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JPH08127594A - Fas抗原に結合する新規蛋白質およびそれをコードするDNA - Google Patents

Fas抗原に結合する新規蛋白質およびそれをコードするDNA

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Publication number
JPH08127594A
JPH08127594A JP6278378A JP27837894A JPH08127594A JP H08127594 A JPH08127594 A JP H08127594A JP 6278378 A JP6278378 A JP 6278378A JP 27837894 A JP27837894 A JP 27837894A JP H08127594 A JPH08127594 A JP H08127594A
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JP
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leu
ser
pro
lys
val
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Application number
JP6278378A
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English (en)
Inventor
Juichi Osada
田 重 一 長
Takashi Suda
田 貴 司 須
Tomohiro Takahashi
橋 智 裕 高
Norio Nakamura
村 範 夫 中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Bioscience Institute
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Osaka Bioscience Institute
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】医薬の分野において有用な新規な蛋白質、それ
をコードする新規なDNA、当該新規蛋白質を検出する
ために使用できる抗体、当該DNAを含む組換えDNA
分子、形質転換体、当該新規蛋白質の精製方法、および
当該新規蛋白質の製造方法を、提供することを目的とす
る。 【構成】Fas抗原に結合することを特徴とする新規蛋
白質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な蛋白質およびそ
れをコードする新規なDNAを医薬の分野に提供する。
本発明は、また、当該新規蛋白質を検出するために使用
できる抗体を試薬の分野に提供する。さらに、本発明
は、当該DNAを含む組換えDNA分子、形質転換体、
当該新規蛋白質の精製方法、および当該新規蛋白質の製
造方法をも提供する。
【0002】
【従来の技術】多数の細胞で構成される生体の恒常性
は、細胞の増殖と分化およびその死によって巧妙に制御
されている。細胞の死は、死につつある細胞の形態か
ら、ネクローシス(壊死)とアポトーシス(自死)に大
別される。このうち、ネクローシスとは、一つ以上の細
胞あるいは組織や器官の一部分のアクシデンタルな死の
ことである。ネクローシスを起こした細胞では、細胞膜
の破壊、および細胞内容物の細胞外への放出が観察され
る。一方、アポトーシスとは、生体の恒常性を維持する
ための細胞死のことである。アポトーシスを起こした細
胞では、染色体DNAの断片化、核の濃縮が観察される
が、ネクローシスの場合とは異なり、細胞膜の破壊や細
胞内容物の放出は認められない。アポトーシスはプログ
ラム細胞死(programed cell death)の1つの形態であ
るとも考えられており、例えば、個体発生において不必
要な細胞や器官が欠落していく現象は細胞のアポトーシ
スによるものと考えられている。また、細胞障害性T細
胞(CTL)、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、T
NF−αやTNF−βなどによってウイルス感染細胞や
腫瘍細胞が攻撃除去され際の細胞死もアポトーシスであ
ると考えられており、アポトーシスの機能を解明し、生
理現象との関係を明らかにするための研究が、多くの研
究者によって進められている。
【0003】ところで、細胞にアポトーシスを生じさせ
る物質としてはFas抗体が知られている。Fas抗体
は、ヒト線維芽細胞でマウスを免疫して得られたモノク
ローナル抗体である(ヨネハラ S.(Yonehara S.)等、J.
Exp. Med. 169巻、1747-1756 頁、1989年)。Fas抗
体によって認識され、アポトーシスのシグナルを細胞に
伝達する細胞表面抗原(Fas抗原)がいかなるもので
あるかは長年不明であったが、最近、イトウ N.(Itoh
N.)等によって、Fas抗原遺伝子がクローニングさ
れ、Fas抗原が約45kDの細胞膜上の蛋白質であ
り、そのアミノ酸配列からTNFレセプターファミリー
に属する事が判明した(Cell、66巻、233-243頁、1991
年)。また、マウスFas抗原遺伝子もクローニングさ
れ(ワタナベ−フクナガ(Watanabe-Fukunaga R.)等、J.
Immunol., 148巻、1274-1279 頁、1992年)、Fas抗
原mRNAが、マウスの胸腺、肝、肺、心臓、卵巣で発
現していることが確認された。
【0004】Fas抗原遺伝子のクローニング以後、F
as抗原を介したアポトーシスと疾患との関係について
の研究が進み、種々の報告がされるようになった。コバ
ヤシ N.(Kobayashi N.) 等は、エイズウイルス感染によ
りT細胞膜上にFas抗原の発現が誘導されることを報
告し、エイズで見られるT細胞のアポトーシスが、Fa
s抗原を介した現象である可能性を示唆している(日経
サイエンス、6 巻、34-41 頁、1993年)。ワタナベ−フ
クナガ(Watanabe-Fukunaga R.)等は、自己免疫疾患のモ
デル動物の1つであるlprマウスではFas抗原遺伝
子に変異が生じていること、このような変異の生じたF
as抗原遺伝子を発現している細胞ではアポトーシスが
起きないことを証明している。そして、自己免疫疾患で
は、Fas抗原もしくはFas抗原に作用してアポトー
シスを起こさせる生体内物質に異常があり、そのため、
本来アポトーシスを起こして生体内から除去されるべき
自己反応性のT細胞が残存し、自己免疫疾患様の症状が
生じるのであろうと予想している(Nature,356 巻、314
-317 頁、1993年)。
【0005】このように、Fas抗原が単離され、生体
内でFas抗原が発現し、アポトーシスが惹起されるこ
とが確認されたことから、Fas抗原に結合して細胞に
アポトーシスを起こすような物質(以下、Fasリガン
ドという)が生体内に存在し、Fas抗原特異的なアポ
トーシスが起きていることが予想された。最近、ルービ
エ E.(Rouvier E.) らは、免疫系においてFas抗原特
異的なアポトーシスが生じていることをより具体的に示
した(J. Exp. Med., 177 巻、195-200 頁、1993年)。
すなわち、彼らは、マウス末梢血リンパ球(PBL)、
および、マウスCTLとラットTリンパ種細胞のハイブ
リドーマであるPC60−d10S細胞を使用し、これ
らの細胞によるCa2+非依存的な細胞障害作用が、Fa
s抗原を発現する細胞に対してのみ認められる事を示し
た。そして、彼等は、これらのリンパ球細胞、とりわけ
T細胞がFas抗原もしくはFas抗原に関連する何ら
かの分子を認識しているであろうこと、およびこれらの
細胞がFasリガンドを発現しているかもしれないこと
を指摘している。
【0006】Fas抗原を介したアポトーシスの機構を
解明するには、Fasリガンドを単離することが重要で
ある。上記ルービエ(Rouvier E.)等により、Fasリガ
ンドの存在の可能性が指摘されたが、その実体は何ら明
らかにされていない。前述のように、Fas抗原と様々
な疾患、生理現象との関連が示唆されていることから、
Fasリガンドの存在を明らかにし、その実体を把握す
ることは、医療をはじめ、多くの分野で渇望されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、F
as抗原に結合する新規な蛋白質およびそれをコードす
る遺伝子を単離し、提供することにある。Fas抗原に
結合する物質が単離されれば、それを使用して、人為的
に生体内で生じるアポトーシスを調節し、疾患の治療
や、診断に使用する事ができる。Fas抗原に結合して
細胞にアポトーシスを誘導するような物質(Fasリガ
ンド)は、生体にとって不必要な細胞を除去するために
使用することが可能である。たとえば、先述したよう
に、エイズウイルス感染細胞ではFas抗原が発現され
ているので、エイズウイルス感染初期においては、Fa
sリガンドを使用してアポトーシスを人工的に誘導し、
感染細胞を早期に除去する事により、エイズを治療する
事が可能であろう。また、ある種の自己免疫疾患では、
人為的にFas抗原を介したアポトーシスを生じさせる
事により、自己抗原反応性のT細胞の除去が可能になる
であろう。モリモト H.(Morimoto H.)等は、癌細胞にF
as抗原を介したアポトーシスを誘導する事によって、
アドリアマイシンやシスプラチンによる制癌効果が相乗
的に増強されることを報告している(Cancer Res., 53
巻、2591-2596 頁、1993年)ので、Fasリガンドは癌
治療にも使用することができるであろう。
【0008】一方、エイズウイルス感染後期の免疫能の
低下や、劇症肝炎における肝機能低下は、免疫担当細胞
あるいは肝細胞のアポトーシスにより組織の機能が著し
く低下した結果と考えられる。このような状態において
は、Fasリガンドの作用を抑制し、細胞のアポトーシ
スを防ぐことが必要になる。したがって、このような病
態には、Fasリガンドの発現を抑制する物質やFas
リガンドと拮抗的に作用する物質を使用した治療が必要
である。このように、生体内で生じているアポトーシス
を人為的に調節するという原理に基づいた治療方法は、
Fas抗原に結合する物質が同定されて初めて可能にな
る方法である。
【0009】Fas抗原と結合する蛋白質を、治療や研
究に使用するためには、当該蛋白質を高純度で、大量に
生産することが必要になる。当該蛋白質をコードする遺
伝子をクローニングすれば、当該蛋白質を遺伝子工学的
に生産することが可能になり、当該蛋白質を治療薬の主
成分として使用したり、抗体の作製に使用することが可
能になる。また、遺伝子そのものは、遺伝子治療やアン
チセンス医薬の開発に使用したり、トランスジェニック
マウス等、アポトーシスが関与する疾患のモデル動物の
作製に使用することができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Fasリ
ガンドを単離すべく鋭意研究を重ねてきた。そして、上
述したPC60−d10S細胞に着目した。PC60−
d10SはマウスCTLとラットTリンパ腫とのハイブ
リドーマで、PMA(ホルボールミリステートアセテー
ト)とイオノマイシンで刺激するとFas抗原発現細胞
に対してのみアポトーシスを誘導する細胞である。本発
明者らは、鋭意研究を重ねた結果、無刺激でも、より高
い細胞障害作用を示す、Fasリガンド遺伝子をクロー
ニングするのに適した細胞集団、PC60−d10S−
2を得る事に成功した。そして、この細胞集団より、ラ
ットFasリガンド遺伝子をクローニングした。また、
医薬品等に使用するのに適したヒト由来のFasリガン
ドを単離することを目的として研究を重ね、ヒトFas
リガンドをコードする遺伝子を得ることにも成功した。
さらに、マウスFasリガンドをコードする遺伝子を得
る事にも成功し、これらの配列が互いに類似すること、
部分的に共通の配列を有することを確認し、本発明を完
成させたものである。
【0011】すなわち、本発明第1の態様は、Fas抗
原と結合することを特徴とする新規な蛋白質である。本
発明第2の態様は、本発明第1の態様の新規蛋白質をコ
ードする塩基配列を有する事を特徴とする新規DNAで
ある。本発明第3の態様は、本発明第2の態様のDNA
を含む事を特徴とする組み換えDNA分子である。本発
明第4の態様は、本発明第2の態様の新規DNAで形質
転換されたことを特徴とする形質転換体である。本発明
第5の態様は、本発明第3の態様の組み換えDNA分子
で形質転換された事を特徴とする形質転換体である。本
発明第6の態様は、本発明第4または第5の態様の形質
転換体を用いる事を特徴とする本発明第1の態様の新規
蛋白質の製造方法である。本発明第7の態様は、本発明
第1の態様の蛋白質の精製方法である。
【0012】本発明第8の態様は、本発明第1の態様の
新規蛋白質を認識することを特徴とする新規抗体であ
る。本発明第9の態様は、Fasリガンド遺伝子または
Fasリガンドに対するmRNAの一部に相補的な塩基
配列を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチドまたは
オリゴヌクレオチド誘導体である。本発明第10の態様
は、FasリガンドもしくはFasリガンドを発現する
形質転換体を使用することを特徴とするFasリガンド
に関連する物質のスクリーニング方法である。
【0013】以下に詳細に本発明を説明する。
【0014】まず、本発明第1の態様の新規蛋白質につ
いて説明する。当該蛋白質の説明において、「アミノ酸
配列を有する蛋白質」とは、その蛋白質が、そのアミノ
酸配列で規定されるものであってもよいし、そのアミノ
酸配列に加え、そのN末端、C末端のいずれか一方、も
しくはその両方に、任意の1つ以上のアミノ酸が付加し
てなるアミノ酸配列で規定されるものであってもよいこ
とを意味する。また、「アミノ酸配列の少なくとも一部
を有する蛋白質」とは、そのアミノ酸配列の全体を有す
る蛋白質、および、そのアミノ酸配列の任意の長さから
なる任意の一部分を有する蛋白質を意味する。もちろ
ん、そのアミノ酸配列の任意の一部に加え、そのN末
端、C末端のいずれか一方、もしくはその両方に、任意
の1つ以上のアミノ酸が付加してなるアミノ酸配列で規
定される蛋白質もこれに含まれる。
【0015】本発明第1の態様の新規蛋白質は、Fas
抗原と結合することを特徴とする。当該蛋白質は、Fa
s抗原と結合するものであれば、Fas抗原を発現する
細胞に対してアポトーシスを誘導するものであっても、
誘導しないものであってもよい。しかしながら、好まし
くは、当該蛋白質は、Fas抗原と結合して、Fas抗
原を発現している細胞に対してアポトーシスを誘導する
活性を有するもの(Fasリガンド)、およびその一部
を含む蛋白質である。本発明の新規蛋白質は、いかなる
動物種由来のFas抗原と結合するものであってもよい
が、好ましくは、ヒトFas抗原、ラットFas抗原、
マウスFas抗原より選ばれるいずれかのFas抗原と
結合するものである。なお、ヒトFas抗原、マウスF
as抗原およびラットFas抗原は、それぞれイトウ
等、ワタナベ−フクナガ等およびキムラ等により、その
遺伝子がクローニングされている(イトウ N.(Itoh
N.) 等、Cell, 66巻、233-243 頁、1991年、ワタナベ−
フクナガ R.(Watanabe-Fukunaga R.) 等、J. Immunol.,
148巻、1274-1279 頁、1992年、キムラ K.(Kimura
K.) 等、Biochem. Biophys. Res.Commun., 198巻、666-
674 頁、1994年)。
【0016】当該新規蛋白質は、前記特徴を有するもの
であれば、そのアミノ酸配列は特に限定されない。しか
しながら、Fasリガンドは、好ましくは、配列表の配
列番号1(式1)のアミノ酸配列有するものとして特徴
づけられるので、本発明第1の新規蛋白質は、好ましく
は、前記式1のアミノ酸配列の少なくとも一部を有する
蛋白質と定義される。前記式1において、x-1 ないしx-
76で示される位置のアミノ酸は、それぞれFasリガン
ドの生物活性に与える影響が少ないアミノ酸と考えられ
る。従って、x-1 ないしx-76は、特に、x-15、x-27、x-
28においては、アミノ酸は存在してもしなくてもよい。
x-1 ないしx-76で示した位置にアミノ酸が存在する場合
には、そのアミノ酸は、Ala, Asp, Arg, Asn, Cys, Gl
y, Glu, Gln, His, Ile, Leu, Lys, Met, Pro, Phe, Se
r, Tyr, Thr, Trp, Valより選ばれるいずれかの1アミ
ノ酸である。x-1 ないしx-76のアミノ酸は種々の組み合
わせが考えられので、本発明の新規蛋白質のアミノ酸配
列は1種類には限定されない。しかしながら、本発明の
第1の態様の新規蛋白質は、好ましくは、配列表の配列
番号2ないし4(前記式2ないし4)のいずれかのアミ
ノ酸配列の少なくとも一部を有するものである。このう
ち、前記式3は、前記式1のx-15、x-27、x-28の位置に
アミノ酸が存在しない場合に相当し、前記式4は、前記
式1のx-15、x-28の位置にアミノ酸が存在しない場合に
相当する。
【0017】本発明の新規蛋白質は、より好ましくは、
配列表の配列番号2ないし4いずれかのアミノ酸配列の
全体を有するものである。前記式2のアミノ酸配列は、
少なくともヒトFas抗原に結合し、ヒトFas抗原を
発現する細胞に対してアポトーシスを誘導するFasリ
ガンドのアミノ酸配列であり、前記式3のアミノ酸配列
は、少なくともラットFas抗原に結合し、アポトーシ
スを誘導するFasリガンドのアミノ酸配列である。ま
た、前記式4のアミノ酸配列は、少なくともマウスFa
s抗原に結合してアポトーシスを誘導するFasリガン
ドのアミノ酸配列である。前記式1のアミノ酸配列は、
種差を考慮して相同性を有する部分を具体的にアミノ酸
配列で表わし、種によって変位するであろうと考えられ
る部分をxで示した式である。
【0018】前記式1ないし4で示されるFasリガン
ドは、いずれも、細胞内領域、膜貫通領域、細胞外領域
とを有し、生体においては細胞表面蛋白質として存在し
ている。従って、アポトーシスを誘導するこれらの蛋白
質を得るためには、これらを発現している細胞や組織の
ライセートから精製する必要がある。ところで、このよ
うな細胞表面上に存在する蛋白質の細胞外領域は、細胞
膜から切断、遊離され、それを生産する細胞の培養上清
中や、尿や血液等の体液中に存在することが多い。一般
的に蛋白質の精製は、細胞や組織のライセートから精製
する場合と、培養上清や尿から精製する場合とがあり、
後者の方が効率的であり収量も多い。Fasリガンドの
細胞外領域は、上述のように培養上清中等に存在するた
め生産上の有用性が高い。従って、本発明では、このよ
うなFasリガンドの細胞外領域の少なくとも一部を有
する蛋白質を本発明の蛋白質の好ましい一例として提供
する。
【0019】細胞外領域が細胞膜から切断される部位
は、それを生産する細胞の培養条件や細胞内外のプロテ
アーゼの影響により、多様性が生じることもあるが、本
発明の新規蛋白質の好ましい例は、配列表の配列番号5
ないし8(式5ないし8)のアミノ酸配列の少なくとも
一部を有する蛋白質である。前記式5の配列は前記式1
の配列のアミノ酸番号103から281に相当する。前
記式5において、y-1 ないしy-41は、アミノ酸が存在し
てもしなくてもよいことを示す。しかしながら、y-1 な
いしy-41には、Ala, Asp, Arg, Asn, Cys, Gly, Glu, G
ln, His, Ile, Leu, Lys, Met, Pro, Phe, Ser, Tyr, T
hr, Trp, Valより選ばれるいずれかの1アミノ酸が存在
することが好ましい。前記式6の配列は前記式2のアミ
ノ酸番号103から281に相当し、前記式7の配列は
前記式3のアミノ酸番号100から278に相当し、前
記式8の配列は前記式4の配列のアミノ酸番号101か
ら279に相当する。前記式5ないし8のいずれかのア
ミノ酸配列の少なくとも一部を有する蛋白質の中でも、
Fas抗原に結合し、アポトーシスを誘導するものがよ
り好ましい。Fas抗原に結合し、アポトーシスを誘導
する蛋白質の例としては、前記式5ないし8のいずれか
のアミノ酸配列を有する蛋白質がある。このうち、前記
式6のアミノ酸配列を有する蛋白質は少なくともヒトF
as抗原に、前記式7のアミノ酸配列を有する蛋白質は
少なくともラットFas抗原に、前記式8のアミノ酸配
列を有する蛋白質は少なくともマウスFas抗原に結合
して、アポトーシスを誘導する。本発明者らは、また、
前記式6のN末端より数えて35番目のPro (すなわち
前記式2のN末端より数えて137番目のPro )以降の
アミノ酸配列を有するように形質転換体で発現させた蛋
白質がアポトーシスを誘導する活性を有していることを
確認している。これらは、いずれもFasリガンドを発
現する細胞の培養上清中から回収することが可能であ
り、生産が容易であるという点で利用価値が高い。
【0020】一般に蛋白質は、種の違い、個体の違いに
よって、その基本的な機能が保持されたまま、アミノ酸
配列に変異が生じる場合がある。ここでいうアミノ酸の
変異とは、アミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸が欠失
したり、他のアミノ酸へ置換すること、および、アミノ
酸配列中の任意の位置に1つ以上のアミノ酸が挿入もし
くは付加することである。このような変異は、遺伝子工
学的な技術を使用して、人工的に生じさせることも可能
である。本発明者らは、このようなアミノ酸配列の多様
性を考慮して、本発明の新規蛋白質を、「前記式1の少
なくとも一部を有するもの」と特徴づけた。しかしなが
ら、前記式1以外のアミノ酸配列の少なくとも一部を有
するもの、例えば、前記式2ないし4のいずれかに記載
のアミノ酸配列の任意の1以上の位置においてアミノ酸
の変異が生じたアミノ酸配列を有するものであっても、
この蛋白質が、少なくともヒトFas抗原、ラットFa
s抗原、マウスFas抗原のいずれかに結合するもので
ある限り、本発明の新規蛋白質に含まれる。
【0021】一般に、同一の機能を有する蛋白質に対す
るDNAは、動物種や個体が異なっていても互いに相同
性があり、互いにハイブリダイズすることが多い。アミ
ノ酸の多様性も、それらをコードするDNAが互いにハ
イブリダイズする範囲で生じることが多い。例えば実施
例で示すように、前記式2および4のアミノ酸配列をコ
ードするDNAは、前記式3のアミノ酸配列をコードす
るDNAとハイブリダイズする。さらに、前記式2のア
ミノ酸配列を有するFasリガンドは、ヒトFas抗原
のみでなく、マウスFas抗原にも結合する。また、前
記式4のアミノ酸配列を有するFasリガンドは、マウ
スFas抗原に加えヒトFas抗原にも結合する。この
ように、互いにハイブリダイズするDNAによってコー
ドされるアミノ酸配列を有する蛋白質は、実質的に同一
の機能を有すると考えられる。従って、本発明には、前
記式2ないし4をコードするいずれかの塩基配列とハイ
ブリダイズする塩基配列によってコードされるアミノ酸
配列の少なくとも一部を有する蛋白質が包含される。
【0022】本発明の新規蛋白質には、糖鎖を有するも
の、有さないものいずれもが含まれる。前記式2および
3で示したアミノ酸配列には、それぞれ4ヶ所の糖鎖付
加可能部位(N−グリコシレーションサイト)がある。
すなわち、前記式2においては、アミノ酸番号76〜7
8、184〜186、250〜252、260〜262
が、前記式3においてはアミノ酸番号116〜118、
130〜132、247〜249、257〜259が糖
鎖付加可能部位に相当する。また、前記式4のアミノ酸
配列には5ヶ所のN−グリコシレーションサイトがある
(アミノ酸番号117〜119、131〜133、18
2〜184、248〜250および258〜260)。
従って、当該蛋白質が動物細胞によって生産されたもの
であったり、遺伝子工学的に酵母や動物細胞等の真核細
胞を宿主として生産させたものであったりした場合に
は、糖鎖が付加される可能性がある。一方、大腸菌等の
原核細胞を宿主として遺伝子工学的に蛋白質を生産させ
た場合には、当該新規蛋白質は糖鎖を持たない。
【0023】本発明第1の態様の新規蛋白質はいかなる
方法で生産されたものであってもよい。例えば、ペプチ
ド合成機(例えば、ペプチドシンセサイザー430A
型、パーキンエルマージャパン(株)製)を使用して化
学合成したものでも、ヒトおよびヒト以外のいかなる生
物の組織や細胞、体液から精製されたものであってもよ
い。ヒトや動物の体液としては、血液や尿があげられ
る。細胞としては、本発明の新規蛋白質を産生する細胞
を適宜選択して用いることができる。例えば、胸腺細胞
やリンパ球系細胞、および、それらの株化細胞などを、
ノーザンブロットあるいはウエスタンブロット等で解析
し、本発明の新規蛋白質の発現量の高いものを選択す
る。必要があれば、細胞をPMA(ホルボールミリステ
ートアセテート)やイオノマイシン、PHA(フィトヘ
ムアグルチニン)、ConA(コンカナバリンA)、I
L−2(インターロイキン−2)等適切な刺激剤で刺激
して産生誘導する。そして、細胞のライセートもしくは
培養上清から、当該蛋白質を精製する。精製は、濃縮
や、各種クロマトグラフィー、塩析など一般的に行われ
ている蛋白質の精製方法を適宜組み合わせ、Fas抗原
への結合性、もしくは、Fas抗原を発現している細胞
への細胞障害活性等を指標として行うことができる。精
製方法の好ましい例は、第7の態様で説明する。
【0024】しかしながら、当該新規蛋白質は、その純
度の面から、遺伝子工学的に生産されたもの、すなわ
ち、組換え型蛋白質であることが好ましい。当該蛋白質
を遺伝子工学的に生産するには、後述する本発明第2の
態様の新規DNA、もしくは第3の態様の組換えDNA
分子を用いて、適当な宿主細胞を形質転換し、得られた
形質転換体を培養して培養混合物を回収し、当該蛋白質
を精製する。また、該DNAや組換えDNA分子を利用
して無細胞系の合成方法(サムブルック J.(Sambrook,
J.)et al.: Molecular Cloning 2nd ed.( 1989 年) )
で得る方法も、遺伝子工学的に生産する方法の1つであ
る。遺伝子工学的に本発明の新規蛋白質を製造する好ま
しい方法については本発明第6の態様で説明している。
【0025】近年の技術により、蛋白質をポリエチレン
グリコールや、スチレン−マレイン酸コポリマー、デキ
ストラン、ピランコポリマー、ポリリジン等の高分子に
結合させたり、多糖類や蛋白質などの天然高分子、ホル
モンなどの生理活性物質、マグネタイトなどの無機物質
に結合させたりすることが可能になった(例えば、Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 84巻, 1487-1491 頁(1981
年)、Biochemistry 28巻, 6619-6624頁 (1989年)
)。蛋白質にポリエチレングリコールを結合させる方
法の一例を簡単に説明する。まず、蛋白質をそれが活性
を失わないような範囲の塩基性pHを有する緩衝液に溶
解する。その溶液に、メトキシポリエチレングリコール
スクシンイミジルサクシネートのような活性化ポリエチ
レングリコールを混合し、室温で一定時間反応させる。
その後、ゲルろ過等によって、活性を有するフラクショ
ンを分取する。本発明の新規蛋白質も公知方法の組み合
わせにより、このような修飾が可能である。従って、本
発明の新規蛋白質には、上述のような修飾を受けたもの
も包含される。
【0026】本発明の新規蛋白質は、生体内で生じるア
ポトーシスを調節するために使用することができる。例
えば、Fas抗原に結合し、アポトーシスを誘導する、
前記式1ないし4のいずれかのアミノ酸配列、もしくは
前記式5ないし8のいずれかのアミノ酸配列を有する蛋
白質に代表される本発明の新規蛋白質は、薬剤耐性とな
った癌を治療するために使用することができる。また、
これらは、HIVウイルスが感染した細胞に対し、アポ
トーシスを人為的に誘導し、AIDSの感染初期の治療
薬となり、新しい治療方法を医療の分野に提供する事が
できる。一方、本発明の新規蛋白質のうち、前記式1な
いし8のいずれかのアミノ酸配列の一部分であって、F
as抗原に結合するがアポトーシスを誘導しない蛋白質
は、肝炎等の重篤な感染症となった時に感染細胞がアポ
トーシスを起こすのを防ぎ、肝臓等の主要組織の細胞の
急激な減少を防止することによって、組織機能の低下を
予防することができる。
【0027】本発明の新規蛋白質を医薬品として使用す
る場合には、蛋白質を有効成分として含む通常の医薬組
成物の製造方法に準じて医薬組成物を製造する。例え
ば、注射剤であれば当該新規蛋白質を含む溶液を無菌状
態で調製し、必要があれば、アルブミンやゼラチン等の
安定化剤を加えてアンプルに充填し、凍結乾燥すること
により、当該新規蛋白質を有効成分とする医薬組成物を
製造することができる。このようにして得られた医薬組
成物は、使用時に、注射用蒸留水等に溶解して静脈内や
局所へ投与することができる。医薬組成物の有効成分と
しては、本発明の新規蛋白質の中でもヒトに対する抗原
性が最も低い、前記式2または6のアミノ酸配列、もし
くは、少なくともその一部を有する蛋白質を使用するこ
とが好ましい。本発明の新規蛋白質は、また、抗体を得
るための材料として使用することもできる。すなわち、
本発明の新規蛋白質をウサギなどの動物に投与して、本
発明の蛋白質に対する抗体を作成する。抗体の作製法に
ついては、第8の態様で説明する。得られた抗体は、組
織や細胞の染色に使用したり、当該新規蛋白質を精製す
るためアフィニティーカラムの作製に使用することがで
きる。
【0028】次に本発明の第2の態様の新規DNAを説
明する。本明細書のDNAおよび組換えDNA分子の説
明において「塩基配列を有するDNA」および「塩基配
列の少なくとも一部を有するDNA」とは、DNAが、
その塩基配列もしくは、その任意の一部分からなるDN
Aであっても、その塩基配列もしくは、その任意の一部
分の5’末端、3’末端のいずれか一方、もしくはその
両方に任意の1つ以上の塩基が付加した配列からなるも
のであってもよいことを意味する。ここで、付加される
塩基は、コーディングフレームにずれを生じさせない限
りいかなるものであってもよく、例えば、リンカー配
列、シグナルペプチドをコードする塩基配列、他の蛋白
質をコードする塩基配列、もしくはDNAプローブ等を
作製する際にその検出感度の増加を目的として付加され
る配列等が例として挙げられる。
【0029】本発明第2の態様の新規DNAは、本発明
第1の態様の新規蛋白質をコードする塩基配列を有する
ことを特徴とするDNAである。すなわち、Fas抗原
に結合することを特徴とする新規蛋白質もしくは一部を
有する蛋白質をコードする塩基配列を有することを特徴
としている。本発明の新規DNAは、好ましくは、前記
式1ないし8のいずれかのアミノ酸配列の少なくとも一
部をコードする塩基配列を有するものである。一般に、
アミノ酸をコードするDNAのトリプレットは、アミノ
酸の種類ごとに1〜6種類迄存在することが知られてい
るので、前記配列番号1ないし8のいずれかのアミノ酸
配列をコードする塩基配列は1種類には限定されない。
したがって、DNAが、前記1ないし8のいずれかのア
ミノ酸配列の少なくとも一部をコードする塩基配列を有
する限り、いかなる配列からなるDNAであっても、全
て本発明の新規DNAに包含される。
【0030】しかしながら、好ましくは、本発明の新規
DNAは、配列表の配列番号9ないし11(前記式9な
いし11)のいずれかの塩基配列の少なくとも一部を有
するDNAである。また、他の好ましい例は、配列表の
配列番号12ないし14(式12ないし14)のいずれ
かの塩基配列の少なくとも一部を有するDNAである。
これらは、それぞれ前記式2ないし4および6ないし8
のアミノ酸配列をコードする塩基配列の好ましい例であ
る。当該好ましい例は、それが前記式9ないし14のい
ずれかの塩基配列の少なくとも一部を有する限り、cD
NAであっても染色体DNAであってもよい。染色体D
NAの一例としては、前記式9もしくは12の塩基配列
の一部を有する染色体DNAの塩基配列をヒトFasリ
ガンドについて図16〜18に示してある。しかしなが
ら、形質転換体への導入の容易さ等、遺伝子工学的手法
における扱い易さから、本発明の新規DNAはcDNA
であることが好ましい。
【0031】本発明のDNAは、特に好ましくは、前記
式9ないし11、もしく前記式12ないし14のいずれ
かの塩基配列の全体を有するものである。前記式12は
前記式9の塩基番号307から843に相当し、前記式
13は前記式10の塩基番号298から834に相当
し、前記式14は前記式11の塩基番号301から83
7に相当する。これらの配列は、Fas抗原に結合し、
アポトーシスを誘導する活性を有する蛋白質を、生産す
るために使用することができる。特に、前記式12ない
し14の塩基配列を有するDNAを適当なシグナル配列
の下流に接続させた組換えDNA分子を作製し、これを
用いて宿主細胞を形質転換させると、得られた形質転換
体の培養上清中に、前記式5ないし8いずれかのアミノ
酸配列(すなわち、Fasリガンドの細胞外領域)を有
する蛋白質を分泌させることができる。既に説明したよ
うに、蛋白質の精製においては、細胞のライセートから
精製するよりも、培養上清から精製する方が効率的であ
る。従って、前記式12ないし14いずれかの塩基配列
を有するDNAは、蛋白質を生産する上での利用価値が
高い。
【0032】先述したように、同一の機能を有する蛋白
質であっても、種差や個体差によってアミノ酸配列や、
それをコードするDNAの塩基配列に多様性が生じる事
がある。従って、本発明の第2の態様の新規DNAが有
する塩基配列には、それが本発明第1の態様の新規蛋白
質もしくはその一部をコードするDNAである限り、前
記式9ないし14いずれかの塩基配列中の任意の一つ以
上の塩基に変異が生じた塩基配列が含まれる。ここで、
「任意の1つ以上の塩基に変異が生じた」とは、塩基配
列中の任意の1箇所以上の塩基の置換、欠失、付加が生
じていることを意味する。もちろん、複数の位置で、塩
基の置換、欠失、付加が同時に生じていても良い。
【0033】通常、同一の機能を有する蛋白質をコード
するDNAの塩基配列は、動物種や個体が違っても、互
いにホモロジーを有していることが多い。従って、上記
「配列番号9ないし14いずれかの塩基配列中の任意の
一つ以上の塩基に変異が生じた塩基配列」とは、前記式
9ないし14より選択されるいずれかの塩基配列の少な
くとも一部とホモロジーのある配列、すなわち、前記式
9ないし14より選択されるいずれかの塩基配列に相補
的な配列の少なくとも一部とハイブリダイズする塩基配
列を有するDNAであることが好ましい。ここで「ハイ
ブリダイズする」とは、前記式9ないし14のいずれか
の塩基配列に相補的な配列の一部をプローブとして、公
知の方法(例えば、サムブルック J.(Sambrook J.)等、
Molecular Cloning, a Laboratory Manual 2nd ed., 1
989 年、 Cold Spring Harbor Laboratory, ニューヨー
ク(New York)、参照)でハイブリダイゼーションを行っ
た場合にハイブリダイズすることをいう。
【0034】本発明の第2の態様の新規DNAは、いか
なる方法で得られたDNAであってもよい。すなわち、
前記式9ないし14を参考にして化学合成されたもので
あってもよく、適当なDNAライブラリーからクローニ
ングされたものであってもよい。配列表の配列番号1
5、17および18にヒト、ラット、マウスのFasリ
ガンドに結合する蛋白質のcDNA配列を示す。本発明
の新規DNAを化学合成するには、たとえば、次のよう
に行えばよい。すなわち、まず、前記式9ないし14を
参考にして、所望の塩基配列を有するDNAを約20塩
基からなる断片に分けてDNA化学合成機(例えば、3
94型、パーキンエルマージャパン(株)製)を用いて
合成し、その後、必要に応じて5’末端のリン酸化を行
い、各断片をアニーリングし、ライゲーションして目的
とするDNAを得る。
【0035】本発明の新規DNAをDNAライブラリー
から得る例としては、適当なゲノムDNAライブラリー
やcDNAライブラリーを、ハイブリダイゼーションに
よるスクリーニング法や、抗体を用いたイムノスクリー
ニング法等でスクリーニングし、目的のDNAを有する
クローンを増殖させ、そこから制限酵素等を用いて切り
出す方法がある。ハイブリダイゼーション法によるスク
リーニングは、前記式9ないし14のいずれかの塩基配
列もしくはその一部を有するDNAを32P等でラベルし
てプローブとし、任意のcDNAライブラリーに対し
て、公知の方法で(例えば、マニアティス T.(Maniatis
T.)等,Molecular Cloning, a Laboratory Manual, Co
ld Spring harbor Laboratory, ニューヨーク(New Yor
k), 1982年)行うことができる。イムノスクリーニング
法で用いる抗体は、後述する本発明第8の態様の抗体を
使用することができる。
【0036】本発明の新規DNAはまた、ゲノムDNA
ライブラリーもしくはcDNAライブラリーを鋳型とす
るPCR(Polymerase Chain Reaction)によっても得る
事ができる。PCRは、前記式9ないし14いずれかの
配列をもとに、センスプライマー、アンチセンスプライ
マーを作成し、任意のDNAライブラリーに対し、公知
の方法(例えば、ミカエル A. I. (Michael A. I.)等,
PCR Protocols, a Guide toMethods and Applications,
アカデミック出版(Academic Press)、1990年参照)等
を行って、本発明の新規DNAを得る事もできる。
【0037】上記各種方法で使用するDNAライブラリ
ーは、本発明のDNAを有するライブラリーであれば、
いかなるものも使用可能であり、市販のDNAライブラ
リーを使用したり、適当な細胞から公知の方法(サムブ
ルック J.(Sambrook J.)等、Molecular Cloning, a Lab
oratory Manual 2nd ed., Cold Spring Harbor Laborat
ory, ニューヨーク(New York), 1989年参照)に従っ
て、cDNAライブラリーを作製し、利用することがで
きる。cDNAライブラリーを得るための細胞として
は、ヒト、ラット、マウスの末梢血や脾細胞から得たリ
ンパ球やT細胞系の株化細胞、ハイブリドーマ等が適し
ている。これらの細胞を、必要があれば、適当な活性化
剤で活性化させた後、上記の公知の方法でcDNAライ
ブラリーを作成すればよい。
【0038】DNAの塩基配列が提供されれば、それに
相補的なDNAの配列およびRNAの配列が一義的に決
定されるので、本発明の開示により、本発明の第2の態
様のDNAに対応するRNAや、本発明の第2の態様の
DNAと相補的な配列を有するDNAもまた提供され
る。本発明の第2の態様のDNAは、1本鎖であって
も、それに相補的な配列を有するDNAやRNAと結合
して2重鎖、3重鎖を形成していても良い。また、当該
DNAは、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HR
PO)等の酵素や放射性同位体、蛍光物質、化学発光物
質等で標識されていてもよい。
【0039】本発明の新規DNAは、本発明第1の態様
