Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JPH08165289A - チエニルエーテル誘導体の製造方法 - Google Patents

チエニルエーテル誘導体の製造方法

Info

Publication number
JPH08165289A
JPH08165289A JP30774294A JP30774294A JPH08165289A JP H08165289 A JPH08165289 A JP H08165289A JP 30774294 A JP30774294 A JP 30774294A JP 30774294 A JP30774294 A JP 30774294A JP H08165289 A JPH08165289 A JP H08165289A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
methyl
salt
hydroxy
thiophenecarboxylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30774294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3325139B2 (ja
Inventor
Toshio Kitajima
敏夫 北島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP30774294A priority Critical patent/JP3325139B2/ja
Publication of JPH08165289A publication Critical patent/JPH08165289A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3325139B2 publication Critical patent/JP3325139B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1)、 【化1】 (式中、Aはカリウム等、R1ハアルキル基等、R2はシ
アノ基等)で表されるヒドロキシチオフェン誘導体アル
カリ金属塩をアルコール中、ジアルキル硫酸と10℃以
下で反応させてチエニルエーテル誘導体を製造する。 【効果】 ジアゾメタンでは反応の進行が抑制されるア
ルコール系溶媒中でも高収率でチエニルエーテル誘導体
を得ることが可能である。また、従来法ではアルコール
中で収率良く3−アルコキシチオフェンカルボン酸誘導
体を得ることが困難であったが、本発明の製造方法に従
い、10℃以下で反応させることにより、高収率でチエ
ニルエーテル誘導体を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチエニルエーテル誘導体
を選択性よく、しかも高収率で製造する新規な製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】チエニルエーテル誘導体は、農薬、医薬
や機能性高分子モノマーの中間体として広範囲に利用し
得る有用な化合物である。
【0003】従来、3−メトキシチオフェンカルボン酸
誘導体は3−ヒドロキシチオフェンカルボン酸誘導体に
ジアゾメタンやジアルキル硫酸を反応させて得られてい
た。一方、3ーヒドロキシチオフェンカルボン酸誘導体
は、一般に、アルコール溶媒中、チオグリコール酸誘導
体の環化反応によって得られる。例えば、3ーヒドロキ
シー2チオフェンカルボン酸メチルは、α、βージクロ
ロプロピオン酸メチルとチオグリコール酸メチルからメ
タノール溶媒中で生成することが、シンセティックコミ
ニケーション[Synth.Commun.,9,73
1(1979)]に記載されている。従って、目的とす
るチエニルエーテル誘導体の製造を環化反応からの連続
反応により行う場合には、前記アルキル化を主としてア
ルコール中で行うことが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのア
ルコール中で使用されるアルキル化剤として前記のジア
ゾメタンを用いると、収率良くチエニルエーテル誘導体
を製造することは困難であった。しかもジアゾメタンに
は、爆発生があり、工業的に使用しづらいという問題も
ある。アルキル化剤としてジアルキル硫酸を用いた場
合、従来法では収率良く3−アルコキシチオフェンカル
ボン酸誘導体を得ることは困難であった。
【0005】従って、上記の問題を解決すること、即
ち、チエニルエーテル誘導体をアルコール溶媒中で収率
良く製造することが問題となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ジアルキ
