JPH08156211A - 熱成形用ポリエステルシート - Google Patents
熱成形用ポリエステルシートInfo
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- JPH08156211A JPH08156211A JP33190394A JP33190394A JPH08156211A JP H08156211 A JPH08156211 A JP H08156211A JP 33190394 A JP33190394 A JP 33190394A JP 33190394 A JP33190394 A JP 33190394A JP H08156211 A JPH08156211 A JP H08156211A
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- Japan
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- polyester
- sheet
- intrinsic viscosity
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- core layer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】幅広い熱成形条件でポリエチレンテレフタレー
トの有する機械物性を損なうことなしに、偏肉がなく透
明性の高い熱成形容器を得ることが出来る積層されたポ
リエステルシートを提供する。 【構成】(A)テレフタル酸を主たるジカルボン酸成
分、エチレングリコールを主たるジオール成分とし、か
つ結晶融解熱が8.5cal/g以下、固有粘度が0.
5〜1.1であるポリエステルからなるスキン層、
(B)テレフタル酸とエチレングリコールを縮重合せし
め、かつ固有粘度が0.5〜1.1であるポリエステル
からなるコア層、から構成され、かつ該(A)層と該
(B)層を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温度
の差が10℃以下であるポリエステル積層体であって、
該(A)層が少なくとも片面に積層されており、かつ該
(A)層がシート全体の厚みの1〜30%の範囲にある
実質上非晶無配向のポリエステルシート。
トの有する機械物性を損なうことなしに、偏肉がなく透
明性の高い熱成形容器を得ることが出来る積層されたポ
リエステルシートを提供する。 【構成】(A)テレフタル酸を主たるジカルボン酸成
分、エチレングリコールを主たるジオール成分とし、か
つ結晶融解熱が8.5cal/g以下、固有粘度が0.
5〜1.1であるポリエステルからなるスキン層、
(B)テレフタル酸とエチレングリコールを縮重合せし
め、かつ固有粘度が0.5〜1.1であるポリエステル
からなるコア層、から構成され、かつ該(A)層と該
(B)層を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温度
の差が10℃以下であるポリエステル積層体であって、
該(A)層が少なくとも片面に積層されており、かつ該
(A)層がシート全体の厚みの1〜30%の範囲にある
実質上非晶無配向のポリエステルシート。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレンテレフタ
レート(以下これをPETと略す)の有する優れた機械
物性を損なうことなしに、偏肉がなく透明性の高い熱成
形容器を幅広い熱成形条件で得ることが出来るポリエス
テルシートに関する。
レート(以下これをPETと略す)の有する優れた機械
物性を損なうことなしに、偏肉がなく透明性の高い熱成
形容器を幅広い熱成形条件で得ることが出来るポリエス
テルシートに関する。
【0002】
【従来の技術】飽和ポリエステル、特にPETに代表さ
れる結晶性ポリエステル樹脂は繊維を初めとしてシート
フィルム用ポリマーとして広く使用されているが、その
優れた耐薬品性及び低ガス透過性を生かして炭酸飲料、
ジュース、ビール等飲料用ボトル、化粧品容器、食品用
トレーなどにも応用されるようになってきた。
れる結晶性ポリエステル樹脂は繊維を初めとしてシート
フィルム用ポリマーとして広く使用されているが、その
優れた耐薬品性及び低ガス透過性を生かして炭酸飲料、
ジュース、ビール等飲料用ボトル、化粧品容器、食品用
トレーなどにも応用されるようになってきた。
【0003】中でもA−PETと呼ばれる非晶状態のポ
リエステルシートはその優れたリサイクル性、低公害
性、食品安全性が注目され近年塩化ビニールやポリスチ
レンに替わる包装素材として急速に使用量が増大してい
る。このポリエステルシートは熱成形により食品、薬品
の容器や雑貨のブリスターパックとして使われるほか、
その優れた透明性を生かして化粧品や電気機器等を入れ
