JPH0790248B2

JPH0790248B2 - サイドガイド付竪ロール圧延機

Info

Publication number: JPH0790248B2
Application number: JP2089056A
Authority: JP
Inventors: 英幸二階堂; 誠侍留; 公之岡田; 正三小川
Original assignee: 川崎製鉄株式会社
Priority date: 1990-04-05
Filing date: 1990-04-05
Publication date: 1995-10-04
Anticipated expiration: 2010-10-04
Also published as: JPH03291102A

Description

【発明の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本発明は、熱間連続圧延機で使用される圧延機に近接し
て設置されるサイドガイド付竪ロール圧延機に係り、特
に熱間連続仕上圧延機の直前で被圧延材の幅方向を圧下
する左右一対の竪ロールと、被圧延材を誘導する左右一
対のサイドガイドを備えたサイドガイド付竪ロール圧延
機に関するものである。

〈従来の技術〉従来、熱間連続仕上圧延機（以下、単に仕上圧延機とい
う）の入側には、被圧延材を位置決めして圧延ロールに
誘導するためのサイドガイドが設けられている。このサ
イドガイドは、被圧延材の全長にわたって蛇行や絞込み
を防止するために、できるだけ圧延機に接近して設置す
る必要がある。なお、仕上圧延機の上流側スタンドでは
被圧延材の厚さが厚いことから、十分な強度が要求され
る。

ここで、従来のサイドガイドの例を第８図および第９図
により説明する。第８図はサイドガイドの側面を、第９
図は第８図のＤ−Ｄ矢視断面をそれぞれ示す概略図であ
る。

これらの図において、WRは上下一対ののワークロールで
あり、BURは上下一対のバックアップロールで、被圧延
材（図示せず）は矢印Ｆ方向に進行しながら圧延され
る。また、SGはサイドガイド、Gaは入側山形ガイド、Gb
は出側山形ガイド、Ｈはナットハウジング、La,Lbはラ
イナ、Saは入側ねじ軸、Sbは出側ねじ軸である。

サイドガイドSGは、第９図に示すように断面コの字状と
される左右一対のサイドガイド片SG₁,SG₂から構成さ
れ、このサイドガイド片SG₁,SG₂の間隔の調整は、左右
互に逆方向のねじS₁,S₂を旋削した２本のねじ軸Ｓを回
転駆動し、ナットN₁,N₂を回転不能な状態で内装したナ
ットハウジングＨを介してサイドガイド片SG₁,SG₂を被
圧延材の幅方向に移動させて行われる。

この場合、サイドガイド片SG₁,SG₂は入側山形ガイドGa
および出側山形ガイドGb上を摺動するが、入側山形ガイ
ドGaは両側傾斜部のみで、また出側山形ガイドGbは上面
のみでサイドガイド片SG₁,SG₂の荷重を支持することに
なる。また、入側ねじ軸Saは図示しない駆動装置で回転
駆動され、出側ねじ軸Sbはチエンによりスプロケットホ
イルSWを介して入側ねじ軸Saと同調駆動される。なお、
CGはセンターガイドで山形ガイドＧに固定される。

さらに、入側山形ガイドGa側では、第９図に１点鎖線で
示したように、入側山形ガイドGaおよびサイドガイド片
SG₁,SG₂の支持部を延長して、サイドガイド片SG₁,SG₂の
先端（ワークロールWR側）に作用する圧延ライン直角方
向の力の偶力を受け止めるようにする。すなわち、入側
山形ガイドGaはライナLaにより前記偶力とサイドガイド
片SG₁,SG₂の重量を受け、出側山形ガイドGbはライナLb
によりサイドガイド片SG₁,SG₂の重量のみを受け持つこ
とになる。

〈発明が解決しようとする課題〉しかしながら、上記した従来のサイドガイドでは、板幅
の調整量に自ずから限界があり、特に広幅部の膨出寸法
が大きいところでは十分に修正することができないとい
う問題があった。その対策として、上記した従来のサイ
ドガイドSGのの入側山形ガイドGaの位置に、単純に竪ロ
ール圧延機を設置することも考えられるが、この竪ロー
ル圧延機自体はかなりの重量であり、また圧延反力に対
しても十分に考慮を払う必要などの問題がある。

ところで、近年、圧延製品の歩留向上のために板幅精度
を細かく管理することを目的として、そのために仕上圧
延機の各スタンド間に設置するスタンド間エッジャの開
発が行われている（例えば、論文「ホットストリップミ
ル仕上スタンド間エッジャの開発、第１報（石川島播磨
技報、昭和62年１月発行、第27巻第１号、P.30〜3
5）」、論文「ホットストリップミル仕上スタンド間エ
ッジャの開発、第２報（石川島播磨技報、昭和62年７月
発行、第27巻第４号、P.229〜233）」、論文「ホットス
トリップミル仕上スタンド間エッジャの開発、第３報
（石川島播磨技報、昭和63年１月発行、第28巻第１号、
P.35〜39）」参照）。

この石川島播磨技報に記載されたスタンド間エッジャ
は、仕上圧延機の後段スタンド間に取付けられており、
圧延機としては比較的小さいものである。該スタンド間
エッジャにおけるハウジングの位置合せは、ハウジング
移動用ガイドの下部に設けた１本のねじ軸のみにより行
われ、竪ロールの圧下はハウジングに取付けた油圧圧下
シリンダで行うとしており、それ自体コンパクトになっ
て設置スペース等の点で有利ではあるが、しかし、この
スタンド間エッジャは、ハウジングの位置調整用ねじ軸
がハウジング移動用ガイドの下部にあるため、圧延反力
が偶力として該ねじ軸に作用し易いこと、およびこのね
じ軸の着脱やねじ部に係合するナットの交換が困難で保
全性が著しく阻害されること、さらに前記ねじ軸のねじ
部とナットの係合部が圧延ラインの中にあるため、ねじ
部に保護カバーを設けるのに困難が伴なうなどの問題が
ある。

また、ハウジング移動用ガイドはハウジングが摺動する
ようになっているため、竪ロールに加わる圧延ライン方
向の力により、またはサイドガイド先端（仕上圧延機の
ワークロール側）に加わる圧延ラインと直角方向の力に
よる偶力のために移動用ガイドに発生する水平力によ
り、移動用ガイドの摺動面およびライナが噛み込まれて
焼き付きを生じ、ハウジングの移動ができなくなること
がある。

一方、例えば特開昭59-212110号公報には、水平圧延ロ
ールの入側サイドガイド前方で圧延材の広幅膨出部の幅
広量を検出し、サイドガイドに圧延材の幅方向に進退動
可能に対向配置した少なくとも一対のローラで、水平圧
延後の板幅が略均一となるように前記広幅部をその幅広
検出値に応じて押圧して該部位を狭幅にした後水平圧延
するようにした熱間圧延方法が開示されており、サイド
ガイドに１組以上の竪ロールを組込み、サイドガイド、
竪ロールともにねじ機構によりセンタリングおよび圧下
を行うようにしている。しかし、この装置では、ねじ部
とナットとのガタを吸収する手段が講じられておらず、
被圧延材の幅圧下精度が十分でなく、特に、ねじ部と係
合するナットが摩耗した場合は前記幅圧下精度の維持が
ほとんど不可能になるという問題がある。

本発明は、上記したような従来技術の有する課題を解決
すべくなされたものであって、保全性がよくて故障が少
なく、また被圧延材の幅圧下精度も著しく向上できるサ
イドガイド付竪ロール圧延機を提供することを目的とす
る。

〈課題を解決するための手段〉本発明は、熱間圧延機に近接して圧延ラインを挟んで設
置され、被圧延材を幅方向に圧下する左右一対の竪ロー
ルと、該竪ロールをそれぞれ保持する左右一対のハウジ
ングと、前記竪ロールの間隔を被圧延材の板幅に応じて
開閉すべく前記ハウジングを圧延ライン直角方向に移動
可能とする駆動装置とからなる竪ロール圧延機と、前記
ハウジングとそれぞれ一体構造とされて被圧延材を誘導
する左右一対のサイドガイド片からなるサイドガイドと
を備えたサイドガイド付竪ロール圧延機であって、前記
ハウジングの圧延ライン外側に該ハウジングの圧延反力
を受ける固定スタンドがそれぞれ立設され、前記竪ロー
ル圧延機のハウジング側は該ハウジングに取り付けら
れ、前記固定スタンドに支持されて左右同調駆動される
ねじ軸を介して、一方前記サイドガイド側は前記ハウジ
ング側のねじ軸と同調駆動されるねじ軸を介して、それ
ぞれの移動用ガイド上を一体的に圧延ライン直角方向に
移動して位置調整可能とされ、前記竪ロールは前記ハウ
ジング内で竪ロールチョックによって保持され、前記ハ
ウジングに取付けられる油圧圧下シリンダによって圧延
ライン直角方向に移動可能とされ、前記固定スタンドに
は、前記竪ロールチョックを介して前記竪ロールチョッ
クと前記油圧圧下シリンダとの間、および前記ハウジン
グと前記固定スタンド間のガタを吸収可能とするバラン
スシリンダをそれぞれ取り付けてなることを特徴とする
サイドガイド付竪ロール圧延機である。

なお、前記ハウジングの下部に、前記移動用ガイド上を
転動自在とするローラと、前記移動用ガイドの側面を摺
動自在とするライナを取り付けるのがよい。

また、前記固定スタンドは、前記ハウジングを位置調整
する前記ねじ軸のねじ軸カバーが出し入れ可能な幅でか
つ上方が開放されるとともに、前記ねじ軸の軸心と平行
な溝を設けたフォーク形とするのがよい。

さらに、前記ハウジングの圧延ライン側の側面が前記竪
ロールチョックを圧延ライン中心側に抜き出し可能なよ
うに開放されるのがよい。

〈作用〉本発明によるサイドガイド付竪ロール圧延機によれば、
ハウジングを直接移動自在とするようにハウジングの背
面に位置調整用のねじ軸を設け、ハウジングの外側にハ
ウジングに対応して固定スタンドを立設して、前記ねじ
軸を支持させるように構成したので、該ねじ軸には偏心
荷重が作用することがない。

また、ハウジングとサイドガイド片は一体構造とし、そ
れぞれの移動用ガイド上を移動するようにしたので、剛
性が大であり、竪ロールに作用する圧延ライン方向の力
にも、サイドガイド先端に加わる圧延ラインと直角方向
の力に対しても十分に耐えることができる。

また、ハウジングの外側に設けた固定スタンドに前記位
置調整用のねじ軸を取付けるように構成したので、竪ロ
ールの圧延反力を強固に支持することができるととも
に、該固定スタンドにはバランスシリンダを取付けてそ
の力を竪ロールチョックに作用させるようにしたので、
竪ロールチョックと油圧圧下シリンダ間の各部分、なら
びにハウジングと前記固定スタンド間のガタを吸収する
ことができる。

さらに、ハウジングの下部には、移動用ガイド上を転動
自在とするローラと、移動用ガイドの側面を摺動自在と
するライナを取付けたので、竪ロール圧延機の重量はロ
ーラで支えることによって移動が容易であり、圧延ライ
ン方向の力のみがライナに作用するようになり、ライナ
の噛み込みによる焼き付きなどを防止することができ
る。

さらにまた、前記固定スタンドは、ハウジングの位置調
整用のねじ軸のねじ軸カバーが出し入れできる程度の、
上方に開放された溝を設けるようにしたので、ねじ軸は
ナットケースを取外すことにより容易に取り出すことが
できる。

また、ハウジングの圧延ライン側の側面を開放するよう
にしたので、竪ロールチョックを圧延ライン中心側に取
り出すことができ、竪ロールの交換が極めて容易であ
る。

〈実施例〉以下に、本発明の実施例について第１図ないし第７図に
基づいて説明する。なお、図中において右側が駆動側、
左側が操作側であり、左右対称に設置された部材につい
てはその符号に枝番として駆動側にはａを、操作側には
ｂをそれぞれ添字している。

第１図は、本発明を用いたサイドガイド付竪ロール圧延
機の平面配置を示しもので、仕上圧延機のワークロール
WRは、４個のハウジングポストHgで回転自在に支持され
る。そして、被圧延材（図示せず）は矢印Ｆ方向に進行
しながら圧延される。

竪ロール圧延機１は、左右のハウジング2a,2b、左右の
竪ロール3a,3b、電動機４、減速機６、左右同調駆動軸
７、同調ギヤボックス8a,8b、固定スタンド9a,9b、移動
用ガイドGa,Gbなどから主として構成される。そして、
電動機４によって減速機６、左右同調駆動軸７を介して
同調ギヤボックス8a,8bがそれぞれ駆動され、さらに同
調ギヤボックス8a,8b内のギヤ（図示せず）を介してね
じ軸25,26（第３図）がそれぞれ駆動されて、ハウジン
グ2a,2bの位置調整が行われる。なお、５は電動機４の
ブレーキ装置である。

一方、サイドガイド10は、ハウジング2a,2bにそれぞれ
溶接等により強固な一体構造とされる駆動側サイドガイ
ド片10aおよび操作側サイドガイド片10bから構成され
る。そして、駆動側サイドガイド片10aは駆動系11aによ
って、また操作側サイドガイド片10bは駆動系11bによっ
て、それぞれハウジング2a,2bの位置調整と同調して、
互いの開度が調整される。すなわち、前記左右同調駆動
軸７の回転力は操作側サイドガイド片10b側に設けられ
たギヤトレイン12内のギヤ12aに伝達され、このギヤ12a
からギヤ12b,12cを介して前記駆動系11bが、またギヤ12
dによって駆動系11aがそれぞれ同調駆動される。なお、
ギヤトレイン12は、この例では操作側サイドガイド片10
bの下方位置に固設される架台45（第７図）上に取付け
られる。

以下に、各部の構成を駆動側について、詳しく説明す
る。なお、説明の簡素化を図るために主要部以外の部材
については、その符号の枝番ａを省略して示すものとす
る。

まず、第２図（第１図のＡ−Ａ矢視図）に示すように、
ハウジング2aは下部ブロック2a′に取付けられたローラ
21により、移動用ガイドGaの上面ライナL₁上を移動可能
とされ、同時に圧延ライン方向の力に対しては移動用ガ
イドＧの傾斜面に摺接するライナ23,23で耐え得るよう
にしてある。なお、この例では移動用ガイドＧ上をロー
ラ21により転動するようにしてあるが、これはハウジン
グ2aの移動抵抗を軽減させるためのものであり、位置調
整の駆動力にゆとりがあれば通常のライナでもよい。し
かし、ライナの摩耗等を考えればローラを用いる方が望
ましい。

竪ロール3aを軸支する竪ロールチョック20は、その下部
側面の突起20′に固定したライナ22,22によりハウジン
グ2a内を摺動可能とされる。また、駆動側サイドガイド
片10aは操作側サイドガイド片10bの駆動系11b上に設け
た移動用ガイド13b上を摺動しながら移動可能である。
なお、操作側サイドガイド片10bの移動用ガイド13aは第
１図に示している。また、符号14は駆動側サイドガイド
片10aの取付部である。

第３図は第１図のＢ−Ｂ矢視図であり、竪ロール圧延機
１の駆動側の断面を示す。この図において、符号25は同
調ギヤボックス8a内のギヤ（図示せず）にスプライン係
合したスプライン軸24,24′に接続されて回転駆動され
るねじ軸である。なお、下側ねじ軸26については上側ね
じ軸25と同様であるため説明を省略する。上側ねじ軸25
のねじ部25′に係合するナット27により、ハウジング2a
を駆動側サイドガイド10aと共に位置調整する。なお、
符号28はナット27を回転できない状態で抱持するナット
ケースで、固定スタンド9aに固定してあり、竪ロール3a
に加わる圧延反力を固定スタンド9aに伝達し、この固定
スタンド9aで圧延反力を強固に受け止める。また、符号
29はスラスト軸受ケースである。

固定スタンド9aは上側および下側ねじ軸25,26がそのね
じ軸カバー34とともに出し入れできるよう、ねじ軸カバ
ー34の外径より若干広い幅で上方が開放された溝9a′を
設けてフォーク形にしてある。そして、第４図に示すよ
うに、ナットケース28を固定スタンド9aの側面に設けた
フランジ28′で固定する。このように固定スタンド9aを
構成することにより、上側および下側ねじ軸25,26は容
易に着脱することができる。

なお、第４図に示したように、ハウジング2aの圧延ライ
ン中心側を開放状態2a″にしているので、竪ロールチョ
ック20を圧延ライン側に引き抜き、ライン内で吊り上げ
て竪ロール3aと一緒に交換することができる。

30は油圧圧下シリンダであって、竪ロール3aの圧下位置
を設定するためのもので、竪ロールチョック20にプレッ
シャブロックケース31を介して接続してあり、竪ロール
3aとサイドガイド10aとの被圧延材幅方向の位置関係を
調整して、竪ロール3aの非使用時には該竪ロール3aを退
避させ、使用時には押し出すと同時に圧下量の設定を行
う。また、プレッシャブロックケース31内には図示しな
いプレッシャブロックおよびロードセルが内装されてい
る。

32はバランスシリンダを示し、上側および下ねじ軸25,2
6による位置調整機構や、油圧圧下シリンダ30による圧
下機構のガタを吸収する。このバランスシリンダ32の取
付状態を第５図（ａ）に示す。このバランスシリンダ32
は固定スタンド9aに水平方向回動が自在な受金物32′を
用いて取付けられ、固定スタンド9aの溝9a′を貫通して
その先端のロッドにハンガ35を設け、そしてこのハンガ
35の両端部には竪ロールチョック20と係合するロッド36
を取付けてある。こうすることにより、竪ロールチョッ
ク20と油圧圧下シリンダ30間の各部品（プレッシャブロ
ックケース31内の図示しないロードセルやプレッシャブ
ロック等）のガタ、ハウジング2aと固定スタンド9aに取
り付けたナットケース28間の部品（ねじ軸25のねじ25′
とナット27、およびスラスト軸受等）のガタを前記バラ
ンスシリンダ32の引き込み力により吸収することができ
る。なお、ロッド36とハンガ35の係合はロッド36をハン
マヘッド35′とし、第５図（ｂ）に示すようにハンガ35
側を長孔35″にすることにより、ロッド36を90°回転さ
せれば両者を簡単に係・脱させることができる。

次に、前述した移動用ガイドGa上を転動するローラ21等
について、第６図を用いて説明すると、移動用ガイドGa
は山形形状で上面にはライナL₁を、傾斜側面にはライナ
L₂,L₂をそれぞれ取付け、ハウジング2aの下部ブロック2
a′にはベアリングケース37,37を取付け、このベアリン
グケース37,37にはローラ21を回転自在に軸支するベア
リング38,38が内装される。そして、このローラ21は前
記ライナL₁上でハウジング2aの重量を支えながら転動す
る。

一方、下部ブロック2a′の下面には、移動用ガイドGaの
両側面のライナL₂,L₂に対向する位置にライナ23,23が取
付けられる。このライナ23,23とライナL₂,L₂は互に隙間
ｔ（0.2〜0.5mm）ができるよう調整されている。