ル硫酸とヒドロキシチオフェン誘導体アルカリ金属塩を
特定の温度で反応させると、収率良く、チエニルエーテ
ル誘導体を製造しうることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】即ち、本発明は、一般式(1)、
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Aはアルカリ金属を示し、R1
水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシカルボ
ニル基、フェノキシカルボニル基、あるいはハロゲン原
子、ニトロ基またはフェニル基で置換されてもよい置換
もしくは非置換のアルキル基、あるいはハロゲン原子、
アルキル基またはハロゲノアルキル基で置換されてもよ
い置換もしくは非置換のフェニル基を示し、R2はシア
ノ基、アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル
基またはアミノカルボニル基を示す。)で表されるヒド
ロキシチオフェン誘導体アルカリ金属塩をアルコール
中、ジアルキル硫酸と10℃以下で反応させることを特
徴とする一般式(2)
【0010】
【化4】
【0011】〔式中、R1、R2は前記一般式(1)にお
ける基と同義である。R3はアルキル基を示す。〕で表
されるチエニルエーテル誘導体の製造方法である。
【0012】本発明において使用する原料の一つは、前
記した一般式(1)で表されるヒドロキシチオフェン誘
導体アルカリ金属塩である。
【0013】一般式(1)中、Aで示されるアルカリ金
属原子としてはナトリウム、カリウム、リチウム等が好
適に挙げられる。
【0014】一般式(1)中、R1で示されるハロゲン
原子はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0015】一般式(1)中、R1及びR2で示されるア
ルコキシカルボニル基はその炭素数には特に制限されな
いが、炭素数2〜7のものが好適に用いられ、具体的に
は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n
−プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボ
ニル基、n−ブトキシカルボニル基、iso−ブトキシ
カルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペント
キシカルボニル基、n−ヘキソキシカルボニル基等が挙
げられる。
【0016】一般式(1)中、R1で示されるアルキル
基はその炭素数には特に制限されないが、炭素数1〜6
のものが好適に使用される。該アルキル基を例示する
と、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチ
ル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ
る。
【0017】一般式(1)中、R1で示される置換アル
キル基及び置換フェニル基の置換基であるハロゲン原子
としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
ハロゲン置換アルキル基を例示すると、クロロメチル
基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリ
クロロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオ
ロエチル基等が挙げられる。ハロゲン置換フェニル基を
例示すると、3ークロロフェニル基、2ークロロフェニ
ル基、4ークロロフェニル基、2、4ージクロロフェニ
ル基、3、4ージクロロフェニル基、2、6ージクロロ
フェニル基、3ーブロモフェニル基、2ーブロモフェニ
ル基、4ーブロモフェニル基、2、4ージブロモフェニ
ル基、3、4ージブロモフェニル基、2、6ージブロモ
フェニル基、3ーフルオロフェニル基、2ーフルオロフ
ェニル基、4ーフルオロフェニル基等が挙げられる。
【0018】一般式(1)中、R1で示される置換フェ
ニル基の置換基であるアルキル基はその炭素数には特に
制限されないが、炭素数1〜6のものが好適に使用され
る。該アルキル基を例示すると、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、
iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n
−ヘキシル基等が挙げられる。
【0019】一般式(1)中、R1で示される置換フェ
ニル基の置換基であるハロゲノアルキル基はその炭素数