るクリヤーケースとして用いられている。
リエステルシートはその優れたリサイクル性、低公害
性、食品安全性が注目され近年塩化ビニールやポリスチ
レンに替わる包装素材として急速に使用量が増大してい
る。このポリエステルシートは熱成形により食品、薬品
の容器や雑貨のブリスターパックとして使われるほか、
その優れた透明性を生かして化粧品や電気機器等を入れ
るクリヤーケースとして用いられている。
【0004】従来、このような飽和ポリエステルシート
は結晶性を有しているため、熱成形時に加熱し過ぎると
結晶化による白化現象を起こしA−PETの優れた透明
性が損なわれてしまう。特にコップ状の深絞りの容器や
複雑なリブを有する容器を熱成形する場合には熱成形時
にシートを充分加熱して柔らかくする必要があり、未変
性のポリエステルでは容器が曇ったりあるいは偏肉が生
じ、適正な熱成形条件幅が非常に狭いことが問題になっ
ており改善が望まれていた。
は結晶性を有しているため、熱成形時に加熱し過ぎると
結晶化による白化現象を起こしA−PETの優れた透明
性が損なわれてしまう。特にコップ状の深絞りの容器や
複雑なリブを有する容器を熱成形する場合には熱成形時
にシートを充分加熱して柔らかくする必要があり、未変
性のポリエステルでは容器が曇ったりあるいは偏肉が生
じ、適正な熱成形条件幅が非常に狭いことが問題になっ
ており改善が望まれていた。
【0005】従来よりポリエステルシートの熱成形性を
改善する方法については多くの提案がある。例えば特開
昭51−81857号公報、特開昭51−38335号
公報特開平4ー293920記載のように結晶性を阻害
する成分を共重合し加熱時の結晶化を防止する方法、あ
るいはPETGと呼ばれる脂環族のジオールとエチレン
グリコールの共重合ポリエステルを用いる方法がある。
改善する方法については多くの提案がある。例えば特開
昭51−81857号公報、特開昭51−38335号
公報特開平4ー293920記載のように結晶性を阻害
する成分を共重合し加熱時の結晶化を防止する方法、あ
るいはPETGと呼ばれる脂環族のジオールとエチレン
グリコールの共重合ポリエステルを用いる方法がある。
【0006】しかしながら、結晶性を阻害する共重合成
分は少量では熱成形性の改善効果は低く、深絞り成形時
の偏肉を改善することは困難である。又、共重合成分を
多くすることにより熱成形性は改善されるがA−PET
の有する柔軟性や耐衝撃性が損なわれ好ましくない。ま
た、PETGは透明性、熱成形性、機械物性に優れてい
るが、シートの腰が弱くいため一般シートよりも厚いシ
ートを用いる必要があり、また高価なため経済性に劣り
一般的に用いられていないのが現状である。
分は少量では熱成形性の改善効果は低く、深絞り成形時
の偏肉を改善することは困難である。又、共重合成分を
多くすることにより熱成形性は改善されるがA−PET
の有する柔軟性や耐衝撃性が損なわれ好ましくない。ま
た、PETGは透明性、熱成形性、機械物性に優れてい
るが、シートの腰が弱くいため一般シートよりも厚いシ
ートを用いる必要があり、また高価なため経済性に劣り
一般的に用いられていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はこのよう
な従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、固
有粘度が0.5〜1.1であるポリエステルの少なくと
も片面に、固有粘度が0.5〜1.1であり特定の結晶
融解熱とガラス転移温度を有する低結晶性ポリエステル
を極く薄く積層させたポリエステルシートが、PETの
有する機械物性を損なうことなしに、偏肉がなく透明性
の高い熱成形容器を幅広い熱成形条件で得ることが出
来、かつ経済性に非常に優れていることを見いだし本発
明に至った。
な従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、固
有粘度が0.5〜1.1であるポリエステルの少なくと
も片面に、固有粘度が0.5〜1.1であり特定の結晶
融解熱とガラス転移温度を有する低結晶性ポリエステル
を極く薄く積層させたポリエステルシートが、PETの
有する機械物性を損なうことなしに、偏肉がなく透明性
の高い熱成形容器を幅広い熱成形条件で得ることが出
来、かつ経済性に非常に優れていることを見いだし本発
明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は(A)テレ
フタル酸を主たるジカルボン酸成分、エチレングリコー
ルを主たるジオール成分とし、かつ結晶融解熱が8.5
cal/g以下、固有粘度が0.5〜1.1であるポリ
エステルからなるスキン層、(B)テレフタル酸とエチ
レングリコールを縮重合せしめ、かつ固有粘度が0.5
〜1.1であるポリエステルからなるコア層、から構成
