JPH08192176A - 分離注入式オゾン接触方法 - Google Patents
分離注入式オゾン接触方法Info
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- JPH08192176A JPH08192176A JP7006795A JP679595A JPH08192176A JP H08192176 A JPH08192176 A JP H08192176A JP 7006795 A JP7006795 A JP 7006795A JP 679595 A JP679595 A JP 679595A JP H08192176 A JPH08192176 A JP H08192176A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高濃度オゾンを効果的に用いた浄水処理を行な
う。 【構成】原水を二つの流路に分岐し、一方の流路を流れ
る原水にのみオゾンを注入して溶解させ、この水を他方
の流路を流れる原水と再び合流させて混合し、この混合
流を滞留槽に送り、ここで一定時間滞留させた後、処理
水として系外に排出するという処理方法をとることによ
り、大規模な浄水処理設備で高濃度オゾンを用いても、
原水とオゾンの混合不良を起こすことなく、常に気液比
を大きく保って、有機物の高い除去率を得ることができ
る。したがって、大規模な浄水処理設備により高濃度オ
ゾンを有効に利用することができ、今後予測される高濃
度オゾンガス生成のコスト低減とともに、低コストで高
効率のオゾンを用いた水処理システムの実現が可能とな
る。
う。 【構成】原水を二つの流路に分岐し、一方の流路を流れ
る原水にのみオゾンを注入して溶解させ、この水を他方
の流路を流れる原水と再び合流させて混合し、この混合
流を滞留槽に送り、ここで一定時間滞留させた後、処理
水として系外に排出するという処理方法をとることによ
り、大規模な浄水処理設備で高濃度オゾンを用いても、
原水とオゾンの混合不良を起こすことなく、常に気液比
を大きく保って、有機物の高い除去率を得ることができ
る。したがって、大規模な浄水処理設備により高濃度オ
ゾンを有効に利用することができ、今後予測される高濃
度オゾンガス生成のコスト低減とともに、低コストで高
効率のオゾンを用いた水処理システムの実現が可能とな
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオゾンを用いて水中の殺
菌,脱臭,有機物などの酸化を行なう下降溶解型オゾン
反応槽に関する。
菌,脱臭,有機物などの酸化を行なう下降溶解型オゾン
反応槽に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾンがフッ素に次いで強力な酸
化力を有するという特徴を利用して、オゾンを水中に散
気することにより、殺菌,脱色,脱臭,有機物もしくは
無機物の酸化除去などを行なう水処理が広く行なわれて
いる。とくに、都市近郊の水道では、取水源に起因する
異臭味の被害が広がっており、オゾンの持つ強力な酸化
力は、この異臭味を除去するのに大きな効果を発揮する
ことから、オゾンと活性炭を用いた高度処理の導入が進
められている。
化力を有するという特徴を利用して、オゾンを水中に散
気することにより、殺菌,脱色,脱臭,有機物もしくは
無機物の酸化除去などを行なう水処理が広く行なわれて
いる。とくに、都市近郊の水道では、取水源に起因する
異臭味の被害が広がっており、オゾンの持つ強力な酸化
力は、この異臭味を除去するのに大きな効果を発揮する
ことから、オゾンと活性炭を用いた高度処理の導入が進
められている。
【0003】このようなオゾンと、オゾンによって処理
される水(以下、原水とする)中の有機物とを反応させ
るオゾン処理装置は、主として電気エネルギーからオゾ
ンを発生させるオゾン発生装置,原水を供給する送水ポ
ンプ,反応を進行させる反応槽,反応槽から未反応のま
ま排出される排オゾンを分解する排オゾン処理設備から
構成されており、原水とオゾンの接触方式は、一般に反
応槽下部からオゾンを気泡として吹き出す気泡塔方式が
用いられている。最近は殆どが気泡塔内で原水を反応槽
頂部から供給し、オゾンガスと対向させる向流接触方式
を用いており、大規模な浄水場などでは、複数の向流接
触池を直列に接続した横流式向流多段接触池が用いられ
