JPH08278409A - 配向色素膜とその製造方法および偏光素子と液晶表示装置 - Google Patents
配向色素膜とその製造方法および偏光素子と液晶表示装置Info
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- JPH08278409A JPH08278409A JP7082918A JP8291895A JPH08278409A JP H08278409 A JPH08278409 A JP H08278409A JP 7082918 A JP7082918 A JP 7082918A JP 8291895 A JP8291895 A JP 8291895A JP H08278409 A JPH08278409 A JP H08278409A
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Abstract
色素膜とその製造方法およびそれを用いた高コントラス
トで高性能の偏光素子と液晶表示装置を提供する。 【構成】一般式(1)で表される特定の構造を有する少
なくとも1種のポリアゾ系色素材料と一般式(2)で表
される特定の構造を有する少なくとも1種のポリアゾ系
色素材料からなる薄膜であり、これら色素が一軸配向
し、該薄膜が400nm〜800nmの範囲に少なくと
も1種の吸収ピークを持ち、該薄膜の厚みが10nm以
上1μm以下であり、少なくとも1種の該吸収ピーク波
長の二色性比が40以上であることを特徴とする配向色
素膜。 【化1】 Ar1 −N=N−Ar2 −N=N−Ar3 ・・・・・ (1) 【化2】
Description
向色素膜とその製造方法およびそれを用いた偏光素子と
液晶表示装置に関する。詳しくは、複数の種類のポリア
ゾ系二色性色素からなる配向色素膜とその製造方法およ
びこれを用いた高性能の偏光素子と液晶表示装置に関す
る。
CDと記すことがある。)の表示に欠かせないものとし
て広く使用されている。現在、偏光素子は、延伸配向し
たポリビニルアルコール(以下、PVAと記すことがあ
る。)またはその誘導体フィルムにヨウ素や複数の種類
の二色性染料を吸着させることによって製造されてい
る。
光膜は広い波長範囲で初期の偏光性能は優れているが、
水や熱に対して弱く、高温高湿の条件下で長期間使用す
る場合にはその耐久性に問題があった。耐久性を増すた
めに、保護膜等の種々の方策が取られているが十分では
ない。また、染料を吸着させた偏光素子ではヨウ素を吸
着させたものに比べ、水や熱に対する耐久性に優れてい
るが、偏光性能が劣っている。また、この場合複数の種
類の染料を使用して広い波長範囲で偏光性能を確保する
ことが行われる。
れてきている。これらのLCDでは多彩な色を表示する
ために液晶セルに高いコントラスト比が要求される。液
晶セルのコントラスト比を高める一つの有力な方法は使
用する偏光素子の偏光性能を広い波長範囲で向上させる
ことである。
ィルターが用いられている。この場合、偏光素子とカラ
ーフィルターの光吸収のために、透過光量は非常に小さ
い。明るいLCDを得るために強いバックライトを用い
なければならず、液晶セルの温度上昇や消費電力が大き
くなるなどの問題もある。
造するためには、偏光性能が優れ、極めて高い偏光度を
保つことで高いコントラスト比を実現して画質を高める
とともに、バックライトによる温度上昇に耐える耐久性
を有する偏光素子が極めて有用である。
リテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記すこと
がある。)を加熱しながら圧力をかけてガラス基板にこ
すりつけることにより、配向したPTFE薄膜が得られ
ることを示した。これを配向膜としこの膜上でアルカン
類、液晶分子、ポリマー、オリゴマー、無機塩などを配
向させることができることが報告されている〔ネイチャ
ー(NATURE)第352巻、414頁(1991
年)〕。
要望される高い偏光性能と耐久性を備えた偏光素子はま
だ知られていない。延伸配向高分子に染色させた二色性