され、かつ該(A)層と該(B)層を構成するポリエス
テル樹脂のガラス転移温度の差が10℃以下であるポリ
エステル積層体であって、該(A)層が少なくとも片面
に積層されており、かつ該(A)層がシート全体の厚み
の1〜30%の範囲にある実質上非晶無配向のポリエス
テルシートである。
フタル酸を主たるジカルボン酸成分、エチレングリコー
ルを主たるジオール成分とし、かつ結晶融解熱が8.5
cal/g以下、固有粘度が0.5〜1.1であるポリ
エステルからなるスキン層、(B)テレフタル酸とエチ
レングリコールを縮重合せしめ、かつ固有粘度が0.5
〜1.1であるポリエステルからなるコア層、から構成
され、かつ該(A)層と該(B)層を構成するポリエス
テル樹脂のガラス転移温度の差が10℃以下であるポリ
エステル積層体であって、該(A)層が少なくとも片面
に積層されており、かつ該(A)層がシート全体の厚み
の1〜30%の範囲にある実質上非晶無配向のポリエス
テルシートである。
【0009】本発明のコア層に用いるポリエステル
(B)とはPETは勿論の事、テレフタル酸成分の一部
をイソフタル酸、アジピン酸、ジフェニルカルボン酸、
ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルフォ
ンジカルボン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸
等の如き他のジカルボン酸成分1種以上へ置換し、エチ
レングリコール成分の一部をジエチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、トリメチレングリコール、プ
ロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネ
オペンチルグリコール、ブチレングリコール等の如き他
のグリコール成分1種以上で置換したコポリエステルを
包含する。
(B)とはPETは勿論の事、テレフタル酸成分の一部
をイソフタル酸、アジピン酸、ジフェニルカルボン酸、
ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルフォ
ンジカルボン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸
等の如き他のジカルボン酸成分1種以上へ置換し、エチ
レングリコール成分の一部をジエチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、トリメチレングリコール、プ
ロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネ
オペンチルグリコール、ブチレングリコール等の如き他
のグリコール成分1種以上で置換したコポリエステルを
包含する。
【0010】該ポリエステル(B)中の共重合成分の総
割合は全酸成分に対して10モル%以下が好ましく、更
に好ましくは5モル%以下である。又、実質的に直鎖状
と見なされる範囲で三官能以上の化合物や単官能の化合
物を含んでいても良い。更に、ポリエステル中に透明性
を低下させない範囲内で熱安定剤、流動性改善剤、紫外
線吸収剤、制電剤、防曇剤等を添加することができる。
又、艶消しが必要な場合には二酸化チタン、炭酸カルシ
ュウム、酸化鉄、カーボンブラック等の着色剤も含有す
ることがもできる。
割合は全酸成分に対して10モル%以下が好ましく、更
に好ましくは5モル%以下である。又、実質的に直鎖状
と見なされる範囲で三官能以上の化合物や単官能の化合
物を含んでいても良い。更に、ポリエステル中に透明性
を低下させない範囲内で熱安定剤、流動性改善剤、紫外
線吸収剤、制電剤、防曇剤等を添加することができる。
又、艶消しが必要な場合には二酸化チタン、炭酸カルシ
ュウム、酸化鉄、カーボンブラック等の着色剤も含有す
ることがもできる。
【0011】固有粘度は20℃に於て重量比60/40
のフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒中での測定
で、固有粘度は0. 5〜1.1が必要であり、特に好ま
しくは0.55〜0.85である。0. 5より小さいと
容器の機械的強度が充分でなく、特に低温時の衝撃強度
が充分でない。又、熱成形の予熱時シートのドローダウ
ンが著しく大きくなり成形品に偏肉やシワが生じ易く適
当でない。一方、固有粘度が1.1を超える場合にはシ
ートの製膜が困難となり経済性に劣る。
のフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒中での測定
で、固有粘度は0. 5〜1.1が必要であり、特に好ま
しくは0.55〜0.85である。0. 5より小さいと
容器の機械的強度が充分でなく、特に低温時の衝撃強度
が充分でない。又、熱成形の予熱時シートのドローダウ
ンが著しく大きくなり成形品に偏肉やシワが生じ易く適