ている。
される水(以下、原水とする)中の有機物とを反応させ
るオゾン処理装置は、主として電気エネルギーからオゾ
ンを発生させるオゾン発生装置,原水を供給する送水ポ
ンプ,反応を進行させる反応槽,反応槽から未反応のま
ま排出される排オゾンを分解する排オゾン処理設備から
構成されており、原水とオゾンの接触方式は、一般に反
応槽下部からオゾンを気泡として吹き出す気泡塔方式が
用いられている。最近は殆どが気泡塔内で原水を反応槽
頂部から供給し、オゾンガスと対向させる向流接触方式
を用いており、大規模な浄水場などでは、複数の向流接
触池を直列に接続した横流式向流多段接触池が用いられ
ている。
【0004】図3は 横流式向流多段接触池を、これに
付属する諸装置を含めて、その要部構成を示した模式図
である。図3において、オゾン接触池1内に、数個の仕
切り板2が設けられており、図3には水の流れを矢印で
示しているが、原水3はオゾン接触池1の一端の導入口
4から流入し、オゾン接触池1内を流下し仕切り板2の
間を上昇して、再び流下するという流れを繰り返し、最
後にオゾン接触池1の他端の排出口5から、処理水6と
して取り出される。
付属する諸装置を含めて、その要部構成を示した模式図
である。図3において、オゾン接触池1内に、数個の仕
切り板2が設けられており、図3には水の流れを矢印で
示しているが、原水3はオゾン接触池1の一端の導入口
4から流入し、オゾン接触池1内を流下し仕切り板2の
間を上昇して、再び流下するという流れを繰り返し、最
後にオゾン接触池1の他端の排出口5から、処理水6と
して取り出される。
【0005】そして、オゾン接触池1外部のオゾン発生
装置7で生成したオゾンガスを、オゾン接触池1の底部
から導入し、散気装置8により微細な気泡9として原水
3と接触させる。こりとき注入したオゾンのうち、未反
応のオゾンは排オゾン処理設備10により分解し、大気
中に放出される。これらのオゾン処理装置は、原水に対
して酸化反応を十分に行なうだけの接触時間が必要であ
る。そのため、処理水量が多いときは、容積の大きなオ
ゾン接触池が必要になり、多くの給水人口を抱える都市
近郊部の浄水場などに導入する場合には、大規模な設備
が必要となる。大規模な設備が必要になるというのは、
経済性の点から好ましいことではなく、オゾンを用いる
水処理装置の導入を阻む大きな要因となるので、オゾン
処理装置には、高いオゾン吸収率、および十分な有機物
の除去効率が求められる。
装置7で生成したオゾンガスを、オゾン接触池1の底部
から導入し、散気装置8により微細な気泡9として原水
3と接触させる。こりとき注入したオゾンのうち、未反
応のオゾンは排オゾン処理設備10により分解し、大気
中に放出される。これらのオゾン処理装置は、原水に対
して酸化反応を十分に行なうだけの接触時間が必要であ
る。そのため、処理水量が多いときは、容積の大きなオ
ゾン接触池が必要になり、多くの給水人口を抱える都市
近郊部の浄水場などに導入する場合には、大規模な設備
が必要となる。大規模な設備が必要になるというのは、
経済性の点から好ましいことではなく、オゾンを用いる
水処理装置の導入を阻む大きな要因となるので、オゾン
処理装置には、高いオゾン吸収率、および十分な有機物
の除去効率が求められる。
【0006】ここで、オゾン吸収率とは、注入したオゾ
ンガスのうち、反応槽内で原水に溶解もしくは分解し、
消費されたオゾンの割合であり、下記の式で表わされ
る。
ンガスのうち、反応槽内で原水に溶解もしくは分解し、
消費されたオゾンの割合であり、下記の式で表わされ
る。
【0007】
【数1】 また、除去効率とは、反応槽内で分解除去される原水中
の水質汚濁物質の割合であって、下式で表わされる。代
表的な水質汚濁物質として臭気物質などが挙げられる。
の水質汚濁物質の割合であって、下式で表わされる。代
表的な水質汚濁物質として臭気物質などが挙げられる。
【0008】
【数2】 一般に、このオゾン吸収率および除去効率が高い程、オ
ゾン反応槽の処理効率が良いとされている。
ゾン反応槽の処理効率が良いとされている。
【0009】また、オゾンが水中に溶解する際のオゾン
移動量は、総括物質移動容量係数(KL ・a)と、水中
の飽和オゾン濃度と、溶存しているオゾン濃度の差(濃
度勾配)とが主な要因である。この飽和オゾン濃度は、