の新規蛋白質を大量に生産するために使用することがで
きる。当該DNAを使用して本発明第1の態様の新規蛋
白質を生産させる方法の例は、本発明第6の態様で説明
する。当該DNAはまた、上述のように酵素等で標識し
て、組織における本発明第1の態様の新規蛋白質の発現
状況を検査するために使用することも可能である。当該
DNAを使用して細胞における本発明の第1の態様の新
規蛋白質の発現量を確認することにより、本発明第1の
態様の新規蛋白質の製造に適した細胞や細胞の培養条件
を決定することができる。また、本発明の新規DNAを
生体内の細胞に導入し、例えば、自己免疫疾患等の遺伝
的にアポトーシスの機構が欠損している疾患の遺伝子治
療にも使用する事ができる。さらに、本発明のDNAが
有する塩基配列をもとにアンチセンス医薬品を開発し、
生体内におけるFasリガンド発現を調節することもで
きる。すなわち、本発明のDNAの一部や、その誘導体
を公知の方法で合成し、それらを使用してFasリガン
ドの発現を調節したり、本発明のDNAに相補的な配列
を含むオリゴヌクレオチドやその誘導体を使用して、F
asリガンドの発現を調節することが可能である。アン
チセンス医薬品の技術については、本発明の第9の態様
の説明で詳述する。
【0040】次に、本発明の第3の態様の組換えDNA
分子について説明する。本発明の第3の態様の組換えD
NA分子は、上述した本発明の第2の態様の新規DNA
を含むことを特徴とする組換えDNA分子である。本発
明の組み換えDNA分子は、環状、直鎖状等いかなる形
態のものであってもよい。また、本発明の組換えDNA
分子は、いかなる用途に使用されるものであってもよ
い。例えば、本発明の第1の態様の新規蛋白質を産生さ
せる際に用いるものであってもよいし、本発明の第2の
態様のDNAを増幅させ大量に得るために用いるもので
あってもよい。
【0041】本発明の第3の態様の組換えDNA分子
は、本発明の第2の態様の新規DNAに加え、必要なら
ば他の塩基配列を有していてもよい。他の塩基配列と
は、エンハンサーの配列、プロモーターの配列、リボゾ
ーム結合配列、コピー数の増幅を目的として使用される
塩基配列、シグナルペプチドをコードする塩基配列、他
のポリペプチドをコードする塩基配列、ポリA付加配
列、スプライシング配列、複製開始点、選択マーカーと
なる遺伝子の塩基配列等のことである。これらの塩基配
列の必要性は、組換えDNA分子の使用目的によって決
定されるが、本発明の組換えDNA分子は、本発明第2
の態様のDNAに加えて、少なくとも、複製開始点およ
びマーカー遺伝子を有していることが好ましい。マーカ
ー遺伝子としては、アンピシリン耐性遺伝子、カナマイ
シン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、チミジンキ
ナーゼ遺伝子等があげられる。
【0042】当該組換えDNA分子は好ましい例は、例
えば、配列表の配列番号16に示すように本発明第1の
態様の新規蛋白質であるヒトFasリガンドを発現する
ように大腸菌を形質転換させうるものである。すなわ
ち、当該組換えDNA分子の好適な例は、少なくとも、
大腸菌複製開始点、マーカー遺伝子に加えて大腸菌内で
機能するプロモーター配列を有していることが好まし
い。また、これらに加え、少なくともシグナルペプチド
をコードする配列を有していることが好ましい。大腸菌
で機能するプロモーター配列の好適な例はtrpプロモ
ーター、lacプロモーターであり、大腸菌で機能しう
るシグナルペプチドの好適な例は、大腸菌アルカリフォ
スファターゼのシグナルペプチドである。図15に上記
配列番号16に示す塩基配列によってコードされるアミ
ノ酸配列を示した。なお、図15中でヒトFasリガン
ドと異なるラットFasリガンドのアミノ酸配列および
塩基配列を下線を付して示した。
【0043】また、当該組換えDNA分子は、本発明の
新規蛋白質を発現するように酵母や昆虫細胞、動物細胞
等の真核細胞を形質転換させうるものであってもよい。
すなわち、当該組換えDNA分子は、少なくとも、マー
カー遺伝子に加えて、ポリA付加配列を有していること
が好ましい。これらに加えて、少なくとも、酵母で機能
するアルコールオキシダーゼ(AOX)1のプロモータ
ー、もしくは昆虫細胞で機能するポリヘドリンプロモー
ター、もしくは動物細胞で機能するSV40のプロモー
ターやSRαのプロモーター、ヒトエロンゲーションフ
ァクター1α( FE1α)のプロモーター、もしくは大腸
菌での複製開始点を有するものも当該組換えDNA分子
の好適な例として挙げられる。
【0044】本発明の第3の態様の組換えDNA分子
は、本発明の第2の態様の新規DNAを任意の塩基配列
を有する他のDNA断片とライゲーションしたり、任意
のベクターに導入して得ることができる。DNAをベク
ターに導入する方法は公知である(サムブルック J.(Sa
mbrook J.)等、 Molecular Cloning, a Laboratory Man
ual 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory,ニュー
ヨーク(New York),1989年、参照)。すなわち、DNA
とベクターをそれぞれ適当な制限酵素で消化し、得られ
たそれぞれの断片をDNAリガーゼを用いてライゲーシ
ョンさせればよい。ベクターは、プラスミドベクター、
ファージベクター、ウイルスベクター等いかなるもので
もよい。たとえば、pUC118、pBR322、pS
V2−dhfr、pBluescriptII、PHI
L−S1、λZapII、λgt10、pAc700、
YRP17、pEF−BOS、pEFN−II等から適
宜選択して使用することができる。
【0045】次に、本発明の第4の態様の形質転換体に
ついて説明する。本発明の第4の態様の形質転換体は、
本発明の第2の態様の新規DNAで形質転換されたこと
を特徴とする。すなわち、本発明第4の態様の形質転換
体は、宿主となる適当な細胞や微生物に、本発明第2の
態様の新規DNAを直接導入する事によって形質転換さ
れたことを特徴とする。本発明の第4の態様の新規DN
Aを宿主細胞に導入する方法としては、エレクトロポレ
ーション法、プロトプラスト法、アルカリ金属法、リン
酸カルシウム沈澱法、DEAEデキストラン法、マイク
ロインジェクション法、ウイルス粒子を用いる方法等の
公知方法(実験医学臨時増刊、遺伝子工学ハンドブック
1991年3月20日発行、羊土社、参照)があるがいずれの
方法を用いても構わない。本発明の形質転換体は、本発
明の第2の態様のDNA分子を大量に製造する目的でも
使用することができる。また、本発明の第2の態様のD
NAが、宿主細胞の適当なプロモーターの下流に組み込
まれた場合には、当該形質転換体は、本発明第1の態様
の新規蛋白質を生産する。従って、このような形質転換
体は、本発明の第1の態様のDNAがコードするアミノ
酸配列を有する蛋白質を製造する目的等に使用できる。
【0046】次に、本発明の第5の態様の形質転換体に
ついて説明する。本発明第5の態様の形質転換体は、本
発明の第3の態様の組換えDNA分子を宿主となる細胞
や微生物に導入する事によって、形質転換されたことを
特徴とする。ただし、該組換えDNA分子の作成に使用
するベクターは、宿主細胞に適した種類のものである必
要がある。同様に、組換えDNA分子内に含まれるプロ
モター、シグナルペプチドをコードする塩基配列、マー
カー遺伝子等は、宿主細胞に適したものである必要があ
る。例えば、組換えDNA分子の作製に使用したベクタ
ーと宿主の好ましい組み合わせの例としては、pUC1
18と大腸菌、pEF−BOSとCOS細胞あるいはC
HO細胞、Yacと酵母、AcNPVとSf細胞等(実
験医学臨時増刊、遺伝子工学ハンドブック1991年 3月20
日発行、羊土社、参照)が挙げられる。ここで用いる組
換えDNA分子は、宿主細胞にあったものを使用する必
要がある。
【0047】本発明の第3の態様の組換えDNA分子を
宿主細胞に導入する方法としては、上記第4の態様の形
質転換体の作成方法と同様に、エレクトロポレーション
法、プロトプラスト法、アルカリ金属法、リン酸カルシ
ウム沈澱法、DEAEデキストラン法、マイクロインジ
ェクション法、ウイルス粒子を用いてインフェクション
させる方法、その他の公知方法(実験医学臨時増刊、遺
伝子工学ハンドブック1991年3 月20日発行、羊土社、参
照)が挙げられる。
【0048】本発明の形質転換体は、原核細胞、真核細
胞のいずれであってもよい。原核細胞の代表的な例とし
ては、大腸菌と枯草菌があげられる。真核性物の代表的
な例としてはCHO細胞、HeLa細胞、COS細胞、
Namalwa細胞等の哺乳動物細胞の他、Sf細胞等
の昆虫細胞や酵母等があげられる。しかしながら、本発
明の形質転換体は、好ましくは、大腸菌もしくは哺乳動
物細胞もしくは酵母を形質転換させたものである。動物
細胞の中では、遺伝子のコピー数を増加させることが可
能な、CHO細胞のdhfr欠損株が好ましい。また、
酵母については、外来蛋白質の分泌発現量が多いという
点で、ピヒア(Pichia)属の酵母が好ましい。
【0049】本発明の形質転換体は、本発明第2の態様
の新規DNAを大量に得る目的や、本発明第1の態様の
新規蛋白質を生産するために使用することができる。当
該形質転換体は、いかなる目的で使用されるものであっ
てもよいが、好ましくは、当該形質転換体は、本発明の
新規蛋白質を産生するものがよく、より好ましくは、本
発明の新規蛋白質を培地中に分泌するものがよい。
【0050】本発明の第1の態様の新規蛋白質を産生す
る形質転換体を得るためには、宿主細胞に導入する本発
明の第3の態様の組換えDNA分子中には、少なくと
も、その宿主細胞で機能しうるプロモーター配列が含ま
れていることが必要である。そして、宿主細胞が大腸菌
等の原核生物細胞である場合には、組換えDNA分子に
はプロモーター配列に加え、複製開始点が含まれている
必要がある。また、宿主細胞が動物細胞等の真核細胞で
ある場合には、組換えDNA分子中には、プロモーター
配列に加え、ポリA付加サイト、複製開始点が含まれて
いることが必要である。なお、いずれの場合にも使用す
る組換えDNA分子には上述したマーカー遺伝子が含ま
れていることが好ましい。また、当該形質転換体が本発
明の第1の態様の新規蛋白質を発現し分泌するために
は、形質転換に使用する組換えDNA分子中には、上記
の産生に必要な配列に加えて、本発明の第2の態様のD
NAの5’末端に、シグナルペプチドをコードする塩基
配列を有している必要がある。
【0051】本発明の形質転換体のより好ましい例の一
つは、ベクターとして機能するDNA中に少なくとも、
複製開始点、大腸菌で機能するプロモーター、マーカー
遺伝子、大腸菌アルカリフォスファターゼ等のシグナル
ペプチドをコードする塩基配列、及び本発明第2の態様
の新規DNAを含む組換えDNA分子で形質転換された
大腸菌である。他の好ましい例は、ベクターとして機能
するDNA中に少なくとも、マーカー遺伝子、ポリA付
加配列、哺乳動物細胞で機能するプロモーター、及び本
発明第2の態様のDNAを含む組換えDNA分子で形質
転換された哺乳動物細胞である。また、ベクターとして
機能するDNA中に少なくとも、AOX1のプロモータ
ー、マーカー遺伝子、及び本発明の第2の態様のDNA
を含む組換えDNA分子で形質転換されたピチア(Pichi
a)属の酵母も本発明の形質転換体の好ましい例である。
【0052】本発明第6の態様の製造方法は、それぞれ
本発明第4、第5の態様の形質転換体を使用することを
特徴とする本発明第1の態様の新規蛋白質の製造方法で
ある。形質転換体の作製方法については既に説明した通
りである。当該製造方法では、まず、本発明第4もしく
は第5の態様の形質転換体を培養し、必要に応じて、遺
伝子の増幅や発現誘導を行う。次に、培養混合物を回収
し、それらを材料として、必要に応じて濃縮、可溶化、
透析、各種クロマトグラフィー等の操作を行い、本発明
の第1の態様の新規蛋白質を精製する。当該製造方法で
使用する形質転換体は、いかなる細胞を形質転換したも
のであってもよい。しかしながら、好ましくは、CHO
細胞等の哺乳動物細胞もしくは酵母、もしくは大腸菌の
いずれかより選択される細胞を宿主とした形質転換体で
あることが好ましい。
【0053】形質転換体の培養は、一般的な方法で行う
ことができる。形質転換体の培養については各種の成書
(たとえば、「微生物実験法」社団法人日本生化学会
編、株式会社東京化学同人、1992年、参照)があるの
で、それらを参考にして行うことができる。また、遺伝
子の増幅や発現誘導の方法および必要性は、宿主となる
細胞の種類や、使用するプロモーターによって異なる。
例えば、プロモーターがtrpプロモーターである時に
は3β−インドールアクリル酸で、MMTVプロモータ
ーである場合にはデキサメサゾンで、AOX1プロモー
ターであればメタノールで誘導することが可能である。
一方、遺伝子の増幅方法の例としては、宿主としてdh
fr欠損のCHO細胞、ベクターとしてdhfrを有す
るベクターを使用した際のメソトレキセートを使用した
遺伝子の増幅方法がある。
【0054】以下に、形質転換体として大腸菌、CHO
細胞、ピチア(Pichia) 属酵母を使用した場合の培養お
よび発現誘導の例を示す。trpプロモーターを有する
組換えDNA分子で形質転換された大腸菌では、L−ブ
ロース(L-Broth )で菌体を前培養し、それをM9−C
Aの培地に対して1/50量となるように植え込み、3
7℃で培養を行う。培養開始数時間後に培地のOD550
値が1〜4(すなわち対数増殖期)に達した時点で3β
−インドールアクリル酸を終濃度10μg/mlとなる
ように添加し発現誘導を行う。さらに約1〜2日の培養
を行うことにより、目的蛋白質を含む培養混合物を得る
ことができる。AOX1プロモーターを有する組換えD
NA分子で形質転換されたピヒア(Pichia)属の酵母を用
いる場合には、BMGY培地で約2日間前培養し、培地
交換後、メタノールを加えて発現誘導する。さらに、3
0℃で約2日間の培養を行い、目的蛋白質を含む培養混
合物を得ることができる。
【0055】一方、エロンゲーションファクターのプロ
モーターを有する発現プラスミドが導入されたCHO細
胞等の哺乳動物細胞の形質転換体では、10%ウシ胎児
血清を含有するDMEM培地で培養する。細胞は、約5
×104 細胞/mlの濃度で植え込み、37℃、5%炭
酸ガス/95%空気の条件で培養を行う。通常、2〜3
日後にコンフルエントな状態になるので、その時点で培
地を、血清不含のDMEMに交換する。さらに引き続
き、2〜3日間の培養を行うことにより目的蛋白質を含
む培養混合物を得ることができる。なお、目的蛋白質の
産生量が少ない場合には前述したようにdhfr遺伝子
欠損CHO細胞を使用し、メソトレキセートにより遺伝
子を増幅し、産生量を増加させることも可能である。
【0056】本発明第6の態様において、培養混合物と
は、培養上清もしくは細胞のライセートのことである。
すなわち、形質転換体が、当該蛋白質を細胞外に分泌す
る場合にはその培養上清を材料として、本発明の第1の
態様の新規蛋白質を回収、精製する。一方、当該新規蛋
白質が宿主細胞内に蓄積される場合には、リゾチーム、
界面活性剤、凍結融解、加圧等の手段を用いて細胞を破
砕した後、遠心分離して上清を回収し、濾過等により不
要な細胞断片等を取り除いた後に、それを材料として本
発明第1の態様の新規蛋白質を精製する。使用する形質
転換体が大腸菌であり、産生された当該新規蛋白質がペ
リプラズムに蓄積される場合は、ウィルスキー(Willsk
y) 等の方法(J. Bacteriol., 127巻、595-609 頁、197
6年)等が使用できる。
【0057】培養混合物から本発明第1の態様の新規蛋
白質を精製する方法としては、蛋白質の精製に通常使用
されている方法の中から適切な方法を適宜選択して行う
ことができる。すなわち、塩析法、限外濾過法、等電点
沈澱法、ゲル濾過法、電気泳動法、イオン交換クロマト
グラフィー、疎水性クロマトグラフィーや抗体クロマト
グラフィー等の各種アフィニティークロマトグラフィ
ー、クロマトフォーカシング法、吸着クロマトグラフィ
ーおよび逆相クロマトグラフィー等、通常使用され得る
方法の中から適切な方法を適宜選択し、必要によりHP
LCシステム等を使用して適当な順序で精製を行えば良
い。
【0058】当該製造方法において、本発明第1の態様
の新規蛋白質は、他の蛋白質との融合蛋白として形質転
換体に生産させてもよい。たとえば、大腸菌のβ−ガラ
クトシダーゼをコードするDNAの下流に目的の蛋白質
をコードするDNAを接続し、目的の蛋白質をβ−ガラ
クトシダーゼとの融合蛋白として発現させる方法は、高
い生産量が期待できることから一般に行われている方法
である。当該蛋白質を他の蛋白質との融合蛋白として発
現させた場合には、精製工程のいずれかのステップにお
いて、融合蛋白質をブロムシアン等の化学物質やプロテ
アーゼ等の酵素で処理して当該蛋白質を切り出す操作が
必要になる。
【0059】また、使用する形質転換体が大腸菌であっ
た場合に、当該蛋白質を不溶化蛋白であるインクルージ
ョンボディーとして産生させた場合には、精製の際に、
インクルージョンボディーを可溶化し、デネイチャー
し、リフォールディングするという操作を精製の適当な
ステップで行えばよい(トマス E. 及びクライトン J.
(Thomas E. and Creighton J.), Molecular Biology, 8
7巻, 563-577 頁, 1974年)。具体的には、まず、菌体
を破砕し、遠心分離してペレットを回収する。次に、尿
素もしくはグアニジン塩酸、界面活性剤、還元型グルタ
チオン、酸化型グルタチオンを適量含む可溶化バッファ
ー(たとえば、5Mグアニジン塩酸、0.005 %Tween80 、
50mMトリス塩酸(pH8.0)、5mM EDTA、2mM 還元型グルタ
チオン、0.02mM酸化型グルタチオンを含む緩衝液)をペ
レットに加え、2−メルカプトエタノールを加えてデネ
イチャーし、上記可溶化バッファーからグアニジン塩酸
を取り除いた溶液に対して透析してリフォールディング
する。融合蛋白質として発現させている場合には、これ
らの操作の後で、ブロムシアン等の化学物質もしくはプ
ロテアーゼ等の酵素で不要な蛋白質部分を切断し、その
後、適当なクロマトグラフィーを行う。
【0060】次に、本発明の第7の態様の精製方法を説
明する。本発明の第7の態様は、本発明第1の態様の新
規蛋白質を含有する試料中から本発明第1の態様の新規
蛋白質を精製する方法であって、少なくとも下記より選
ばれるいずれか1つ以上の工程を行う事を特徴とする。 (1)Fas抗原を使用したアフィニティークロマトグ
ラフィー (2)本発明第1の態様の新規蛋白質を認識する抗体を
使用したアフィニティークロマトグラフィー
【0061】当該精製方法は、上記(1)もしくは
(2)のいずれかのみを行うものであってもよく、
(1)および(2)の両方を行うものであってもよい。
また、他の精製方法と上記(1)もしくは(2)の少な
くとも1つを組合わせて行うものであってもよい。しか
しながら、好ましくは、蛋白質の精製方法として通常行
われている方法の前もしくは後に、上記(1)もしくは
(2)のいずれか一方、もしくは(1)および(2)の
両方の工程を任意の順序で行うものである。例えば、上
記(1)もしくは(2)の工程のいずれかに加え、レク
チンを吸着させた担体を使用したクロマトグラフィーを
行うだけで、本発明第1の態様の蛋白質を高純度で得る
ことができる。
【0062】本発明第1の態様の新規蛋白質を含有する
試料とは、当該新規蛋白質を含有するものであれば、い
かなるものであってもよい。例えば、細胞の培養上清で
あっても、細胞のライセートであってもよく、尿や血液
等の体液であってもよい。上記(1)のアフィニティー
クロマトグラフィーを行うためには、Fas抗原蛋白質
を適当な担体に吸着させる事が必要である。使用するF
as抗原はいかなる動物由来の物であってもよい。しか
しながら、精製しようとする目的の蛋白質が、前記式2
もしくは式6のアミノ酸配列の少なくとも一部を有する
ものである場合にはヒトFas抗原を、前記式3もしく
は式7のアミノ酸配列の少なくとも一部を有するもので
ある場合にはラットFas抗原もしくはマウスFas抗
原を、前記式第4もしくは式8のアミノ酸配列の少なく
とも一部を有するものである場合にはマウスFas抗原
を、それぞれ使用する事が好ましい。
【0063】Fas抗原を吸着させる担体の種類は特に
限定されない。Fas抗原を担体に結合させる場合に
は、Fas抗原蛋白質を直接担体に結合させるか、スペ
ーサーを介して結合させる。また、Fas抗原を他の蛋
白質との融合蛋白質として作製し、融合蛋白質中のFa
s抗原以外の部分をそれと結合可能な担体に結合させ、
間接的に、Fas抗原蛋白質を担体に結合させてもよ
い。例えば、Fas抗原と免疫グロブリンの定常領域と
の融合蛋白質であれば、免疫グロブリンとプロテインA
が吸着する性質を利用して、プロテインAが吸着したカ
ラムに該融合蛋白質を吸着させ、結果としてFas抗原
吸着担体を容易に得る事が可能になる。また、上記
(2)のアフィニティークロマトグラフィーを行うため
には、本発明第8の態様の新規抗体を使用することがで
きる。すなわち当該新規抗体をアガロース等の適当な担
体に直接、もしくはスペーサーを介して結合させ、これ
を、アフィニティークロマトグラフィー用カラムとして
使用する。なお、上述したレクチンを吸着させた担体の
好ましいものとしては、ConAを吸着させた担体があ
げられる。例えば、ConAをアガロース担体に吸着さ
せたものなどが市販されているのでそれらを適宜選択し
使用することが簡便である。
【0064】上記(1)および(2)のアフィニティー
クロマトグラフィー及び、レクチンを吸着させた担体を
使用するアフィニティークロマトグラフィーは、蛋白質
の精製に使用される溶液を適宜選択して溶出液とし、溶
出された各画分中の本発明の第1の態様の新規蛋白質の
存在を確認しながら行えばよい。本発明第1の態様の新
規蛋白質の存在を確認するには、Fas抗原を発現する
細胞に対する細胞障害活性を測定したり、本発明の第1
の態様の蛋白質を認識する抗体を使用したEIA等で確
認することができる。本発明の第1の態様の蛋白質を認
識する抗体については本発明第8の態様で説明する。
【0065】次に、本発明の第8の態様の新規抗体につ
いて説明する。本発明の第8の態様の新規抗体は、本発
明の第1の態様の新規蛋白質に結合することを特徴とす
る。本発明の第8の態様の新規抗体は、本発明の第1の
態様の新規蛋白質と結合する限り、モノクローナル抗体
であっても、ポリクローナル抗体であってもよい。
【0066】抗体、すなわち、免疫グロブリンの構造は
H鎖とL鎖とからなり、物理化学的性質や免疫学的性質
は、5つのクラス(IgG,IgA,IgM,IgD,
IgE)に分けられる。このうち、IgG、IgAはさ
らにH鎖のタイプによって、サブクラスに分けられる。
本発明の新規抗体は、これらのいずれのクラス、サブク
ラスに属するものであってもよい。さらに、免疫グロブ
リンは例えばペプシンで分解すると、F(ab’)2
Fc’に別れ、パパインで分解するとFabとFcの2
つのフラグメントに分かれる。本発明の抗体は、抗原と
結合するものであれば、完全な抗体分子でもその一部の
フラグメントでもよい。また、本発明の抗体はキメラ抗
体であってもよい。
【0067】本発明の新規抗体は、それがポリクローナ
ル抗体であっても、モノクローナル抗体であっても、公
知方法を参考にして得ることができる(例えば、免疫実
験操作法、日本免疫学会編、日本免疫学会発行、参
照)。以下に簡単に説明する。当該新規抗体を得るに
は、まず動物に、免疫抗原として本発明の第1の態様の
新規蛋白質を必要に応じてフロイントの完全アジュバン
ト(FCA)や不完全アジュバント(FIA)等の適切
なアジュバントとともに接種し、必要があれば2〜4週
間の間隔で追加免疫する。追加免疫後、採血を行い抗血
清を得る。抗原として用いる本発明の新規蛋白質が、そ
れが抗体の精製用に使用しうる精製度のものであればい
かなる方法で得られたものであってもよい。
【0068】また、免疫抗原として、本発明の蛋白質全
体ではなく、その一部の10〜20アミノ酸からなるペ
プチドを合成し、当該ペプチドを、キーホールリンペッ
トヘモシアニン(KLH)等のキャリアと結合させて使
用し、本発明の蛋白質と結合する抗体を選別してもよ
い。当該新規蛋白質で免疫する動物もいかなるものであ
っても良いが、好ましくは通常当業者で免疫学的な実験
に使用されるラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ウマ、
ニワトリ、ヤギ、ブタ、ウシ等から、目的の抗体を産生
しうる動物種を選択して使用することが好ましい。ポリ
クローナル抗体は、得られた抗血清を精製することによ
って得る事が出来る。精製は、塩析、イオン交換クロマ
トグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の
公知方法を適宜組み合わせて行えば良い。
【0069】モノクローナル抗体を得るには以下のよう
に行う。すなわち、免疫した動物から脾細胞もしくはリ
ンパ球等の抗体産生細胞を採取し、ポリエチレングリコ
ール、センダイウイルス、電気パルス等を用いる公知方
法によって、ミエローマ細胞株等と融合し、ハイブリド
ーマを作製する。その後、本発明の第1の態様の新規蛋
白質に結合する抗体を産生しているクローンを選択して
培養し、その選択されたクローンの培養上清を精製する
ことによって得れば良い。精製は、塩析、イオン交換ク
ロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー
等の公知方法を適宜組み合わせて用いれば良い。
【0070】また、遺伝子工学的な方法を用いても当該
新規抗体が得られる。すなわち、本発明第1の態様の新
規蛋白質で免疫した動物の脾細胞、リンパ球あるいは、
本発明第1の態様の新規蛋白質に対するモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマからmRNAを採取し、
これをもとにcDNAライブラリーを作成する。抗原と
反応する抗体を産生しているクローンをスクリーニング
し、得られたクローンを培養し、培養混合物から目的と
する抗体を公知方法を組み合わせて精製することができ
る。
【0071】本発明の新規抗体は、体液中や組織中に存
在する本発明の新規蛋白質を検出するために使用するこ
とができる。また、本発明の新規蛋白質を精製するため
に使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発
明の新規蛋白質を検出するために使用することができ
る。本発明の新規抗体は、細胞に対するFasリガンド
の作用を修飾するものであってもよい。細胞に対するF
asリガンドの作用を修飾する抗体の中で、特に好まし
くは、Fasリガンドが誘導するアポトーシスを抑制す
る効果を有するものである。当該抗体は、Fasリガン
ドが誘導するアポトーシスを完全に抑制するものであっ
てもよく、また、部分的に抑制するものであっても良
い。
【0072】Fasリガンドが誘導するアポトーシスを
抑制する効果を有する抗体を得るには、前記ポリクロー
ナル抗体およびモノクローナル抗体を製造する過程で得
られる血清や、ハイブリドーマの培養上清を、例えば、
次のようなアッセイ系にかけてスクリーニングする。す
なわち、FasリガンドもしくはFasリガンドを発現
する細胞と、Fas抗原を発現する細胞とを使用したin
vitroのアッセイ系等である。スクリーニングの結果、
選別された血清や培養上清から公知方法を組み合わせて
目的の抗体を精製する。なお、Fasリガンドもしくは
Fasリガンドを発現する細胞とFas抗原を発現する
細胞を利用したスクリーニング方法の好ましい例は、本
発明第10の態様で説明する。Fasリガンドが誘導す
るアポトーシスを、完全に、又は、部分的に抑制するこ
とができる抗体は、生体におけるアポトーシスを調節す
るために使用することができる。たとえば、当該抗体は
リウマチにおける関節組織の破壊、全身性エリテマトー
デス(SLE)における自己組織の破壊、あるいは糖尿
病、インフルエンザ、エイズ、肝炎等の組織や細胞のア
ポトーシスが関与する疾患の治療薬として使用すること
ができる。
【0073】次に本発明第9の態様を説明する。本発明
第9の態様は、Fasリガンド遺伝子の一部もしくはF
asリガンドに対するmRNAの一部に相補的な塩基配
列を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチドまたはオ
リゴヌクレオチド誘導体である。当該オリゴヌクレオチ
ドおよびオリゴヌクレオチド誘導体には、その塩基配列
として、前記相補的な塩基配列のみを有する物、前記相
補的な塩基配列に加えて、リボザイム配列等、他の塩基
や塩基配列を有する物のいずれもが含まれる。ここで、
「Fasリガンド遺伝子」とは、Fasリガンドをコー
ドするDNAを含む遺伝子のことであり、Fasリガン
ドをコードする領域に加え、その制御領域を含むもので
ある。制御領域は、Fasリガンドをコードする領域の
上流に存在するもの、下流に存在するものいずれをも意
味する。「Fasリガンドに対するmRNA」とは、F
asリガンドをコードする塩基配列を含むmRNAであ
る。当該mRNAには、Fasリガンドをコードする塩
基配列に加え、その上流および下流のノンコーディング
領域を含むものも含まれる。
【0074】Fasリガンドをコードする染色体DNA
は、図16〜18に示したように、イントロン部位とエ
クソン部位とからなることがわかっている。イントロン
とエクソンからなるDNAがmRNAに転写される際に
は、まず、イントロンとエクソンとがそのまま転写され
てpre−mRNAとなり、その後スプライシングを受
けて、イントロンに対応する部分が削除され、エクソン
部分のみが転写された成熟mRNAとなる。ここでいう
「Fasリガンドに対するmRNA」には、pre−m
RNA、成熟mRNAのいずれもが含まれる。また、
「Fasリガンド遺伝子の一部もしくはFasリガンド
に対するmRNAの一部」とは、それらがコーディング
領域であるか否かに関わらず、また、イントロン部位、
エクソン部位に関わらず、Fasリガンド遺伝子もしく
はFasリガンドに対するmRNAに含まれるいかなる
部分をも意味する。
【0075】なお、本発明の第9の態様において「Fa
sリガンド」はいかなる動物種由来のFasリガンドで
あってもよいが、好ましくは、ヒト、ラット、マウスい
ずれかに由来するFasリガンドである。診断薬や医薬
品への応用を考えると、特に好ましくは、ヒトFasリ
ガンドである。ヒトFasリガンド遺伝子のコーディン
グ領域付近の塩基配列は図16〜18に示してある。ま
た、ヒトFasリガンド、ラットFasリガンド、マウ
スFasリガンドをコードするDNAの塩基配列はそれ
ぞれ配列番号17、15、18に示してある。上記各F
asリガンドに対する各成熟mRNAの塩基配列は、配
列番号17、15、18に示された塩基配列中のTをU
に読み変えた配列である。
【0076】「相補的な塩基配列」とは、DNAやmR
NAの塩基配列に対して塩基特異的に相補的塩基対を形
成するような塩基配列をいう。一般的には、C(シトシ
ン)とG(グアニン)の間、T(チミン)とA(アデニ
ン)の間、およびU(ウラシル)とA(アデニン)との
間で相補的塩基対が形成されることが知られている。し
たがって、ヒトFasリガンド遺伝子に相補的な塩基配
列、およびヒトFasリガンド、ラットFasリガン
ド、マウスFasリガンドに対する各成熟mRNAに相
補的な塩基配列は、それぞれ、図16〜18、配列番号
17、15、18に示した塩基配列中のAに対してT、
Cに対してG、Gに対してC、Tに対してAを対応させ
た配列、もしくはAに対してU、Cに対してG、Gに対
してC、Tに対してAを対応させた配列を含むものであ
る。なお、「相補的な塩基配列」にはC、G、A、T、
Uからなる塩基配列のみならず、これら塩基の誘導体を
含む塩基配列も含まれる。
【0077】本発明のオリゴヌクレオチドには、塩基、
リン酸、糖からなるヌクレオチドが複数結合したもの全
てが含まれる。その代表的な物はDNAとRNAであ
る。本発明のオリゴヌクレオチド誘導体には、その立体
構造や機能がオリゴヌクレオチドと類似するものすべて
が含まれる。たとえば、オリゴヌクレオチドの3’末端
もしくは5’末端に他の物質が結合した物や、オリゴヌ
クレオチドの塩基、糖、リン酸の少なくともいずれか1
つにおいて、置換や、修飾が生じた物質、天然には存在
しないような、塩基、糖、リン酸を有する物や、糖−リ
ン酸骨格以外の骨格(バックボーン)を有するもの等で
ある。
【0078】本発明第9の態様のオリゴヌクレオチドお
よびオリゴヌクレオチド誘導体は、Fasリガンド遺伝
子の一部もしくはFasリガンドに対するmRNAの一
部に相補的な塩基配列を有し、これらの遺伝子やmRN
Aにハイブリダイズするものが好ましい。特に好ましく
は、少なくともヒトFasリガンド遺伝子もしくはヒト
Fasリガンドに対するmRNAにハイブリダイズする
ものである。Fasリガンド遺伝子もしくはFasリガ
ンドに対するmRNAにハイブリダイズするようなオリ
ゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド誘導体は、組
織や細胞におけるFasリガンド遺伝子の存在やその発
現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプロー
ブとして使用することができる。さらに、これらのオリ
ゴヌクレオチドおよびその誘導体は、Fasリガンド遺
伝子もしくはmRNAにハイブリダイズして、Fasリ
ガンドの発現を促進もしくは抑制することが期待される
ので、Fasリガンドの発現を調節し、Fasリガンド
によって誘導されるアポトーシスが関与する疾患の治療
薬として使用することができる。
【0079】本発明のオリゴヌクレオチドおよびオリゴ
ヌクレオチド誘導体は、Fasリガンド遺伝子もしくは
Fasリガンドに対するmRNAにハイブリダイズし、
Fasリガンドの発現を調節する活性を有するものが好
ましく、特に好ましくは、Fasリガンドの発現を抑制
するものである。すでに述べたように、エイズや肝炎に
おける細胞死はFas抗原を介したアポトーシスである
と考えられている。したがって、Fasリガンドの発現
を抑制するオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチ
ド誘導体は、エイズ、肝炎をはじめ、リウマチにおける
関節組織の破壊、全身性エリテマトーデス(SLE)に
おける自己組織の破壊、糖尿病、インフルエンザ等のF
asリガンドを介したアポトーシスが関与する疾患の治
療薬として使用することができる。一方、Fasリガン
ドの発現を促進するものは、エイズ感染初期の治療や、
リウマチにおける滑膜細胞の異常増殖や自己免疫疾患に
おける自己抗原反応性T細胞の増殖を抑制するため等、
生体にとって不要な細胞を除去するために使用できる。
【0080】蛋白質をコードするDNAやmRNAに相
補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドを使用して、
その蛋白質の発現を調節する方法は、アンチセンス法と
呼ばれており、現在多くの研究者によって研究が進めら
れている技術である。相補的な配列を有するオリゴヌク
レオチドは、遺伝子からpre−mRNAへの転写段
階、pre−mRNAから成熟mRNAへのプロセッ
シング段階、核膜通過段階、蛋白への翻訳段階のい
ずれかで、遺伝子情報を担うDNAもしくはmRNAに
結合し、遺伝情報の伝達の正常な流れに影響を与えて蛋
白質の発現を調節すると考えられている。
【0081】本発明のオリゴヌクレオチドおよびオリゴ
ヌクレオチド誘導体は、Fasリガンド遺伝子もしくは
mRNAのいかなる部分にハイブリダイズする物であっ
てもよい。ハイブリダイズのし易さの点では、一般的に
は、ステム・ループを形成しているmRNAのループ部
分を狙うとよいとされている(東海林洋子、臨床免疫、
25巻、1200−1206頁、1993年)。また、翻訳開始コドン
付近、リボソーム結合部位、キャッピング部位、スプラ
イス部位に結合するようなオリゴヌクレオチド、すなわ
ち、これらの部位の配列に相補的な配列を有するオリゴ
ヌクレオチドは、一般に高い発現抑制効果が期待できる
ものと考えられているので(癌と化学療法、20巻、13
号、1899−1907頁)、本発明のオリゴヌクレオチドまた
はオリゴヌクレオチド誘導体が、Fasリガンド遺伝子
もしくはmRNAの翻訳開始コドン付近、リボソーム結
合部位、キャッピング部位、スプライス部位に結合する
もの、すなわち、これらの部位に相補的な配列を含むも
のであれば、高い発現抑制効果が期待される。
【0082】本発明のオリゴヌクレオチドおよびオリゴ
ヌクレオチド誘導体は、診断や医薬用途として使用する
ことを考慮すると、Fasリガンド遺伝子もしくはmR
NAと、特異的にハイブリダイズするものが好ましい。
一般的には、15塩基以上の塩基を含む塩基配列であれ
ば、特異性のある配列であると考えられている(横山一
成、蛋白質 核酸 酵素、38巻、754 〜765 頁、1994
年)。したがって、当該オリゴヌクレオチドおよびオリ
ゴヌクレオチド誘導体も、Fasリガンド遺伝子もしく
はFasリガンドに対するmRNAに相補的な塩基配列
であって15塩基以上からなる塩基配列を含むものであ
れば、Fasリガンド遺伝子もしくはFasリガンドに
対するmRNAに特異的に結合することが期待される。
【0083】一方、オリゴヌクレオチドを細胞内に取り
込ませるには、その長さはあまり長すぎても不適当であ
る。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドおよびオ
リゴヌクレオチド誘導体を細胞内に取り込ませ、Fas
リガンドの発現を調節させる場合には、当該オリゴヌク
レオチドおよびこれらオリゴヌクレオチドの誘導体はF
asリガンド遺伝子もしくはFasリガンドに対するm
RNAに相補的な15塩基以上30塩基以下の相補的な
塩基配列を有するものが好ましい。
【0084】アンチセンス技術の進歩とともに、オリゴ
ヌクレオチドの医薬品としての効果を高めることを目的
として様々な誘導体が見いだされてきた。現在、目的の
DNAやmRNAとの結合力、組織選択性、細胞透過
性、ヌクレアーゼ耐性、細胞内安定性の高い様々なオリ
ゴヌクレオチド誘導体が得られている。前述のように、
本発明の「オリゴヌクレオチド誘導体」には、天然には
存在しないような、塩基、糖、リン酸、バックボーン構
造からなるものも含めて、あらゆる種類の誘導体が含ま
れる。
【0085】現在一般に知られている誘導体の例として
は、バックボーン構造として、その全部または一部にフ
ォスフォジエステル(phosphodiester)結合、フォスフ
ォロチオエート(phosphorothioate)結合、フォスフォ
トリエステル(phosphotriester )結合、メチルフォス
フォネート(methylphosphonate )結合、フォスフォロ
アミデート(phosphoroamidate)結合、フォスフォロジ
チオエート(phosphorodithioate)結合、モルホリノ基を
有する物等(東海林 洋子等、癌と化学療法、20巻、18
99−1907頁、1993年)があげられる。また、ポリアミド
−核酸(PNA)(P.E.ニールセン(P.E.Nielsen )
等、Science 、254 巻、1497−1500頁、1991年)や、糖
の2’位が、他の原子あるいは置換基に置換されたも
の、α−リボース等、糖部分を修飾したものも誘導体の
例として挙げられる(ミカエル J. ゲート(Michael J.