には特に制限されないが、炭素数1〜6のものが好適に
使用される。該ハロゲノアルキル基を例示すると、クロ
ロメチル基、ジフロロメチル基、トリフルオロメチル
基、トリクロロメチル基、トリフルオロエチル基、ペン
タフルオロエチル基等が挙げられる。
【0020】一般式(1)中、R2で示されるアミノカ
ルボニル基は、無置換のアミノカルボニル基に加えて窒
素原子上の水素の1つまたは2つがアルキル基またはア
ルコキシ基で置換されたものを含む。該アルキル基を例
示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、is
o−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げ
られる。また、該アルコキシ基を例示すると、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキ
シ基、n−ブトキシ基等が挙げられる。
【0021】上述のヒドロキシチオフェン誘導体アルカ
リ金属塩を具体的に例示すると次のとおりである。
【0022】3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン
酸メチルNa塩、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカル
ボン酸メチルK塩、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカ
ルボン酸エチルNa塩、3−ヒドロキシ−2−チオフェ
ンカルボン酸エチルK塩、3−ヒドロキシ−2−チオフ
ェンカルボン酸プロピルK塩、3−ヒドロキシ−2−チ
オフェンカルボン酸ブチルK塩、3−ヒドロキシ−5−
メチル−2−チオフェンカルボン酸メチルNa塩、3−
ヒドロキシ−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸エ
チルNa塩、3−ヒドロキシ−5−メチル−2−チオフ
ェンカルボン酸メチルK塩、3−ヒドロキシ−5−メチ
ル−2−チオフェンカルボン酸エチルK塩、3−ヒドロ
キシ−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸プロピル
K塩、3−ヒドロキシ−5−メチル−2−チオフェンカ
ルボン酸ブチルK塩、3−ヒドロキシ−5−ブロモ−2
−チオフェンカルボン酸メチルNa塩、3−ヒドロキシ
−5−ブロモ−2−チオフェンカルボン酸メチルK塩、
3−ヒドロキシ−5−クロロ−2−チオフェンカルボン
酸メチルNa塩、3−ヒドロキシ−5−クロロ−2−チ
オフェンカルボン酸メチルK塩、3−ヒドロキシ−5−
ヨード−2−チオフェンカルボン酸メチルK塩、3−ヒ
ドロキシ−5−フルオロ−2−チオフェンカルボン酸メ
チルK塩、3−ヒドロキシ−5−ニトロ−2−チオフェ
ンカルボン酸メチルK塩、3−ヒドロキシ−2,5−ジ
チオフェンカルボン酸メチルK塩。
【0023】3−ヒドロキシ−2−エトキシカルボニル
−5−チオフェンカルボン酸メチルK塩、3−ヒドロキ
シ−2−フェノキシカルボニル−5−チオフェンカルボ
ン酸メチルK塩、3−ヒドロキシ−5−エチル−2−チ
オフェンカルボン酸メチルNa塩、3−ヒドロキシ−5
−エチル−2−チオフェンカルボン酸メチルK塩、3−
ヒドロキシ−5−エチル−2−チオフェンカルボン酸エ
チルNa塩、3−ヒドロキシ−5−エチル−2−チオフ
ェンカルボン酸エチルK塩、3−ヒドロキシ−5−nプ
ロピル−2−チオフェンカルボン酸メチルNa塩、3−
ヒドロキシ−5−nプロピル−2−チオフェンカルボン
酸メチルK塩、3−ヒドロキシ−5−isoプロピル−
2−チオフェンカルボン酸メチルNa塩、3−ヒドロキ
シ−5−isoプロピル−2−チオフェンカルボン酸メ
チルK塩、3−ヒドロキシ−5−isoプロピル−2−
チオフェンカルボン酸エチルNa塩、3−ヒドロキシ−
5−nブチル−2−チオフェンカルボン酸メチルNa
塩、3−ヒドロキシ−5−nブチル−2−チオフェンカ
ルボン酸メチルK塩、3−ヒドロキシ−5−nブチル−
2−チオフェンカルボン酸エチルK塩、3−ヒドロキシ
−5−isoブチル−2−チオフェンカルボン酸メチル
K塩、3−ヒドロキシ−5−isoブチル−2−チオフ
ェンカルボン酸エチルK塩、3−ヒドロキシ−5−te
rtブチル−2−チオフェンカルボン酸メチルK塩、3
−ヒドロキシ−5−tertブチル−2−チオフェンカ
ルボン酸エチルK塩、3−ヒドロキシ−5−フェニル−
2−チオフェンカルボン酸メチルK塩、3−ヒドロキシ
−5−フェニル−2−チオフェンカルボン酸エチルK
塩、3−ヒドロキシ−5−(3′−クロロフェニル)−
2−チオフェンカルボン酸メチルNa塩、3−ヒドロキ
シ−5−(2′−クロロフェニル)−2−チオフェンカ