ガス中のオゾン濃度とオゾン分配係数に依存することが
知られている。そこで、反応槽の水深圧を利用してオゾ
ン溶解効率を高めるという観点から、反応槽の水深は、
可能な限り深くするのが望ましいが、先述の向流接触方
式では、反応槽の水深圧に対向してガスを吹き込まねば
ならないから、実際の反応槽水深は6mが限界であっ
た。これに対処するために考えられたのが、下降溶解型
オゾン処理装置である。
移動量は、総括物質移動容量係数(KL ・a)と、水中
の飽和オゾン濃度と、溶存しているオゾン濃度の差(濃
度勾配)とが主な要因である。この飽和オゾン濃度は、
ガス中のオゾン濃度とオゾン分配係数に依存することが
知られている。そこで、反応槽の水深圧を利用してオゾ
ン溶解効率を高めるという観点から、反応槽の水深は、
可能な限り深くするのが望ましいが、先述の向流接触方
式では、反応槽の水深圧に対向してガスを吹き込まねば
ならないから、実際の反応槽水深は6mが限界であっ
た。これに対処するために考えられたのが、下降溶解型
オゾン処理装置である。
【0010】図4は下降溶解型オゾン処理装置の要部構
成を示す模式図であり、図3と共通する部分に同一符号
を用いてある。図4において、この装置は反応槽11上
部の導入口12から、送水ポンプ13により原水3を導
入し、同時にオゾン発生装置7で発生させたオゾンガス
を、散気装置8を通し微細な気泡9として、反応槽11
内に注入する。原水3は気泡9(オゾンガス)との混合
流となり、反応槽11の下降溶解部14を流下する。こ
の混合流は反応槽11の底部を通り上昇部15を経て、
排出口16から処理水6として反応槽11の外部に配水
することができる。原水3の流れ方向を矢印で表わす。
注入されたオゾンガスのうち、未反応のものは排オゾン
処理設備10により分解されて系外に放出される。
成を示す模式図であり、図3と共通する部分に同一符号
を用いてある。図4において、この装置は反応槽11上
部の導入口12から、送水ポンプ13により原水3を導
入し、同時にオゾン発生装置7で発生させたオゾンガス
を、散気装置8を通し微細な気泡9として、反応槽11
内に注入する。原水3は気泡9(オゾンガス)との混合
流となり、反応槽11の下降溶解部14を流下する。こ
の混合流は反応槽11の底部を通り上昇部15を経て、
排出口16から処理水6として反応槽11の外部に配水
することができる。原水3の流れ方向を矢印で表わす。
注入されたオゾンガスのうち、未反応のものは排オゾン
処理設備10により分解されて系外に放出される。
【0011】このような下降溶解型オゾン処理装置は、
原水3とオゾンガスとが反応槽11の頂部から同時に導
入されるため、水深圧に対向してガスを吹き込む必要が
なく、向流接触方式より深い30m程度の水深を持つ反
応槽の設計が可能である。また、オゾンの溶解速度が速
いため、オゾン吸収率は95%以上、有機物除去効率は
75%以上を示し、向流式反応槽の性能を大きく上回っ
ている。
原水3とオゾンガスとが反応槽11の頂部から同時に導
入されるため、水深圧に対向してガスを吹き込む必要が
なく、向流接触方式より深い30m程度の水深を持つ反
応槽の設計が可能である。また、オゾンの溶解速度が速
いため、オゾン吸収率は95%以上、有機物除去効率は
75%以上を示し、向流式反応槽の性能を大きく上回っ
ている。
【0012】一般に、浄水場などでオゾンを用いた水処
理を行なう場合、そのオゾン注入量は原水1L当たり1
〜3mgに設定される。また、通常は、空気を原料とす
るオゾン発生器を用いているので、発生オゾンガス濃度
は約20mg/Lとなり、気液比(原水流量÷オゾンガ
ス流量)は、6.6〜20の値を示す。一方、オゾン発
生器に関して、最近は酸素を原料とする高濃度オゾン発
生器の開発が進み、従来の空気原料と同程度にオゾン発
生コストが低減されている。また、先述のように、気相
中から液相中へのオゾン移動率は、注入するオゾンガス
濃度に大きく依存するため、物質移動の観点からは、オ
ゾンガス濃度が高くなるのは大変望ましいことである。
理を行なう場合、そのオゾン注入量は原水1L当たり1
〜3mgに設定される。また、通常は、空気を原料とす
るオゾン発生器を用いているので、発生オゾンガス濃度
は約20mg/Lとなり、気液比(原水流量÷オゾンガ
ス流量)は、6.6〜20の値を示す。一方、オゾン発
生器に関して、最近は酸素を原料とする高濃度オゾン発