当でない。一方、固有粘度が1.1を超える場合にはシ
ートの製膜が困難となり経済性に劣る。
【0012】又、本発明の表面に積層させるポリエステ
ル(A)は、結晶融解熱が8.5cal/g以下、好ま
しくは7.5cal/g以下であること、かつ主層を構
成するポリエステル樹脂のガラス転移温度との差が10
℃以下、好ましくは7℃以下であることが必要である。
結晶融解熱が8.5cal/gより大きい場合には適正
な熱成形条件幅が狭く熱成形時に容器が白化しやすく好
ましくない。
ル(A)は、結晶融解熱が8.5cal/g以下、好ま
しくは7.5cal/g以下であること、かつ主層を構
成するポリエステル樹脂のガラス転移温度との差が10
℃以下、好ましくは7℃以下であることが必要である。
結晶融解熱が8.5cal/gより大きい場合には適正
な熱成形条件幅が狭く熱成形時に容器が白化しやすく好
ましくない。
【0013】又、ガラス転移温度の差が10℃より大き
い場合、例えばポリカーボネート、ポリアリレート等を
積層する場合には、熱成形のシート加熱時に多層間の弾
性率の差が著しく大きくなるため熱成形品に賦型不良や
偏肉が生じ適正な熱成形条件幅が狭くなり好ましくな
い。固有粘度は0. 5〜1.1が必要であり、特に好ま
しくは0.55〜0.85である。0. 5より小さいと
ノッチ効果によりシート全体の機械的強度が低下する。
一方、固有粘度が1.1を超える場合にはシートの製膜
が困難となり経済性に劣る。
い場合、例えばポリカーボネート、ポリアリレート等を
積層する場合には、熱成形のシート加熱時に多層間の弾
性率の差が著しく大きくなるため熱成形品に賦型不良や
偏肉が生じ適正な熱成形条件幅が狭くなり好ましくな
い。固有粘度は0. 5〜1.1が必要であり、特に好ま
しくは0.55〜0.85である。0. 5より小さいと
ノッチ効果によりシート全体の機械的強度が低下する。
一方、固有粘度が1.1を超える場合にはシートの製膜
が困難となり経済性に劣る。
【0014】本発明の表面に積層させるポリエステル
(A)は、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分、エ
チレングリコールを主たるジオール成分とし結晶融解熱
が8.5cal/g以下であり、かつコア層を構成する
ポリエステル樹脂のガラス転移温度との差が10℃以下
であればどの様なポリエステルも用いることができる。
用いる第三成分として次のような化合物を挙げることが
できる。
(A)は、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分、エ
チレングリコールを主たるジオール成分とし結晶融解熱
が8.5cal/g以下であり、かつコア層を構成する
ポリエステル樹脂のガラス転移温度との差が10℃以下
であればどの様なポリエステルも用いることができる。
用いる第三成分として次のような化合物を挙げることが
できる。
【0015】すなわち、ジカルボン酸成分として、イソ
フタル酸、アジピン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカ
ルボン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸及び/又はジオール成分として
ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ト
リメチレングリコール、プロピレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ブチ
レングリコールを10モル%以上共重合させたポリエス
テルを例示することが出来る。これらのポリエステルは
結晶融解熱が8.5cal/g以下であり、かつコア層
のポリエステル(B)のガラス転移温度との差が10℃
以下である。
フタル酸、アジピン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカ
ルボン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸及び/又はジオール成分として
ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ト
リメチレングリコール、プロピレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ブチ
レングリコールを10モル%以上共重合させたポリエス
テルを例示することが出来る。これらのポリエステルは
結晶融解熱が8.5cal/g以下であり、かつコア層
のポリエステル(B)のガラス転移温度との差が10℃
以下である。
【0016】また、第三成分の配合の方法としては共重
合が一番好ましいが、場合によっては高モルの共重合樹
脂をPETとブレンドして使用することも出来る。