Gait), 290-299頁; in Antisense Research and Applic
ations, CRC 出版、フロリダ、1993年)。
【0086】さらに、糖部分が他の物質に置換されたも
の、一部の塩基がイノシン(A、T、C、Gのいずれに
でも結合するユニバーサル塩基と呼ばれる)に置換され
た物、オリゴヌクレオチドの5’末端もしくは3’末端
もしくは内部にコレステロールやアクリジン、ポリ−L
−リジン、ソラレン、長鎖アルキル等が結合したもの等
も、オリゴヌクレオチド誘導体の例として知られている
(マコト マツクラ(Makoto Matsukura),506-519頁およ
びポール S. ミラー(Paul S. Miller)等、190-202 頁;
in Antisense Research and Applications, CRC 出版、
フロリダ、1993年)。本発明のオリゴヌクレオチド誘導
体は、上に例示した誘導体をはじめとしていかなる誘導
体であってもよい。しかしながら、当該誘導体は、ヌク
レアーゼ耐性、組織選択性、細胞透過性、結合力の少な
くとも1つが高められた誘導体であることが好ましい。
特に好ましくは、当該オリゴヌクレオチド誘導体は、フ
ォスフォロチオエート結合をバックボーン構造として有
する誘導体である。
【0087】以下に、本発明のオリゴヌクレオチドおよ
びオリゴヌクレオチド誘導体の製造方法を説明する。オ
リゴヌクレオチドやその誘導体は、公知方法で製造する
ことができる(例えば、スタンレー T.クルーク(Sta
nley T. Crooke) およびベルナルド レブロー(Bernald
Lebleu)編、in Antisense Research and Application
s, CRC 出版、フロリダ、1993年)。天然のDNAやR
NAであれば、目的とする本発明のオリゴヌクレオチド
配列の5’末端、3’末端に相補的な配列をもつセンス
プライマー、アンチセンスプライマーを化学合成し、F
asリガンド遺伝子もしくはRNAを鋳型としてPCR
法により本発明のオリゴヌクレオチドを得ることができ
る。また、メチルフォスフォネート型やフォスフォロチ
オエート型等、誘導体の中には、化学合成機(たとえば
パーキンエルマージャパン(株)製、394型)を使用
して合成できるものもある。この場合には、化学合成機
に添付されたマニュアルに従って操作を行い、得られた
合成産物を逆相クロマトグラフィー等を用いたHPLC
法により精製することによっても、目的のオリゴヌクレ
オチドもしくはオリゴヌクレオチド誘導体を得ることが
できる。最近では、注文に応じてオリゴヌクレオチドの
合成を請け負う企業も増えており、それらの企業に委託
してもよい。
【0088】次に、本発明のオリゴヌクレオチドおよび
オリゴヌクレオチド誘導体の利用方法について説明す
る。本発明のオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオ
チド誘導体を診断用のプローブとして使用する場合に
は、それらを、公知の方法に従い、ラジオアイソトープ
や、酵素、蛍光物質、発光物質等で標識する。次に、F
asリガンドの発現を調べたい患者の細胞からDNAも
しくはmRNAを公知方法で調製し、これを被検物質と
して、前記標識プローブを加えて反応させた後、洗浄し
て未反応の前記標識プローブを除去する。被検物質中
に、Fasリガンド遺伝子もしくはRNAが含まれてい
れば、当該オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチ
ド誘導体はそれらと結合する。結合形成の有無は、標識
した酵素、蛍光物質、発光物質、あるいは放射性同位元
素等を指標として知ることができる。
【0089】近年、Fasリガンドの発現と自己免疫疾
患の関係等が報告されているので、本発明のオリゴヌク
レオチドを使用した診断プローブは、たとえば、リウマ
チやSLE等の自己免疫疾患等の診断に利用することが
できる。また、炎症時のT細胞による細胞障害にもFa
sリガンドが関係していると考えられるので、炎症の程
度や治療方法を決定するための診断にも使用することが
できる。本発明のオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌク
レオチド誘導体を医薬用途に使用する場合には、医薬品
として使用するのに適した純度のものを、薬理学的に許
容されうる使用方法で使用することが好ましい。本発明
第9の態様のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオ
チド誘導体は、それらを直接適当な溶媒に溶解もしくは
懸濁して使用してもよいし、リポソーム中に封入した
り、適当なベクターに組み込んだ形にして使用してもよ
い。また、必要に応じて、本発明のオリゴヌクレオチド
またはオリゴヌクレオチド誘導体に薬理学的に許容され
得る補助成分を添加し、注射剤、錠剤、カプセル剤、点
眼剤、クリーム剤、座剤、噴霧剤、パップ剤等適当な剤
型にして使用してもよい。薬理学的に許容され得る補助
成分とは、溶媒、基剤、安定化剤、防腐剤、溶解剤、賦
形剤、緩衝剤等のことである。
【0090】本発明のオリゴヌクレオチドおよびオリゴ
ヌクレオチド誘導体は、患者の年齢や、性別、疾患の種
類、程度に応じて、その投与方法、その投与量を設定し
て使用することができる。すなわち、アポトーシスを調
節し、病態を改善するのに適した量を、経口的に、ある
いは、吸入、経皮投与、点眼、膣内投与、関節内投与、
直腸投与、静脈内投与、局所投与、筋肉内投与、皮下投
与、腹腔内投与等、非経口的に、適当な方法を選んで投
与すればよい。
【0091】以下に、本発明第10の態様のスクリーニ
ング方法について説明する。本発明の第10の態様のス
クリーニング方法は、FasリガンドもしくはFasリ
ガンドを発現するように形質転換した形質転換体を使用
することを特徴とする。本発明のスクリーニング方法で
使用するFasリガンドは、いかなる動物種に由来する
物であってもよいが、好ましくは、ヒト、ラット、マウ
スより選ばれるいずれかの動物種のFasリガンド、す
なわち、前記式2ないし4もしくは6ないし8のいずれ
かのアミノ酸配列を有するFasリガンドである。より
好ましくは、ヒトFasリガンドである。ところで、F
asリガンドは細胞表面上に存在する膜型蛋白質である
ため、Fas抗原等の他分子と結合する領域は細胞外領
域であると考えられる。したがって本発明のスクリーニ
ング方法においては、上記Fasリガンドの細胞外領域
部分が好適に使用できる。当該スクリーニング方法で使
用するFasリガンドは、本発明第6の態様の説明に示
した方法で得ることができる。また、Fasリガンドを
発現する形質転換体は本発明第5の態様で説明した方法
で得ることができる。
【0092】本発明第10の態様のスクリーニング方法
を使用すれば、Fasリガンドに結合する物質やFas
リガンドの発現を調節する物質をスクリーニングするこ
とができる。ここでいう物質には、化合物、ペプチド、
蛋白質、抗体、核酸などすべての物質が含まれる。ま
た、これらのスクリーニング方法を使用して、Fasリ
ガンドが関与する疾患の診断を行うことも可能である。
例えば、自己免疫疾患の患者より血球細胞や組織由来の
細胞を分離し、FasリガンドもしくはFasリガンド
を発現する形質転換体と反応させ、患者から分離した細
胞に生じるアポトーシスの程度を観察することにより、
その患者のFas抗原の機能もしくは発現に異常がある
かないかを診断することができる。そして、その診断結
果を参考に、原因に応じた治療を選択することができ
る。
【0093】本発明のスクリーニング方法では、好まし
くは、FasリガンドまたはFasリガンドを発現する
形質転換体に加え、Fas抗原を発現する細胞を使用す
ることが好ましい。この方法を使用すれば、Fasリガ
ンドに結合する物質、Fasリガンドの発現を促進もし
くは抑制する物質に加え、Fas抗原の発現を促進もし
くは抑制する物質等、Fasリガンドの細胞への作用に
影響を与える物質をスクリーニングすることができる。
Fasリガンドの細胞に対する作用の代表的なものはア
ポトーシスの誘導であるが、当該スクリーニング方法
は、アポトーシスを促進したり抑制したりする物質の他
にも、Fasリガンド存在下でFas抗原発現細胞に生
じる何らかの変化を促進したり抑制したりする物質のス
クリーニングにも適している。
【0094】当該スクリーニング方法は、好ましくは、
下記(1)ないし(3)より選ばれるいずれかの工程を
含むものである。すなわち、 (1)a.FasリガンドもしくはFasリガンドを発
現する形質転換体とFas抗原を発現する細胞とを共培
養する。 b.aに被験物質もしくは被験物質を含む試料を添加す
る。 c.Fas抗原を発現する細胞の生死、形態的変化もし
くは生化学的変化のうち少なくともいずれか1つを測定
する。 (2)a.被験物質もしくは被験物質を含む試料をFa
sリガンドもしくはFasリガンドを発現する形質転換
体とインキュベートする。 b.aにFas抗原を発現する細胞を加えて、培養す
る。 c.Fas抗原を発現する細胞の生死、形態的変化もし
くは生化学的変化のうち少なくともいずれか1つを測定
する。 (3)a.被験物質もしくは被験物質を含む試料をFa
s抗原を発現する細胞とインキュベートする。 b.aに、FasリガンドもしくはFasリガンドを発
現する形質転換体を加えて培養する。 c.Fas抗原を発現する細胞の生死、形態的変化もし
くは生化学的変化のうち少なくともいずれか1つを測定
する。
【0095】Fas抗原を発現する細胞の形態的変化も
しくは生化学的変化を測定する方法は、その変化を検出
できる方法であれば特に限定されない。Fas抗原を発
現する細胞のアポトーシスの有無やその程度を測定する
のであれば、Fas抗原を発現する細胞にあらかじめ取
り込ませた51Crの放出量から測定することができる。
また、トリパンブルーを用いた染色や、ホルマザンの生
成を指標としたアッセイ(MTTアッセイ、アルマール
ブルーアッセイ等)を行って、Fas抗原を発現する細
胞のうち生き残った細胞数を測定してもよい。
【0096】なお、Fas抗原を発現する細胞はいかな
る細胞であってもよい。たとえば、エイズウイルス感染
細胞のようにウイルスや薬物によってFas抗原の発現
が誘導された細胞でもよいし、Fas抗原を発現する株
化細胞やハイブリドーマ、形質転換体であってもよい。
好ましくは、ヒトFas抗原を発現する細胞であり、特
に、ヒトFas抗原を発現する形質転換体、たとえば、
WC8細胞(イトウ N. (Itoh N.) 等、J. Immunol., 1
51巻、621-627 頁、1993年)を使用するのが好ましい。
【0097】
【実施例】以下に、実施例をもって本発明を一層具体的
に説明するが、これらは一例として示すものであり、本
発明はこれらにより何等限定されるものではない。ま
た、以下の記載において用いる略号は、当該分野におけ
る慣用略号に基づくものである。なお、以下に示す実施
例中の諸操作は、主にサムブルック等編〔モレキュラー
クローニング,ア ラボラトリーマニュアル 第2版〕
コールドスプリングハーバーラボラトリー,1989年;今
本文男等編〔組換え遺伝子の細胞への導入と発現〕蛋白
質核酸酵素臨時増刊28(14)1983年;岡田善雄監修〔細
胞工学的技術総集編〕実験医学臨時増刊7(13)1989年
等を参考として実施した。
【0098】(実施例1)キメラ蛋白質の調製 (1)発現プラスミドpFas−FcIIの調製 実施例2で使用する、マウスFas(mFas)抗原の
細胞外領域とヒトIgG1(hIgG1)のFc領域と
を結合させたキメラ蛋白質(以下mFas−Fcと称す
る)の発現プラスミドを以下の方法で作製した。まず、
配列表の配列番号19〜20に示すマウスFas抗原染
色体遺伝子のイントロン4のセンス配列(GATTTT
CAACCACTCAGTCG)を含むオリゴヌクレオ
チドプライマー1と、イントロン5のアンチセンス配列
(ATGCGGCCGCTGGATCCTTTGTAT
GAAATTGAGTAAT)を含むオリゴヌクレオチ
ドプライマー2を化学合成した。後者のオリゴヌクレオ
チドプライマーには配列表の配列番号21に示すBam
HIサイトを付加してある。これらのオリゴヌクレオチ
ドプライマーを用いて、マウスFas抗原染色体遺伝子
を含むプラスミド(pMF3ES,1992年度、分子生物
学会)を鋳型にしてPCRを行った。その結果、エクソ
ン5の5’末端および3’末端にフランキングリージョ
ンを有する、383bpのDNA断片が増幅された。
【0099】得られた増幅産物をPstIとBamHI
で消化し、エクソン5の3’末端とイントロン5の一部
を含む128bpのDNAフラグメントを得た。得られ
たDNAフラグメントでプラスミドpMF1(ワタナベ
−フクナガ(Watanabe-Fukunaga R.)等、J. Immunol. 14
8 巻、1274-1279 頁、1992年)のPstI−BamHI
DNAフラグメント部分を置き換え、プラスミドpMF
Xを作製した。一方、ヒトIgG1重鎖定常領域に対す
るエクソンを有するプラスミドpMH4(ニシムラY.
(Nishimura Y.)等、Cancer Res., 47巻、999-1005頁、
1987年)をHaeIIで消化し、得られた1.7kbpの
DNAフラグメントをpBluescript KS
(+)のXbaIサイトにサブクローニングした。
【0100】これをHincIIおよびApaIで消化
し、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインをコードする
エクソンを含む1.4kbpのDNAフラグメントを得
た。このフラグメントを前述のプラスミドpMFXのX
baIサイトに挿入し、プラスミドpFAS−Fcを作
製した。プラスミドpFAS−FcをKpnIで切断
後、平滑化しNotIで消化し、得られた2.3kbp
のDNAフラグメントを、哺乳動物発現ベクターpEF
BOS(ミズシマ S.(Mizushima S.) およびナガタS.(N
agata S.)、Nucleic Acids Res., 18巻、5332頁、1990
年)にライゲートして、目的とする発現プラスミドpF
AS−FcIIを得た。
【0101】(2)発現プラスミドhTNFRβ−Fc
の作製 実施例2で使用する、TNFレセプターβとヒトIgG
1のFc領域キメラ蛋白質(以下、hTNFRβ−Fc
と称する)の発現プラスミドphTNFRβ−Fcを以
下のように構築した。まず、プラスミドp55TNFr
−HG1(レオスツシャー H.(Leostscher H.)等、J. B
iol. Chem., 266 巻、18324-18329 頁、1991年)をKp
nIとHindIII で消化し、650bpのDNAフラ
グメントを調製した。プラスミドp55TNFr−HG
1は、人工的スプライスドナー配列(artificial splic
e donor sequence)に続くヒトTNFレセプター(p5
5)の細胞外領域をコードするcDNA配列を含むプラ
スミドである。
【0102】一方、プラスミドpFAS−FcIIをHi
ncIIおよびHindIII で消化した。マウスFas抗
原の細胞外領域をコードする配列を含む約700bpの
DNAフラグメントを、前述の650bpのKpnI−
HindIII フラグメントと入れ換え、目的とするプラ
スミドphTNFRβ−Fcを得た。
【0103】(3)発現プラスミドpBF−Fc1の調
製 実施例10で使用する、ヒトFas抗原の細胞外領域と
ヒトIgG1のFc領域キメラ蛋白質(以下、hFas
−Fcと称する)の発現プラスミドpBF−Fc1を以
下のように構築した。まず、ヒトFas抗原をコードす
るDNA(イトウ N.(Itoh N.)等、Cell, 66巻、233-24
3 頁、1991年)を含むプラスミドpBLF58−1をX
hoIとBamHIで消化し、700bpの断片を得
た。次にキメラ蛋白質mFas−Fcの発現ベクター構
築に用いたpFas−FcをXhoI、BamHIで消
化し、先述の700bpの断片を挿入した(pBHF−
C1)。
【0104】一方、pBLF58−1を鋳型とし、配列
表の配列番号22に示すセンスプライマー1(ATGC
CCAAGTGACTGACATCAACT)と配列表
の配列番号23に示すアンチセンスプライマー1(GC
GCGGATCCAGGAAGTGGGAAAGGAT
TACCTTCCTCTTTGCACTTGGTG)を
使用してPCRを行い、ヒトFas抗原の細胞外領域
に、マウスFas抗原染色体遺伝子のイントロン5の配
列、BamHIサイトを付加した断片を調製した。この
PCR産物をMscIとBamHIで消化し、得られた
360bpのDNA断片をMscIとBamHIで消化
したpBHF−C1に挿入した。ついで、形成されたプ
ラスミドをKpnIで切断後、平滑化し、NotIで消
化し、ヒトFas、ヒトIgをコードするDNA断片を
得た。この断片を、BstXIで切断後平滑化し、かつ
NotIで切断したpEF−BOSに挿入し、ヒトFa
s−Fc発現ベクターpBF−Fc1を得た。
【0105】(4)キメラ蛋白質の生産と精製 プラスミドpFas−FcIIおよびphTNFRβ−F
cでそれぞれCOS−7細胞、BTS−1細胞を(セデ
ィビー J. M.(Sedivy J. M.), Biol. Technology, 6
巻、1192-1196 頁、1993年)を形質転換させた。また、
プラスミドpBF−Fc1でCOS−7細胞を形質転換
させた。COS−7細胞の形質転換は、フクナガ R. (F
ukunaga R.) らが報告したDEAE−デキストラン法で
行った(フクナガ R.(Fukunaga R.)等、Cell, 61巻、34
1-350 頁、1990年)。形質転換の後、COS−7細胞
を、10%のFCSを含む培地中で24時間インキュベ
ートし、さらに、血清不含の培地中で48時間および7
2時間インキュベートした。インキュベート後の培養上
清液を集め、遠心分離操作を行った後、0.45μmの
フィルターを通して細胞の破砕物を除き、プロテインA
−セファロース4Bカラム(ファルマシア社製)クロマ
トグラフィーにより、キメラ蛋白質mFas−Fc、h
TNFRβ−Fc、hFas−Fcをそれぞれ精製し
た。
【0106】一方、BTS−1の形質転換は、エレクト
ロポレーション(ポッター H.(Potter H.)等、Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA, 81巻、7161-7165 頁、1984年)に
よって行った。すなわち、プラスミドpFas−FcII
をApaLIで、プラスミドphTNFRβ−FcをS
acIで消化した後、各々のプラスミドDNA50μg
をそれぞれ、XhoIで切断したpSTneoB5μg
とともに、1×107個の細胞を形質転換した。10%
FCSと300μg/mlのG−418とを含むDME
Mで10日間選択を行った後、G−418耐性クローン
を分離し、39.5℃で増殖させた。
【0107】目的とするキメラ蛋白質を生産するクロー
ンを同定するため、クローンの一部を33℃で3日間培
養し、培地中に分泌されたキメラ蛋白質を、酵素免疫法
(ELISA)で検定した。検定に使用したELISA
では、捕獲抗体として抗ヒトIgG−Fc抗体(カッペ
ル 55071)を、検出抗体として西洋ワサビペルオキシダ
ーゼ標識抗ヒトIgG−Fc抗体(ジャクソン研究所、
109 −035098)を用いた。mFas−FcおよびhTN
FRβ−Fcを効率的に生産する形質転換体を一つず
つ、39.5℃で増殖させた後、15cmプレートに5
0%コンフルエントとなるように植え込んだ。33℃で
1週間培養したのち、培養上清からmFas−Fcとh
TNFRβ−FcをプロテインA−セファロース4Bカ
ラム(ファルマシア社製)クロマトグラフィーにより、
精製した。精製後のmFas−FcをSDS−PAGE
で分析したところ、還元下で分子量55kDの位置にバ
ンドが認められ、非還元下においては、分子量110k
Dの位置にバンドが認められた。これは、得られたキメ
ラ蛋白mFas−Fcが、S−S結合によるホモダイマ
ーとして存在していることを示している。
【0108】(実施例2)フローサイトメトリーによる
解析およびd10S−2細胞株の選択 (1)キメラ蛋白質のビオチン化およびFITC標識 スルホサクシニミジル 6−(ビオチンアミド)ヘキサ
ノエート(NHS −LC−ビオチン、ピアス社製、21335 )
を用い、その操作手順書に従って、mFas−Fcおよ
びhTNFRβ−Fcとをビオチン化した。また、1m
gのhTNFRβ−Fcと20μgのFITCとを、1
mlの50mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)中
で混合し、室温で4時間反応させた後、未結合のFIT
CをセファデックスG−25Mを用いたカラムクロマト
グラフィーで除去し、FITC標識hTNFRβ−Fc
を得た。
【0109】(2)フローサイトメトリー PC60−d10S細胞(以下、d10Sと略す。ルービエ
E.(Rouvier E.) 等、J. Exp. Med., 177 巻、195-200
頁、1993年)を染色用溶液(2%FCS と0.02%NaN3とを
含むリン酸緩衝生理食塩水( 以下、PBS と略す)) を用
いて洗浄した。約1×106 細胞を、5μg/mlのラ
ット抗マウスFcγRIIブロッキング抗体(ファーミジ
ェン社製)を含む染色用溶液50μlに懸濁した。これ
を96ウェルプレートの各ウェルに添加し、氷上で10
分間インキュベーションした。50μlの20μg/m
lビオチン化mFas−Fcを各ウェルに加え、氷上で
さらに30分間インキュベーションした。染色用溶液で
洗浄の後、フィコエリスリン標識ストレプトアビジン
(25倍希釈、ベクトン−ディッキンソン社製)を加
え、さらに染色用溶液を加えて100μlとし、氷上で
30分間反応させた。
【0110】細胞を染色用溶液で洗浄した後、FACS
can(ベクトン−ディッキンソン社製)を用いたフロ
ーサイトメリーによって解析を行った。この結果を図1
aに示す。対照は白抜部分として、またPMAとイオノ
マイシンで4時間処理する前に染色したものを影付され
た部分として、さらに、PMAとイオノマイシンで4時
間処理した後に染色したものを着色部分で表した。その
結果、蛍光強度のわずかなシフトが認められ、当該細胞
がビオチン化mFas−Fcで染色された事が確認され
た。一方、d10S細胞を、ビオチン化hTNFβ−F
cで同様に染色し、フローサイトメトリーで分析したと
ころ、染色は認められなかった。これらの結果、実施例
1で調製したmFas−Fcは、d10S細胞上のFa
sリガンドに特異的に結合することが確認された。
【0111】(3)d10S−2細胞株の選択 (2)で、高い蛍光活性が認められたd10S細胞、1
〜3×107 個に、前述の方法でビオチン化mFas−
FcおよびFITC標識ヒトTNFRβ−Fcを反応さ
せ、次いで、フィコエリスリン標識ストレプトアビジン
で染色し、FACStar(ベクトン−ディッキンソン
社製)でソーティングした。フィコエリスリン蛍光を高
いレベル(上位0.3〜0.5%)で発する細胞を集
め、10%FCSと50nMの2−メルカプトエタノー
ルを含むダルベッコ変法イーグルMEM(Dulbecco's M
odified Eagle Medium,以下D−MEMと略す)で増殖
させた。得られた細胞に対し、上記操作を更に繰り返し
た結果、選択された細胞群をd10S−2と名づけた。
d10S−2について、d10Sと同様にフローサイト
メトリーを行った結果を図1bに示す。このd10S−
2は、刺激剤存在下、非存在下両方において、高いFa
sリガンド発現量を示す細胞が極めて濃縮された細胞群
である。
【0112】(実施例3)cDNAライブラリーの構築 実施例2で得られたd10S−2細胞を10%FCSを
含むD−MEM中で2×105 細胞/mlまで増殖さ
せ、20ng/mlのPMAと1μg/mlのイオノマ
イシンで37℃、3時間刺激した。グアニジンイソチオ
シアネート/アシッドフェノール法(コムシンスキー
P.(Chomczynski P.) およびサシー N.(Sacchi N.), Ana
l. Biochem., 162 巻、156-159 頁、1987年)によって
総RNAを分離した後、オリゴ(dT)−セルロースカ
ラムクロマトグラフィーを2回繰り返しポリ(A)RN
Aを選択的に分離した。ランダムヘキサマーあるいはオ
リゴ(dT)プライマーを用い、イトウ N.(Itoh N.)
等、(Cell, 66巻、233-243 頁、1991年)の方法で2本
鎖cDNAを合成した。
【0113】得られた2本鎖cDNAにBstXIアダ
プターを付加し、1%アガロースゲルを用いた電気泳動
で分子量分画を行った。1.5kbp以上の大きさのc
DNAを回収し、BstXIで切断したpCEV4ベク
ター(イトウ N. (Itoh N.)等、Cell, 66巻,233-243
頁、1991年)にライゲートした。ライゲートプロダクト
を使用し、エレクトロポレーション(ドワー W.(Dower
W.) 等、Nucleic Acids Res., 16巻、6127-6145 頁、19
88年)により大腸菌 DH10B細胞(ギブコ BRL(Gib
co BRL) 社製)を形質転換した。オリゴ(dT)でプラ
イムさせたcDNAライブラリーから得た約1.0×1
6 個の独立したクローンと、ランダムヘキサマーでプ
ライムさせたcDNAライブラリーから得た約1.3×
106 個のクローンとを混合し、プラスミドDNAを調
製して、COS−7細胞の形質転換に使用した。
【0114】(実施例4)パンニング操作によるcDN
Aクローンの濃縮 実施例3で得られたプラスミドDNAでエレクトロポレ
ーション法により、COS−7細胞を形質転換した。す
なわち、5×106 個のCOS−7細胞をK−PBS-
(30.8mM NaCl, 120.7mM KCl, 8.1mM Na2HPO4 および1.
