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JPH08247344A - エアブレーキ用チューブ - Google Patents

エアブレーキ用チューブ

Info

Publication number
JPH08247344A
JPH08247344A JP4878295A JP4878295A JPH08247344A JP H08247344 A JPH08247344 A JP H08247344A JP 4878295 A JP4878295 A JP 4878295A JP 4878295 A JP4878295 A JP 4878295A JP H08247344 A JPH08247344 A JP H08247344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
polyamide
polyester
layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4878295A
Other languages
English (en)
Inventor
Chiyuu Nishino
駐 西野
Yuji Nakabayashi
祐治 中林
Akira Nakatsu
丹 中津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta Moore Co
Original Assignee
Nitta Moore Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitta Moore Co filed Critical Nitta Moore Co
Priority to JP4878295A priority Critical patent/JPH08247344A/ja
Publication of JPH08247344A publication Critical patent/JPH08247344A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温使用時における耐久性の向上、耐圧保持
率の向上、気密性の向上を図ることのできるエアブレー
キ用チューブを提供すること。 【構成】 エアブレーキ用チューブは、ポリアミド系樹
脂から成る最内層と、その外側に設けられており、融点
が200℃以上であり、かつ硬度が55D(JIS K
7215)以上のポリエステル系エラストマからなる
外層と、該最内層と該外層との間に設けられた接着層
と、を有する。その接着層は、ポリアミド系樹脂および
ポリアミド系エラストマのうち少なくとも一種と、ポリ
エステル系樹脂およびポリエステル系エラストマのうち
少なくとも一種と、の溶融混合物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は高温空気中で使用され
るエアブレーキ用チューブに関し、詳しくは自動車のエ
ンジンルーム内で使用される耐熱性に優れたエアブレー
キ用チューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】トラック、バス等に使用されるエア・ブ
レーキ配管としては、従来より金属管またはポリアミド
樹脂チューブ(例えばDIN規格73378、7432
4に規定されるポリアミド樹脂チューブ)が使用されて
いる。これらをエンジンルーム内の機器に接続する継手
はJASO規格 F409等により規定されている。
【0003】ポリアミド樹脂チューブは、軽量、防錆、
配管作業性等の利点から近年エア・ブレーキ配管として
の採用が多くなって来ている。ところが、最近になっ
て、自動車の騒音規制によりエンジンルーム内は外部と
遮断した構造とされるため、エンジンルーム内の温度が
上昇し従来のポリアミド樹脂チューブでは耐熱性が不足
して来た。すなわち、高温でチューブが継手から外れる
おそれがあり、また長時間使用するとチューブと継手と
の接続部から内部エアが漏れるおそれがあった。
【0004】そこで、従来に比べてさらに耐熱性(耐圧
力、耐引き抜き性、気密性等)に優れたチューブの出現
が待望されている。このような目的で以下(1)〜
(4)の発明が提案されている。
【0005】(1)耐熱性を改良するために、ドイツ特
許3827092号では、ポリアミド6からなる層、E
VOHからなる層、ポリアミド6からなる層、およびポ
リエステル系エラストマからなる層を内側から順次積層
した多層構造のチューブを開示されている。
【0006】(2)特公平04−0922号公報では、
ポリアミド6からなる層、ポリエステル・ポリエーテル
ブロック共重合体からなる層を積層したチューブが開示
されている。
【0007】(3)特公平04−36066号公報で
は、変性ポリオレフィン含有ポリアミド6からなる層、
ポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体からなる
層を積層したチューブ、およびポリアミド6からなる
層、変性ポリオレフィン含有ポリエステル・ポリエーテ
ルブロック共重合体からなる層を積層したチューブが開
示されている。
【0008】(4)特公平04−63278では、ポリ
アミド6からなる層、変性ポリオレフィンからなる層、