ルボン酸メチルNa塩、3−ヒドロキシ−5−(4′−
クロロフェニル)−2−チオフェンカルボン酸メチルN
a塩、3−ヒドロキシ−5−(2′,4′−ジクロロフ
ェニル)−2−チオフェンカルボン酸メチルNa塩、3
−ヒドロキシ−5−(3′,4′−ジクロロフェニル)
−2−チオフェンカルボン酸メチルNa塩、3−ヒドロ
キシ−5−(4′−トリフルオロメチルフェニル)−2
−チオフェンカルボン酸メチルNa塩、3−ヒドロキシ
−5−(4′−イソプロピルフェニル)−2−チオフェ
ンカルボン酸メチルNa塩、3−ヒドロキシ−5−
(4′−トリクロロメチルフェニル)−2−チオフェン
カルボン酸メチルNa塩、3−ヒドロキシ−5−(4′
−トリクロロメチルフェニル)−2−チオフェンカルボ
ン酸エチルNa塩、3−ヒドロキシ−5−トリフルオロ
メチル−2−チオフェンカルボン酸メチルNa塩、3−
ヒドロキシ−5−ジフルオロメチル−2−チオフェンカ
ルボン酸メチルK塩、3−ヒドロキシ−5−フルオロメ
チル−2−チオフェンカルボン酸メチルK塩、3−ヒド
ロキシ−5−ニトロメチル−2−チオフェンカルボン酸
メチルK塩、3−ヒドロキシ−5−フェニルメチル−2
−チオフェンカルボン酸メチルK塩、3−ヒドロキシ−
2−チオフェンカルボン酸フェニルNa塩、3−ヒドロ
キシ−2−チオフェンカルボン酸フェニルK塩、3−ヒ
ドロキシ−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸フェ
ニルK塩、3−ヒドロキシ−5−エチル−2−チオフェ
ンカルボン酸フェニルK塩、3−ヒドロキシ−5−フェ
ニル−2−チオフェンカルボン酸フェニルK塩、3−ヒ
ドロキシ−5−メトキシカルボニル−2−チオフェンカ
ルボキサミドNa塩、N−メチル−3−ヒドロキシ−5
−メトキシカルボニル−2−チオフェンカルボキサミド
Na塩、N−メトキシ−3−ヒドロキシ−5−メトキシ
カルボニル−2−チオフェンカルボキサミドNa塩、N
−エトキシ−3−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニル
−2−チオフェンカルボキサミドNa塩、N−フェノキ
シ−3−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニル−2−チ
オフェンカルボキサミドK塩、3−ヒドロキシ−2−シ
アノチオフェンK塩、3−ヒドロキシ−5−メチル−2
−シアノチオフェンK塩、3−ヒドロキシ−2−シアノ
−5−チオフェンカルボン酸メチルK塩、3−ヒドロキ
シ−2−シアノ−5−チオフェンカルボン酸エチルK
塩、3−ヒドロキシ−2−シアノ−5−チオフェンカル
ボン酸iso−プロピルK塩、3−ヒドロキシ−2−シ
アノ−5−チオフェンカルボン酸iso−プロピルK
塩、3−ヒドロキシ−2−シアノ−5−チオフェンカル
ボン酸フェニルK塩。
【0024】本発明で用いられる原料の他の一つは、ジ
アルキル硫酸である。ジアルキル硫酸のアルキル基は製
造する目的化合物の構造によって選択され、その炭素数
には特に制限されないが、炭素数1〜4のものが好適に
用いられる。該アルキル基を例示すると、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブ
チル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチ
ル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。該ジアルキル硫
酸を具体的に例示すると、ジメチル硫酸、ジエチル硫
酸、ジプロピル硫酸、ジブチル硫酸等が挙げられる。
【0025】本発明の反応は、アルコール中で行う。ア
ルコールとしては特に制限されないが、炭素数1〜4の
ものが好適に用いられる。該アルコールを具体的に例示
するとメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、t−ブタノール等が挙げられる。又、これらの溶媒
は、通常ヒドロキシチオフェン誘導体アルカリ金属塩を
基準に1〜100倍溶量使用する。
【0026】本発明において、原料のヒドロキシチオフ
ェン誘導体アルカリ金属塩とジアルキル硫酸の使用モル
比は、特に限定されるものではないが、一般には1:
0.5〜1:100、好ましくは1:0.5〜1:20
の範囲で使用するのがよい。
【0027】本発明において、反応温度は、一般には−
70℃〜10℃の範囲、好ましくは−10℃〜10℃、
特に好ましくは5℃〜10℃の範囲から選ぶのがよい。
10℃を越えると目的とするチエニルエーテル誘導体の
収率は高々20%程度となってしまう。これは、この温
度を越えるとジアルキル硫酸が溶媒のアルコールと反応
してしまうためである。