46mM KH2PO4 を含む緩衝液)で洗浄し、0.4mlの5
mM MgCl2 を添加したK−PBS(K−PB
+ )に細胞を懸濁した。次に、0.4mlのK−PB
+ に40μgのプラスミドDNAを溶解し、それを細
胞懸濁液に加え、氷上で10分間インキュベーションし
た。細胞に960μFのキャパシタンスで230Vの電
圧かけエレクトロポレーションし、氷上で10〜15分
間インキュベーションした後、細胞懸濁液5mlを血清
無添加の冷D−MEMで希釈し、さらに室温で30分間
インキュベーションした。その後、この細胞を2つの1
0cmプレートに植え込み、10%FCSを含むD−M
EM中で37℃で60時間培養した。
【0115】以上の方法で、総数1.2×108 個のC
OS−7細胞を形質転換し、10cmプレートで培養し
た。1プレートあたり5mlの0.5mM EDTAお
よび0.02%NaN3 を含むPBS(PBS/EDTA/Na
N3 )を加え、37℃で30分間インキュベーション
し、プレートよりこれらの細胞を剥した。剥した細胞
を、3mg/mlのBSAおよび2.5μg/mlの抗
マウスFcγIIレセプター抗体とを含むPBS/EDT
A/NaN3 に5〜7×106 個/mlの細胞濃度で再
度懸濁した。氷上で10分間インキュベーションした
後、mFas−Fcを終濃度が4μg/mlになるよう
に加え、氷上で60分間インキュベーションした。この
細胞を氷冷したPBSで洗浄し、50mMヘペス緩衝液
(pH8.3)および0.2mMビス(スルホサクシニ
ミドイル)スベレート(BS3 、ピアス社製)とを含む
PBS中に5〜7×106 個/mlの細胞濃度になるよ
う浮遊した。
【0116】氷上で30分間インキュベーションしたの
ち、1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を終濃度が
50mMとなるよう添加し、さらに氷上で10分間イン
キュベーションした。PBSで洗浄したのち、細胞を3
mg/mlのBSAを添加したPBS/EDTA/Na
3 30mlに懸濁し、ナイロンメッシュ(ポアサイズ
100μm)で濾過を行い凝集物を取り除いた。この細
胞懸濁液を、抗ヒトIgG−Fc抗体(カッペル 5507
1)を固定化した30個の10cmパンニング用プレー
トに分配した。室温で2時間インキュベーションしたの
ち、PBSで穏やかに洗浄することにより非付着細胞を
取り除き、イトウ N.(Itoh N.)等の方法で染色体外DN
Aを付着細胞から抽出し(Cell, 66巻、233-243 頁、19
90年)。以上の1回目のパンニング操作で得られたDN
Aを用い、エレクトロポレーションにより大腸菌を形質
転換させ、4.1×106 個のコロニーを得た。これら
よりプラスミドDNAを調製し、9.6×107 個のC
OS−7細胞(60プレート)を形質転換した。
【0117】これをパンニング用プレート30枚に分配
して2回目のパンニングを行い、1回目と同様に付着細
胞からDNAを調製した。回収したプラスミドDNAを
用い大腸菌を形質転換し、8.0×106 個のクローン
を得た。これらよりプラスミドDNAを調製し、4.0
×107 個のCOS−7細胞(10プレート)を形質転
換した。これをパンニング用プレート30枚に分配して
3回目のパンニングを行った。1回目、2回目と同様に
付着細胞からプラスミドDNAを回収し、大腸菌を形質
転換させ、3.8×106 個のクローンを得た。これら
より調製したプラスミドDNAで1.0×107 個のC
OS−7細胞(25プレート)を形質転換し、10枚の
パンニング用プレートに分配して、4回目のパンニング
操作を行った。
【0118】以上の4回目のパンニング操作を終了した
後、COS−7細胞から染色体外DNAを調製し、大腸
菌を形質転換させた。各菌体クローンより、プラスミド
DNAを調製して解析したところ、48クローン中16
クローンが、1. 0kbp以上のインサートを有してい
た。これらのプラスミドDNAをそれぞれCOS−7細
胞に導入した後、COS−7細胞をビオチン化mFas
−Fcで染色し、実施例2の方法でフローサイトメトリ
ーを行った。その結果、5つのクローンが染色された。
この5クローンのうちの1つで、1.6kbpのインサ
ートをもつクローン、pTN24−15で形質転換させ
たCOS−7細胞(COS/pTN24−15)の結果
を図1cに示した。このpTN24−15で形質転換さ
せたCOS−7細胞はビオチン化hTNFβ−Fcで
は、染色されなかった。また、外来遺伝子を含まないp
CEV4で形質転換させたCOS−7細胞はビオチン化
mFas−Fcで染色されなかった。
【0119】(実施例5)DNA配列の決定およびその
解析 実施例4で得られた5クローンについて制限酵素マッピ
ングをしたところ、それらが互いにオーバーラップして
いることがわかった。そこで、この5クローンのうちの
1つ、pTN24−15をさらに詳しく解析した。DN
A配列の決定はDNAシーケンサー(370A型、パー
キンエルマージャパン(株)製)とTaqダイ デオキシ
サイクル シーケンシング キット(Taq Dye Deoxy
cycle sequencing kit,パーキンエルマージャパン
(株)製)を使用して行った。クローンpTN24−1
5の塩基配列と、それから推定したアミノ酸配列を図
2、3と、配列表の配列番号15に示した。このcDN
Aは、1623塩基から成り、1つのオープンリーディ
ングフレームを有していた。
【0120】また、この配列中には、配列表の配列番号
24に示すコザック M. (Kozak M., J. Cell Biol., 1
15巻、887-903 頁、1991年)によって提唱された配列
(CCA/GCCATGG)は認められなかったが、翻
訳開始部位は塩基番号74〜76に位置するATGと考
えられた。このオープンリーディングフレームは、90
8〜910の終止コドンTAAで終わっている。そし
て、このcDNAは、278アミノ酸をコードすること
がわかった。アミノ酸配列から推定される分子量は3
1,138であり、等電点は9. 53である。
【0121】このcDNAがコードする278アミノ酸
のうちN末端側の77アミノ酸は、極めてプロリンに富
んだ配列であった。N末端付近に典型的なシグナル配列
は確認できなかったが、ヒドロパシー分析(Hydropathy
Analysis )により、Fasリガンドは、プロリンリッ
チな領域に続いて、おそらくトランスメンブランアンカ
ーとして機能すると考えられる22個の疎水性アミノ酸
を有することがわかった。シグナル配列が欠如してお
り、内部に疎水性ドメインを有する構造から、Fasリ
ガンドはII型のトランスメンブレン蛋白質であることが
示唆された。細胞外領域として推定される領域はC末端
側に存在し、179アミノ酸から成り、4つのN−グリ
コシレーションサイト(Asn−X−Ser/Thr)
を含むことが確認された。これらのグリコシレーション
サイトは、図2、図3中に*で示した。
【0122】cDNAライブラリー作成に使用したd1
0S−2細胞は、ラットとマウスのハイブリドーマであ
る。FasリガンドcDNAの由来を決定するために、
FasリガンドcDNAの3’末端ノンコーディング領
域からプライマーを設計、合成し、ラットとマウスの脾
臓細胞から得た染色体DNAを鋳型としてPCRを行っ
た。すなわち、配列表の配列番号15の塩基番号100
6〜1025、1305〜1324をセンスプライマー
2および3(配列表の配列番号25および26)とし、
配列表の配列番号15の1327〜1346および15
43〜1562をアンチセンスプライマー2および3
(配列表の配列番号27および28)として用いた。そ
の結果、ラット染色体DNAでのみ、サイズ341bp
と258bpのバンドが得られた。これらの結果は、ク
ローンpTN24−15より得られたcDNAがd10
Sハイブリドーマ細胞のラット遺伝子に由来することを
示している。なお、ハナハン等の方法(Hanahan D. 著、
Techniques for Transformation ofE. coli, In DNA Cl
oning, vol.1, グローバー D. M.(Glover D. M.)編、10
9-136 頁、IRL 出版(IRL Press), 1985 年) を用いて、
上記pTN24−15で大腸菌を形質転換させ、得られ
た形質転換体DH10B(pTN24−15)を工業技
術院生命工学工業技術研究所に寄託している(FERM
P−13953)。
【0123】(実施例6)ノーザンハイブリダイゼーシ
ョン ファルマシアのmRNA分離キットを用い、d10S、
d10S−2、ラット各組織(脳、肺、心臓、肝臓、小
腸、腎臓、卵巣、精巣、骨格筋)および細胞(脾細胞、
胸腺細胞)からポリ(A)RNAを調製した。50%ホ
ルムアミド中で65℃で5分間加熱しRNAを変性さ
せ、6.6%のホルマリンを含む1.5%アガロースゲ
ルで電気泳動を行い、ニトロセルロースあるいはナイロ
ン膜(シュライヒャー アンド シュエル(Schleicher
and Schuell)社)に転写させた。
【0124】プローブとして、実施例4で得られたpT
N24−15の43〜967のDNA配列(配列表の配
列番号29)を含む920bpの2本鎖DNAフラグメ
ントをPCRにより調製し、ランダムプライマーラベリ
ングキット(ベーリンガーマンハイム社製)によって32
P標識した。ヒトEF1αのcDNA(ウエツキ T.( U
etsuki T. 等、 J. Biol. Chem., 264巻、5791-5798
頁、1989年)の1.8kbの長さを有するBamHIフ
ラグメントの32P標識物を、コントロールプローブとし
て使用した。ハイブリダイゼーション操作は、ハイスト
リンジェンシー(high stringency )の条件下でサムブ
ルック J. (Sambrook J. )らの方法(Molecular Clon
ing: A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Har
bor Laboratory, ニューヨーク(New York), 1989年)を
用いた。
【0125】図4には、d10S、d10S−2、d1
0S−16各細胞をpMAとイオノマイシンで刺激した
場合と刺激しない場合の、ノーザンハイブリダイゼーシ
ョンの結果を示した。図4から明らかなように、d10
Sから得たポリ(A)RNAは、約2. 0kbの弱いハ
イブリダイゼーションバンドを示した。このバンドのシ
グナルの強さは、PMAやイオノマイシンでd10S細
胞を刺激すると増加する。d10S−2細胞は、PMA
とイオノマイシンで刺激したd10Sよりも約4倍強い
シグナルを示し、d10S−2細胞ではFasリガンド
mRNAの発現量がd10S細胞よりも、約4倍高いこ
とが示唆された。また、実施例2の操作を16回繰り返
して得たd10S−16細胞では、mRNA発現量はd
10S細胞よりも約100倍多かった。d10S−16
の細胞障害活性は、d10S細胞より100倍高く、F
asリガンドmRNA発現量の増加は、細胞障害活性、
mFas−Fcで染色される強さと正の相関関係にある
事が分かった。
【0126】図5には、ラットの脾臓および胸腺より調
製した脾細胞、胸腺細胞の調製直後(培養前)、刺激剤
なしで37℃で8時間培養後(未処理)、各刺激剤を加
えて37℃で8時間培養後のノーザンハイブリダイゼー
ションの結果を示した。ラットの脾細胞では、Fasリ
ガンドmRNAの弱い発現が認められた。ラット脾細胞
をPMAとイオノマイシン、もしくはConAとIL−
2で8時間刺激した時、FasリガンドmRNAの量は
著しく増加した。ラット胸腺細胞では、培養前及び未処
理の場合FasリガンドmRNAは、ほとんど発現して
いなかった。しかしながら、ラット胸腺細胞をPMAと
イオノマイシン、もしくはConAとIL−2で刺激す
ると、FasリガンドmRNAの発現量は、脾細胞にお
けるそれと同等にまで増加した(図5)。
【0127】ラットの各組織におけるFasリガンドm
RNAの発現量を調べた結果を図6に示す。図6に示し
たように、精巣に於いて約2.0kbの強いシグナルを
有するバンドが確認された。小腸、腎臓、肺では、普通
もしくは弱いシグナルを有するバンドが確認されたが、
その他の組織ではFasリガンドmRNAの発現は認め
られなかった。なお、すべてのmRNAがインタクト
(intact)であることは、ヒトEF1αのcDNAプロ
ーブと再ハイブリダイゼーションした全ての細胞および
組織において、1. 8kbのバンドが認められたことか
ら明らかである(図4、5および6の下段)。
【0128】(実施例7)Fasリガンドの生化学的解
析 d10S−12細胞で発現しているFasリガンド及び
pTN24−15で形質転換させたCOS−7細胞で発
現しているFasリガンドの生化学的性状を検討した。
d10S−12細胞は、実施例2の操作を12回繰り返
して得られた細胞集団である。まず、d10S−12あ
るいはpTN24−15で形質転換させたCOS−7細
胞の細胞表面蛋白質をD−ビオチニル−ε−アミノカプ
ロン酸 N−ヒドロキシサクシニミドエステル(biotin
-CNHS-ester 、ベーリンガーマンハイム社製)用いるマ
イヤー(Meier )らの方法でビオチン化した(Anal. Bi
ochem.,204 巻、220-226 頁、1992年)。なお、pTN
24−15で形質転換させたCOS−7細胞の対照とし
て、外来遺伝子を含まないpCEV4ベクターで形質転
換させたCOS−7細胞を用いた。細胞(7.5×10
6 個)を1mlのライシスバッファー(1%NP−40、50
mMトリス−塩酸緩衝液(以下、50mM Tris-HCl と略す、
pH 8.0)、150mM NaCl、1mM(p−アミノフェニル)メ
チルスルホニルフロライド塩酸塩(APMSF )、1μg/
mlペプスタチンおよび1mMロイペプチンを含む)中に
加え氷上で30分間インキュベーションし、細胞を溶解
させた。
【0129】14,000rpmで15分間遠心操作を
行った後、上清を10μg/mlのhTNFRβ−Fc
と氷上で60分間インキュベーションし、さらに5%液
量のプロテインA−セファロース4Bと、4℃で60分
間インキュベーションした。プロテインA−セファロー
ス4Bを除去したのち、上清に10μg/mlのマウス
Fas−Fcを加え、氷上で60分間インキュベーショ
ンした。1%液量のプロテインA−セファロース4Bを
この混合物に加え、4℃で一夜インキュベーションし
た。遠心操作の後、沈降物をライシスバッファーで洗浄
し、5%の2−メルカプトエタノールを含む20μlの
ラエムリ(Laemmli) の試料用緩衝液(2%SDS 、10%グ
リセリンおよび0.002 %ブロモフェノールブルーを含む
62.5mM Tris-HCl(pH6.3))に再懸濁し、95℃で2分間
加熱した。次いで、0.1%SDSを含む10−20%
グラジエントポリアクリルアミドゲルを用いてグラジエ
ントゲル電気泳動を行い、PVDF膜へ転写し、ECL
システム(アマーシャム社製)で検出した。
【0130】図7に、mFasとd10S−12、Co
s7/pCEV4またはCos7/pTN24−15と
の免疫沈降の結果を示す。図7に示したように、mFa
s−Fcは、d10S−12細胞ライセート中の分子量
約40,000の蛋白質と免疫沈降し、一方、pTN2
4−15で形質転換させたCOS−7細胞(COS7/
pTN24−15)からのライセート中では分子量約3
7,000−45,000の蛋白質とともに免疫沈降し
た。外来遺伝子を含まないpCEV4ベクターで形質転
換させたCOS−7細胞(COS7/pCEV4)で
は、免疫沈降物は認められなかった。pTN24−15
で形質転換させたCOS−7細胞とd10S−12細胞
で免疫沈降した蛋白質の分子量は、いずれも前述したア
ミノ酸配列より推定される分子量よりも大きかった。こ
れら2つの細胞間での分子量の差、およびアミノ酸配列
から推定される分子量との差は、4つあるN−グリコシ
レーションサイトのいくつかにおいてグリコシレーショ
ンに違いが生じているためと考えられた。
【0131】(実施例8)Fasリガンドの細胞障害活
性の測定 (1)エフェクター細胞による細胞障害活性の測定 d10S細胞およびpTN24−15で形質転換させた
COS−7細胞の、細胞障害活性を、マウスW4細胞を
ターゲット細胞として測定した。マウスW4細胞は、F
as抗原を発現させるようにマウスWR19L細胞を形
質転換させた細胞である。このWR19L細胞は、Fa
s抗原を殆んど発現せず、TNFの細胞障害作用に感受
性の細胞である。細胞障害活性の検定は、ルービエ E.
(Rouvier E.)等の方法に準じて行った(J. Exp. Me
d., 177 巻、195-200 頁、1993年)。まず、d10S細
胞(2.5〜5×105 細胞/ml)を、10ng/m
lのPMA(シグマ社製)およびカルシウムイオノフォ
アであるイオノマイシン(カルビオケム社製)500n
g/mlが添加された10%FCS含有D−MEM中
で、37℃で3時間インキュベーションした後、D−M
EMで洗浄し、エフェクター細胞とした。また、COS
−7細胞をpTN24−15でDEAE−デキストラン
法で形質転換し、エフェクター細胞とした。一方、10
0μlの10%FCSを含むRPMI1640中で、2
0μCiの[51Cr]クロム酸ナトリウム(アマーシャ
ム社製)と共に1×106 個のWR19L細胞あるいは
W4細胞を37℃で2時間インキュベートした。培養液
(RPMI1640)で洗浄した後、これらの細胞を標的細胞と
して使用した。d10Sをエフェクター細胞とし、W1
9LまたはW4を標的細胞としたときの特異的細胞障害
活性を図8に示した。また、エフェクター細胞をCOS
/pTN24−15としたときの特異的細胞障害活性を
図9に示した。
【0132】標的細胞1×104 個とエフェクター細胞
とを、さまざまな比で丸底のマイクロタイタープレート
の各ウェル中で混合した。このとき全液量が計200μ
lになるようにした。700rpmで2分間、プレート
の遠心操作を行ったのち、37℃で4時間インキュベー
ションした。さらに、1,200rpmで5分間、プレ
ートの遠心操作を行い、各ウェルより上清100μlを
分取してγカウンターを用いて放射活性を測定し、特異
的細胞溶解率を算出した。51Crの自然放出は、培地の
みで標的細胞をインキュベーションすることにより決定
し、一方、最大放出量は、標的細胞に0.1%となるよ
うにトライトンX100を加えることにより決定した。
また、特異的細胞溶解率は次の式により計算した。
【0133】図9に示したように、pTN24−15で
形質転換させたCOS−7細胞(COS/pTN24−
15)は、W4細胞を溶解させたが、外来遺伝子を含ま
ないpCEV4ベクターで形質転換させたCOS−7細
胞(COS/pCEV4)では、W4細胞の溶解は認め
られなかった。pTN24−15で形質転換させたCO
S−7細胞(COS/pTN24−15)と、d10S
細胞の細胞障害活性を、W4細胞に対するE/T(エフ
ェクター細胞/標的細胞)比で比較すると、前者は後者
に比べ少なくとも10倍高い活性を有していた。また、
d10S細胞およびpTN24−15で形質転換させた
COS−7細胞(COS/pTN24−15)は、とも
にWR19L細胞に対しては細胞障害作用を示さなかっ
た(図8、9)。
【0134】(2)細胞の培養上清の添加による細胞障
害活性の検討 図10に、COS/pTN24−15またはCOS/p
CEV4の培養上清を種々の濃度で添加したときの標的
細胞(W4,WR19L)に対する細胞障害活性を示し
た。pTN24−15で形質転換させたCOS−7細胞
(COS/pTN24−15)の培養上清の細胞障害活
性をみたところ、W4細胞に対し顕著な細胞障害活性が
認められたが、WR19L細胞に対しては細胞障害活性
は認められなかった(図10)。これは、COS−7細
胞上で発現されたリコンビナントFasリガンドが切断
され、可溶型になっていることを示す結果である。
【0135】(3)mFas−FcおよびhTNFRβ
−Fcによる細胞障害活性の阻害 さらに、mFas−Fc、hTNFRβ−Fcをアッセ
イ系に加えて、エフェクター細胞による細胞障害活性の
変化を検討した。この結果を図11に示す。図11に示
すように、Fasリガンドを発現するCOS−7細胞
(COS/pTN24−15)の細胞障害活性は、d1
0S細胞と同様に、10μg/mlのmFas−Fcで
阻害され、10μg/mlのhTNFβ−Fcでは阻害
されなかった。
【0136】(実施例9)染色体DNAのフラグメンテ
ーションについての検定 24ウェルプレート内の8×104 個のCOS−7細胞
を、10μgのpTN24−15で形質転換した。トラ
ンスフェクトの72時間後、2×105 個のWR19L
細胞あるいはW4細胞(オガサワラ J.(Ogasawara J.)
等、Nature, 364 巻、806-809 頁, 1993年)をウェルに
加え、10%FCSを含むD−MEM中37℃で、1〜
3時間インキュベーションした。W19LまたはW4細
胞のうち、ウェル内壁に付着しない非付着細胞を集め、
レイード P. W.(Laird P. W.) らに準じて染色体DNA
を調製し(Laird P. W. 等、Nucleic Acids Res., 19
巻、4293頁、1991年)、0.5μg/mlの臭化エチジ
ウム存在下でアガロースゲルを使用して電気泳動を行っ
た。
【0137】上述のW19LまたはW4細胞の染色体D
NAの電気泳動の結果を図12に示した。図12から明
らかなように、pTN24−15で形質転換させたCO
S−7細胞(COS/pTN24−15)とコカルチャ
ーしたW4細胞では、染色体DNAが、アポトーシスの
特徴であるステップラダー様式(step-ladder fashion
)でフラグメント化していた。DNAのラダーは、イ
ンキュベーション後1. 0時間で観察され、インキュベ
ーション後2時間で、ほとんどのDNAが断片化してし
まった。このようなDNAのフラグメント化は、外来遺
伝子を含まないpCEV4で形質転換させたCOS−7
細胞では認められなかった。さらに、このようなDNA
の断片化はW4細胞でのみ確認され、WR19L細胞で
は確認されなかった。
【0138】(実施例10)アフィニティークロマトグ
ラフィーを用いたFasリガンドの精製 (1)細胞表面蛋白質のビオチン化 以下で、トレーサー蛋白質として使用するため、マイヤ
ー(Meier )等の方法(Anal. Biochem., 204 巻、220
頁、1992年)に従って細胞表面のビオチン化を行った。
すなわち、細胞を50μg/mlのNHS−LC−ビオ
チンを含む10mMホウ酸ナトリウム緩衝生理食塩水
で、1×107 細胞/mlになるように懸濁し、室温で
15分間インキュベートした。最終濃度が10mMにな
るように塩化アンモニウムを添加し、反応を停止後、1
50mMのNaClを含む50mMTris−HCl
(pH8.0、以下TBSと略す)で3回洗浄し、細胞
表面蛋白質をビオチン化した。
【0139】(2)mFas−Fcアフィニティーカラ
ムの調製 実施例1で作製したキメラ蛋白質mFas−Fcの精製
標品4mgを4mlのPBS(pH7.4)に溶解した
後、2mlのプロテインA−セファロース4Bと混合
し、4℃で1時間結合させた。遊離の蛋白質を除去する
ため、樹脂をTBSで3回、次に200mMのホウ酸ナ
トリウム溶液(pH9.0)で1回洗浄した。さらに、
ジメチルピメリミデイト(DMP)を含む200mMホ
ウ酸溶液(pH9.0)で室温45分間インキュベート
することにより、樹脂にmFas−Fcを共有結合させ
た。
【0140】(3)Fasリガンドの精製 実施例2の操作を12回繰り返して得られたd10Sの
サブライン、d10S−12を、50nMの2−メルカ
プトエタノールと20mMヘペス(pH7.4)を添加
した10%FCS含有D−MEMを培地を用いて、37
℃にて、10本のローラーボトルで培養した。細胞密度
が2×105 細胞/mlに到した時点で10ng/ml
のPMAと500ng/mlのイオノマイシンを添加
し、さらに4時間インキュベートした。培養後の細胞浮
遊液を250×gで20分間遠心後ペレットを回収し、
PBSで3回、TBSで1回洗浄した。ペレットの状態
で、−80℃で保存し、以下の細胞膜画分の調製に使用
した。また、一部を(1)の細胞表面蛋白質のビオチン
化に使用した。
【0141】凍結した細胞ペレットは4倍量の1mMの
p−アミノフェニル メタンスルフォニル フルオライ
ド ハイドロクロライド(p-aminophenyl methanesulfo
nylfluoride hydrochloride, APMSF )、1μg/ml
ペプスタチン、1μg/mlロイペプチンおよび0.0
2% NaN3 を含む0.3Mショ糖溶液中で、ウルト
ラ−トラックスT25(Ultra-Turrax T25, ヤンク
ウント クンケル、スタウフェン(Janke & Kunkel, St
aufen)社製)を用い、ブルーポジションで、氷上で2分
間、破砕した。1,000×gで20分間、4℃にて遠
心し、核および破砕されていない細胞を除去した。次に
上清を100,000×gで90分間、4℃にて遠心
し、膜分画を得た。この膜分画を40mlのライシスバ
ッファー(1%NP−40、1mM APMSF、1μg/mlペプ
スタチンおよび1μg/mlロイペプチンを含むTB
S)に溶解し、4℃で一晩振とうし可溶化した。可溶化
した膜分画を100,000×gで60分間、4℃にて
遠心し、上清を−80℃で保存した。細胞表面タンパク
をビオチン化した細胞も同様に処理し、−80℃で保存
した。
【0142】Fasリガンドのトレーサーとして可溶化
した膜分画100mlに、ビオチン化した細胞からの可
溶化膜分画10mlを添加した。その混合物を1%NP
−40を含むTBSで平衡化したmFas−Fcカラム
(1.4ml)にアプライした。カラムを1%NP−4
0を含むTBS 50mlおよび0.1%NP−40を
含むTBS 50mlで洗浄後、1M NaClおよび
0.1%NP−40を含む50mMトリス塩酸緩衝液
(pH8.0)でFasリガンドを溶出した。1mlづ
つフラクションを集め、各フラクションの10μlをS
DS−PAGEに供した後、PVDF膜に転写した。ビ
オチン化した蛋白質は、HRPO標識ストレプトアビジ
ンと反応させて染色し、使用説明書通りにECLシステ
ム(アマーシャム社)で検出した。40kDのビオチン
化Fasリガンドを含む画分をプールし、10μlのC
onA−アガロースビーズ(EY ラボラトリーズ社)
と4℃で1晩インキュベートした。0.1%NP−40
を含むTBSで4回洗浄後、0.1% NP−40およ
び2M α−メチルマンノシドを含むPBS200μl
でFasリガンドを溶出し、精製Fasリガンドを得
た。
【0143】(4)SDS−ポリアクリルアミド電気泳
動 (3)で得た精製Fasリガンドを用いて0.1%SD
Sを含む10−20%グラジエントポリアクリルアミド
電気泳動を行い、シルバーステイニングキット(和光純
薬工業(株))で染色、およびPVDF膜に転写後、E
CLシステムでバンドを検出した。Fasリガンド精製
の結果を図13に示す。図中、レーン1は、銀染色の結
果を、レーン2はECLシステムでの検出結果である。
図13に示したように、精製されたFasリガンドは銀
染色およびECLシステムでともに非還元下、分子量約
40kDの1本のバンドとして検出された。
【0144】(5)細胞障害活性 実施例8の方法に従って、精製Fasリガンドの細胞障
害活性を測定した。ただし、これまでの細胞障害活性で
エフェクター細胞として用いられたd10S細胞および
pTN24−15で形質転換させたCOS−7細胞の代
わりに、(3)で得られた精製Fasリガンドを使用
し、標的細胞であるW4細胞およびWR19L細胞に対
する特異的細胞溶解率を指標として、細胞障害活性を測
定した。精製されたFasリガンドの細胞障害活性の検
討結果を図14に示す。図14より明らかなように、F
as抗原を発現していないWR19L細胞に対しては細
胞障害活性は認められなかったが、Fas抗原を発現し
ているW4細胞に対しては濃度依存的な細胞障害活性が
確認された。
【0145】(実施例11)ラットFasリガンドDN
Aの一部を使用したスクリーニング (1)ヒト染色体DNAライブラリーのスクリーニング ヒト(胎盤)染色体DNAファージライブラリー(EM
BL3 SP6/T7、クローンテック(Clontech)社
製)を指示菌(菌名VCS257)に感染させ、軟寒天
と混合し、寒天プレートに重層した。37℃にて一晩イ
ンキュベーションし、ファージプラークを形成させた。
これを一旦、4℃で約4時間冷却し、その後、ファージ
をニトロセルロースフィルターに転写した。一方、実施
例4で得たプラスミドpTN24−15を鋳型として、
センスプライマー4(AGAACTCCGTGAGTT
CACCA)およびアンチセンスプライマー4(CAA
TATTCCTGGCATCCATG)配列(配列表の
配列番号30および31)を用いてPCRを行い、ラッ
トFasリガンドcDNAの細胞外領域をコードするc
DNA(配列表の配列番号15の塩基番号400から9
67番)を増幅させた。ランダムプライマーラベリング
キット(ベーリンガーマンハイム社製)を使用して実施
例6の方法で増幅産物を32P標識して、プローブ1(配
列表の配列番号32)を作製した。配列表の配列番号1
5の5’末端側、すなわち配列表の配列番号15の塩基
番号43から233をPCRにより増幅させ、得られた
増幅産物を上述のように32P標識して、プローブ2(配
列表の配列番号33)を作製した。
【0146】ショウ(Shaw)等の方法(Nucleic Acids
Res., 11巻, 555-573 頁、1983年)を一部改変して、上
記の各プローブとニトロセルロースフィルターとをハイ
ブリダイゼーションさせた。すなわち、フィルターを、
65℃で一晩、0.1%SDSを含む3×SSCで洗浄
し、次いで、50%ホルムアミド、5×デンハルト溶
液、0.1%SDS、250μg/mlの変性サケ精子
DNAを含む5×SSCP中で、42℃、5時間プレハ
イブリダイゼーションした。次に、50%ホルムアミ
ド、1×デンハルト溶液、0.1%SDS、100μg
/mlの変性サケ精子DNA、10%(w/v)デキス
トラン硫酸を含む5×SSCPに上述のプローブを1.
