JPH08202248A - ホログラムスクリーンの製造方法 - Google Patents
ホログラムスクリーンの製造方法Info
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- JPH08202248A JPH08202248A JP7036182A JP3618295A JPH08202248A JP H08202248 A JPH08202248 A JP H08202248A JP 7036182 A JP7036182 A JP 7036182A JP 3618295 A JP3618295 A JP 3618295A JP H08202248 A JPH08202248 A JP H08202248A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 スクリーンの裏側の光景を明瞭に視認するこ
とのできるホログラムスクリーンの製造方法。 【構成】 感光板10の裏面側に拡散板21を配置し,
感光板10の表面側から照射した参照光31と,参照光
31が感光板10を透過し拡散板21で反射拡散した物
体光33とにより干渉縞を形成する。拡散板21は感光
板10に対して若干の角度だけ非平行にすることが好ま
しい。拡散板21は曲面にしてもよく,拡散板21の感
光板10に対する傾斜角を変えて多重露光してもよい。
とのできるホログラムスクリーンの製造方法。 【構成】 感光板10の裏面側に拡散板21を配置し,
感光板10の表面側から照射した参照光31と,参照光
31が感光板10を透過し拡散板21で反射拡散した物
体光33とにより干渉縞を形成する。拡散板21は感光
板10に対して若干の角度だけ非平行にすることが好ま
しい。拡散板21は曲面にしてもよく,拡散板21の感
光板10に対する傾斜角を変えて多重露光してもよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,スクリーンの裏側を透
視することのできるホログラムスクリーンの製造方法に
関する。
視することのできるホログラムスクリーンの製造方法に
関する。
【0002】
【従来技術】ホログラムの有する回折特性を利用したホ
ログラムスクリーンが知られている(特開平5−880
20号公報,特公平5−85910号公報等)。上記特
公平5−85910号公報では,ホログラムに散乱板
(拡散板)を記録し,これによってホログラムスクリー
ンに結像した表示像を広い範囲から視認する表示装置と
上記ホログラムの製造方法が示されている。
ログラムスクリーンが知られている(特開平5−880
20号公報,特公平5−85910号公報等)。上記特
公平5−85910号公報では,ホログラムに散乱板
(拡散板)を記録し,これによってホログラムスクリー
ンに結像した表示像を広い範囲から視認する表示装置と
上記ホログラムの製造方法が示されている。
【0003】また,特開平5−88020号公報には,
ホログラムの指向性を利用して表示を見ることのできる
角度範囲を局限する方法,及びホログラムの透光性と光
吸収部材とを利用して外光の影響を抑制する方法が示さ
れている。また,ホログラムスクリーンの他の用途とし
て,スクリーンの裏側の光景や人物など(背景)を透視
できる機能と,スクリーン上に表側から表示像を結像さ
せる機能とを合わせ持つ半透明の表示装置が知られてい
る。
ホログラムの指向性を利用して表示を見ることのできる
角度範囲を局限する方法,及びホログラムの透光性と光
吸収部材とを利用して外光の影響を抑制する方法が示さ
れている。また,ホログラムスクリーンの他の用途とし
て,スクリーンの裏側の光景や人物など(背景)を透視
できる機能と,スクリーン上に表側から表示像を結像さ
せる機能とを合わせ持つ半透明の表示装置が知られてい
る。
【0004】このような透視可能の表示装置には,自動
車のヘッドアップディスプレイや半透明の表示スクリー
ンを介して客と応対する窓口の表示装置などがあり,ホ
ログラムを用いたスクリーンには光学的な拡散板が記録
されている。このホログラムスクリーンの製造方法は,
レーザー光を2光束に分割し,一方の光束を参照光とし
て感光板の一方から照射し,他方の光束を拡散板を透過
させてその透過拡散光を物体光として感光板の他方から
照射し,感光板に干渉縞を形成する方法が知られている
(特公平5−85910号公報参照)。
車のヘッドアップディスプレイや半透明の表示スクリー
ンを介して客と応対する窓口の表示装置などがあり,ホ
ログラムを用いたスクリーンには光学的な拡散板が記録