【0028】また、本発明の反応時間は、使用原料及び
使用量、反応温度等の反応条件により異なるが、通常1
〜40時間、好ましくは4〜24時間である。
【0029】本発明の製造方法において、使用する原料
等の添加順序について特に制限されるものではないが、
通常、ヒドロキシチオフェン誘導体アルカリ金属塩をア
ルコールに溶解した後、撹拌しながらジアルキル硫酸を
徐々に滴下することによって本発明のチエニルエーテル
誘導体を生成することができる。
【0030】本発明の方法により得られるチエニルエー
テル誘導体の精製方法は、特に限定されるものではない
が、一般に、反応液を濃縮後、残渣に水を加え、反応生
成物を溶解させる溶剤によって抽出、水層と分離し、次
いで溶剤を蒸留等により除去することにより純度の高い
チエニルエーテル誘導体が得られる。更に、必要に応じ
て常圧蒸留、減圧蒸留、再結晶またはクロマトグラフィ
ーによって精製することができる。
【0031】上述の方法によって得られる本発明のチエ
ニルエーテル誘導体を例示すると下記の通りである。
【0032】(100)3−メトキシ−2−チオフェン
カルボン酸メチル、(102)3−メトキシ−2−チオ
フェンカルボン酸エチル、(104)3−メトキシ−2
−チオフェンカルボン酸プロピル、(106)3−メト
キシ−2−チオフェンカルボン酸ブチル、(108)3
−エトキシ−2−チオフェンカルボン酸メチル、(11
0)3−エトキシ−2−チオフェンカルボン酸エチル、
(112)3−エトキシ−2−チオフェンカルボン酸プ
ロピル、(114)3−エトキシ−2−チオフェンカル
ボン酸ブチル、(116)3−nプロポキシ−2−チオ
フェンカルボン酸メチル、(118)3−nプロポキシ
−2−チオフェンカルボン酸エチル、(120)3−i
soプロポキシ−2−チオフェンカルボン酸メチル、
(122)3−nブトキシ−2−チオフェンカルボン酸
メチル、(124)3−メトキシ−5−メチル−2−チ
オフェンカルボン酸メチル、(126)3−メトキシ−
5−メチル−2−チオフェンカルボン酸プロピル、(1
28)3−メトキシ−5−メチル−2−チオフェンカル
ボン酸ブチル、(130)3−エトキシ−5−メチル−
2−チオフェンカルボン酸メチル、(132)3−nプ
ロポキシ−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸メチ
ル、(134)3−isoプロポキシ−5−メチル−2
−チオフェンカルボン酸メチル、(136)3−メトキ
シ−5−ブロモ−2−チオフェンカルボン酸メチル、
(138)3−メトキシ−5−クロロ−2−チオフェン
カルボン酸メチル、(140)3−エトキシ−5−クロ
ロ−2−チオフェンカルボン酸メチル、(142)3−
メトキシ−5−ヨード−2−チオフェンカルボン酸メチ
ル、(144)3−メトキシ−5−フルオロ−2−チオ
フェンカルボン酸メチル、(146)3−メトキシ−5
−ニトロ−2−チオフェンカルボン酸メチル、(14
8)3−メトキシ−2,5−ジチオフェンカルボン酸メ
チル、(150)3−メトキシ−2−エトキシカルボニ
ル−5−チオフェンカルボン酸メチル、(152)3−
メトキシ−2−フェノキシカルボニル−5−チオフェン
カルボン酸メチル、(154)3−メトキシ−5−エチ
ル−2−チオフェンカルボン酸メチル、(156)3−
メトキシ−5−エチル−2−チオフェンカルボン酸エチ
ル、(158)3−エメトキシ−5−エチル−2−チオ
フェンカルボン酸メチル、(160)3−メトキシ−5
−nプロピル−2−チオフェンカルボン酸メチル、(1
62)3−エトキシ−5−nプロピル−2−チオフェン
カルボン酸メチル、(164)3−メトキシ−5−is
oプロピル−2−チオフェンカルボン酸メチル、(16
6)3−メトキシ−5−nブチル−2−チオフェンカル
ボン酸メチル、(168)3−メトキシ−5−isoブ
チル−2−チオフェンカルボン酸メチル、(170)3
−メトキシ−5−tertブチル−2−チオフェンカル
ボン酸メチル、(172)3−メトキシ−5−フェニル
−2−チオフェンカルボン酸メチル、(174)3−エ
トキシ−5−フェニル−2−チオフェンカルボン酸メチ
ル、(176)3−メトキシ−5−(3′−クロロフェ
ニル)−2−チオフェンカルボン酸メチル、(178)
3−メトキシ−5−(2′−クロロフェニル)−2−チ
オフェンカルボン酸メチル、(180)3−メトキシ−
5−(4′−クロロフェニル)−2−チオフェンカルボ
ン酸メチル、(182)3−メトキシ−5−(2′,
4′−ジクロロフェニル)−2−チオフェンカルボン酸
メチル、(184)3−メトキシ−5−(3′,4′−
ジクロロフェニル)−2−チオフェンカルボン酸メチ
ル、(186)3−メトキシ−5−(4′−トリフルオ
ロメチルフェニル)−2−チオフェンカルボン酸メチ