1×106 cpm/mlとなるように添加し、前記フィ
ルターを28℃で18時間ハイブリダイゼーションさせ
た。0.1%SDSを含む2×SSCPを用い、室温で
2回フィルターを洗浄し、次いで、0.1%SDSを含
む0.3×SSCPを用い、37℃で3回洗浄した。オ
ートラジオグラフィーを行ったところ、複数のポジティ
ブクローンが検出された。
【0147】(2)ポジティブクローンの解析−1 プローブ1とのハイブリダイゼーションで得られたポジ
ティブクローンのうち2つのクローン、λhFL4およ
びλhFL7から、公知方法(サムブルック J.(Sambro
ok J.)等、Molecular Cloning: a Laboratory Manual,
2nd ed., ColdSpring Harbor Laboratory, ニューヨー
ク(New York), 1989年参照)でファージDNAを調製し
た。クローンλhFL4およびλhFL7中には、ぞれ
ぞれ18kb、17kbのヒト染色体DNAを含んでお
り、制限酵素マップを作成した結果、互いに重複した範
囲を含んでいる事が分かった。配列表の配列番号15の
塩基配列中の524番目から967番目に相当するDN
A断片(配列表の配列番号34)を実施例4で得られた
プラスミドpTN24−15から調製し、実施例6の方
法で32Pで標識してプローブ3とした。クローンλhF
L4とλhFL7を数種の制限酵素で切断した後、上記
プローブ3を使用してサザンハイブリダイゼーションを
行った。その結果、クローンλhFL4とλhFL7中
の2.8kbpのHindIIIフラグメントが、当該
プローブとハイブリダイズすることが確認された。
【0148】クローンλhFL4からDNAを調製し、
HindIIIで消化した。得られた2.8kbのフラ
グメントを、HindIIIで切断したpBluesc
ript KS(+)に組み込み、プラスミドpBL−
hFL4Hと命名した。pBL−hFL4H中のDNA
配列をDNAシーケンサー(370A型、パーキンエル
マージャパン(株)製)を使用して解析したところ、当
該プラスミドには、ヒトFasリガンドの細胞外領域の
C末端側の130アミノ酸をコードするDNAを有する
DNA配列が含まれていることが確認された。結果を、
図15と配列表の配列番号16に示した。図15中、
5’末端より数えて12番目まではイントロンである。
エクソン部分は13番目のGから始まっており、405
番目から407番目の配列TAAは終止コドンである。
【0149】実施例5で解析したpTN24−15の塩
基配列を比較し、図15にはヒトFasリガンドと異な
るラットFasリガンドのアミノ酸および塩基のみに下
線をつけて示した。ここで配列を確認した部位は、配列
番号15の塩基番号514番目から910番目の塩基配
列と高いホモロジーを有しており、塩基配列で86.7
%、アミノ酸で81.5%のホモロジーを有していた。
なお、本発明者らは、配列表の配列番号16に示すプラ
スミドpBL−hFL4Hで形質転換させた形質転換体
である大腸菌DH10B(pBL−hFL4H)を、工
業技術院生命工学工業技術研究所に寄託している(寄託
番号 FERMP−14014)。
【0150】(3)ポジティブクローンの解析−2 プローブ2とのハイブリダイゼーションで得られたポジ
ティブクローンのうち1つのクローンλhFL5から、
同様に、ファージDNAを調製した。このクローン中に
は18kbpの染色体DNAが含まれていることが確認
された。クローンλhFL5からDNAを調製し、Ba
mHIで消化した。得られた4.4kbのフラグメント
を、BamHIで切断したpBluescript K
S(+)に組み込み、プラスミドpBL−hFL5B1
と命名した。pBL−hFL5B1中のDNA配列をD
NAシーケンサーを使用して解析したところ、当該プラ
スミドには、ヒトFasリガンドの細胞内領域を含む1
30アミノ酸をコードするDNAを有するDNA配列が
含まれていることが確認された。得られた塩基配列を、
pTN24−15の塩基配列と比較し、プロモーター領
域、イントロン、エクソンを決定した。(2)および
(3)で得られた結果をまとめて、図16〜18に示し
た。図中--------で示した部位は、配列未確認の塩基配
列である。ヒトFasリガンドに対する染色体遺伝子
は、4つのエクソンよりなる。すべてのスプライシング
サイトにはGT----AGの配列が存在し、エクソンとの
境界で切断され、それぞれのフラグメントが再構成され
ることが予想された。
【0151】(実施例12) ヒトFasリガンドをコ
ードするcDNAのクローニングおよび発現 (1)ヒトFasリガンドcDNAのPCRによるクロ
ーニング ヒト末梢血よりT細胞を採取し、10%FCS、50μ
Mのβ−メルカプトエタノール、20ng/mlのIL
−2を含むRPMI1640培地(日本水産(株)製)
に、2×106 細胞/mlとなるように懸濁し、37℃
で一晩培養した。次いで、ConAを5μg/mlとな
るように加え、37℃でさらに4日間培養した。死細胞
をヒストパック1083(シグマ社)を用いた密度勾配
遠心で除き、mRNA調製キット(ファルマシア社製)
を用いてpoly(A)RNAを調製した。カワサキ
E. S.等の方法(Kawasaki E. S., Amplification of RN
A in PCR Protocols. A Guide to Methods and Amplifi
cations., M. A.イニス(M.A.Innis)等編,アカデミック
出版(Academic Press), サンディエゴ(San Diego),21-2
7頁、1990年)に従い、以下のように一本鎖cDNAの
合成およびPCRを行った。
【0152】まず、センスプライマー5(GCTCTA
GACTACAGGACTGAGAAGAAGT)およ
びアンチセンスプライマー5(GCTCTAGAACA
TTCTCGGTGCCTGTAAC)を作製した(配
列表の配列番号35および36)。このセンスプライマ
ーは、ATG開始コドンの上流域と5’末端のXbaI
サイト(GCTCTAGA)を含んでいる(配列表の配
列番号37)。一方、アンチセンスプライマーはTAA
終始コドンの下流領域とXbaIサイト(GCTCTA
GA)を含んでいる。先述のpoly(A)RNA 1
μgに、50ngのランダムヘキサマー、200ユニッ
トのMMLV RNase H−リバーストランスクリ
プターゼ(ギブコ BRL社製)を添加した。この反応液
2.0μlを、先述のセンスプライマー、アンチセンス
プライマーをそれぞれ100pmol含むPCRバッフ
ァー100μlで希釈した。DNAサーマル サイクラ
ー(DNA thermal cycler、パーキン−エルマー/シータ
ス(Perkin-Elmer/Cetus)社製)を使用して、PCRを
行った。なお、PCRは;94℃、1分;55℃、2
分;72℃、3分を1サイクルとする反応を20サイク
ル行った。
【0153】得られたPCR産物を、制限酵素XbaI
で処理した後、1%アガロースゲル(ロー ゲル テン
ペレーチャー(Low Gel Temperature), バイオラッド(B
ioRad)社製)で分離した。約970bpのDNAフラグ
メントをゲルより回収後、pBluescript I
IのXbaIサイトに組み込み、プラスミドpBX−h
FL1と命名した。pBX−hFL1中のDNA配列を
DNAシーケンサーを使用して確認した。当該プラスミ
ドに含まれる970bpのDNAフラグメントの塩基配
列は、実施例11で得られた染色体遺伝子の配列と一致
することが確認された。クローンpBX−hFL1中の
塩基配列の解析結果を配列表の配列番号17および図1
9〜20に示す。
【0154】ヒトFasリガンドは、ラットFasリガ
ンドと同じく、N末端にシグナル配列を持たないが、タ
ンパク分子の中央部分に22個の疎水性アミノ酸を有
し、II型膜タンパクであることがわかった。細胞内領域
はMetから始まる80アミノ酸からなり、プロリンが
80残基に32含まれる。C末端細胞外領域は179
アミノ酸からなり、4箇所のN−グリコシレーションサ
イト(Asn−x−Ser/Thr)が存在する。本発
明者等は、ハナハンの方法(既出)に準じて、プラスミ
ドpBX−hFL1で大腸菌DH10Bを形質転換し、
得られた形質転換体、大腸菌DH10B(pBX−hF
L1)を工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託して
いる(寄託番号 FERM P−14225)。
【0155】(2)COS細胞への導入 (1)で得られた970bpXbaI DNAフラグメ
ントを動物細胞発現ベクターpEF−BOS(ミズシマ
およびナガタ( Mizushima & Nagata, NucleicAcids Re
s., 18巻、5322頁、1990年) のXbaI部位に挿入し、
プラスミドpEX−hFL1と命名した。10%FCS
を含むD−MEM培地に、COS−7細胞を10cmシ
ャーレ当り2×106 細胞となるように植え込み、5μ
gのプラスミドpEX−hFL1をDEAE−デキスト
ラン法(フクナガ R.(Fukunaga R.)等、Cell, 61巻、 3
41-350頁、1990年)で導入し、形質転換体COS/pE
X−hFL1を得た。
【0156】(3)形質転換体の細胞障害活性 (2)で形質転換させたCOS細胞をエフェクター細胞
とし、106 のWR19LまたはWC8A細胞をターゲ
ット細胞として、実施例8と同様に、組換え細胞の細胞
障害活性を確認した。WC8A細胞は、マウスWR19
L細胞をヒトFas抗原を発現するように形質転換した
細胞である(Itoh N. 等、J.Immunol.,151巻、 621-627
頁、1993年) 。すなわち、106 のWR19LまたはW
C8A細胞を、20μCiの[51Cr]クロム酸ナトリ
ウム( アマーシャム(Amersham)社製)を含むRPMI1
640培地で37℃2時間培養し、51Crで標識した。
この51Crで標識した細胞(1×104 )を、COS/
pEX−hFL1と様々な割合で混合し、37℃で4時
間培養後、51Crの遊離を指標に細胞障害活性を測定し
た。この結果を図21に示す。
【0157】図21に示すようにCOS/pEX−hF
L1はWC8A細胞に対しを濃度依存的に細胞障害活性
を示した。WR19Lに対してはアポトーシスは誘導し
なかった。さらに、COS/pEX−hFL1の細胞障
害活性を調べた結果を図22に示す。この細胞障害活性
は、実施例1で作製したヒトFas抗原の細胞外領域を
含むキメラ蛋白質(hFas−Fc)あるいはマウスF
as抗原の細胞外領域を含むキメラ蛋白質(mFas−
Fc)を添加することにより阻害されたが、可溶型のヒ
トTNFレセプター(hTNFRβ−Fc)を添加して
も阻害されなかった(図22)。以上の結果より、
(1)で単離した970bpのcDNAによりコードさ
れる蛋白質は、Fas抗原と結合してアポトーシスを誘
導する活性を有するFasリガンドであることが確認さ
れた。
【0158】(実施例13)マウスFasリガンド染色
体遺伝子の単離 129/Svマウス染色体DNAをラムダFIX II
ベクターに導入して作成したマウス染色体DNAライブ
ラリー(ストラタジーン(Stratagene) 社製、ラホヤ(L
a Jolla), CA))を指示菌に感染させ、軟寒天と混合
し、寒天プレートに重層し、1.3×106 個のプラー
クを得た。これを一旦4℃で約4時間冷却し、ファージ
をニトロセルロースフィルターに転写した。実施例4で
得たプラスミドpTN24−15を鋳型として、センス
プライマー4(AGAACTCCGTGAGTTCAC
CA)およびアンチセンスプライマー4(CAATAT
TCCTGGCATCCATG)配列を用いてPCRを
行い、細胞外ドメインをコードするcDNA(配列表の
配列番号15の塩基配列の塩基番号400から967
番)を増幅させた。ランダムプライマーラベリングキッ
ト(ベーリンガーマンハイム社製)を使用して実施例6
の方法で増幅産物を32P標識して、プローブ1を作製し
た。また、配列表の配列番号15の5’末端側、すなわ
ち配列表の配列番号15の塩基番号43から233をP
CRにより増幅させ、上述のように32P標識して、プロ
ーブ2を作製した。
【0159】プローブ1および2をそれぞれ、ニトロセ
ルロースフィルターとハイブリダイゼーションさせた。
ハイブリダイゼーションの条件は後述する実施例16と
同様の穏やかな条件で行った。すなわち33℃で18時
間ハイブリダイゼーションした後、フィルターを室温に
て0.1%SDSを含む2×SSCPで2回洗浄した
後、37℃の0.1%SDSを含む0.3×SSCPで
洗浄した。オートラジオグラフィーを行ったところ、2
つのポジティブクローンを得た(λMFL5,λMFL
18)。ポジティブクローンのプラークを単離し、pB
luescript IIKS(+)(ストラタジーン
(Stratagene)社製)にサブクローニングした後、挿入さ
れているマウスDNAの制限酵素地図の作成、DNAシ
ーケンサーを使用して塩基配列を決定した。この2クロ
ーンについて制限酵素地図を作成し、サザンハイブリダ
イゼーション解析したところ、λMFL5,λMFL1
8は、それぞれFasリガンド染色体遺伝子の5’、
3’領域を有していた。また、ラットFasリガンドc
DNAと相応する領域、プロモーター領域の塩基配列を
決定したところ、決定された塩基配列は、ラットFas
リガンドcDNAと高い相同性を示し、クローニングさ
れたλFIX IIベクターに組み込んだDNAがマウ
スFasリガンド遺伝子であることがわかった。
【0160】図23〜24に、マウスFasリガンド遺
伝子のプロモーター、エクソン、3’フランキング領域
とラットFasリガンドcDNAの塩基配列を示した。
TATA boxから107bp下流のATG開始コド
ンから837bpのオープンリーディングフレームがあ
り、279アミノ酸(アミノ酸部分の分子量31,44
0)をコードしている。マウスFasリガンドは、ラッ
トFasリガンドと同様N末端にシグナル配列を持たな
いが、タンパク分子の中央部分に22疎水性アミノ酸を
有していた。これにより、マウスFasリガンドはII型
膜タンパクであることが明らかになった。細胞内領域は
78アミノ酸からなりプロリンが78残基中25含まれ
る。C末端細胞外領域は179アミノ酸からなり、5箇
所のN−グリコシレーションサイト(Asn−X−Se
r/Thr)が存在する。また、マウスFasリガンド
cDNAは、ラットFasリガンドcDNAと塩基配列
で90.6%、アミノ酸配列で91.4%の相同性を持
ち、3’ノンコーディング領域で84.5%の相同性を
持つことが確認された。
【0161】(実施例14)マウスFasリガンドをコ
ードするcDNAのPCRによるクローニングおよび発
現 (1)プラスミドpBL−MFLW4の調製 野生型(C3H−+/+)マウスの脾臓細胞を、10%
FCS、50μMのβ−メルカプトエタノール、1.5
μg/mlのConA、20ng/mlのIL−2を含
むRPMI1640培地(日本水産(株)製)に、2×
106 細胞/mlとなるように懸濁し、37℃で2日間
培養した。10ng/mlのPMA、500ng/ml
のイオノマイシンで4時間処理した後、死細胞をヒスト
パック1083(シグマ社製)を用いた密度勾配遠心で
除き、mRNA調製キット(ファルマシア社製)を用い
てpoly(A)RNAを調製した。
【0162】カワサキ(Kawasaki)等の方法(Kawasaki
E. S., Amplification of RNA In PCR Protocols. A Gu
ide to Methods and Amplifications., M. A.イニス(M.
A. Innis) 編、アカデミック出版(Academic Press),
サンディエゴ(San Diego) 、21-27 頁、1990年)に従
い、以下のように一本鎖cDNAの合成およびPCRを
行った。まず、センスプライマー6(GCTCTAGA
GAGAAGGAAACCCTTTCCTG)およびア
ンチセンスプライマー6(GCTCTAGAATATT
CCTGGTGCCCATGAT)を作製した(配列表
の配列番号37および38)。このセンスプライマー6
は、ATG開始コドンの上流域と5’末端のXbaIの
サイト(GCTCTAGA)を含んでいる。一方、アン
チセンスプライマーはTAA終始コドンの下流領域とX
baIサイト(GCTCTAGA)を含んでいる。
【0163】先述のpoly(A)RNA 1μgに、
50ngのランダムヘキサマー、200ユニットのMM
LV RNase H−リバーストランスクリプターゼ
(ギブコBRL(Gibco BRL)社)を添加した。この反応液
1.0μlを、先述のセンスプライマー、アンチセンス
プライマーをそれぞれ100pmol含むPCRバッフ
ァー100μlで希釈した。DNAサーマル サイクラ
ー(DNA thermal cycler、パーキン−エルマー/シータ
ス(Perkin-Elmer/Cetus)社製)を使用して、PCR産
物を、制限酵素XbaIで処理した後、1%アガロース
ゲル(ロー ゲルテンペレーチャー(Low Gel Temperatu
re), バイオラッド社製)で分離した。
【0164】約940bpのDNAフラグメントをゲル
より回収後、pBluescript IIKS(+)
のXbaIサイトに組み込み、プラスミドpBL−MF
LW4と命名した。pBL−MFLW4中のDNA配列
をDNAシーケンサーを使用して確認した。その結果、
pBL−MFLW4は、配列表の配列番号18の塩基配
列を有しており、当該塩基配列は、実施例13で得られ
た染色体遺伝子の配列と一致することが確認された。本
発明者等は、ハナハンの方法(既出)に準じて、プラス
ミドpBL−MFLW4で大腸菌DH10Bを形質転換
し、得られた形質転換体、大腸菌DH10B(pBL−
MFLW4)を工業技術院生命工学工業技術研究所に寄
託している(寄託番号 FERM P−14226)。
【0165】(2)COS細胞への導入と細胞障害活性
のアッセイ法 (1)で得られた940bpのXbaIフラグメントを
動物細胞発現ベクターpEF−BOS(ミズシマ及びナ
ガタ(Mizushima & Nagata), 1990年)のXbaI部位に
挿入し、プラスミドpEF−MFLW4Fと命名した。
COS−7細胞を10%FCSを含むD−MEM培地
に、10cmシャーレ当り2×106 細胞となるように
植え込み、5μgのプラスミドpEF−MFLW4Fを
DEAE−デキストラン法(フクナガ(Fukunaga), 1990
年)で導入した。
【0166】(3)形質転換体の細胞障害活性 (2)で形質転換させたCOS細胞(COS/pEF−
MFLW4F)をエフェクター細胞とし、106 のWR
19LまたはW4細胞をターゲット細胞として、実施例
8と同様に、組換え細胞の細胞障害活性を確認した。W
4細胞はマウスWR19L細胞をマウスFas抗原を発
現するように形質転換した細胞である(オガサワラ J.
(Ogasawara J.) 等,Nature, 364 巻,806-809 頁,199
3年)。すなわち、106 のWR19L細胞またはW4
細胞を、20μCiの[51Cr]クロム酸ナトリウム
(アマーシャム(Amersham)社製)を含むRPMI164
0培地を用いて37℃で2時間培養し、51Crで標識し
た。この51Crで標識した細胞(1×104 )を、CO
S/pEF−MFLW4F細胞と様々な割合で混合し、
37℃で4時間培養後、51Crの遊離を指標に細胞障害
活性を測定し、結果を図25に示した。
【0167】図25に示すようにCOS/pEF−MF
LW4F細胞はW4細胞を濃度依存的に細胞障害活性を
示したが、WR19L細胞に対してはアポトーシスを誘
導しなかった。また、図21に示したように、WC8A
細胞に対しても、濃度依存的に細胞障害活性を示した。
さらに、COS/pEF−MFLW4F細胞の細胞障害
活性は、実施例1で作製したマウスFas抗原の細胞外
領域を含むキメラ蛋白質(mFas−Fc)20μg/
mlを添加することにより阻害されたが、ヒトTNFレ
セプターの可溶型(hTNFRβ−Fc)では阻害され
なかった。以上の結果より、(1)で単離した940b
pのcDNAによりコードされる蛋白質は、Fas抗原
と結合してアポトーシスを誘導する活性を有するFas
リガンドであることが確認された。
【0168】(実施例15)モノクローナル抗体の作製 (1)ペプチドの合成及びキャリアー結合投与抗原の調
製 実施例12で決定したアミノ酸配列に基づき4種類のペ
プチドを合成した。配列表の配列番号39に示すペプチ
ド(LVMMEGKMMSY)はFmoc法を用いた
ペプチド合成キット、コクサン(国産化学(株)製)の
使用説明書に従って合成し、樹脂から脱保護切断した後
エーテルにより粗ペプチド275.7mgを得た。次に
粗ペプチド10mgを5%アンモニア水溶液を用いて溶
解し、セファデクスG10により脱塩した。得られた溶
液を逆相HPLCカラム カプセルパックC18(CAPC
ELLPAK C18120Å、5μm、4.6mm ×250mm 、資生堂
(株)製)を用いて精製した。溶出液を凍結乾燥し、精
製ペプチドを得た。また、ペプチド(KSNSRSM
PLEWEDTYGIVLL)、ペプチド(SKYP
QDLVMMEGKMMS)およびペプチド(LSL
VNFEESQTFF)は(株)不二家バイオサイエン
ス研究所に合成を依頼した(配列表の配列番号40〜4
2)。
【0169】得られたペプチドを以下の方法でキーホー
ルリンペットヘモシアニン(KLH:ピアス(Pierce)社
製)およびカチオン化BSA(ピアス(Pierce)社製)に
結合し投与抗原とした。KLHおよびカチオン化BSA
は蒸留水に溶解し10mg/mlに調製した。各々のペ
プチドを蒸留水または5%アンモニア水に溶解し1mg
/mlに調製した。KLHではペプチドとキャリアーの
モル比が100対1となるように、カチオン化BSAで
は10対1となるようにそれぞれ混合し、塩酸を用いて
pH5に調整した。次に水溶性カルボジイミド(1-Ethy
l-3-(3-dimethylaminopropyl)-carbodiimide hydrochlo
ride、同仁化学研究所製)をキャリアー1mg当たり等
量添加し、室温にて4時間撹拌した。反応液をセファデ
ックスG25(ファルマシア社製)により精製し、最初
に溶出してくる画分を投与抗原とした。
【0170】(2)投与および抗血清の調製 (1)で調製した投与抗原100μgと等量のフロイン
ド完全アジュバントとを混合し、Balb/cまたはd
dyマウス(5〜6週令、♀)の腹腔内に投与した。1
週間後、同量をフロインド不完全アジュバントと混合
し、腹腔内に投与した。さらに1週間間隔で2回追加投
与を行い、さらに1週間後に投与抗原20μgを生理食
塩水で希釈し、静脈内投与し、2日後に細胞融合を行っ
た。2回投与後、抗血清を眼底静脈より採血し、血清を
分離して得た。
【0171】(3)抗血清のペプチドとの反応性の測定 アミノプレート(住友ベークライト(株)製)の各ウェ
ルに2.5%のグルタールアルデヒド溶液70μlを分
注し、室温で1時間静置し、内容液を廃棄した。0.0
76MのPBS(pH6.4)で5μg/mlに希釈し
たペプチド溶液50μlを加え、37℃で1時間処理し
た。プレートを氷水で冷却後、イオン交換水でプレート
を5回洗浄し、0.2%のゼラチンを溶解したPBS1
00μlを分注し、30分静置しブロッキングを行っ
た。次に抗血清をPBSで500倍に希釈し50μl添
加した。37℃で1時間反応後、0.005% Twe
en20を含む生理食塩水(以下、洗浄液と略す)で2
回洗浄し、ペルオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブ
リンズ抗体(ダコ(DAKO)社製)を0.25%のゼラチン
を溶解したPBSで2,000倍に希釈して添加した。
37℃で1時間反応させた後、洗浄液で5回洗浄した。
オルトフェニレンジアミンを3mg/ml、過酸化水素
を0.027%を含むマッキルベイン緩衝液pH5.0
を50μlを添加し室温で10分間反応させた。反応
後、2N硫酸50μlを添加し反応を停止し、492n
mの吸光度を測定した。各抗血清とも投与したペプチド
と反応性を示した。
【0172】(4)モノクローナル抗体の作製 (2)で免疫したマウスを屠殺し、脾臓を取り出した。
これを細断した後、ステンレス・メッシュを通し、RP
M1640培地に浮遊させ、脾細胞浮遊液を得た。この
脾細胞とマウスミエローマ細胞(P3X63Ag8U
1)を10:1の割合で混合して遠心(1,400rp
mで8分間)した。得られた沈殿に0.5mlの42.
5%のポリエチレングリコール1540と15%のジメ
チルスルフォキサイドを含むRPMI1640をすばや
く加え、さらに1分間激しく細胞を振とうした後、10
mlのRPMI1640をゆっくり加えた後、遠心(8
00rpmで5分間)を行った。この沈殿をHAT培地
(ヒポキサンチン1×10-4M、アミノプテリン4×1
-7M、チミジン1.6×10-5M、10%FBSを含
むRPMI1640培地)に2×105 細胞/mLにな
るように懸濁し、96穴マイクロプレートのウェル当り
0.2mLを分注した。2〜3日毎に半量の培地を交換
し、その後HT培地(ヒポキサンチン1×10-4M、チ
ミジン1.6×10-5M、10%FBSを含むRPMI
1640培地)に交換した。
【0173】ハイブリドーマ細胞の生育が認められたと
ころで、ELISA法によりスクリーニングを行った。
すなわち、実施例15(1)で作製したペプチドを不溶
化させた96ウェルプレートを洗浄液で2回洗浄後、
0.25%ゼラチンを含むPBSで10倍に希釈した培
養上清100μlを各ウェルに添加し、室温で2時間反
応させた。反応終了後、洗浄液で5回洗浄し、第2抗体
として0.25%ゼラチンを含むPBSで2,000倍
に希釈したペルオキシダーゼ標識ウサギ抗マウスIgs
抗体(ダコ(DAKO)社製)50μlを添加し、室温で2時
間反応させた。反応終了後、洗浄液で5回洗浄後、3m
g/mlオルトフェニレンジアミンおよび0.027%
過酸化水素を含む0.1Mマッキルベイン緩衝液pH
5.0を100μl添加し、室温で10分間酵素反応を
行い、100μlの2N硫酸で反応を停止し、492n
mの吸光度を測定した。
【0174】ELISA法で陽性であったウェルのハイ
ブリドーマを、96穴マイクロプレートに1ウェルあた
り2個、1個、あるいは0.5個となるよう10%FB
Sを含むRPM1640を用いて希釈した。ウイスター
ラットの胸腺細胞をフィーダー細胞として加えて、プレ
ートの各ウェルに植え込み、クローニングを行った。顕
微鏡下で観察して、確実にシングルセルコロニーである
ウェルを選択し、それらの培養上清を(3)のELIS
A法によりスクリーニング、モノクローナル抗体を産生
するハイブリドーマを得た。
【0175】(5)ウエスタンブロッティングによる反
応性の確認 前記(2)で得られた抗血清(ペプチドを使用して作
成した抗原で免疫、lot.19−3)および前記
(4)で得られたモノクローナル抗体(ペプチドを使
用して作成した抗原で免疫、F864−5−1)との反
応性を、実施例12でCOS細胞に発現させたヒトFa
sリガンド、実施例14で発現させたマウスFasリガ
ンドおよびFasリガンドの配列を含まないベクターを
トランスフェックトしたCOS細胞をコントロールとし
てウエスタンブロッティングで確認した。まず、各CO
S細胞約1×104 個を150mMのNaCl、1%の
NP−40、0.1%デオキシコール酸ナトリウム(So
dium deoxycolate) 、0.1%SDSおよび0.2U/
mlのアプロチニン(Aprotinin) を含む50mMトリス
塩酸(pH7.5)9μlと混合し、さらに等量の2%
SDS、30%グリセロール、10%2−メルカプトエ
タノールおよび0.01%BPB(ブロモフェノールブ
ルー(Bromophenol blue))を含む0.25Mトリス塩酸
(pH6.8)と混合した。
【0176】37℃で1時間処理した後、SDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動(4−20%グラジエント
ゲル)を行い、泳動終了後PVDF膜(ミリポア社製)
に4℃にて200mA、90分の条件で転写した。メン
ブレンをブロックエース(雪印乳業(株)社製)で37
℃2時間ブロッキングを行った。次にメンブレンを洗浄
液で2回、37℃で4分撹拌して洗浄し、PBSで5倍
に希釈したブロックエースで500倍に希釈した抗血清
19−3、または培養上清F864−5−1と37℃で
1.5時間反応させた。反応終了後、洗浄液で2回洗浄
し、ペルオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブリンズ
抗体(Cat.No. P260、ダコ社製)をPBSで5倍に希釈
したブロックエースで1,000倍に希釈した溶液に浸
し、37℃で1.5時間反応させた。メンブレンを洗浄
液で3回、蒸留水で2回洗浄し、表面の水を切りTMB
試薬(Cat.No. TM9125、シツク(SCYTK)社製)で発色さ
せた。図27及び28に、抗血清19−3とモノクロー
ナル抗体F864−5−1を使用したウエスタンブロッ
ティングの結果をそれぞれ示した。図27及び28から
明らかなように、ヒトFasリガンド発現COS細胞抽
出液と反応するバンドが見られるのに対して、マウスF
asリガンドおよびコントロールではバンドは認められ
なかった。
【0177】(6)阻止反応によるペプチドとの反応性
の確認−1 前記(4)で得られたモノクローナル抗体(ペプチド
を使用して作成した抗原で免疫、F883−1−1)
と、投与抗原ペプチド(ペプチド)との反応性を阻止
反応により確認した。アミノプレート(住友ベークライ
ト(株)製)の各ウェルに2.5%のグルタールアルデ
ヒド溶液70μlを分注し、室温で1時間静置後、内容
液を廃棄した。0.076MのPBS(pH6.4)で
5μg/mlに希釈したペプチド溶液50μlを加
え、37℃で1時間処理した。プレートを氷水で冷却
後、イオン交換水でプレートを5回洗浄し、0.2%の
ゼラチンおよび0.1Mグリシンを含むPBS100μ
lを分注し、30分間静置してブロッキングを行った。
次に、阻止ペプチドとして上記ペプチド、、をP
BSで10μg/mlに希釈して阻止抗原溶液とし、ネ
ガティブコントロールとして阻止抗原を含まない溶液を
調製した。これらの各溶液をそれぞれ25μl添加後、
0.2%ゼラチンを溶解したPBSを用いて0.4μg
/mlに希釈したF883−1−1を25μl加えた。
37℃で1時間反応後、洗浄液で2回洗浄した。
【0178】次に、ペルオキシダーゼ標識抗マウスイム
ノグロブリンズ抗体(ダコ社製)を0.2%のゼラチン
を溶解したPBSで2,000倍に希釈して各ウェルに
50μlを添加した。37℃で1時間反応させた後、洗
浄液で5回洗浄した。オルトフェニレンジアミンを3m
g/ml、過酸化水素を0.027%含むマッキルベイ
ン緩衝液pH5.0を上記各ウェルに50μl添加して
室温で10分間反応させた。2N硫酸50μlを添加し
て反応を停止し、492nmの吸光度を測定した。結果
を図29に示した。図29では、阻止抗原無添加のウェ
ル(ネガティブコントロール)の吸光度を100とした
場合の各ウェルの吸光度を算出し、阻止率として示し
た。図29から明らかなように、F883−1−1抗体
と抗原ペプチドとの反応性は、阻止ペプチドとしてペプ
チドを使用した場合にのみ阻止されることが確認され
た。
【0179】(7)阻止反応によるペプチドとの反応性
の確認−2 前記(4)で得られたIgM型モノクローナル抗体(ペ
プチドを使用して作製した抗原で免疫したマウスより
得た脾細胞とミエローマから作成したハイブリドーマF
897−1−2の産生する抗体F897−1−2)と、
投与抗原ペプチド(ペプチド)との反応性を阻止反応
により確認した。まず、中根ら(Immunofluorescence a
nd Related Staining Techniques, W.Knapp, K.Holubar
and G.Wick eds. 1978 )の方法に従い、ペプチドを
ペルオキシダーゼで標識した。すなわち、ペルオキシダ
ーゼ(RZ3.11、東洋紡(株)製)を6mg秤量し、1.
5mlの蒸留水で溶解した。次に蒸留水で溶解した0.
1Mメタ過ヨウ素酸ナトリウムを0.3ml添加し室温
で15分間静置し、続いて蒸留水で溶解した1.5%エ
チレングリコール0.3mlを添加し室温で20分間静
置した。この溶液を0.001Mの酢酸緩衝液(pH
4.4)に対して4℃で一夜透析した。得られた活性化
ペルオキシダーゼ159μl(ペルオキシダーゼ500
μg相当)に1M炭酸緩衝液(pH9.5)を9μl添
加し、続けて蒸留水で溶解して1mg/mlに調製した
ペプチドを428μl(ペルオキシダーゼに対して2
0倍モル量)添加し25℃にて2時間反応させた。次
に、0.01M炭酸緩衝液(pH9.5)で溶解した4
mg/mlの水素化ホウ素ナトリウムを15μl添加し
4℃で2時間静置し、さらに蒸留水で0.2Mに希釈し
たグリシンを25μl添加し室温で1時間静置した。次
に0.076MのPBS(pH6.4)に対して4℃で
一夜透析し、得られたペルオキシダーゼ標識ペプチド
溶液に等量のグリセロールを添加し−20℃にて保存し
た。
【0180】次に、イムノプレート(ヌンク(NUNC)社
製、マキシソープ(MaxiSorpTM) )の各ウェルに0.0
76MのPBS(pH6.4)で20μg/mlに希釈
した抗マウスイムノグロブリン抗体(Z259、ダコ社製)
を50μl加え、45℃で30分処理した。プレートを
氷水で冷却後、イオン交換水でプレートを5回洗浄し、
0.2%ゼラチンを含むPBS100μlを分注し、4
℃で一夜静置してブロッキングを行った。ブロッキング
後、PBSで100倍に希釈した塩析抗体(F897−
1−2)を50μl加え37℃で1時間静置した後、
0.005%Tween20を含む0.9%NaClの
洗浄液で2回洗浄し、さらにイオン交換水で1回洗浄し
た。一方、ペプチドをPBSで3μg/ml、10μ
g/mlに希釈して阻止抗原溶液とし、ネガティブコン
トロールとして阻止抗原を含まない溶液を調製した。こ
れらの溶液を25μl添加後、PBSで200倍に希釈
したペルオキシダーゼ標識ペプチドを25μl加え、
37℃で1時間反応させた。反応終了後洗浄液で5回洗
浄し、続いてイオン交換水で2回洗浄した。オルトフェ
ニレンジアミンを3mg/ml、過酸化水素0.027
%を含むマッキルベイン緩衝液(pH5.0)を上記各
ウェルに50μl添加して室温で5分間反応させた。2
N硫酸50μlを添加して反応を停止し、492nmの
吸光度を測定した。阻止抗原無添加のウェル(ネガティ
ブコントロール)の吸光度を100とした場合の各ウェ
ルの吸光度を算出し、反応性(%)とした。結果を図3
1に示した。図31から明らかなように、F897−1
−2抗体と抗原ペプチドとの反応性は、ペプチドによ
り阻止されることが確認された。
【0181】(実施例16)アポトーシス抑制活性の評
価−1 実施例15で得られた抗体F883−1−1のアポトー
シス抑制活性を、Fasリガンドを発現する形質転換体
およびFas抗原を発現する形質転換体を使用した以下
の方法で確認した。まず、ヒトFasリガンドをコード
するcDNAを含むプラスミドpEX−hFL1(実施
例12参照)で、マウス正常骨髄細胞由来細胞株FDC
−P1を形質転換した。その中の1クローン、FLh1
細胞を、50U/mlのマウスIL−3(コスモバイオ
(株)製)および10%のFBSを含有するRPMI1
640培地(ギブコ BRL社製)中で、5%CO2 存在
下、37℃にて4日間培養した。培養後、FLh1細胞
を10%FBSを含有するRPMI1640培地に5×
105 細胞/mlとなるよう懸濁し、この懸濁液を96
穴平底プレートの各ウェルに50μlずつ添加した。一
方、実施例15で得られた抗体F883−1−1をPB
- を使用して各種濃度に調製した。これを上述の各ウ
ェルに10μlずつ添加し、5%CO2 存在下、37℃
にて30分間インキュベートした。
【0182】次に、10%FBSを含有するRPMI1
640培地に、ヒトFas抗原を発現する形質転換体W
C8細胞(実施例12参照)を6.3×105 細胞/m
lとなるよう懸濁し、これを各ウェルに40μlずつ添
加した。5%CO2 存在下、37℃で16時間インキュ
ベートした後、トリパンブルーを各ウェルに100μl
ずつ添加して、各ウェルあたりの生細胞数をカウントし
た。F883−1−1抗体のアポトーシス抑制活性を図
30に示した。図30から明らかなように、FLh1に
よるWC8のアポトーシスはF883−1−1抗体によ
り用量依存的に抑制された。なお、本発明者等はモノク
ローナル抗体F883−1−1を産生するハイブリドー
マF883−1−1を、平成6年8月9日付で工業技術
院生命工学工業技術研究所に寄託している(寄託番号
FERM P−14464)。
【0183】(実施例17)アポトーシス抑制活性の評
価−2 実施例15で得られた抗体F897−1−2のアポトー
シス抑制活性を、以下に述べる実施例18(3)の方法
で作製した形質転換体COS−1/pEX−hFL1の
培養上清およびヒトFas抗原を発現する形質転換体W
C8細胞を使用して、実施例8および12の方法に準じ
て確認した。まず、106 個のWC8細胞を20μCi
の[51Cr]クロム酸ナトリウム(アマーシャム社製)
および10%の非働化ウシ血清を含有するRPMI16
40培地中で37℃で2時間培養し、51Crで標識し
た。
【0184】次に、96穴U底プレート(コーニング(C
ORNING) 社製)の各ウェルに、COS−1/pEX−h
FL1の培養上清を終濃度が3%になるように6μl、
10%のFBSを含有するRPMI1640を74μl
ずつ添加した。さらに、実施例15で得られた抗体F8
97−1−2を、0.1%のBSAを含有するPBS-
で300μg/mlになるように調整し、終濃度が30
μg/mlとなるように各ウェルに20μlずつ添加し
た。37℃で30分間インキュベートした後、51Crで
標識したWC8細胞を1×104 個/100μl/ウェ
ルとなるよう各ウェルに添加し、37℃で4時間培養し
た。培養後、51Crの遊離を指標に細胞障害活性を測定
した。結果を図32に示した。図32より明らかなよう
に、COS−1/pEX−hFL1の培養上清中に存在
するFasリガンドによるWC8細胞のアポトーシス
は、F897−1−2抗体により抑制された。なお、本
発明者等はモノクローナル抗体であるF897−1−2
抗体を産生するハイブリドーマF897−1−2を、工
業技術院生命工学工業技術研究所に、平成6年9月1日
付けで寄託している(寄託番号FERM P−1449
7)。
【0185】(実施例18)ヒトFasリガンドの細胞
外領域の発現 (1)プラスミドpM1067の作製 まず、センスプライマー7(CACCTGCAGAAG
GAGCTGGCAGAA)およびアンチセンスプライ
マー7(AATAAGCTTGGTACCCTATTA
GAGCTTATATAA)を化学合成機にて合成した
(配列表の配列番号43および44)。このセンスプラ
イマーはヒトFasリガンド細胞外領域のN末端側に位
置するアミノ酸配列をコードする塩基配列とPstIサ
イト(CTGCAG)を含んでいる。また、アンチセン
スプライマーは、TAA終止コドンを含む領域とHin
dIII サイト(AAGCTT)、KpnIサイト(GG
TACC)を含んでいる。
【0186】得られたセンスプライマーおよびアンチセ
ンスプライマーをそれぞれ100pmol、実施例12
(1)で得たプラスミドpBX−hFL1を50ng、
dATP、dCTP、dGTP、dTTPをそれぞれ2
0nmol、2.5ユニットのpfuポリメラーゼと添
付のpfuバッファー(共にストラタジーン社製)を1
0μl含む100μlの溶液を調整した。DNAサーマ
ルサイクラー(PCRシステム9600,パーキンエル
マー社製)を使用して;94℃、30秒;55℃、30
秒;72℃、1分を1サイクルとするPCRを30サイ
クル行った。得られたPCR産物をPstI、Hind
III で二重消化し、pUC118のPstI、Hind
III サイトに組み込み、得られたプラスミドをpM10
67と命名した。
【0187】(2)プラスミドpM1070の作製 センスプライマー8(TGCGAATTCACCATG
CTGGGCATCTGG)およびアンチセンスプライ
マー8(AACCTGCAGGTGGAAGAGCTG
AGCAACAGACGTAAG)を化学合成機にて合
成した(配列表の配列番号45および46)。このセン
スプライマーはヒトFas抗原シグナルペプチドをコー
ドする配列の5’末端領域とEcoRIサイト(GAA
TTC)を含んでいる。一方、アンチセンスプライマー
はヒトFas抗原シグナルペプチドをコードする配列の
3’末端領域とヒトFasリガンド細胞外領域のN末端
側をコードする塩基配列およびPstIサイトを含んで
いる。
【0188】得られたセンスプライマー、アンチセンス
プライマーをそれぞれ100pmol、実施例1(3)
で使用したプラスミドpBLF58−1を50ng、d
ATP、dCTP、dGTP、dTTPをそれぞれ20
nmol、2.5ユニットのpfuポリメラーゼと添付
のpfuバッファー(共にストラタジーン社製)を10
μl含む100μlの溶液を調整し、(1)と同様にP
CRを行った。得られたPCR産物をEcoRI、Ps
tIで二重消化し、(1)で得たプラスミドpM106
7のEcoRI、PstIサイト間に組み込んだ。さら
に、これをEcoRI、KpnIで二重消化し、アガロ
ースゲル電気泳動に供した。約600bpの断片を回収
し、キアジエン(QIAGEN)社製のキアエックス(QIAEX
TM)キットを使用して、DNAを精製した。実施例14
(2)で使用したpEF−BOSにDHFR遺伝子を組
換えたプラスミドpM1103を準備し、そのEcoR
I、KpnIサイト間に、上述の約600bpのDNA
断片を組み込み、得られたプラスミドをpM1070と
命名した。
【0189】(3)COS細胞への導入 pM1070および実施例12(1)で作製したpEX
−hFL1を各々COS−1細胞へ導入し、形質転換体
COS−1/pM1070およびCOS−1/pEX−
hFL1を作製した。すわなち、8. 1μgのpM10
70あるいはpEX−hFL1を40μlの10mMト
リス塩酸緩衝液(pH7.4)/1mMエチレンジアミ
ン四酢酸(以下、Tris/EDTA と記す)溶液に溶解した。
これらに、それぞれ、0.2mg/mlDEAE−デキ
ストランおよび50mMTris−HCl(pH7.
