーブル7である。以上の処理により、線形推
定式により、SDデータからHDデータを作成するため
の係数データの学習が終了する。
【0069】なお、この実施例の説明では、情報圧縮手
段として、ADRCを設けることにしたが、これはほん
の一例であり、信号波形のパターンを少ないクラスで表
現できるような情報圧縮手段であれば何を設けるかは自
由であり、例えば、DPCM(予測符号化)、VQ(ベ
クトル量子化)等の圧縮手段を用いても良い。
【0070】さらに、この実施例の説明では、簡単のた
め、水平方向のアップコンバージョンに水平補間フィル
タ10を用いたが、この代わりに、水平方向アップコン
バージョン用のROMを用意し、水平方向のアップコン
バージョンにおいても推定式を用いたこの発明を採るこ
とも勿論可能である。
【0071】さらに、この実施例の説明では、領域分割
化回路4により、信号波形のパターンを1次元的に分割
して表現したが、2次元的な分割にしても良い。
【0072】さらに、この実施例の説明では、領域分割
化回路5、および動きクラス決定回路6により、1次元
的に分割したSD画像データを用いて、動きクラスmv-c
lassの決定を行っていたが、領域分割を2次元的な分割
にしても良い。むしろ、2次元的なものにするほうが望
ましい。また、今回は簡単のため、領域分割化回路4に
よる領域分割と領域分割化回路5による領域分割は、類
似の領域分割を行ったが本来これらは全く別個のもので
あり、類似の領域分割を行う必要は全くない。
【0073】さらに、この実施例の説明では、クラス分
類に使用するSD画素と、線形推定式で用いるSD画素
を同一のものとしたが、これらは必ずしも同一なもので
ある必要はない。異なる画素を使用する場合、クラス分
類に使用するSD画素を線形推定式で用いるSD画素が
包含するような形にするのが望ましく、また追加して使
用する、線形推定式で用いるSD画素は、推定するHD
画素と同一フィールドに属するもののみとすることが望
ましい。
【0074】
【発明の効果】従来提案されている方式の時空間構造の
クラス分類を行うことによる推定方式は、動きのミスマ
ッチにより推定画像において、破綻が発生することがあ
った。この手法においては、その問題点を軽減するため
には大幅にクラスが増加するという欠点があったが、こ
の発明の手法によれば、クラス数の増加を押さえつつ、
その劣化を大幅に低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る画像情報変換装置の一実施例の
ブロック図である。
【図2】SDデータとHDデータの位置関係を説明する
ための略線図である。
【図3】クラス分割に使用するデータを説明するための
略線図である。
【図4】クラス分割に使用するデータを説明するための
略線図である。
【図5】動きクラス決定に使用するデータを説明するた
めの略線図である。
【図6】動きクラス決定に使用するデータを説明するた
めの略線図である。
【図7】平均値param と動きクラスとの一例の関係を示
す略線図である。
【図8】補正データテーブルを作成する時の説明のため
の略線図である。
【図9】従来の画像情報変換装置のブロック図である。
【図10】従来の画像情報変換装置の要部の回路図であ
る。
【図11】従来の時空間クラス分割方式の問題点を説明
するための略線図である。
【図12】従来の時空間クラス分割方式の問題点を説明
するための略線図である。
【図13】従来の時空間クラス分割方式の問題点を説明
するための略線図である。
【符号の説明】
2、4 領域分割化回路 3 ADRC回路 5 動きクラス決定回路 6 クラスコード発生回路 7 ROMテーブル 8 遅延回路 9 推定演算回路 10 水平補間フィルタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル画像信号を、より画素数の多
    いディジタル画像信号へ変換するようにした画像情報変
    換装置において、 外部から供給された画像情報を同一フレーム内データか
    らなる複数のブロックに分割する第1の画像情報分割手
    段と、 上記第1の画像情報分割手段により分割されたブロック
    毎にレベル分布のパターンが検出され、検出された上記
    パターンに基づいて、上記ブロック毎に属するクラスを
    決定することにより、クラス検出情報を出力するクラス
    検出手段と、 外部から供給された上記画像情報を空間的に同位置の複
    数のフレーム間データからなる複数のブロックに分割す
    る第2の画像情報分割手段と、 上記第2の画像情報分割手段により分割されたブロック
    毎にフレーム間差分の絶対値の平均値が算出され、予め
    設定されたしきい値に基づいて、動きを表すクラスを決
    定することにより、動きクラス検出情報を出力する動き
    クラス検出手段と、 上記クラス検出手段と上記動きクラス検出手段の情報を
    統合して最終的なクラスを決定するクラスコード発生手
    段と、 外部から供給された上記画像情報を、上記画像情報より
    も高い解像度の画像情報へ変換するための情報である推
    定式の係数データが上記クラス毎に記憶され、上記クラ
    スコード発生手段からの上記クラスに応じて上記係数デ
    ータを出力する係数データ記憶手段と、 上記係数データ記憶手段からの上記係数データに応じ
    て、外部から供給された上記画像情報が上記画像情報よ
    りも高い解像度の画像情報へ変換され、出力する画像変
    換手段とを有することを特徴とする画像情報変換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像情報変換装置にお
    いて、 上記第1の画像情報分割手段において、外部から供給さ
    れた上記画像情報を第1のモード、および/または、第
    2のモードのブロックへ分割する第1のモード分割手段
    と、 上記第2の画像情報分割手段において、外部から供給さ
    れた上記画像情報を上記第1のモード分割手段より大き
    い範囲から第1のモード、および/または、第2のモー
    ドのブロックへ分割する第2のモード分割手段とを有す
    ることを特徴とする画像情報変換装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の画像情報変換装置にお
    いて、 上記係数データ発生手段は、クラス毎に上記係数データ
    を格納するメモリ手段を有し、 注目画素の空間的、および/または、時間的に近傍の複
    数の画素の値と上記係数データの線形1次結合によっ
    て、上記注目画素の値を作成した時に、作成された値と
    上記注目画素の真値との誤差を最小とするようなクラス
    毎の上記係数データを予め学習によって求めておくこと
    を特徴とする画像情報変換装置。
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