JPH0778994A - Mos型半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
Mos型半導体装置及びその製造方法Info
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- JPH0778994A JPH0778994A JP22169393A JP22169393A JPH0778994A JP H0778994 A JPH0778994 A JP H0778994A JP 22169393 A JP22169393 A JP 22169393A JP 22169393 A JP22169393 A JP 22169393A JP H0778994 A JPH0778994 A JP H0778994A
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- Japan
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- oxide film
- gate electrode
- insulating film
- mos
- forming
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来よりもサブスレッショルド特性と電流駆
動力の向上が図られ、X線などの放射線環境下において
もより高信頼度に動作しうるSOI構造のMOSトラン
ジスタおよびCMOSデバイスを提供すること。 【構成】 本SOI構造のMOSトランジスタでは、チ
ャネル部下方の埋め込み酸化膜をソースおよびドレイン
拡散層下方の埋め込み酸化膜よりも薄くした。 【効果】 チャネル部下方の埋め込み酸化膜が薄いの
で、X線などの放射線の照射による埋め込み酸化膜中の
生成電荷量が小さくなり、より高信頼度のデバイス動作
が実現した。また、従来よりもサブスレッショルド特性
と動作電流が向上し、低電圧における高速動作が可能と
なる。さらに、ソースおよびドレイン拡散層下方の埋め
込み酸化膜が厚いので、ソース、ドレインの容量が低減
できる。
動力の向上が図られ、X線などの放射線環境下において
もより高信頼度に動作しうるSOI構造のMOSトラン
ジスタおよびCMOSデバイスを提供すること。 【構成】 本SOI構造のMOSトランジスタでは、チ
ャネル部下方の埋め込み酸化膜をソースおよびドレイン
拡散層下方の埋め込み酸化膜よりも薄くした。 【効果】 チャネル部下方の埋め込み酸化膜が薄いの
で、X線などの放射線の照射による埋め込み酸化膜中の
生成電荷量が小さくなり、より高信頼度のデバイス動作
が実現した。また、従来よりもサブスレッショルド特性
と動作電流が向上し、低電圧における高速動作が可能と
なる。さらに、ソースおよびドレイン拡散層下方の埋め
込み酸化膜が厚いので、ソース、ドレインの容量が低減
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はMOS型半導体装置およ
びその製造方法に関し、特にSOI(Silicon on Insul
ator)構造を有するMOS型半導体装置およびその製造
方法に関する。
びその製造方法に関し、特にSOI(Silicon on Insul
ator)構造を有するMOS型半導体装置およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のSOI構造を有するMOS型半導
体装置の一例として、SIMOX(Separation by IMpla
nted-OXygen)法により作成した超薄膜SOI構造のCM
OSデバイスを図2に示す。ここで21はn型(10
0)Si基板、22は酸素イオンを打ち込んで形成した
埋め込みSiO2層(埋め込み酸化膜)、29はその上
のSi層すなわちSOI層である。nMOSトランジス
タはこのSOI層上に、n+層23と25をソースとド
レイン、p層24をチャネル部として形成され、pMO
Sトランジスタはp+層26と28をドレインとソー
ス、n層27をチャネル部として形成されている。20
1は素子分離のためのフィールド酸化膜、202はゲー
ト酸化膜、203はポリシリコンゲート電極である。ま
た、SOI層29の厚さは約70nmから150nm程
度と薄く形成され、埋め込み酸化膜22の厚さは約35
0nmから550nm程度と厚く形成されている。この
SOI構造CMOSデバイスでは、バルクSiに形成さ
れた通常構造のCMOSデバイスに比べて、1)短チャ
ネル効果を抑制できる、2)サブスレッショルド係数を
縮小でき急俊な電流立上り特性が実現できる、3)拡散
