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JPH08234468A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JPH08234468A
JPH08234468A JP3706295A JP3706295A JPH08234468A JP H08234468 A JPH08234468 A JP H08234468A JP 3706295 A JP3706295 A JP 3706295A JP 3706295 A JP3706295 A JP 3706295A JP H08234468 A JPH08234468 A JP H08234468A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoreceptor
ctl
layer
group
photoconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3706295A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Itami
明彦 伊丹
Masanari Asano
真生 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP3706295A priority Critical patent/JPH08234468A/ja
Publication of JPH08234468A publication Critical patent/JPH08234468A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度であり、高摩耗性、耐刷性に優れ高耐
久、高潤滑性でありかつ繰り返し使用による電位安定性
の低下、残留電位の上昇及び光感度の低下が少ない電子
写真感光体を提供する。 【構成】 感光体の表面層が少なくともポリエステル-
カーポネートの構成単位とポリシロキサンの構成単位と
を含む共重合体、又はポリシロキサンの構成単位を含む
ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする電子写真
感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真分野における感
光体に関するもので、さらに詳しくは、複写機やプリン
ター中に組み込んで使用される有機電子写真感光体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真法として最も代表的な、カ
ールソン法での複写機について説明すれば、感光体を一
様に帯電させた後、露光によって電荷を像様に消去せし
め、静電荷潜像を形成する。これをトナーによって現像
して可視化し、次いでそのトナーを紙などの転写体に転
写してから定着する。
【0003】一方、感光体は、残存している付着トナー
の除去や、除電等の表面浄化処理が施され、長期にわた
って繰り返し使用される。
【0004】従って、電子写真感光体としては、帯電特
性及び感度が良好で、更に暗減衰が低いなど、電子写真
特性は勿論、加えて繰り返し使用での耐刷性、耐摩耗
性、表面に傷が付きにくい等の物理的特性、コロナ放電
によって発生するオゾンに対する耐久性、露光時に受け
る紫外線などへの耐久性が良いことも要求され、実用上
はこれらの点が問題視される。
【0005】これまで電子写真感光体としては、セレ
ン、酸化亜鉛、カドミウムなどの無機光導電性物質を感
光層の主成分とする所謂無機感光体が、広く用いられて
きたが、これらは有害なものが多く環境対策上問題があ
る。
【0006】従って近年、無公害である有機物を用いた
有機感光体の開発が盛んであり、広く実用化されてきて
いる。中でも電荷発生機能と、電荷輸送機能とを異なる
物質に分担させ、希望する特性をもつ化合物を、広い範
囲から選択し得る所謂機能分離型の有機感光体が盛んに
開発され実用化されている。
【0007】しかし、このような有機感光体は無機感光
体に比べ、一般に機械的強度が劣っており、クリーニン
グブレード、現像ブラシ等の機械的外力による摺擦傷、
摩耗といった問題がある。
【0008】例えば、支持体上に電荷発生層(以下CG
Lと称する)及び電荷輸送層(以下CTLと称する)を
順次積層した従来の感光体は電荷輸送層が低分子の電荷
輸送物質(以下CTMと称する)を不活性の高分子の樹
脂バインダーで結着することにより形成されているた
め、CTLは一般に柔らかく、機械的特性と電子写真的
特性とを両立させることが十分出来ていない。感度の高
い組成では、またはある種の樹脂バインダーでは感光体
の反復使用時にクリーニングブレード等の摺擦によって
感光体表面に傷が生じたり、表面が摩耗したりし、ま
た、耐摩耗性の高い組成又はある種の樹脂バインダーで
は感度が低かったりまたは残電上昇等の電子写真的特性
が満足できなかった。
【0009】これらの問題に対して感光体の表面の摩擦
係数の低減,表面エネルギーの低減させるため摩耗低減
作用を有するシリコーン含有樹脂、フッ素含有樹脂等を
CTLに使用することが提案されている。しかし、これ
らは低感度であったり、繰り返し使用による残留電位の
上昇等の電子写真特性や、反復使用時の摩耗、傷による
画質の低下、膜減耗による感度低下等の機械的耐久性が
なお不充分であり、これらを満足するような樹脂は見い
出されていなかった。またCTLの上に更に各種組成、
材料を使用して保護層を設けることによる上記問題点の
解決が提案されているが、感度低下および残電上昇を生
じてしまう。
【0010】また、バインダー樹脂の高分子量化による
問題点の解決法が特開昭60-168153号、特開平1-206348
号で提案されているが、分子量が増加するに従いその塗
布液の粘度は指数的に上昇し、そのため特にCTLの一
般的塗布法である浸漬塗布において、CTLを適正膜厚
に塗工するには生産性が低下するという問題を有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高感度であ
り、耐摩耗性、耐刷性の耐久性に優れ、高潤滑性であり
かつ繰り返し使用による電位安定性の低下、残留電位の
上昇及び感度の低下が少ない電子写真感光体を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、感光体
の最表面層がポリエステル-カーボネートの構成単位と
ポリシロキサンの構成単位とを含む共重合体(以下本発
明のポリカーボネートと称する)又はポリシロキサンの
構成単位を含むポリエステル樹脂(以下本発明のポリエ
ステル樹脂と称する)を含有することを特徴とする電子
写真感光体によって達成される。
【0013】以下、本発明を詳述する。
【0014】本発明のポリカーボネートのポリエステル
−ポリカーボネート構成単位は、各々複数のエステル結
合とカーボネート結合を該構成単位に含むものであり、
具体的には下記一般式(A)で表されるエステル結合構
成単位、及び下記一般式(B)で表されるカーボネート
結合構成単位を含むものが好ましい。
【0015】又、本発明において、本発明のポリカーボ
ネートのポリエステル-カーボネートの構成単位が下記
一般式(1)で表される単位であることが好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】(一般式(A)、(B)及び(1)中、Z
は各々二価の置換、無置換の脂肪族基、脂環族基又は芳
香族基を表し、mは正の整数を表す。) 上式のZにおいて、二価の脂肪族基としては、アルキレ
ン基、アルキリデン基、二価の脂環族基としては、シク
ロアルキレン基、二価の芳香族基としてはフェニレン基
の如きアリーレン基、ビフェニレン基が具体的な例とし
て挙げられる。
【0018】又、Zにおける置換基としては、任意の基
が採用され得るが、好ましくは炭素数1〜4のアルキル
基である。
【0019】又、本発明のポリカーボネートのポリシロ
キサンの構成単位が下記一般式(2)、(3)、(4)