されている。このホログラムスクリーンの製造方法は,
レーザー光を2光束に分割し,一方の光束を参照光とし
て感光板の一方から照射し,他方の光束を拡散板を透過
させてその透過拡散光を物体光として感光板の他方から
照射し,感光板に干渉縞を形成する方法が知られている
(特公平5−85910号公報参照)。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記2光束法
によるホログラムスクリーンの製造方法には,次のよう
な問題点がある。それは,拡散板を透過させた正規の物
体光(透過拡散光)と,感光板を透過した参照光が拡散
板に当たって反射した反射拡散光が干渉しノイズとして
ホログラムに記録されることである。
によるホログラムスクリーンの製造方法には,次のよう
な問題点がある。それは,拡散板を透過させた正規の物
体光(透過拡散光)と,感光板を透過した参照光が拡散
板に当たって反射した反射拡散光が干渉しノイズとして
ホログラムに記録されることである。
【0006】上記ノイズ光(反射拡散光)がない場合に
は,再生時においてホログラムスクリーンの裏側から入
射した背景光は良好にホログラムスクリーンを透過する
が,上記ノイズ光が記録されると上記背景光の透過率が
大きく低下する(後述する図3(b)参照)。そして,
この透過率の低下は,拡散板が不完全で指向性を有する
もの(不完全拡散板)であるほど大きくなる。その結
果,ホログラムスクリーンを通して見る背景が白濁して
見え背景が不鮮明となる。本発明は,かかる問題点に鑑
みてなされたものであり,スクリーン裏側の光景が見に
くくなることのない優れたホログラムスクリーンの製造
方法を提供しようとするものである。
は,再生時においてホログラムスクリーンの裏側から入
射した背景光は良好にホログラムスクリーンを透過する
が,上記ノイズ光が記録されると上記背景光の透過率が
大きく低下する(後述する図3(b)参照)。そして,
この透過率の低下は,拡散板が不完全で指向性を有する
もの(不完全拡散板)であるほど大きくなる。その結
果,ホログラムスクリーンを通して見る背景が白濁して
見え背景が不鮮明となる。本発明は,かかる問題点に鑑
みてなされたものであり,スクリーン裏側の光景が見に
くくなることのない優れたホログラムスクリーンの製造
方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は,裏側から透過してくる光
によってスクリーンの裏側の光景を視認すると共に表側
から反射させた光によって上記背景に重ねて表示像を視
認するために用いる,拡散板を記録した反射型のホログ
ラムスクリーンの製造方法であって,感光板の裏面側に
拡散板を配置し,上記感光板の表面側から参照光を照射
し,上記感光板を透過し上記拡散板で拡散反射した光を
物体光とし,この物体光と上記参照光とによって干渉縞
を形成することを特徴とするホログラムスクリーンの製
造方法にある。
によってスクリーンの裏側の光景を視認すると共に表側
から反射させた光によって上記背景に重ねて表示像を視
認するために用いる,拡散板を記録した反射型のホログ
ラムスクリーンの製造方法であって,感光板の裏面側に
拡散板を配置し,上記感光板の表面側から参照光を照射
し,上記感光板を透過し上記拡散板で拡散反射した光を
物体光とし,この物体光と上記参照光とによって干渉縞
を形成することを特徴とするホログラムスクリーンの製
造方法にある。
【0008】本発明において最も注目すべきことは,感
光板を透過した参照光を拡散板で反射させ,その反射し
た拡散光を物体光とすることである。なお,より好まし
い露光方法として,拡散板を平板形状とした場合には,
感光板に対して若干の傾斜角θを設けて非平行に配置す
ることが好ましい。その理由は,次のとおりである。
光板を透過した参照光を拡散板で反射させ,その反射し
た拡散光を物体光とすることである。なお,より好まし
い露光方法として,拡散板を平板形状とした場合には,
感光板に対して若干の傾斜角θを設けて非平行に配置す
ることが好ましい。その理由は,次のとおりである。
【0009】即ち,拡散板が不完全拡散板である場合に
は,拡散光に正反射方向への指向性が生ずるため,拡散
板が感光板と平行であるときには,再生時において観者
の視界の中心部近傍に再生光の光源虚像が目に映ること
になる。しかしながら,拡散板と感光板とに傾斜角θを
設けると再生光の光源の像は傾斜角θに対応して視界の
中心から外れて移動する。そして,傾斜角θが一定以上
になると,上記光源虚像は観者の視界から完全にはずれ
て全くみえなくなる(実施例2,図5(a)参照)。
は,拡散光に正反射方向への指向性が生ずるため,拡散
板が感光板と平行であるときには,再生時において観者
の視界の中心部近傍に再生光の光源虚像が目に映ること
になる。しかしながら,拡散板と感光板とに傾斜角θを
設けると再生光の光源の像は傾斜角θに対応して視界の
中心から外れて移動する。そして,傾斜角θが一定以上
になると,上記光源虚像は観者の視界から完全にはずれ
て全くみえなくなる(実施例2,図5(a)参照)。
【0010】その結果,不完全拡散板を用いた場合にも
光源像が目に入りにくくなり,観者に対するグレアを減
少させることが可能となる。上記傾斜角θは,上記の作
用効果を目的とするものであるから,いたずらに大きく
する必要はなく,視域から光源虚像を大きくそらす程に
大きい必要はない。
光源像が目に入りにくくなり,観者に対するグレアを減
少させることが可能となる。上記傾斜角θは,上記の作
用効果を目的とするものであるから,いたずらに大きく
する必要はなく,視域から光源虚像を大きくそらす程に
大きい必要はない。
【0011】また,他の方法として,拡散板の感光板に
対する傾斜角を多段階に変化させて多重露光(干渉縞の
多重記録)をした場合には,ホログラムスクリーン上に
表示像を見ることのできる視域の範囲が広くなり,また
その視域が広がる方向を傾斜角の方向によって調整する
ことができるという利点がある(実施例3参照)。
対する傾斜角を多段階に変化させて多重露光(干渉縞の
多重記録)をした場合には,ホログラムスクリーン上に
表示像を見ることのできる視域の範囲が広くなり,また
その視域が広がる方向を傾斜角の方向によって調整する
ことができるという利点がある(実施例3参照)。
【0012】また,拡散板を所定の曲率を有する曲面形
状(例えば球面,円柱曲面など)とした場合には,曲率
の正負に従って上記視域が狭くなったり広くなったり
し,それに反比例的にまた表示像の明るさが増減する。
例えば,曲率中心が参照光の光源の反対側に位置するよ
う負の曲率とした場合には,視域が広くなり,表示像の
明るさはその分減少する(実施例4参照)。
状(例えば球面,円柱曲面など)とした場合には,曲率
の正負に従って上記視域が狭くなったり広くなったり
し,それに反比例的にまた表示像の明るさが増減する。
例えば,曲率中心が参照光の光源の反対側に位置するよ
う負の曲率とした場合には,視域が広くなり,表示像の
明るさはその分減少する(実施例4参照)。
【0013】なお,フルカラーのホログラムを得るため
に,参照光が三原色に対応する三つの波長帯域を有する
ようにし,干渉縞を多重に記録する場合には,感光板に
用いる感光剤にメチレンブルーで増感させた重クロム酸
ゼラチン(MBDCG)を用いると好適である。上記M
BDCGは,可視光全域に高感度をもち,青,緑,赤の
3色を一層の中に記録できるからである。
に,参照光が三原色に対応する三つの波長帯域を有する
ようにし,干渉縞を多重に記録する場合には,感光板に
用いる感光剤にメチレンブルーで増感させた重クロム酸
ゼラチン(MBDCG)を用いると好適である。上記M
BDCGは,可視光全域に高感度をもち,青,緑,赤の
3色を一層の中に記録できるからである。
【0014】
【作用及び効果】本発明にかかるホログラムスクリーン
の製造方法では,感光板の片側から入射する参照光と,
参照光が感光板を透過して拡散板で反射した拡散反射光
とにより干渉縞が形成される。即ち,物体光は参照光に
よって単一の方向から入射した光によって形成される拡
散光である。そして,他の方向から参照光が拡散板に入
射することはなく,従ってノイズとなる拡散光が混入す
ることがない。それ故,拡散板が不完全拡散板であって
も,ホログラムに記録された拡散板の指向性は単一の方
向であり,その方向は再生光の入射方向に対応する。
の製造方法では,感光板の片側から入射する参照光と,
参照光が感光板を透過して拡散板で反射した拡散反射光
とにより干渉縞が形成される。即ち,物体光は参照光に
よって単一の方向から入射した光によって形成される拡
散光である。そして,他の方向から参照光が拡散板に入
射することはなく,従ってノイズとなる拡散光が混入す
ることがない。それ故,拡散板が不完全拡散板であって
も,ホログラムに記録された拡散板の指向性は単一の方
向であり,その方向は再生光の入射方向に対応する。
【0015】即ち,感光板を透過した参照光は,正規の
物体光のみを形成し,従来の2光束法による場合のよう
