JPH08188606A - 常温硬化性水性樹脂分散体の製法 - Google Patents
常温硬化性水性樹脂分散体の製法Info
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- JPH08188606A JPH08188606A JP277595A JP277595A JPH08188606A JP H08188606 A JPH08188606 A JP H08188606A JP 277595 A JP277595 A JP 277595A JP 277595 A JP277595 A JP 277595A JP H08188606 A JPH08188606 A JP H08188606A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 (A)エポキシ樹脂20〜60重量部の存在
下に、(B)ラジカル重合性モノマー40〜80重量部
を水性媒体中で油溶性である重合開始剤を用いて乳化重
合することからなる水性樹脂分散体から得られるフィル
ムのTgが10〜−40℃である常温硬化性水性樹脂分
散体の製法。 【効果】 従来のエポキシ樹脂との組わせによる水性樹
脂分散体に比べ油溶性のラジカル開始剤を用いているた
め、耐水性が良好であり、かつコンタクト性も良好であ
る。またエポキシ樹脂による硬化もスムーズに進行する
ので高度な耐熱性を有しており、溶剤系クロロプレン接
着剤と同等の性能を有する。
下に、(B)ラジカル重合性モノマー40〜80重量部
を水性媒体中で油溶性である重合開始剤を用いて乳化重
合することからなる水性樹脂分散体から得られるフィル
ムのTgが10〜−40℃である常温硬化性水性樹脂分
散体の製法。 【効果】 従来のエポキシ樹脂との組わせによる水性樹
脂分散体に比べ油溶性のラジカル開始剤を用いているた
め、耐水性が良好であり、かつコンタクト性も良好であ
る。またエポキシ樹脂による硬化もスムーズに進行する
ので高度な耐熱性を有しており、溶剤系クロロプレン接
着剤と同等の性能を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温または加熱により乾
燥させることによって粘着性を発揮し、かつ時間の経過
に伴って非粘着性となる性質を与える常温硬化性水性樹
脂分散体の製法に関するものであり、詳しくは乾燥直後
に高い接着力を与え、かつ常温でそのまま放置すること
により高い耐熱性、耐水性、接着性を発揮する常温硬化
性水性樹脂分散体を得ることができる常温硬化性水性樹
脂分散体の製法に関するものである。
燥させることによって粘着性を発揮し、かつ時間の経過
に伴って非粘着性となる性質を与える常温硬化性水性樹
脂分散体の製法に関するものであり、詳しくは乾燥直後
に高い接着力を与え、かつ常温でそのまま放置すること
により高い耐熱性、耐水性、接着性を発揮する常温硬化
性水性樹脂分散体を得ることができる常温硬化性水性樹
脂分散体の製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、省資源、地球環境に優しい材料の開
発が進められている。その中でも溶剤系クロロプレン接
着剤の代替が積極的に行われている。このクロロプレン
接着剤は(1)溶剤乾燥直後の接着力(コンタクト性)
が良好である、(2)養生後高結晶性のため接着力が高
い、(3)耐熱性、耐水性が良好である、等の特徴を有
している。このクロロプレン接着剤の水性化は、例えば
クロロプレンゴムのエマルション化や、従来からある熱
可塑性のアクリルエマルション、ウレタンエマルション
の高性能化等が行われているが、コンタクト性と養生後
の接着力と耐熱性、耐水性のバランスが図れずいまだ満
足しうるものはない。
発が進められている。その中でも溶剤系クロロプレン接
着剤の代替が積極的に行われている。このクロロプレン
接着剤は(1)溶剤乾燥直後の接着力(コンタクト性)
が良好である、(2)養生後高結晶性のため接着力が高
い、(3)耐熱性、耐水性が良好である、等の特徴を有
している。このクロロプレン接着剤の水性化は、例えば
クロロプレンゴムのエマルション化や、従来からある熱
可塑性のアクリルエマルション、ウレタンエマルション
の高性能化等が行われているが、コンタクト性と養生後
の接着力と耐熱性、耐水性のバランスが図れずいまだ満
足しうるものはない。
【0003】これに対して従来の熱可塑性エマルション
単独ではなく、熱硬化性のエポキシ樹脂との組み合わせ
によりコンタクト性、養生後の接着力、耐熱性、耐水性
のバランスを図る試みがある。
単独ではなく、熱硬化性のエポキシ樹脂との組み合わせ
によりコンタクト性、養生後の接着力、耐熱性、耐水性
のバランスを図る試みがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらエポキシ
樹脂のエマルシヨンを単純にブレンドしただけでは、貯
蔵中にエポキシ樹脂と残りの重合体成分とが分離した
り、エポキシ樹脂エマルションを製造するときに使用さ
れる多量の乳化剤が耐水性に影響を及ぼすという欠点が
あった。これらに対し、例えば特開昭49−10658
6公報ではエポキシ樹脂存在下で乳化重合を行い分離の
問題を解決している。また、特開昭57−115418
号報ではエポキシ樹脂の末端を一部アクリロイル基とす
ることによりアクリルポリマーとの相溶性を改良し、貯
蔵中の分離を防ぐとともに性能の向上を図っている。こ
れらの改良により従来の課題はかなり解決されてきてい
るものの、重合開始剤として水溶性の化合物を使用して
いるため、それに起因して耐水性を損なう要因になって
いる。したがって、現在求められている高度なコンタク
ト性と養生後の接着力、耐熱性、耐水性のバランスを取
ることが困難であった。
樹脂のエマルシヨンを単純にブレンドしただけでは、貯
蔵中にエポキシ樹脂と残りの重合体成分とが分離した
り、エポキシ樹脂エマルションを製造するときに使用さ
れる多量の乳化剤が耐水性に影響を及ぼすという欠点が
あった。これらに対し、例えば特開昭49−10658
6公報ではエポキシ樹脂存在下で乳化重合を行い分離の
問題を解決している。また、特開昭57−115418
号報ではエポキシ樹脂の末端を一部アクリロイル基とす
ることによりアクリルポリマーとの相溶性を改良し、貯
蔵中の分離を防ぐとともに性能の向上を図っている。こ
れらの改良により従来の課題はかなり解決されてきてい
るものの、重合開始剤として水溶性の化合物を使用して
いるため、それに起因して耐水性を損なう要因になって
いる。したがって、現在求められている高度なコンタク
ト性と養生後の接着力、耐熱性、耐水性のバランスを取
ることが困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
エポキシ樹脂とラジカル重合性モノマーとの水性媒体中
での乳化重合につき検討し、特にその際の重合開始剤に
つき検討を重ね、かつ得られた水性樹脂分散体のフィル
ムのTgに着目し完成したものである。すなわち、本発
明は(A)エポキシ樹脂20〜60重量部の存在下に、
(B)ラジカル重合性モノマー40〜80重量部を水性