又は(5)で表される単位であることが好ましい。
【0020】
【化2】
【0021】(式中、R11,R12は炭素数2〜6のアル
キレン基又はアルキリデン基を表し、R13〜R16は炭素
数1〜3のアルキル基、各々置換、無置換のフェニル
基、もしくはシクロアルキル基を表し、nは1〜200を
表す。)
【0022】
【化3】
【0023】(式中、Xはアルキレン基を表し、R17
18及びR19は各々置換、無置換のアルキル基又はアリ
ール基を表し、R20は炭素数が1から15のペルフルオロ
アルキル基を表し、R21〜R28は各々独立し水素原子、
ハロゲン原子又はアルキル基を表し、m,nは0又は正
の整数を表す。)
【0024】
【化4】
【0025】(式中、R29〜R36は水素原子、ハロゲン
原子、又は炭素数1〜14のアルキル基、炭素数5〜12の
シクロアルキル基、炭素数6〜12の置換、無置換のアル
ケニル基もしくはアリール基を表し、R37及びR38は各
々独立に炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の
置換、無置換のアリール基を表す。)
【0026】
【化5】
【0027】(式中、R39及びR40は水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基又はハ
ロゲン化アルキル基を表し、Qは炭素数4〜20の置換、
無置換の炭素環を形成するに必要な原子群を表し、P1
〜P4は下記の一般式(6)で表されるポリシロキサン
基、水素原子、ハロゲン原子、アリル基、炭素数1〜20
のアルキル基、アリール基又はハロゲン化アルキル基を
表し、但しP1〜P4のうち少なくとも1つは該ポリシロ
キサン基を表す。
【0028】
【化6】
【0029】式中、R41は炭素数2〜5のアルキレン基
を表し、R42〜R48は炭素数1〜20のアルキル基、アリ
ール基又はフルオロアルキル基を表し、nは1〜500の
整数を表す。) 又、本発明において前記ポリエステル樹脂が下記一般式
(7−A)又は(7−B)で表される構成単位を含有す
ることが好ましい。
【0030】一般式(7−A) −(O−R1−O−CO−R2−CO)− 一般式(7−B) −(O−R1−CO)− (各式中、R1,R2:各々2価の置換、無置換の有機残
基を表す。) 更に一般式(7−A)で表される構成単位において、下
記一般式(8)で表される構成単位であることが好まし
い。
【0031】
【化7】
【0032】(式中、Aは炭素数1〜15の直鎖、分岐鎖
のアルキリデン基、炭素数5〜20の置換、無置換の環状
アルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、アリー
レンジアルキリデン基、アリーレン基、単なる結合手、
−S−,−SO−,−SO2−,−O−,−CO−又は−Si(R9)
(R10)−を表し、R1〜R8は各々独立に水素原子、ハロ
ゲン原子、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数5〜12の
シクロアルキル基、炭素数6〜12の置換、無置換のアル
ケニル基もしくはアリール基を表し、並びにR9,R10
はそれぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を表
す。Bは各々二価の置換、無置換の脂肪族基、脂環族基
又は芳香族基を表す。) 本発明のポリエステル樹脂の前記ポリシロキサンの構成
単位は下記一般式(9)、(10)、(11)、(12)で表
される単位であることが好ましい。
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】(各式中、R11〜R48、X、Y、Q、P1
〜P4、m、nは前記一般式(2)〜(6)で説明した
ものと同じであり、一般式(13)は一般式(6)に対
応している。) 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質(以下CGM
と称する)を含むCGL及びCTMを含むCTLとをこ
の順に積層してなる電子写真感光体において、前記CT
Lが複数の構成層からなり、かつ該複数の構成層のうち
前記導電性支持体から最も遠いCTLが前記最表面層と
構成する電子写真感光体が、本発明の好ましい実施態様
である。
【0039】本発明のポリカーボネートは溶融重合法、
エステル交換法及び界面重合法を含む種々の方法によっ
て製造することができる。
【0040】例えば界面重合法を例にとれば、 (1) 少なくとも1種の2価フェノール (2) 少なくとも1種のシロキサン含有2価フェノール (3) カーボネート前駆物質 (4) 少なくとも1種のエステル前駆物質より製造するこ
とができる。
【0041】本発明で使用される2価フェノールは下記
一般式(14)で表される。
【0042】
【化13】
【0043】〔式中、A、R1〜R8は一般式(7)にお
いて説明したものと同じである。〕 具体的な2価フェノール化合物は以下のものが挙げられ
る。
【0044】
【化14】
【0045】
【化15】
【0046】
【化16】
【0047】
【化17】
【0048】
【化18】
【0049】
【化19】
【0050】
【化20】
【0051】
【化21】
【0052】
【化22】
【0053】
【化23】
【0054】
【化24】
【0055】本発明で使用されるシロキサン含有2価フ
ェノールとしては下記一般式(15),(16),(17)あ
るいは(18)で表される。
【0056】
【化25】
【0057】
【化26】
【0058】
【化27】
【0059】
【化28】
【0060】
【化29】
【0061】〔一般式(15)、(16)、(17)、(18)
において、R11〜R48、X、Q、Y、P1〜P4、m、n
は一般式(2)〜(6)で説明したものと同じであり、
一般式(19)は一般式(6)に対応している。〕 シロキサン含有2価フェノールの具体例は以下の化合物
が挙げられる。
【0062】
【化30】
【0063】
【化31】
【0064】
【化32】
【0065】
【化33】
【0066】
【化34】
【0067】
【化35】
【0068】
【化36】
【0069】
【化37】
【0070】
【化38】
【0071】本発明では使用されるカーボネート前駆物
質は、ハロゲン化カルボニル、炭酸エステル又はビスハ
ロホルメートであることができる。ハロゲン化カルボニ
ルは、臭化カルボニル、塩化カルボニル又はこれらの混
合物であることができる。炭酸エステルは、炭酸ジフェ
ニル;例えば炭酸ジ(ブロモフェニル)、炭酸ジ(クロ
ロフェニル)及び炭酸ジ(トリブロモフェニル)等の炭
酸ジ(ハロフェニル);例えば炭酸ジ(トリル)等の炭
酸ジ(アルキルフェニル);炭酸ジ(ナフチル);炭酸
クロロフェニルクロロナフチル;及び炭酸フェニルトリ
ル;であることができる。ビスハロホルメートには、例
えばビスフェノール-A及びハイドロキノンのビスクロ
ロホルメート等の二価フェノールのビスハロホルメー
ト;及び、例えばエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール及びポリエチレングリコールのピスクロロホル
メート等のグリコールのビスハロホルメートが包含され
る。好適なカーボネート前駆物質は、ホスゲンとしても
知られている塩化カルボニルである。
【0072】本発明で使用されるエステル前駆物質は、
二官能性カルボン酸又は好ましくは二官能性カルボン酸
のエステル形成反応誘導体である。
【0073】一般に、線状ポリエステルの調製に従来か
ら使用されている、例えばジカルボン酸等の二官能性カ
ルボン酸及び好ましくはそのエステル形成反応誘導体の
何れかを、本発明のポリカーボネートの製造に使用する
ことができる。一般に、二官能性カルボン酸、好ましく
はそのエステル形成反応誘導体には、脂肪族ジカルボン
酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族-芳香族ジカルボン酸