4)を含有するD−MEM(日水製薬(株)製)11.
3mlを添加し、DNA−DEAEデキストラン混合液
を作製した。
【0190】150cm2 のルーフラスコ内でセミコン
フルエントまで単層培養したCOS−1細胞にDNA−
DEAEデキストラン混合液を滴下し、5%CO2 存在
下で、37℃にて培養し、形質転換体COS−1/pM
1070およびCOS−1/pEX−hFL1を得た。
4時間後、DNA−DEAEデキストラン混合液を除去
し、10%FBS(アーバンサイエンティフィック社
製)を含有するD−MEMに交換し、さらに48〜96
時間培養した。COS−1/pM1070およびCOS
−1/pEX−hFL1の培養上清を回収し、以下の
(4)および(5)で使用した。
【0191】(4)細胞障害活性の確認 (3)で得た培養上清の細胞障害活性を、WC8細胞あ
るいはW4細胞をターゲット細胞として、実施例8およ
び実施例12と同様に測定した。すなわち、106個の
WC8細胞あるいはW4細胞を、20μCiの[51
r]クロム酸ナトリウム(アマーシャム社製)を含むR
PMI1640培地を用いて37℃で2時間培養し、51
Crで標識した。51Crで標識した細胞を1×104
含む反応液中に、(3)で得た細胞培養上清を終濃度3
%あるいは10%となるように添加し、37℃で4時間
培養後、51Crの遊離を指標に細胞障害活性を測定し
た。結果を図33および34に示した。図から明らかな
ように、COS−1/pM1070およびCOS−1/
pEX−hFL1の培養上清は、WC8細胞あるいはW
4細胞に対して濃度依存的に細胞障害活性を示した。図
中、Mockは、コントロール(対照)を示す。以上の
結果より、これらの培養上清中には、Fas抗原と結合
してアポトーシスを誘導する活性を有するFasリガン
ドが含まれていることが確認された。
【0192】(5)形質転換体COS−1/pM107
0およびCOS−1/pEX−hFL1の培養上清を使
用したウエスタンブロッティング ヒトFasリガンドのアミノ酸配列の一部(PSPPP
EKKELRKVAH、配列表の配列番号47)を認識
するウサギ抗血清を公知方法に従って作製し、以下の方
法でウエスタンブロッティングを行った。まず、(3)
で得た形質転換体COS−1/pM1070およびCO
S−1/pEX−hFL1の培養上清10μlをそれぞ
れ蒸留水5μlとを混合した。これらに、4%SDS、
28%グリセロール、0.16%BPBを含む0.2M
トリス塩酸(pH6.8)5μlもしくは4%SDS、
28%グリセロール、0.8%DTT、0.16%BP
Bを含む0.2Mトリス塩酸(pH6.8)5μlを加
え、それぞれ37℃で1時間処理した後、SDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動(5−20%グラジエント
ゲル)を行った。泳動終了後、PVDF膜(アトー社
製)に室温にて200mA、60分の条件で転写した。
スキムミルク(雪印乳業(株)社製)を使用して4℃、
一夜反応させ、ブロッキングを行ったのち、メンブレン
をPBSで1回(室温で15分インキュベート)、0.
1%Tween20/PBSで2回(室温で5分インキ
ュベート)洗浄した。
【0193】上述のウサギ抗血清を0.5%BSA/
0.1%Tween20/PBSで1,000倍に希釈
し、37℃で1時間反応させた。反応終了後、0.1%
Tween20/PBSで2回洗浄した。洗浄後、さら
に、0.5%BSA/0.1%Tween20/PBS
で1,000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識抗ウサ
ギイムノグロブリンズ抗体(Cat.No. P448、ダコ社製)
溶液に浸し、室温で1時間反応させた。メンブレンを
0.1%Tween20/PBSで5回洗浄し、表面の
水を切り、ECLシステム(アマーシャム社製)で検出
した。その結果、COS−1/pM1070の培養上清
では、還元条件下で29kD付近に、非還元条件下で2
6kD付近に、それぞれバンドが認められた。一方、C
OS−1/pEX−hFL1の培養上清では、還元条件
下で26kD付近に、非還元条件下で24kD付近にそ
れぞれバンドが検出された。非還元条件下でのウェスタ
ンブロットの結果をそれぞれ図35および36に示し
た。図中、Mockは、図33および34と同じであ
る。
【0194】(実施例19)アンチセンスオリゴヌクレ
オチドによるFasリガンドの発現抑制 (1)アンチセンスオリゴヌクレオチドの合成 配列表の配列番号17の20番目から41番目の塩基配
列(TAAAACCGTTTGCTGGGGCTGG)
をもつ22塩基よりなるフォスフォロチオエート型セン
スオリゴヌクレオチド(以下、センスオリゴヌクレオチ
ドS20と呼ぶ)およびそれに相補的な塩基配列(CC
AGCCCCAGCAAACGGTTTTA)をもつフ
ォスフォロチオエート型アンチセンスオリゴヌクレオチ
ド(以下、アンチセンスオリゴヌクレオチドA41と呼
ぶ)を公知方法にて合成した(配列表の配列番号48お
よび49)。得られた合成オリゴヌクレオチドを1mM
となるようにTEバッファーに溶解した。
【0195】(2)アンチセンスオリゴヌクレオチドの
細胞への導入 ヒトFasリガンドを発現する形質転換体FLh1細胞
(実施例16参照)を10%の非働化FBSを含むRP
MI1640培地に懸濁し、2.0×104 個/196
μl/ウェルとなるように96ウェルプレート(ヌンク
社製)の各ウェルに添加した。(1)で得た1mMのア
ンチセンスオリゴヌクレオチドA41を、終濃度20μ
Mとなるように4μlずつ各ウェルに添加し、5%CO
2 存在下で3日間培養し、細胞にオリゴヌクレオチドを
導入した。同様に、1mMのセンスオリゴヌクレオチド
S20あるいはTEバッファーをそれぞれ4μlずつ各
ウェルに添加し、5%CO2 存在下で3日間培養し、コ
ントロールとした。
【0196】(3)細胞障害活性の測定 (2)で3日間培養したFLh1細胞をエフェクター細
胞とし、ヒトFas抗原を発現する形質転換体WC8に
対する細胞障害活性を測定した。細胞障害活性の測定
は、実施例8および12で用いた方法に従い行った。す
なわち、106 個のWC8細胞を20μCiの[51
r]クロム酸ナトリウム(NEN社製)を含むRPMI
1640培地を用いて37℃で2時間培養し、51Crで
標識した細胞(1×104 )を上記エフェクター細胞と
E/T比3対1の割合で混合した。37℃で5時間培養
後、51Crの遊離を指標に細胞障害活性を測定した。そ
の結果、アンチセンスオリゴヌクレオチドA41を導入
したFLh1細胞ではWC8細胞に対するアポトーシス
誘導活性が抑制された(図37)。
【0197】(実施例20)アンチセンスオリゴヌクレ
オチドによるFasリガンドの発現抑制(リポフェクシ
ョン) (1)アンチセンスオリゴヌクレオチドの合成 配列表の配列番号17のヒトFasリガンドをコードす
るDNA配列を参考に、フォスフォロチオエート型のセ
ンスオリゴヌクレオチド、S50、S163、S33
8、S484、S714、S905、およびフォスフォ
ロチオエート型のアンチセンスオリゴヌクレオチドA6
9、A184、A355、A505、A733、A92
4を公知方法にて合成した(配列表の配列番号50〜6
1)。このうち、センスオリゴヌクレオチドS50およ
びアンチセンスオリゴヌクレオチドA69は、それぞ
れ、配列番号17の50番目から69番目の塩基配列
(ACCAGCTGCCATGCAGCAGC)および
その相補的な配列(GCTGCTGCATGGCAGC
TGGT)をもつ20塩基よりなるオリゴヌクレオチド
である。
【0198】センスオリゴヌクレオチドS163および
アンチセンスオリゴヌクレオチドA184は、それぞ
れ、配列番号17の163番目から184番目の塩基配
列(CTGTGCCCAGAAGGCCTGGTCA)
およびそれに相補的な塩基配列(TGACCAGGCC
TTCTGGGCACAG)をもつ22塩基からなるオ
リゴヌクレオチドである。センスオリゴヌクレオチドS
338およびアンチセンスオリゴヌクレオチドA355
は、それぞれ、配列番号17の338番目から355番
目の塩基配列(CTTGGTAGGATTGGGCC
T)およびそれに相補的な塩基配列(AGGCCCAA
TCCTACCAAG)をもつ18塩基からなるオリゴ
ヌクレオチドである。
【0199】センスオリゴヌクレオチドS484および
アンチセンスオリゴヌクレオチドA505は、配列番号
17の484番目から505番目の塩基配列(AGCT
GAGGAAAGTGGCCCATTT)およびそれに
相補的な塩基配列(AAATGGGCCACTTTCC
TCAGCT)をもつ22塩基からなるオリゴヌクレオ
チドである。センスオリゴヌクレオチドS714および
アンチセンスオリゴヌクレオチドA733は、それぞれ
配列番号17の714番目から733番目の塩基配列
(CCCCAGGATCTGGTGATGAT)および
それに相補的な塩基配列(ATCATCACCAGAT
CCTGGGG)をもつ20塩基からなるオリゴヌクレ
オチドである。
【0200】センスオリゴヌクレオチドS905および
アンチセンスオリゴヌクレオチドA924はそれぞれ、
配列番号17の905番目から924番目の塩基配列
(AGAGAAGCACTTTGGGATTC)および
それに相補的な塩基配列(GAATCCCAAAGTG
CTTCTCT)をもつ20塩基からなるオリゴヌクレ
オチドである。得られた上記の合成オリゴヌクレオチド
を、それぞれ1mM濃度となるようにTEバッファーに
溶解した。
【0201】(2)アンチセンスオリゴヌクレオチドの
細胞への導入 まず、ヒトFasリガンドをコードするcDNAを含む
プラスミドpEX−hFL1(実施例12(2)参照)
でマウス線維芽細胞様細胞株L929を形質転換した。
そのうちの1クローンLFLh3細胞を10%のFBS
を含むD−MEMに懸濁し、3.0×105 個/2.0
ml/ウェルとなるように6ウェルプレート(ヌンク社
製)に植え込み、5%CO2 存在下、37℃にて一夜培
養した。翌日、(1)で合成したオリゴヌクレオチドを
終濃度1μMとなるようにリポフェクトアミン(ギブコ
BRL社製)40μgを含有するオプティ−MEM(O
PTI−MEMTMI、ギブコ BRL社製)1,000μl
に懸濁し、オリゴヌクレオチドリポフェクトアミン混合
液を作製し、5%CO2 存在下、37℃にて一夜培養
し、培地を除去した後、LFLh3細胞に添加した。5
%CO2 存在下、37℃にて4時間培養後、20%非働
化FBS及び1μMオリゴヌクレオチドを含有するD−
MEMを1,000μl添加し、さらに16時間培養す
ることにより、LFLh3細胞に(1)で合成したオリ
ゴヌクレオチドを導入した。
【0202】(3)細胞障害活性の測定 (2)でオリゴヌクレオチドを導入したLFLh3細胞
を回収し、トリプシン溶液で3分間処理した後、細胞障
害活性測定用のエフェクター細胞として用いた。細胞障
害活性の測定は、実施例8および12で用いた方法に従
い行った。すなわち、106 個のWC8細胞を20μC
iの[51Cr]クロム酸ナトリウム(NEN社製)を含
むRPMI1640培地を用いて37℃で2時間培養
し、51Crで標識した細胞(1×104 )を上記エフェ
クター細胞とE/T比1対1の割合で混合した。37℃
で4時間培養後、51Crの遊離を指標に細胞障害活性を
測定した。その結果、上述のアンチセンスオリゴヌクレ
オチド、A69,A184,A355,A505,A7
33,A924を導入したLFLh3細胞ではWC8細
胞に対するアポトーシス誘導活性が抑制された。これら
のアンチセンスオリゴヌクレオチドの特異的細胞溶解抑
制率を以下の式より計算し、図38に示した。
【0203】SCL(%)=1−(SCLAON-LFLh−S
CLSON-LFLh) SCL:特異的細胞溶解抑制率 SCLAON-LFLh:アンチセンスオリゴヌクレオチドを導
入したLFLh3細胞の特異的細胞溶解率 SCLSON-LFLh:センスオリゴヌクレオチドを導入した
LFLh3細胞の特異的細胞溶解率
【0204】(参考例1)gld(C3H−gld/g
ld)マウスからのFasリガンドに対するcDNAの
クローニング gld(C3H−gld/gld)マウスの脾臓細胞を
実施例14の方法で培養し、実施例14の方法で1本鎖
cDNAの合成およびPCRを行った。得られたPCR
産物を、XbaIで制限酵素処理後、1%アガロースゲ
ルで分離し、約940bpDNAフラグメントを回収し
た。これを、pBluescriptIIKS(+)の
XbaIサイトにサブクローニングし、その塩基配列を
決定した。得られた塩基配列を、実施例14(1)で確
認した配列と比較したところ、得られたPCR産物の配
列は、実施例14(1)で得られた配列の3’末端近く
のT(配列番号18の塩基番号849)がCに変異して
いることが明らかになった(配列表の配列番号62)。
この1塩基の変異により、アミノ酸配列にも変異が生じ
ていた。すなわち、gldマウスにおいては、マウスF
asリガンドの細胞外領域に位置する273番目のアミ
ノ酸がフェニルアラニンからロイシンに変異していた。
【0205】(参考例2)gldマウス由来のFasリ
ガンドの細胞障害活性 参考例1で得られた約940bpのXbaIフラグメン
トを、動物細胞発現ベクターpEF−BOSのXbaI
部位に挿入した。実施例(2)と同様の方法で、COS
細胞を形質転換した。形質転換したCOS細胞をエフェ
クター細胞とし、実施例14(3)の方法で細胞障害活
性を測定した。その結果、gldマウスより得られたF
asリガンドcDNAで形質転換させたCOS細胞は細
胞障害活性を示さなかった(図26)。以上の結果よ
り、自己免疫疾患のモデルであるgldマウスでは、F
asリガンドによるアポトーシスの誘導が正常に起こら
ないことが確認された。今回の結果と、オガサワラ(Oga
sawara J.)等の報告から、自己免疫疾患の原因として、
Fas抗原の異常およびFasリガンドの異常の少なく
とも2つがあることが示唆された。いずれの場合も、自
己反応性のT細胞にアポトーシスを誘導することができ
ず、自己反応性のT細胞が生体内より除去されなかった
ため、自己免疫疾患が生じることが予想された。
【0206】
【発明の効果】本発明により、Fas抗原に結合する新
規蛋白質が提供される。当該新規蛋白質は、Fas抗原
を介したアポトーシスが関与する疾患、たとえば自己免
疫疾患や、ウイルス感染の治療薬として開発する事がで
きる。また、当該新規蛋白質は抗体を作製する際の抗原
として使用できるほか、試料中の当該蛋白質を、抗体を
使用して競合反応にて測定する際に使用することができ
る。本発明によればまた、Fas抗原に結合する新規蛋
白質をコードするDNAが提供される。
【0207】当該DNAは、前記新規蛋白質を遺伝子工
学的手法を使用して、工業的に大量生産するために使用
できる。また、DNAプローブを作製するためにも使用
できる。さらに、自己免疫疾患では、遺伝的にアポトー
シスの機構が欠損しているケースが考えられるが、当該
新規DNAは、このような疾患の遺伝子治療にも使用す
る事ができる。さらに、DNA配列が明らかになったこ
とにより、Fasリガンド遺伝子もしくはFasリガン
ドに対するmRNAの一部に相補的な塩基配列を含むオ
リゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体が提
供される。当該オリゴヌクレオチドは、Fasリガンド
の発現を調節するために使用できる他、診断用プローブ
としても利用できる。
【0208】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:281 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 配列: Met Gln Gln Pro Xaa Asn Tyr Pro Xaa Pro Gln Ile Xaa Trp Val 5 10 15 Asp Ser Ser Ala Xaa Ser Xaa Trp Ala Pro Pro Gly Xaa Val Xaa 20 25 30 Xaa Cys Pro Xaa Xaa Xaa Pro Arg Xaa Pro Xaa Gln Arg Arg Pro 35 40 45 Pro Pro Pro Pro Pro Pro Xaa Xaa Xaa Pro Xaa Pro Pro Pro Xaa 50 55 60 Xaa Pro Xaa Pro Xaa Xaa Pro Leu Xaa Pro Leu Lys Lys Xaa Xaa 65 70 75 Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Leu Xaa Leu Xaa Val Xaa Phe Phe Met Val 80 85 90 Leu Val Ala Leu Val Gly Xaa Gly Leu Gly Met Xaa Gln Leu Phe 95 100 105 His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Xaa Thr Xaa Xaa 110 115 120 Xaa Xaa Xaa Xaa Ser Ser Xaa Glu Lys Gln Ile Xaa Xaa Pro Ser 125 130 135 Xaa Pro Xaa Glu Xaa Lys Xaa Xaa Arg Xaa Val Ala His Leu Thr 140 145 150 Gly Xaa Xaa Xaa Ser Arg Ser Xaa Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr 155 160 165 Tyr Gly Xaa Xaa Leu Xaa Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly 170 175 180 Leu Val Ile Asn Glu Xaa Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val 185 190 195 Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Xaa Xaa Pro Leu Xaa His Lys 200 205 210 Val Tyr Met Arg Asn Xaa Lys Tyr Pro Xaa Asp Leu Val Xaa Met 215 220 225 Glu Xaa Lys Xaa Xaa Xaa Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Xaa Trp Ala 230 235 240 Xaa Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Xaa Ala Asp 245 250 255 His Leu Tyr Val Asn Xaa Ser Xaa Leu Ser Leu Xaa Asn Phe Glu 260 265 270 Glu Ser Xaa Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 280 281
【0209】配列番号:2 配列の長さ:281 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 起源: 生物名:ヒト 配列: Met Gln Gln Pro Phe Asn Tyr Pro Tyr Pro Gln Ile Tyr Trp Val 5 10 15 Asp Ser Ser Ala Ser Ser Pro Trp Ala Pro Pro Gly Thr Val Leu 20 25 30 Pro Cys Pro Thr Ser Val Pro Arg Arg Pro Gly Gln Arg Arg Pro 35 40 45 Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Leu Pro Pro Pro Pro Pro Pro 50 55 60 Pro Pro Leu Pro Pro Leu Pro Leu Pro Pro Leu Lys Lys Arg Gly 65 70 75 Asn His Ser Thr Gly Leu Cys Leu Leu Val Met Phe Phe Met Val 80 85 90 Leu Val Ala Leu Val Gly Leu Gly Leu Gly Met Phe Gln Leu Phe 95 100 105 His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Ser Thr Ser Gln 110 115 120 Met His Thr Ala Ser Ser Leu Glu Lys Gln Ile Gly His Pro Ser 125 130 135 Pro Pro Pro Glu Lys Lys Glu Leu Arg Lys Val Ala His Leu Thr 140 145 150 Gly Lys Ser Asn Ser Arg Ser Met Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr 155 160 165 Tyr Gly Ile Val Leu Leu Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly 170 175 180 Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val 185 190 195 Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Leu Pro Leu Ser His Lys 200 205 210 Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Gln Asp Leu Val Met Met 215 220 225 Glu Gly Lys Met Met Ser Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Met Trp Ala 230 235 240 Arg Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Ser Ala Asp 245 250 255 His Leu Tyr Val Asn Val Ser Glu Leu Ser Leu Val Asn Phe Glu 260 265 270 Glu Ser Gln Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 280 281
【0210】配列番号:3 配列の長さ:278 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 起源: 生物名:ラット 配列: Met Gln Gln Pro Val Asn Tyr Pro Cys Pro Gln Ile Tyr Trp Val 5 10 15 Asp Ser Ser Ala Thr Ser Pro Trp Ala Pro Pro Gly Ser Val Phe 20 25 30 Ser Cys Pro Ser Ser Gly Pro Arg Gly Pro Gly Gln Arg Arg Pro 35 40 45 Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Ser Pro Leu Pro Pro Pro Ser Gln 50 55 60 Pro Pro Pro Leu Pro Pro Leu Ser Pro Leu Lys Lys Lys Asp Asn 65 70 75 Ile Glu Leu Trp Leu Pro Val Ile Phe Phe Met Val Leu Val Ala 80 85 90 Leu Val Gly Met Gly Leu Gly Met Tyr Gln Leu Phe His Leu Gln 95 100 105 Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe Thr Asn His Ser Leu Arg 110 115 120 Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala Asn Pro Ser Thr Pro Ser 125 130 135 Glu Thr Lys Lys Pro Arg Ser Val Ala His Leu Thr Gly Asn Pro 140 145 150 Arg Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly Thr 155 160 165 Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val Ile 170 175 180 Asn Glu Ala Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe Arg 185 190 195 Gly Gln Ser Cys Asn Ser Gln Pro Leu Ser His Lys Val Tyr Met 200 205 210 Arg Asn Phe Lys Tyr Pro Gly Asp Leu Val Leu Met Glu Glu Lys 215 220 225 Lys Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Ile Trp Ala His Ser Ser 230 235 240 Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Val Ala Asp His Leu Tyr 245 250 255 Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile Asn Phe Glu Glu Ser Lys 260 265 270 Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 278
【0211】配列番号:4 配列の長さ:279 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 起源: 生物名:マウス 配列: Met Gln Gln Pro Met Asn Tyr Pro Cys Pro Gln Ile Phe Trp Val 5 10 15 Asp Ser Ser Ala Thr Ser Ser Trp Ala Pro Pro Gly Ser Val Phe 20 25 30 Pro Cys Pro Ser Cys Gly Pro Arg Gly Pro Asp Gln Arg Arg Pro 35 40 45 Pro Pro Pro Pro Pro Pro Val Ser Pro Leu Pro Pro Pro Ser Gln 50 55 60 Pro Leu Pro Leu Pro Pro Leu Thr Pro Leu Lys Lys Lys Asp His 65 70 75 Asn Thr Asn Leu Trp Leu Pro Val Val Phe Phe Met Val Leu Val 80 85 90 Ala Leu Val Gly Met Gly Leu Gly Met Tyr Gln Leu Phe His Leu 95 100 105 Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe Thr Asn Gln Ser Leu 110 115 120 Lys Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala Asn Pro Ser Thr Pro 125 130 135 Ser Glu Lys Lys Glu Pro Arg Ser Val Ala His Leu Thr Gly Asn 140 145 150 Pro His Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly 155 160 165 Thr Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val 170 175 180 Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe 185 190 195 Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Gln Pro Leu Asn His Lys Val Tyr 200 205 210 Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Glu Asp Leu Val Leu Met Glu Glu 215 220 225 Lys Arg Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Ile Trp Ala His Ser 230 235 240 Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Ser Ala Asp His Leu 245 250 255 Tyr Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile Asn Phe Glu Glu Ser 260 265 270 Lys Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 279
【0212】配列番号:5 配列の長さ:179 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 配列: Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Xaa 5 10 15 Thr Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Ser Ser Xaa Glu Lys Gln Ile Xaa 20 25 30 Xaa Pro Ser Xaa Pro Xaa Glu Xaa Lys Xaa Xaa Arg Xaa Val Ala 35 40 45 His Leu Thr Gly Xaa Xaa Xaa Ser Arg Ser Xaa Pro Leu Glu Trp 50 55 60 Glu Asp Thr Tyr Gly Xaa Xaa Leu Xaa Ser Gly Val Lys Tyr Lys 65 70 75 Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Xaa Gly Leu Tyr Phe Val Tyr 80 85 90 Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Xaa Xaa Pro Leu 95 100 105 Xaa His Lys Val Tyr Met Arg Asn Xaa Lys Tyr Pro Xaa Asp Leu 110 115 120 Val Xaa Met Glu Xaa Lys Xaa Xaa Xaa Tyr Cys Thr Thr Gly Gln 125 130 135 Xaa Trp Ala Xaa Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr 140 145 150 Xaa Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Xaa Ser Xaa Leu Ser Leu Xaa 155 160 165 Asn Phe Glu Glu Ser Xaa Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 170 175 179
【0213】配列番号:6 配列の長さ:179 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 起源: 生物名:ヒト 配列: Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Ser 5 10 15 Thr Ser Gln Met His Thr Ala Ser Ser Leu Glu Lys Gln Ile Gly 20 25 30 His Pro Ser Pro Pro Pro Glu Lys Lys Glu Leu Arg Lys Val Ala 35 40 45 His Leu Thr Gly Lys Ser Asn Ser Arg Ser Met Pro Leu Glu Trp 50 55 60 Glu Asp Thr Tyr Gly Ile Val Leu Leu Ser Gly Val Lys Tyr Lys 65 70 75 Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr 80 85 90 Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Leu Pro Leu 95 100 105 Ser His Lys Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Gln Asp Leu 110 115 120 Val Met Met Glu Gly Lys Met Met Ser Tyr Cys Thr Thr Gly Gln 125 130 135 Met Trp Ala Arg Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr 140 145 150 Ser Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Val Ser Glu Leu Ser Leu Val 155 160 165 Asn Phe Glu Glu Ser Gln Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 170 175 179
【0214】配列番号:7 配列の長さ:179 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 起源: 生物名:ラット 配列: Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe 5 10 15 Thr Asn His Ser Leu Arg Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala 20 25 30 Asn Pro Ser Thr Pro Ser Glu Thr Lys Lys Pro Arg Ser Val Ala 35 40 45 His Leu Thr Gly Asn Pro Arg Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp 50 55 60 Glu Asp Thr Tyr Gly Thr Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys 65 70 75 Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Ala Gly Leu Tyr Phe Val Tyr 80 85 90 Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Ser Gln Pro Leu 95 100 105 Ser His Lys Val Tyr Met Arg Asn Phe Lys Tyr Pro Gly Asp Leu 110 115 120 Val Leu Met Glu Glu Lys Lys Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln 125 130 135 Ile Trp Ala His Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr 140 145 150 Val Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile 155 160 165 Asn Phe Glu Glu Ser Lys Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 170 175 179
【0215】配列番号:8 配列の長さ:179 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 起源: 生物名:マウス 配列: Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe 5 10 15 Thr Asn Gln Ser Leu Lys Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala 20 25 30 Asn Pro Ser Thr Pro Ser Glu Lys Lys Glu Pro Arg Ser Val Ala 35 40 45 His Leu Thr Gly Asn Pro His Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp 50 55 60 Glu Asp Thr Tyr Gly Thr Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys 65 70 75 Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr 80 85 90 Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Gln Pro Leu 95 100 105 Asn His Lys Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Glu Asp Leu 110 115 120 Val Leu Met Glu Glu Lys Arg Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln 125 130 135 Ile Trp Ala His Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr 140 145 150 Ser Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile 155 160 165 Asn Phe Glu Glu Ser Lys Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 170 175 179
【0216】配列番号:9 配列の長さ:843 配列の型:核酸 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 生物名:ヒト 直接の起源: クローン名:pBX−hFL1 配列: ATG CAG CAG CCC TTC AAT TAC CCA TAT CCC CAG ATC TAC TGG GTG 45 Met Gln Gln Pro Phe Asn Tyr Pro Tyr Pro Gln Ile Tyr Trp Val 5 10 15 GAC AGC AGT GCC AGC TCT CCC TGG GCC CCT CCA GGC ACA GTT CTT 90 Asp Ser Ser Ala Ser Ser Pro Trp Ala Pro Pro Gly Thr Val Leu 20 25 30 CCC TGT CCA ACC TCT GTG CCC AGA AGG CCT GGT CAA AGG AGG CCA 135 Pro Cys Pro Thr Ser Val Pro Arg Arg Pro Gly Gln Arg Arg Pro 35 40 45 CCA CCA CCA CCG CCA CCG CCA CCA CTA CCA CCT CCG CCG CCG CCG 180 Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Leu Pro Pro Pro Pro Pro Pro 50 55 60 CCA CCA CTG CCT CCA CTA CCG CTG CCA CCC CTG AAG AAG AGA GGG 225 Pro Pro Leu Pro Pro Leu Pro Leu Pro Pro Leu Lys Lys Arg Gly 65 70 75 AAC CAC AGC ACA GGC CTG TGT CTC CTT GTG ATG TTT TTC ATG GTT 270 Asn His Ser Thr Gly Leu Cys Leu Leu Val Met Phe Phe Met Val 80 85 90 CTG GTT GCC TTG GTA GGA TTG GGC CTG GGG ATG TTT CAG CTC TTC 315 Leu Val Ala Leu Val Gly Leu Gly Leu Gly Met Phe Gln Leu Phe 95 100 105 CAC CTA CAG AAG GAG CTG GCA GAA CTC CGA GAG TCT ACC AGC CAG 360 His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Ser Thr Ser Gln 110 115 120 ATG CAC ACA GCA TCA TCT TTG GAG AAG CAA ATA GGC CAC CCC AGT 405 Met His Thr Ala Ser Ser Leu Glu Lys Gln Ile Gly His Pro Ser 125 130 135 CCA CCC CCT GAA AAA AAG GAG CTG AGG AAA GTG GCC CAT TTA ACA 450 Pro Pro Pro Glu Lys Lys Glu Leu Arg Lys Val Ala His Leu Thr 140 145 150 GGC AAG TCC AAC TCA AGG TCC ATG CCT CTG GAA TGG GAA GAC ACC 495 Gly Lys Ser Asn Ser Arg Ser Met Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr 155 160 165 TAT GGA ATT GTC CTG CTT TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAG GGT GGC 540 Tyr Gly Ile Val Leu Leu Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly 170 175 180 CTT GTG ATC AAT GAA ACT GGG CTG TAC TTT GTA TAT TCC AAA GTA 585 Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val 185 190 195 TAC TTC CGG GGT CAA TCT TGC AAC AAC CTG CCC CTG AGC CAC AAG 630 Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Leu Pro Leu Ser His Lys 200 205 210 GTC TAC ATG AGG AAC TCT AAG TAT CCC CAG GAT CTG GTG ATG ATG 675 Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Gln Asp Leu Val Met Met 215 220 225 GAG GGG AAG ATG ATG AGC TAC TGC ACT ACT GGG CAG ATG TGG GCC 720 Glu Gly Lys Met Met Ser Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Met Trp Ala 230 235 240 CGC AGC AGC TAC CTG GGG GCA GTG TTC AAT CTT ACC AGT GCT GAT 765 Arg Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Ser Ala Asp 245 250 255 CAT TTA TAT GTC AAC GTA TCT GAG CTC TCT CTG GTC AAT TTT GAG 810 His Leu Tyr Val Asn Val Ser Glu Leu Ser Leu Val Asn Phe Glu 260 265 270 GAA TCT CAG ACG TTT TTC GGC TTA TAT AAG CTC 843 Glu Ser Gln Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 280 281
【0217】配列番号:10 配列の長さ:834 配列の型:核酸 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 生物名:ラット 株名 :PC60−d10S−2 直接の起源: クローン名:pTN24−15 配列: ATG CAG CAG CCC GTG AAT TAC CCA TGT CCC CAG ATC TAC TGG GTA 45 Met Gln Gln Pro Val Asn Tyr Pro Cys Pro Gln Ile Tyr Trp Val 1 5 10 15 GAC AGC AGT GCC ACT TCT CCT TGG GCT CCT CCA GGG TCA GTT TTT 90 Asp Ser Ser Ala Thr Ser Pro Trp Ala Pro Pro Gly Ser Val Phe 20 25 30 TCT TGT CCA TCC TCT GGG CCT AGA GGG CCA GGA CAA AGG AGA CCA 135 Ser Cys Pro Ser Ser Gly Pro Arg Gly Pro Gly Gln Arg Arg Pro 35 40 45 CCG CCT CCA CCA CCA CCT CCA TCA CCA CTA CCA CCG CCT TCC CAA 180 Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Ser Pro Leu Pro Pro Pro Ser Gln 50 55 60 CCA CCC CCG CTG CCT CCA CTA AGC CCT CTA AAG AAG AAG GAC AAC 225 Pro Pro Pro Leu Pro Pro Leu Ser Pro Leu Lys Lys Lys Asp Asn 65 70 75 ATA GAG CTG TGG CTA CCG GTG ATA TTT TTC ATG GTG CTG GTG GCT 270 Ile Glu Leu Trp Leu Pro Val Ile Phe Phe Met Val Leu Val Ala 80 85 90 CTG GTT GGA ATG GGG TTA GGA ATG TAT CAA CTC TTT CAT CTA CAG 315 Leu Val Gly Met Gly Leu Gly Met Tyr Gln Leu Phe His Leu Gln 95 100 105 AAG GAA CTG GCA GAA CTC CGT GAG TTC ACC AAC CAC AGC CTT AGA 360 Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe Thr Asn His Ser Leu Arg 110 115 120 GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA ATA GCC AAC CCC AGC ACA CCC TCT 405 Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala Asn Pro Ser Thr Pro Ser 125 130 135 GAA ACC AAA AAG CCA AGG AGT GTG GCC CAC TTA ACA GGG AAC CCC 450 Glu Thr Lys Lys Pro Arg Ser Val Ala His Leu Thr Gly Asn Pro 140 145 150 CGC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG GAA GAC ACA TAT GGA ACT 495 Arg Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly Thr 155 160 165 GCT TTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAA GGC GGC CTT GTG ATC 540 Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val Ile 170 175 180 AAT GAG GCT GGG TTG TAC TTC GTA TAT TCC AAA GTA TAC TTC CGG 585 Asn Glu Ala Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe Arg 185 190 195 GGT CAG TCT TGC AAC AGC CAG CCC CTA AGC CAC AAG GTC TAT ATG 630 Gly Gln Ser Cys Asn Ser Gln Pro Leu Ser His Lys Val Tyr Met 200 205 210 AGG AAC TTT AAG TAT CCT GGG GAT CTG GTG CTA ATG GAG GAG AAG 675 Arg Asn Phe Lys Tyr Pro Gly Asp Leu Val Leu Met Glu Glu Lys 215 220 225 AAG TTG AAT TAC TGC ACT ACT GGC CAG ATA TGG GCC CAC AGC AGC 720 Lys Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Ile Trp Ala His Ser Ser 230 235 240 TAC CTA GGG GCA GTA TTT AAT CTT ACC GTT GCT GAC CAT TTA TAT 765 Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Val Ala Asp His Leu Tyr 245 250 255 GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC AAT TTT GAG GAA TCT AAG 810 Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile Asn Phe Glu Glu Ser Lys 260 265 270 ACC TTT TTT GGC TTA TAT AAG CTT 834 Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 278