媒体中で油溶性である重合開始剤を用いて乳化重合する
ことからなることを特徴とする水性樹脂分散体から得ら
れるフィルムのTgが10〜−40℃である常温硬化性
水性樹脂分散体の製法である。
エポキシ樹脂とラジカル重合性モノマーとの水性媒体中
での乳化重合につき検討し、特にその際の重合開始剤に
つき検討を重ね、かつ得られた水性樹脂分散体のフィル
ムのTgに着目し完成したものである。すなわち、本発
明は(A)エポキシ樹脂20〜60重量部の存在下に、
(B)ラジカル重合性モノマー40〜80重量部を水性
媒体中で油溶性である重合開始剤を用いて乳化重合する
ことからなることを特徴とする水性樹脂分散体から得ら
れるフィルムのTgが10〜−40℃である常温硬化性
水性樹脂分散体の製法である。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
使用されるエポキシ樹脂とは、1分子中に1個以上のエ
ポキシ基を有する化合物であり、例えばグリシジルエー
テル類、グリシジルエステル類、グリシジルアミン類、
線状脂肪族エポキサイド類、脂環族エポキサイドなどが
挙げられる。
使用されるエポキシ樹脂とは、1分子中に1個以上のエ
ポキシ基を有する化合物であり、例えばグリシジルエー
テル類、グリシジルエステル類、グリシジルアミン類、
線状脂肪族エポキサイド類、脂環族エポキサイドなどが
挙げられる。
【0007】グリシジルエーテル類としては、芳香族グ
リシジルエーテル、脂肪族グリシジルエーテルが挙げら
れ、芳香族グリシジルエーテルとしては例えばビスフェ
ノールのジグリシジルエーテル、フェノールノボラック
のポリグリシジルエーテル、ビフェノールのジグリシジ
ルエーテルが挙げられる。該ビスフェノールのジグリシ
ジルエーテルとしては、例えばビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノール
S、テトラメチルビスフェノールA、テトラブロモビス
フェノールAなどのジグリシジルエーテルが挙げられ、
フェノールノボラックのポリグリシジルエーテルとして
は、例えばフェノールノボラック、クレゾールノボラッ
ク、ブロム化フェノールノボラックなどのポリグリシジ
ルエーテルが挙げられ、ビフェノールのジグリシジルエ
ーテルとしては例えばビフェノール、テトラメチルビフ
ェノールのジグリシジルエーテルが挙げられる。脂肪族
グリシジルエーテルとしては、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン、テトラメ
チレングリコールなどのグリシジルエーテルが挙げられ
る。グリシジルエステル類としては、芳香族グリシジル
エステル、脂環式グリシジルエステルなどが挙げられ
る。芳香族グリシジルエステルとしては、例えばフタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジグリシジルエ
ステルが挙げられ、脂環式グリシジルエステルとしては
例えばヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、
ダイマー酸などのグリシジルエステルが挙げられる。
リシジルエーテル、脂肪族グリシジルエーテルが挙げら
れ、芳香族グリシジルエーテルとしては例えばビスフェ
ノールのジグリシジルエーテル、フェノールノボラック
のポリグリシジルエーテル、ビフェノールのジグリシジ
ルエーテルが挙げられる。該ビスフェノールのジグリシ
ジルエーテルとしては、例えばビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノール
S、テトラメチルビスフェノールA、テトラブロモビス
フェノールAなどのジグリシジルエーテルが挙げられ、
フェノールノボラックのポリグリシジルエーテルとして
は、例えばフェノールノボラック、クレゾールノボラッ
ク、ブロム化フェノールノボラックなどのポリグリシジ
ルエーテルが挙げられ、ビフェノールのジグリシジルエ
ーテルとしては例えばビフェノール、テトラメチルビフ
ェノールのジグリシジルエーテルが挙げられる。脂肪族
グリシジルエーテルとしては、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン、テトラメ
チレングリコールなどのグリシジルエーテルが挙げられ
る。グリシジルエステル類としては、芳香族グリシジル
エステル、脂環式グリシジルエステルなどが挙げられ
る。芳香族グリシジルエステルとしては、例えばフタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジグリシジルエ
ステルが挙げられ、脂環式グリシジルエステルとしては
例えばヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、
ダイマー酸などのグリシジルエステルが挙げられる。
【0008】グリシジルアミン類としては、例えばテト
ラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシ
ジルメタキシリレンジアミン、トリグリシジルアミノフ
ェールなどが挙げられる。線状脂肪族エポキサイド類と
しては例えば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化
大豆油などが挙げられ、脂環族エポキサイドとしては例
えば3,4エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル
カルボキシレート、3,4エポキシシクロヘキシルメチ
ルカルボキシレートなどが挙げられる。
ラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシ
ジルメタキシリレンジアミン、トリグリシジルアミノフ
ェールなどが挙げられる。線状脂肪族エポキサイド類と
しては例えば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化
大豆油などが挙げられ、脂環族エポキサイドとしては例
えば3,4エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル
カルボキシレート、3,4エポキシシクロヘキシルメチ
ルカルボキシレートなどが挙げられる。
【0009】エポキシ樹脂は単独で使用してもよく2種
類以上を組み合わせてもよい。好ましいエポキシ樹脂は
耐熱性、耐水性の観点からグリシジルエーテル類であ
り、さらに好ましくはビスフェノールのジグリシジルエ
ーテルであり、とくに好ましくはビフェノールA、ビフ
ェノールFのジグリシジルエーテルである。エポキシ樹
脂のエポキシ当量は100〜10000の範囲ものを用
いることができ、常温硬化性、耐熱性、耐水性の観点か
ら好ましくは150〜3000であり、さらに好ましく
は170〜1000である。
類以上を組み合わせてもよい。好ましいエポキシ樹脂は
耐熱性、耐水性の観点からグリシジルエーテル類であ
り、さらに好ましくはビスフェノールのジグリシジルエ
ーテルであり、とくに好ましくはビフェノールA、ビフ