にノイズ光を形成することがない。その結果,この製造
方法によって製作さたホログラムスクリーンでは背景光
は散乱されることなく透過し,その結果透過率が良好と
なり背景を良好に視認することが可能となる(実施例1
参照)。上記のように,本発明によれば,スクリーン裏
側の光景が見にくくなることのない優れたホログラムス
クリーンを製造することのできるホログラム製造方法を
提供することができる。
物体光のみを形成し,従来の2光束法による場合のよう
にノイズ光を形成することがない。その結果,この製造
方法によって製作さたホログラムスクリーンでは背景光
は散乱されることなく透過し,その結果透過率が良好と
なり背景を良好に視認することが可能となる(実施例1
参照)。上記のように,本発明によれば,スクリーン裏
側の光景が見にくくなることのない優れたホログラムス
クリーンを製造することのできるホログラム製造方法を
提供することができる。
【0016】
実施例1 図2に示すように,本例によって製作するホログラムス
クリーン61は,裏側から透過してくる光(背景光7
1)によって,スクリーン61の裏側の光景を視認する
と共に表側から反射させた光(表示光72の反射拡散光
73)によって上記背景に重ねて表示像を視認するもの
であり,拡散板21(図1)を記録した反射型のホログ
ラム素子611を有している。
クリーン61は,裏側から透過してくる光(背景光7
1)によって,スクリーン61の裏側の光景を視認する
と共に表側から反射させた光(表示光72の反射拡散光
73)によって上記背景に重ねて表示像を視認するもの
であり,拡散板21(図1)を記録した反射型のホログ
ラム素子611を有している。
【0017】そして,本例は,図1に示すように,感光
板10の裏面側に拡散板21を配置し,感光板10の表
面側から参照光31を照射し,感光板10を透過し拡散
板21で拡散反射した光を物体光33とし,物体光33
と参照光31とによって干渉縞を形成するホログラムス
クリーン61の製造方法である。拡散板21は曲がりの
ない平板形状を有しており,感光板10と平行に配置さ
れている。また,感光板10の感光材は,メチレンブル
ーにより増感された重クロム酸ゼラチン(MBDCG)
からなる。そして参照光31の波長を,三原色(RB
G)の波長に対応する3つの波長によって干渉縞を多重
に記録する。
板10の裏面側に拡散板21を配置し,感光板10の表
面側から参照光31を照射し,感光板10を透過し拡散
板21で拡散反射した光を物体光33とし,物体光33
と参照光31とによって干渉縞を形成するホログラムス
クリーン61の製造方法である。拡散板21は曲がりの
ない平板形状を有しており,感光板10と平行に配置さ
れている。また,感光板10の感光材は,メチレンブル
ーにより増感された重クロム酸ゼラチン(MBDCG)
からなる。そして参照光31の波長を,三原色(RB
G)の波長に対応する3つの波長によって干渉縞を多重
に記録する。
【0018】感光板10は,感光材を塗布した乾板11
を,インデックスマッチング液を介して,無反射コーテ
ィングしたガラス基板12,13によって挟持したもの
である。露光用の光源は,三原色に対応する3つのレー
ザ光源411〜413を有している。そして,それぞれ
から放射されたレーザ光301〜303は,ハーフミラ
ー421〜423によって束ねられ,ミラー431,4
32を経た後,凸レンズ44によって発散されて参照光
31となる。
を,インデックスマッチング液を介して,無反射コーテ
ィングしたガラス基板12,13によって挟持したもの
である。露光用の光源は,三原色に対応する3つのレー
ザ光源411〜413を有している。そして,それぞれ
から放射されたレーザ光301〜303は,ハーフミラ
ー421〜423によって束ねられ,ミラー431,4
32を経た後,凸レンズ44によって発散されて参照光
31となる。
【0019】凸レンズ44の感光板10に対する位置
は,図2に示す再生時における投射装置65のホログラ
ムスクリーン61に対する位置とほぼ同じである。感光
板10を透過した透過参照光32は,拡散板21で拡散
反射されて物体光33となり,参照光31との間に干渉
縞を形成する。その後,通常の現像処理を行って感光板
10はホログラムスクリーン61となる。
は,図2に示す再生時における投射装置65のホログラ
ムスクリーン61に対する位置とほぼ同じである。感光
板10を透過した透過参照光32は,拡散板21で拡散
反射されて物体光33となり,参照光31との間に干渉
縞を形成する。その後,通常の現像処理を行って感光板
10はホログラムスクリーン61となる。
【0020】そして,図2に示すように,ホログラム6
1上に表示像を結像させると,表示像に関する反射拡散
光73はホログラムスクリーン61から前方に散乱され
る。そして拡散板21の指向性にほぼ等しい視野範囲か
ら表示像を視認することができる。また,背景光71は
ホログラムスクリーン61を透過し,これによって観者
81はスクリーン背後の光景(部外者82など)をも視
認することができる。そして,拡散板21を記録する物
体光33には異なる指向性を生ずるノイズ光が含まれて
いないから,背景光71の透過率は低下することなく極
めて良好である。
1上に表示像を結像させると,表示像に関する反射拡散
光73はホログラムスクリーン61から前方に散乱され
る。そして拡散板21の指向性にほぼ等しい視野範囲か
ら表示像を視認することができる。また,背景光71は
ホログラムスクリーン61を透過し,これによって観者
81はスクリーン背後の光景(部外者82など)をも視
認することができる。そして,拡散板21を記録する物
体光33には異なる指向性を生ずるノイズ光が含まれて
いないから,背景光71の透過率は低下することなく極
めて良好である。
【0021】図3はこれを実験データによって具体的に
示したものである。即ち,従来の方法(2光束法)によ
って製造したホログラムスクリーンの透過率は,図3
(b)のような波長特性を示していたが,本例の方法に
よって製造したホログラムスクリーン61は同図(a)
のような波長特性を示す。同図によって,透過率の平均
レベルは約50%から約80%に向上したことを直ちに
読み取ることができる。
示したものである。即ち,従来の方法(2光束法)によ
って製造したホログラムスクリーンの透過率は,図3
(b)のような波長特性を示していたが,本例の方法に
よって製造したホログラムスクリーン61は同図(a)
のような波長特性を示す。同図によって,透過率の平均
レベルは約50%から約80%に向上したことを直ちに
読み取ることができる。
【0022】なお,同図における低透過率領域(凹部8
5,86)は,ホログラム素子611の回折によるもの
である。図3から分かるように,本例によるホログラム
スクリーン61は,背景を極めて明瞭に視認することが
できる。上記のように,本例によれば,スクリーン裏側
の光景が見にくくなることのない優れたホログラムスク
リーンを製造することができる。
5,86)は,ホログラム素子611の回折によるもの
である。図3から分かるように,本例によるホログラム
スクリーン61は,背景を極めて明瞭に視認することが
できる。上記のように,本例によれば,スクリーン裏側
の光景が見にくくなることのない優れたホログラムスク
リーンを製造することができる。
【0023】実施例2 本例は,図4に示すように,実施例1において拡散板2
1を感光板10に非平行に配置したホログラムスクリー
ン61の製造方法である。拡散板21は,感光板10に
対して一定の傾斜角θを設けて非平行に配置される。そ
の結果,図5(a)に示すように,再生時において,拡
散板21が不完全拡散板である場合に生ずる投射装置6
5の光源虚像79は,視域85(角度α)の中心から外
れるようになり,観者81に対して生ずるグレアを低減
させる。
1を感光板10に非平行に配置したホログラムスクリー
ン61の製造方法である。拡散板21は,感光板10に
対して一定の傾斜角θを設けて非平行に配置される。そ
の結果,図5(a)に示すように,再生時において,拡
散板21が不完全拡散板である場合に生ずる投射装置6
5の光源虚像79は,視域85(角度α)の中心から外
れるようになり,観者81に対して生ずるグレアを低減
させる。
【0024】即ち,図1のように拡散板21を感光板1
0と平行にして製作した場合には,図5(b)に示すよ
うに光源虚像79は視域85の中心近傍に位置するが,
本例の場合には同図(a)に示すように視域85の中心
から外れてくる。その他については,実施例1と同様で
ある。
0と平行にして製作した場合には,図5(b)に示すよ
うに光源虚像79は視域85の中心近傍に位置するが,
本例の場合には同図(a)に示すように視域85の中心
から外れてくる。その他については,実施例1と同様で
ある。
【0025】実施例3 本例は,図6に示すように,実施例1において拡散板2
1と感光板10との傾斜角θを3段階(θ=0,β1 ,
β1 +β2 )に変化させて多重露光したホログラムスク
リーン61の製造方法である。即ち,拡散板21を感光
板10に平行(θ=0)にして露光し,時計方向に回転