ポリエステル系エラストマからなる層を積層したチュー
ブが開示されている。
【0009】上記(2)〜(4)に開示のチューブは、
いずれもフロンガスのガスバリヤー性を改良するために
ポリアミド樹脂からなる層とポリエステル系エラストマ
からなる層とを積層したものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、高温
のエンジンルーム内で使用される場合には、上記したチ
ューブでは耐熱性がなお不充分であった。
【0011】また、エアブレーキ用チューブは、上記し
た通り狭いスペースで小さな曲げ半径で配管されること
が多いため、フレキシブル性が要求される。ところが、
上記ドイツ特許3827092号に開示された構成にす
ると、層間の接着性が悪いためチューブの耐折れ性に問
題があった。
【0012】本発明は、上記の欠点を解消するためにな
されたものであり、その目的とするところは、高温使用
時における耐久性を向上することができるエアブレーキ
用チューブを提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、高温使用時における
耐圧保持率を向上し、また耐クリープ性を向上して継手
との気密性を確保することができるエアブレーキ用チュ
ーブを提供することにある。
【0014】本発明のさらに他の目的は、耐折れ性を向
上できるエアブレーキ用チューブを提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のエアブレーキ用
チューブは、ポリアミド系樹脂から成る最内層と、その
外側に設けられており、融点が200℃以上であり、か
つ硬度が55D(JIS K 7215)以上のポリエ
ステル系エラストマからなる外層と、該最内層と該外層
との間に設けられた接着層と、を有し、該接着層が、ポ
リアミド系樹脂およびポリアミド系エラストマのうち少
なくとも一種と、ポリエステル系樹脂およびポリエステ
ル系エラストマのうち少なくとも一種と、の溶融混合物
からなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0016】特に、最内層には耐加水分解性に優れたポ
リアミド11又は12(無可塑あるいは外部可塑化)を
使用し、外層には使用高温域での物性低下が小さく可塑
剤を使用しないポリエステル系エラストマを使用した少
なくとも2層以上の多層構造とし、接着層は、ポリアミ
ド系樹脂30〜70容量%とポリエステル系エラストマ
70〜30容量%との溶融混合物からなるものが好まし
い。
【0017】最内層 本発明のチューブの最内層に使用されるポリアミド系樹
脂は圧縮空気と接するため空気中に含まれる潤滑油、水
分に対する耐久性が必要とされる。
【0018】(ポリアミド系樹脂)本発明において使用
するポリアミド系樹脂としては、高分子量の線状ポリア
ミドが用いられる。このポリアミドはホモポリアミド、
コポリアミドあるいはこれらの混合物のいずれも使用で
きる。
【0019】このようなポリアミドとしては、例えば下
記(1)式又は(2)式で示すアミド反復単位を有する
ホモポリアミド、コポリアミド又はこれらの混合物をあ
げることができる。
【0020】 −CO−R1−NH− ・・・(1) −CO−R2−CONH−R3−NH ・・・(2) 但し、(1)、(2)式中の、R1、R2、R3は、それ
ぞれ直鎖アルキレン基を示す。
【0021】上記ポリアミド系樹脂としては、ポリアミ
ド系樹脂中の炭素原子100個当りのアミド基の数が3
〜30個、特に4〜25個の範囲にあるホモポリアミ
ド、コポリアミド又はこれらの混合物を用いるのが好ま
しい。
【0022】適当なホモポリアミドの具体例としては、
ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプ
タン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナ
イロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、
ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチエン
ジアミンアジパミド(ナイロン2,6)、ポリテトラメ
チレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチ
レンアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサメチレ
ンセバカミド(ナイロン6,10)、ポリヘキサメチレ
ンドデカミド(ナイロン6,12)、ポリオクタメチレ
ンアジパミド(ナイロン8,6)、ポリデカメチレンア
ジパミド(ナイロン10,10)、ポリドデカメチレン
ドデカミド(ナイロン12,12)等を上げることがで
きる。
【0023】また、コポリアミドの例としては、カプロ
ラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム
/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、
ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジ
ペート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペ
ート/ヘキサメチレンジアンモニウムセパケート共重合
体、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレ
ンジアンモニウムアジペート共重合体、カプロラクタム
/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメ
チレンジアンモニウムセパケート共重合体等を挙げるこ
とができる。
【0024】(変性ポリアミド系樹脂)上記ポリアミド
系樹脂は、次の変性ポリアミド系樹脂も含むことができ
る。この変性ポリアミド系樹脂は上記ポリアミド系樹脂
に以下の変性剤等を反応させて得ることができ、反応さ
せる変性剤は、通常、不飽和カルボン酸及び/又はその
誘導体から選ばれる。
【0025】不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、
メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタ
ル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等が例示できる。不
飽和カルボン酸の誘導体としては上記の酸の酸ハライ
ド、アミド、イミド、酸無水物、エステル等の誘導体が
挙げられる。具体的には、塩化マレニル、マレイミド、
無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメ
チル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が
例示できる。これらの中で、不飽和ジカルボン酸または
不飽和ジカルボン酸無水物が好適であり、特に、マレイ
ン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が好適であ
る。
【0026】ポリアミド系樹脂に変性剤を反応させる方
法は特に限定せず、公知の方法により変性ポリアミド系
樹脂を得ることができる。例えば、ポリアミド系樹脂に
変性剤、及びラジカル発生剤を配合し、溶融混練するこ
とにより反応が起こり、変性ポリアミド系樹脂が得られ
る。ラジカル発生剤としては、公知の有機過酸化物又は
ジアゾ化合物が用いられる。
【0027】また、これらのポリアミド系樹脂に柔軟性
を付与するために、芳香族スルホンアミド類、p−ヒド
ロキシ安息香酸、エステル類等の可塑剤や、低弾性率の
エラストマ成分やラクタム類を配合してもよい。
【0028】該エラストマ成分としては、アイオノマー
樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルアミド
樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリエーテルエステル
アミド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、変性スチレン
系熱可塑性エラストマ、変性アクリルゴム、変性エチレ
ン・プロピレンゴム等のポリアミド樹脂と相溶性の良好
な弾性率3000kgf/cm2以下のエラストマから
選ばれた単独或いは組み合わせたものが好ましい。
【0029】なお、これらのポリアミド系樹脂には、必
要に応じて各種の添加剤(例えば、酸化防止剤、着色
剤、帯電防止剤、難燃剤、補強剤、安定剤、加工助剤)
を含有してもよい。
【0030】好適にはポリアミド11、または12、ま
たは12/12が使用される。
【0031】内層の厚みは、柔軟性、耐久性の点からチ
ューブ肉厚全体の20〜30%が好ましい。
【0032】外層 (ポリエステル系エラストマ)本発明に使用されるポリ
エステル系エラストマは、ポリエステル−ポリエーテル
ブロック共重合体、ポリエステル−ポリエステルブロッ
ク共重合体等が挙げられる。
【0033】上記ポリエステル−ポリエーテルブロック
共重合体は芳香族ポリエステルをハードセグメント、脂
肪族ポリエーテルをソフトセグメント成分とし、ポリエ
ステル−ポリエステルブロック共重合体は芳香族ポリエ
ステルをハードセグメント、脂肪族ポリエステルをソフ
トセグメント成分とし、それぞれ両者が交互に繰り返し
並んでいることにより、ゴム状弾性体の性質を有するブ
ロック共重合体である。
【0034】このようなポリエステルハードセグメント
を構成する酸およびグリコールは、それぞれ主として芳
香族ジカルボン酸、および炭素数2〜15のアルキレン
グリコールである。
【0035】ジカルボン酸の具体例としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、エチレンビス(p−オキシ安息香
酸)、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息
香酸等が挙げられる。
【0036】アルキレングリコールの具体例としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ペンタメチレングリコール、2,2
−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサメチ
レンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、ベン
ゼンジメタノール、ベンゼンジエタノール等が挙げられ
る。好ましくは、テトラメチレンテレフタレート、テト
ラメチレンナフタレート等が用いられる。
【0037】上記ポリエステル−ポリエーテルブロック
共重合体のソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエー
テルは、平均分子量が500〜5000程度のポリオキ
シアルキレングリコールである。このポリオキシアルキ
レングリコールは、アルキレン基が2〜9個の炭素原子
を有するオキシアルキレングリコールをモノマー単位と
する。具体的にはポリ(オキシエチレン)グリコール、
ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシテ
トラメチレン)グリコール等が好適な例として挙げられ
る。ポリエーテルは、単独、ランダム共重合体、ブロッ
ク共重合体、あるいは2種以上のポリエーテルの混合物
であっても良い。さらに、ポリエーテルの分子鎖中に少
量の脂肪族基、芳香族基を有していても良い。また、イ
オウ、窒素、リン等を有する改質ポリエーテルでも良
い。
【0038】ポリエステルーポリエステルブロック共重
合体のソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエステル
としては、ε−カプロラクタムが最も好ましいが、エナ
ントラクトン、カプリロラクトン等も用いられる。これ
らのラクトン類を2種以上用いても良い。
【0039】(変性ポリエステル系エラストマ)本発明
で使用される上記ポリエステル系エラストマは、次の変
性ポリエステル系エラストマも含むことができる。この
変性ポリエステル系エラストマは前記ポリエステル系エ
ラストマに以下の変性剤等を反応させて得ることがで
き、反応させる変性剤は不飽和カルボン酸及び/又はそ
の誘導体から選ばれる。
【0040】不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、
メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタ
ル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等が例示できる。
【0041】不飽和カルボン酸の誘導体としては上記の
酸の酸ハライド、アミド、イミド、酸無水物、エステル
等の誘導体が挙げられる。具体的には、塩化マレニル、
マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレ
イン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマ
レエート等が例示できる。これらの中で、不飽和ジカル
ボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物が好適であり、
特に、マレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物
が好適である。
【0042】ポリエステル系エラストマに変性剤を反応
させる方法は特に限定されないが、得られる変性ポリエ
ステル系エラストマ中にゲルなどの好ましくない成分が
含まれないようにすることが望ましい。例えば、上記ポ
リエステル系エラストマに変性剤、及びラジカル発生剤
を配合し、溶融混練することにより反応が起こり、変性
ポリエステル系エラストマが得られる。ラジカルの発生
剤としては、公知の有機過酸化物又はジアゾ化合物が用
いられる。
【0043】(構成)上記より選択されるポリエステル
系エラストマをチューブの外層に使用する場合、融点が
200℃以上、硬度が55D(JIS K 7215)
以上、特に好ましくは60〜75Dとなるようにし、ま
た外層の肉厚はチューブ全体の肉厚の50%以上にする
のが好ましい。さらに外層の曲げ弾性率は3000〜2
0000kgf/cm2とするのが好ましい。
【0044】融点が200℃未満の場合は高温使用時の
物性低下が大きく、耐圧性、引抜力において基準値を満
足しない。硬度が55D未満の場合は耐圧性が不足す
る。曲弾性率が3000kgf/cm2未満の場合は耐
圧性が不足し、20000kgf/cm2を超える場合
には、柔軟性が欠如し配管組み立て作業性が悪くなる。
また、外層の肉厚が50%未満の場合、高温使用時の耐
圧性、引抜力、熱老化性が低下しチューブとしての性能
を発揮できないおそれがある。
【0045】接着層 ポリアミド系樹脂からなる最内層とポリエステル系エラ
ストマからなる外層との間に形成される接着層に使用さ
れる接着性樹脂は、ポリアミド系樹脂およびポリアミド
系エラストマのうち少なくとも一種と、ポリエステル系
樹脂およびポリエステル系エラストマのうち少なくとも
一種と、の溶融混合物からなるものである。
【0046】(ポリアミド系樹脂)上記ポリアミド系樹
脂としては、内層で使用したポリアミド系樹脂を使用す
ることができる。この場合、ポリアミド系樹脂は上記の
変性ポリアミド系樹脂を含むことができる。
【0047】(ポリアミド系エラストマ)上記ポリアミ
ド系エラストマとしては、ポリアミドをハードセグメン