ェノールFのジグリシジルエーテルである。エポキシ樹
脂のエポキシ当量は100〜10000の範囲ものを用
いることができ、常温硬化性、耐熱性、耐水性の観点か
ら好ましくは150〜3000であり、さらに好ましく
は170〜1000である。
【0010】本発明で使用するラジカル重合性モノマー
として例えば、a.芳香族不飽和化合物、b.α,β−
不飽和モノカルボン酸アルキルエステル、c.α,β−
不飽和モノカルボン酸などの組み合わせが挙げられる。
芳香族不飽和化合物として例えば、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。α,β
−不飽和モノカルボン酸のアルキルエステルとしては例
えば、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12の
アルキルエステルが挙げられる。アクリル酸またはメタ
クリル酸のC1〜C12のアルキルエステルとしては例
えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリ
レート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリ
レート、イソプロピルアクリレート、ブチルメタクリレ
ート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレ
ート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、ラウリルメタクリレートなどが挙
げられる。α,β−不飽和モノカルボン酸としては例え
ばアクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
として例えば、a.芳香族不飽和化合物、b.α,β−
不飽和モノカルボン酸アルキルエステル、c.α,β−
不飽和モノカルボン酸などの組み合わせが挙げられる。
芳香族不飽和化合物として例えば、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。α,β
−不飽和モノカルボン酸のアルキルエステルとしては例
えば、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12の
アルキルエステルが挙げられる。アクリル酸またはメタ
クリル酸のC1〜C12のアルキルエステルとしては例
えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリ
レート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリ
レート、イソプロピルアクリレート、ブチルメタクリレ
ート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレ
ート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、ラウリルメタクリレートなどが挙
げられる。α,β−不飽和モノカルボン酸としては例え
ばアクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
【0011】ラジカル重合性モノマーで好ましくは、
a.芳香族不飽和化合物、b.α,β−不飽和モノカル
ボン酸のC1〜C12のアルキルエステル、c.α,β
−不飽和モノカルボン酸の組み合わせであり、a、b、
cを各々単独で使用してもよく、また各々が2種以上の
混合物であってもよい。好ましくはa.芳香族不飽和化
合物としてはスチレンであり、b.α,β−不飽和モノ
カルボン酸のC1〜C12のアルキルエステルとしては
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレートであり、さらに好ましくはブチル
アクリレートであり、α,β−不飽和モノカルボン酸と
してはメタクリル酸である。
a.芳香族不飽和化合物、b.α,β−不飽和モノカル
ボン酸のC1〜C12のアルキルエステル、c.α,β
−不飽和モノカルボン酸の組み合わせであり、a、b、
cを各々単独で使用してもよく、また各々が2種以上の
混合物であってもよい。好ましくはa.芳香族不飽和化
合物としてはスチレンであり、b.α,β−不飽和モノ
カルボン酸のC1〜C12のアルキルエステルとしては
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレートであり、さらに好ましくはブチル
アクリレートであり、α,β−不飽和モノカルボン酸と
してはメタクリル酸である。
【0012】また上記以外のラジカル重合性モノマー以
外も必要に応じて組み合わせててもよい。例えば、水酸
基含有モノマー例えば2−ヒドロキシアクリレート、2
−ヒドロキシメタクリレート、ポリエチレングリコール
アクリレート、アミド基含有モノマー例えばアクリルア
ミド、メタクリルアミド、メチロール基含有モノマー例
えばN−メチロールアクリルアミド、ジメチロールアク
リルアミド、アルコキシメチル基含有モノマー例えばN
−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチキシメチル
アクリルアミド、エポキシ基含有モノマー例えばグリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、α,β
−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノまたはジエステ
ル例えばマレイン酸モノまたはジブチル、フマル酸モノ
またはジオクチル、ビニルエステル例えば酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、不飽和ニトリル例えばアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、不飽和カルボン酸例えば
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、オレフィン例えば
ブタジエン、イソプレン、塩素含有ビニルモノマー例え
ば塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、ジビニ
ルモノマー例えばジビニルベンゼン、ポリオキシエチレ
ンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレー
トなどを挙げることができる。
外も必要に応じて組み合わせててもよい。例えば、水酸
基含有モノマー例えば2−ヒドロキシアクリレート、2
−ヒドロキシメタクリレート、ポリエチレングリコール
アクリレート、アミド基含有モノマー例えばアクリルア
ミド、メタクリルアミド、メチロール基含有モノマー例
えばN−メチロールアクリルアミド、ジメチロールアク
リルアミド、アルコキシメチル基含有モノマー例えばN
−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチキシメチル
アクリルアミド、エポキシ基含有モノマー例えばグリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、α,β
−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノまたはジエステ
ル例えばマレイン酸モノまたはジブチル、フマル酸モノ
またはジオクチル、ビニルエステル例えば酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、不飽和ニトリル例えばアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、不飽和カルボン酸例えば
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、オレフィン例えば
ブタジエン、イソプレン、塩素含有ビニルモノマー例え
ば塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、ジビニ
ルモノマー例えばジビニルベンゼン、ポリオキシエチレ
ンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレー
トなどを挙げることができる。
【0013】本発明においてエポキシ樹脂とラジカル重
合性モノマーとの比率は、エポキシ樹脂20〜60重量
部に対してラジカル重合性モノマーが40〜80重量部
である。エポキシ樹脂が20重量部未満だと耐熱性、耐
水性が不良であり、また60重量部をこえるとコンタク
ト性が不良となる。好ましくはエポキシ樹脂が25〜5
5重量部に対してラジカル重合性モノマーが45〜75
重量部である。
合性モノマーとの比率は、エポキシ樹脂20〜60重量
部に対してラジカル重合性モノマーが40〜80重量部
である。エポキシ樹脂が20重量部未満だと耐熱性、耐
水性が不良であり、また60重量部をこえるとコンタク
ト性が不良となる。好ましくはエポキシ樹脂が25〜5
5重量部に対してラジカル重合性モノマーが45〜75
重量部である。
【0014】本発明の水性樹脂分散体から得られるフィ
ルムのTgは10〜−40℃である。10℃を越えると
コンタクト性が不足し接着力が不良となり、−40℃未
満で接着力が不足する。好ましくは0〜−30℃であ
る。本発明から得られるフィルムはビニルポリマーと未
硬化エポキシ樹脂とが相溶している状態が好ましい。す
なわち、相溶することによりフィルムのTgがビニルポ
リマーの要因のみでなく、溶解しているエポキシ樹脂の
量、分子量等にも左右される。例えば、ビニルポリマー
自身のTgを高く設定したとしても、エポキシ樹脂添加
量が多い場合その可塑化効果により、フィルムのTgは
低下する。その逆も有り得る。したがってラジカル重合
性モノマーの組成比は、エポキシ樹脂相溶下でのフィル
ムのTgからも設定されるものである。ただし、コンタ
クト性、エポキシ樹脂硬化後の耐熱性、耐水性の面から
みて、ラジカル重合性モノマーの組成比の最適範囲は適
宜決定される。
ルムのTgは10〜−40℃である。10℃を越えると
コンタクト性が不足し接着力が不良となり、−40℃未
満で接着力が不足する。好ましくは0〜−30℃であ
る。本発明から得られるフィルムはビニルポリマーと未
硬化エポキシ樹脂とが相溶している状態が好ましい。す
なわち、相溶することによりフィルムのTgがビニルポ
リマーの要因のみでなく、溶解しているエポキシ樹脂の
量、分子量等にも左右される。例えば、ビニルポリマー
自身のTgを高く設定したとしても、エポキシ樹脂添加
量が多い場合その可塑化効果により、フィルムのTgは
低下する。その逆も有り得る。したがってラジカル重合
性モノマーの組成比は、エポキシ樹脂相溶下でのフィル
ムのTgからも設定されるものである。ただし、コンタ
クト性、エポキシ樹脂硬化後の耐熱性、耐水性の面から
みて、ラジカル重合性モノマーの組成比の最適範囲は適
宜決定される。
【0015】本発明で好ましいラジカル重合性モノマー
であるa.芳香族不飽和化合物、b.α,β−不飽和モ
ノカルボン酸のC1〜C12のアルキルエステル、およ
びc.アクリル酸および/またはメタクリル酸の組成比
は、好ましくはa.芳香族不飽和化合物が20〜80重
量%、b.α,β−不飽和モノカルボン酸のC1〜C1
2のアルキルエステルが20〜80重量%、c.アクリ
ル酸および/またはメタクリル酸が0.1〜20重量%
である。
であるa.芳香族不飽和化合物、b.α,β−不飽和モ
ノカルボン酸のC1〜C12のアルキルエステル、およ
びc.アクリル酸および/またはメタクリル酸の組成比
は、好ましくはa.芳香族不飽和化合物が20〜80重
量%、b.α,β−不飽和モノカルボン酸のC1〜C1
2のアルキルエステルが20〜80重量%、c.アクリ
ル酸および/またはメタクリル酸が0.1〜20重量%
である。
【0016】本発明のTgは示差走査熱量計を用い、−
100℃から昇温速度10℃/分で測定できる。得られ
たデータの変曲点をTgとし、変曲点が2つ以上ある場
合は高温側の変曲点をTgとする。Tg測定に際しサン
プルは、水性樹脂分散体を常温または加熱により乾燥さ
せたものを用いなければならない。但し加熱による乾燥
の場合、過剰な加熱はTgの変化を伴うのでできるだけ
速やかに行うことが必要である。
100℃から昇温速度10℃/分で測定できる。得られ
たデータの変曲点をTgとし、変曲点が2つ以上ある場
合は高温側の変曲点をTgとする。Tg測定に際しサン
プルは、水性樹脂分散体を常温または加熱により乾燥さ
せたものを用いなければならない。但し加熱による乾燥
の場合、過剰な加熱はTgの変化を伴うのでできるだけ
速やかに行うことが必要である。
【0017】本発明における水性媒体中での重合は、従
来より公知の乳化重合技術によって行われる。すなわち
ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、水、界
面活性剤の存在下によって行われるものであるが、ラジ
カル重合開始剤に油溶性のラジカル重合開始剤を用いる
ところに特徴がある。例えばラジカル重合性モノマーに
予め油溶性のラジカル重合開始剤とを室温または加温下
で十分に撹拌を行うことによって均一に溶解させ、これ
にエポキシ樹脂を添加し均一に溶解させる。これに界面
活性剤、分散剤、保護コロイド等と水を加えて乳化分散
液としたのち、重合する方法である。この方法以外にも
例えば、エポキシ樹脂と油溶性のラジカル重合開始剤を
溶解させたラジカル重合性モノマーとを別個に乳化分散
させ重合に供する方法、エポキシ樹脂のみを乳化分散さ
せ油溶性のラジカル重合開始剤を溶解させたラジカル重
合性モノマーを直接重合させる方法等が挙げられる。乳
化重合時にラジカル重合性モノマーとエポキシ樹脂とは
反応しても、しなくてもよい。好ましくは反応しないほ
うがよい。
来より公知の乳化重合技術によって行われる。すなわち
ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、水、界
面活性剤の存在下によって行われるものであるが、ラジ
カル重合開始剤に油溶性のラジカル重合開始剤を用いる
ところに特徴がある。例えばラジカル重合性モノマーに
予め油溶性のラジカル重合開始剤とを室温または加温下
で十分に撹拌を行うことによって均一に溶解させ、これ
にエポキシ樹脂を添加し均一に溶解させる。これに界面
活性剤、分散剤、保護コロイド等と水を加えて乳化分散
液としたのち、重合する方法である。この方法以外にも
例えば、エポキシ樹脂と油溶性のラジカル重合開始剤を
溶解させたラジカル重合性モノマーとを別個に乳化分散
させ重合に供する方法、エポキシ樹脂のみを乳化分散さ
せ油溶性のラジカル重合開始剤を溶解させたラジカル重
合性モノマーを直接重合させる方法等が挙げられる。乳
化重合時にラジカル重合性モノマーとエポキシ樹脂とは
反応しても、しなくてもよい。好ましくは反応しないほ
うがよい。
【0018】使用する界面活性剤としては、イオン性、
非イオン性の界面活性剤があり、イオン性界面活性剤と
してはアニオン性、カチオン性、両性が挙げられる。ア
ニオン性界面活性剤としては、例えば脂肪酸、高級アル
コールの硫酸エステル塩、液体脂肪油の硫酸エステル
塩、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイドの硫酸塩、脂肪
族アルコールのリン酸エステル、二塩基性脂肪酸エステ
ルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホン酸塩、アル
キルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合ナフタリンス
ルホン酸塩等が挙げられ、カチオン性界面活性剤として
は例えば第一アミン塩、第二アミン塩、第三アミン塩、
第四アンモニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられ、両
性界面活性剤としては例えばカルボン酸塩型、硫酸エス
テル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩等が挙げ
られる。非イオン性界面活性剤としては例えばポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチ
レンソルビタンアルキルエステル等が挙げられる。また
上記で挙げた非反応性の界面活性剤以外にも反応性の界
面活性剤も使用することができる。反応性界面活性剤と
しては一分子中にラジカル重合性の官能基を有しかつス
ルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩基、
スルホン酸エステル塩基から選ばれる一個以上の官能基
を有するもの、または一分子中にラジカル重合性の官能
基を有しかつポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレ
ン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン複合タイ
プのアルキルエーテルまたはアルコールを有するもので
ある。これらの界面活性剤は一種でも、また2種以上と
組み合わせてしようしてもよい。分散剤、保護コロイド
としては例えばポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩、無水
マレイイン酸コポリマー塩、ポリビニルアルコール、ヒ
ドロキシエチルアルコール等が挙げられる。
非イオン性の界面活性剤があり、イオン性界面活性剤と
してはアニオン性、カチオン性、両性が挙げられる。ア
ニオン性界面活性剤としては、例えば脂肪酸、高級アル
コールの硫酸エステル塩、液体脂肪油の硫酸エステル
塩、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイドの硫酸塩、脂肪
族アルコールのリン酸エステル、二塩基性脂肪酸エステ
ルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホン酸塩、アル
キルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合ナフタリンス
ルホン酸塩等が挙げられ、カチオン性界面活性剤として
は例えば第一アミン塩、第二アミン塩、第三アミン塩、
第四アンモニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられ、両
性界面活性剤としては例えばカルボン酸塩型、硫酸エス
テル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩等が挙げ
られる。非イオン性界面活性剤としては例えばポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチ
レンソルビタンアルキルエステル等が挙げられる。また
上記で挙げた非反応性の界面活性剤以外にも反応性の界
面活性剤も使用することができる。反応性界面活性剤と
しては一分子中にラジカル重合性の官能基を有しかつス
ルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩基、
スルホン酸エステル塩基から選ばれる一個以上の官能基
を有するもの、または一分子中にラジカル重合性の官能
基を有しかつポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレ
ン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン複合タイ
プのアルキルエーテルまたはアルコールを有するもので
ある。これらの界面活性剤は一種でも、また2種以上と
組み合わせてしようしてもよい。分散剤、保護コロイド
としては例えばポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩、無水
マレイイン酸コポリマー塩、ポリビニルアルコール、ヒ
ドロキシエチルアルコール等が挙げられる。
【0019】重合開始剤としては、油溶性の重合開始剤
を使用する。ここで言う油溶性重合開始剤とは100g
の水に0.1g以下の溶解性の開始剤を指す。油溶性の
重合開始剤としては例えば過酸化物、油溶性のアゾビス
化合物等が挙げられ、過酸化物としては例えばベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が挙げ
られ、油溶性のアゾビス化合物としては例えば2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−
2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,
4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
を使用する。ここで言う油溶性重合開始剤とは100g
の水に0.1g以下の溶解性の開始剤を指す。油溶性の
重合開始剤としては例えば過酸化物、油溶性のアゾビス
化合物等が挙げられ、過酸化物としては例えばベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が挙げ
