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JPH0794609B2 - アントラキノン系色素および該色素を用いた偏光フィルム - Google Patents

アントラキノン系色素および該色素を用いた偏光フィルム

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JPH0794609B2
JPH0794609B2 JP63178047A JP17804788A JPH0794609B2 JP H0794609 B2 JPH0794609 B2 JP H0794609B2 JP 63178047 A JP63178047 A JP 63178047A JP 17804788 A JP17804788 A JP 17804788A JP H0794609 B2 JPH0794609 B2 JP H0794609B2
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JP
Japan
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group
dye
polarizing film
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film
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伝美 三沢
尚登 伊藤
功 西沢
裕之 片山
正巳 中野
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアントラキノン系色素及び該色素を配向して含
有した偏光フィルムに関する。
〔従来の技術〕
今日最も一般的に使用されている偏光フィルムは、フィ
ルム基材としてポリビニルアルコール系樹脂を用い、こ
れにヨード化合物および/または選択された構造を有す
る酸性染料もしくは直接染料等の二色物質で偏光性を付
与したものである。この種の偏光フィルムは優れた偏光
性能を示すが耐久性が不十分であり、通常フィルムの両
面を耐湿性がありかつ少なくとも片面が透明なフィルム
状物(保護膜)で覆うことにより耐久性が保持されてい
る。すなわち、本質的に極めて耐久性に乏しい内部偏光
フィルム(層)の欠点を両面の保護膜(層)で保護する
ことにより実用的な耐久性を得る手段がとられている。
近来、液晶表示素子の車載用、コンピュータ用、産業機
器用等への用途の拡大にともない、一要素として使用さ
れる偏光フィルムの耐久性の向上、特に耐湿性、耐候
性、耐熱性の改良が強く要望されている。このための1
つの改良手段として疎水性樹脂を基材として用いた偏光
フィルムが提案されており、公知技術として特開昭57−
84409号及び本発明者らによる同58−68008号、同60−12
5804号等が例示される。しかし、かかる偏光フィルムは
十分に耐久性は満たしているが、偏光性の点で必ずしも
満足できるものではないのが実状である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、疎水性樹脂をフィルム基材とした偏光
フィルムに好適なアントラキノン系色素および該色素を
配向して含有した偏光フィルムを提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成する本発明に係るアントラキノン系色素
は、一般式(I)で表されるアントラキノン系色素 〔式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、各々独立
に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基
又は炭素数1〜4の低級アルキルアミノ基を示し、Z1
よびZ2は−N=CH−、−CH=CH−、または、−COO−を
示し、Aは式(IIa)〜(IIc)のいずれかで示される
芳香族二官能性基 (上式中、R1〜R4は、各々独立に水素原子、ハロゲン原
子、メチル基、水酸基またはメトキシ基を示す)を示
す〕 であり、該色素は分子両端に発色基を有し、その間を分
子の平面性及び直線性を維持する連結基及び芳香族二官
能性基で結んだ化合物である。なお、Aが(IIa)また
は(IIb)で示される化合物は、新規なアントラキノン
系色素である。
Z1及びZ2で示される連結基としては、−N=CH−、−CH
=CH−、または、−COO−等が挙げられ、特に−N=CH
−または−CH=CH−が好ましい。
Aで示される芳香族二官能性基は、基の長軸方向にZ1
よびZ2の結合を有している芳香族基であり、好ましい具
体例としては、 等が挙げられる。又、式(III)で表されるところのβ
位に前記連結基Z1またはZ2を有するアントラキノニル基 〔式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は各々独立
に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ
基又は炭素数1〜4の低級アルキルアミノ基を示す〕 の好ましい例として、 等が挙げられる。
本発明のアントラキノン系色素は、疎水性樹脂を基材と
する偏光フィルムに適した構造を有する二色性色素であ
る。
本願発明の色素が偏光フィルム用色素として好適な理由
は、分子の構造が長い直線的棒状構造であり、分子を構
成する芳香族環が同一平面を保ち易く、長い共役を有
し、フィルム基材との相互作用を有する連結基、官能基
を有することにより配向したフィルム構成分子に平行に
配列出来るためであると推定される。
本願発明の色素〔一般式(I)〕を合成するには、下記
一般式(IV)で表されるアントラキノン誘導体1〜2種
と、 〔式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は各々独立
に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ
基又は炭素数1〜4の低級アルキルアミノ基を示し、Z3
は−CHOまたは−COClを示す〕 下記一般式(V)で表される化合物とを、溶媒存在下
で、反応させることにより得られる。
Z4−A−Z5 (V) 〔式中、Aは式(I)中のAと同一の意味を表し、Z4
よびZ5は各々独立にアミノ基、ヒドロキシル基、X-R3P+
−CH2−または(RO)(PO)CH2−(Xはハロゲン原
子、Rは低級アルキル基を示す)などZ3と反応して連結
基Z1、Z2を生成するのに必要な反応基を示す〕 式(IV)で示されるアントラキノン誘導体と式(V)で
示される化合物のモル比は好ましくは、式(IV)の総モ
ル数を1モルとした時、式(V)のモル数は0.3〜0.7モ
ルである。
また、使用する塩基としてはNaOH、KOH、Ca(OH)、M
gO、NaH、NH4OHなどの無機物質、CH3ONa、CH3OLi、C2H5
ONa、C4H9OKなどのアルコキシド、CH3COONa、CH3COOK、
CH3COONH4などのカルボン酸塩、ジアザビシクロウンデ
セン、ピペリジン、ピリジンなどの含窒素化合物、CH3L
i、C4H9Li、C6H5MgBr、(C3H72NLiなどのアルキル金
属化合物などである。
溶媒としては、式(I)の化合物の1〜100重量倍を用
いる。好ましい溶媒としては、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルイミダゾ
リジノンなどの非プロトン性極性溶媒、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、
クロロナフタレン、ニトロベンゼンなどの芳香族溶媒、
メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコ
ール類、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類であ
る。
また、反応温度としては室温から200℃が好ましく、反
応時間としては、1〜20時間である。
本発明の偏光フィルムの製造において、使用される色素
は、粗製のまま使用することもできるが再結晶その他の
精製手段を用いて精製されたものが好ましく、また数ミ
クロン以下に粉砕して使用することが好ましい。
本発明の偏光フィルムは、前記色素を少なくとも1種含
むものであり、好みの色相を得るため、また特にニュー
トラルグレイ色の偏光フィルムを得るため数種類を選
択、混合して使用することができる。さらに本発明以外
の二色性を有する色素、場合によっては二色性を有しな
い色素もしくは紫外線吸収剤等の添加剤、その他の物質
を含んでもよい。
本発明の偏光フィルムにおいて用いられる疎水性樹脂は
分子構造上、親水性基を含まない直鎖状構造を有する有
機高分子化合物であれば、特に限定されないが熱可塑性
を有することが好ましく、具体的にはハロゲン化ビニル
重合体系、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリアミド
系、ポリイミド系、ポリエステル系、ポリカーボネート
系およびポリエーテルスルホン系樹脂などの例が挙げら
れる。なかでも特に、耐熱性、耐湿性および透明性に優
れたポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンビ
ス−α,β−(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4′
−ジカルボキシレートなどの芳香族ポリエステル系樹脂
成分を少なくとも80重量%以上含む樹脂組成物が好まし
い。
使用する色素の上記のような疎水性樹脂である基材樹脂
に対する量は、色素の着色能力および目的とする偏光フ
ィルムの厚さを考慮して決定されるが、好ましくは得ら
れる偏光フィルム1枚当たりの可視光透過率が30〜60%
となるように調整する。例えば、偏光フィルムの厚さが
30〜200μmであれば、色素の基材樹脂に対する量は0.0
1〜10重量%の範囲である。
本発明の偏光フィルムを製造するには、基材樹脂と前記
本発明の色素から選ばれた少なくとも1種、必要により
混合するその他の色素とともに溶融して着色した後、フ
ィルムもしくはシート状に成形し、延伸することにより
製造することができる。
このように製造された偏光フィルムは、用途によってさ
らに種々の形態のフィルムやシートに加工して実用に供
することができる。
すなわち、a)上記の方法で製造されたフィルムそのま
ま、b)片面もしくは両面に光学的透明性と機械的強度
に優れた保護膜、例えば着色もしくは無着色のガラス
類、または合成樹脂類よりなる保護膜(層)を設けた形
の偏光シートまたはフイルム、c)一般的に利用される
液晶ディスプレイ、窓ガラスまたはメガネ等への適用時
の簡便さのために、片面もしくは両面に粘着剤を塗布し
た形のもの、さらにはd)偏光フィルムの表面に蒸着、
スパッタリングまたは塗工法等の周知の方法でインジウ
ム−スズ系酸化物等の透明導電性膜を付加した形のもの
などが例示される。これらは液晶表示素子用のセル形成
剤としても利用することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の色素および該色素を用いた偏光フィルム
の代表例について具体的に実施例を挙げて説明する。
実施例中の偏光度は次の方法によって測定した値であ
る。すなわち、2枚の偏光フィルムを延伸方向が平行と
なるべく重ねて分光光度計の光路におき測定した可視領
域最大吸収波長での光線透過率(T )および2枚の偏
光フィルムを延伸方向が直交すべく重ねて測定した同波
長での光線透過率(T⊥)より次式を用いて偏光度
(V)を算出した。
実施例1 1−アミノ−アントラキノン−2−カルボキシアルデヒ
ド10g及びベンジジン3.7gをニトロベンゼン200ml中、21
0℃に4時間かきまぜた。反応液を室温まで冷却した
後、析出物を濾取し、少量のニトロベンゼンで洗浄、次
いでN,N−ジメチルホルムアミド、メタノールで洗浄し
て乾燥して下記の色素12gを得た。m.p.300℃以上 元素分析値 C H N 計算値(%) 77.53 4.03 8.61 実測値(%) 77.30 3.95 8.72 この色素をポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットに
偏光フィルムの単体透過率が40%となるように加え均一
に混合した後、溶融押出し厚さ約200μmのシート状に
成形した。このシートをテンター延伸機を用いて80℃で
横方向に5倍延伸し、150℃で1分間熱処理した。厚さ1
00μmの赤色偏光フィルムが得られ、極大吸収波長540n
mにおける偏光度は99.9%と優れていた。この偏光フィ
ルムを80℃相対湿度90%の条件下で500時間放置した
が、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められな
かった。またフィルムの収縮率は縦方向および横方向と
も1%以下であり、良好な寸法安定性を有していた。
実施例2 4,4′−ビス(ジエトキシホスフォノメチル)−ビフェ
ニル9.1gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液120mlを金属
ナトリウム1.4gをエタノール40mlに溶かした溶液に加
え、室温で30分間攪拌した後、1−アミノ−アントラキ
ノン−2−カルボキシアルデヒド10gを加え、室温で4
時間攪拌した。析出物を濾取しN,N−ジメチルホルムア
ミド次いでメタノールで洗浄し、乾燥して下記の色素11
gを得た。m.p.300℃以上 元素分析値 C H N 計算値(%) 81.47 4.35 4.32 実測値(%) 81.26 4.21 4.15 実施例1と同様にフィルム加工して赤色の偏光フィルム
を得た。極大吸収波長530nmにおける偏光度は99.9%で
あり、同様な耐久性試験の結果、偏光度の低下はなく、
良好な寸法安定性を有していた。
実施例3 1−アミノ−2−ホルミルアントラキノン60g、2,6−ジ
アミノアントラキノン28gと酢酸3を還流下4時間反
応した。析出した結晶を熱時濾過して下記の色素70gを
得た。
元素分析値 C H N 計算値(%) 75.00 3.41 7.95 実測値(%) 74.93 3.40 7.89 この色素を実施例1と同様にフィルム加工して赤色の偏
光フィルムを得た。極大吸収波長545nmにおける偏光度
は99.9%であり、耐久性試験の結果、良好な耐久性を有
していた。
実施例4 金属ナトリウム0.7gをエタノール100mlに溶解した。4,
4′−ビス(ジエトキシホスフェノメチル)−ビフェニ
ル2.3gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を滴下した。
室温で1時間反応後、2−ホルミルアントラキノン3gの
N,N−ジメチルホルムアミド溶液を滴下し、室温で2時
間反応した。生成した結晶を濾別、乾燥して下記の色素
3.5gを得た。
元素分析値 C H 計算値(%) 85.42 4.24 実測値(%) 85.71 4.01 この色素を実施例1と同様にフィルム加工して黄色の偏
光フィルムを得た。極大吸収波長445nmにおける偏光度
は99.9%であり、良好な耐久性を有していた。
実施例5〜13 実施例1及び実施例2と同様にして第1表に示す各種ア
ントラキノン色素を得た。色素の構造式、色調を第1表
に示し、元素分析結果を第2表に示す。これらの色素を
用いて実施例1および実施例2と同様に偏光フィルムを
作製したところいずれも優れた偏向性能を有していた。
比較例 特開昭60−125804号において公開されている下式の色素
は、 連結基として本願発明の基を有しておらず、又、分子の
中央にある2官能性方向族基も、分子全体の平面性及び
直線性を維持するのに不適切な構造のため偏光性も本願
発明の色素により劣っていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09B 55/00 B G02B 1/08 5/30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、各々独立
    に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基
    又は炭素数1〜4の低級アルキルアミノ基を示し、Z1
    よびZ2は−N=CH−、−CH=CH−、または、−COO−を
    示し、Aは式(IIa)または(IIb)で示される芳香族
    二官能性基 (上式中、R1〜R3は、各々独立に水素原子、ハロゲン原
    子、メチル基、水酸基またはメトキシ基を示す)を示
    す〕で表されるアントラキノン系色素。
  2. 【請求項2】疎水性樹脂中に一般式(I) 〔式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は各々独立に
    水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基又
    は炭素数1〜4の低級アルキルアミノ基を示し、Z1およ
    びZ2は、−N=CH−、−CH=CH−、または、−COO−を
    示し、Aは式(IIa)〜(IIc)のいずれかで示される
    芳香族二官能性基 (上式中、R1〜R4は、各々独立に水素原子、ハロゲン原
    子、メチル基、水酸基またはメトキシ基を示し、mは1
    〜6を示す)を示す〕で表されるアントラキノン系色素
    を少なくとも1種含有することを特徴とする偏光フィル
    ム。
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