合が一番好ましいが、場合によっては高モルの共重合樹
脂をPETとブレンドして使用することも出来る。
【0017】場合によっては、パラヒドロキシ安息香酸
等のオキシカルボン酸等も用いることが出来る。これら
のジカルボン酸類ジオール及びオキシカルボン酸はポリ
エステルの結晶融解熱が8.5cal/g以下であり、
かつコア層を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温
度との差が10℃以下であればその1種類を単独で使用
してもあるいは複数を併用しても構わない。
等のオキシカルボン酸等も用いることが出来る。これら
のジカルボン酸類ジオール及びオキシカルボン酸はポリ
エステルの結晶融解熱が8.5cal/g以下であり、
かつコア層を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温
度との差が10℃以下であればその1種類を単独で使用
してもあるいは複数を併用しても構わない。
【0018】絞り比(容器の深さと容器の直径との比)
が0.8を超える深絞りの熱成形品あるいはリブ形状の
複雑なトレーを熱成形する場合には加熱時にシートを充
分柔らかくする必要があり、未改質なA−PETでは成
形品の表面に曇りが生じる。
が0.8を超える深絞りの熱成形品あるいはリブ形状の
複雑なトレーを熱成形する場合には加熱時にシートを充
分柔らかくする必要があり、未改質なA−PETでは成
形品の表面に曇りが生じる。
【0019】この原因はシート製膜時のシート表面の配
向したスキン層が熱成形の加熱時に結晶化するためと考
えられ、これまで一般的に用いられていた様にシート全
層に結晶性の低い共重合ポリエステルを用いる必要はな
く、シートの極く表面層のみに特定の結晶融解熱を有す
る低結晶性ポリエステルを積層するのみで深絞り性や容
器の曇りが大幅に改善されることが判明した。
向したスキン層が熱成形の加熱時に結晶化するためと考
えられ、これまで一般的に用いられていた様にシート全
層に結晶性の低い共重合ポリエステルを用いる必要はな
く、シートの極く表面層のみに特定の結晶融解熱を有す
る低結晶性ポリエステルを積層するのみで深絞り性や容
器の曇りが大幅に改善されることが判明した。
【0020】シートの表面に積層させるポリエステル
(A)のシート全体の厚みに占めるべき割合は1〜30
%であるが経済性、品質の安定性の点から5〜20%が
好ましい。表面に積層させるポリエステル(A)のシー
ト全体に占める割合が1%より小さい場合にはスキン層
を均一に構成することが困難になる。一方、30%を超
える場合には熱成形性の更なる改善効果が小さいだけで
なく高価なポリエステル(A)を多量に使用して経済的
に好ましくない。
(A)のシート全体の厚みに占めるべき割合は1〜30
%であるが経済性、品質の安定性の点から5〜20%が
好ましい。表面に積層させるポリエステル(A)のシー
ト全体に占める割合が1%より小さい場合にはスキン層
を均一に構成することが困難になる。一方、30%を超
える場合には熱成形性の更なる改善効果が小さいだけで
なく高価なポリエステル(A)を多量に使用して経済的
に好ましくない。
【0021】本発明を製造するために用いるシート厚み
は特に限定しないが通常50〜2000μmであり、好
ましくは100〜1000μmである。
は特に限定しないが通常50〜2000μmであり、好
ましくは100〜1000μmである。
【0022】シートは、例えば単軸押出機、二軸ベント
式押出機の様な通常のポリエステル用エクストルーダー
により溶融押出しを行い、溶融状態の樹脂を冷却ドラム
により冷却することにより得ることが出来る。シートは
結晶化による透明性の低下を防ぐためできるだけ急冷す
ることが好ましく、コア層の結晶化度は10重量%以下
(密度1.348g/cm3 以下)、シートヘイズは5
%以下が望ましい。
式押出機の様な通常のポリエステル用エクストルーダー
により溶融押出しを行い、溶融状態の樹脂を冷却ドラム
により冷却することにより得ることが出来る。シートは
結晶化による透明性の低下を防ぐためできるだけ急冷す
ることが好ましく、コア層の結晶化度は10重量%以下
(密度1.348g/cm3 以下)、シートヘイズは5
%以下が望ましい。
【0023】本発明を得るには、フィードブロックダ
イ、マルチマニホールドダイ等を有する公知の共押出装
置の使用が可能である。又、溶融ラミネート、ドライラ
ミネート等公知の技術により製造することができるが、
シートの品質から共押出しが好ましい。
イ、マルチマニホールドダイ等を有する公知の共押出装
置の使用が可能である。又、溶融ラミネート、ドライラ
ミネート等公知の技術により製造することができるが、
シートの品質から共押出しが好ましい。
【0024】また、製膜方法としては金属ロール間で挟
み冷却する方法(タッチロール法)や静電印加法、エア
ーナイフ法等があるがシートの光沢性、厚み均一性の点
からタッチロール法が好ましい。
み冷却する方法(タッチロール法)や静電印加法、エア
ーナイフ法等があるがシートの光沢性、厚み均一性の点
からタッチロール法が好ましい。
【0025】製膜時にシートを所定の幅にカットする際
に出る耳部や熱成形後容器を打抜いたスケルトン部を粉
砕して原料として戻すインラインリサイクルがA−PE
Tでは一般的に用いられるが、本発明ではシートの固有
粘度を極端に低下させない範囲内で主層へ配合すること
が可能である。
に出る耳部や熱成形後容器を打抜いたスケルトン部を粉
砕して原料として戻すインラインリサイクルがA−PE
Tでは一般的に用いられるが、本発明ではシートの固有
粘度を極端に低下させない範囲内で主層へ配合すること
が可能である。
【0026】本発明品は真空成形、圧空成形、熱盤成
形、プラグアシスト成形、リバースドロー成形、エアー
スリップ成形等、またはこれらを組み合わせた成形方法
の何れの方法を用いても差し支えない。
形、プラグアシスト成形、リバースドロー成形、エアー
スリップ成形等、またはこれらを組み合わせた成形方法
の何れの方法を用いても差し支えない。
【0027】
【発明の効果】本発明のシートは透明性、機械物性、リ
サイクル性等A−PETが本来有する特性を維持し、偏
肉がなくかつ経済性に非常に優れており、深絞りの飲料
コップや複雑なリブを有するトレー、ブリスターパック
等に最適である。
サイクル性等A−PETが本来有する特性を維持し、偏
肉がなくかつ経済性に非常に優れており、深絞りの飲料
コップや複雑なリブを有するトレー、ブリスターパック
等に最適である。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、各特性値測定は次の方法に従って行った。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、各特性値測定は次の方法に従って行った。
【0029】(1)固有粘度 重量比60/40のフェノール/テトラクロロエタン混
合溶媒中を用い1.0g/dlの濃度、20℃の条件で
測定した。
合溶媒中を用い1.0g/dlの濃度、20℃の条件で
測定した。
【0030】(2)熱成形性 プラグアシスト付きの真空成形機にて直径80mm、深
さ120mmのコップ状の容器を作製した。完全な容器
が出来たものを ○、賦型は完全であるが透明性不良で
あるものを △、賦型が不完全あるいは偏肉を起こした
ものを ×とした。
さ120mmのコップ状の容器を作製した。完全な容器
が出来たものを ○、賦型は完全であるが透明性不良で
あるものを △、賦型が不完全あるいは偏肉を起こした
ものを ×とした。
【0031】(3)熱成形条件幅 熱成形が完全に出来るシート表面温度を非接触型の赤外
線放射温度計にて測定した。熱成形可能なシート表面温
度の幅が15℃を超えるものを ○、10〜15℃のも
のを △、10℃未満のものを ×とした。
線放射温度計にて測定した。熱成形可能なシート表面温
度の幅が15℃を超えるものを ○、10〜15℃のも
のを △、10℃未満のものを ×とした。
【0032】(4)結晶融解熱、ガラス転移温度 リガク製の示差走差熱量計装置 (型式DSC−823
0)を用いJIS−K−7105に準じた方法にて測定
を行った。急冷された実質上非晶状態のシートを窒素気
流中、昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、結晶融
解熱(ΔH)、ガラス転移温度(Tg)を求めた。(図
1参照)
0)を用いJIS−K−7105に準じた方法にて測定
を行った。急冷された実質上非晶状態のシートを窒素気
流中、昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、結晶融
解熱(ΔH)、ガラス転移温度(Tg)を求めた。(図
1参照)
【0033】実施例1〜9 比較例1〜8 285℃、ベント部の真空度5mmHgの条件で二軸ベ
ント付き多層押出機を用いてTダイより溶融押出を行
い、タッチロール法にて製膜を行い厚さ800μmの実
施例記載の各種構造のシートを得た。
ント付き多層押出機を用いてTダイより溶融押出を行
い、タッチロール法にて製膜を行い厚さ800μmの実
施例記載の各種構造のシートを得た。
【0034】次いで、上記シートをガラス転移温度以上
融点以下に予熱し、45℃に温調した雌金型を取り付け
たプラグアシスト付き真空成形機にてカップ状の容器を
作製し評価を行った。これらの結果を表1に示す。
融点以下に予熱し、45℃に温調した雌金型を取り付け
たプラグアシスト付き真空成形機にてカップ状の容器を
作製し評価を行った。これらの結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【図1】ポリエステル樹脂の結晶融解熱、ガラス転位温
度の測定チャートを示す概略図である。
度の測定チャートを示す概略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)テレフタル酸を主たるジカルボン
酸成分、エチレングリコールを主たるジオール成分と
し、かつ結晶融解熱が8.5cal/g以下、固有粘度
が0.5〜1.1であるポリエステルからなるスキン
層、(B)テレフタル酸とエチレングリコールを縮重合
せしめ、かつ固有粘度が0.5〜1.1であるポリエス
テルからなるコア層、から構成され、かつ該(A)層と
該(B)層を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温
度の差が10℃以下であるポリエステル積層体であっ
て、該(A)層が少なくとも片面に積層されており、か
つ該(A)層がシート全体の厚みの1〜30%の範囲に
ある実質上非晶無配向のポリエステルシート。 - 【請求項2】 請求項1記載のシートを熱成形してなる
ポリエステル成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33190394A JPH08156211A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 熱成形用ポリエステルシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33190394A JPH08156211A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 熱成形用ポリエステルシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08156211A true JPH08156211A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=18248927
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33190394A Pending JPH08156211A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 熱成形用ポリエステルシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08156211A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997009366A1 (en) * | 1995-09-01 | 1997-03-13 | Eastman Chemical Company | Pet copolyesters containing succinic and naphthalenedicarboxylic acid moieties having improved barrier properties |
JP2005186364A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Toyobo Co Ltd | 成型用積層ポリエステルフィルム及びそれを成型してなる成形部材 |
JP2009029073A (ja) * | 2007-07-30 | 2009-02-12 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 成形同時加飾用二軸延伸積層ポリエステルフィルム |
WO2009104399A1 (ja) * | 2008-02-20 | 2009-08-27 | 三菱樹脂株式会社 | 成形用樹脂シート及び成形体 |
JP2015131407A (ja) * | 2014-01-10 | 2015-07-23 | 東レ株式会社 | ポリエステルシート、成形体、及びカード |
-
1994
- 1994-12-09 JP JP33190394A patent/JPH08156211A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2009196153A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-09-03 | Mitsubishi Plastics Inc | 成形用樹脂シート及び成形体 |
CN101952119A (zh) * | 2008-02-20 | 2011-01-19 | 三菱树脂株式会社 | 成型用树脂片及其成型体 |
JP2015131407A (ja) * | 2014-01-10 | 2015-07-23 | 東レ株式会社 | ポリエステルシート、成形体、及びカード |
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