生器の開発が進み、従来の空気原料と同程度にオゾン発
生コストが低減されている。また、先述のように、気相
中から液相中へのオゾン移動率は、注入するオゾンガス
濃度に大きく依存するため、物質移動の観点からは、オ
ゾンガス濃度が高くなるのは大変望ましいことである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高濃度
オゾンを使用するためには、次のような問題がある。オ
ゾン接触池の水理特性(気液流動様式)から見ると、高
濃度化したオゾンの注入率が一定のとき、オゾン風量が
減少するのは好ましくないことである。それは、前述の
横流式向流多段接触池の場合、オゾン接触池内は、元来
完全混合という水理特性を持っているが、オゾンガス濃
度が高くなり、オゾンガス風量が少なくなると、気泡の
上昇による混合および攪拌効果が低下し、短絡流や死水
域が発生するようになる。このことに関しては、本発明
者らも実験的に確認しており、原水流量に対するオゾン
ガス流量が1/100以下(気液比≧100)になる
と、混合不良が発生する。
オゾンを使用するためには、次のような問題がある。オ
ゾン接触池の水理特性(気液流動様式)から見ると、高
濃度化したオゾンの注入率が一定のとき、オゾン風量が
減少するのは好ましくないことである。それは、前述の
横流式向流多段接触池の場合、オゾン接触池内は、元来
完全混合という水理特性を持っているが、オゾンガス濃
度が高くなり、オゾンガス風量が少なくなると、気泡の
上昇による混合および攪拌効果が低下し、短絡流や死水
域が発生するようになる。このことに関しては、本発明
者らも実験的に確認しており、原水流量に対するオゾン
ガス流量が1/100以下(気液比≧100)になる
と、混合不良が発生する。
【0014】これに対して、前に述べた下降溶解型オゾ
ン処理装置は、気液並流押し出し流れという特性を持っ
ており、オゾンガス風量が少なくなっても、このような
混合不良は発生しない。したがって、高濃度オゾンを用
いるには、下降溶解型オゾン処理装置の方が横流式向流
多段接触池より適した接触方式と言えるが、下方注入式
反応槽は、水深を大きくすることや、向流式に比べて施
工技術を要することから、大規模な浄水処理設備には適
当でない。また、地下利用がかなり進んでいるわが国の
都市近郊に用いるのには、地下深く掘らねばならないと
いう点で不向きである。
ン処理装置は、気液並流押し出し流れという特性を持っ
ており、オゾンガス風量が少なくなっても、このような
混合不良は発生しない。したがって、高濃度オゾンを用
いるには、下降溶解型オゾン処理装置の方が横流式向流
多段接触池より適した接触方式と言えるが、下方注入式
反応槽は、水深を大きくすることや、向流式に比べて施
工技術を要することから、大規模な浄水処理設備には適
当でない。また、地下利用がかなり進んでいるわが国の
都市近郊に用いるのには、地下深く掘らねばならないと
いう点で不向きである。
【0015】しかし、今後、オゾン発生器はさらに高効
率なものとなり、発生するオゾンは高濃度化すると予測
されるので、とくにオゾンを用いる大規模な浄水処理設
備に対して、高濃度オゾンガスに適した原水との接触方
法を見出すことが急務である。本発明は上述の点に鑑み
てなされたものであり、その目的は、高濃度のオゾンの
使用に十分対応することが可能であり、設備の製作コス
トもかからない分離注入式オゾン接触方法を提供するこ
とにある。
率なものとなり、発生するオゾンは高濃度化すると予測
されるので、とくにオゾンを用いる大規模な浄水処理設
備に対して、高濃度オゾンガスに適した原水との接触方
法を見出すことが急務である。本発明は上述の点に鑑み
てなされたものであり、その目的は、高濃度のオゾンの
使用に十分対応することが可能であり、設備の製作コス
トもかからない分離注入式オゾン接触方法を提供するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の分離注入式オゾン接触方法は、原水を二
つの流路に分岐し、一方の流路を流れる原水にのみオゾ
ンを注入して溶解させ、この水を他方の流路を流れる原
水と再び合流させて混合し、この混合流を滞留槽に送
り、ここで一定時間滞留させた後、処理水として系外に
排出するものであり、オゾンを注入して溶解させる原水
流量に対するオゾン流量の割合を少なくとも0.2(気