【0218】配列番号:11 配列の長さ:837 配列の種類:核酸 配列の型:cDNA to mRNA 起源: 生物名:マウス 直接の起源: クローン名:pBL−MFLW4 配列: ATG CAG CAG CCC ATG AAT TAC CCA TGT CCC CAG ATC TTC TGG GTA 45 Met Gln Gln Pro Met Asn Tyr Pro Cys Pro Gln Ile Phe Trp Val 5 10 15 GAC AGC AGT GCC ACT TCA TCT TGG GCT CCT CCA GGG TCA GTT TTT 90 Asp Ser Ser Ala Thr Ser Ser Trp Ala Pro Pro Gly Ser Val Phe 20 25 30 CCC TGT CCA TCT TGT GGG CCT AGA GGG CCG GAC CAA AGG AGA CCG 135 Pro Cys Pro Ser Cys Gly Pro Arg Gly Pro Asp Gln Arg Arg Pro 35 40 45 CCA CCT CCA CCA CCA CCT GTG TCA CCA CTA CCA CCG CCA TCA CAA 180 Pro Pro Pro Pro Pro Pro Val Ser Pro Leu Pro Pro Pro Ser Gln 50 55 60 CCA CTC CCA CTG CCG CCA CTG ACC CCT CTA AAG AAG AAG GAC CAC 225 Pro Leu Pro Leu Pro Pro Leu Thr Pro Leu Lys Lys Lys Asp His 65 70 75 AAC ACA AAT CTG TGG CTA CCG GTG GTA TTT TTC ATG GTT CTG GTG 270 Asn Thr Asn Leu Trp Leu Pro Val Val Phe Phe Met Val Leu Val 80 85 90 GCT CTG GTT GGA ATG GGA TTA GGA ATG TAT CAG CTC TTC CAC CTG 315 Ala Leu Val Gly Met Gly Leu Gly Met Tyr Gln Leu Phe His Leu 95 100 105 CAG AAG GAA CTG GCA GAA CTC CGT GAG TTC ACC AAC CAA AGC CTT 360 Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe Thr Asn Gln Ser Leu 110 115 120 AAA GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA ATA GCC AAC CCC AGT ACA CCC 405 Lys Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala Asn Pro Ser Thr Pro 125 130 135 TCT GAA AAA AAA GAG CCG AGG AGT GTG GCC CAT TTA ACA GGG AAC 450 Ser Glu Lys Lys Glu Pro Arg Ser Val Ala His Leu Thr Gly Asn 140 145 150 CCC CAC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG GAA GAC ACA TAT GGA 495 Pro His Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly 155 160 165 ACC GCT CTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAA GGT GGC CTT GTG 540 Thr Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val 170 175 180 ATC AAC GAA ACT GGG TTG TAC TTC GTG TAT TCC AAA GTA TAC TTC 585 Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe 185 190 195 CGG GGT CAG TCT TGC AAC AAC CAG CCC CTA AAC CAC AAG GTC TAT 630 Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Gln Pro Leu Asn His Lys Val Tyr 200 205 210 ATG AGG AAC TCT AAG TAT CCT GAG GAT CTG GTG CTA ATG GAG GAG 675 Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Glu Asp Leu Val Leu Met Glu Glu 215 220 225 AAG AGG TTG AAC TAC TGC ACT ACT GGA CAG ATA TGG GCC CAC AGC 720 Lys Arg Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Ile Trp Ala His Ser 230 235 240 AGC TAC CTG GGG GCA GTA TTC AAT CTT ACC AGT GCT GAC CAT TTA 765 Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Ser Ala Asp His Leu 245 250 255 TAT GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC AAT TTT GAG GAA TCT 810 Tyr Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile Asn Phe Glu Glu Ser 260 265 270 AAG ACC TTT TTC GGC TTG TAT AAG CTT 837 Lys Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 279
【0219】配列番号:12 配列の数:537 配列の型:核酸 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 生物名:ヒト 配列: CAG CTC TTC CAC CTA CAG AAG GAG CTG GCA GAA CTC CGA GAG TCT 45 Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Ser 5 10 15 ACC AGC CAG ATG CAC ACA GCA TCA TCT TTG GAG AAG CAA ATA GGC 90 Thr Ser Gln Met His Thr Ala Ser Ser Leu Glu Lys Gln Ile Gly 20 25 30 CAC CCC AGT CCA CCC CCT GAA AAA AAG GAG CTG AGG AAA GTG GCC 135 His Pro Ser Pro Pro Pro Glu Lys Lys Glu Leu Arg Lys Val Ala 35 40 45 CAT TTA ACA GGC AAG TCC AAC TCA AGG TCC ATG CCT CTG GAA TGG 180 His Leu Thr Gly Lys Ser Asn Ser Arg Ser Met Pro Leu Glu Trp 50 55 60 GAA GAC ACC TAT GGA ATT GTC CTG CTT TCT GGA GTG AAG TAT AAG 225 Glu Asp Thr Tyr Gly Ile Val Leu Leu Ser Gly Val Lys Tyr Lys 65 70 75 AAG GGT GGC CTT GTG ATC AAT GAA ACT GGG CTG TAC TTT GTA TAT 270 Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr 80 85 90 TCC AAA GTA TAC TTC CGG GGT CAA TCT TGC AAC AAC CTG CCC CTG 315 Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Leu Pro Leu 95 100 105 AGC CAC AAG GTC TAC ATG AGG AAC TCT AAG TAT CCC CAG GAT CTG 360 Ser His Lys Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Gln Asp Leu 110 115 120 GTG ATG ATG GAG GGG AAG ATG ATG AGC TAC TGC ACT ACT GGG CAG 405 Val Met Met Glu Gly Lys Met Met Ser Tyr Cys Thr Thr Gly Gln 125 130 135 ATG TGG GCC CGC AGC AGC TAC CTG GGG GCA GTG TTC AAT CTT ACC 450 Met Trp Ala Arg Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr 140 145 150 AGT GCT GAT CAT TTA TAT GTC AAC GTA TCT GAG CTC TCT CTG GTC 495 Ser Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Val Ser Glu Leu Ser Leu Val 155 160 165 AAT TTT GAG GAA TCT CAG ACG TTT TTC GGC TTA TAT AAG CTC 537 Asn Phe Glu Glu Ser Gln Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 170 175 179
【0220】配列番号:13 配列の数:537 配列の型:核酸 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 生物名:ラット 株名 :PC60−d10S−2 直接の起源: クローン名:pTN24−15 配列: CAA CTC TTT CAT CTA CAG AAG GAA CTG GCA GAA CTC CGT GAG TTC 45 Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe 5 10 15 ACC AAC CAC AGC CTT AGA GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA ATA GCC 90 Thr Asn His Ser Leu Arg Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala 20 25 30 AAC CCC AGC ACA CCC TCT GAA ACC AAA AAG CCA AGG AGT GTG GCC 135 Asn Pro Ser Thr Pro Ser Glu Thr Lys Lys Pro Arg Ser Val Ala 35 40 45 CAC TTA ACA GGG AAC CCC CGC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG 180 His Leu Thr Gly Asn Pro Arg Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp 50 55 60 GAA GAC ACA TAT GGA ACT GCT TTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG 225 Glu Asp Thr Tyr Gly Thr Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys 65 70 75 AAA GGC GGC CTT GTG ATC AAT GAG GCT GGG TTG TAC TTC GTA TAT 270 Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Ala Gly Leu Tyr Phe Val Tyr 80 85 90 TCC AAA GTA TAC TTC CGG GGT CAG TCT TGC AAC AGC CAG CCC CTA 315 Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Ser Gln Pro Leu 95 100 105 AGC CAC AAG GTC TAT ATG AGG AAC TTT AAG TAT CCT GGG GAT CTG 360 Ser His Lys Val Tyr Met Arg Asn Phe Lys Tyr Pro Gly Asp Leu 110 115 120 GTG CTA ATG GAG GAG AAG AAG TTG AAT TAC TGC ACT ACT GGC CAG 405 Val Leu Met Glu Glu Lys Lys Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln 125 130 135 ATA TGG GCC CAC AGC AGC TAC CTA GGG GCA GTA TTT AAT CTT ACC 450 Ile Trp Ala His Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr 140 145 150 GTT GCT GAC CAT TTA TAT GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC 495 Val Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile 155 160 165 AAT TTT GAG GAA TCT AAG ACC TTT TTT GGC TTA TAT AAG CTT 537 Asn Phe Glu Glu Ser Lys Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 170 175 179
【0221】配列番号:14 配列の数:537 配列の種類:核酸 配列の型:cDNA to mRNA 起源: 生物名:マウス 直接の起源: クローン名:pBL−MFLW4 配列: CAG CTC TTC CAC CTG CAG AAG GAA CTG GCA GAA CTC CGT GAG TTC 45 Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe 5 10 15 ACC AAC CAA AGC CTT AAA GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA ATA GCC 90 Thr Asn Gln Ser Leu Lys Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala 20 25 30 AAC CCC AGT ACA CCC TCT GAA AAA AAA GAG CCG AGG AGT GTG GCC 135 Asn Pro Ser Thr Pro Ser Glu Lys Lys Glu Pro Arg Ser Val Ala 35 40 45 CAT TTA ACA GGG AAC CCC CAC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG 180 His Leu Thr Gly Asn Pro His Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp 50 55 60 GAA GAC ACA TAT GGA ACC GCT CTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG 225 Glu Asp Thr Tyr Gly Thr Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys 65 70 75 AAA GGT GGC CTT GTG ATC AAC GAA ACT GGG TTG TAC TTC GTG TAT 270 Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr 80 85 90 TCC AAA GTA TAC TTC CGG GGT CAG TCT TGC AAC AAC CAG CCC CTA 315 Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Gln Pro Leu 95 100 105 AAC CAC AAG GTC TAT ATG AGG AAC TCT AAG TAT CCT GAG GAT CTG 360 Asn His Lys Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Glu Asp Leu 110 115 120 GTG CTA ATG GAG GAG AAG AGG TTG AAC TAC TGC ACT ACT GGA CAG 405 Val Leu Met Glu Glu Lys Arg Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln 125 130 135 ATA TGG GCC CAC AGC AGC TAC CTG GGG GCA GTA TTC AAT CTT ACC 450 Ile Trp Ala His Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr 140 145 150 AGT GCT GAC CAT TTA TAT GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC 495 Ser Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile 155 160 165 AAT TTT GAG GAA TCT AAG ACC TTT TTC GGC TTG TAT AAG CTT 537 Asn Phe Glu Glu Ser Lys Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 170 175 179
【0222】配列番号:15 配列の長さ:1623 配列の型:核酸 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 生物名:ラット 株 名:PC60−d10S−2 直接の起源: クローン名:pTN24−15 配列: TCAGAGTCCT 10 GTCCTTGACA CTTCAGTCTC CACAAGACTG AGAGGAGGAA ACCCTTTCCT GGGGCTGGGT 70 GCC ATG CAG CAG CCC GTG AAT TAC CCA TGT CCC CAG ATC TAC TGG GTA 118 Met Gln Gln Pro Val Asn Tyr Pro Cys Pro Gln Ile Tyr Trp Val 1 5 10 15 GAC AGC AGT GCC ACT TCT CCT TGG GCT CCT CCA GGG TCA GTT TTT TCT 166 Asp Ser Ser Ala Thr Ser Pro Trp Ala Pro Pro Gly Ser Val Phe Ser 20 25 30 TGT CCA TCC TCT GGG CCT AGA GGG CCA GGA CAA AGG AGA CCA CCG CCT 214 Cys Pro Ser Ser Gly Pro Arg Gly Pro Gly Gln Arg Arg Pro Pro Pro 35 40 45 CCA CCA CCA CCT CCA TCA CCA CTA CCA CCG CCT TCC CAA CCA CCC CCG 262 Pro Pro Pro Pro Pro Ser Pro Leu Pro Pro Pro Ser Gln Pro Pro Pro 50 55 60 CTG CCT CCA CTA AGC CCT CTA AAG AAG AAG GAC AAC ATA GAG CTG TGG 310 Leu Pro Pro Leu Ser Pro Leu Lys Lys Lys Asp Asn Ile Glu Leu Trp 65 70 75 CTA CCG GTG ATA TTT TTC ATG GTG CTG GTG GCT CTG GTT GGA ATG GGG 358 Leu Pro Val Ile Phe Phe Met Val Leu Val Ala Leu Val Gly Met Gly 80 85 90 95 TTA GGA ATG TAT CAA CTC TTT CAT CTA CAG AAG GAA CTG GCA GAA CTC 406 Leu Gly Met Tyr Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu 100 105 110 CGT GAG TTC ACC AAC CAC AGC CTT AGA GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA 454 Arg Glu Phe Thr Asn His Ser Leu Arg Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln 115 120 125 ATA GCC AAC CCC AGC ACA CCC TCT GAA ACC AAA AAG CCA AGG AGT GTG 502 Ile Ala Asn Pro Ser Thr Pro Ser Glu Thr Lys Lys Pro Arg Ser Val 130 135 140 GCC CAC TTA ACA GGG AAC CCC CGC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG 550 Ala His Leu Thr Gly Asn Pro Arg Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp 145 150 155 GAA GAC ACA TAT GGA ACT GCT TTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAA 598 Glu Asp Thr Tyr Gly Thr Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys 160 165 170 175 GGC GGC CTT GTG ATC AAT GAG GCT GGG TTG TAC TTC GTA TAT TCC AAA 646 Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Ala Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys 180 185 190 GTA TAC TTC CGG GGT CAG TCT TGC AAC AGC CAG CCC CTA AGC CAC AAG 694 Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Ser Gln Pro Leu Ser His Lys 195 200 205 GTC TAT ATG AGG AAC TTT AAG TAT CCT GGG GAT CTG GTG CTA ATG GAG 742 Val Tyr Met Arg Asn Phe Lys Tyr Pro Gly Asp Leu Val Leu Met Glu 210 215 220 GAG AAG AAG TTG AAT TAC TGC ACT ACT GGC CAG ATA TGG GCC CAC AGC 790 Glu Lys Lys Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Ile Trp Ala His Ser 225 230 235 AGC TAC CTA GGG GCA GTA TTT AAT CTT ACC GTT GCT GAC CAT TTA TAT 838 Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Val Ala Asp His Leu Tyr 240 245 250 255 GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC AAT TTT GAG GAA TCT AAG ACC 886 Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile Asn Phe Glu Glu Ser Lys Thr 260 265 270 TTT TTT GGC TTA TAT AAG CTT TAAAGGAAAA AGCATTTTAG AATGATCTAT 937 Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 278 TATTCTTTAT CATGGATGCC AGGAATATTG TCTTCAATGA GAGTCTTCTT AAGACCAATT 997 GAGCCACAAA GACCACAAGG TCCAACAGGT CAGCTACCCT TCATTTTCTA GAGGTCCATG 1057 GAGTGGTCCT TAATGCCTGC ATCATGAGCC AGATGGGAAG AAGACTGTTC CTGAGGAACA 1117 TAAAGTTTTG GGCTGCTGTG TGGCAATGCA GAGGCAAAGA GAAGGAACTG TCTGATGTTA 1177 AATGGCCAAG AGCATTTTAG CCATTGAAGA AAAAAAAAAC CTTTAAACTC ACCTTCCAGG 1237 GTGGGTCTAC TTGCTACCTC ACAGGAGGCC GTCTTTTAGA CACATGGTTG TGGTATGACT 1297 ATACAAGGGT GAGAAAGGAT GCTAGGTTTC ATGGATAAGC TAGAGACTGA AAAAAGCCAG 1357 TGTCCCATTG GCATCATCTT TATTTTTAAC TGATGTTTTC TGAGCCCACC TTTGATGCTA 1417 ACAGAGAAAT AAGAGGGGTG TTTGAGGCAC AAGTCATTCT CTACATAGCA TGTGTACCTC 1477 CAGTGCAATG ATGTCTGTGT GTGTTTTTAT GTATGAGAGT AGAGCGATTC TAAAGAGTCA 1537 CATGAGTACA ACGCGTACAT TACGGAGTAC ATATTAGAAA CGTATGTGTT ACATTTGATG 1597 CTAGAATATC TGAATGTTTC TTGCTA 1623
【0223】配列番号:16 配列の長さ:426 配列の型:核酸 配列の種類:染色体DNA 起源: 生物名:ヒト 株 名: 直接の起源: クローン名:pBL−hFL4H 配列: GATTTATTTC AGGC AAG TCC AAC TCA AGG TCC ATG CCT CTG GAA TGG GAA 50 Lys Ser Asn Ser Arg Ser Met Pro Leu Glu Trp Glu 1 5 10 GAC ACC TAT GGA ATT GTC CTG CTT TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAG GGT 98 Asp Thr Tyr Gly Ile Val Leu Leu Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly 15 20 25 GGC CTT GTG ATC AAT GAA ACT GGG CTG TAC TTT GTA TAT TCC AAA GTA 146 Gly Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val 30 35 40 TAC TTC CGG GGT CAA TCT TGC AAC AAC CTG CCC CTG AGC CAC AAG GTC 194 Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Leu Pro Leu Ser His Lys Val 45 50 55 60 TAC ATG AGG AAC TCT AAG TAT CCC CAG GAT CTG GTG ATG ATG GAG GGG 242 Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Gln Asp Leu Val Met Met Glu Gly 65 70 75 AAG ATG ATG AGC TAC TGC ACT ACT GGG CAG ATG TGG GCC CGC AGC AGC 290 Lys Met Met Ser Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Met Trp Ala Arg Ser Ser 80 85 90 TAC CTG GGG GCA GTG TTC AAT CTT ACC AGT GCT GAT CAT TTA TAT GTC 338 Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Ser Ala Asp His Leu Tyr Val 95 100 105 AAC GTA TCT GAG CTC TCT CTG GTC AAT TTT GAG GAA TCT CAG ACG TTT 386 Asn Val Ser Glu Leu Ser Leu Val Asn Phe Glu Glu Ser Gln Thr Phe 110 115 120 TTC GGC TTA TAT AAG CTC TAAGAGAAGC ACTTTGGGAT TC 426 Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 125 130
【0224】配列番号:17 配列の長さ:967 配列の種類:核酸 配列の型:cDNA to mRNA 起源: 生物名:ヒト 組織名:Tリンパ球 直接の起源:pBX−hFL1 配列: CTACAGGACT 10 GAGAAGAAGT AAAACCGTTT GCTGGGGCTG GCCTGACTCA CCAGCTGCC 59 ATG CAG CAG CCC TTC AAT TAC CCA TAT CCC CAG ATC TAC TGG GTG 104 Met Gln Gln Pro Phe Asn Tyr Pro Tyr Pro Gln Ile Tyr Trp Val 5 10 15 GAC AGC AGT GCC AGC TCT CCC TGG GCC CCT CCA GGC ACA GTT CTT 149 Asp Ser Ser Ala Ser Ser Pro Trp Ala Pro Pro Gly Thr Val Leu 20 25 30 CCC TGT CCA ACC TCT GTG CCC AGA AGG CCT GGT CAA AGG AGG CCA 194 Pro Cys Pro Thr Ser Val Pro Arg Arg Pro Gly Gln Arg Arg Pro 35 40 45 CCA CCA CCA CCG CCA CCG CCA CCA CTA CCA CCT CCG CCG CCG CCG 239 Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Leu Pro Pro Pro Pro Pro Pro 50 55 60 CCA CCA CTG CCT CCA CTA CCG CTG CCA CCC CTG AAG AAG AGA GGG 284 Pro Pro Leu Pro Pro Leu Pro Leu Pro Pro Leu Lys Lys Arg Gly 65 70 75 AAC CAC AGC ACA GGC CTG TGT CTC CTT GTG ATG TTT TTC ATG GTT 329 Asn His Ser Thr Gly Leu Cys Leu Leu Val Met Phe Phe Met Val 80 85 90 CTG GTT GCC TTG GTA GGA TTG GGC CTG GGG ATG TTT CAG CTC TTC 374 Leu Val Ala Leu Val Gly Leu Gly Leu Gly Met Phe Gln Leu Phe 95 100 105 CAC CTA CAG AAG GAG CTG GCA GAA CTC CGA GAG TCT ACC AGC CAG 419 His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Ser Thr Ser Gln 110 115 120 ATG CAC ACA GCA TCA TCT TTG GAG AAG CAA ATA GGC CAC CCC AGT 464 Met His Thr Ala Ser Ser Leu Glu Lys Gln Ile Gly His Pro Ser 125 130 135 CCA CCC CCT GAA AAA AAG GAG CTG AGG AAA GTG GCC CAT TTA ACA 509 Pro Pro Pro Glu Lys Lys Glu Leu Arg Lys Val Ala His Leu Thr 140 145 150 GGC AAG TCC AAC TCA AGG TCC ATG CCT CTG GAA TGG GAA GAC ACC 554 Gly Lys Ser Asn Ser Arg Ser Met Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr 155 160 165 TAT GGA ATT GTC CTG CTT TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAG GGT GGC 599 Tyr Gly Ile Val Leu Leu Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly 170 175 180 CTT GTG ATC AAT GAA ACT GGG CTG TAC TTT GTA TAT TCC AAA GTA 644 Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val 185 190 195 TAC TTC CGG GGT CAA TCT TGC AAC AAC CTG CCC CTG AGC CAC AAG 689 Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Leu Pro Leu Ser His Lys 200 205 210 GTC TAC ATG AGG AAC TCT AAG TAT CCC CAG GAT CTG GTG ATG ATG 734 Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Gln Asp Leu Val Met Met 215 220 225 GAG GGG AAG ATG ATG AGC TAC TGC ACT ACT GGG CAG ATG TGG GCC 779 Glu Gly Lys Met Met Ser Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Met Trp Ala 230 235 240 CGC AGC AGC TAC CTG GGG GCA GTG TTC AAT CTT ACC AGT GCT GAT 824 Arg Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Ser Ala Asp 245 250 255 CAT TTA TAT GTC AAC GTA TCT GAG CTC TCT CTG GTC AAT TTT GAG 869 His Leu Tyr Val Asn Val Ser Glu Leu Ser Leu Val Asn Phe Glu 260 265 270 GAA TCT CAG ACG TTT TTC GGC TTA TAT AAG CTC TAA GAGAAGCACT 915 Glu Ser Gln Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 280 281 TTGGGATTC 924
【0225】配列番号18 配列の長さ:927 配列の型:核酸 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 生物名:マウス 直接の起源: クローン名:pBL−MFLW4 配列: GAGAAGGA AACCCTTTCC TGGGGCTGG GTGCC 32 ATG CAG CAG CCC ATG AAT TAC CCA TGT CCC CAG ATC TTC TGG GTA 77 Met Gln Gln Pro Met Asn Tyr Pro Cys Pro Gln Ile Phe Trp Val 5 10 15 GAC AGC AGT GCC ACT TCA TCT TGG GCT CCT CCA GGG TCA GTT TTT 122 Asp Ser Ser Ala Thr Ser Ser Trp Ala Pro Pro Gly Ser Val Phe 20 25 30 CCC TGT CCA TCT TGT GGG CCT AGA GGG CCG GAC CAA AGG AGA CCG 167 Pro Cys Pro Ser Cys Gly Pro Arg Gly Pro Asp Gln Arg Arg Pro 35 40 45 CCA CCT CCA CCA CCA CCT GTG TCA CCA CTA CCA CCG CCA TCA CAA 212 Pro Pro Pro Pro Pro Pro Val Ser Pro Leu Pro Pro Pro Ser Gln 50 55 60 CCA CTC CCA CTG CCG CCA CTG ACC CCT CTA AAG AAG AAG GAC CAC 257 Pro Leu Pro Leu Pro Pro Leu Thr Pro Leu Lys Lys Lys Asp His 65 70 75 AAC ACA AAT CTG TGG CTA CCG GTG GTA TTT TTC ATG GTT CTG GTG 302 Asn Thr Asn Leu Trp Leu Pro Val Val Phe Phe Met Val Leu Val 80 85 90 GCT CTG GTT GGA ATG GGA TTA GGA ATG TAT CAG CTC TTC CAC CTG 347 Ala Leu Val Gly Met Gly Leu Gly Met Tyr Gln Leu Phe His Leu 95 100 105 CAG AAG GAA CTG GCA GAA CTC CGT GAG TTC ACC AAC CAA AGC CTT 392 Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe Thr Asn Gln Ser Leu 110 115 120 AAA GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA ATA GCC AAC CCC AGT ACA CCC 437 Lys Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala Asn Pro Ser Thr Pro 125 130 135 TCT GAA AAA AAA GAG CCG AGG AGT GTG GCC CAT TTA ACA GGG AAC 482 Ser Glu Lys Lys Glu Pro Arg Ser Val Ala His Leu Thr Gly Asn 140 145 150 CCC CAC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG GAA GAC ACA TAT GGA 527 Pro His Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly 155 160 165 ACC GCT CTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAA GGT GGC CTT GTG 572 Thr Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val 170 175 180 ATC AAC GAA ACT GGG TTG TAC TTC GTG TAT TCC AAA GTA TAC TTC 617 Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe 185 190 195 CGG GGT CAG TCT TGC AAC AAC CAG CCC CTA AAC CAC AAG GTC TAT 662 Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Gln Pro Leu Asn His Lys Val Tyr 200 205 210 ATG AGG AAC TCT AAG TAT CCT GAG GAT CTG GTG CTA ATG GAG GAG 707 Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Glu Asp Leu Val Leu Met Glu Glu 215 220 225 AAG AGG TTG AAC TAC TGC ACT ACT GGA CAG ATA TGG GCC CAC AGC 752 Lys Arg Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Ile Trp Ala His Ser 230 235 240 AGC TAC CTG GGG GCA GTA TTC AAT CTT ACC AGT GCT GAC CAT TTA 797 Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Ser Ala Asp His Leu 245 250 255 TAT GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC AAT TTT GAG GAA TCT 842 Tyr Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile Asn Phe Glu Glu Ser 260 265 270 AAG ACC TTT TTC GGC TTG TAT AAG CTT TAA AAGAAAAAGC ATTTTAAAAT 892 Lys Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 279 GATCTACTAT TCTTTATCAT GGGCACCAGG AATAT 927
【0226】配列番号:19 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 生物名:マウス 直接の起源:Fas抗原染色体遺伝子 配列: GATTTTCAACCACTCAGTCG 20
【0227】配列番号:20 配列の長さ:37 配列の種類:核酸 起源: 生物名:マウス 直接の起源:Fas抗原染色体遺伝子 配列: ATGCGGCCGCTGGATCCTTTGTATGAAATTGAGTAA T 37
【0228】配列番号:21 配列の長さ:6 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:制限酵素BamHI切断部位 配列: GGATCC 6
【0229】配列番号:22 配列の長さ:24 配列の種類:核酸 起源: 生物名:ヒト 直接の起源:センスプライマー1 配列: ATGCCCAAGTGACTGACATCAACT 24
【0230】配列番号:23 配列の長さ:50 配列の種類:核酸 起源: 生物名:ヒト 直接の起源:アンチセンスプライマー1 配列: GCGCGGATCCAGGAAGTGGGAAAGGATTACCTTCCT CTTTGCACTTGGTG 50
【0231】配列番号:24 配列の長さ:10 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:コザックにより提唱された配列 配列: CCA/GCCATGG 10
【0232】配列番号:25 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 生物名:ラット 直接の起源:ハイブリドーマd10S−2細胞 センスプライマー2 配列: AAGACCACAA GGTCCAACAG 20
【0233】配列番号:26 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 生物名:ラット 直接の起源:ハイブリドーマd10S−2細胞 センスプライマー3 配列: GGTGAGAAAG GATGCTAGGT 20
【0234】配列番号:27 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 生物名:ラット 直接の起源:ハイブリドーマd10S−2細胞 アンチセンスプライマー2 配列: CATGGATAAG CTAGAGACTG 20
【0235】配列番号:28 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 生物名:ラット 直接の起源:ハイブリドーマd10S−2細胞 アンチセンスプライマー3 配列: GTACAACGCG TACATTACGG 20
【0236】配列番号:29 配列の長さ: 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源: クローン名:pTN24−15 AGGAGGAA ACCCTTTCCT GGGGCTGGGT 70 GCC ATG CAG CAG CCC GTG AAT TAC CCA TGT CCC CAG ATC TAC TGG GTA 118 GAC AGC AGT GCC ACT TCT CCT TGG GCT CCT CCA GGG TCA GTT TTT TCT 166 TGT CCA TCC TCT GGG CCT AGA GGG CCA GGA CAA AGG AGA CCA CCG CCT 214 CCA CCA CCA CCT CCA TCA CCA CTA CCA CCG CCT TCC CAA CCA CCC CCG 262 CTG CCT CCA CTA AGC CCT CTA AAG AAG AAG GAC AAC ATA GAG CTG TGG 310 CTA CCG GTG ATA TTT TTC ATG GTG CTG GTG GCT CTG GTT GGA ATG GGG 358 TTA GGA ATG TAT CAA CTC TTT CAT CTA CAG AAG GAA CTG GCA GAA CTC 406 CGT GAG TTC ACC AAC CAC AGC CTT AGA GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA 454 ATA GCC AAC CCC AGC ACA CCC TCT GAA ACC AAA AAG CCA AGG AGT GTG 502 GCC CAC TTA ACA GGG AAC CCC CGC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG 550 GAA GAC ACA TAT GGA ACT GCT TTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAA 598 GGC GGC CTT GTG ATC AAT GAG GCT GGG TTG TAC TTC GTA TAT TCC AAA 646 GTA TAC TTC CGG GGT CAG TCT TGC AAC AGC CAG CCC CTA AGC CAC AAG 694 GTC TAT ATG AGG AAC TTT AAG TAT CCT GGG GAT CTG GTG CTA ATG GAG 742 GAG AAG AAG TTG AAT TAC TGC ACT ACT GGC CAG ATA TGG GCC CAC AGC 790 AGC TAC CTA GGG GCA GTA TTT AAT CTT ACC GTT GCT GAC CAT TTA TAT 838 GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC AAT TTT GAG GAA TCT AAG ACC 886 TTT TTT GGC TTA TAT AAG CTT TAAAGGAAAA AGCATTTTAG AATGATCTAT 937 TATTCTTTAT CATGGATGCC AGGAATATTG 967
【0237】配列番号:30 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源: クローン名:pTN24−15 センスプライマー4: 配列: AGAACTCCGTGAGTTCACCA 20
【0238】配列番号:31 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源: クローン名:pTN24−15 アンチセンスプライマー4: 配列: CAATATTCCTGGCATCCATG 20
【0239】配列番号:32 配列の長さ:567 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:PCR増幅産物 配列: A GAA CTC CGT 406 CGT GAG TTC ACC AAC CAC AGC CTT AGA GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA 454 ATA GCC AAC CCC AGC ACA CCC TCT GAA ACC AAA AAG CCA AGG AGT GTG 502 GCC CAC TTA ACA GGG AAC CCC CGC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG 550 GAA GAC ACA TAT GGA ACT GCT TTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAA 598 GGC GGC CTT GTG ATC AAT GAG GCT GGG TTG TAC TTC GTA TAT TCC AAA 646 GTA TAC TTC CGG GGT CAG TCT TGC AAC AGC CAG CCC CTA AGC CAC AAG 694 GTC TAT ATG AGG AAC TTT AAG TAT CCT GGG GAT CTG GTG CTA ATG GAG 742 GAG AAG AAG TTG AAT TAC TGC ACT ACT GGC CAG ATA TGG GCC CAC AGC 790 AGC TAC CTA GGG GCA GTA TTT AAT CTT ACC GTT GCT GAC CAT TTA TAT 838 GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC AAT TTT GAG GAA TCT AAG ACC 886 TTT TTT GGC TTA TAT AAG CTT TAAAGGAAAA AGCATTTTAG AATGATCTAT 937 TATTCTTTAT CATGGATGCC AGGAATATTG 967
【0240】配列番号:33 配列の長さ:190 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:PCR増幅産物 配列: AGGAGGAA ACCCTTTCCT GGGGCTGGGT 70 GCC ATG CAG CAG CCC GTG AAT TAC CCA TGT CCC CAG ATC TAC TGG GTA 118 GAC AGC AGT GCC ACT TCT CCT TGG GCT CCT CCA GGG TCA GTT TTT TCT 166 TGT CCA TCC TCT GGG CCT AGA GGG CCA GGA CAA AGG AGA CCA CCG CCT 214 CCA CCA CCA CCT CCA TCA C 233
【0241】配列番号:34 配列の長さ:443 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:PCR増幅産物 配列: CGC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG 550 GAA GAC ACA TAT GGA ACT GCT TTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAA 598 GGC GGC CTT GTG ATC AAT GAG GCT GGG TTG TAC TTC GTA TAT TCC AAA 646 GTA TAC TTC CGG GGT CAG TCT TGC AAC AGC CAG CCC CTA AGC CAC AAG 694 GTC TAT ATG AGG AAC TTT AAG TAT CCT GGG GAT CTG GTG CTA ATG GAG 742 GAG AAG AAG TTG AAT TAC TGC ACT ACT GGC CAG ATA TGG GCC CAC AGC 790 AGC TAC CTA GGG GCA GTA TTT AAT CTT ACC GTT GCT GAC CAT TTA TAT 838 GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC AAT TTT GAG GAA TCT AAG ACC 886 TTT TTT GGC TTA TAT AAG CTT TAAAGGAAAA AGCATTTTAG AATGATCTAT 937 TATTCTTTAT CATGGATGCC AGGAATATTG 967
【0242】配列番号:35 配列の長さ:28 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:センスプライマー5 配列: GCTCTAGACTACAGGACTGAGAAGAAGT 28
【0243】配列番号:36 配列の長さ:28 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:アンチセンスプライマー5 配列: GCTCTAGAACATTCTCGGTGCCTGTAAC 28
【0244】配列番号:37 配列の長さ:28 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:センスプライマー6 配列: GCTCTAGAGAGAAGGAAACCCTTTCCTG 28