層容量と配線容量を低減できる、4)ラッチアップを防
止できる、6)アルファ線、X線などの放射線による論
理回路の情報反転、すなわちソフトエラーを防止でき
る、7)製造プロセスを簡略化できるなどの利点があ
る。
体装置の一例として、SIMOX(Separation by IMpla
nted-OXygen)法により作成した超薄膜SOI構造のCM
OSデバイスを図2に示す。ここで21はn型(10
0)Si基板、22は酸素イオンを打ち込んで形成した
埋め込みSiO2層(埋め込み酸化膜)、29はその上
のSi層すなわちSOI層である。nMOSトランジス
タはこのSOI層上に、n+層23と25をソースとド
レイン、p層24をチャネル部として形成され、pMO
Sトランジスタはp+層26と28をドレインとソー
ス、n層27をチャネル部として形成されている。20
1は素子分離のためのフィールド酸化膜、202はゲー
ト酸化膜、203はポリシリコンゲート電極である。ま
た、SOI層29の厚さは約70nmから150nm程
度と薄く形成され、埋め込み酸化膜22の厚さは約35
0nmから550nm程度と厚く形成されている。この
SOI構造CMOSデバイスでは、バルクSiに形成さ
れた通常構造のCMOSデバイスに比べて、1)短チャ
ネル効果を抑制できる、2)サブスレッショルド係数を
縮小でき急俊な電流立上り特性が実現できる、3)拡散
層容量と配線容量を低減できる、4)ラッチアップを防
止できる、6)アルファ線、X線などの放射線による論
理回路の情報反転、すなわちソフトエラーを防止でき
る、7)製造プロセスを簡略化できるなどの利点があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】SOI構造のCMOS
デバイスには上記の利点があるものの、低電圧動作が必
須のディープサブミクロンULSIの基本デバイスとし
て使用するには、一層の高性能化が必要であり、とくに
サブスレッショルド特性と電流駆動力の向上が重要であ
る。また宇宙空間などの放射線環境下で動作させる電子
装置や電子計算機用CMOSとしては、前述の6)のソ
フトエラー防止効果により、SOI構造が極めて有用で
あるが、以下の課題がある。すなわち、宇宙空間などの
放射線環境下では、ソフトエラーに加えてX線などの放
射線が酸化膜中に正の固定電荷を生成し、これによりし
きい値が変動するとの大きな問題がある。とくにSOI
構造デバイスでは、ゲート酸化膜と埋め込み酸化膜の両
方において、X線などの放射線が固定電荷を生成し、こ
れらがしきい値の変動要因になる。埋め込み酸化膜中の
固定電荷の生成は、実効的に基板バイアスを変化させ、
これによりしきい値の変動が生じる。従来、SOI構造
の埋め込み酸化膜は、図2に示したように約350nm
から550nm程度と厚く形成されており、このためそ
の中に生成される正電荷の量も多く、これによるしきい
値の変動も大きいとの重大な問題があった。
デバイスには上記の利点があるものの、低電圧動作が必
須のディープサブミクロンULSIの基本デバイスとし
て使用するには、一層の高性能化が必要であり、とくに
サブスレッショルド特性と電流駆動力の向上が重要であ
る。また宇宙空間などの放射線環境下で動作させる電子
装置や電子計算機用CMOSとしては、前述の6)のソ
フトエラー防止効果により、SOI構造が極めて有用で
あるが、以下の課題がある。すなわち、宇宙空間などの
放射線環境下では、ソフトエラーに加えてX線などの放
射線が酸化膜中に正の固定電荷を生成し、これによりし
きい値が変動するとの大きな問題がある。とくにSOI
構造デバイスでは、ゲート酸化膜と埋め込み酸化膜の両
方において、X線などの放射線が固定電荷を生成し、こ
れらがしきい値の変動要因になる。埋め込み酸化膜中の
固定電荷の生成は、実効的に基板バイアスを変化させ、
これによりしきい値の変動が生じる。従来、SOI構造
の埋め込み酸化膜は、図2に示したように約350nm
から550nm程度と厚く形成されており、このためそ
の中に生成される正電荷の量も多く、これによるしきい
値の変動も大きいとの重大な問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のSOI構造MO
SトランジスタおよびCMOSデバイスは、MOSトラ
ンジスタのチャネル部下方の埋め込み酸化膜を従来より
も薄くし、一方ソース、ドレイン拡散層下方の埋め込み
酸化膜を従来通り厚く保持したものである。すなわち図
1に示すように、MOSトランジスタのチャネル部10
5の下方の埋め込み酸化膜12を、ソース、ドレイン拡
散層103、104の下方の埋め込み酸化膜13よりも