液比5以上)とする。
めに、本発明の分離注入式オゾン接触方法は、原水を二
つの流路に分岐し、一方の流路を流れる原水にのみオゾ
ンを注入して溶解させ、この水を他方の流路を流れる原
水と再び合流させて混合し、この混合流を滞留槽に送
り、ここで一定時間滞留させた後、処理水として系外に
排出するものであり、オゾンを注入して溶解させる原水
流量に対するオゾン流量の割合を少なくとも0.2(気
液比5以上)とする。
【0017】
【作用】上記のように本発明ではオゾンを接触させる原
水の流れを一旦分岐して別流路とし、オゾンを注入溶解
させた後、再び本流の原水と合流混合させるようにした
ため、大規模な浄水処理設備として高濃度オゾンを用い
てオゾン注入率一定の場合も、原水とオゾンの混合不良
を起こすことなく、常に気液比を大きく保って、臭気物
質などの高い除去率を得ることができる。
水の流れを一旦分岐して別流路とし、オゾンを注入溶解
させた後、再び本流の原水と合流混合させるようにした
ため、大規模な浄水処理設備として高濃度オゾンを用い
てオゾン注入率一定の場合も、原水とオゾンの混合不良
を起こすことなく、常に気液比を大きく保って、臭気物
質などの高い除去率を得ることができる。
【0018】
【実施例】本発明者らは、大規模オゾン浄水処理設備に
おける高濃度オゾンガスの注入方法について、鋭意試
作,実験およびシミュレーションによる検討を重ねた結
果、横流式向流多段接触池におけると同等以上のオゾン
溶解効率および有機物除去効率が得られるオゾン注入方
法を見出すに至った。以下に本発明の方法を一実施例に
基づき説明する。
おける高濃度オゾンガスの注入方法について、鋭意試
作,実験およびシミュレーションによる検討を重ねた結
果、横流式向流多段接触池におけると同等以上のオゾン
溶解効率および有機物除去効率が得られるオゾン注入方
法を見出すに至った。以下に本発明の方法を一実施例に
基づき説明する。
【0019】図1は本発明による分離注入式オゾン接触
方法が適用される水処理装置の要部構成を示した模式図
であり、これまでの図と共通する部分を同一符号で表わ
してある。以下、図1を参照して、装置の構成ととも
に、オゾンを用いた浄水処理過程について述べる。図1
において、この装置の特徴は、系内にいずれも点線で囲
ったオゾン溶解部17と滞留部18とを有し、これら二
つの部分に配管流路を分岐して、原水3を流すようにし
たことである。まず原水3は導入口19から系内に流れ
込み、例えばバルブを用いた分岐点20でオゾン溶解部
17側へ分流され、オゾン溶解装置21に達し、ここで
オゾン発生装置7から送られるオゾンガスが注入され、
混合される。このオゾン溶解装置21には、通常の気泡
塔またはエゼクタなどの混合装置が用いられる。また、
オゾン溶解部17側への分岐水量は、その原水3の水質
や、設備全体の処理規模を勘案して任意に定めることが
できるが、オゾン溶解部17側への分岐水量を少なくす
ることが可能であれば、その分オゾン溶解装置21に対
する負荷が少なくなり、設備コストの低減に寄与する。
方法が適用される水処理装置の要部構成を示した模式図
であり、これまでの図と共通する部分を同一符号で表わ
してある。以下、図1を参照して、装置の構成ととも
に、オゾンを用いた浄水処理過程について述べる。図1
において、この装置の特徴は、系内にいずれも点線で囲
ったオゾン溶解部17と滞留部18とを有し、これら二
つの部分に配管流路を分岐して、原水3を流すようにし
たことである。まず原水3は導入口19から系内に流れ
込み、例えばバルブを用いた分岐点20でオゾン溶解部
17側へ分流され、オゾン溶解装置21に達し、ここで
オゾン発生装置7から送られるオゾンガスが注入され、
混合される。このオゾン溶解装置21には、通常の気泡
塔またはエゼクタなどの混合装置が用いられる。また、
オゾン溶解部17側への分岐水量は、その原水3の水質
や、設備全体の処理規模を勘案して任意に定めることが
できるが、オゾン溶解部17側への分岐水量を少なくす
ることが可能であれば、その分オゾン溶解装置21に対
する負荷が少なくなり、設備コストの低減に寄与する。
【0020】次に、オゾン溶解装置21から出た原水3
(オゾン混合原水)は、導入口19から入って分岐点2
0でオゾン溶解部17側へ進まずに配管内を直進する原
水3と合流点22で合流混合し、邪魔板やラインミキサ