及びこれらのエステル形成反応誘導体が包含される。
【0074】特に有用な二官能性カルボン酸、好ましく
はそれらのエステル形成反応誘導体は、芳香族ジカルボ
ン酸である。
【0075】好適な芳香族ジカルボン酸のエステル形成
反応性誘導体は、二酸ハライド、好ましくは二酸クロリ
ドである。これらの誘導体の若干の例示的で非限定的な
例は、イソフタロイルジクロリド、テレフタロイルジク
ロリド及びこれらの混合物である。
【0076】詳細な合成法については特開昭62-86018号
公報、特公昭36-6391号公報、特公昭38-26299号公報、
特公昭36-3817号公報等に記載があり、末端基として水
酸基を有する低分子量ポリエステル、あるいは低分子量
ポリカーボネートを用いればブロック結合様式の共重合
体を得ることができる。
【0077】本発明のポリカーボネートのエステル成分
及びカーボネート成分の両者は、ポリエステル-カーボ
ネート中にブロック状又は統計的に分布した状態で存在
している。もし界面重合法が用いられると、一定のポリ
エステルのブロックを含むポリエステル-カーボネート
が製造できる。即ち例えば芳香族系ジカルボン酸二塩化
物の水性アルカリ性溶液をまず反応させて、フェノール
性末端基を含む初期縮合物を与え、続いてフォスゲンを
通ずることによって初期縮合物を更にポリエステル-カ
ーボネートまで縮合させることができる。ポリエステル
ブロックの長さはジフェノールと酸塩化物との間のモル
比を適当に選択することによって調節することができ
る。
【0078】ポリエステルブロックを含むポリエステル
-カーボネートは、フェノール性OH末端基を含むカーボ
ネートのオリゴマーを芳香族ジカルボン酸二塩化物と反
応させれば同様に得られる。
【0079】エステル及びカーボネート基を統計分布的
に含有するポリエステル-カーボネートは、ジフェノー
ル溶液に対する酸二塩化物及びホスゲンの添加量を同時
に調整することにより容易に製造が可能である。
【0080】本発明のポリカーボネートはポリマー鎖中
にエステル結合、カーボネート結合及びシロキサン結合
を含む。エステル結合を含むモノマーの量は10〜90モル
%好ましくは20〜85%、シロキサン結合を含むモノマー
の量は1〜80モル%好ましくは5〜70モル%である。但
し、ここでいうエステル結合にはカーボネート結合は含
まない。
【0081】本発明のポリカーボネートの分子量は任意
であるが、その分子量が小さすぎても、又大きすぎても
電子写真感光体に適用したとき、本発明の目的を充分に
は達成し得ない。好ましくは重量平均分子量は10000〜6
00000であり、更に好ましくは30000〜500000である。
【0082】本発明のポリカーボネートの具体例を以下
に挙げる。
【0083】
【化39】
【0084】
【化40】
【0085】
【化41】
【0086】
【化42】
【0087】
【化43】
【0088】
【化44】
【0089】
【化45】
【0090】本発明のポリエステル樹脂の製造法は当該
技術分野においてよく知られており、特開平5-43670号
公報、米国特許第2,485,319号、同2,901,466号、同3,04
7,539号、同3,317,464号、同3,351,624号、同3,498,950
号及び同4,066,627号各明細書及びニュー・ヨーク州ニ
ュー・ヨーク市のインターサイエンス・パブリッシャー
ズ社の、エフ・ダブリュー・ビルマイヤー・ジュニア
著、「テキストブック・オブ・ポリマー・サイエンス」
(1962年)、434〜436頁、472〜475頁及び504〜505頁(Bi
llmeyer.F.W.,Jr.,Textbook of Polymer Science,Inter
science Publishers,New York,N,Y.,1962,pp.434-436.4
72-475 and 504-505)に記載されているが、これらの方
法に従い−OH基含有シロキサン化合物をモノマーの1つ
として用いることにより容易に合成できる。
【0091】すなわち、本発明のポリエステルは、一般
にジカルボン酸とグリコール或いは2価フェノール類等
の−OH基含有化合物との反応により調製され得る。この
場合シロキサン結合はどちらのモノマー中にあってもよ
いが−OH基含有化合物中に入っているのが好ましい。本
発明のポリエステルは、通常脂肪族、芳香族又は脂肪族
-芳香族である。ポリエステルは、ポリマー鎖中に繰り
返しエステル単位、即ち炭化水素基又は置換された炭化
水素基の炭素原子に結合したカルボン酸エステル基を有
することによって特徴付けられる。
【0092】本発明では使用するのに好適なポリエステ
ルは、 通常一般式(7−A) −(−O −R1−O−CO−R2−CO−)− 又は一般式(7−B) −(−O −R1−CO−)− で表される繰り返し構造単位の少なくとも1種を有す
る。式中R1及びR2は、夫々2価の置換、無置換の有機
残基から選ばれる。R1又はR2にシロキサン結合が含ま
れてもよいが、好ましくはR1に含まれるのがよい。更
に好ましくは一般式(7′−A)又は(7′−B)で表
される。
【0093】一般式(7′−A) −(−O−R1−O−CO−R2−CO−)−(−O−R′1−O−CO−R
2−CO−)− 一般式(7′−B) −(−O−R1−CO−)−(−O−R′1−O−CO−R2−CO−)− の如き共重合体のR′1成分にシロキサン結合が入って
いるものがよい。又、ポリマーの他の物性例えば相溶
性、溶解性、接着性等を変える為に第3のモノマー成分
を入れて3元共重合体としてもよい。
【0094】別のモノマーとには芳香族ヒドロキシ酸の
ような自己重縮合型のモノマーを入れて共重合させても
よい。例えばp-アセトン安息香酸等が挙げられる。
【0095】脂肪族ポリエステルの場合、R1及びR2
両方共、夫々2価の脂肪族炭化水素基又は置換された2
価の脂肪族炭化水素基から選ばれる。2価の脂肪族炭化
水素基には、アルキレン基、アルケニレン基、アルキリ
デン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基及
びシクロアルケニレン基が包含される。好適なアルキレ
ン基は、2〜20個の炭素原子を有するものである。好適
なアルキリデン基は、1〜20個の炭素原子を有するもの
である。好適なアルケニレン基は、2〜20個の炭素原子
を有するものである。好適なシクロアルキレン基、シク
ロアルキリデン基及びシクロアルケニレン基は4〜8個
の炭素原子を有するものである。置換された2価の脂肪
族炭化水素基は、上記の2価の脂肪族炭化水素基が少な
くとも1個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有
するものである。好適な置換基はハロゲン原子、ニトロ
基及びアミノ基である。
【0096】本発明で使用するのに適した芳香族ポリエ
ステルは、一般にR1及びR2がそれぞれ2価の芳香族基
又は置換された2価の芳香族基から選ばれる式(7−
A)又は(7−B)の繰り返し構造単位の少なくとも1
種を有する。
【0097】R1及びR2で表される2価の芳香族基に
は、フェニレン基、置換されたフェニレン基、ビフェニ
レン基、置換されたビフェニレン基、ナフチレン基、置
換されたナフチレン基及び下記一般式(20)
【0098】
【化46】
【0099】(式中、R1〜R8及びAは、一般式(8)
で定義したとおりである)で表される基が包含される。
【0100】特に有用な芳香族ポリエステルは、R1
フェニレン基であり、R1が一般式(19)で表される基
である。
【0101】脂肪族-芳香族ポリエステルは、R1及びR
2のうち1つが2価の芳香族基であり、R1及びR2のう
ち1つが2価の脂肪族基である。好適な脂肪族-芳香族
ポリエステルは、R1が2価の脂肪族基又は置換された
2価の脂肪残基であり、R2が2価の芳香族基又は置換
された2価の芳香族基であるものである。
【0102】特に有用な脂肪族-芳香族ポリエステルの
1つの群は、ポリアルキレンテレフタレート又はポリア
ルキレンイソフタレートである。これらのタイプのポリ
エステルは、下記一般式(21)