られ、油溶性のアゾビス化合物としては例えば2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−
2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,
4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
【0020】本発明の重合で必要に応じてリン酸水素ナ
トリウムや炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、t−ド
デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンや低分
子ハロゲン化合物等の分子量調整剤、可塑剤、有機溶剤
等を乳化重合の前・中・後に添加することができる。重
合温度は例えば0〜100℃で特に30〜90℃が好ま
しく、不活性雰囲気中、常圧下または必要に応じて加圧
下で行われる。
トリウムや炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、t−ド
デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンや低分
子ハロゲン化合物等の分子量調整剤、可塑剤、有機溶剤
等を乳化重合の前・中・後に添加することができる。重
合温度は例えば0〜100℃で特に30〜90℃が好ま
しく、不活性雰囲気中、常圧下または必要に応じて加圧
下で行われる。
【0021】本発明の水性樹脂分散体はそのまま用いて
もよいが、含有しているエポキシ樹脂を硬化させるため
に必要に応じて硬化剤を配合してもよい。硬化剤として
は例えば、ポリアミン系、酸無水物系、フェノール樹
脂、ポリメルカプタン、ルイス酸錯体等が挙げられる。
ポリアミン系硬化剤としては脂肪族ポリアミン、脂環族
ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、第三級ア
ミンが挙げられ、脂肪族ポリアミンとしては例えば、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミンやこれらの変性
品等が挙げられる。脂環族ポリアミンとしては例えば、
イソホロンジアミン、メンタンジアミン、N−アミノエ
チルピペラジン、ジアミノジシクロヘキシルメタンやこ
れらの変性品等が挙げられる。芳香族ポリアミンとして
は例えば、m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルスルホンやこれらの変性品等が挙げられる。ポリアミ
ドとしては例えばダイマー酸等のジカルボン酸と先のポ
リアミンとの縮合品が挙げられる。第三級アミンとして
は例えば、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリ
スジメチルアミノメチルフェノール等の第三級アミノ基
含有化合物やこれらの変性品や、イミダゾール、2−メ
チルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール化合
物やこれらの変性品等が挙げられる。その他ポリアミン
としてはジシアンジミド、アジピン酸ジヒドラジッド等
が挙げられる。酸無水物としては例えば、1官能性とし
て無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキ
サヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸やこれらの変性品が挙
げられ、2官能性として無水ピロメリット酸、無水ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸やこれらの変性品が挙げら
れる。フェノール樹脂としては例えば、ノボラック型の
フェノール樹脂、レゾール型のフェノール樹脂等が挙げ
られる、ポリメルカプタンとしては例えば、チオグリコ
ール酸と多価アルコールとの縮合物やポリサルファイド
等が挙げられる。ルイス酸錯体としては例えば三フッ化
ホウ素のアミン錯体などが挙げられる。これらの硬化剤
は一種または二種以上と組み合わせてもよい。好ましく
はポリアミン系硬化剤である。ポリアミン系硬化剤の添
加量は、含有しているエポキシ基と当量であることが好
ましい。本発明の水性樹脂分散体を用いた場合、配合量
が多いポリアミン系硬化剤であっても、コンタクト性が
損なわれることはない。
もよいが、含有しているエポキシ樹脂を硬化させるため
に必要に応じて硬化剤を配合してもよい。硬化剤として
は例えば、ポリアミン系、酸無水物系、フェノール樹
脂、ポリメルカプタン、ルイス酸錯体等が挙げられる。
ポリアミン系硬化剤としては脂肪族ポリアミン、脂環族
ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、第三級ア
ミンが挙げられ、脂肪族ポリアミンとしては例えば、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミンやこれらの変性
品等が挙げられる。脂環族ポリアミンとしては例えば、
イソホロンジアミン、メンタンジアミン、N−アミノエ
チルピペラジン、ジアミノジシクロヘキシルメタンやこ
れらの変性品等が挙げられる。芳香族ポリアミンとして
は例えば、m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルスルホンやこれらの変性品等が挙げられる。ポリアミ
ドとしては例えばダイマー酸等のジカルボン酸と先のポ
リアミンとの縮合品が挙げられる。第三級アミンとして
は例えば、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリ
スジメチルアミノメチルフェノール等の第三級アミノ基
含有化合物やこれらの変性品や、イミダゾール、2−メ
チルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール化合
物やこれらの変性品等が挙げられる。その他ポリアミン
としてはジシアンジミド、アジピン酸ジヒドラジッド等
が挙げられる。酸無水物としては例えば、1官能性とし
て無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキ
サヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸やこれらの変性品が挙
げられ、2官能性として無水ピロメリット酸、無水ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸やこれらの変性品が挙げら
れる。フェノール樹脂としては例えば、ノボラック型の
フェノール樹脂、レゾール型のフェノール樹脂等が挙げ
られる、ポリメルカプタンとしては例えば、チオグリコ
ール酸と多価アルコールとの縮合物やポリサルファイド
等が挙げられる。ルイス酸錯体としては例えば三フッ化
ホウ素のアミン錯体などが挙げられる。これらの硬化剤
は一種または二種以上と組み合わせてもよい。好ましく
はポリアミン系硬化剤である。ポリアミン系硬化剤の添
加量は、含有しているエポキシ基と当量であることが好
ましい。本発明の水性樹脂分散体を用いた場合、配合量
が多いポリアミン系硬化剤であっても、コンタクト性が
損なわれることはない。
【0022】本発明の水性樹脂分散体を硬化剤を用いて
硬化させるとき、例えば接着剤として応用する場合被着
体に塗布する前に両者を混合してもよく、また一方の被
着体に本発明の水性樹脂分散体を塗布し、もう一方の被
着体に硬化剤を塗布し、該両被着体の塗布面を重ね合わ
せて混合する方法も用いることができる。特に後者の方
法は可使時間の延長をはかることができる利点がある。
硬化させるとき、例えば接着剤として応用する場合被着
体に塗布する前に両者を混合してもよく、また一方の被
着体に本発明の水性樹脂分散体を塗布し、もう一方の被
着体に硬化剤を塗布し、該両被着体の塗布面を重ね合わ
せて混合する方法も用いることができる。特に後者の方
法は可使時間の延長をはかることができる利点がある。
【0023】本発明により得られる水性樹脂分散体の硬
化は常温または加熱により水を揮散した後、常温で硬化
を進めてもよく、また加熱により硬化を進めてもよい。
また、水を揮散せずに被着体を張り合わせ、常温または
加熱により硬化を進めてもよい。本発明により得られる
水性樹脂分散体には必要に応じてタッキファイヤー、ゴ
ム成分を添加してもよい。タッキファイヤーとしては例
えば、ロジン系、ロジン誘導体系、テルペン樹脂系、テ
ルペン誘導体系等の天然系タッキファイヤーや、石油樹
脂系、スチレン樹脂系、クマロンインデン樹脂系、フェ
ノール樹脂系、キシレン樹脂系等の合成系タッキファイ
ヤー等が挙げられる。これらのタッキファイヤーは水分
散または水溶液の形で加えることが好ましい。ゴム成分
としては例えば、液状ニトリルゴム、シリコンゴム等が
挙げられる。また、硬化性能をさらに向上させるために
メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などの
アミノ樹脂を添加してもよい。また、殺菌剤、防腐剤、
消泡剤、可塑剤、pH調整剤等を添加してもよい。
化は常温または加熱により水を揮散した後、常温で硬化
を進めてもよく、また加熱により硬化を進めてもよい。
また、水を揮散せずに被着体を張り合わせ、常温または
加熱により硬化を進めてもよい。本発明により得られる
水性樹脂分散体には必要に応じてタッキファイヤー、ゴ
ム成分を添加してもよい。タッキファイヤーとしては例
えば、ロジン系、ロジン誘導体系、テルペン樹脂系、テ
ルペン誘導体系等の天然系タッキファイヤーや、石油樹
脂系、スチレン樹脂系、クマロンインデン樹脂系、フェ
ノール樹脂系、キシレン樹脂系等の合成系タッキファイ
ヤー等が挙げられる。これらのタッキファイヤーは水分
散または水溶液の形で加えることが好ましい。ゴム成分
としては例えば、液状ニトリルゴム、シリコンゴム等が
挙げられる。また、硬化性能をさらに向上させるために
メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などの
アミノ樹脂を添加してもよい。また、殺菌剤、防腐剤、
消泡剤、可塑剤、pH調整剤等を添加してもよい。
【0024】本発明により得られる水性樹脂分散体は、
接着剤、粘着剤はもとより、塗料、印刷インキ、ガスバ
リヤ性包装材料、加工紙、繊維加工剤、建築材料などに
使用することができる。接着剤としては例えば、木材、
合板、パーティクルボード、石膏ボード、鉄、アルミ等
の金属、プラスチックフィルム、プラスチックフォー
ム、プラスチックの不織布、皮革、木綿、麻等の布、ガ
ラス繊維、ガラス布、FRP等の接着が挙げられる。粘
着剤分野としては例えばテープ、ラベル、壁紙、床材等
が挙げられ、塗料分野としては例えばコンクリート、木
材、金属、フロアポリッシュ等が挙げられ、繊維加工剤
としては例えば不織布、カーペット、電気植毛布、積層
布、タイヤコード等が挙げられ、建築材料としては例え
ばシーリング材、ラテックスセメント、防水材等が挙げ
られる。
接着剤、粘着剤はもとより、塗料、印刷インキ、ガスバ
リヤ性包装材料、加工紙、繊維加工剤、建築材料などに
使用することができる。接着剤としては例えば、木材、
合板、パーティクルボード、石膏ボード、鉄、アルミ等
の金属、プラスチックフィルム、プラスチックフォー
ム、プラスチックの不織布、皮革、木綿、麻等の布、ガ
ラス繊維、ガラス布、FRP等の接着が挙げられる。粘
着剤分野としては例えばテープ、ラベル、壁紙、床材等
が挙げられ、塗料分野としては例えばコンクリート、木
材、金属、フロアポリッシュ等が挙げられ、繊維加工剤
としては例えば不織布、カーペット、電気植毛布、積層
布、タイヤコード等が挙げられ、建築材料としては例え
ばシーリング材、ラテックスセメント、防水材等が挙げ
られる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。なお、特
に指定のない限り部は重量基準とする。
に指定のない限り部は重量基準とする。
【0026】
【実施例1〜12及び比較例1〜5】 (1)エマルションの調整 (実施例1〜12のエマルションの調整)表1に示すラ
ジカル重合性モノマーとエポキシ樹脂の混合物100部
に、表1示す油溶性ラジカル開始剤を溶解させ、その後
エマルゲン950(花王(株)製ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル)の25%水溶液8部、レベノー
ルWZ(花王(株)製 ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル硫酸ナトリウム)の25%水溶液4部、蒸
留水43部を添加し、ホモミキサーで撹拌を行いプレ乳
化物を作製した。別に撹拌機付きフラスコに蒸留水40
部、エマルゲン950の25%水溶液2部を仕込み、8
0℃に昇温する。これに、前記プレ乳化物を4時間かけ
て連続滴下し、同温度で3時間重合を続けた。その後3
0℃以下まで冷却し、25%濃度のアンモニア水でpH
を7に調整して固形分50%のエマルションを得た。重
合後の粘度、およびエマルション乾燥後のTgを表1に
併せて示す。
ジカル重合性モノマーとエポキシ樹脂の混合物100部
に、表1示す油溶性ラジカル開始剤を溶解させ、その後
エマルゲン950(花王(株)製ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル)の25%水溶液8部、レベノー
ルWZ(花王(株)製 ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル硫酸ナトリウム)の25%水溶液4部、蒸
留水43部を添加し、ホモミキサーで撹拌を行いプレ乳
化物を作製した。別に撹拌機付きフラスコに蒸留水40
部、エマルゲン950の25%水溶液2部を仕込み、8
0℃に昇温する。これに、前記プレ乳化物を4時間かけ
て連続滴下し、同温度で3時間重合を続けた。その後3
0℃以下まで冷却し、25%濃度のアンモニア水でpH
を7に調整して固形分50%のエマルションを得た。重
合後の粘度、およびエマルション乾燥後のTgを表1に
併せて示す。
【0027】(比較例1〜5のエマルションの調整)表
2に示すラジカル重合性モノマーとエポキシ樹脂の混合
物を実施例と同様の方法で乳化重合を行い、エマルショ
ンを得た。重合後の粘度、およびエマルション乾燥後の
Tgを表2に併せて示す。ただし、比較例5は、ラジカ
ル開始剤として水溶性のAPSを0.2部用いた。 (2)評価方法および評価結果 a.硬化剤との配合 実施例例1〜12、比較例1〜5で得たエマルションに
市販の硬化剤アンカミン2075(A.C.I.ジャパ
ンリミッテド製 変性脂環式ポリアミン 添加量エポキ
シ樹脂に対して40phr)、アンカミン1769
(A.C.I.ジャパンリミッテド製 変性脂肪族ポリ
アミン 添加量エポキシ樹脂に対して25phr)、2
−メチルイミダゾール(添加量エポキシ樹脂に対して5
phr)を表3、表4に示す割合で撹拌混合し配合品を
得た。
2に示すラジカル重合性モノマーとエポキシ樹脂の混合
物を実施例と同様の方法で乳化重合を行い、エマルショ
ンを得た。重合後の粘度、およびエマルション乾燥後の
Tgを表2に併せて示す。ただし、比較例5は、ラジカ
ル開始剤として水溶性のAPSを0.2部用いた。 (2)評価方法および評価結果 a.硬化剤との配合 実施例例1〜12、比較例1〜5で得たエマルションに
市販の硬化剤アンカミン2075(A.C.I.ジャパ
ンリミッテド製 変性脂環式ポリアミン 添加量エポキ
シ樹脂に対して40phr)、アンカミン1769
(A.C.I.ジャパンリミッテド製 変性脂肪族ポリ
アミン 添加量エポキシ樹脂に対して25phr)、2
−メチルイミダゾール(添加量エポキシ樹脂に対して5
phr)を表3、表4に示す割合で撹拌混合し配合品を
得た。
【0028】b.接着性能の評価 上記配合品を下記に示す方法で、接着性能の評価を行っ
た。その結果を表5〜6に示す。 塗布・接着 増粘剤で配合品の粘度を5000cpsに調整した後、
ワイヤーバー#75を用いて合板および1インチ幅の9
号キャンバスに塗布し、20℃で20分乾燥させる。そ
の後配合品が乾燥した面を張り合わせ、4.5kgのロ
ーラーを2回往復させた。
た。その結果を表5〜6に示す。 塗布・接着 増粘剤で配合品の粘度を5000cpsに調整した後、
ワイヤーバー#75を用いて合板および1インチ幅の9
号キャンバスに塗布し、20℃で20分乾燥させる。そ
の後配合品が乾燥した面を張り合わせ、4.5kgのロ
ーラーを2回往復させた。
【0029】初期接着強さ 張り合わせた後20℃で1時間放置したサンプルを用
い、テンシロン引っ張り試験機で180°ハクリ強さを
測定した。2.0kg/inch以上を合格と判定す
る。引っ張り速度は50mm/minとした。 養生後接着強さ 張り合わせた後20℃で7日放置したサンプルを用い、
テンシロン引っ張り試験機で180°ハクリ強さを測定
した。4.0kg/inch以上を合格と判定する。引
っ張り速度は50mm/minとした。
い、テンシロン引っ張り試験機で180°ハクリ強さを
測定した。2.0kg/inch以上を合格と判定す
る。引っ張り速度は50mm/minとした。 養生後接着強さ 張り合わせた後20℃で7日放置したサンプルを用い、
テンシロン引っ張り試験機で180°ハクリ強さを測定
した。4.0kg/inch以上を合格と判定する。引
っ張り速度は50mm/minとした。
【0030】耐熱性 張り合わせた後20℃で7日放置したサンプルを、80
℃雰囲気下で400gの重りを90°方向に引っ張り、
24時間放置後に重りが落下しなければ合格とし、落下
の場合不合格と判定した。重りはキャンバス側に付け
た。 耐水性 張り合わせた後20℃で7日放置したサンプルを、蒸留
水に7日浸漬させ、その後速やかにテンシロン引っ張り
試験機で180°ハクリ強さを測定した。2.0kg/
inch以上を合格と判定する。引っ張り速度は50m
m/minとした。
℃雰囲気下で400gの重りを90°方向に引っ張り、
24時間放置後に重りが落下しなければ合格とし、落下
の場合不合格と判定した。重りはキャンバス側に付け
た。 耐水性 張り合わせた後20℃で7日放置したサンプルを、蒸留
水に7日浸漬させ、その後速やかにテンシロン引っ張り
試験機で180°ハクリ強さを測定した。2.0kg/
inch以上を合格と判定する。引っ張り速度は50m
m/minとした。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【発明の効果】本発明から得られる水性樹脂分散体は、
従来のエポキシ樹脂との組わせによる水性樹脂分散体に
比べ油溶性のラジカル開始剤を用いているため、耐水性
が良好であり、かつコンタクト性も良好である。またエ
ポキシ樹脂による硬化もスムーズに進行するので高度な
耐熱性を有しており、溶剤系クロロプレン接着剤と同等
の性能を有している。
従来のエポキシ樹脂との組わせによる水性樹脂分散体に
比べ油溶性のラジカル開始剤を用いているため、耐水性
が良好であり、かつコンタクト性も良好である。またエ
ポキシ樹脂による硬化もスムーズに進行するので高度な
耐熱性を有しており、溶剤系クロロプレン接着剤と同等
の性能を有している。
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂20〜60重量部の
存在下に、(B)ラジカル重合性モノマー40〜80重
量部を水性媒体中で油溶性である重合開始剤を用いて乳
化重合することからなることを特徴とする水性樹脂分散
体から得られるフィルムのTgが10〜−40℃である
常温硬化性水性樹脂分散体の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP277595A JPH08188606A (ja) | 1995-01-11 | 1995-01-11 | 常温硬化性水性樹脂分散体の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP277595A JPH08188606A (ja) | 1995-01-11 | 1995-01-11 | 常温硬化性水性樹脂分散体の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08188606A true JPH08188606A (ja) | 1996-07-23 |
Family
ID=11538722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP277595A Withdrawn JPH08188606A (ja) | 1995-01-11 | 1995-01-11 | 常温硬化性水性樹脂分散体の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08188606A (ja) |
-
1995
- 1995-01-11 JP JP277595A patent/JPH08188606A/ja not_active Withdrawn
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