ーなどの混合装置23に到り、混合性を確保するが、こ
の混合装置23は状況に応じ必ずしも必要としない。次
いで、合流混合した原水3は、滞留部18に流入する
が、滞留部18は図3に示したオゾン接触池1とほぼ同
様の構造を持つ滞留槽からなっており、この槽内に複数
個の仕切り板2を設置して、上下迂流構造とすることに
より、滞留部18における水の流れを均一にし、短絡流
の発生を抑制している。
(オゾン混合原水)は、導入口19から入って分岐点2
0でオゾン溶解部17側へ進まずに配管内を直進する原
水3と合流点22で合流混合し、邪魔板やラインミキサ
ーなどの混合装置23に到り、混合性を確保するが、こ
の混合装置23は状況に応じ必ずしも必要としない。次
いで、合流混合した原水3は、滞留部18に流入する
が、滞留部18は図3に示したオゾン接触池1とほぼ同
様の構造を持つ滞留槽からなっており、この槽内に複数
個の仕切り板2を設置して、上下迂流構造とすることに
より、滞留部18における水の流れを均一にし、短絡流
の発生を抑制している。
【0021】かくして、オゾンを混合した原水3は、滞
留部18で一定時間滞留した後、排出口24から処理水
6として系外に送り出すことができる。排オゾン処理設
備10に関しては、既に述べたのと同様である。滞留部
18(滞留槽)の滞留時間は、有機物などの分解反応を
進行させるだけの時間が必要であり、例えば臭気物質な
どを除去する場合は、約10〜20分に設定される。し
たがって、滞留部18は処理水量に応じてその容積も大
きくなるが、図3に示す横流式向流多段接触池の場合と
異なり、オゾン散気装置8を設置することなく、極めて
簡素な構造となるから、製作コストを低く抑えることが
できる。
留部18で一定時間滞留した後、排出口24から処理水
6として系外に送り出すことができる。排オゾン処理設
備10に関しては、既に述べたのと同様である。滞留部
18(滞留槽)の滞留時間は、有機物などの分解反応を
進行させるだけの時間が必要であり、例えば臭気物質な
どを除去する場合は、約10〜20分に設定される。し
たがって、滞留部18は処理水量に応じてその容積も大
きくなるが、図3に示す横流式向流多段接触池の場合と
異なり、オゾン散気装置8を設置することなく、極めて
簡素な構造となるから、製作コストを低く抑えることが
できる。
【0022】図2は、本発明による分離注入式オゾン接
触方法と、従来の横流式向流多段接触池におけるオゾン
接触方法との比較を、注入オゾンガス濃度と臭気物質除
去率との関係で示した線図である。処理条件はいずれも
同じであり、水深:6m,接触時間:5min,注入
率:1.5mg/Lとしている。オゾン注入率一定の条
件下で、注入するオゾンガス濃度を変化させているの
で、オゾンガス濃度が高いほど、注入するオゾンガス風
量は少なくなり、気液比(原水流量÷オゾンガス流量)
は大きくなる。図2の各曲線は●でプロットした方が本
発明、■でプロットしたのが従来法であり、各プロット
点に気液比を付記してある。
触方法と、従来の横流式向流多段接触池におけるオゾン
接触方法との比較を、注入オゾンガス濃度と臭気物質除
去率との関係で示した線図である。処理条件はいずれも
同じであり、水深:6m,接触時間:5min,注入
率:1.5mg/Lとしている。オゾン注入率一定の条
件下で、注入するオゾンガス濃度を変化させているの
で、オゾンガス濃度が高いほど、注入するオゾンガス風
量は少なくなり、気液比(原水流量÷オゾンガス流量)
は大きくなる。図2の各曲線は●でプロットした方が本
発明、■でプロットしたのが従来法であり、各プロット
点に気液比を付記してある。
【0023】また、本発明による分離注入式のオゾン溶
解部17(図1)側への分岐水量は、全原水の1/10
に設定したため、気液比は横流式向流多段接触池の場合
に比べて一桁程度小さい値になる。図2の各曲線が示す
ように、注入オゾンガス濃度80mg/L付近を境にし
て、それ以下では横流式向流多段接触池の方が高い臭気
物質除去率を示しているが、注入オゾンガス濃度80m
g/L以上では、分離注入式オゾン接触方法の臭気物質
除去率が高くなり、優位性が増すことがわかる。これは
分離注入式オゾン接触方法は、オゾン溶解部における気
液比の影響が大きいことを示しており、原水の水質によ
って程度は異なるが、本発明の分離注入式オゾン接触方
法によれば、高濃度オゾンガスを用い、常に気液比を高