【0103】
【化47】
【0104】で表される繰り返し構造単位の少なくとも
1種を有する。この場合式中のmは2〜4の値を有する
整数である。特に好適な上記一般式(21)のポリエステ
ルは、ポリエチレンテレフタレート及びポリ(1,4-ブチ
レンテレフタレート)である。
【0105】別の有用な脂肪族-芳香族ポリエステルの
もう一つの群は、これらに限定されないが、(a)1,4-
シクロヘキサンジメタノールを含むグリコール部分とテ
レフタル酸、イソフタル酸又はこれらの混合物を含む酸
部分との又は(b)1,4-シクロヘキサンジメタノール及
びエチレングリコールを含み、1,4-シクロヘキサンジメ
タノール及びエチレングリコールに対するモル比が4:
1〜1:4であるグリコール部分とテレフタル酸、イソ
フタル酸又はこれらの混合物を含む酸部分との反応生成
物を含み得るポリエステル共重合体、即ちコポリエステ
ルがある。
【0106】本発明で使用されるシロキサン含有2価フ
ェノールとしては、前記一般式(15)、(16)、(17)
或いは(18)で表されるものと同一のものを用いること
ができる。
【0107】本発明のポリエステル樹脂は、ポリマー鎖
中にエステル結合及びシロキサン結合を含む。シロキサ
ン結合を含むモノマーの量は1〜80モル%、好ましくは
5〜70モル%である。
【0108】本発明のポリエステル樹脂の好ましい重量
平均分子量は10000〜600000であり、更に好ましくは200
00〜500000である。
【0109】本発明のポリエステル樹脂の具体例を以下
に挙げる。
【0110】
【化48】
【0111】
【化49】
【0112】
【化50】
【0113】
【化51】
【0114】
【化52】
【0115】
【化53】
【0116】
【化54】
【0117】
【化55】
【0118】以下本発明の感光体について、詳細に説明
する。
【0119】感光体の構成は種々の形態が知られてい
る。
【0120】本発明は感光体のそれらのいずれの形態を
も取り得、積層型もしくは分散型の機能分離型感光体と
するのが望ましいが、本発明は、必ず最表面層に本発明
のポリカーボネート又は本発明のポリエステル樹脂を含
有することが必須である。この場合、通常は図1(a)
〜(h)のような構成となる。図1(a)に示す層構成
は、導電性支持体1上にCGMを含有するCGL2を形
成し、これにCTMを含有するCTL3を積層して感光
層4を形成したものであり、同図(b)はこれらのCG
L2とCTL3を逆にした感光層4′を形成したもので
ある。同図(c)は(a)の層構成の感光層4と導電性
支持体1の間に中間層5を設け、同図(d)は(b)の
層構成の感光層4′と導電性支持体1との間に中間層5
を設けたものである。同図(e)の層構成はCGMとC
TMを含有する感光層4″を形成したものであり、同図
(f)はこのような感光層4″と導電性支持体1との間
に中間層5を設けたものである。図1(a)〜(f)の
構成において、最表層にはさらに保護層9を設けること
ができ、例えば(g)、(h)を例として挙げる。これ
ら図1の具体例において、本発明のポリカーボネート又
はポリエステル樹脂は、(a)、(c)におけるCTL
3に、(b)、(d)におけるCGL2に、(e)、
(f)における感光層4″に、(g)、(h)における
保護層9に含有される。
【0121】負帯電の感光体に於ては(c)のタイプが
好ましく、正帯電の感光体では(b)又は(f)のタイ
プが好ましい。
【0122】本発明の別の層構成においてはCTLは少
なくとも2層から成り立っており、その例を図2の
(a)或いは(b)に示す。即ち、図2(a)におい
て、導電性支持体1上にCGL2を設け、その上に支持
体側のCTL10及び最外層のCTL11を設ける。図2
(b)は導電性支持体1とCGL2との間に中間層5を
設けた例である。
【0123】この最外層のCTL11にはCTMと本発明
のポリカーボネート又はポリエステル樹脂、場合によっ
ては、例えば本発明のポリカーボネートと他の通常のポ
リカーボネート(例えば特開昭56-119135号、特開平1-2
50981号公報等記載のポリカーボネート) との混合物を
塗設し、支持体側のCTL10にはCTMと後述のバイン
ダー樹脂との混合物をCGL上に塗設して乾燥させる方
法によって2層のCTLを形成することができる。
【0124】本発明のバインダーは感光体の最表面層に
使用されるがこの本発明のバインダーと共に、あるい
は、感光体の他の構成層には、CGM等と混和性が良
く、フィルム形成能を有するものであれば任意のものを
用いることができるが、疎水性で、電気絶縁性のフィル
ム形成性高分子重合体を用いるのが好ましい。このよう
な高分子重合体としは、例えば次のものを挙げることが
できる。
【0125】ポリカーボネート ポリエステル メタクリル酸樹脂 アクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン ポリビニルアセテート スチレン-ブタジエン共重合体 塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体 シリコン樹脂 シリコン-アルキッド樹脂 フェノールホルムアルデヒド樹脂 スチレン-アルキッド樹脂 ポリ-N-ビニルカルバゾール ポリアミド ポリウレタン ポリケトン エポキシ樹脂 ポリビニルブチラール ポリビニルホルマール 本発明のポリカーボネート又はポリエステル樹脂は必要
に応じて、物性や塗工性を微少調整する為に、他のポリ
カーボネートとを混合して用いてもよい。他のポリカー
ボネートの混入率はポリシロキサンの鎖長、含有量によ
って異なるが0〜95%がよく、好ましくは5〜80%がよ
い。
【0126】本発明において、CGLはCGMを適当な
分散媒に単独もしくは適当なバインダー樹脂と共に分散
せしめた分散液を導電性支持体あるいは必要に応じて中
間層を設けた上に塗布して乾燥させる方法、あるいは真
空蒸着法等によって形成することができる。
【0127】本発明の感光体においては、CGMとして
次の代表例で示されるような顔料が用いられる。
【0128】(1)モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリ
アゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料等のアゾ顔料 (2)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等のペリレ
ン顔料 (3)アントラキン誘導体、アンスアンスロン誘導体、
ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビ
オラントロン誘導体及びイソビオラントロン誘導体等多
環キノン顔料 (4)インジゴ誘導体及びチオインジゴ誘導体等のイン
ジゴイド顔料 (5)金属フタロシアニン及び無金属フタロシアニン等
のフタロシアニン顔料 更に好ましくはCGMは、ジブロムアンスアンスロン顔
料、ビスイミダゾピリドノペリレン系、Y型チタニルフ
タロシアニン(図3参照)が挙げられる。
【0129】また本発明において、CGMのバインダー
への分散にはボールミル、アトライター、サンドグライ
ンダー等が用いられる。
【0130】以上のようにして形成されるCGLにおい
て、CGMとバインダーとの重量比は好ましくは100:0
〜1000である。CGMの含有割合がこれよりも少ないと
光感度が低く、残留電位の増加を招き、またこれよりも
多いと暗減衰の増加及び受容電位が低下する。
【0131】またCGL中にCTMを含有する場合に
は、CGMとCTMとの割合は重量比で10:0〜10:10
00であることが好ましく、特に好ましくは10:0〜10:
100である。
【0132】CGLの塗布は前記分散液を浸漬塗布、ス
プレー塗布、ブレード塗布、ロール塗布等によって行う
ことができる。
【0133】形成されるCGLの膜厚は、好ましくは0.
01〜10μmである。
【0134】本発明において、導電性支持体とCGLと
の間に中間層を有してもよく、その際中間層の膜厚は0.
01〜15μm。好ましくは0.05〜3μmの範囲とされる。
【0135】0.01μmを下まわると支持体から感光層へ
の電荷の注入が阻止され得ない。また支持体の凹凸を原
因として感光体にピンホールが発生し易くなる。15μm
を上まわると感光層の残留電位が効果的に除去され得な
い。
【0136】更に中間層に用いられるバインダーとして
は、電気抵抗、耐環境性、他層との接着性あるいは他層
の溶媒に不溶であること等を考慮して選ばれる。
【0137】これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合
溶媒として用いることができる。
【0138】中間層の成膜法としては、バインダーを溶
剤に溶解して、浸漬塗布、スプレー塗布、ビードコート
法等を用いればよい。
【0139】次に本発明に用いられるCTLについて説
明する。
【0140】本発明においては、CTLは、CTMと本
発明のバインダー等のバインダーとを、溶媒中に溶解、
分散せしめた溶液又は分散液を例えばCGL上に塗布し
て乾燥させる方法によって形成することができる。
【0141】本発明の感光体において、CTMとしてピ
ラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系
化合物、トリフェニルアミン系化合物、ベンジジン系化
合物、オキサゾール系化合物、インドール系化合物、カ
ルバゾール系化合物等が用いられる。
【0142】更に詳しくCTMについて述べると、本発
明において好ましく用いられるCTMとしては代表例に
は特願平5-240801号記載の一般式〔II〕〜〔X〕で表さ
れる化合物がよい。具体的な化合物例は上記特願平5-24
0801号の58頁〜64頁にわたり記載されている。
【0143】本発明に係る感光体に用いられる導電性支
持体としては、合金を含めた金属板、金属ドラムまたは
導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物や合
金を含めたアルミニウム、パラジウム、金等の金属薄層
を塗布、蒸着あるいはラミネートして、導電性化された
紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。接着層ある
いはバリヤ層などの中間層としては、前記バインダー樹
脂として用いられる高分子重合体のほか、ポリビニルア
ルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリアミドなどの有機高分子物質または酸化アル
ミニウムなどが用いられる。
【0144】なお、本発明に係る感光体ではCGMの電
荷発生機能を改善する目的で感光層中に例えば特開昭60
-172044号公報等に記載される有機アミンをCGMの1
倍以下、好ましくは0.2倍〜0.005倍含有せしめることが
できる。また感度向上、残留電位乃至反復使用時の疲労
低減を目的として、CGL中に上記公報記載の電子受容
性物質をCGM100重量部に対して0.01〜200重量部、好
ましくは0.1〜100重量部含有せしめることができる。
【0145】本発明のポリカーボネート又は本発明のポ
リエステル樹脂は感光層の少なくとも最上層に添加して
使用されるが、特にCTLのバインダーとして使用され
る場合が効果的である。その場合のCTMの割合は本発
明のポリカーボネート100重量部に対して30〜300重量
部、好ましくは40〜200重量部、より好ましくは40〜150
重量部の範囲で使用される。又、他の使用形態として
は、保護層等をもうけ最表面層に用いてもよいが、この
場合、本発明のポリカーボネート又はポリエステル樹脂
を含有することが必須である。
【0146】さらにCTLが2層の場合については、C
TLのうち、最外層に、CTMを含有させ、当該層中に
おけるCTMのバインダーに対する含有率(重量比、C
TM/バインダー物質×100)は5.0〜200重量%(更に
は20から80重量%)とすることが好ましく、その膜厚は
1.0〜10μmとすることが好ましい。
【0147】導電性支持体側のCTLには、最外層に添
加したものと同一或いは異なるCTMを含有させる。こ
の層中におけるCTMのバインダーに対する含有率は、
30重量%以上、さらには50〜300重量%とすることが好
ましい。これにより、CTLからの光電荷注入能を大き
くできる。特筆すべきことは、CTMの含有率を例えば
300重量%と非常に大きくできることであり、これは最
外層のCTLの成膜強度を大きくすれば可能となるので
ある。また、膜厚は5〜30μmとすることが好ましい。
【0148】以下に、CTLの形成方法について述べ
る。前記CGLと同様にして塗布液を調液し、これを塗
布してCTLを形成する。塗布は、中間層、CGLと同
様に浸漬塗布、スプレー塗布、ビードコート法等を用い
れば良い。
【0149】CTLが2層の場合について述べると、前
記浸漬塗布法では、感光層を積層塗布する場合、塗設し
た下層が溶解されることがある。即ち、表面層の塗布時
下層が溶解されると、塗膜が破壊されて表面層及び下層
の機能が失われ、感光体の性能が発現されない。又表面
層の塗布時、むら、筋、斑点、凹凸等を発生した場合、
電子写真性能が部分的に又は局所的に異なり、画像むら
を生じ画質が低下し、かつ光電的、機能的耐久性も低下
し、電子写真性能が殷損される。又前記浸漬塗布法は多
量の塗布液を収容したタンクに被塗布体を1本ずつ浸漬
して塗布を行うため塗布液の無駄が多く、塗布能率が悪
くかつ塗布加工の初期と後期とではタンク内の塗布液が
変化して電子写真性能にばらつきを生ずる等の問題も生
ずる。
【0150】そこで本発明のように少なくとも上記最外
層を円形量規制型塗布機(例えば円形スライドホッパ塗
布機など)を用いれば上記問題を解決でき更に最外層と
それ以外の構成層で異なったCTMを使用する場合、最
外層塗布液への下層のCTMの溶出による混入が生じる
問題点に対しても有効な手段となる。
【0151】円形量規制型塗布機の塗布原理、特徴につ
いては、特開昭60-95440号、特開平3-90250号に開示さ
れている。
【0152】またCTLには必要に応じて酸化防止剤、
増感剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。CTLの
膜厚は10〜60μm、好ましくは10〜45μmの厚みで使用さ
れるのがよい。分散型感光層の場合には本発明のポリカ
ーボネート又はポリエステル樹脂を含む上記のような配
合比の電荷輸送媒体中に前出のCGMが分散される。そ
の場合に粒子径は十分に小さいことが必要であり、好ま
しくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下で使用さ
れる。感光層内に分散されるCGMの量は少なすぎると
十分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度
の低下などの弊害があり、例えば好ましくは0.5〜50重
量%の範囲で、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使
用される。感光層の膜厚は通常5〜50μm、より好まし
くは10〜45μmで使用される。またこの場合にも成膜
性、可撓性、機械的強度などを改良するための公知の可
塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向
上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレペリ
ング剤、界面活性剤、例えばシリコーンオイル、フッ素
系オイルその他の添加剤が含まれていてもよい。
【0153】
【実施例】以下本発明の具体例を実施例をもって説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0154】実施例1 感光体No.1−1 ポリアミド樹脂CM−8000(東レ社製)30gをメタノー
ル900ml、1-ブタノール100mlの混合液中に投入し、50℃
で加熱溶解し、塗布液を作製した。この液を用いて外径
80mm、355.5mmのアルミニウムドラム基体上に浸漬塗布
し、0.3μmの中間層を形成した。
【0155】次に、ポリビニルブチラール樹脂エスレッ
クBL−S(積水化学社製)10gをメチルエチルケトン
1000mlに溶解し、これにCGMとして例示化合物CGM
−130gを混入し、サンドミルを用いて20時間分散し
た。この分散液を用いて前記中間層上に浸漬塗布し、0.
5μm厚のCGLを形成した。
【0156】次に、CTMとして例示化合物CTM−1
150gとCTLバインダとして例示化合物(P1−1−
1)200gを1,2-ジクロルエタン1000mlに溶解した。
【0157】この塗布液を用いて、前記CGL上に浸漬
塗布を行った後、100℃で60分乾燥し、平均膜厚21μmの
CTLを形成した。
【0158】このようにして中間層、CGL、CTLか
らなる感光体No.1−1を得た(実施例1−1用)。
【0159】感光体No.1−2及び1−3 感光体No.1−1において、表1に示すCTLバインダ
ーを用いた以外は同様にしてそれぞれ感光体No.1−2
及び1−3を得た(実施例1−2及び1−3用)。
【0160】感光体No.1−4 ポリアミド樹脂ラッカマイド5003(大日本インキ社製)
15gをメタノール800ml,1-ブタノール200mlの混合溶液
中に投入し、50℃で加熱溶解した。この液を用いて外径
80mm、355.5mmのアルミニウムドラム基体上に浸漬塗布
し、0.5μmの中間層を形成した。
【0161】次に、シリコーン樹脂KR−5240(固形分
20%)(信越化学社製)10gをメチルエチルケトン700m
l、シクロヘキサノン300mlの混合溶媒に溶解し、これに
CGMとしてCGM−2(Y型チタニルフタロシアニ
ン)10gを混入し、サンドミルを用いて20時間分散し
た。この液を用いて前記中間層上に浸漬塗布し、1.0μm
厚のCGLを形成した。
【0162】次に、CTMとして例示化合物CTM−2
150gとCTLバインダーとして例示化合物(P1−1−
3)150gを1,2-ジクロルエタン1000mlに溶解した。
【0163】この液を用いて、前記CGL上に浸漬塗布
を行った後、100℃で60分乾燥し、平均膜厚20μmのCT
Lを形成した。
【0164】このようにして中間層、CGL、CTLか
らなる感光体No.1−4を得た。
【0165】感光体No.1−5〜1−9 感光体No.1−4において表1に示すCTLバインダー
を用いた以外は同様にしてそれぞれ感光体No.1−5〜
1−9を得た(実施例1−5〜1−9用)。
【0166】感光体No.1−10 中間層の形成までは感光体試料1−1と同様に行った。
【0167】次に、ポリビニルブチラール樹脂エスレッ
クBX−1(積水化学社製)2.5gをメチルイソブチル
ケトン1000mlに溶解し、これにCGMとして例示化合物
CGM−310gを混入し、サンドミルを用いて10時間分
散した。この液を用いて前記中間層上に、浸漬塗布し、
0.5μm厚のCGLを形成した。
【0168】次に、感光体試料1−4においてCTLバ
インダとして例示化合物P−4−1を、CTMとしてC
TM−3を用いた以外は同様にしてCTLを形成した。
【0169】このようにして中間層、CGL、CTLか
らなる積層感光体試料1−10を得た(実施例1−10
用)。
【0170】感光体No.1−11〜1−13 感光体No.1−9において、表1に示すCTLバインダ
を用いた以外は同様にしてそれぞれ感光体No.1−11〜1
3を得た(実施例1−11〜13用)。
【0171】感光体No.1−14 感光体No.1−1においてCTLバインダーをC1−1に
変えた以外は同様にして感光体No.1−14を得た(比較
例1−1用)。
【0172】感光体No.1−15及び1−16 感光体No.1−4においてCTLバインダをそれぞれC1
−2及びC1−3に変えた以外は同様にして感光体No.1
−15及び16を得た(比較例1−2及び1−3用)。
【0173】感光体No.1−17 感光体No.1−10においてCTLバインダをC1−4に変
えた以外は同様にして感光体No.1−17を得た(比較例
1−4用)。
【0174】感光体No.1−18 感光体No.1−2においてCTLバインダをC1−2とB
PZ各々75gづつ用いた以外は同様にして感光体No.1
−18を得た(比較例1−5用)。
【0175】実施例1−1〜1−13及び比較例1−1〜
1−5 −感光体の評価− 感光体No.1−1〜1−18を「U−BIX4045」(コニカ
(株)社製)に搭載し、10万コピーの実写テストを行っ
た。初期画像の観察を行い、画像欠陥の認められないも
のを○、画像欠陥が認められるが微少であるものを△、
かなり画像欠陥が認められ実用に適さないものを×とし
た。又、10万コピー後の膜厚減耗量について調べた。
【0176】−塗布液の評価− 用いたCTL液各々を20℃下、1ケ月放置した時の濁り
を観察した。これを塗布液安定性とし濁りがある場合を
×、ない場合を○とした。又、調液直後の粘度と1週間
放置後の粘度をB型粘度計を用いて測定した(23℃
下)。
【0177】Vis比 = 1週間後の粘度/調液直後の粘
【0178】
【化56】
【0179】
【化57】
【0180】
【化58】
【0181】
【化59】
【0182】−感光体表面の評価− 得られた感光体各々について感光体表面の目視観察を行
った。
【0183】 ○ 泡故障1本当たり 2以下 △ 〃 3〜10 × 〃 11以上 実用レベルは○クラスである。実写テストによると画像
欠陥は泡故障との相関が大きいことがわかる。
【0184】以上の結果を表1に示した。
【0185】
【表1】
【0186】本発明のポリカーボネートを用いることに
より、耐久性が向上するのみならず、塗布液の安定性が
良好であり、更に泡の発生も少なく、従って画像欠陥、
泡故障等がない。
【0187】実施例2 導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、長さ
355mmのアルミニウム支持体を用いた。
【0188】感光体No.2−1(実施例2−1用) 前記支持体上に下記の中間層塗布液を浸漬塗布により乾
燥後の膜厚が0.2μmになるように浸漬塗布で塗布して中
間層を形成した。
【0189】 〔中間層塗布液〕 ポリアミド(東レ社製) 27g メタノール 1800ml 次いで、上記中間層上に下記組成物をサンドミルにて20
時間分散して作製したCGL塗布液を浸漬塗布により乾
燥後の膜厚が1.5μmになるように塗布してCGLを形成
した。
【0190】 CGM−1 30g ブチラール樹脂エレックスB(BX−L 積水化学工業社製) 10g メチルエチルケトン 1800ml 次いで下記のCTL塗布液Aを浸漬塗布により乾燥後の
膜厚が20μmになるように塗布し、CTLの支持体側構
成層を形成した。
【0191】 〔CTL塗布液A〕 CTM−2 500g ポリカーボネート(Z300 三菱瓦斯化学社製) 560g からなる混合物を、1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解し
たもの。
【0192】次いで、下記のCTL塗布液Bを円形量規
制型塗布機により、乾燥後の膜厚が7μmになるように
塗布して最外層のCTLを形成した。感光体No.を2−
1とする(実施例2−1用)。
【0193】 〔CTL塗布液B〕 CTM−1 350g ポリカーボネート(例示化合物P1−1−2) 700g からなる混合物を、1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解し
たもの。
【0194】感光体No.2−2〜2−10(実施例2−2
〜2−10用) 実施例2−1と同様な方法で表2の如くCGL、CTL
下層、CTL上層の感光体を作製した。各々感光体No.
を2−2〜2−10とする。
【0195】感光体No.2−11(比較例2−1用) 感光体No.2−5の支持体側のCTLを単層27μで用い
た以外感光体No.2−5と同様にして作製した。感光体N
o.を2−11とする。
【0196】感光体No.2−12(比較例2−2用) 感光体No.2−5の最外層側のCTLを単層27μで用い
た以外感光体2−5と同様にして作製した。感光体No.
を2−12とする。
【0197】感光体No.2−13(比較例2−3用) 感光体No.2−12のCTLを表2の如く変えた以外は、
感光体No.2−12のと同様にて作製した。感光体No.を2
−13とする。
【0198】感光体No.2−14(比較例2−4用) 感光体No.2−4の最外層側のCTLを表2の如く変え
た以外は感光体No.2−1と同様にして作製した。感光
体No.を2−14とする。
【0199】実施例2−1〜10及び比較例2−1〜4 〈電子写真感光体の評価〉以上のようにして得た電子の
写真感光体No.2−1〜14をコニカ(株)社製複写機U−BI
X4045を用いて以下に述べる特性評価を行った。その結
果を表2、3に示した。
【0200】−電気的特性,繰り返し特性評価− 前記複写機を改造し表面電位計を備え付けて、帯電→露
光→除電のプロセスを、50,000回繰り返したときの1回
目と50,000回目の黒紙電位,白紙電位及び残留電位(そ
れぞれVb,Vw,Vr)を測定して評価した。感度はVb
を−750Vに設定した時のVwの値であり、5万コピー後
について120V以下を○、121〜199Vを△、200以上を×
とした。
【0201】なお、ここでいう黒紙電位とは反射濃度1.
3の黒紙原稿を複写する際の感光体の表面電位をいう。
同様に白紙電位とは反射濃度0.0の白紙原稿を複写する
際の感光体の表面電位をいう。
【0202】−画像評価− 5万枚コピー後の画像サンプルを見て、地カブリ,中間
調画像での白スジや黒スジそして濃淡ムラなどの感光体
劣化(膜厚減耗、電気的特性など)による画像欠陥がで
ていないか調べた。
【0203】−耐摩粍性評価− 感光体の耐摩粍性を5万枚コピーの実写試験の前後での
感光体膜厚の変化量で評価した。なお、感光体の膜厚は
Fischer社製EDDY 560Cで測定した。
【0204】−膜ハガレ− 5万コピー後端部のハガレを目視判定した。
【0205】−クリーニングブレードめくれの有無− 実写5万コピー後、複写機から、感光体、クリーニング
部を取り出して観察した。
【0206】CTLを2層に有することにより、感度と
耐久性の相反する項をクリアすることができ、更にブレ
ードめくれ、画像欠陥、接着性に優れることがわかる。
【0207】
【表2】
【0208】
【表3】
【0209】実施例3 感光体No.3−1 ポリアミド樹脂CM−8000(東レ社製)30gをメタノー
ル900ml、1-ブタノール100mlの混合液中に投入し、50℃
で加熱溶解した。この液を用いて外径80mm、355.5mmの
アルミニウムドラム基体上に浸漬塗布し、0.3μmの中間
層を形成した。
【0210】次に、ポリビニルブチラール樹脂エスレッ
クBL−S(積水化学社製)10gをメチルエチルケトン
1000mlに溶解し、これにCGMとして例示化合物CGM
−130gを混入し、サンドミルを用いて20時間分散し
た。この液を用いて前記中間層上に浸漬塗布し、0.5μm
厚のCGLを形成した。
【0211】次に、CTMとして例示化合物CTM−1
150gとCTLバインダとして例示化合物P2−1−62
00gを1,2-ジクロルエタン1000mlに溶解した。
【0212】この液を用いて、前記CGL上に浸漬塗布
を行った後、100℃で60分乾燥し、平均膜厚21μmのCT
Lを形成した。
【0213】このようにして中間層、CGL、CTLか
らなる感光体No.3−1を得た(実施例3−1用)。
【0214】感光体No.3−2及び3−3 感光体No.3−1において、表3に示すCTLバインダ
を用いた以外は同様にしてそれぞれ感光体No.3−2及
び3−3を得た(実施例3−2及び3−3用)。
【0215】感光体No.3−4 ポリアミド樹脂ラッカマイド5003(大日本インキ社製)
15gをメタノール800ml,1-ブタノール200mlの混合溶液
中に投入し、50℃で加熱溶解した。この液を用いて外径
80mm、355.5mmのアルミニウムドラム基体上に浸漬塗布
し、0.5μmの中間層を形成した。
【0216】次に、シリコーン樹脂KR−5240(固形分
20%)(信越化学社製)10gをメチルエチルケトン700m
l、シクロヘキサノン300mlの混合溶媒に溶解し、これに
CGMとしてCGM−2(Y型チタニルフタロシアニ
ン)10gを混入し、サンドミルを用いて20時間分散し
た。この液を用いて前記中間層上に浸漬塗布し、1.0μm
厚のCGLを形成した。
【0217】次に、CTMとして例示化合物CTM−2
150gとCTLバインダとして例示化合物P2−1−315
0gを1,2-ジクロルエタン1000mlに溶解した。
【0218】この液を用いて、前記CGL上に浸漬塗布
を行った後、100℃で60分乾燥し、平均膜厚20μmのCT
Lを形成した。
【0219】このようにして中間層、CGL、CTLか
らなる感光体No.3−4を得た。
【0220】感光体No.3−5〜3−9 感光体No.3−4において表3に示すCTLバインダを
用いた以外は同様にしてそれぞれ感光体No.3−5〜3
−9を得た(実施例3−5〜3−9用)。
【0221】感光体No.3−10 中間層の形成までは感光体No.3−1と同様に行った。
【0222】次に、ポリビニルブチラール樹脂エスレッ
クBX−1(積水化学社製)2.5gをメチルイソブチル
ケトン1000mlに溶解し、これにCGMとして例示化合物
CGM−310gを混入し、サンドミルを用いて10時間分
散した。この液を用いて前記中間層上に、浸漬塗布し、
0.5μm厚のCGLを形成した。
【0223】次に、感光体No.3−4においてCTLバ
インダとして例示化合物(P2−4−1)を、CTMと
してCTM−3を用いた以外は同様にしてCTLを形成
した。
【0224】このようにして中間層、CGL、CTLか
らなる感光体No.3−10を得た(実施例3−10用)。
【0225】感光体No.3−11〜3−13 感光体No.3−9において、表3に示すCTLバインダ
を用いた以外は同様にしてそれぞれ感光体No.3−11〜1
3を得た(実施例3−11〜13用)。
【0226】感光体No.3−14 感光体No.3−1においてCTLバインダをC2−1に変
えた以外は同様にして感光体No.3−14を得た(比較例
3−1用)。
【0227】感光体No.3−15 感光体No.3−4においてCTLバインダをそれぞれC2
−2に変えた以外は同様にして感光体No.3−15を得た
(比較例3−2用)。
【0228】感光体No.3−16 感光体No.3−10においてCTLバインダーをC2−3に
変えた以外は同様にして感光体No.3−16を得た(比較
例3−3用)。
【0229】感光体No.3−17 感光体No.3−4において、CTMをCTM−2に変
え、CTLバインダをC2−4に変えた以外は同様にし
て感光体No.3−17を得た(比較例3−4用)。
【0230】C2−1 飽和共重合ポリエステル樹脂エ
リーテルUE-3200(ユニチカ製) C2−2 線状飽和ポリエステル樹脂バイロン200(東洋
紡製) C2−3 飽和共重合ポリエステル樹脂ポリエスターTP-
220(日本合成化学工業製) C2−4 芳香族ポリエステル樹脂U-100(ユニチカ製) 実施例3−1〜3−13及び比較例3−1〜3−4 −感光体の評価− 感光体No.3−1〜3−17を「Konica U-BIX4045」(コ
ニカ(株)社製)に搭載し、10万コピーの実写テストを行
った。初期画像の観察と10万コピー後の膜厚減耗量につ
いて調べた(方法は実施例1と同様である。)。
【0231】−塗布液の評価− 用いたCTL液各々を20℃下、1ケ月放置した時の濁り
を観察した。濁りがある場合を×、ない場合を○とし、
塗布液安定性として示した。又、調液直後の粘度と1週
間放置後の粘度をB型粘度計を用いて測定したものをVi
s比として表示した(23℃下)。
【0232】Vis比 = 1週間後の粘度/調液直後の粘
度 −感光体表面の評価− 得られた感光体各々について感光体表面の目視観察を行
った。
【0233】 ○ 泡故障1本当たり 2以下 △ 〃 3〜10 × 〃 11以上 実用レベルは○クラスである。実写テストによると画像
欠陥は泡故障に良く相関していることがわかる。
【0234】−クリーニングブレードめくれの有無− 実施例2の同一方法にて判定した。
【0235】以上の結果を表4に示した。
【0236】
【表4】
【0237】本発明のポリエステル樹脂を用いることに
より耐久性が向上するのみならず塗布液の安定性が良好
であり、更に泡の発生も少なく、従って画像欠陥、泡故
障もない。
【0238】実施例4 導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、長さ
355mmのアルミニウム支持体を用いた。
【0239】感光体No.4−1(実施例4−1用) 前記支持体上に下記の中間層塗布液を浸漬塗布により乾
燥後の膜厚が0.2μmになるように浸漬塗布で塗布して中
間層を形成した。
【0240】 〔中間層塗布液〕 ポリアミド(東レ社製) 27g メタノール 1800ml 次いで、上記中間層上に下記組成物をサンドミルにて20
時間分散して作製したCGL塗布液を浸漬塗布により乾
燥後の膜厚が1.5μmになるように塗布してCGLを形成
した。
【0241】 〔CGL塗布液〕 CGM−1 30g ブチラール樹脂エレックスB(BX−L 積水化学工業社製) 10g メチルエチルケトン 1800ml 次いで下記のCTL塗布液Aを浸漬塗布により乾燥後の
膜厚が20μmになるように塗布し、CTLの支持体側構
成層を形成した。
【0242】 〔CTL塗布液A〕 CTM−2 500g C2−4 560g からなる混合物を、1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解し
たもの。
【0243】次いで、下記のCTL塗布液Bを円形量規
制型塗布機により、乾燥後の膜厚が7μmになるように
塗布してCTLの表面領域側構成層を形成した。感光体
No.を4−1とする(実施例4−1用)。
【0244】 〔CTL塗布液B〕 CTM−1 350g (例示化合物P2−1−2) 700g からなる混合物を、1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解し
たもの。
【0245】 感光体No.4−2〜4−10(実施例4−2〜4−10用) 実施例4−1と同様な方法で表4の如くCGL、CTL
下層、CTL上層の感光体を作製した。各々感光体No.
を4−2〜4−10とする。但し、成膜性に劣るものにつ
いては適量のC2−4を加え調整した。
【0246】感光体No.4−11(比較例4−1用) 感光体No.4−5の支持体側のCTLを単層27μで用い
最外層CTLを塗布しなかった以外感光体No.4−5と
同様にして作製した。感光体No.4−11とする。
【0247】感光体No.4−12(比較例4−2用) 感光体No.4−5の支持体例のCTLを塗布せず、最外
層側のCTLを単層27μで用いた以外感光体No.4−5
と同様にして作製した。感光体No.4−12とする。
【0248】感光体No.4−13(比較例4−3用) 感光体No.4−12のCTLを表5の如く変えた以外は、
感光体4−12のと同様にて作製した。感光体No.を4−1
3とする。
【0249】感光体No.4−14(比較例4−4用) 感光体No.4−4の最外層側のCTLを表5の如く変え
た以外は感光性No.4−1と同様にして作製した。感光
体No.を4−14とする。
【0250】 実施例4−1〜4−10及び比較例4−1〜4−4 〈電子写真感光体の評価〉以上のようにして得た感光体
No.4−1〜4−14をコニカ(株)社製複写機「Konica U
−BIX 4045」を用いて以下に述べる特性評価を行った。
その結果を表6に示した。
【0251】−電気的特性,繰り返し特性評価− 上記複写機を改造し表面電位計を備え付けて、帯電→露
光→除電のプロセスを、50,000回繰り返したときの1回
目と50,000回目の黒紙電位,白紙電位及び残留電位(そ
れぞれVb,Vw,Vr)を測定して評価した。感度はVb
を−750Vに設定した時のVwの値が5万コピー後につい
て120V以下を○、121〜199Vを△、200V以上を×とし
た。
【0252】なお、ここでいう黒紙電位とは反射濃度1.
3の黒紙原稿を複写する際の感光体の表面電位をいう。
同様に白紙電位とは反射濃度0.0の白紙原稿を複写する
際の感光体の表面電位をいう。
【0253】−画像評価− 5万枚コピー後の画像サンプルを見て、地カブリ,中間
調画像での白スジや黒スジそして濃淡ムラなどの感光体
劣化(膜厚減耗、電気的特性など)による画像欠陥がで
ていないか調べた。
【0254】−耐摩粍性評価− 感光体の耐摩粍性を5万枚コピーの実写試験の前後での
感光体膜厚の変化量で評価した。なお、感光体の膜厚は
Fischer社製EDDY 560Cで測定した。
【0255】−膜ハガレ− 5万コピー後端部のハガレを目視判定した。
【0256】−ブレードめくれの有無− 実写5万枚コピー後、複写機から感光体、クリーニング
部を取り出して観察した。
【0257】結果を表5,6に示す。
【0258】
【表5】
【0259】
【表6】
【0260】CTLを2層に有することにより、感度と
耐久性の相反する項をクリアすることができ、更にブレ
ードめくれ、塗布液物性、接着性に優れることがわか
る。
【0261】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート又はポリエス
テル樹脂を最表面層に含有する電子写真感光体は、電位
安定性が良く、残留電位の上昇がなく、且つ高感度であ
り、又耐久性の面からも塗布液の安定性が良い他に電気
特性などに対してはまったく悪影響を及ぼさず感光体の
長寿命化に極めて効果的であり、高速の複写機やプリン
ターなどに有用であると共に製造に際して塗布液の安定
性が良く、効率的に生産可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の層構成の具体的例を示した各
断面図。
【図2】本発明に係る複数キャリア輸送層感光体の組成
構成断面図。
【図3】本発明に用いられるチタニルフタロシアニンの
X線回折スペクトル図。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4,4′,4″ 感光層 5 中間層 9 保護層 10 電荷輸送層(CTL)下層 11 電荷輸送層(CTL)上層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体の最表面層がポリエステル-カー
    ボネートの構成単位とポリシロキサンの構成単位とを含
    む共重合体又はポリシロキサンの構成単位を含むポリエ
    ステル樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光
    体。
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