ル、(188)3−メトキシ−5−(4′−イソプロピ
ルフェニル)−2−チオフェンカルボン酸メチル、(1
90)3−メトキシ−5−(4′−トリクロロメチルフ
ェニル)−2−チオフェンカルボン酸メチル、(19
2)3−メトキシ−5−(4′−トリクロロメチルフェ
ニル)−2−チオフェンカルボン酸エチル、(194)
3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−2−チオフェ
ンカルボン酸メチル、(196)3−メトキシ−5−ジ
フルオロメチル−2−チオフェンカルボン酸メチル、
(198)3−メトキシ−5−フルオロメチル−2−チ
オフェンカルボン酸メチル、(200)3−メトキシ−
5−ニトロメチル−2−チオフェンカルボン酸メチル、
(202)3−メトキシ−5−フェニルメチル−2−チ
オフェンカルボン酸メチル、(204)3−メトキシ−
2−チオフェンカルボン酸フェニル、(206)3−メ
トキシ−2−チオフェンカルボン酸フェニル、(20
8)3−メトキシ−5−メチル−2−チオフェンカルボ
ン酸フェニル、(210)3−メトキシ−5−エチル−
2−チオフェンカルボン酸フェニル、(212)3−メ
トキシ−5−フェニル−2−チオフェンカルボン酸フェ
ニル、(214)3−メトキシ−5−メトキシカルボニ
ル−2−チオフェンカルボキサミド、(216)N−メ
チル−3−メトキシ−5−メトキシカルボニル−2−チ
オフェンカルボキサミド、(218)N−メトキシ−3
−メトキシ−5−メトキシカルボニル−2−チオフェン
カルボキサミド、(220)N−エトキシ−4−メトキ
シ−5−メトキシカルボニル−2−チオフェンカルボキ
サミド、(222)N−フェノキシ−4−メトキシ−5
−メトキシカルボニル−2−チオフェンカルボキサミ
ド、(224)3−メトキシ−2−シアノチオフェン、
(226)3−エトキシ−2−シアノチオフェン、(2
28)3−メトキシ−5−メチル−2−シアノチオフェ
ン、(230)3−エトキシ−5−メチル−2−シアノ
チオフェン、(232)3−メトキシ−2−シアノ−5
−チオフェンカルボン酸メチル、(234)3−エトキ
シ−2−シアノ−5−チオフェンカルボン酸メチル、
(236)3−メトキシ−2−シアノ−5−チオフェン
カルボン酸エチル。
【0033】上記生成物は、1H−NMR分析によるδ
値、即ちアルコキシ基プロトンに起因するδ値が1.5
〜2.5ppm及び3.2〜5.0ppm付近に、チオ
フェン環プロトンに起因するδ値が6.5〜8.5pp
m付近に、及び各種の置換基プロトンに起因する特定の
δ値によりその構造を確認できるが、その他元素分析、
IR分析等を用いて正確に決定される。
【0034】本発明によって得られるチエニルエーテル
誘導体の一般的性状は、黄色または黄褐色の粘調液体も
しくは固体である。
【0035】本発明においては、目的とするチエニルエ
ーテル誘導体の製造を前段の環化反応からの連続反応に
より行い、しかも比較的短時間で収率よく製造すること
を考えると、下記一般式(3)、
【0036】
【化5】
【0037】(式中、A’はナトリウム原子もしくはカ
リウム原子を示し、R4は水素原子、非置換アルキル基
もしくは非置換フェニル基を示し、R5はシアノ基もし
くはアルコキシカルボニル基を示す。)で表されるヒド
ロキシチオフェン誘導体アルカリ金属塩を低級アルコー
ル中、ジアルキル硫酸と5〜10℃で反応させる一般式
(4)、
【0038】
【化6】
【0039】(式中、R4、R5は一般式(3)における
基と同義である。R6はアルキル基を示す。)で表され
るチエニルエーテル誘導体の製造方法が特に好ましい。
【0040】
【発明の効果】ジアゾメタンでは反応の進行が抑制され
るアルコール系溶媒中でも高収率でチエニルエーテル誘
導体を得ることが可能である。また、比較例に示したよ
うにヒドロキシチオフェン誘導体アルカリ金属塩とジア
ルキル硫酸を10℃を越える温度で反応させると、目的
とするチエニルエーテル誘導体の収率は高々20%程度
である。しかしながら、本発明の製造方法に従い、10
℃以下で反応させることにより、高収率でチエニルエー
テル誘導体を製造することができる。
【0041】本発明をさらに具体的に説明するため、以
下に実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0042】
【実施例】
実施例1 3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸メチルのナ
トリウム塩27g(0.15mol)のメタノール20
0ml溶液に、5℃以下でジメチル硫酸37.8g
(0.30mol)を1時間かけて滴下した後、10℃
で6時間反応させた。
【0043】反応終了後、反応液を濾過、濾液を濃縮し