く保って注入操作を行なうことにより、従来の横流式向
流多段接触池に比べて高い反応槽効率が得られることが
わかる。図2から本発明の方法における気液比は5以上
に保つのが有効である。
解部17(図1)側への分岐水量は、全原水の1/10
に設定したため、気液比は横流式向流多段接触池の場合
に比べて一桁程度小さい値になる。図2の各曲線が示す
ように、注入オゾンガス濃度80mg/L付近を境にし
て、それ以下では横流式向流多段接触池の方が高い臭気
物質除去率を示しているが、注入オゾンガス濃度80m
g/L以上では、分離注入式オゾン接触方法の臭気物質
除去率が高くなり、優位性が増すことがわかる。これは
分離注入式オゾン接触方法は、オゾン溶解部における気
液比の影響が大きいことを示しており、原水の水質によ
って程度は異なるが、本発明の分離注入式オゾン接触方
法によれば、高濃度オゾンガスを用い、常に気液比を高
く保って注入操作を行なうことにより、従来の横流式向
流多段接触池に比べて高い反応槽効率が得られることが
わかる。図2から本発明の方法における気液比は5以上
に保つのが有効である。
【0024】
【発明の効果】近年、オゾン発生器の性能が向上し、水
処理にも高濃度オゾンが用いられるようになってきた
が、高濃度オゾンを用いたとき、横流式向流多段接触池
は原水とオゾンの混合状態が悪く、下降溶解型水処理装
置は設備費が高いなどの点から、従来の方法をそのまま
利用するのは好ましくないので、高濃度オゾンに対応可
能な新規なオゾン注入方法を開発する必要があった。
処理にも高濃度オゾンが用いられるようになってきた
が、高濃度オゾンを用いたとき、横流式向流多段接触池
は原水とオゾンの混合状態が悪く、下降溶解型水処理装
置は設備費が高いなどの点から、従来の方法をそのまま
利用するのは好ましくないので、高濃度オゾンに対応可
能な新規なオゾン注入方法を開発する必要があった。
【0025】これに対して本発明者らの見出した分離注
入式オゾン接触方法は、原水を二つの流路に分岐し、一
方の流路を流れる原水にのみオゾンを注入して溶解さ
せ、この水を他方の流路を流れる原水と再び合流させて
混合し、この混合流を滞留槽に送り、ここで一定時間滞
留させた後、処理水として系外に排出するものであり、
大規模な浄水処理設備に高濃度オゾンを用いたとき、オ
ゾン注入率一定の場合も、原水とオゾンの混合不良を起
こすことなく、常に気液比を大きく保って、有機物の高
い除去率を得ることができる。
入式オゾン接触方法は、原水を二つの流路に分岐し、一
方の流路を流れる原水にのみオゾンを注入して溶解さ
せ、この水を他方の流路を流れる原水と再び合流させて
混合し、この混合流を滞留槽に送り、ここで一定時間滞
留させた後、処理水として系外に排出するものであり、
大規模な浄水処理設備に高濃度オゾンを用いたとき、オ
ゾン注入率一定の場合も、原水とオゾンの混合不良を起
こすことなく、常に気液比を大きく保って、有機物の高
い除去率を得ることができる。
【0026】このように、本発明の方法は、大規模な浄
水処理設備により高濃度オゾンを有効に利用することが
でき、今後予測される高濃度オゾンガス生成のコスト低
減と相まって、低コスト,高効率のオゾンを用いた水処
理システムの実現が可能となり、種々の浄水処理設備へ
の適用が考えられる。
水処理設備により高濃度オゾンを有効に利用することが
でき、今後予測される高濃度オゾンガス生成のコスト低
減と相まって、低コスト,高効率のオゾンを用いた水処
理システムの実現が可能となり、種々の浄水処理設備へ
の適用が考えられる。
【図1】本発明の方法が適用される水処理装置の要部構
成を示す模式図
成を示す模式図
【図2】本発明の方法と従来方法との比較で示した注入
オゾンガス濃度と臭気物質除去率との関係線図
オゾンガス濃度と臭気物質除去率との関係線図
【図3】横流式向流多段接触池を用いた水処理装置の要
部構成を示す模式図
部構成を示す模式図
【図4】下降溶解型オゾン処理装置の要部構成を示す模
式図
式図
1 オゾン接触池 2 仕切り板 3 原水 4 導入口 5 排出口 6 処理水 7 オゾン発生装置 8 散気装置 9 気泡 10 排オゾン処理設備 11 反応槽 12 導入口 13 送水ポンプ 14 下降溶解部 15 上昇部 16 排出口17 オゾン溶解部18 滞留部 19 導入口 20 分岐点 21 オゾン溶解装置 22 合流点 23 混合装置 24 排出口
Claims (2)
- 【請求項1】オゾンを注入して原水を浄化する水処理を
行なうに当たり、配管系に導入した原水を二つの流路に
分岐し、一方の流路に形成したオゾン溶解部を流れる原
水にのみオゾンを注入して溶解させ、この水を他方の流
路を流れる原水と再び合流させて混合し、この混合流を
複数個の仕切り板を有する槽からなる滞留部に送り、こ
こで上下迂回流として一定時間滞留させた後、処理水と
して系外に排出することを特徴とする分離注入式オゾン
接触方法。 - 【請求項2】請求項1記載の分離注入式オゾン接触方法
において、オゾンを注入して溶解させる原水流量に対す
るオゾン流量の割合を少なくとも0.2(気液比5以
上)とすることを特徴とする分離注入式オゾン接触方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7006795A JPH08192176A (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | 分離注入式オゾン接触方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7006795A JPH08192176A (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | 分離注入式オゾン接触方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08192176A true JPH08192176A (ja) | 1996-07-30 |
Family
ID=11648116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7006795A Pending JPH08192176A (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | 分離注入式オゾン接触方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08192176A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005046831A (ja) * | 2003-07-15 | 2005-02-24 | Yaskawa Electric Corp | オゾン水処理装置 |
WO2007091559A1 (ja) | 2006-02-09 | 2007-08-16 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 化学除染装置およびその除染方法 |
KR20160049396A (ko) * | 2014-10-27 | 2016-05-09 | 박현석 | 순환식 기·액체 혼합장치 |
KR102431449B1 (ko) * | 2021-10-14 | 2022-08-11 | (주)윈텍글로비스 | 과열증기를 이용한 활성탄 재생장치의 폐수 처리 장치 및 그의 폐수 처리 방법 |
-
1995
- 1995-01-20 JP JP7006795A patent/JPH08192176A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005046831A (ja) * | 2003-07-15 | 2005-02-24 | Yaskawa Electric Corp | オゾン水処理装置 |
WO2007091559A1 (ja) | 2006-02-09 | 2007-08-16 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 化学除染装置およびその除染方法 |
KR20160049396A (ko) * | 2014-10-27 | 2016-05-09 | 박현석 | 순환식 기·액체 혼합장치 |
KR102431449B1 (ko) * | 2021-10-14 | 2022-08-11 | (주)윈텍글로비스 | 과열증기를 이용한 활성탄 재생장치의 폐수 처리 장치 및 그의 폐수 처리 방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |