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JPH0811971B2 - 流体封入式筒型マウント装置 - Google Patents

流体封入式筒型マウント装置

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Publication number
JPH0811971B2
JPH0811971B2 JP63152961A JP15296188A JPH0811971B2 JP H0811971 B2 JPH0811971 B2 JP H0811971B2 JP 63152961 A JP63152961 A JP 63152961A JP 15296188 A JP15296188 A JP 15296188A JP H0811971 B2 JPH0811971 B2 JP H0811971B2
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JP
Japan
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fluid
vibration
tubular metal
metal fitting
fluid chamber
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勝博 後藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0811971B2 publication Critical patent/JPH0811971B2/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/06Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/08Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper the plastics spring forming at least a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/14Units of the bushing type, i.e. loaded predominantly radially
    • F16F13/1409Units of the bushing type, i.e. loaded predominantly radially characterised by buffering features or stoppers

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、内部に封入された流体の流動に基づいて振
動の伝達を抑制するようにした流体封入式筒型マウント
装置に係り、特に高周波数域における防振特性の向上
が、簡略な構造にて有利に達成され得る流体封入式筒型
マウント装置に関するものである。
(背景技術) 従来から、自動車におけるサスペンションブッシュや
エンジンマウント等の如き、振動伝達系を構成する二つ
の部材間に介装されて、かかる両部材を防振連結せし
め、或いは一方の部材を他方の部材に対して防振支持せ
しめるマウント装置の一種として、互いに同心的に若し
くは偏心して配された内筒金具と外筒金具とを、それら
の間に介装されたゴム弾性体にて弾性的に連結せしめて
なる筒型マウント装置が、用いられてきている。そし
て、この筒型マウント装置にあっては、所定の取付軸が
内筒金具内に挿通固定される一方、かかる取付軸が連結
されるべき支持部材が、外筒金具に対して取り付けられ
ることにより、マウント装置が、それら取付軸と支持部
材との間に介装されることとなり、そしてゴム弾性体の
弾性変形に基づいて、それら両部材を防振連結せしめる
ようになっている。
ところが、このような構造とされた筒型マウント装置
にあっては、防振体としてゴム単体が用いられていると
ころから、高周波数域の振動入力時に、ゴム弾性体の共
振に起因するマウントの剛体化が惹起されるといった問
題を内在していたのである。
例えば、このような筒型マウント装置は、FF型自動車
のエンジンマウントとしても用いられているが、従来の
エンジンマウントでは、そのゴム弾性体の共振が、300H
z〜700Hz程度の周波数域に出現することとなるために、
エンジン透過音等のこもり音や高周波振動などの防止が
充分に達成され難かったのであり、それ故、特に、近年
の自動車の静粛性及び乗り心地のより高度な要求に伴っ
て、そのような高周波数域の防振特性の改善が切望され
ているのである。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景とし
て為されたものであって、その解決課題とするところ
は、高周波数域の振動入力時におけるマウントの剛体化
が効果的に回避され得て、広い周波数域に亘る防振性能
の向上が、簡単な構造にて実現され得る、流体封入式筒
型マウント装置を提供することにある。
(解決手段) そして、かかる課題を解決すべく、本発明にあって
は、互いに同心的に若しくは偏心して配された内筒金具
と外筒金具とを、それらの間に介装されたゴム弾性体に
て弾性的に連結せしめてなる筒型マウント装置におい
て、前記ゴム弾性体に形成されたポケット部の開口を前
記外筒金具で覆蓋することにより、径方向の振動入力方
向における前記内筒金具と前記外筒金具との間に、低粘
度の非圧縮性流体が封入された、防振すべき振動が入力
される流体室を少なくとも一つ形成すると共に、前記内
筒金具を挟んで該流体室とは反対側に、該内筒金具と前
記外筒金具との間を軸方向に貫通して延びる肉抜部を設
けて、該流体室を形成する前記ポケット部の周方向両側
における底壁を弾性変形容易な弾性壁部とする一方、前
記流体室の前記ゴム弾性体にて構成された軸方向両側の
側壁を、膨出変形可能な薄肉部と為し、更にかかる流体
室の内部に、該流体室を形成する前記ポケット部の内面
形状に略対応した表面形状を有し、前記外筒金具側から
前記内筒金具側に向かって突出して該ポケット部の内面
から離隔して位置する作用突部を、該外筒金具に固定的
に設けて、該作用突部と前記ゴム弾性体にて形成された
前記流体室の壁部の内面との振動入力方向対向面間に、
マウント装着状態下で略一定の間隙をもって広がる振動
作用間隙を形成したことを、その特徴とするものであ
る。
また、本発明にあっては、前記作用突部が、前記流体
室内に収容配置された収容部材を、前記外筒金具に対し
て固定せしめることによって、該外筒金具側から前記内
筒金具側に向かって突出する形態で形成されている流体
封入式筒型マウント装置も、その特徴とするものであ
る。
更にまた、本発明にあっては、そのような流体封入式
筒型マウント装置において、前記流体室を、前記内外筒
金具間への振動の入力に際し、前記ゴム弾性体の弾性変
形によって内圧変動が生ぜしめられる受圧室として形成
すると共に、前記内筒金具と前記外筒金具との間に、前
記所定の非圧縮性流体が封入されてなる、少なくとも一
部が可撓性膜にて画成されて、振動の入力が回避された
平衡室を、かかる受圧室とは独立して、少なくとも一つ
形成せしめ、更にそれら受圧室と平衡室とを相互に連通
するオリフィス通路を設けてなるものをも、その特徴と
するものである。
(実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本
発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明
することとする。
先ず、第1図及び第2図には、本発明の一実施例とし
て、本発明をFF型自動車のエンジンマウントに対して適
用したものの一具体例が示されている。
かかる図において、10は、内筒金具であり、その外側
に、外筒金具12が、径方向一方向(第1図中、上下方
向)に偏心して、所定距離を隔てて配置されている。ま
た、これら内筒金具10と外筒金具12との間には、略円筒
形状のゴム弾性体14が介装されており、該ゴム弾性体14
にて、それら内外筒金具10、12が、一体的に且つ弾性的
に連結されているのである。
そして、本実施例におけるエンジンマウント16は、内
筒金具10に対して車体側に設けられた取付ロッドが挿通
固定される一方、外筒金具12が、エンジンユニット側に
設けられたブラケットの取付孔内に圧入固定されること
により、それらエンジンユニット側と車体側との間に介
装されて、かかるエンジンユニットを車体に対して防振
支持せしめるようになっているのである。また、かかる
装着状態下においては、エンジンユニットの重量にて、
内外筒金具10、12が略同心的に位置せしめられる(第3
図参照)と共に、それら両金具10、12の偏心方向に、主
たる振動が入力されることとなる。
ここにおいて、前記ゴム弾性体14は、その内周面にお
いて内筒金具10が、また外周面において、該内筒金具10
に対して所定量偏心して位置せしめられた薄肉円筒状の
取付スリーブ18が、それぞれ加硫接着せしめられた一体
加硫成形品として形成されている。
また、かかるゴム弾性体14には、前記振動入力方向で
マウント径方向となる。内筒金具10と取付スリーブ18と
の偏心方向における、離間距離の小なる側において、そ
れら内筒金具10と取付スリーブ18との間を軸方向に貫通
し、周方向に略半周に亘って延びる肉抜部20が形成され
ている。そして、この肉抜部20によって、前述の如きエ
ンジンユニット重量部の初期荷重が及ぼされた際の、ゴ
ム弾性体14における引張応力の発生が可及的に低減され
得るようになっているのである。
更にまた、かかるゴム弾性体14には、上記の肉抜部20
に対して、内筒金具10を挟んで径方向に対向する部位、
換言すれば内筒金具10と取付スリーブ18との偏心方向に
おける、離間距離の大なる側において、取付スリーブ18
の壁部を貫通して外周面上に開口する凹所状形態をもっ
て、ポケット部22が形成されている。要するに、取付ス
リーブ18には、ゴム弾性体14に設けられたポケット部22
の開口部位において、窓部26が設けられており、この窓
部26を通じて、ポケット部22が、外部に開口せしめられ
ているのである。
なお、ここにおいて、かかるポケット部22のマウント
軸方向両側壁部24、24を構成するゴム弾性体14部分は、
第2図からも明らかなように、比較的薄肉とされて、そ
のマウント軸方向への膨出変形が許容され得るようにな
っている。また、かかるゴム弾性体14にあっては、前記
肉抜部20によって、内外筒金具10、12間への振動荷重入
力に際しての引張応力の発生が回避されていることか
ら、圧縮応力の発生部位に形成されたポケット部22に対
して、振動荷重の入力に際してのマウント径方向の圧縮
変形が、より有利に惹起せしめられるようになってい
る。
そして、このような内筒金具10とゴム弾性体14と取付
スリーブ18とからなる一体加硫成形品に対して、前記外
筒金具12が外挿され、更に該外筒金具12に縮径加工が施
されると共に、その軸方向両端部にロールカシメ加工が
施されて、取付スリーブ18の周端部に図示の如く係合せ
しめられることにより、それら一体加硫成形品と外筒金
具12とが一体的に組み付けられている。そして、かかる
外筒金具12の外挿によって、前記ポケット部22の開口が
流体密に閉塞されて、そこに所定容積の流体室30が画成
されているのである。なお、かかる外筒金具12の内周面
には、その略全面に亘って薄肉状のシールゴム層28が一
体的に設けられている。
また、かかる流体室30内には、外筒金具12の組付け
が、所定の流体中で行なわれること等によって、所定の
低粘度の非圧縮性流体が封入されている。なお、かかる
封入流体としては、本発明の目的を達成すべく、充分な
流体の流動性を確保する上において、500センチストー
スク以下、好ましくは100センチストークス以下の動粘
度を有するものが望ましく、例えば、水や、エチレング
リコール、プロピレングリコール、その他のアルキレン
グリコール、低粘度のポリアルキレングリコール、低粘
度のシリコーンオイル、或いはこれらの混合液等が、好
適に用いられることとなる。
そして、かかる流体室30にあっては、前記内外筒金具
10、12間への振動の入力に際して、そこに防振すべき振
動が入力せしめられるが、その際、ゴム弾性体14におけ
る前記軸方向両側壁部24、24のマウント軸方向外方への
弾性変形、或いは肉抜部20内への膨出変形によって、そ
の振動入力方向たるマウント径方向に対向する内側寸法
が変化するような変形が、生ぜしめられ得るようになっ
ているのである。
更にまた、かかる流体室30内には、突出ブロック32
が、収容、配置されている。この突出ブロック32は、流
体室30の内面形状に略対応した表面形状を有しており、
且つ外筒金具12を貫通して挿入された固定ボルト33によ
って、その外周面が外筒金具12の内周面に当接する状態
で、該外筒金具12に対して固定され、支持せしめられて
いる。即ち、かかる突出ブロック32によって、流体室30
内において、外筒金具12側から内筒金具10側に向かっ
て、振動入力方向たるマウント径方向に所定高さで突出
する作用突部が形成されているのである。
なお、外筒金具12における固定ボルト33の装着部位
は、径方向内方に凹陥せしめられた凹所35とされてお
り、固定ボルト33の頭部が、該凹所35内に収容され、径
方向外方への突出が回避されていることによって、前述
の如き、かかる外筒金具の車体側乃至はエンジンユニッ
ト側への装着に際しての、所定の取付孔内への嵌入によ
る組付性が確保されている。
そしてまた、前記突出ブロック32の流体室30内への収
容によって、第3図に示されている如き、マウント16の
装着状態、即ち被支持体(エンジンユニット)の重量負
荷状態下において、該突出ブロック32の突出端面(内周
面)と、該突出端面に対して振動入力方向のマウント径
方向に対向する流体室30の内面との間に、図示されてい
るように略一定の厚さ(間隙):tで、且つ振動入力方向
に対して略直角なマウント周方向に所定面積をもって広
がる、振動作用間隙としての流体作用領域34が形成され
ているのである。なお、この流体作用領域34において
は、内外筒金具10、12間への振動の入力によって振動入
力方向における流体室30の内側寸法が変化(増減)する
ことに基づいて、その厚さ:tが変化せしめられることと
なり、そして該流体作用領域34における間隙(t)変化
に伴う流体量の変化が、前記したゴム弾性体14の膨出変
形(側壁部24の変形、肉抜部20側への膨出等)によって
補償されることにより、そこに流体の流動が生ぜしめら
れるようになるのである。
すなわち、このような構造とされたエンジンマウント
16にあっては、内外筒金具10、12間への振動の入力によ
り、流体室30内において、突出ブロック32の径方向内側
に形成された前記流体作用領域34の厚さ(t)が増減せ
しめられることにより、そこに存在する流体に駆動力が
付与され、以て該流体作用領域34における流体の繰り返
し流動(第2図において主として左右方向の流動)が生
ぜしめられることとなるのであり、それ故かかる流体の
流動に基づく流動作用乃至は共振作用を利用することに
より、マウント動ばね定数の低減が有効に図られ得るこ
ととなるのである。
なお、ここにおいて、流体作用領域34は、突出ブロッ
ク32と内筒金具10との間のみならず、突出ブロック32と
流体室30の壁部を形成するゴム弾性体14との振動入力方
向対向面間にも形成されていると共に、かかる流体室の
壁部を形成するゴム弾性体14は、肉抜部20によって振動
入力時の変形自由度が或る程度確保されている。これに
よって、振動入力時に、ゴム弾性体14に対して、波打ち
状の変形が生ぜしめられることとなり、流体作用領域34
における流体の繰り返し流動が極めて有利に惹起される
のであり、それ故、ゴム弾性体14の共振等に起因する高
動ばね化が、一層効果的に軽減乃至は防止され得るので
ある。
ところで、このマウント動ばね定数の低減効果が発揮
され得る周波数領域は、ゴム弾性体14の弾性率(マウン
トばね定数)やその側壁部24の弾性、或いは封入流体の
粘度等に応じて、流体作用領域34の厚さ:tや、その大き
さ(広さ)を調節して、かかる流体作用領域34内を流動
させられる流体の共振周波数をチューニングすることに
よって、所望の周波数域に設定することが可能であり、
特に、このようなエンジンマウント16にあっては、かか
る流体の共振周波数を高周波数領域に有利にチューニン
グすることができるのである。
なお、このようなエンジンマウントにおいては、上述
の如き、流体の流動作用乃至は共振作用に基づく所期の
低動ばね効果が充分に発揮され得るように、流体作用領
域34の間隙(厚さ)や面積が設定されることとなるが、
それらの具体的な値は、通常のエンジンマウントで、第
3図中、流体作用領域34の厚さ:tが、1〜16mm、好まし
くは2〜10mmとなるように設定され、また、かかる流体
作用領域34の面積、即ち突出ブロック32の径方向内周面
と流体室30内面に対する対向面積が、400mm2以上、好ま
しくは800mm2以上となるように設定されることとなる。
従って、上述の如き構造とされたエンジンマウント16
にあっては、振動入力によって、間隙(t)が増減せし
められる、流体室30内の突出ブロック32内側の流体作用
領域34に存在する流体の流動作用乃至は共振作用に基づ
いて、マウント特性の低動ばね化が、高周波数領域にま
で亘って有利に達成され得ることとなるのであり、それ
によって、前述の如き、マウント本体ゴム(ゴム弾性体
14)の共振現象に起因する、高周波数領域の振動入力時
におけるマウントの剛体化が効果的に解消され得るので
ある。
そしてそれ故、かかるエンジンマウント16を用いるこ
とによって、中乃至高周波数の広い周波数領域に亘る入
力振動に対して、柔らかいばね特性が有利に発揮され得
て、振動伝達率が低減され得るのであり、以て車内の静
粛性及び乗り心地の向上が極めて有効に達成され得るこ
ととなるのである。
因みに、本実施例に従う構造とされたエンジンマウン
ト16を用いて、その振動周波数に対する位相角:δ及び
絶対ばね定数:Kを測定した実験結果が、それぞれ、第
4図(a)及び(b)に示されている。なお、かかる第
4図においては、流体室(30)内に流体を封入せず、且
つ突出ブロック(32)も配しない構造の、ゴム単体から
なるエンジンマウントについての結果が、比較例1とし
て、また流体室(30)内に突出ブロック(32)を配する
ことなく、流体のみを封入した構造のエンジンマウント
についての結果が、比較例2として、更に流体が封入さ
れた流体室(30)内に、突出ブロック(32)を固定する
ことなく、浮揚状態下に配置した構造のエンジンマウン
トについての結果が、比較例3として、それぞれ併せ示
されている。
ところで、かかる実験に際しては、封入流体として水
道水を用いる一方、内外筒金具10、12間に対して、その
偏心方向に、105kg fの初期荷重を作用せしめた状態下
で、±10Gの振動を加えることによって、それぞれのマ
ウントの評価が行なわれた。
そして、かかる第4図から明らかなように、本実施例
におけるエンジンマウントにあっては、マウント本体ゴ
ムの共振現象による高周波数領域での高動ばね化が、極
めて有利に解消され得、中乃至高周波数領域の低動ばね
化と、それに伴う振動伝達率の低減が良好に達成され得
ることが、更にまた、流体室(30)内に突出ブロック
(32)を浮揚状態下に配したものに比べても、より優れ
た低動ばね効果が発揮され得ることが、認められるので
ある。なお、このように本実施例構造のエンジンマウン
ト16が、突出ブロック32を固定しない構造のものより優
れた低動ばね効果を奏し得るのは、振動入力時における
突出ブロック32の傾きやぶれなどが防止されて、流体作
用領域34内に存在する流体に対する駆動力の付与(ピス
トン効果)が、より効果的に為されるからであると考え
られる。
また、このようなエンジンマウント16にあっては、そ
の組立時に、流体室30内に突出ブロック32を配慮するだ
けで良いことから、複雑な機構を付加することなく、目
的とする高周波数域の防振特性の向上が、簡単な構造で
有利に達成され得るといった利点をも有しているのであ
る。
次に、第5図及び第6図には、本発明の別の実施例と
してのエンジンマウント40が示されている。なお、本実
施例におけるエンジンマウント40にあっては、前記第一
の実施例と同様な構造とされた部材については、それぞ
れ、同一の部号を付することにより、その詳細な説明は
省略することとする。
すなわち、本実施例におけるエンジンマウント40にあ
っては、ゴム弾性体14において、前記ポケット部22に対
して内筒金具10を挟んでマウント径方向に対向する側、
換言すれば内筒金具10と取付スリーブ18との偏心方向に
おける離間距離の小なる側に、前記肉抜部20の外側に位
置して、取付スリーブ18の壁部を貫通して外周面に開口
する所定容積の凹所42が設けられている。要するに、取
付スリーブ18には、かかる凹所42の形成部位において、
該凹所42が開口せしめられる窓部44が設けられているの
であり、また、その軸方向の中央部において、かかる窓
部44と、前記ポケット部22に対応する位置に設けられた
窓部26との間に跨がって周方向に延びる状態で、外周面
に開口する周溝46、46が形成されている。
そして、かかる取付スリーブ18に対して外筒金具12が
外挿され、前例と同様に、流体密に組み付けられること
によって、凹所42の開口が覆蓋されて、その内部に、前
述の如き所定の低粘度非圧縮性流体が封入された流体室
48が形成されているのであり、また前記周溝46、46の開
口が覆蓋されて、かかる流体室48を、前記流体室30に対
して相互に連通せしめるオリフィス通路50、50が形成さ
れているのである。
また、ここにおいて、本実施例におけるエンジンマウ
ント40にあっては、前記流体室30の壁部を構成するゴム
弾性体14における軸方向両側壁部24、24が、その材料や
肉厚等を調節することによって、少なくとも所定の大振
幅の振動入力時においては、該流体室30内の内圧変化を
吸収してしまわないように、或る程度の剛性をもって形
成されており、それによってかかる流体室30が、低周波
大振幅の振動の入力に際して、内圧変動が生ぜしめられ
る受圧室として構成されているのである。
また一方、流体室48にあっては、その底壁部を構成す
るゴム弾性体14が、肉抜部20によって薄肉化されている
ことによって、弾性変形が容易な可撓性膜52とされてお
り、それによってかかる流体室48が、該可撓性膜52の弾
性変形に基づく容積変化にて、マウントへの振動入力時
における内圧変動が回避される平衡室として構成されて
いるのである。
そして、このような構造とされた本実施例におけるエ
ンジンマウント40にあっては、内外筒金具10、12間に振
動が入力された際、流体室30内の内圧変動に基づいて、
流体室48との間で、オリフィス通路50、50を通じての流
体の流動が生ぜしめられることとなり、以てかかるオリ
フィス通路50を通じて流動させられる流体の共振周波数
を、その断面積や長さ等を調節して適宜チューニングす
ることによって、かかる流体の流動作用乃至は共振作用
にて、所定の周波数域の入力振動に対する所定の防振効
果が発揮され得ることとなるのである。
また、特に、このようなオリフィス通路50は、エンジ
ンシェイクやバウンス等に相当する10Hz前後の低周波数
域の入力振動に対して、優れた減衰性能が発揮され得る
ように、チューニングせしめられ、それによってマウン
トの低周波数域の防振性能の向上が図られることとな
る。
そして、このようなエンジンマウント40にあっては、
高周波数域の振動入力時において、かかるオリフィス通
路50が閉塞状態となることに伴うマウントの高動ばね化
が問題となるが、かかるマウントの高動ばね化は、流体
室30内に形成された流体作用領域34における流体の流動
作用乃至は共振作用に基づく、前述の如き、動ばね特性
の低減効果によって効果的に解消され得るのである。
従って、本実施例におけるエンジンマウント40にあっ
ては、オリフィス通路50を通じての流体の流動作用乃至
は共振作用に基づいて、低周波数域の入力振動に対する
高減衰性能が、また流体室30内に形成された流体作用領
域34における流体の流動作用乃至は共振作用に基づい
て、中乃至高周波数の広い周波数域に亘る入力振動に対
する振動伝達率の低減効果が、ともに有利に発揮され得
ることとなるのである。
また、第7図には、本発明に従う構造とされたFF型自
動車用エンジンマウントの、別の実施例が示されてい
る。
すなわち、本実施例におけるエンジンマウント56は、
前記第二の実施例におけるエンジンマウント40に比し
て、突出ブロック32の外筒金具12に対する固定構造の別
の一具体例として、リベット58による固定構造を示すも
のである。
なお、本実施例においては、かかる突出ブロック32の
固定構造以外、前記第二の実施例と同様な構造であるこ
とから、第7図中、前記第二の実施例と同様な構造とさ
れた部材について、それぞれ同一の符号を付することに
より、その詳細な説明は省略することとする。
以上、本発明に係る流体封入式筒型マウント装置の幾
つかの実施例について詳述してきたが、これらは文字通
りの例示であって、本発明は、かかる具体例にのみ限定
して解釈されるものではない。
例えば、突出ブロック32の形成材料は、何等限定され
るものではなく、またその形状も、流体室30の形状等に
応じて、矩形ブロック状や円柱形状等の各種形状が適宜
設定されるものであり、更には中空形状にて形成するこ
とも可能である。
また、前記実施例におけるマウント装置では、その作
用突部が、何れも、別体の突出ブロックにて構成されて
いたが、例えば、外筒金具12を流体室30内に突出せしめ
ることにより、該作用突部を形成することも可能であ
る。
さらに、ゴム弾性体14における、流体室30に対して内
筒金具10を挟んで径方向に対向する位置に形成された肉
抜部20は、マウントの耐久性を向上させると共に、流体
室30内における流体作用領域34、或いはオリフィス通路
50を通じて流動される流体量を確保する上に有効ではあ
るが、本発明では必須の要件ではない。
加えて、本発明は、例示の如きエンジンマウントの
他、サスペンションブッシュや自動車以外の装置におけ
るマウント装置に対しても、良好に適用され得るもので
あることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識
に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様に
おいて実施され得るものであり、またそのような実施態
様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも本発明の
範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないと
ころである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う構造と
された流体封入式筒型マウント装置にあっては、振動の
入力に際して生ぜしめられる、流体室内に形成された振
動作用間隙における流体の流動に基づいて、高周波数域
の入力振動に対するマウント剛性化が効果的に回避され
て、低動ばね化が達成され得るのであり、それによって
中乃至高周波数の広い周波数域に亘って優れた防振特性
を発揮し得る筒型マウント装置が、有利に実現され得る
こととなるのである。
また、特に、かかる流体封入式筒型マウントにおいて
は、振動作用間隙が、作用突部と内筒金具の間のみなら
ず、作用突部と流体室の壁部を形成するゴム弾性体との
振動入力方向対向面間にも形成されていると共に、かか
る流体室の壁部を形成するゴム弾性体が、肉抜部によっ
て比較的容易に変形可能とされていることから、振動入
力時に、ゴム弾性体に波打ち状の変形が生ぜしめられ
て、振動作用間隙における流体の繰り返し流動が極めて
効率的に惹起されることとなり、それによって、上述の
如き、高周波数域の低動ばね効果が、一層有利に発揮さ
れ得るのである。
また、このような流体封入式筒型マウントでは、所定
形状の収容部材を、外筒金具に対して固定、支持せしめ
て、流体室内に配することにより、前記作用突部、延い
ては振動作用間隙の形成が、容易に且つ有利に試され得
るのである。
そしてまた、このような流体封入式筒型マウントにあ
っては、前記流体室を受圧室として構成すると共に、該
受圧室に対して、オリフィス通路を通じて連通せしめら
れた平衡室を設けることによって、上述の如き、中乃至
高周波数域の入力振動に対する低動ばね特性を確保しつ
つ、かかるオリフィス通路を通じての流体の流動に基づ
いて、低周波数域の入力振動に対して高減衰特性の向上
をも、有利に図られ得るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を自動車用エンジンマウントに適用し
たものの一具体例を示す横断面図であり、第2図は、第
1図におけるII−II断面図である。また、第3図は、第
1図に示されているエンジンマウントの装着状態を示す
横断面図である。更に、第4図は、第1図及び第2図に
示されている如き構造とされたエンジンマウントにおけ
る防振性能についての実験データを、比較例と共に示す
グラフであって、(a)は位相角:δの周波数特性を、
(b)は絶対ばね定数:Kの周波数特性を、それぞれ示
すものである。また、第5図は、本発明を自動車用エン
ジンマウントに適用したものの別の具体例を示す横断面
図であり、第6図は、第5図におけるVI−VI断面図であ
る。更に、第7図は、本発明に従う構造とされた自動車
用エンジンマウントの更に別の実施例を示す横断面図で
ある。 10:内筒金具、12:外筒金具 14:ゴム弾性体 16,40,56:エンジンマウント 24:軸方向両側壁部(薄肉部) 30:流体室(受圧室)、32:突出ブロック 34:流体作用領域(振動作用部) 48:流体室(平衡室)、50:オリフィス通路 52:可撓性膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに同心的に若しくは偏心して配された
    内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装されたゴム
    弾性体にて弾性的に連結せしめてなる筒型マウント装置
    において、 前記ゴム弾性体に形成されたポケット部の開口を前記外
    筒金具で覆蓋することにより、径方向の振動入力方向に
    おける前記内筒金具と前記外筒金具との間に、低粘度の
    非圧縮性流体が封入された、防振すべき振動が入力され
    る流体室を少なくとも一つ形成すると共に、前記内筒金
    具を挟んで該流体室とは反対側に、該内筒金具と前記外
    筒金具との間を軸方向に貫通して延びる肉抜部を設け
    て、該流体室を形成する前記ポケット部の周方向両側に
    おける底壁を弾性変形容易な弾性壁部とする一方、前記
    流体室の前記ゴム弾性体にて構成された軸方向両側の側
    壁を、膨出変形可能な薄肉部と為し、更にかかる流体室
    の内部に、該流体室を形成する前記ポケット部の内面形
    状に略対応した表面形状を有し、前記外筒金具側から前
    記内筒金具側に向かって突出して該ポケット部の内面か
    ら離隔して位置する作用突部を、該外筒金具に固定的に
    設けて、該作用突部と前記ゴム弾性体にて形成された前
    記流体室の壁部の内面との振動入力方向対向面間に、マ
    ウント装着状態下で略一定の間隙をもって広がる振動作
    用間隙を形成したことを特徴とする流体封入式筒型マウ
    ント装置。
  2. 【請求項2】前記作用突部が、前記流体室内に収容配置
    された収容部材を、前記外筒金具に対して固定せしめる
    ことによって、該外筒金具側から前記内筒金具側に向か
    って突出する形態で形成されている請求項(1)記載の
    流体封入式筒型マウント装置。
  3. 【請求項3】前記流体室を、前記内外筒金具間への振動
    の入力に際し、前記ゴム弾性体の弾性変形によって内圧
    変動が生ぜしめられる受圧室として形成すると共に、前
    記内筒金具と前記外筒金具との間に、前記所定の非圧縮
    性流体が封入されてなる、少なくとも一部が可撓性膜に
    て画成されて、振動の入力が回避された平衡室を、かか
    る受圧室とは独立して、少なくとも一つ形成せしめ、更
    にそれら受圧室と平衡室とを相互に連通するオリフィス
    通路を設けてなる請求項(1)又は(2)記載の流体封
    入式筒型マウント装置。
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