(θ=β1 ,β1 +β2 )させて2回露光する。なお,
露光の順序は,反時計方向でもよく,順序は特に問わな
い。
1と感光板10との傾斜角θを3段階(θ=0,β1 ,
β1 +β2 )に変化させて多重露光したホログラムスク
リーン61の製造方法である。即ち,拡散板21を感光
板10に平行(θ=0)にして露光し,時計方向に回転
(θ=β1 ,β1 +β2 )させて2回露光する。なお,
露光の順序は,反時計方向でもよく,順序は特に問わな
い。
【0026】その結果,再生時におけるホログラムスク
リーン61の反射拡散光331〜333の角度範囲(指
向角)が広くなり,ホログラムスクリーン61の視域を
拡げることが可能となる。同図は,上下方向の視域を広
げた場合であるが,拡散板の傾斜方向により,左右方向
の視域を広げることも当然可能である。
リーン61の反射拡散光331〜333の角度範囲(指
向角)が広くなり,ホログラムスクリーン61の視域を
拡げることが可能となる。同図は,上下方向の視域を広
げた場合であるが,拡散板の傾斜方向により,左右方向
の視域を広げることも当然可能である。
【0027】また,拡散板21は感光板10に対して一
定方向に回転させるから,実施例2に述べたと同様の効
果により光源虚像79は視域の中心から一定方向に外れ
て行き,グレアが低くなるという効果がある。その他に
ついては,実施例1と同様である。
定方向に回転させるから,実施例2に述べたと同様の効
果により光源虚像79は視域の中心から一定方向に外れ
て行き,グレアが低くなるという効果がある。その他に
ついては,実施例1と同様である。
【0028】実施例4 本例は,図7に示すように,実施例1において拡散板2
2を一定曲率の曲面形状とし,その曲率中心が参照光3
1の光源と反対側に位置するようにしたもう1つの実施
例である。その結果,拡散板22の拡散光の指向角が広
くなり,ホログラムスクリーン61の視域が広くなる。
一方,拡散板の曲率を逆極性(凸形→凹形)にすれば,
視域が狭められるかわりに表示像を明るくすることがで
きる。その他については,実施例1と同様である。
2を一定曲率の曲面形状とし,その曲率中心が参照光3
1の光源と反対側に位置するようにしたもう1つの実施
例である。その結果,拡散板22の拡散光の指向角が広
くなり,ホログラムスクリーン61の視域が広くなる。
一方,拡散板の曲率を逆極性(凸形→凹形)にすれば,
視域が狭められるかわりに表示像を明るくすることがで
きる。その他については,実施例1と同様である。
【図1】実施例1の製造方法の光学システム構成図。
【図2】実施例1のホログラムスクリーンの再生時にお
ける光学システムの構成図。
ける光学システムの構成図。
【図3】実施例1の製造方法によって製作したホログラ
ムスクリーンの背景光の透過率(a)と従来の方法によ
るホログラムスクリーンの透過率(b)を示す特性図。
ムスクリーンの背景光の透過率(a)と従来の方法によ
るホログラムスクリーンの透過率(b)を示す特性図。
【図4】実施例2の製造方法の光学システム構成図。
【図5】実施例2の製造方法によって製作したホログラ
ムスクリーンの再生時における光源虚像の位置を示す図
(a)と従来の方法によるホログラムスクリーンの光源
虚像の位置を示す図(b)。
ムスクリーンの再生時における光源虚像の位置を示す図
(a)と従来の方法によるホログラムスクリーンの光源
虚像の位置を示す図(b)。
【図6】実施例3の製造方法の光学システム構成図。
【図7】実施例4の製造方法の光学システム構成図。
10...感光板, 21...拡散板, 31...参照光, 33...物体光,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋元 克英 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 松本 徹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 裏側から透過してくる光によってスクリ
ーンの裏側の光景を視認すると共に表側から反射させた
光によって上記背景に重ねて表示像を視認するために用
いる,拡散板を記録した反射型のホログラムスクリーン
の製造方法であって,感光板の裏面側に拡散板を配置
し,上記感光板の表面側から参照光を照射し,上記感光
板を透過し上記拡散板で拡散反射した光を物体光とし,
この物体光と上記参照光とによって干渉縞を形成するこ
とを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において,前記拡散板は,曲が
りのない平板形状を有しており,前記感光板に対して若
干の傾斜角を設けて非平行に配置することを特徴とする
ホログラムスクリーンの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1において,前記拡散板は,曲が
りのない平板形状を有しており,前記感光板に対する傾
斜角を変化させて干渉縞を多重に記録することを特徴と
するホログラムスクリーンの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1において,前記拡散板は,所定
の曲率を有する曲面形状を有していることを特徴とする
ホログラムスクリーンの製造方法。 - 【請求項5】 請求項4において,前記拡散板は,その
曲率中心が参照光の光源の反対側に位置する負の曲率を
有していることを特徴とするホログラムスクリーンの製
造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか1項にお
いて,前記感光板の感光材はメチレンブルーにより増感
された重クロム酸ゼラチンからなり,参照光は三原色に
対応する3つの波長帯域を有しており,感光板に干渉縞
を多重に記録することを特徴とするフルカラーのホログ
ラムスクリーンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03618295A JP3473152B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | ホログラムスクリーンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03618295A JP3473152B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | ホログラムスクリーンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08202248A true JPH08202248A (ja) | 1996-08-09 |
JP3473152B2 JP3473152B2 (ja) | 2003-12-02 |
Family
ID=12462596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03618295A Expired - Fee Related JP3473152B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | ホログラムスクリーンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3473152B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0849649A2 (en) * | 1996-12-20 | 1998-06-24 | Denso Corporation | Hologram device and method for producing the same |
EP0926573A3 (en) * | 1997-12-26 | 1999-08-25 | Noritsu Koki Co., Ltd. | One-visual-point image display apparatus and multi-visual-points image display apparatus |
US6597477B2 (en) | 1998-07-07 | 2003-07-22 | Denso Corporation | Hologram screen and a method of producing the same |
JP2006023670A (ja) * | 2004-07-09 | 2006-01-26 | Fuji Xerox Co Ltd | ホログラム記録方法、光記録媒体、及びホログラム記録装置 |
-
1995
- 1995-01-31 JP JP03618295A patent/JP3473152B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP3473152B2 (ja) | 2003-12-02 |
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