色素は耐久性に優れるが偏光特性が十分ではない。これ
は従来の技術では二色性色素分子の配向が不十分なこと
に起因する問題である。すなわち二色性色素でほぼ完全
な一軸配向を達成すれば、偏光性能は飛躍的に向上して
この課題を達成できる。よって製造が容易でしかも一軸
配向した二色性色素膜およびその製造方法が要望されて
いる。
の種類の色素からなる二色性比の高い配向色素膜とその
製造方法およびそれを用いた高コントラストで高性能の
偏光素子と液晶表示装置を提供することにある。
を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した
ものである。すなわち、本発明は、次に記す発明からな
る。 [1]一般式(1)で表される構造を有する少なくとも
1種のポリアゾ系色素材料と一般式(2)で表される構
造を有する少なくとも1種のポリアゾ系色素材料からな
る薄膜であり、これら色素が一軸配向し、該薄膜が40
0nm〜800nmの範囲に少なくとも1種の吸収ピー
クを持ち、該薄膜の厚みが10nm以上1μm以下であ
り、少なくとも1種の該吸収ピーク波長の二色性比が4
0以上であることを特徴とする配向色素膜。
選ばれる。
れ、mは0〜8の整数である。
は下記の基から選ばれる。
される構造を有するポリアゾ系色素材料の薄膜上に、一
般式(1)で表される構造を有するポリアゾ系色素材料
の薄膜を積層した薄膜であり、これら色素が一軸配向
し、該薄膜が400nm〜800nmの範囲に少なくと
も1種の吸収ピークを持ち、該薄膜の厚みが10nm以
上1μm以下であり、少なくとも1種の該吸収ピーク波
長の二色性比が40以上であることを特徴とする配向色
素膜。 [3]前記[1]記載の一般式(2)で表される構造を
有する少なくとも一種のポリアゾ系色素材料と、一般式
(1)で表される構造を有する少なくとも一種のポリア
ゾ系色素材料を、表面にフッ素系樹脂配向膜を有する基
材上に気相から同時に蒸着することを特徴とする[1]
記載の配向色素膜の製造方法。
される構造を有するポリアゾ系色素材料の膜を、表面に
フッ素系樹脂配向膜を有する基材上に気相から蒸着し、
得られた蒸着膜上に一般式(1)で表される構造を有す
るポリアゾ系色素材料の膜を蒸着することを特徴とする
[2]記載の配向色素膜の製造方法。 [5]表面に[1]記載の配向色素膜を有する高分子フ
ィルムまたはガラス板もしくは透明電極を有するガラス
板からなる偏光素子。
する高分子フィルムまたはガラス板もしくは透明電極を
有するガラス板からなる偏光素子。 [7]電極を有する基板に挟持された、正の誘電率異方
性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋軸を基板
に垂直方向にほぼ90°以上270°以下の間でねじれ
配向した液晶層からなる液晶セルにおいて、その外側に
[5]記載の偏光素子を配置したことを特徴とする液晶
表示装置。 [8]電極を有する基板に挟持された、正の誘電率異方
性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋軸を基板
に垂直方向にほぼ90°以上270°以下の間でねじれ
配向した液晶層からなる液晶セルにおいて、その外側に
[6]記載の偏光素子を配置したことを特徴とする液晶
表示装置。
有するポリアゾ系色素と一般式(2)で表される構造を
有するポリアゾ系色素とが使用される。一般式(1)で
表される構造を有するポリアゾ系色素は、いずれも剛直
な直線状の分子構造を有しているが、得られる偏光素子
の偏光性能の点でできるだけ完全な一軸配向を達成する
ことが好ましい。そのためには、一般式(1)の範囲内
でできるだけ細長い形状の剛直鎖(メソーゲン)を骨格
とすることが好ましい。したがって、置換基X1 、X2
はいずれも分子鎖末端のみに位置することが好ましい。
て、表1に示したD1からD9までの9種の色素を例示
することができるが、これらの内では、D1、D6、D
7、D8、D9で示される色素が好ましい。以下、これ
らの化合物をD1、D6、D7、D8、D9と表す。
とで偏光素子として有用な特に良好な配向が得られる。
配向の点で一般式(2)におけるX1 の構造としては、
得られる色素膜の配向の点で水素またはアルキル基を使
用することが好ましい。アルキル基の長さを表す一般式
(2)におけるnとしては、0〜8であり、0〜5が好
ましく、2〜3がさらに好ましい。さらに具体的には、
表1で示したD10を例示することができる。
類によって異なる。不純物の種類によってはかなり純度
が低下しても配向が低下しない場合もあるが、一般には
純度が高いことが好ましい。不純物の種類にもよるが、
純度は好ましくは90wt%以上100wt%以下であ
り、さらに好ましくは95wt%以上100wt%以下
であり、特に好ましくは99wt%以上100wt%以
下である。
が、該配向色素膜は一般式(1)で表される構造を有す
る色素と一般式(2)で表される構造を有する色素の双
方で構成され、複数の色素を膜内に含有する状態として
は単一層内に複数の色素をほぼ均等に含有してもよい
し、各々の色素膜を積層して一つの膜としてもよい。
る方法として、フッ素系樹脂の配向膜の上に複数の該色
素を気相から同時に蒸着する方法が挙げられる。また、
各々の色素膜を積層して一つの膜とする方法として、ま
ず一般式(2)で表される構造を有する色素をフッ素系
樹脂配向膜を設けた基板上に気相から蒸着し、次に形成
した色素膜上に一般式(1)で表される構造を有する別
の色素を蒸着する工程を繰り返して複数の色素の多層膜
を得る方法が挙げられる。
できるが、特に米国特許5180470号記載の方法を
用いることにより高配向の膜が得られる。具体的には、
加熱下において基板にフッ素系樹脂の塊を圧力をかけて
こすりつけることにより作成できる。
は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ3
フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVD
Fと記すことがある。)、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、P
FAと記すことがある。)、テトラフルオロエチレン−
エチレン共重合体等が例示されるが、PTFEが好まし
い。
りつける基板の種類によるが、樹脂の分解温度以下であ
って、100℃以上350℃以下が好ましい。樹脂がP
TFEであり、こすりつける基板がガラスの場合、好ま
しくは130℃以上340℃以下であり、さらに好まし
くは250℃以上340℃以下であり、特に好ましくは
300℃以上340℃以下である。
板の種類により適宜選択できる。樹脂がPTFEであ
り、こすりつける基板がガラスの場合、均一で配向特性
に優れた配向膜を得るためには、0.5kgf/cm2
以上40kgf/cm2 以下が好ましく、5kgf/c
m2 以上20kgf/cm2 以下がさらに好ましい。
板の種類により適宜選択できる。樹脂がPTFEであ
り、こすりつける基板がガラスの場合、均一で配向特性
に優れた配向膜を得るためには、0. 01cm/秒以上
10cm/秒以下が好ましく、0. 01cm/秒以上
0. 5cm/秒以下がさらに好ましい。
素膜は配向しなくなるので好ましくなく、一方、配向膜
の厚さが厚すぎると可視域での吸収が大きくなって偏光
素子としての透過率を下げてしまうので好ましくない。
よって、フッ素系樹脂の配向膜の厚さは好ましくは1n
m〜1μm、さらに好ましくは1nm〜0. 2μm、特
に好ましくは1nm〜50nmである。
をそのまま偏光素子として使用する場合には、可視光に
対して透明で平滑なものが用いられ、ガラス、透明電極
[(Indium−Tin Oxide)、In
2 O3 、SnO2 など]を被覆したガラス、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート等が例示される。
の基板に転写して用いる場合には、上記の基材に加え
て、金属板、金属ロールも使用できる。この場合、金属
材料として表面にNi等の金属をメッキした材料も使用
できる。
300℃以上340℃以下の温度でPTFEをこすりつ
けることが特に好ましいので、この場合配向膜をこすり
つける基板は300℃以上の熱に十分に耐えるものであ
ることが好ましい。このような基板として、ガラス、透
明電極[(Indium−Tin Oxide)、In
2 O3 、SnO2 など]を被覆したガラス、金属板、金
属ロール等が例示される。金属材料の場合、表面にNi
等の金属をメッキした材料も使用できるが、メッキを施
される下地の材料も300℃以上の熱に十分に耐えるこ
とが好ましい。
般式(1)および一般式(2)で表される色素群から任
意の色素を選択して組み合わせることができる。組み合
わせに際しては、所望の色になるようにその配合比率を
調整することができる。
ては、色素を分解温度以下で加熱することにより昇華さ
せてフッ素系樹脂配向膜を設けた基板上に堆積させる方
法が挙げられる。よって、色素は蒸発に必要な加熱によ
り分解しないで昇華するものが用いられるが、蒸発源の
温度を色素の分解温度以下とする必要がある。具体的な
温度は、色素の構造により異なるが、ポリアゾ系色素の
一般的な特徴から400℃以下が好ましく、350℃以
下がさらに好ましい。
ることができるが、色素の加熱温度を下げるために、ま
た蒸発源と基板の距離を確保する意味でできるだけ真空
の状態に排気することが好ましい。具体的には10-4to
rr以下が好ましく、10-5torr以下がさらに好まし
い。
色素の含有量を高くすると偏光性能の良い膜が得られ
る。この場合、一般式(2)で表される色素の含有量と
して50%以上100%以下が好ましいが、60%以上
100%以下がさらに好ましく、70%以上100%以
下が特に好ましい
は、色素の二色性や、モル吸光係数、膜中の色素の配向
度にもより調整する必要があるが、一般にピンホールが
なく、均一な薄膜を形成するという観点からは厚い方が
よく、高配向度とするためには薄くすることが有利であ
る。また、薄すぎると単体透過率が大きすぎるため、偏
光素子として用いても十分な性能が得られない。よっ
て、膜厚は、通常10nm以上1μm以下、好ましくは
20nm以上0. 4μm 以下、さらに好ましくは20n
m以上0.2μm 以下である。
場合、一般式(2)で表される構造を有する色素膜上に
積層される一般式(1)で表される構造を有する色素膜
の層数は、積層する層の配向の点で少ないことが好まし
い。一般に1〜4層が使用できるが、1〜3層が好まし
く、1層がさらに好ましい。
ことで得られる色素膜の色調が変化するので、所望の色
調が得られるように膜厚を調整する。ただし、各色素膜
の膜厚は各色素の配向に著しく影響するので、配向を損
なわないような注意が必要である。具体的には一般式
(2)で表される構造を有する色素膜の膜厚をある範囲
に収めることが好ましい。色素の二色性や、モル吸光係
数でも調整することが好ましいが、通常10nm以上
0. 4μm以下、好ましくは20nm以上0. 2μm 以
下、さらに好ましくは20nm以上0.2μm 以下であ
る。
0nmの範囲に少なくとも1種の吸収ピークを持ち、少
なくとも1種の吸収ピーク波長での二色性比が40以
上、好ましくは60以上、さらに好ましくは80以上で
ある。さらに、単体透過率が35%以上80%以下であ
ることが好ましい。
場合に不可欠な配向色素膜に加えて、他の機能を有する
膜を積層してもよく、例えば、最上部に保護膜としてエ
ポキシ樹脂や光硬化樹脂等の薄膜を形成してもよい。
て利用できる。最も単純な使用方法は、本発明の配向色
素膜を透明な基板上に形成されたフッ素樹脂配向膜上に
形成してそのまま偏光素子とするものである。
することもできる。この場合の製造方法は、一旦基材上
に配向色素膜を形成した後、より接着性の高い別の基材
に強く押し当てる、または加熱しながら押し当てること
により転写する方法、表面に接着剤をつけた別の基材を
張り付けて剥離することにより転写する方法等が例示さ
れる。
本発明の配向色素膜からなる偏光素子を用いて液晶表示
装置を作成するには、液晶セルの外側に、必要な大きさ
の偏光素子を組み込めばよい。図1に本発明の液晶表示
装置の一例の概略図を示す。図1において、1は本発明
の偏光素子、2はガラス基板、3は透明電極、4は絶縁
性の液晶配向制御膜、5は液晶層、6はスペーサーであ
る。ただし、図1は本発明の液晶表示装置に最低必要な
基本的構成のみを示すに過ぎず、必要に応じ他の構成要
素を含むことができる。このような構成要素として、カ
ラーフィルタ、薄膜トランジスタ、防眩フィルムなどが
例示される。
に被覆されており、通常ITO(Indium−Tin
Oxide)、In2 O3 、SnO2 などが用いられ
ている。透明電極3の液晶層側5には、絶縁性の液晶配
向制御膜が設置されている。この際、液晶配向制御膜が
それ単独で充分な絶縁性を有する場合には、配向膜のみ
でよいが、必要に応じて液晶配向制御膜の下に絶縁層を
設置し、その両者で絶縁性配向膜としてもかまわない。
物、低分子、高分子など、公知のものを使用することが
できる。高分子化合物としては、例えば、ポリイミド、
ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアルコー
ル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエステルイミド
や種々のフォトレジストなどを必要に応じて用いること
ができる。
膜として用いた場合には、必要に応じてこれら膜の表面
を、ガーゼやアセテート植毛布などを用いて、一方向に
こする、いわゆるラビング処理を行なうことによって液
晶分子の配向をより一層促進することができる。絶縁膜
としては、例えば、チタン酸化物、アルミニウム酸化
物、ジルコニウム酸化物、シリコン酸化物、シリコン窒
化物などを用いることができる。
る方法としては、必要に応じて、それら用いる物質によ
って最適な方法を用いることができる。例えば、高分子
物質の場合には、その高分子物質またはその前駆体を、
それらの物質を溶解できる溶媒に溶解後、スクリーン印
刷法、スピンナー塗布法、浸漬法などの方法で塗布する
ことができる。無機物質の場合には、浸漬法、蒸着法、
斜方蒸着法などを用いることができる。これら絶縁性配
向膜の厚みとしては、特に限定するものではないが、好
ましくは1nm〜2μm、さらに好ましくは2nm〜1
00nmである。
を設置した二枚のガラス基板2は、スペーサー6を介し
て所定の間隔に保持される。スペーサーとしては、所定
の直径または厚みを有する、ビーズ、ファイバーまたは
フィルム状の絶縁性の材料を用いることができる。具体
的にはシリカ、アルミナ、高分子物質(ポリスチレン
等)が例示できる。これらスペーサー6を2枚のガラス
基板2で挾持し、周囲を例えばエポキシ系接着剤等を用
いてシールした後、液晶を封入することができる。
ぞれ偏光素子が必要であるので二枚の本発明の配向色素
膜からなる偏光素子が設置される。しかし、2枚の一方
を他の種類の偏光素子とすることも目的によっては可能
である。また、液晶層に二色性色素を含ませて使用する
いわゆるゲストホスト型の液晶素子の場合には、片側の
偏光素子を省き、もう一方の偏光素子を本発明の偏光素
子とする。図1には二枚の偏光素子を用いた場合が例示
されている。
ており、外部の駆動回路に接続されている。外部の駆動
回路の一部を、液晶セル上に形成した薄膜トランジスタ
回路(通称TFT)とすると、極めて性能の高い表示素
子ができるので特に有用である。
らによって限定されるものではない。なお、本発明にお
ける二色性比とは、特定の波長における、配向色素膜の
配向方向に平行な方向の偏光の吸光度(A1)と、配向
色素膜の配向方向と直交する方向の偏光の吸光度(A
2)を測定し、次の式により求めたものであり、特に吸
収ピーク波長での値を用いた。吸光度の値としては、基
材による吸収を差し引いて、配向色素膜単独のものを用
いた。
を用いることにより、PTFEの配向膜を得た。具体的
には、約300℃に加熱したガラス基板(2.5cm×
8.0cm)上に、同様に加熱した長さ2cm直径1.
0cmのPTFEの円柱の側面たる曲面を押しつけ、基
板を0.1cm/秒の速度で移動することにより、幅
2.0cm×長さ7.0cmのPTFE配向膜を得た。
この際、円柱は5kgfの圧力で基板に押しつけた。基
板との接触面積を観察すると約0. 4cm2 であった。 <色素膜の形成>得られたPTFE配向膜上に、ポリア
ゾ系色素であるD10(日本感光色素社製、商品名G2
05)とポリアゾ系色素であるD6(日本感光色素社
製、商品名G232)を同時に蒸着した。蒸着の際の真
空度は、10-5Torr以下であり、得られる配向色素
膜の厚さは、約100nmであった。このとき、D10
の蒸着速度はD6の3倍であった。 <二色性比の評価>300nm〜700nmの範囲の偏
光吸光度を測定すると、510nmに吸収ピークがあっ
た。吸収ピークでの二色性比は40以上であった。ま
た、得られる配向色素膜をTN型液晶セルの両側に90
°捩じって配置し、TN型液晶セルを駆動すると、良好
なコントラストを示す。
向膜上に、ポリアゾ系色素であるD10(日本感光色素
社製、商品名G205)とポリアゾ系色素であるD1を
同時に蒸着する。蒸着の際の真空度は、10-5Torr
以下であり、得られる配向色素膜の厚さは、約100n
mである。このとき、D10の蒸着速度はD1の3倍で
ある。 <二色性比の評価>300nm〜700nmの範囲の偏
光吸光度を測定すると、510nmに吸収ピークがあ
る。吸収ピークでの二色性比は40以上である。また、
得られる配向色素膜をTN型液晶セルの両側に90°捩
じって配置し、TN型液晶セルを駆動すると、良好なコ
ントラストを示す。
向膜上にポリアゾ系色素であるD10(日本感光色素社
製、商品名G205)とポリアゾ系色素であるD7を同
時に蒸着する。蒸着の際の真空度は、10-5Torr以
下であり、得られる複合色素膜の厚さは、約50nmで
ある。 <二色性比の評価>300nm〜700nmの範囲の偏
光吸光度を測定すると、495nmに吸収ピークがあ
る。吸収ピークでの二色性比は40以上である。また、
得られる配向色素膜をTN型液晶セルの両側に90°捩
じって配置し、TN型液晶セルを駆動すると、良好なコ
ントラストを示す。
向膜上に、ポリアゾ系色素であるD10(日本感光色素
社製、商品名G205)とポリアゾ系色素であるD9と
を同時に蒸着する。蒸着の際の真空度は、10-5Tor
r以下であり、得られる配向色素膜の厚さは、約100
nmである。このとき、D10の蒸着速度はD9の3倍
である。
nmの範囲の偏光吸光度を測定すると、510nmに吸
収ピークがある。吸収ピークでの二色性比は40以上で
ある。また、得られる配向色素膜をTN型液晶セルの両
側に90°捩じって配置し、TN型液晶セルを駆動する
と、良好なコントラストを示す。
向膜上に、D10(日本感光色素社製、商品名G20
5)を蒸着した。蒸着の際の真空度は、10-5Torr
以下であり、得られた色素膜の厚さは、約100nmで
あった。次にこの膜上にD6(日本感光色素製G23
2)を蒸着した。蒸着の際の真空度は、10-5Torr
以下であり、得られる色素膜の厚さは、約50nmであ
った。 <二色性比の評価>300nmから700nmの範囲の
偏光吸光度を測定すると、510nmに吸収ピークがあ
る。吸収ピークでの二色性比は40以上であった。ま
た、得られた色素膜をTN型液晶セルの両側に90°捩
じって配置し、TN型液晶セルを駆動すると、無色と赤
色の変化を示し、良好なコントラストを示す。
向膜上に、D10(日本感光色素社製、商品名G20
5)を蒸着する。蒸着の際の真空度は、10-5Torr
以下であり、得られる色素膜の厚さは、約50nmであ
る。次にこの膜上にD1を蒸着する。蒸着の際の真空度
は、10-5Torr以下であり、得られる色素膜の厚さ
は、約50nmである。 <二色性比の評価>300nm〜700nmの範囲の偏
光吸光度を測定すると、495nmに吸収ピークがあ
る。吸収ピークでの二色性比は40以上である。また、
得られる色素膜をTN型液晶セルの両側に90°捩じっ
て配置し、TN型液晶セルを駆動すると、無色と赤色の
変化を示し、良好なコントラストを示す。
向膜上に、D10(日本感光色素社製、商品名G20
5)を蒸着する。蒸着の際の真空度は、10-5Torr
以下であり、得られる色素膜の厚さは、約100nmで
ある。次にこの膜上にD7を蒸着する。蒸着の際の真空
度は、10-5Torr以下であり、得られる色素膜の厚
さは、約50nmである。 <二色性比の評価>300nm〜700nmの範囲の偏
光吸光度を測定すると、510nmに吸収ピークがあ
る。吸収ピークでの二色性比は40以上である。また、
得られる色素膜をTN型液晶セルの両側に90°捩じっ
て配置し、TN型液晶セルを駆動すると、無色と赤色の
変化を示し、良好なコントラストを示す。
向膜上に、D10(日本感光色素社製、商品名G20
5)を蒸着する。蒸着の際の真空度は、10-5Torr
以下であり、得られる色素膜の厚さは、約50nmであ
る。次にこの膜上にD8を蒸着する。蒸着の際の真空度
は、10-5Torr以下であり、得られる色素膜の厚さ
は、約50nmである。
mの範囲の偏光吸光度を測定すると、495nmに吸収
ピークがある。吸収ピークでの二色性比は40以上であ
る。また、得られる色素膜をTN型液晶セルの両側に9
0°捩じって配置し、TN型液晶セルを駆動すると、無
色と赤色の変化を示し、良好なコントラストを示す。
素からなる二色性比の高い配向色素膜であり、本発明の
製造方法で容易に作成でき、それを用いた偏光素子を液
晶表示装置に用いた場合には、高コントラストの画像が
得られる。
Claims (8)
- 【請求項1】一般式(1)で表される構造を有する少な
くとも1種のポリアゾ系色素材料と一般式(2)で表さ
れる構造を有する少なくとも1種のポリアゾ系色素材料
からなる薄膜であり、これら色素が一軸配向し、該薄膜
が400nm〜800nmの範囲に少なくとも1種の吸
収ピークを持ち、該薄膜の厚みが10nm以上1μm以
下であり、少なくとも1種の該吸収ピーク波長の二色性
比が40以上であることを特徴とする配向色素膜。 【化1】 Ar1 −N=N−Ar2 −N=N−Ar3 (1) (式中、Ar1 、Ar3 はそれぞれ独立に下記の基から
選ばれる。 【化2】 ここで、X1 、X2 はそれぞれ独立に下記の基から選ば
れ、mは0〜8の整数である。 【化3】 Ar2 は下記の基から選ばれる。 【化4】 【化5】 (式中、X1 は前記の定義と同じである。また、Ar4
は下記の基から選ばれる。 【化6】 - 【請求項2】請求項1記載の一般式(2)で表される構
造を有するポリアゾ系色素材料の薄膜上に、一般式
(1)で表される構造を有するポリアゾ系色素材料の薄
膜を積層した薄膜であり、これら色素が一軸配向し、該
薄膜が400nm〜800nmの範囲に少なくとも1種
の吸収ピークを持ち、該薄膜の厚みが10nm以上1μ
m以下であり、少なくとも1種の該吸収ピーク波長の二
色性比が40以上であることを特徴とする配向色素膜。 - 【請求項3】請求項1記載の一般式(2)で表される構
造を有する少なくとも一種のポリアゾ系色素材料と、一
般式(1)で表される構造を有する少なくとも一種のポ
リアゾ系色素材料を、表面にフッ素系樹脂配向膜を有す
る基材上に気相から同時に蒸着することを特徴とする請
求項1記載の配向色素膜の製造方法。 - 【請求項4】請求項1記載の一般式(2)で表される構
造を有するポリアゾ系色素材料の膜を、表面にフッ素系
樹脂配向膜を有する基材上に気相から蒸着し、得られた
蒸着膜上に一般式(1)で表される構造を有するポリア
ゾ系色素材料の膜を蒸着することを特徴とする請求項2
記載の配向色素膜の製造方法。 - 【請求項5】表面に請求項1記載の配向色素膜を有する
高分子フィルムまたはガラス板もしくは透明電極を有す
るガラス板からなる偏光素子。 - 【請求項6】表面に請求項2記載の配向色素膜を有する
高分子フィルムまたはガラス板もしくは透明電極を有す
るガラス板からなる偏光素子。 - 【請求項7】電極を有する基板に挟持された、正の誘電
率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋軸
を基板に垂直方向にほぼ90°以上270°以下の間で
ねじれ配向した液晶層からなる液晶セルにおいて、その
外側に請求項5記載の偏光素子を配置したことを特徴と
する液晶表示装置。 - 【請求項8】電極を有する基板に挟持された、正の誘電
率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋軸
を基板に垂直方向にほぼ90°以上270°以下の間で
ねじれ配向した液晶層からなる液晶セルにおいて、その
外側に請求項6記載の偏光素子を配置したことを特徴と
する液晶表示装置。
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