【0245】配列番号:38 配列の長さ:28 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:アンチセンスプライマー6 配列: GCTCTAGAATATTCCTGGTGCCCATGAT 28
【0246】配列番号:39 配列の長さ:11 配列の種類:アミノ酸 起源: 生物名: 直接の起源:ペプチド 配列: Leu Val Met Met Glu Gly Lys Met Met Ser Tyr 11
【0247】配列番号:40 配列の長さ:20 配列の種類:アミノ酸 起源: 生物名: 直接の起源:ペプチド 配列: Lys Ser Asn Ser Arg Ser Met Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly Ile Val Leu Leu 20
【0248】配列番号:41 配列の長さ:16 配列の種類:アミノ酸 起源: 生物名: 直接の起源:ペプチド 配列: Ser Lys Tyr Pro Gln Asp Leu Val Met Met Glu Gly Lys Met Met Ser
【0249】配列番号:42 配列の長さ:13 配列の種類:アミノ酸 起源: 生物名: 直接の起源:ペプチド 配列: Leu Ser Leu Val Asn Phe Glu Glu Ser Gln Thr Phe Phe
【0250】配列番号:43 配列の長さ:24 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:センスプライマー7 配列: CACCTGCAGAAGGAGCTGGCAGAA
【0251】配列番号:44 配列の長さ:33 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:アンチセンスプライマー7 配列: AATAAGCTTGGTACCCTATTAGAGCTTATATAA 33
【0252】配列番号:45 配列の長さ:27 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:センスプライマー8 配列: TGCGAATTCACCATGCTGGGCATCTGG 27
【0253】配列番号:46 配列の長さ:36 配列の種類:核酸 起源: 生物名: 直接の起源:アンチセンスプライマー8 配列: AACCTGCAGGTGGAAGAGCTGAGCAACAGACGTAAG 36
【0254】配列番号:47 配列の長さ:15 配列の種類:アミノ酸配列 起源: 生物名:ヒト 直接の起源:ヒトFasリガンド 配列: Pro Ser Pro Pro Pro Glu Lys Lys Glu Leu Arg Lys Val Ala His
【0255】配列番号:48 配列の長さ:22 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:ホスホロチオエート(PS)型センスオリ
ゴヌクレオチドS20 配列: TAAAACCGTTTGCTGGGGCTGG 22
【0256】配列番号:49 配列の長さ:22 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:ホスホロチオエート(PS)型アンチセン
スオリゴヌクレオチドA41 配列: CCAGCCCCAGCAAACGGTTTTA 22
【0257】配列番号:50 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型センスオリゴヌクレオチドS50 配列: ACCAGCTGCCATGCAGCAGC 20
【0258】配列番号:51 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型アンチセンスヌクレオチドA69 配列: GCTGCTGCATGGCAGCTGGT 20
【0259】配列番号:52 配列の長さ:22 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型センスオリゴヌクレオチドS163 配列: CTGTGCCCAGAAGGCCTGGTCA 22
【0260】配列番号:53 配列の長さ:22 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型アンチセンスオリゴヌクレオチドA
184 配列: TGACCAGGCCTTCTGGGCACAG 22
【0261】配列番号:54 配列の長さ:18 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型センスオリゴヌクレオチドS338 配列: CTTGGTAGGATTGGGCCT 18
【0262】配列番号:55 配列の長さ:18 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型アンチセンスオリゴヌクレオチドA
355 配列: AGGCCCAATCCTACCAAG 18
【0263】配列番号:56 配列の長さ:22 配列の種類:核酸 起源:PS型センスオリゴヌクレオチドS484 配列: AGCTGAGGAAAGTGGCCCATTT 22
【0264】配列番号:57 配列の長さ:22 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型アンチセンスオリゴヌクレオチドA
505 配列: AAATGGGCCACTTTCCTCAGCT 22
【0265】配列番号:58 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型センスオリゴヌクレオチドS714 配列: CCCCAGGATCTGGTGATGAT 20
【0266】配列番号:59 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型アンチセンスオリゴヌクレオチドA
733 配列: ATCATCACCAGATCCTGGGG 20
【0267】配列番号:60 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型センスオリゴヌクレオチドS905 配列: AGAGAAGCACTTTGGGATTC 20
【0268】配列番号:61 配列の長さ:20 配列の種類:核酸 起源: 直接の起源:PS型アンチセンスオリゴヌクレオチドA
924 配列: GAATCCCAAAGTGCTTCTCT 20
【0269】配列番号:62 配列の長さ:927 配列の種類:核酸 起源: 生物名:マウス 直接の起源: クローン名:pBL−MFLW4 配列: GAGAAGGA AACCCTTTCC TGGGGCTGG GTGCC 32 ATG CAG CAG CCC ATG AAT TAC CCA TGT CCC CAG ATC TTC TGG GTA 77 GAC AGC AGT GCC ACT TCA TCT TGG GCT CCT CCA GGG TCA GTT TTT 122 CCC TGT CCA TCT TGT GGG CCT AGA GGG CCG GAC CAA AGG AGA CCG 167 CCA CCT CCA CCA CCA CCT GTG TCA CCA CTA CCA CCG CCA TCA CAA 212 CCA CTC CCA CTG CCG CCA CTG ACC CCT CTA AAG AAG AAG GAC CAC 257 AAC ACA AAT CTG TGG CTA CCG GTG GTA TTT TTC ATG GTT CTG GTG 302 GCT CTG GTT GGA ATG GGA TTA GGA ATG TAT CAG CTC TTC CAC CTG 347 CAG AAG GAA CTG GCA GAA CTC CGT GAG TTC ACC AAC CAA AGC CTT 392 AAA GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA ATA GCC AAC CCC AGT ACA CCC 437 TCT GAA AAA AAA GAG CCG AGG AGT GTG GCC CAT TTA ACA GGG AAC 482 CCC CAC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG GAA GAC ACA TAT GGA 527 ACC GCT CTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAA GGT GGC CTT GTG 572 ATC AAC GAA ACT GGG TTG TAC TTC GTG TAT TCC AAA GTA TAC TTC 617 CGG GGT CAG TCT TGC AAC AAC CAG CCC CTA AAC CAC AAG GTC TAT 662 ATG AGG AAC TCT AAG TAT CCT GAG GAT CTG GTG CTA ATG GAG GAG 707 AAG AGG TTG AAC TAC TGC ACT ACT GGA CAG ATA TGG GCC CAC AGC 752 AGC TAC CTG GGG GCA GTA TTC AAT CTT ACC AGT GCT GAC CAT TTA 797 TAT GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC AAT TTT GAG GAA TCT 842 AAG ACC CTT TTC GGC TTG TAT AAG CTT TAA AAGAAAAAGC ATTTTAAAAT 892 GATCTACTAT TCTTTATCAT GGGCACCAGG AATAT 927
【図面の簡単な説明】
【図1】 d10S、d10S−2、及びpTN24−
15で形質転換させたCOS−7細胞のフローサイトメ
トリーの解析結果を示す図である。
【図2】 クローンpTN24−15中の塩基配列およ
び推定されるアミノ酸配列を示す図である。
【図3】 クローンpTN24−15中の塩基配列およ
び推定されるアミノ酸配列を示す図である。
【図4】 d10S、d10S−2、d10S−16の
ノーザンハイブリダイゼーションの結果を示す模式図で
ある。
【図5】 ラット脾細胞と胸腺細胞とを用いたノーザン
ハイブリダイゼーションの結果を示す模式図である。
【図6】 ラット各組織のノーザンハイブリダイゼーシ
ョンの結果を示す模式図である。
【図7】 d10S−12及びpTN24−15で形質
転換したCOS−7細胞の免疫沈降の結果を示す模式図
である。
【図8】 W4、W19Lを標的細胞としたときのd1
0S細胞の細胞障害活性を示す図である。
【図9】 W4、W19Lを標的細胞としたときのpT
N24−15で形質転換したCOS−7細胞、pCEV
4で形質転換したCOS−7細胞の細胞障害活性を示す
図である。
【図10】 W4、W19Lを標的細胞としたときのp
TN24−15で形質転換したCOS−7細胞、pCE
V4で形質転換したCOS−7細胞の細胞障害活性を示
す図である。
【図11】 W4細胞に対するd10S細胞及びpTN
24−15で形質転換したCOS−7細胞の細胞障害作
用のmFas−Fcによる阻害を示す図である。
【図12】 pTN24−15で形質転換したCOS−
7細胞をエフェクター細胞とし、W4、W19L細胞を
標的細胞としたときの、標的細胞における染色体DNA
の変化を示すゲル電気泳動の模式図である。
【図13】 精製したFasリガンドの10−20%グ
ラジエントSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動の
結果を示す模式図である。
【図14】 W4及びW19L細胞を標的細胞としたと
きの精製Fasリガンドの細胞障害活性を示す図であ
る。
【図15】 プラスミドpBL−hFL4H中の塩基配
列及び推定されるアミノ酸配列を示す図である。
【図16】 ヒトFasリガンド染色体遺伝子の塩基配
列を示す図である。
【図17】 ヒトFasリガンド染色体遺伝子の塩基配
列を示す図である。
【図18】 ヒトFasリガンド染色体遺伝子の塩基配
列を示す図である。
【図19】 クローンpBX−hFL1中の塩基配列を
示す図である。
【図20】 クローンpBX−hFL1中の塩基配列を
示す図である。
【図21】 pEX−hFL1で形質転換させたCOS
細胞およびpEF−MFLW4Fで形質転換させたCO
S細胞をエフェクター細胞とし、WR19LおよびWC
8Aを標的細胞とした時の、特異的細胞溶解率を示す図
である。
【図22】 hFas−FcおよびmFas−Fcによ
る、pBL−hFL1で形質転換させたCOS細胞のW
C8A細胞に対する細胞障害活性の阻害を示す図であ
る。
【図23】 クローンpBL−MFLW4中の塩基配列
を示す図である。
【図24】 クローンpBL−MFLW4中の塩基配列
を示す図である。
【図25】 pEF−MFLW4Fで形質転換させたC
OS細胞をエフェクター細胞とし、WR19LおよびW
4を標的細胞とした時の細胞障害活性を示す図である。
【図26】 gldマウスより単離したFasリガンド
cDNAを含むプラスミドで形質転換させたCOS細胞
をエフェクター細胞とし、WR19LおよびW4を標的
細胞とした時の細胞障害活性を示す図である。
【図27】 微生物の形態を表す図面代用写真であっ
て、抗血清19−3とヒトFasリガンド発現細胞を用
いたウエスタンブロッティングの結果を示す図面代用写
真である。
【図28】 微生物の形態を表す図面代用写真であっ
て、モノクローナル抗体F864−5−1とヒトFas
リガンド発現細胞を用いたウエスタンブロッティングの
結果を示す図面代用写真である。
【図29】 モノクローナル抗体F883−1−1のペ
プチドとの反応性を示す図である。
【図30】 モノクローナル抗体F883−1−1のア
ポトーシス抑制活性を示す図である。
【図31】 モノクローナル抗体F897−1−2のペ
プチドとの反応性を示す図である。
【図32】 モノクローナル抗体F897−1−2のア
ポトーシス抑制活性を示す図である。
【図33】 WC8およびW4を標的細胞とした時の、
形質転換体COS−1/pM1070の培養上清の細胞
障害活性を示す図である。
【図34】 WC8およびW4を標的細胞とした時の、
形質転換体COS−1/pEX−hFL1の培養上清の
細胞障害活性を示す図である。
【図35】 微生物の形態を示す図面代用写真であり、
非還元条件下における、形質転換体COS−1/pM1
070の培養上清のウエスタンブロッティングの結果を
示す図面代用写真である。
【図36】 微生物の形態を示す図面代用写真であり、
非還元条件下における、形質転換体COS−1/pEX
−hFL1の培養上清のウエスタンブロッティングの結
果を示す図面代用写真である。
【図37】 アンチセンスオリゴマーA41のアポトー
シス抑制活性を示す図である。
【図38】 アンチセンスオリゴヌクレオチドA69,
A184,A355,A505,A733,A924の
アポトーシス抑制活性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C 9282−4B 21/08 9358−4B //(C12P 21/02 C12R 1:91) (31)優先権主張番号 特願平6−180955 (32)優先日 平6(1994)7月8日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−239363 (32)優先日 平6(1994)9月7日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 高 橋 智 裕 東京都新宿区四谷一丁目7番地 持田製薬 株式会社内 (72)発明者 中 村 範 夫 東京都新宿区四谷一丁目7番地 持田製薬 株式会社内

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fas抗原に結合することを特徴とする新
    規蛋白質。
  2. 【請求項2】下記式1(配列表の配列番号1)のアミノ
    酸配列の少なくとも一部を有することを特徴とする請求
    項1に記載の新規蛋白質。 式1 Met Gln Gln Pro x-1 Asn Tyr Pro x-2 Pro 1 10 Gln Ile x-3 Trp Val Asp Ser Ser Ala x-4 15 20 Ser x-5 Trp Ala Pro Pro Gly x-6 Val x-7 25 30 x-8 Cys Pro x-9 x-10 x-11 Pro Arg x-12 Pro 35 40 x-13 Gln Arg Arg Pro Pro Pro Pro Pro Pro 45 50 Pro x-14 x-15 x-16 Pro x-17 Pro Pro Pro x-18 55 60 x-19 Pro x-20 Pro x-21 x-22 Pro Leu x-23 Pro 65 70 Leu Lys Lys x-24 x-25 x-26 x-27 x-28 x-29 x-30 75 80 Leu x-31 Leu x-32 Val x-33 Phe Phe Met Val 85 90 Leu Val Ala Leu Val Gly x-34 Gly Leu Gly 95 100 Met x-35 Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu 105 110 Leu Ala Glu Leu Arg Glu x-36 Thr x-37 x-38 115 120 x-39 x-40 x-41 x-42 Ser Ser x-43 Glu Lys Gln 125 130 Ile x-44 x-45 Pro Ser x-46 Pro x-47 Glu x-48 135 140 Lys x-49 x-50 Arg x-51 Val Ala His Leu Thr 145 150 Gly x-52 x-53 x-54 Ser Arg Ser x-55 Pro Leu 155 160 Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly x-56 x-57 Leu 165 170 x-58 Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly 175 180 Leu Val Ile Asn Glu x-59 Gly Leu Tyr Phe 185 190 Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln 195 200 Ser Cys Asn x-60 x-61 Pro Leu x-62 His Lys 205 210 Val Tyr Met Arg Asn x-63 Lys Tyr Pro x-64 215 220 Asp Leu Val x-65 Met Glu x-66 Lys x-67 x-68 225 230 x-69 Tyr Cys Thr Thr Gly Gln x-70 Trp Ala 235 240 x-71 Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn 245 250 Leu Thr x-72 Ala Asp His Leu Tyr Val Asn 255 260 x-73 Ser x-74 Leu Ser Leu x-75 Asn Phe Glu 265 270 Glu Ser x-76 Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys 275 280 Leu 281 (x-1 ないしx-76の各々には、アミノ酸が存在していて
    もいなくてもよく、アミノ酸が存在する場合は、Ala, A
    sp, Arg, Asn, Cys, Gly, Glu, Gln, His, Ile,Leu, Ly
    s, Met, Pro, Phe, Ser, Tyr, Thr, Trp, Valより選ば
    れるいずれかの1アミノ酸である。)
  3. 【請求項3】下記式2(配列表の配列番号2)のアミノ
    酸配列の少なくとも一部を有する請求項1ないし2いず
    れかに記載の新規蛋白質。 式2 Met Gln Gln Pro Phe Asn Tyr Pro Tyr Pro 1 5 10 Gln Ile Tyr Trp Val Asp Ser Ser Ala Ser 15 20 Ser Pro Trp Ala Pro Pro Gly Thr Val Leu 25 30 Pro Cys Pro Thr Ser Val Pro Arg Arg Pro 35 40 Gly Gln Arg Arg Pro Pro Pro Pro Pro Pro 45 50 Pro Pro Pro Leu Pro Pro Pro Pro Pro Pro 55 60 Pro Pro Leu Pro Pro Leu Pro Leu Pro Pro 65 70 Leu Lys Lys Arg Gly Asn His Ser Thr Gly 75 80 Leu Cys Leu Leu Val Met Phe Phe Met Val 85 90 Leu Val Ala Leu Val Gly Leu Gly Leu Gly 95 100 Met Phe Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu 105 110 Leu Ala Glu Leu Arg Glu Ser Thr Ser Gln 115 120 Met His Thr Ala Ser Ser Leu Glu Lys Gln 125 130 Ile Gly His Pro Ser Pro Pro Pro Glu Lys 135 140 Lys Glu Leu Arg Lys Val Ala His Leu Thr 145 150 Gly Lys Ser Asn Ser Arg Ser Met Pro Leu 155 160 Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly Ile Val Leu 165 170 Leu Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly 175 180 Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe 185 190 Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln 195 200 Ser Cys Asn Asn Leu Pro Leu Ser His Lys 205 210 Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Gln 215 220 Asp Leu Val Met Met Glu Gly Lys Met Met 225 230 Ser Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Met Trp Ala 235 240 Arg Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn 245 250 Leu Thr Ser Ala Asp His Leu Tyr Val Asn 255 260 Val Ser Glu Leu Ser Leu Val Asn Phe Glu 265 270 Glu Ser Gln Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys 275 280 Leu 281
  4. 【請求項4】下記式3(配列表の配列番号3)に記載の
    アミノ酸配列の少なくとも一部を有する請求項1または
    2に記載の新規蛋白質。 式3 Met Gln Gln Pro Val Asn Tyr Pro Cys Pro 1 5 10 Gln Ile Tyr Trp Val Asp Ser Ser Ala Thr 15 20 Ser Pro Trp Ala Pro Pro Gly Ser Val Phe 25 30 Ser Cys Pro Ser Ser Gly Pro Arg Gly Pro 35 40 Gly Gln Arg Arg Pro Pro Pro Pro Pro Pro 45 50 Pro Pro Ser Pro Leu Pro Pro Pro Ser Gln 55 60 Pro Pro Pro Leu Pro Pro Leu Ser Pro Leu 65 70 Lys Lys Lys Asp Asn Ile Glu Leu Trp Leu 75 80 Pro Val Ile Phe Phe Met Val Leu Val Ala 85 90 Leu Val Gly Met Gly Leu Gly Met Tyr Gln 95 100 Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu 105 110 Leu Arg Glu Phe Thr Asn His Ser Leu Arg 115 120 Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala Asn 125 130 Pro Ser Thr Pro Ser Glu Thr Lys Lys Pro 135 140 Arg Ser Val Ala His Leu Thr Gly Asn Pro 145 150 Arg Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp Glu 155 160 Asp Thr Tyr Gly Thr Ala Leu Ile Ser Gly 165 170 Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val Ile 175 180 Asn Glu Ala Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser 185 190 Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn 195 200 Ser Gln Pro Leu Ser His Lys Val Tyr Met 205 210 Arg Asn Phe Lys Tyr Pro Gly Asp Leu Val 215 220 Leu Met Glu Glu Lys Lys Leu Asn Tyr Cys 225 230 Thr Thr Gly Gln Ile Trp Ala His Ser Ser 235 240 Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Val 245 250 Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Ile Ser Gln 255 260 Leu Ser Leu Ile Asn Phe Glu Glu Ser Lys 265 270 Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 278
  5. 【請求項5】下記式4(配列表の配列番号4)のアミノ
    酸配列の少なくとも一部を有する請求項1または2に記
    載の新規蛋白質。 式4 Met Gln Gln Pro Met Asn Tyr Pro Cys Pro 1 5 10 Gln Ile Phe Trp Val Asp Ser Ser Ala Thr 15 20 Ser Ser Trp Ala Pro Pro Gly Ser Val Phe 25 30 Pro Cys Pro Ser Cys Gly Pro Arg Gly Pro 35 40 Asp Gln Arg Arg Pro Pro Pro Pro Pro Pro 45 50 Pro Val Ser Pro Leu Pro Pro Pro Ser Gln 55 60 Pro Leu Pro Leu Pro Pro Leu Thr Pro Leu 65 70 Lys Lys Lys Asp His Asn Thr Asn Leu Trp 75 80 Leu Pro Val Val Phe Phe Met Val Leu Val 85 90 Ala Leu Val Gly Met Gly Leu Gly Met Tyr 95 100 Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala 105 110 Glu Leu Arg Glu Phe Thr Asn Gln Ser Leu 115 120 Lys Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala 125 130 Asn Pro Ser Thr Pro Ser Glu Lys Lys Glu 135 140 Pro Arg Ser Val Ala His Leu Thr Gly Asn 145 150 Pro His Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp 155 160 Glu Asp Thr Tyr Gly Thr Ala Leu Ile Ser 165 170 Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val 175 180 Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr 185 190 Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys 195 200 Asn Asn Gln Pro Leu Asn His Lys Val Tyr 205 210 Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Glu Asp Leu 215 220 Val Leu Met Glu Glu Lys Arg Leu Asn Tyr 225 230 Cys Thr Thr Gly Gln Ile Trp Ala His Ser 235 240 Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr 245 250 Ser Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Ile Ser 255 260 Gln Leu Ser Leu Ile Asn Phe Glu Glu Ser 265 270 Lys Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 279
  6. 【請求項6】前記式1(配列表の配列番号1)のアミノ
    酸配列を有する請求項1または2に記載の新規蛋白質。
  7. 【請求項7】前記式2(配列表の配列番号2)のアミノ
    酸配列を有する請求項1または2に記載の新規蛋白質。
  8. 【請求項8】前記式3(配列表の配列番号3)のアミノ
    酸配列を有する請求項1または2に記載の新規蛋白質。
  9. 【請求項9】前記式4(配列表の配列番号4)のアミノ
    酸配列を有する請求項1または2に記載の新規蛋白質。
  10. 【請求項10】下記式5(配列表の配列番号5)のアミ
    ノ酸配列の少なくとも一部を有する請求項1または2に
    記載の新規蛋白質。 式5 Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu y-1 Thr y-2 y-3 y-4 y-5 y-6 y-7 Ser Ser y-8 Glu Lys Gln Ile y-9 y-10 Pro Ser y-11 Pro y-12 Glu y-13 Lys y-14 y-15 Arg y-16 Val Ala His Leu Thr Gly y-17 y-18 y-19 Ser Arg Ser y-20 Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly y-21 y-22 Leu y-23 Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu y-24 Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn y-25 y-26 Pro Leu y-27 His Lys Val Tyr Met Arg Asn y-28 Lys Tyr Pro y-29 Asp Leu Val y-30 Met Glu y-31 Lys y-32 y-33 y-34 Tyr Cys Thr Thr Gly Gln y-35 Trp Ala y-36 Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr y-37 Ala Asp His Leu Tyr Val Asn y-38 Ser y-39 Leu Ser Leu y-40 Asn Phe Glu Glu Ser y-41 Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu (y-1 ないしy-41の各々には、アミノ酸が存在していて
    もいなくてもよく、アミノ酸が存在する場合は、Ala, A
    sp, Arg, Asn, Cys, Gly, Glu, Gln, His, Ile,Leu, Ly
    s, Met, Pro, Phe, Ser, Tyr, Thr, Trp, Valより選ば
    れる任意の1アミノ酸を意味する。)
  11. 【請求項11】下記式6(配列表の配列番号6)のアミ
    ノ酸配列の少なくとも一部を有する請求項10に記載の
    新規蛋白質。 式6 Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala 1 10 Glu Leu Arg Glu Ser Thr Ser Gln Met His 11 20 Thr Ala Ser Ser Leu Glu Lys Gln Ile Gly 21 30 His Pro Ser Pro Pro Pro Glu Lys Lys Glu 31 40 Leu Arg Lys Val Ala His Leu Thr Gly Lys 41 50 Ser Asn Ser Arg Ser Met Pro Leu Glu Trp 51 60 Glu Asp Thr Tyr Gly Ile Val Leu Leu Ser 61 70 Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val 71 80 Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr 81 90 Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys 91 100 Asn Asn Leu Pro Leu Ser His Lys Val Tyr 101 110 Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Gln Asp Leu 111 120 Val Met Met Glu Gly Lys Met Met Ser Tyr 121 130 Cys Thr Thr Gly Gln Met Trp Ala Arg Ser 131 140 Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr 141 150 Ser Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Val Ser 151 160 Glu Leu Ser Leu Val Asn Phe Glu Glu Ser 161 170 Gln Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 171 179
  12. 【請求項12】配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配
    列のN末端より数えて、35番目のアミノ酸Pro から1
    79番目のアミノ酸Leu までのアミノ酸配列で示される
    請求項10に記載の新規蛋白質。
  13. 【請求項13】下記式7(配列表の配列番号7)のアミ
    ノ酸配列の少なくとも一部を有する請求項10に記載の
    新規蛋白質。 式7 Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe Thr Asn His Ser Leu Arg Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala Asn Pro Ser Thr Pro Ser Glu Thr Lys Lys Pro Arg Ser Val Ala His Leu Thr Gly Asn Pro Arg Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly Thr Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Ala Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Ser Gln Pro Leu Ser His Lys Val Tyr Met Arg Asn Phe Lys Tyr Pro Gly Asp Leu Val Leu Met Glu Glu Lys Lys Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Ile Trp Ala His Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Val Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile Asn Phe Glu Glu Ser Lys Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu
  14. 【請求項14】下記式8(配列表の配列番号8)に記載
    のアミノ酸配列の少なくとも一部を有する請求項10に
    記載の新規蛋白質。 式8 Gln Leu Phe His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Phe Thr Asn Gln Ser Leu Lys Val Ser Ser Phe Glu Lys Gln Ile Ala Asn Pro Ser Thr Pro Ser Glu Lys Lys Glu Pro Arg Ser Val Ala His Leu Thr Gly Asn Pro His Ser Arg Ser Ile Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly Thr Ala Leu Ile Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Gln Pro Leu Asn His Lys Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Glu Asp Leu Val Leu Met Glu Glu Lys Arg Leu Asn Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Ile Trp Ala His Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Ser Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Ile Ser Gln Leu Ser Leu Ile Asn Phe Glu Glu Ser Lys Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu
  15. 【請求項15】配列表の配列番号5のアミノ酸配列を有
    する請求項1または2に記載の新規蛋白質。
  16. 【請求項16】配列表の配列番号6のアミノ酸配列を有
    する請求項1または2に記載の新規蛋白質。
  17. 【請求項17】配列表の配列番号7のアミノ酸配列を有
    する請求項1または2に記載の新規蛋白質。
  18. 【請求項18】配列表の配列番号8のアミノ酸配列を有
    する請求項1または2に記載の新規蛋白質。
  19. 【請求項19】請求項1ないし18いずれかに記載の新
    規蛋白質をコードする塩基配列の相補鎖とハイブリダイ
    ズする塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を有
    する請求項1に記載の新規蛋白質。
  20. 【請求項20】組換え型蛋白質である請求項1ないし1
    9いずれかに記載の新規蛋白質。
  21. 【請求項21】請求項1ないし19いずれかに記載の新
    規蛋白質をコードする塩基配列を有することを特徴とす
    る新規DNA。
  22. 【請求項22】下記式9(配列表の配列番号9)に記載
    の塩基配列の少なくとも一部を有する請求項21に記載
    の新規DNA。
  23. 【請求項23】下記式10(配列表の配列番号10)に
    記載の塩基配列の少なくとも一部を有する請求項21に
    記載の新規DNA。
  24. 【請求項24】下記式11(配列表の配列番号11)に
    記載の塩基配列の少なくとも一部を有する請求項21に
    記載の新規DNA。
  25. 【請求項25】配列表の配列番号9の塩基配列を有する
    請求項21に記載の新規DNA。
  26. 【請求項26】配列表の配列番号10の塩基配列を有す
    る請求項21に記載の新規DNA。
  27. 【請求項27】配列表の配列番号11の塩基配列を有す
    る請求項21に記載の新規DNA。
  28. 【請求項28】下記式12(配列表の配列番号12)に
    記載の塩基配列の少なくとも一部を有する請求項21に
    記載の新規DNA。 式12 CAG CTC TTC CAC CTA CAG AAG GAG CTG GCA GAA CTC CGA GAG TCT ACC AGC CAG ATG CAC ACA GCA TCA TCT TTG GAG AAG CAA ATA GGC CAC CCC AGT CCA CCC CCT GAA AAA AAG GAG CTG AGG AAA GTG GCC CAT TTA ACA GGC AAG TCC AAC TCA AGG TCC ATG CCT CTG GAA TGG GAA GAC ACC TAT GGA ATT GTC CTG CTT TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAG GGT GGC CTT GTG ATC AAT GAA ACT GGG CTG TAC TTT GTA TAT TCC AAA GTA TAC TTC CGG GGT CAA TCT TGC AAC AAC CTG CCC CTG AGC CAC AAG GTC TAC ATG AGG AAC TCT AAG TAT CCC CAG GAT CTG GTG ATG ATG GAG GGG AAG ATG ATG AGC TAC TGC ACT ACT GGG CAG ATG TGG GCC CGC AGC AGC TAC CTG GGG GCA GTG TTC AAT CTT ACC AGT GCT GAT CAT TTA TAT GTC AAC GTA TCT GAG CTC TCT CTG GTC AAT TTT GAG GAA TCT CAG ACG TTT TTC GGC TTA TAT AAG CTC
  29. 【請求項29】下記式13(配列表の配列番号13)に
    記載の塩基配列の少なくとも一部を有する請求項21に
    記載の新規DNA。 式13 CAA CTC TTT CAT CTA CAG AAG GAA CTG GCA GAA CTC CGT GAG TTC ACC AAC CAC AGC CTT AGA GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA ATA GCC AAC CCC AGC ACA CCC TCT GAA ACC AAA AAG CCA AGG AGT GTG GCC CAC TTA ACA GGG AAC CCC CGC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG GAA GAC ACA TAT GGA ACT GCT TTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAA GGC GGC CTT GTG ATC AAT GAG GCT GGG TTG TAC TTC GTA TAT TCC AAA GTA TAC TTC CGG GGT CAG TCT TGC AAC AGC CAG CCC CTA AGC CAC AAG GTC TAT ATG AGG AAC TTT AAG TAT CCT GGG GAT CTG GTG CTA ATG GAG GAG AAG AAG TTG AAT TAC TGC ACT ACT GGC CAG ATA TGG GCC CAC AGC AGC TAC CTA GGG GCA GTA TTT AAT CTT ACC GTT GCT GAC CAT TTA TAT GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC AAT TTT GAG GAA TCT AAG ACC TTT TTT GGC TTA TAT AAG CTT
  30. 【請求項30】下記式14(配列表の配列番号14)に
    記載の塩基配列の少なくとも一部を有する請求項21に
    記載の新規DNA。 式14 CAG CTC TTC CAC CTG CAG AAG GAA CTG GCA GAA CTC CGT GAG TTC ACC AAC CAA AGC CTT AAA GTA TCA TCT TTT GAA AAG CAA ATA GCC AAC CCC AGT ACA CCC TCT GAA AAA AAA GAG CCG AGG AGT GTG GCC CAT TTA ACA GGG AAC CCC CAC TCA AGG TCC ATC CCT CTG GAA TGG GAA GAC ACA TAT GGA ACC GCT CTG ATC TCT GGA GTG AAG TAT AAG AAA GGT GGC CTT GTG ATC AAC GAA ACT GGG TTG TAC TTC GTG TAT TCC AAA GTA TAC TTC CGG GGT CAG TCT TGC AAC AAC CAG CCC CTA AAC CAC AAG GTC TAT ATG AGG AAC TCT AAG TAT CCT GAG GAT CTG GTG CTA ATG GAG GAG AAG AGG TTG AAC TAC TGC ACT ACT GGA CAG ATA TGG GCC CAC AGC AGC TAC CTG GGG GCA GTA TTC AAT CTT ACC AGT GCT GAC CAT TTA TAT GTC AAC ATA TCT CAA CTC TCT CTG ATC AAT TTT GAG GAA TCT AAG ACC TTT TTC GGC TTG TAT AAG CTT
  31. 【請求項31】配列表の配列番号12に記載の塩基配列
    を有する請求項21に記載の新規DNA。
  32. 【請求項32】配列表の配列番号13に記載の塩基配列
    を有する請求項21に記載の新規DNA。
  33. 【請求項33】配列表の配列番号14に記載の塩基配列
    を有する請求項21に記載の新規DNA。
  34. 【請求項34】請求項21ないし33いずれかに記載の
    新規DNAを含む事を特徴とする組み換えDNA分子。
  35. 【請求項35】請求項21ないし33いずれかに記載の
    新規DNAで形質転換された事を特徴とする形質転換
    体。
  36. 【請求項36】請求項34に記載の組み換えDNA分子
    で形質転換された事を特徴とする形質転換体。
  37. 【請求項37】形質転換体が、下記a)ないしc)より
    選ばれる細胞もしくは生物を宿主としたものである請求
    項35または36に記載の形質転換体。 a)大腸菌 b)酵母 c)哺乳動物細胞
  38. 【請求項38】請求項35ないし37のいずれかに記載
    の形質転換体を培養し、その培養混合物から請求項1な
    いし20のいずれかに記載の新規蛋白質を回収、精製す
    る事を特徴とする、前記蛋白質の製造方法。
  39. 【請求項39】請求項1ないし20のいずれかに記載の
    新規蛋白質を含有する試料中より該新規蛋白質を精製す
    る方法であって、少なくとも、下記より選ばれるいずれ
    か1つ以上の精製工程を行う事を特徴とする、請求項1
    ないし20いずれかに記載の新規蛋白質の精製方法。 (1)Fas抗原を使用したアフィニティークロマトグ
    ラフィー (2)請求項1ないし20のいずれかに記載の新規蛋白
    質を認識する抗体を使用したアフィニティークロマトグ
    ラフィー
  40. 【請求項40】請求項1ないし20いずれかに記載の新
    規蛋白質を認識することを特徴とする新規抗体。
  41. 【請求項41】前記抗体がモノクローナル抗体である請
    求項40に記載の新規抗体。
  42. 【請求項42】前記抗体がポリクローナル抗体である請
    求項40に記載の新規抗体。
  43. 【請求項43】Fasリガンドが誘導するアポトーシス
    を抑制する効果を有する請求項40ないし42いずれか
    に記載の新規抗体。
  44. 【請求項44】Fasリガンド遺伝子の一部もしくはF
    asリガンドに対するmRNAの一部に相補的な塩基配
    列を含むことを特徴とする、オリゴヌクレオチドまたは
    オリゴヌクレオチド誘導体。
  45. 【請求項45】Fasリガンドの発現を調節する請求項
    44に記載のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオ
    チド誘導体。
  46. 【請求項46】Fasリガンドの発現を抑制する請求項
    44または45に記載のオリゴヌクレオチドまたはオリ
    ゴヌクレオチド誘導体。
  47. 【請求項47】配列表の配列番号17に記載の塩基配列
    に相補的な塩基配列の一部を含む請求項44ないし46
    のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌ
    クレオチド誘導体。
  48. 【請求項48】配列表の配列番号15に記載の塩基配列
    に相補的な塩基配列の一部を含む請求項44ないし46
    のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌ
    クレオチド誘導体。
  49. 【請求項49】配列表の配列番号18に記載の塩基配列
    に相補的な塩基配列の一部を含む請求項44ないし46
    のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌ
    クレオチド誘導体。
  50. 【請求項50】FasリガンドもしくはFasリガンド
    を発現する形質転換体を使用することを特徴とするFa
    sリガンドに関連する物質のスクリーニング方法。
  51. 【請求項51】FasリガンドもしくはFasリガンド
    を発現する形質転換体に加え、Fas抗原もしくはFa
    s抗原を発現する細胞を使用することを特徴とする請求
    項50に記載のスクリーニング方法。
  52. 【請求項52】Fasリガンドに結合する物質、Fas
    リガンドの発現に影響を与える物質、Fas抗原の発現
    に影響を与える物質もしくはFasリガンドの標的細胞
    に対する作用に影響を与える物質より選ばれるいずれか
    の物質をスクリーニングする請求項50または51いず
    れかに記載のスクリーニング方法。
  53. 【請求項53】下記の(1)ないし(3)のいずれかよ
    り選択される工程を含む請求項50ないし52いずれか
    に記載のスクリーニング方法。 (1)a.FasリガンドもしくはFasリガンドを発
    現する形質転換体とFas抗原を発現する細胞とを共培
    養する。 b.aに被験物質もしくは被験物質を含む試料を添加す
    る。 c.Fas抗原を発現する細胞の生死、形態的変化もし
    くは生化学的変化のうち少なくともいずれか1つを測定
    する。 (2)a.被験物質もしくは被験物質を含む試料をFa
    sリガンドもしくはFasリガンドを発現する形質転換
    体とインキュベートする。 b.aにFas抗原を発現する細胞を加えて、培養す
    る。 c.Fas抗原を発現する細胞の生死、形態的変化もし
    くは生化学的変化のうち少なくともいずれか1つを測定
    する。 (3)a.被験物質もしくは被験物質を含む試料をFa
    s抗原を発現する細胞とインキュベートする。 b.aに、FasリガンドもしくはFasリガンドを発
    現する形質転換体を加えて培養する。 c.Fas抗原を発現する細胞の生死、形態的変化もし
    くは生化学的変化のうち少なくともいずれか1つを測定
    する。
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