ト、ポリエーテルをソフトセグメントとし、両者が交互
に繰り返し並んでいることにより、ゴム状弾性体の性質
を有するポリアミド系ブロック共重合体を含むことがで
きる。
【0048】ハードセグメントとしては、ポリカプラミ
ド(ナイロン6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)等を挙げ
ることができる。
【0049】ソフトセグメントを構成するポリエーテル
として、ポリオキシアルキレングリコールを用いること
ができる。具体的にはポリ(オキシエチレン)グリコー
ル、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキ
シテトラメチレン)グリコール等が好適な例として挙げ
られる。ポリエーテルは、単独、ランダム共重合体、あ
るいは2種以上のポリエーテルの混合物であってもよ
い。
【0050】本発明で使用されるポリアミド系エラスト
マは、変性ポリアミド系エラストマを含むことができ
る。この場合、変性剤の種類およびその変性ポリアミド
系エラストマの製造法は、上記変性ポリアミド系樹脂の
場合と同様であるので省略する。
【0051】(ポリエステル系樹脂)接着層を構成し得
るポリエステル系樹脂は、通常の溶融重縮合によって得
られるものを使用することができる。ここで、ポリエス
テル系樹脂とは、ジカルボン酸成分およびグリコール成
分とを触媒の存在下で適当な反応条件下に縮合させるこ
とによって製造される樹脂を指す。特に、結晶性ポリエ
ステル系樹脂が好ましい。各成分の具体例として下記の
ようなものが挙げられるが、使用されるジカルボン酸や
グリコール成分は特に限定されるものではない。
【0052】使用されるジカルボン酸としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸を挙げることができる。その他、脂肪族および脂環族
のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、サバ
シン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,3シクロヘキサンジ
カルボン、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙
げることができる。
【0053】これらジカルボン酸成分と反応させるグリ
コール成分としては、次の脂肪族および脂環族グリコー
ルであり、具体的には、エチレングリコール、、1、2
−プロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、
1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオールや
エチレングリコール、トリエチレングリコール、p−キ
シリレングリコールなどが挙げられる。
【0054】上記ポリエステル系樹脂は、変性ポリエス
テル系樹脂を含むことができる。この場合、変性剤の種
類およびその変性ポリエステル系樹脂の製造法は、上記
変性ポリアミド系樹脂の場合と同様であるので省略す
る。
【0055】(ポリエステル系エラストマ)接着層を構
成し得る上記ポリエステル系エラストマとしては、外層
で使用したポリエステル系エラストマを使用することが
できる。この場合、該ポリエステル系エラストマは上記
の変性ポリエステル系エラストマを含むことができる。
【0056】従って、接着層を形成する溶融混合物に
は、以下の組み合わせがある。
【0057】(a)ポリアミド系樹脂とポリエステル系
樹脂 (b)ポリアミド系樹脂とポリエステル系エラストマ (c)ポリアミド系エラストマとポリエステル系樹脂 (d)ポリアミド系エラストマとポリエステル系エラス
トマ 上記のポリアミド系樹脂、ポリアミド系エラストマ、ポ
リエステル系樹脂、およびポリエステル系エラストマ
は、それぞれ変性物を含むことができる。また、ポリア
ミド系樹脂とポリアミド系エラストマとの混合物にポリ
エステル系樹脂またはポリエステル系エラストマを混合
してもよく、ポリエステル系樹脂とポリエステル系エラ
ストマとの混合物にポリアミド系樹脂またはポリアミド
系エラストマ混合してもよい。
【0058】ポリアミド系樹脂および/またはポリアミ
ド系エラストマと、ポリエステル系樹脂および/または
ポリエステル系エラストマとの混合比率は、ポリアミド
系樹脂および/またはポリアミド系エラストマ30〜7
0容量%とポリエステル系樹脂および/またはポリエス
テル系エラストマ70〜30容量%が好ましい。
【0059】より均一に混合された接着性樹脂を得るた
めやその接着力をさらに高めるために上記の接着性樹脂
に、官能基、例えば、カルボン酸基、酸無水物、(メ
タ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸エステル骨
格を有する化合物、グリシジル基やグリシジルエーテル
基を含むエポキシ化合物、オキサゾリン基、イソシアネ
ート基、アミノ基、水酸基、などを有するポリマー、オ
リゴマー、モノマーを相溶化剤として該混合物に対して
20容量%以下で溶融混合した組成物を好適に用いるこ
とができる。
【0060】(構成)接着層の肉厚は、上記したよう
な、最内層と外層間の接着機能を果たせば特に限定され
るものではないが、チューブ肉厚全体の2〜10%が好
ましい。
【0061】接着層の肉厚がチューブ肉厚全体に対して
2%未満の場合には、安定した成形性が得られず均一な
肉厚が制御できない場合があり、その結果、接着力が不
均一になり、10%を越えると、所定の径および肉厚の
チューブを得るときに、結果として最内層、外層の肉厚
を薄くせざるを得なくなり、本来のチューブの特性を損
なうことになる。
【0062】チューブの成形方法 本発明の複層構成のチューブは、それ自体が公知の共押
出成形、押出コーティングなど任意の方法のいずれも採
用することができる。
【0063】特に3基の押出機と多層用チューブダイを
用いて行う共押出成形で最も効率的にエンドレスチュー
ブとして得ることができる。
【0064】各樹脂は軟化点以上で分解点以下の温度で
あれば任意の形状に成形しうるが一般的には約170℃
〜300℃、特に210℃〜260℃の温度範囲で成形
するのが好ましい。
【0065】本発明のチューブの厚みは上記した範囲で
適宜変更することができる。また、外層の外側に他の層
が積層されていてもよい。
【0066】
【作用】本発明のエアブレーキ用チューブは、ポリアミ
ド系樹脂から成る最内層と、ポリエステル系エラストマ
からなる外層と、両層の間に設けられた所定の組成を有
する接着層と、を有している。
【0067】このように、最内層を形成する樹脂として
ポリアミド系樹脂を使用することにより、耐加水分解性
に優れており経時的に劣化することがない。また、外層
を形成する樹脂として、使用高温域での物性低下が小さ
く可塑剤を使用しないポリエステル系エラストマを使用
することにより、寸法安定性に優れ、高温使用時におけ
る物性の低下を防ぐことができる。そして、本発明で
は、接着層の組成が特定であることにより、高温使用時
においても最内層と外層とを接着層で良好に接着して、
高温使用時における耐久性の向上、耐圧保持率の向上、
気密性の確保、寸法安定性の向上を図り、さらに、耐折
れ性も向上できる。
【0068】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。
【0069】以下の実施例および比較例で得られたチュ
ーブの各項目の評価試験方法は以下の通りである。
【0070】(試験評価方法) 1.高温での耐圧力の評価 チューブ両端に継手(JASO規格 F409、以下同
じ)を組み付け、150℃の恒温油槽に3分間浸せきし
た後、手動式油圧ポンプにより油槽中で破壊させたとき
の最大破壊力を測定する。
【0071】2.気密性 チューブの両端に継手を組み付け、このアセンブリを1
50℃のギアオーブン中でエージングを行う。任意の時
間経過したものを取り出し1.37MPa気体圧力を加
えたまま水中に浸し、5分間保持したときの漏れを調べ
る。なお、使用する気体は、空気または窒素とする。
【0072】3.高温での耐引き抜き性評価 チューブの一端に継手を組み付け、このアセンブリを1
50℃の恒温槽中で30分間保持した後、毎分100m
mの引張速度で試験を行う。
【0073】4.耐折れ性 外径8mm、内径6mmのチューブを半円状に折り曲
げ、次第にその曲げ半径を小さくして、チューブが折れ
る直前の曲げ半径(mm)を求め、その値を折れ抵抗性
の尺度とした。従って、折れ直前の曲げ半径が小さけれ
ば小さい程、耐折れ性が良好となる。
【0074】5.チューブの熱老化性 150℃のギアオーブン中で任意の時間エージングした
チューブを半径50mmのプーリーに巻き付け、チュー
ブが脆化により破壊するまでのエージング時間を調べ
る。
【0075】6.接着性 チューブより打ち抜いた短冊片を用いて、内外層の間に
鋭利な刃物を入れて剥離を試み、接着性を評価する。
【0076】(判定基準)各項目の判定基準は以下の通
りである。
【0077】
【表1】
【0078】(実施例1)このチューブは、ポリアミド
11で形成される最内層(肉厚0.2mm)と、ポリア
ミド11とポリエステル系エラストマとの混合物(5:
5)から形成される接着層(肉厚0.1mm)と、ポリ
エステル系エラストマから形成される外層(肉厚0.7
mm)と、を有する。
【0079】このチューブは次のようにして得た。3台
の押出機にポリアミド11、上記混合物、ポリエステル
系エラストマをそれぞれ入れ、それぞれ200〜240
℃、230〜250℃、220〜250℃の加工温度で
可塑化した後、245℃に制御した3種3層チューブダ
イから外径8mm、内径6mmの3種3層チューブを押
出成形した。
【0080】(実施例2〜9)表2および表3に示す組
成および厚みとしたこと以外は、実施例1と同様にして
チューブを押出成形した。
【0081】(比較例1)比較例1のチューブは、DI
N74324に指定されたポリアミド11からなり、肉厚1
mmの単層のものである。
【0082】(比較例2)比較例2のチューブは、DI
N74324に指定されたポリアミド12からなり、肉厚1
mmの単層のものである。
【0083】(比較例3)ポリアミド6からなる層、E
VOHからなる層、ポリアミド6からなる層、およびポ
リエステル系エラストマからなる層を内側から順次積層
して多層構造のチューブを得た。このチューブは、3台
の押出機を用いて3種4層チューブダイから外径8m
m、内径6mmの3種4層チューブを押出成形したもの
である。各層の厚みを表4に示す。
【0084】(比較例4)ポリアミド6からなる層、ポ
リエステル・ポリエーテルブロック共重合体からなる層
を積層してチューブを得た。このチューブは、2台の押
出機を用いて2種2層チューブダイから外径8mm、内
径6mmの2種2層チューブを押出成形したものであ
る。各層の厚みを表4に示す。
【0085】(比較例5)変性ポリオレフィン含有ポリ
アミド6からなる層、ポリエステル・ポリエーテルブロ
ック共重合体からなる層を積層してチューブを得た。こ
のチューブは、2台の押出機を用いて2種2層チューブ
ダイから外径8mm、内径6mmの2種2層チューブを
押出成形したものである。各層の厚みを表4に示す。
【0086】(比較例6)ポリアミド6とポリアミド6、
6との混合物からなる層、変性ポリオレフィン含有ポリ
エステル・ポリエーテルブロック共重合体からなる層を
積層してチューブを得た。このチューブは、2台の押出
機を用いて2種2層チューブダイから外径8mm、内径
6mmの2種2層チューブを押出成形したものである。
各層の厚みを表4に示す。
【0087】(比較例7)ポリアミド6からなる層、変
性ポリオレフィンからなる層、ポリエステル系エラスト
マからなる層を積層してチューブを得た。このチューブ
は、3台の押出機を用いて3種3層チューブダイから外
径8mm、内径6mmの3種3層チューブを押出成形し
たものである。各層の厚みを表4に示す。
【0088】比較例1〜7のチューブの構成をまとめて
表4に示す。
【0089】次に、実施例1〜9および比較例1〜7で
得られた各チューブの特性を上記評価試験方法に従って
測定した。それらの結果を表2、表3および表4に示
す。
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】以下に、上記の表2〜表4の結果に基づ
き、実施例で得られたチューブの特性と、比較例で得ら
れたチューブのそれらとを対比して説明する。
【0094】各表を対比してみれば明らかなように、比
較例1、2のチューブは150℃での破壊圧力が低くま
た気密性も低い。一般に、この破壊圧力は、エアブレー
キ用チューブとして使用に耐え得るためには、2.0MP
a以上が必要とされている。
【0095】比較例3のような4層構造のチューブでは
破壊圧力が高いが、耐折れ性が悪く、また耐熱性も低
い。
【0096】実施例1〜9のチューブと比較例4〜6の
チューブとを比較すると、比較例のチューブはいずれも
耐熱後の気密性および引抜力が大きく低下している。こ
れは最内層と外層との接着性が悪いためである。比較例
7のように、最内層と外層との間の接着層として、変性
ポリオレフィンを使用した場合にも耐熱性を向上できな
かった。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、高温使用時における耐
久性が向上し、耐圧保持率が向上し、気密性を確保でき
るエアブレーキ用チューブを得ることができる。従っ
て、このようなチューブがエンジンルーム内に配設され
て機器と継手を介して接続される場合、高温での長時間
使用によりチューブが継手から外れるおそれがなく、ま
たチューブと継手との接続部分から内部エアが漏れるお
それもなく、信頼性を向上することができる。
【0098】また、本発明のチューブは耐折れ性にも優
れているので、小型化された装置内へも折れることなく
容易に配管することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系樹脂から成る最内層と、そ
    の外側に設けられており、融点が200℃以上であり、
    かつJIS K 7215に準じた硬度が55D以上の
    ポリエステル系エラストマからなる外層と、該最内層と
    該外層との間に設けられた接着層と、を有し、 該接着層が、ポリアミド系樹脂およびポリアミド系エラ
    ストマのうち少なくとも一種と、ポリエステル系樹脂お
    よびポリエステル系エラストマのうち少なくとも一種
    と、の溶融混合物からなるエアブレーキ用チューブ。
  2. 【請求項2】 前記接着層が、ポリアミド系樹脂30〜
    70容量%とポリエステル系エラストマ70〜30容量
    %との溶融混合物からなる請求項1に記載のチューブ。
JP4878295A 1995-03-08 1995-03-08 エアブレーキ用チューブ Pending JPH08247344A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009143003A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Bridgestone Corp ホース内管用積層樹脂管状体及び冷媒輸送用ホース
JP2010520827A (ja) * 2007-03-13 2010-06-17 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 自動車用空気ブレーキシステムにおいて使用するためのプラスチック管
KR20240051073A (ko) 2021-08-19 2024-04-19 니타 가부시키가이샤 에어 브레이크용 튜브

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