た。水100mlと塩化メチレン200mlを加え、塩
化メチレン層を水層から分離し、次いで塩化メチレンを
留去することにより、淡黄色固体である3−メトキシ−
2−チオフェンカルボン酸メチル(化合物番号100)
をほぼ定量的に得た。
【0044】実施例2 5−フェニル−3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボ
ン酸メチルのカリウム塩40.8g(0.15mol)
のメタノール300ml溶液に、5℃以下でジメチル硫
酸37.8g(0.30mol)を1時間かけて滴下し
た後、10℃で10時間反応させた。
【0045】反応終了後、反応液を濾過、濾液を濃縮し
た。水100mlと塩化メチレン200mlを加え、塩
化メチレン層を水層から分離し、次いで塩化メチレンを
留去することにより、淡黄色固体である5−フェニル−
3−メトキシ−2−チオフェンカルボン酸メチル(化合
物番号172)をほぼ定量的に得た。
【0046】実施例3 3−ヒドロキシ−2、5−ジチオフェンカルボン酸メチ
ルのナトリウム塩 38.1g(0.15mol)のエ
タノール300ml溶液に、5℃以下でジメチル硫酸3
7.8g(0.30mol)を1時間かけて滴下した
後、10℃で 12時間反応させた。
【0047】反応終了後、反応液を濾過、濾液を濃縮し
た。水100mlと塩化メチレン200mlを加え、塩
化メチレン層を水層から分離し、次いで塩化メチレンを
留去することにより、淡黄色固体である3−メトキシ−
2、5−ジチオフェンカルボン酸メチル(化合物番号1
48)をほぼ定量的に得た。
【0048】実施例4 表1に示す3−ヒドロキシチオフェンカルボン酸誘導体
アルカリ金属塩を実施例1と同様な条件で本発明を実施
した。結果もあわせて表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】比較例1 3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸メチルのナ
トリウム塩27g(0.15mol)のメタノール20
0ml溶液に、5℃以下でジメチル硫酸37.8g
(0.30mol)を1時間かけて滴下した後、20℃
で24時間攪拌した。 反応液を濾過、濾液を濃縮し
た。水100mlと塩化メチレン200mlを加え、塩
酸酸性とした。塩化メチレン層を水層から分離し、次い
で塩化メチレンを留去し、3−メトキシ−2−チオフェ
ンカルボン酸メチル20重量%と3−ヒドロキシ−2−
チオフェンカルボン酸メチル80重量%の混合物を2
2.9g得た。
【0059】比較例2 3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸メチルのナ
トリウム塩27g(0.15mol)のメタノーYル2
00ml溶液に、5℃以下でジメチル硫酸37.8g
(0.30mol)を1時間かけて滴下した後、15℃
で24時間攪拌した。
【0060】反応液を濾過、濾液を濃縮した。水100
mlと塩化メチレン200mlを加え、塩酸酸性とし
た。塩化メチレン層を水層から分離し、次いで塩化メチ
レンを留去し、3−メトキシ−2−チオフェンカルボン
酸メチル25重量%と3−ヒドロキシ−2−チオフェン
カルボン酸メチル75重量%の混合物を23.8g得
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)、 【化1】 (式中、Aはアルカリ金属を示し、R1は水素原子、ハ
    ロゲン原子、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、フェ
    ノキシカルボニル基、あるいはハロゲン原子、ニトロ基
    またはフェニル基で置換されてもよい置換もしくは非置
    換のアルキル基、あるいはハロゲン原子、アルキル基ま
    たはハロゲノアルキル基で置換されてもよい置換もしく
    は非置換のフェニル基を示し、R2はシアノ基、アルコ
    キシカルボニル基、フェノキシカルボニル基またはアミ
    ノカルボニル基を示す。)で表されるヒドロキシチオフ
    ェン誘導体アルカリ金属塩をアルコール中、ジアルキル
    硫酸と10℃以下で反応させることを特徴とする一般式
    (2) 【化2】 〔式中、R1、R2は前記一般式(1)における基と同義
    である。R3はアルキル基を示す。〕で表されるチエニ
    ルエーテル誘導体の製造方法。
JP30774294A 1994-12-12 1994-12-12 チエニルエーテル誘導体の製造方法 Expired - Fee Related JP3325139B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30774294A JP3325139B2 (ja) 1994-12-12 1994-12-12 チエニルエーテル誘導体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30774294A JP3325139B2 (ja) 1994-12-12 1994-12-12 チエニルエーテル誘導体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08165289A true JPH08165289A (ja) 1996-06-25
JP3325139B2 JP3325139B2 (ja) 2002-09-17

Family

ID=17972724

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30774294A Expired - Fee Related JP3325139B2 (ja) 1994-12-12 1994-12-12 チエニルエーテル誘導体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3325139B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3325139B2 (ja) 2002-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002514630A (ja) イソオキサゾリン−3−イルアシルベンゼンの製造方法
KR960001913B1 (ko) 3-시아노-4-아릴-피롤의 제조방법
JP2003527381A (ja) スピロ環式テトロン酸誘導体の製造方法
JP3450827B2 (ja) 置換2−ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸およびそれらの塩の合成方法
JP3325139B2 (ja) チエニルエーテル誘導体の製造方法
KR101308227B1 (ko) 니코틴산 유도체 또는 그의 염의 제조 방법
US7262316B2 (en) Process for producing aromatic nitrile compound
JP2574085B2 (ja) 3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸誘導体の製造方法
JP2609966B2 (ja) 2−置換ベンゾ[b]チオフェンおよびその中間体の製造方法
US20040199002A1 (en) Process for producing(2-nitrophenyl)acetonitrile derivative and intermediate therefor
JPH07215950A (ja) 置換キナゾリン− 2,4− ジオンの製造方法
JP3388046B2 (ja) チエニルエーテル誘導体の製造方法
JP3159405B2 (ja) チエニルエーテル誘導体の製造方法
JPH05255271A (ja) 3−ヒドロキシメチル−1−プロパルギルイミダゾリジン−2,4−ジオンの製造法
US10807962B2 (en) Process for the synthesis of firocoxib
KR100856133B1 (ko) 아토르바스타틴의 개선된 제조방법
JP3137430B2 (ja) 5,5−二置換ヒダントインの製造法
JPH0625221A (ja) 3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸誘導体の製造方法
JP4194984B2 (ja) フェニルナフチルイミダゾール化合物
JP4979170B2 (ja) 5−[(4−クロロフェニル)メチル]−2,2−ジメチルシクロペンタノンの製造方法
JP2009527511A (ja) 3,4−ジ置換フェニル酢酸および新規な中間体の調製方法
JPH10231298A (ja) ヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−2,4−ジオン類の製造法
WO1995009165A1 (fr) PROCEDE POUR PRODUIRE DU BENZO[b]THIOPHENE SUBSTITUE EN POSITION 2
JP3148226B2 (ja) イソキサゾール―4,5―ジカルボン酸ジエステルの製法及びこの種のジエステル
JP3118596B2 (ja) アリールジアルキルチオカルバマート、2−メルカプトベンズアルデヒドおよび2−置換ベンゾ[b]チオフェンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees