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JPH0780955B2 - α―オレフィン重合体製造用三塩化チタン組成物 - Google Patents

α―オレフィン重合体製造用三塩化チタン組成物

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Publication number
JPH0780955B2
JPH0780955B2 JP29518488A JP29518488A JPH0780955B2 JP H0780955 B2 JPH0780955 B2 JP H0780955B2 JP 29518488 A JP29518488 A JP 29518488A JP 29518488 A JP29518488 A JP 29518488A JP H0780955 B2 JPH0780955 B2 JP H0780955B2
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JP
Japan
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titanium trichloride
polymerization
halogen
trichloride composition
solid product
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JP29518488A
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純 齋藤
昭彦 三瓶
武 白石
寛正 千葉
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、α−オレフィン重合体製造用三塩化チタン組
成物およびその製造方法に関する。更に詳しくは、透明
性に優れた高結晶性のα−オレフィン重合体製造用遷移
金属化合物触媒成分として好適なα−オレフィン重合体
製造用三塩化チタン組成物およびその製造方法に関す
る。
〔従来の技術とその課題〕
結晶性ポリプロピレン等の結晶性α−オレフィン重合体
は、周期律表のIV〜VI族の遷移金属化合物とI〜III族
の金属の有機金属化合物とからなる、いわゆるチーグラ
ー・ナッタ触媒によってα−オレフィンを重合すること
によって得られることはよく知られており、なかでも、
遷移金属化合物触媒成分として、種々の三塩化チタン組
成物が広く使用されている。
それらの三塩化チタン組成物のうち、四塩化チタンを有
機アルミニウム化合物で還元後熱処理して得られるタイ
プのものは、得られるポリマーの形状が良好なことから
多くの改良された製法が検討されている。例えば、四塩
化チタンを有機アルミニウム化合物で還元して得られた
三塩化チタンを、電子供与体および四塩化チタンで処理
することにより触媒活性を上げ、かつ無定形重合体の生
成を少なくする方法(特公昭53-3,356号公報)等であ
る。
本出願人もこの分野において既に数多くの提案を行なっ
ており、なかでも、有機アルミニウム化合物と電子供与
体との反応生成物に四塩化チタンを反応させて得られる
固体に電子供与体と電子受容体とを反応させて得られた
三塩化チタン組成物を用いてα−オレフィン重合体を製
造する方法(特公昭59-28,573号公報)や有機アルミニ
ウム化合物と電子供与体との反応生成物に四塩化チタン
を反応させて得られた固体を、α−オレフィンで重合処
理した後に、電子供与体と電子受容体とを反応させて得
られた三塩化チタン組成物を用いてα−オレフィン重合
体を製造する方法(特開昭58-17,104号公報)におい
て、従来の方法に比べ、三塩化チタン組成物の保存安定
性や、重合活性および得られたα−オレフィン重合体の
結晶性等において大幅な改善をした提案を行なってい
る。
しかしながらこれらの改良された方法は前述のような長
所があるものの、得られたα−オレフィン重合体は半透
明なものであり、用途分野においては商品価値を損なう
場合があり、透明性の向上が望まれていた。
一方、α−オレフィン重合体の透明性を改良する試みも
なされており、たとえば、芳香族カルボン酸のアルミニ
ウム塩(特公昭40-1,652号公報)や、ベンジリデンソル
ビトール誘導体(特開昭51-22,740号公報等)等の造核
剤をポリプロピレンに添加する方法があるが、芳香族カ
ルボン酸のアルミニウム塩を使用した場合には、分散性
が不良なうえに、透明性の改良効果が不十分であり、ま
た、ベンジリデンソルビトール誘導体を使用した場合に
は、透明性においては一定の改良が見られるものの、加
工時に臭気が強いことや、添加物のブリード現象(浮き
出し)が生じる等の課題を有していた。
上述の造核剤添加時の課題を改良するものとして、スチ
レン、o−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、
1−ビニルナフタレンの重合とプロピレンの重合を多段
に行なう方法やその組成物(特開昭62-1,738号公報、特
開昭62-227,911号公報、特開昭63-15,803号公報、特開
昭63-68,648号公報)が提案されているが、本発明者等
が該提案の方法に従って、ポリプロピレンの製造を行っ
たところ、いずれの方法においてもプロピレンの重合活
性が低下するのみならず、塊状のポリマーが生成するの
で、工業的な長期間の連続重合法、特にα−オレフィン
の重合を気相で行なう気相重合法においては採用できな
い方法であった。更に、得られたポリプロピレンを用い
て製造したフィルムにはボイドが多数発生しており、商
品価値を損なうものであった。
また同様の技術として、プロピレン重合用遷移金属触媒
成分の製造途中でp−t−ブチルスチレン重合体を添加
して得られた該触媒成分を用いてプロピレンを重合する
方法(特開昭63-69,809号公報)が提案されているが、
該提案の方法は別途p−t−ブチルスチレン重合体を製
造する工程が必要である為、工業上の不利を伴なうばか
りでなく、既述の先行技術と同様なフィルムのボイド発
生という課題を有していた。
本発明者等は、透明性の改良されたα−オレフィン重合
体を製造する際に、スチレン類の重合体を利用した従来
技術の抱えている塊状ポリマーの生成や分散不良に起因
するフィルムのボイド発生といった課題を解決する方法
について鋭意研究した。
その結果、特定の方法によってハロゲン置換スチレン類
の結晶性重合体を含有せしめた三塩化チタン組成物を見
出し、この三塩化チタン組成物と有機アルミニウム化合
物を組み合せた触媒を用いるときは、前述した様な従来
技術のα−オレフィン重合体の製造上の課題を解決し、
かつ分散性が良好でボイドの発生が極めて少ない、透明
性および結晶性に優れたα−オレフィン重合体が得られ
るばかりでなく、該三塩化チタン組成物の35℃以上での
高温における保存安定性や、該三塩化チタン組成物の大
規模製造時における製造装置内での耐摩砕性においても
著しい効果があることを知って本発明に至った。
本発明は、著しく高い生産性でもってボイドの発生が極
めて少ない、透明性および結晶性の著しく高いα−オレ
フィン重合体を製造しうるα−オレフィン重合体製造用
三塩化チタン組成物およびその製造方法を提供すること
を目的とするものである。
〔課題を解決する手段〕
本発明は以下の構成を有する。
(1)次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示される繰り返し単位からなるハロゲン置換
スチレン類の結晶性重合体を0.01重量%〜99重量%含有
しかつ、下記の方法で製造された最終の固体生成物(II
I)であるα−オレフィン重合体製造用三塩化チタン組
成物。
有機アルミニウム化合物、若しくは有機アルミニウム化
合物と電子供与体(B1)との反応生成物(I)に四塩化
チタンを反応させて得られた固体生成物(II)を次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示されるハロゲン置換スチレン類で重合処理
し、更に電子供与体(B2)と周期律表III〜VI族の元素
のハロゲン化物とを反応させて得られる最終の固体生成
物(III)に、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示される繰り返し単位からなるハロゲン置換
スチレン類の結晶性重合体を0.01重量%〜99重量%含有
せしめる三塩化チタン組成物の製造方法。
(2)有機アルミニウム化合物として、一般式がAlR2 mR
3 m X3- (m+m′) (式中、R2,R3はアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基等の炭化水素基またはアルコキシ基を、Xはハロ
ゲンを表わし、またm,m′は0<m+m′≦3の任意の
数を表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物を
用いる前記第1項に記載の三塩化チタン組成物。
本発明の構成について以下に詳述する。
本発明のα−オレフィン重合体製造用三塩化チタン組成
物は、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示される繰り返し単位からなるハロゲン置換
スチレン類の結晶性重合体(以後、ハロゲン置換スチレ
ン類重合体と省略していうことがある。)を含有する三
塩化チタン組成物であるが、その製造方法について説明
する。
三塩化チタン組成物の製造はつぎのように行う。まず、
有機アルミニウム化合物と電子供与体(B1)とを反応さ
せて反応生成物を(I)を得て、この(I)と四塩化チ
タンとを反応させて得られる固体生成物(II)、若しく
は有機アルミニウム化合物と四塩化チタンとを反応させ
て得られる固体生成物(II)を、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示されるハロゲン置換スチレン類(以後、ハ
ロゲン置換スチレン類と省略していうことがある。)で
重合処理した後に、更に電子供与体(B2)と電子受容体
とを反応させて得られる最終の固体生成物(III)とし
て、本発明の三塩化チタン組成物が製造される。
なお、本発明で「重合処理する」とは、ハロゲン置換ス
チレン類を重合可能な条件下に固体生成物(II)に接触
せしめてハロゲン置換スチレン類を重合せしめることを
いう、この重合処理で固体生成(II)は重合体で被覆さ
れた状態となる。
上述の有機アルミニウム化合物と電子供与体(B1)との
反応は、溶媒(D)中で−20℃〜200℃、好ましくは−1
0℃〜100℃で30秒〜5時間行なう。有機アルミニウム化
合物、(B1)、(D)の添加順序に制限はなく、使用す
る量比は有機アルミニウム化合物1モルに対し電子供与
体(B1)0.1モル〜8モル、好ましくは1〜4モル、溶
媒9.5L〜5L、好ましくは0.5L〜2Lである。
かくして反応生成物(I)が得られる。反応生成物
(I)は分離をしないで反応終了したままの液状態(反
応生成液(I)と言うことがある。)で次の反応に供す
ることができる。
この反応生成物(I)と四塩化チタンとを、若しくは有
機アルミニウム化合物と四塩化チタンとを反応させて得
られる固体生成物(II)をハロゲン置換スチレン類で重
合処理する方法としては、反応生成物(I)、若しく
は有機アルミニウム化合物と四塩化チタンとの反応の任
意の過程でハロゲン置換スチレン類を添加して固体生成
物(II)を重合処理する方法、反応生成物(I)、若
しくは有機アルミニウム化合物と四塩化チタンとの反応
終了後、ハロゲン置換スチレン類を添加して固体生成物
(II)を重合処理する方法、および反応生成物
(I)、若しくは有機アルミニウム化合物と四塩化チタ
ンとの反応終了後、濾別またはデカンテーションにより
液状部分を分離除去した後、得られた固体生成物(II)
を溶媒に懸濁させ、更に有機アルミニウム化合物、ハロ
ゲン置換スチレン類を添加し、重合処理する方法があ
る。
反応生成物(I)、若しくは有機アルミニウム化合物と
四塩化チタンとの反応は、反応の任意の過程でのハロゲ
ン置換スチレン類の添加の有無にかかわらず、−10℃〜
200℃、好ましくは、0℃〜100℃で5分〜10時間行な
う。
溶媒は用いない方が好ましいが、脂肪族または芳香族炭
化水素を用いることができる。(I)若しくは有機アル
ミニウム化合物、四塩化チタン、および溶媒の混合は任
意の順に行えば良く、ハロゲン置換スチレン類の添加
も、どの段階で行っても良い。
(I)若しくは有機アルミニウム化合物、四塩化チタ
ン、および溶媒の全量の混合は5時間以内に終了するの
が好ましく、混合中も反応が行なわれる。全量混合後、
更に5時間以内反応を継続することが好ましい。
反応に用いるそれぞれの使用量は四塩化チタン1モルに
対し、溶媒は0〜3,000ml、反応生成物(I)若しくは
有機アルミニウム化合物中のAl原子数と四塩化チタン中
のTi原子数の比(Al/Ti)で0.05〜10、好ましくは0.06
〜0.3である。
ハロゲン置換スチレン類による重合処理は反応生成物
(I)若しくは有機アルミニウム化合物と四塩化チタン
との反応の任意の過程でハロゲン置換スチレン類を添加
する場合および反応生成物(I)若しくは有機アルミニ
ウム化合物と四塩化チタンとの反応終了後、ハロゲン置
換スチレン類を添加する場合は、反応温度0℃〜90℃で
1分〜10時間、反応圧力は大気圧〜10kgf/cm2Gの条件下
で、固体生成物(II)100g当り、0.01g〜100kgのハロゲ
ン置換スチレン類を用いて、最終の固体生成物(II
I)、即ち本発明の三塩化チタン組成物中のハロゲン置
換スチレン類重合体の含量が0.01重量%〜99重量%とな
る様に重合させる。
該ハロゲン置換スチレン類重合体の含量が0.01重量%未
満であると得られた三塩化チタン組成物を用いて製造し
たα−オレフィン重合体の透明性および結晶性向上の効
果が不十分であり、また99重量%を超えると該向上効果
が顕著でなくなり経済的に不利となる。
ハロゲン置換スチレン類による重合処理を、反応生成物
(I)若しくは有機アルミニウム化合物と四塩化チタン
との反応終了後、濾別またはデカンテーションにより液
状部分を分離除去した後、得られた固体生成物(II)を
溶媒に懸濁させてから行なう場合には固体生成物(II)
100gに対し、溶媒100ml〜5,000ml、有機アルミニウム化
合物0.5g〜5,000gを加え、反応温度0℃〜90℃で1分〜
10時間、反応圧力は大気圧〜10kgf/cm2Gの条件下で、固
体生成物(II)100g当り、0.01g〜100kgのハロゲン置換
スチレン類を用いて、最終の固体生成物(III)中のハ
ロゲン置換スチレン類重合体の含量が0.01重量%〜99重
量%となる様に重合させる。
溶媒は脂肪族炭化水素が好ましく、有機アルミニウム化
合物は反応生成物(I)を得る際に用いたもの、若しく
は電子供与体(B1)と反応させることなく直接四塩化チ
タンとの反応に用いたものと同じものであっても、異な
ったものでも良い。
反応終了後は、濾別またはデカンテーションにより液状
部分を分離除去した後、更に溶媒で洗浄を繰返した後、
得られた重合処理を施した固体生成物(以下固体生成物
(II-A)と言うことがある)を溶媒に懸濁状態のまま次
の工程に使用しても良く、更に乾燥して固形物として取
り出して使用しても良い。
固体生成物(II-A)は、ついで、これに電子供与体
(B2)と電子受容体(F)とを反応させる。この反応は
溶媒を用いないでも行なうことができるが、脂肪族炭化
水素を用いる方が好ましい結果が得られる。
使用する量は固体生成物(II-A)100gに対して、(B2
0.1g〜1,000g、好ましくは0.5g〜200g、(F)0.1g〜1,
000g、好ましくは0.2g〜500g、溶媒0〜3,000ml、好ま
しくは100〜1,000mlである。
反応方法としては、固体生成物(II-A)に電子供与体
(B2)および電子受容体(F)を同時に反応させる方
法、(II-A)に(F)を反応させた後、(B2)を反応
させる方法、(II-A)に(B2)を反応させた後、
(F)を反応させる方法、(B2)と(F)を反応させ
た後、(II-A)を反応させる方法があるがいずれの方法
でも良い。
反応条件は、上述の、の方法においては、40℃〜20
0℃、好ましくは50℃〜100℃で30秒〜5時間反応させる
ことが望ましく、の方法においては(II-A)と(B2
の反応を0℃〜50℃で1分〜3時間反応させた後、
(F)とは前記、と同様な条件下で反応させる。
またの方法においては(B2)と(F)を10℃〜100℃
で30分〜2時間反応させた後、40℃以下に冷却し、(II
-A)を添加した後、前記の、と同様な条件下で反応
させる。
固体生成物(II-A)、(B2)、および(F)の反応終了
後は濾別またはデカンテーションにより液状部分を分離
除去した後、更に溶媒で洗浄を繰返し、本発明のハロゲ
ン置換スチレン類重合体を含有するα−オレフィン重合
体製造用三塩化チタン組成物である固体生成物(III)
が得られる。
かくして得られた固体生成物(III)、即ち本発明の三
塩化チタン組成物は、ハロゲン置換スチレン類重合体を
0.01重量%〜99重量%含有しており、α−オレフィン重
合体製造用遷移金属化合物触媒成分として、少なくとも
有機アルミニウム化合物と組合せてα−オレフィンの重
合に用いられる。
本発明の三塩化チタン組成物の製造に用いられる有機ア
ルミニウム化合物は、一般式がAlR2 mR3 m X3-
(m+m′)(式中、R2、R3はアルキル基、シクロアル
キル基、アリール基等の炭化水素基またはアルコキシ基
を、Xはハロゲンを表わし、またm、m′は0<m+
m′≦3の任意の数を表わす。)で表わされるものあ
る。
その具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリn−プロピルアルミニウム、ト
リn−ブチルアルミニウム、トリi−ブチルアルミニウ
ム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリi−ヘキシル
アルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、
トリn−オクチルアルミニウム、トリn−デシルアルミ
ニウム等のトリアルキルアルミニウム類、ジエチルアル
ミニウムモノクロライド、ジn−プロピルアルミニウム
モノクロライド、ジi−ブチルアルミニウムモノクロラ
イド、ジエチルアルミニウムモノフルオライド、ジエチ
ルアルミニウムモノブロマイド、ジエチルアルミニウム
モノアイオダイド等のジアルキルアルミニウムモノハラ
イド類、ジエチルアルミニウムハイドライド等のジアル
キルアルミニウムハイドライド類、メチルアルミニウム
セスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライ
ド等のアルキルアルミニウムセスキハライト類、エチル
アルミニウムジクロライド、i−ブチルアルミニウムジ
クロライド等のモノアルキルアルミニウムジハライド類
などがあげられ、他にモノエトキシジエチルアルミニウ
ム、ジエトキシモノエチルアルミニウム等のアルコキシ
アルキルアルミニウム類を用いることもできる。
これらの有機アルミニウム化合物は2種類以上を混合し
て用いることもできる。
本発明に用いる電子供与体としては、以下に示す種々の
ものが示されるが、(B1)、(B2)としてはエーテル類
を主体に用い、他の電子供与体はエーテル類と共用する
のが好ましい。
電子供与体として用いられるものは、酸素、窒素、硫
黄、燐のいずれかの原子を有する有機化合物、すなわ
ち、エーテル類、アルコール類、エステル類、アルデヒ
ド類、脂肪酸類、ケトン類、ニトリル類、アミン類、ア
ミド類、尿素又はチオ尿素類、イソシアネート類、アゾ
化合物、ホスフィン類、ホスファイト類、ホスフィナイ
ト類、硫化水素又はチオエーテル類、チオアルコール類
などである。
具体例としては、ジエチルエーテル、ジn−プロピルエ
ーテル、ジn−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテ
ル、ジn−ペンチルエーテル、ジn−ヘキシルエーテ
ル、ジi−ヘキシルエーテル、ジn−オクチルエーテ
ル、ジi−オクチルエーテル、ジn−ドデシルエーテ
ル、ジフェニルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペン
タノール、ヘキサノール、オクタノール、フェノール、
クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ナフト
ール等のアルコール類、若しくはフェノール類、メタク
リル酸メチル、酢酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸アミル、
酪酸ビニル、酢酸ビニル、安息香酸エチル、安息香酸プ
ロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸
2−エチルヘキシル、トルイル酸メチル、トルイル酸エ
チル、トルイル酸2−エチルヘキシル、アニス酸メチ
ル、アニス酸エチル、アニス酸プロピル、ケイ皮酸エチ
ル、ナフトエ酸メチル、ナフトエ酸エチル、ナフトエ酸
プロピル、ナフトエ酸ブチル、ナフトエ酸2−エチルヘ
キシル、フェニル酢酸エチルなどのエステル類、アセト
アルデヒド、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、修酸、こはく酸、アク
リル酸、マレイン酸などの脂肪酸、安息香酸などの芳香
族酸、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
ベンゾフェノンなどのケトン類、アセトニトリル等のニ
トリル酸、メチルアミン、ジエチルアミン、トリブチル
アミン、トリエタノールアミン、β(N,N−ジメチルア
ミノ)エタノール、ピリジン、キノリン、α−ピコリ
ン、2,4,6−トリメチルピリジン、N,N,N′,N′−テトラ
メチルエチレンジアミン、アニリン、ジメチルアニリン
などのアミン類、ホルムアミド、ヘキサメチルリン酸ト
リアミド、N,N,N′,N′,N″−ペンタメチル−N′−β
−ジメチルアミノメチルリン酸トリアミド、オクタメチ
ルピロホスホルアミド等のアミド類、N,N,N′,N′−テ
トラメチル尿素等の尿素類、フェニルイソシアネート、
トルイルイソシアネートなどのイソシアネート類、アゾ
ベンゼンなどのアゾ化合物、エチルホスフィン、トリエ
チルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリn−
オクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフ
ェニルホスフィンオキシドなどのホスフィン類、ジメチ
ルホスファイト、ジn−オクチルホスファイト、トリエ
チルホスファイト、トリn−ブチルホスファイト、トリ
フェニルホスファイトなどのホスファイト類、エチルジ
エチルホスフィナイト、エチルブチルホスフィナイト、
フェニルジフェニルホスフィナイトなどのホスフィナイ
ト類、ジエチルチオエーテル、ジフェニルチオエーテ
ル、メチルフェニルチオエーテル、エチレンサルファイ
ド、プロピレンサルファイドなどのチオエーテル類、エ
チルチオアルコール、n−プロピルチオアルコール、チ
オフェノールなどのチオアルコール類などをあげること
もできる。
これらの電子供与体は混合して使用することもできる。
反応生成物(I)を得るための電子供与体(B1)、固体
生成物(II-A)に反応させる(B2)のそれぞれは同じで
あっても異なっていてもよい。
本発明で使用する電子受容体(F)は、周期律表III〜V
I族の元素のハロゲン化物に代表される。具体例として
は、無水塩化アルミニウム、四塩化ケイ素、塩化第一ス
ズ、塩化第二スズ、四塩化チタン、四塩化ジルコニウ
ム、三塩化リン、五塩化リン、四塩化バナジウム、五塩
化アンチモンなどがあげられ、これらは混合して用いる
こともできる。最も好ましいのは四塩化チタンである。
溶媒としてはつぎのものが用いられる。脂肪族炭化水素
としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、i−オクタン等が示され、また、脂
肪族炭化水素の代りに、またはそれと共に、四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロルエタン、トリクロルエチレ
ン、テトラクロルエチレン等のハロゲン化炭化水素も用
いることができる。芳香族化合物として、ナフタリン等
の芳香族炭化水素、及びその誘導体であるメシチレン、
デュレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、2
−エチルナフタリン、1−フエニルナフタリン等のアル
キル置換体、モノクロルベンゼン、クロルトルエン、ク
ロルキシレン、クロルエチルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン、ブロムベンゼン等のハロゲン化物等が示される。
重合処理に用いられるハロゲン置換スチレン類は、次
式、 (式中、XはCl、Br、F、Iのいづれかのハロゲンを、
R1は水素または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で
示される特定の単量体である。具体的には、2−エチル
−4−クロロスチレン、2−メチル−4−フルオロスチ
レン、o−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン等
があげられる。
以上の様にして得られた、本発明の三塩化チタン組成物
は、少なくとも有機アルミニウム化合物と組み合わせて
触媒として常法に従って、α−オレフィンの重合に用い
るか、更に好ましくは、α−オレフィンを反応させて予
備活性化した触媒としα−オレフィンの重合に用いる。
α−オレフィンの重合に用いる有機アルミニウム化合物
は、前述した本発明の三塩化チタン組成物を製造した際
に用いたものと同様な有機アルミニウム化合物を使用す
ることができる。該有機アルミニウム化合物は、三塩化
チタン組成物を製造した際使用したものと同じであって
も異なっていても良い。
また、予備活性化に用いられるα−オレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、ヘプテン−1等の直鎖モノオレフィ
ン類、4−メチル−ペンテン−12−メチル−ペンテン−
1等の枝鎖モノオレフィン類等である。
これらのα−オレフィンは、重合対象であるα−オレフ
ィンと同じであっても異なっていても良く、又2以上の
α−オレフィンを混合して用いることもできる。
上記の触媒を用いるα−オレフィンの重合形式は限定さ
れず、スラリー重合、バルク重合の様な液相重合のほ
か、気相重合でも好適に実施できる。
スラリー重合またはバルク重合には三塩化チタン組成物
と有機アルミニウム化合物を組み合わせた触媒でも充分
に効果を表わすが、気相重合の場合は、α−オレフィン
を反応させて予備活性化したものが望ましい。スラリー
重合またはバルク重合に続いて気相重合を行う場合は、
当初使用する触媒が前者であっても、気相重合のときは
既にα−オレフィンの反応が行われているから、後者の
触媒と同じものとなって優れた効果が得られる。
予備活性化は、三塩化チタン組成物1gに対し、有機アル
ミニウム化合物0.005g〜500g、溶媒0〜50l、水素0〜
1,000ml及びα−オレフィン0.05g〜5,000g、好ましくは
0.05g〜3,000gを用いる。温度は0℃〜100℃で1分〜20
時間、α−オレフィンを反応させ、三塩化チタン組成物
1g当り0.01〜2,000g、好ましくは0.05〜200gのα−オレ
フィンを反応させる事が望ましい。
予備活性化はプロパン、ブタン、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水
素溶媒中で行うこともでき、液化プロピレン、液化ブテ
ン−1などの液化α−オレフィン中でも、気体のエチレ
ン、プロピレン中でも行うことができ、また予備活性化
の際に水素を共存させても良い。
予備活性化の際にあらかじめスラリー重合又はバルク重
合又は気相重合によって得られた重合体粒子を共存させ
ることもできる。その重合体は、重合対象のα−オレフ
ィン重合体と同じであっても異なったものでも良い。共
存させ得る重合体粒子は、三塩化チタン組成物1gに対
し、0〜5,000gの範囲にある。
予備活性化の際に用いた溶媒又はα−オレフィンは、予
備活性化の途中で又は予備活性化終了後に減圧溜去又は
濾別等により、除くこともでき、又固体生成物を、その
1g当り80lを越えない量の溶媒に懸濁させるために、溶
媒を加えることもできる。
予備活性化方法には、種々の態様があり、たとえば、 三塩化チタン組成物と有機アルミニウムを組み合わせ
た触媒にα−オレフィンを接触させてスラリー反応、バ
ルク反応又は気相反応させる方法、 α−オレフィンの共存下で三塩化チタン組成物と有機
アルミニウムを組み合わせる方法、 ,の方法でα−オレフィン重合体を共存させて行
う方法、 ,,の方法で水素を共存させて行う方法等があ
る。触媒をスラリー状態にするか粉粒体にするかは本質
的な差はない。
上記のようにして、組み合わせた三塩化チタン組成物と
有機アルミニウム化合物からなる触媒、又は更にα−オ
レフィンで予備活性化した触媒は、α−オレフィン重合
体の製造に用いられるが、通常のオレフィン重合と同様
に、立体規則性向上の目的で電子供与体を触媒の第3成
分として、更に添加して重合に用いることも可能であ
る。
各触媒成分の使用量は、通常のα−オレフィン重合と同
様であるが、具体的には三塩化チタン組成物1gに対し、
有機アルミニウム化合物0.01g〜500g、電子供与体0〜2
00gを使用する。
α−オレフィンを重合させる重合形式としては前述した
ように、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、ベンゼン若しくはトルエン等の炭化
水素溶媒中で行うスラリー重合、液化プロピレン、液
化ブテン−1などの液化α−オレフィンモノマー中で行
うバルク重合、エチレン、プロピレン等のα−オレフ
ィンを気相で重合させる気相重合若しくは、以上の
〜の二以上を段階的に組合わせる方法がある。いずれ
の場合も重合温度は室温(20℃)〜200℃、重合圧力は
常圧(0kg/cm2G)〜50kg/cm2Gで、通常5分〜20時間程
度実施される。
重合の際、分子量制御のための適量の水素を添加するな
どは従来の重合方法と同じである。
重合に供せられるα−オレフィンは、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1のよう
な直鎖モノオレフィン類、4−メチルペンテン−1、2
−メチル−ペンテン−1などの枝鎖モノオレフィン類、
ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジオレフ
ィン類などであり、また、これ等の各々の単独重合のみ
ならず、相互に他のα−オレフィンと組合わせて、例え
ばプロピレンとエチレン、ブテン−1とエチレン、プロ
ピレンとブテン−1の如く組合わせるかプロピレン、エ
チレン、ブテン−1のように三成分を組合わせて共重合
を行うことも出来、また、多段重合でフィールドするα
−オレフィンの種類を変えてブロック共重合を行うこと
もできる。
〔作用〕
本発明の三塩化チタン組成物を用いて得られたα−オレ
フィン重合体は、高立体規則性のハロゲン置換スチレン
類重合体を極めて分散して含んでいることにより、溶融
成形時には該ハロゲン置換スチレン類重合体が造核作用
を示すことによって、α−オレフィン重合体の球晶サイ
ズを小さくし、結晶化を促進する結果、α−オレフィン
重合体全体の透明性および結晶性を高めるものである。
また、本発明の三塩化チタン組成物を用いることによっ
てα−オレフィン重合体に導入されたハロゲン置換スチ
レン類重合体は上述のように、立体規則性高分子量重合
体であることにより、表面にブリードすることがない。
〔発明の効果〕
本発明の主要な効果は、本発明の三塩化チタン組成物を
α−オレフィン重合体製造用遷移金属化合物触媒成分と
してα−オレフィンの重合に使用した場合に、著しく高
い生産性でもってボイドの発生が極めて少ない、透明性
および結晶性の著しく高いα−オレフィン重合体を製造
できることである。
本発明の効果を更に具体的に説明する。
本発明の第一の効果は、α−オレフィン重合に用いた場
合、得られたα−オレフィン重合体の透明性と結晶性が
共に向上し、かつボイドの発生数が極めて少ないことで
ある。
以下に示す実施例で明らかな様に、本発明の三塩化チタ
ン組成物を用いて得られたα−オレフィン重合体のプレ
スフィルムの内部ヘーズはハロゲン置換スチレン類重合
体を含有しない、三塩化チタン組成物を用いて得られた
α−オレフィン重合体に比べて約1/4〜3/7となってお
り、著しく高い透明性を有する。
また、結晶化温度もハロゲン置換スチレン類重合体を含
有しない場合に比べて約6℃〜9℃上昇しており、著し
く結晶性が向上すると共に、曲げ弾性率も著しく高くな
っている(実施例1〜9、比較例1,5〜10参照)。更に
ボイドの発生数においても本発明以外の方法によってス
チレン類の重合体を導入したα−オレフィン重合体に比
べて著しく少ないことが明らかである(実施例1〜9、
比較例2,3参照)。
本発明の第二の効果は、極めて高い重合活性でもって、
粒子形状が良好で高立体規則性のα−オレフィン重合体
が得られることである。従って、触媒除去工程やアタク
チックポリマー除去工程を省略することができ、気相重
合法等のより簡略したプロセスによって、α−オレフィ
ン重合体の長期間の連続重合法による製造が可能であ
り、工業生産上極めて有利である。
本発明の第三の効果は、本発明のα−オレフィン重合体
製造用三塩化チタン組成物は、保存安定性および熱安定
性に優れる。長時間に亘り、外気温の高低にかかわらず
安定に保存できることは工業上極めて大切なことであ
る。なお、該保存は粉体状態でも不活性炭化水素溶媒に
懸濁させた状態でも行うことができる。
更に本発明の第四の効果は、本発明のα−オレフィン重
合体製造用三塩化チタン組成物は、耐摩砕性に優れる。
該三塩化チタン組成物は、その使用時すなわちα−オレ
フィン重合体製造過程のみならず触媒製造過程において
も摩砕を受けにくい。このことは、微粉触媒の生成を防
ぎ、ひいては微粉α−オレフィン重合体の生成を防ぐこ
とを意味している。この結果、気相重合プロセスにおけ
るライン閉塞トラブルの防止、循環ガス中への微粉α−
オレフィン重合体の混入に起因するコンプレッサートラ
ブルの防止等に極めて効果的である。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を説明する。実施例、比較
例において用いられている用語の定義、および測定方法
は次の通りである。
TY:重合活性を示し、チタン1グラム原子当りの重合体
収量 (単位:kg/グラム原子) II:立体規則性を示し、20℃ n−ヘキサン抽出残量
(単位:重量%) BD:かさ比重 (単位:g/ml) MFR:メルトフローインデックス ASTM D-1238(L)に
よる。 (単位:g/10分) 内部ヘーズ:表面の影響を除いたフィルム内部のヘーズ
であり、プレス機を用いて温度200℃、圧力200kg/cm2G
の条件下でα−オレフィン重合体パウダーを厚さ150μ
のフィルムとし、フィルムの両面に流動パラフィンを塗
った後、JIS K 7105に準拠してヘーズを測定した。(単
位:%) 結晶化温度:示差走査熱量計を用いて、10℃/分の降温
速度で測定した。 (単位:℃) 曲げ弾性率:α−オレフィン重合パウダー100重量部に
対して、テトラキス[メチレン−3−(3′−,5′−ジ
−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタン0.1重量部、およびステアリン酸カルシウ
ム0.1重量部を混合し、該混合物をスクリュー口径40mm
の押出造粒機を用いて造粒した。ついで該造粒物を射出
成形機で溶融樹脂温度230℃、金型温度50℃でJIS形のテ
ストピースを作成し、該テストピースについて湿度50
%、室温23℃の室温で72時間放置した後、JIS K 7203に
準拠して曲げ弾性率を測定した。
(単位:kgf/cm2) ボイド:前項と同様にしてα−オレフィン重合体の造粒
を行い、得られた造粒物をT−ダイ式製膜機を用い、溶
融樹脂温度250℃で押出し、20℃の冷却ロールで厚さ1mm
のシートを作成した。該シートを150℃の熱風で70秒間
加熱し、二軸延伸機を用いて、縦横方向に7倍づつ延伸
し、厚さ20μの二軸延伸フィルムを得た。該フィルムを
光学顕微鏡にて観察し、直径が10μ以上のボイドの数を
測定し、1cm2当り20個未満を○、20個以上50個未満を
△、50個以上をXで示した。
実施例1 (1)三塩化チタン組成物の製造 n−ヘキサン6l、ジエチルアルミニウムモノクロライド
(DEAC)5.0モル、ジイソアミルエーテル12.0モルを25
℃で5分間で混合し、15分間同温度で反応させて反応生
成液(I)(ジイソアミルエーテル/DEACのモル比2.4)
を得た。
窒素置換された反応器に四塩化チタン40モルを入れ、35
℃に加熱し、これに上記反応生成液(I)の全量を180
分間で滴下した後、同温度に60分間保ち、80℃に昇温し
て更に1時間反応させ、室温まで冷却し、上澄液を除
き、n−ヘキサン20lを加えてデカンテーションで上澄
液を除く操作を4回繰り返して固体生成物(II)を得
た。
この(II)全量をn−ヘキサン30l中に懸濁させ、ジエ
チルアルミニウムモノクロライド400gを加え、40℃で2
−メチル−4−フルオロスチレン19kgを添加し、40℃で
2時間重合処理を行った。処理後50℃まで昇温し、上澄
液を除きn−ヘキサン30lを加えてデカンテーションで
上澄液を除く操作を4回繰り返して、重合処理を施した
固体生成物(II-A)を得た。
この固体生成物の全量をn−ヘキサン9l中に懸濁させた
状態で、四塩化チタン3.5kgを室温にて約10分間で加
え、80℃にて30分間反応させた後、更にジイソアミルエ
ーテル1.6kgを加え、80℃で1時間反応させた。反応終
了後、上澄液を除く操作を5回繰り返した後、減圧で乾
燥させ、固体生成物(III)を得、本発明の三塩化チタ
ン組成物とした。該三塩化チタン組成物中の結晶性2−
メチル−4−フルオロスチレン重合体含量は33.3重量
%、チタン含量16.8重量%であった。
(2)予備活性化触媒成分の調製 内容積80lの傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素ガ
スで置換した後、n−ヘキサン40l、ジエチルアルミニ
ウムモノクロライド28.5g、(1)で得た本発明の三塩
化チタン組成物340gを室温で加えた後、30℃で2時間か
けてエチレンを0.7Nm3供給し、反応させた(三塩化チタ
ン組成物1g当り、エチレン2.0g反応)後、未反応エチレ
ンを除去し、n−ヘキサンで洗浄後、乾燥して予備活性
化触媒成分を得た。
(3)α−オレフィンの重合 窒素置換をした内容積80lの攪拌機を備えたL/D=3の横
型重合器にMFR 2.0のポリプロピレンパウダー20kgを投
入後、上記(2)で得た予備活性化触媒成分にn−ヘキ
サンを添加し、4.0重量%n−ヘキサン懸濁液とした
後、該懸濁液をチタン原子換算で6.45ミリグラム原子/h
r、およびジエチルアルミニウムモノクロライドを3.8g/
hrで同一配管から連続的に供給した。
また重合器の気相中の濃度が1.0容積%を保つように水
素を、全圧が23kg/cm2Gを保つようにプロピレンをそれ
ぞれ供給して、プロピレンの気相重合を70℃において12
0時間、連続して行った。重合期間中は、重合器内のポ
リマーの保有レベルが50容積%となる様にポリマーを重
合器から連続的に10kg/hrで抜き出した。抜き出された
ポリマーは続いてプロピレンオキサイドを0.2容積%含
む窒素ガスによって、95℃にて15分間接触処理された
後、製品パウダーとして得られた。
(4)熱安定性試験 上記(1)と同様にして得た三塩化チタン組成物を40℃
で4ヶ月間保存した後、(2)、(3)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。
(5)耐摩砕性試験 (2)で使用した反応器に、循環ポンプを備えた循環ラ
インを接続した後、窒素雰囲気下において、n−ヘキサ
ン20l、および上記(1)と同様にして得た三塩化チタ
ン組成物340gを入れた。続いて循環ポンプを動かし、循
環ラインを使用して反応器中の懸濁液を流速10l/分、温
度25℃の条件下で4時間循環させた後、(2)、(3)
と同様にしてプロピレンの重合を行った。
比較例1 (1)実施例1の(1)において固体生成物(II)を2
−メチル−4−フルオロスチレンで重合処理することな
しに固体生成物(II-A)相当物とすること以外は同様に
して三塩化チタン組成物を得た。
(2)実施例1の(2)において三塩化チタン組成物と
して、上記(1)で得られた三塩化チタン組成物を用い
る以外は同様にして予備活性化触媒成分の調製を行っ
た。
(3)実施例1の(3)において予備活性化触媒成分と
して、上記(2)で得られた予備活性化触媒成分を用い
る以外は同様にしてプロピレンの重合を行った。
(4)実施例1の(4)において三塩化チタン組成物と
して、上記(1)と同様にして得られた三塩化チタン組
成物を用いる以外は同様にしてプロピレンの重合を行っ
た。
(5)実施例1の(5)において三塩化チタン組成物と
して、上記(1)と同様にして得られた三塩化チタン組
成物を用いる以外は同様にしてプロピレンの重合を行っ
た。
比較例2 (1)比較例1の(1)と同様にして三塩化チタン組成
物を得た。
(2)実施例1の(2)で使用した反応器に、n−ヘキ
サン20l、ジエチルアルミニウムモノクロライド30g、お
よび上記(1)で得た三塩化チタン組成物180gを室温で
加えた後、p−t−ブチルスチレン165gを加え40℃にて
2時間反応させた(三塩化チタン組成物1g当り、0.5g反
応)。反応終了後はn−ヘキサンで洗浄後、濾過乾燥し
てp−t−ブチルスチレンで予備活性化された触媒成分
を得た。
(3)実施例1の(3)において予備活性化触媒成分と
して上記(2)で得たp−t−ブチルスチレンで予備活
性化された触媒成分を用いる以外は同様にしてプロピレ
ンの重合を行ったところ、生成した塊状ポリマーが、パ
ウダー抜き出し配管を閉塞してしまった為、重合開始後
11時間で製造を停止しなければならなかった。
比較例3 (1)比較例1の(1)において、反応生成液(I)と
四塩化チタンを反応させる際に、別途、比較例1の
(1)と同様にして得た三塩化チタン組成物500gとジエ
チルアルミニウムモノクロライド120gを触媒として用い
て、n−ヘキサン100l中に1.45kg添加したp−t−ブチ
ルスチレンを60℃にて2時間重合した後、メタノール洗
浄し、乾燥させて得られたp−t−ブチルスチレン重合
体0.95kgを容量10lの振動ミル中で室温にて5時間粉砕
後、前記の四塩化チタン中に懸濁ささせたこと以外は同
様にして、p−t−ブチルスチレン重合体を33.3重量%
含有した三塩化チタン組成物を得た。
(2)三塩化チタン組成物として上記(1)で得た三塩
化チタン組成物を用いる以外は実施例1の(2)と同様
にして予備活性化触媒成分を得た。
(3)実施例1の(3)において予備活性化触媒成分と
して上記(2)で得た予備活性化触媒成分を全圧が23kg
/cm2Gを保つように供給すること以外は同様にしてプロ
ピレンの重合を行ない、ポリプロピレンを得た。
比較例4および実施例2,3 実施例1の(1)において2−メチル−4−フルオロス
チレンの使用量を変化させて、結晶性2−メチル−4−
フルオロスチレン重合体含量がそれぞれ0.001重量%、
4.8重量%、16.7重量%の三塩化チタン組成物を得た。
続いて実施例1の(2)、(3)と同様にしてプロピレ
ンの重合を行った。
実施例4 n−ヘプタン4l、ジエチルアルミニウムモノクロライド
5.0モル、ジイソアミルエーテル9.0モル、ジn−ブチル
エーテル5.0モルを18℃で30分間反応させて得た反応液
を四塩化チタン27.5モル中に40℃で300分間かゝって滴
下した後、同温度に1.5時間保ち反応させた後、65℃に
昇温し、1時間反応させ、上澄液を除き、n−ヘキサン
20lを加えデカンテーションで除く操作を6回繰り返
し、得られた固体生成物(II)1.8kgをn−ヘキサン40l
中に懸濁させ、ジエチルアルミニウムモノクロライド50
0gを加え、50℃で2−メチル−4−フルオロスチレン16
kgを加え1時間反応させ、重合処理を施した固体生成物
(II-A)を得た。
反応後、上澄液を除いた後、n−ヘキサン20lを加えデ
カンテーションで除く操作を2回繰り返し、上記の重合
処理を施した固体生成物(II-A)をn−ヘキサン7l中に
懸濁させ、四塩化チタン1.8kg、n−ブチルエーテル1.8
kgを加え、60℃で3時間反応させた。反応終了後、上澄
液をデカンテーションで除いた後、20lのn−ヘキサン
を加えて5分間攪拌し静置して上澄液を除く操作を3回
繰り返した後、減圧で乾燥させ固体生成物(III)を
得、該固体生成物(III)を最終の三塩化チタン組成物
として用いること以外は、実施例1の(2)、(3)と
同様にしてプロピレンの重合を行った。
比較例5 実施例4において2−メチル−4−フルオロスチレンに
よる重合処理をせずに固体生成物(II)を固体生成物
(II-A)相当物とすること以外は同様にして三塩化チタ
ン組成物を得て、プロピレンの重合を行った。
実施例5 ジエチルアルミニウムモノクロライド5.0モルを用いる
代りに、ジn−ブチルアルミニウムモノクロライド4.0
モルを用いて反応生成液(I)を得て、四塩化チタンに
45℃で滴下すること、また2−メチル−4−フルオロス
チレンを用いる代りにo−フルオロスチレン15kgを用い
ること以外は、実施例1の(1)と同様にして三塩化チ
タン組成物を得、続いて(2)、(3)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。
比較例6 実施例5においてo−フルオロスチレンによる重合処理
をせずに三塩化チタン組成物を得る以外は同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。
実施例6 実施例1の(1)において、四塩化チタンの代わりに四
塩化ケイ素1.8kgおよび四塩化チタン2.0kgの混合液を、
またジイソアミルエーテルの使用量を2.2kgとして、固
体生成物(II-A)に反応させたこと以外は同様にして固
体生成物(III)を得、該固体生成物(III)を最終の三
塩化チタン組成物とした。
続いて、内容積200lの2段タービン翼を備えた攪拌機付
重合器に上記三塩化チタン組成物にn−ヘキサンを添加
し、4.0重量%n−ヘキサン懸濁液とした後、該懸濁液
をチタン原子換算で10.1ミリグラム原子/hr、およびジ
エチルアルミニウムモノクロライドを6.0g/hrで同一配
管から、また別配管からn−ヘキサンを21kg/hrで連続
的に供給した。更にまた重合器の気相中の濃度が1.5容
積%を保つように水素を、全圧が10kg/cm2Gを保つよう
にプロピレンをそれぞれ供給して、プロピレンのスラリ
ー重合を70℃において120時間、連続して行った。
重合期間中は、重合器内のスラリーの保有レベルが75容
積%となるようにスラリーを重合器から連続的に内容積
50lのフラッシュタンクに抜き出した。フラッシュタン
クにおいて落圧され未反応プロピレンが除去される一
方、メタノールが1kg/hrで供給され70℃にて接触処理さ
れた。引き続いてスラリーは遠心分離機によって溶媒を
分離された後、乾燥され、製品パウダーが10kg/hrで得
られた。
比較例7 実施例6において2−メチル−4−フルオロスチレンに
よる重合処理をせずに固体生成物(II)を固体生成物
(II-A)相当物とすること以外は同様にして得られた三
塩化チタン組成物を用いて、実施例6と同様にしてプロ
ピレンのスラリー重合を行った。
実施例7 n−ヘキサン12lに四塩化チタン27.0モルを加え、1℃
に冷却した後、更にジエチルアルミニウムモノクロライ
ド27.0モルを含むn−ヘキサン12.5lを1℃にて4時間
かけて滴下した。滴下終了後15分間同温度に保ち反応さ
せた後、続いて1時間かけて65℃に昇温し、更に同温度
にて1時間反応させた。
次に上澄液を除きn−ヘキサン10lを加え、デカンテー
ションで除く操作を5回繰り返し、得られた固体生成物
(II)5.7kgのうち、1.8kgをn−ヘキサン50l中に懸濁
させ、ジエチルアルミニウムモノクロライド350gを加
え、40℃でo−フルオロスチレン19kgを更に加えた後、
40℃で2時間重合処理を行った。
重合処理後、上澄液を除いた後、n−ヘキサン30lを加
えてデカンテーションで除く操作を2回繰り返した後、
得られた重合処理を施した固体生成物(II-A)の全量を
n−ヘキサン11中に懸濁し、これにジ−イソアミルエ
ーテル1.6lを添加した。この懸濁液を35℃で1時間攪拌
後、n−ヘキサン3lで5回洗浄し処理固体を得た。得ら
れた処理固体を四塩化チタン40容積%のn−ヘキサン溶
液6l中に懸濁した。
この懸濁液を65℃に昇温し、同温度で2時間反応させ
た。反応終了後、1回にn−ヘキサン20lを使用し、3
回得られた固体を洗浄した後、減圧で乾燥させて固体生
成物(III)を得た。該固体生成物(III)を最終の三塩
化チタン組成物として用い、後は実施例6と同様にして
プロピレンのスラリー重合を行った。
比較例8 実施例7においてo−フルオロスチレンによる重合処理
を省略して三塩化チタン組成物を得て、後は実施例7と
同様にしてプロピレンのスラリー重合を行った。
実施例8 実施例1の(1)において2−メチル−4−フルオロス
チレンの代わりにp−フルオロスチレン4.7kgを用い
て、重合処理を施した固体生成物(II-A)を得、続いて
n−ヘプタン10l中に、四塩化チタン3.0kgを加えた後、
上記固体生成物(II-A)を全量添加し、80℃で30分間反
応させた。反応終了後、更にジn−ペンチルエーテル2.
8kgを添加し、80℃で1時間反応させて固体生成物(II
I)を得た。該固体生成物(III)を最終の三塩化チタン
組成物として用いて後は実施例1の(2)、(3)と同
様にしてプロピレンの気相重合を行った。
比較例9 実施例8においてp−フルオロスチレンによる重合処理
をせずに三塩化チタン組成物を得ること以外は同様にし
て、プロピレンの重合を行った。
実施例9 実施例6において固体生成物(III)を得る際に2−メ
チル−4−フルオロスチレンの使用量を17kg、又、プロ
ピレン重合時に、気相中の濃度が0.2容積%を保つ様に
エチレンを更に供給すること以外は実施例6と同様にし
てプロピレン−エチレン共重合を行った。
比較例10 実施例9において2−メチル−4−フルオロスチレンに
よる重合処理をせずに、三塩化チタン組成物を得ること
以外は、同様にしてプロピレン−エチレン共重合を行っ
た。
以上の実施例および比較例の三塩化チタン組成物、重合
結果および評価結果を表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の組成物の製造方法を説明するための
工程図(フローチャート)である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
    示す。)で示される繰り返し単位からなるハロゲン置換
    スチレン類の結晶性重合体を0.01重量%〜99重量%含有
    しかつ、下記の方法で製造された最終の固体生成物(II
    I)であるα−オレフィン重合体製造用三塩化チタン組
    成物。 有機アルミニウム化合物、若しくは有機アルミニウム化
    合物と電子供与体(B1)との反応生成物(I)に四塩化
    チタンを反応させて得られた固体生成物(II)を次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
    示す。)で示されるハロゲン置換スチレン類で重合処理
    し、更に電子供与体(B2)と周期律表III〜VI族の元素
    のハロゲン化物とを反応させて得られる最終の固体生成
    物(III)に、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
    示す。)で示される繰り返し単位からなるハロゲン置換
    スチレン類の結晶性重合体を0.01重量%〜99重量%含有
    せしめる三塩化チタン組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】有機アルミニウム化合物として、一般式が
    AlR2 mR3 m X3- (m+m′) (式中、R2,R3はアルキル基、シクロアルキル基、アリ
    ール基等の炭化水素基またはアルコキシ基を、Xはハロ
    ゲンを表わし、またm,m′は0<m+m′≦3の任意の
    数を表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物を
    用いる特許請求の範囲第1項に記載の三塩化チタン組成
    物。
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