このように構成されるので、ハウジング2aの移動に際し
てはスムーズな移動を行うことができるとともに駆動力
も軽減することができ、さらに、圧延ライン方向の力に
対してはライナ23,23とL₂,L₂で耐えることが可能とな
る。なお、これらライナ23,23とL₂,L₂は傾斜状に取り付
けられているが、これは垂直状態に取り付けても作用的
には支障がない。

以上、竪ロール圧延機１の駆動側での主要部の構成につ
いて説明したが、操作側についても上記の内容と同様に
構成されているので、説明を省略する。

次に、サイドガイド10の構成について説明すると、第７
図は第１図のＣ−Ｃ矢視図で駆動側サイドガイド片10a
の駆動系11aの断面を示したものであり、ギヤトレイン1
2は架台45上に載置され、ギヤ12dの回転力はカップリン
グ15を介してねじ軸16に伝達される。このねじ軸16はそ
の延長部18とともに、その両端が架台45,46上に取付け
られたベアリングケース40,41のベアリングにより回転
自在に軸支されるとともに、そのねじ部17にはナット保
持ケース43により保持されるナット19が係合されてい
る。なお、ねじ部17は保護ケース42に囲われており、ナ
ット保持ケース43はサイドガイド10aの移動量にほぼ等
しい長さの円筒状とされ、前記ねじ部17の保護ケース42
の中に嵌挿されて摺動自在とされる。

また、駆動側サイドガイド片10a側は取付部14となって
おり、押圧ロッド14′によって駆動側サイドガイド片10
aが押圧、固定されている。なお、この押圧ロッド14′
はバネで押すようにすれば、サイドガイドに作用する異
常な外力を吸収することができる。

なお、操作側サイドガイド片10bについては、その駆動
系11bは駆動側サイドガイド片10aの駆動系11aとは、ギ
ヤトレイン12、ギヤ12d、カップリング15を除く他の構
成部材が左右逆になるのみであるので、説明を省略す
る。

このように、サイドガイド10は駆動側および操作側サイ
ドガイド片10a,10bをそれぞれのねじ軸16で駆動するよ
うに構成したので、剛性に富み、また防塵等も完全にで
きる利点があるが、本発明はこれに限られるものではな
く、従来のように１本のねじ軸に左右に逆のねじを刻設
したものを用いるようにしてもよい。

そこで、本発明のサイドガイド付竪ロール圧延機を実際
に使用したところ、その剛性は、従来10ton/mm程度であ
ったものが80ton/mm程度に改善され、竪ロール3a,3b間
に60tonの荷重を作用させてもロール間隔の変化はわず
かに0.75mmであった。

また、固定スタンド9a,9bを上部開放形にしたことや、
竪ロール3a,3bのハウジング2a,2bの側面を圧延ライン側
に開放したことから、ハウジング2a,2bの位置調整用の
ねじ軸25,26のナット27の取り換えに、従来休工日など
を利用しておよそ3.5日も要していたものが１日の休工
日のみでできるようになり、竪ロール3a,3bの交換も至
極簡単に行えるようになった。

さらに、ハウジング2a,2bをその下部に取り付けたロー
ラ21を用いて移動ガイドGa,Gb上を転動させるようにし
たので、位置調整用電動機の容量を従来の74kwから22kw
にまで低減させることができた。

〈発明の効果〉以上説明したように、本発明のサイドガイド付竪ロール
圧延機によれば、固定スタンドを対峙させて配設するよ
うにしたので、その剛性を高めることができるとともに
被圧延材の幅精度を飛躍的に向上させることができる。
また、種々の面で保全性が改善されるから、省力化され
るとともに操業の安定化等、そのもたらされる経済上の
効果は実に大きいものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のサイドガイド付竪ロール圧延機の構成
の概略を示す平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ矢視図、
第３図は第１図のＢ−Ｂ矢視断面図、第４図はハウジン
グならびに固定スタンドの平面図、第５図（ａ），
（ｂ）はバランスシリンダの取付状態の説明図、第６図
はハウジングの下部における移動用ガイドの要部を示す
断面図、第７図は第１図のＣ−Ｃ矢視断面図、第８図は
従来のサイドガイドの概要図、第９図は第８図のＤ−Ｄ
矢視断面図である。１……竪ロール圧延機、2a,2b……ハウジング、3a,3b…
…竪ロール、７……同調駆動軸、9a,9b……固定スタン
ド、10……サイドガイド、10a……駆動側サイドガイド
片（サイドガイド片）、10b……操作側サイドガイド片
（サイドガイド片）、11a,11b……駆動系、12……ギヤ
トレイン、16……ねじ軸、17……ねじ部、20……竪ロー
ルチョック、21……ローラ、23……ライナ、25……上側
ねじ軸、25′……ねじ部、26……下側ねじ軸、27……ナ
ット、28……ナットケース、29……スラスト軸受ケー
ス、30……油圧圧下シリンダ、31……プレッシャブロッ
クケース、32……バランスシリンダ、34……ねじ軸カバ
ー。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者小川正三岡山県倉敷市水島川崎通１丁目（番地なし）川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (56)参考文献特開昭58−157516（ＪＰ，Ａ) 特開昭57−121802（ＪＰ，Ａ) 特開昭59−212110（ＪＰ，Ａ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】熱間圧延機に近接して圧延ラインを挟んで
設置され、被圧延材を幅方向に圧下する左右一対の竪ロ
ールと、該竪ロールをそれぞれ保持する左右一対のハウ
ジングと、前記竪ロールの間隔を被圧延材の板幅に応じ
て開閉すべく前記ハウジングを圧延ライン直角方向に移
動可能とする駆動装置とからなる竪ロール圧延機と、前
記ハウジングとそれぞれ一体構造とされて被圧延材を誘
導する左右一対のサイドガイド片からなるサイドガイド
とを備えたサイドガイド付竪ロール圧延機であって、前記ハウジングの圧延ライン外側に該ハウジングの圧延
反力を受ける固定スタンドがそれぞれ立設され、前記竪ロール圧延機のハウジング側は該ハウジングに取
付けられ、前記固定スタンドに支持されて左右同調駆動
されるねじ軸を介して、一方前記サイドガイド側は前記
ハウジング側のねじ軸と同調駆動されるねじ軸を介し
て、それぞれの移動用ガイド上を一体的に圧延ライン直
角方向に移動して位置調整可能とされ、前記竪ロールは前記ハウジング内で竪ロールチョックに
よって保持され、前記ハウジングに取り付けられる油圧
圧下シリンダによって圧延ライン直角方向に移動可能と
され、前記固定スタンドには、前記竪ロールチョックを介して
該竪ロールチョックと前記油圧圧下シリンダとの間、お
よび前記ハウジングと前記固定スタンド間のガタを吸収
可能とするバランスシリンダをそれぞれ取り付けてなる
ことを特徴とするサイドガイド付竪ロール圧延機。
【請求項２】前記ハウジングの下部に、前記移動用ガイ
ド上を転動自在とするローラと、前記移動用ガイドの側
面を摺動自在とするライナを取り付けたことを特徴とす
る特許請求の範囲第１項記載のサイドガイド付竪ロール
圧延機。
【請求項３】前記固定スタンドは、前記ハウジングを位
置調整する前記ねじ軸のねじ軸カバーが出し入れ可能な
幅でかつ上方が開放されるとともに、前記ねじ軸の軸心
と平行な溝を設けたフォーク形であることを特徴とする
特許請求の範囲第１項または第２項記載のサイドガイド
付竪ロール圧延機。
【請求項４】前記ハウジングの圧延ライン側の側面が前
記竪ロールチョックを圧延ライン中心側に抜き出し可能
なように開放されることを特徴とする特許請求の範囲第
１項、第２項または第３項のいずれかに記載のサイドガ
イド付竪ロール圧延機。