薄くしたものである。また本発明は、厚さの異なる二種
類の埋め込み酸化膜を、ともに酸素イオンの打ち込み
法、すなわちSIMOX(Separation by IMplanted-OXy
gen)法にて形成したものである。そしてチャネル部下方
の薄い埋め込み酸化膜12の形成をフィールド酸化膜形
成前に行ない、拡散層下方の厚い埋め込み酸化膜13の
形成をゲート電極形成後に行なうものである。13の形
成は、ゲート電極とその上に堆積した厚いレジスト膜を
マスクとして酸素イオンを打ち込み、自己整合的に行な
う。さらに前記の拡散層下方の酸化膜13の形成を、側
壁にスペーサ酸化膜を有するゲート電極とその上に堆積
した厚いレジスト膜をマスクとして、酸素イオン打ち込
みにより行なうものである。
SトランジスタおよびCMOSデバイスは、MOSトラ
ンジスタのチャネル部下方の埋め込み酸化膜を従来より
も薄くし、一方ソース、ドレイン拡散層下方の埋め込み
酸化膜を従来通り厚く保持したものである。すなわち図
1に示すように、MOSトランジスタのチャネル部10
5の下方の埋め込み酸化膜12を、ソース、ドレイン拡
散層103、104の下方の埋め込み酸化膜13よりも
薄くしたものである。また本発明は、厚さの異なる二種
類の埋め込み酸化膜を、ともに酸素イオンの打ち込み
法、すなわちSIMOX(Separation by IMplanted-OXy
gen)法にて形成したものである。そしてチャネル部下方
の薄い埋め込み酸化膜12の形成をフィールド酸化膜形
成前に行ない、拡散層下方の厚い埋め込み酸化膜13の
形成をゲート電極形成後に行なうものである。13の形
成は、ゲート電極とその上に堆積した厚いレジスト膜を
マスクとして酸素イオンを打ち込み、自己整合的に行な
う。さらに前記の拡散層下方の酸化膜13の形成を、側
壁にスペーサ酸化膜を有するゲート電極とその上に堆積
した厚いレジスト膜をマスクとして、酸素イオン打ち込
みにより行なうものである。
【0005】
【作用】本発明のSOI構造ではチャネル部下方の酸化
膜厚を薄くしたので、サブスレッショルド係数が従来よ
りも縮小し、電流駆動力も向上することが明らかであ
る。なぜなら、酸化膜の比誘電率が3.9であるのに対
し、Siの比誘電率は11.9と大きく、埋め込み酸化
膜の薄膜化により同酸化膜とSi基板にかかるゲート電
圧成分が減少し、一方チャネル部のSOI層とゲート酸
化膜にかかる電圧成分は増大してSOI層表面の空乏層
容量が減少するからである。またチャネル部下方の埋め
込み酸化膜が薄いので、デバイス全体の埋め込み酸化膜
の体積総量が大幅に縮小されており、X線などの放射線
がデバイスに照射しても、該膜中の生成電荷量を従来よ
りもずっと低減することができた。この結果、生成電荷
による基板電位の変動を、より低い値に抑えることがで
きた。X線などの放射線により酸化膜中に生成される電
荷Qは次式で与えられる。 Q=qA・Tox・nox (1) ここでqは電子電荷、Aは酸化膜の占有面積、Toxは酸
化膜厚、noxは単位体積当りの正電荷の生成量である。
この電荷Qによる基板バイアスの変動ΔVsubは次式で
与えられる。 ΔVsub〜Q/Cox=q・Tox2・nox/εox (2) ここで、Coxは酸化膜容量、εoxは酸化膜の誘電率であ
る。
膜厚を薄くしたので、サブスレッショルド係数が従来よ
りも縮小し、電流駆動力も向上することが明らかであ
る。なぜなら、酸化膜の比誘電率が3.9であるのに対
し、Siの比誘電率は11.9と大きく、埋め込み酸化
膜の薄膜化により同酸化膜とSi基板にかかるゲート電
圧成分が減少し、一方チャネル部のSOI層とゲート酸
化膜にかかる電圧成分は増大してSOI層表面の空乏層
容量が減少するからである。またチャネル部下方の埋め
込み酸化膜が薄いので、デバイス全体の埋め込み酸化膜
の体積総量が大幅に縮小されており、X線などの放射線
がデバイスに照射しても、該膜中の生成電荷量を従来よ
りもずっと低減することができた。この結果、生成電荷
による基板電位の変動を、より低い値に抑えることがで
きた。X線などの放射線により酸化膜中に生成される電
荷Qは次式で与えられる。 Q=qA・Tox・nox (1) ここでqは電子電荷、Aは酸化膜の占有面積、Toxは酸
化膜厚、noxは単位体積当りの正電荷の生成量である。
この電荷Qによる基板バイアスの変動ΔVsubは次式で
与えられる。 ΔVsub〜Q/Cox=q・Tox2・nox/εox (2) ここで、Coxは酸化膜容量、εoxは酸化膜の誘電率であ
る。
【0006】上式(2)より、チャネル部下方の酸化膜
を薄くして生成電荷量を軽減すれば、MOSトランジス
タの基板電位変動が抑えられ、従ってしきい値変動も従
来よりずっと小さくできることが明らかである。また本
発明では、拡散層下方の酸化膜を従来通り厚く保持した
ので、SOI構造デバイスの大きな利点である拡散層容
量の低減効果が保たれるほか、短チャネル効果の抑制、
サブスレッショルド係数の縮小、ラッチアップの防止、
アルファ線、X線などの放射線によるソフトエラーの防
止などのSOI構造の特徴がそのまま保たれている。さ
らに本発明は、チャネル部下方と拡散層下方の二種類の
埋め込み酸化膜をともにSIMOX(Separation by IMp
lanted-OXygen)法にて形成したので、両者の埋め込み酸
化膜厚を容易に相違させることができた。またチャネル
部下方の薄い酸化膜形成をフィールド酸化膜形成前に行
ない、拡散層下方の厚い酸化膜形成をゲート電極形成後
にゲート電極部をマスクとした酸素イオン打ち込みによ
り自己整合的に行なうので、チャネル部下方の酸化膜を
拡散層下方の酸化膜よりも薄く形成でき、かつ両者の正
確な位置設定が可能となった。さらに上記の拡散層下方
の厚い酸化膜形成を、側壁酸化膜を有するゲート電極を
マスクとした酸素イオン打ち込みにより行なうので、ゲ
ート酸化膜への横方向のイオン打ち込みの影響を除去す
ることができた。なお前記のゲート電極部をマスクとし
た酸素イオン打ち込み法では、図1に示されるフィール
ド酸化膜15へも酸素イオンが打ち込まれる。この結
果、フィールド酸化膜の横方向への広がりが生じるが、
あらかじめこの広がり量を考慮した上でデバイスを設計
すればなんらの悪影響も生じない。フィールド酸化膜の
下方への広がりも生じるが、これはデバイス特性に影響
しない。
を薄くして生成電荷量を軽減すれば、MOSトランジス
タの基板電位変動が抑えられ、従ってしきい値変動も従
来よりずっと小さくできることが明らかである。また本
発明では、拡散層下方の酸化膜を従来通り厚く保持した
ので、SOI構造デバイスの大きな利点である拡散層容
量の低減効果が保たれるほか、短チャネル効果の抑制、
サブスレッショルド係数の縮小、ラッチアップの防止、
アルファ線、X線などの放射線によるソフトエラーの防
止などのSOI構造の特徴がそのまま保たれている。さ
らに本発明は、チャネル部下方と拡散層下方の二種類の
埋め込み酸化膜をともにSIMOX(Separation by IMp
lanted-OXygen)法にて形成したので、両者の埋め込み酸
化膜厚を容易に相違させることができた。またチャネル
部下方の薄い酸化膜形成をフィールド酸化膜形成前に行
ない、拡散層下方の厚い酸化膜形成をゲート電極形成後
にゲート電極部をマスクとした酸素イオン打ち込みによ
り自己整合的に行なうので、チャネル部下方の酸化膜を
拡散層下方の酸化膜よりも薄く形成でき、かつ両者の正
確な位置設定が可能となった。さらに上記の拡散層下方
の厚い酸化膜形成を、側壁酸化膜を有するゲート電極を
マスクとした酸素イオン打ち込みにより行なうので、ゲ
ート酸化膜への横方向のイオン打ち込みの影響を除去す
ることができた。なお前記のゲート電極部をマスクとし
た酸素イオン打ち込み法では、図1に示されるフィール
ド酸化膜15へも酸素イオンが打ち込まれる。この結
果、フィールド酸化膜の横方向への広がりが生じるが、
あらかじめこの広がり量を考慮した上でデバイスを設計
すればなんらの悪影響も生じない。フィールド酸化膜の
下方への広がりも生じるが、これはデバイス特性に影響
しない。
【0007】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1により説明す
る。第一の実施例は本発明による超薄膜SOI構造のn
MOSトランジスタを、SIMOX法により試作した例
である。図1において11はp型Si(100)基板で
ある。12はSi基板11に酸素イオンを約70keV
から90keVで、約1×1018から1.5×1018/
cm2の量、打ち込み、その後約1200℃から約14
00℃の熱処理を加えて形成した埋め込み酸化膜であ
る。この酸化膜はSi表面より深さ約0.19μmの位
置を中心に、深さ方向に約0.25μmの厚さを持つ。
14は埋め込み酸化膜12上のSi結晶層すなわちSO
I層であり、厚さ約65nmである。15はLOCOS
(local oxidation of silicon)法によるフィールド酸
化膜である。101は該SOI層上に熱酸化法により形
成したゲート酸化膜であり、その厚さは約5から25n
mであり、102はその上に堆積したポリシリコンゲー
ト電極層であり、101および102は紫外線リソグラ
フィーまたは電子線(EB)リソグラフィーにより加工
した。103および104はこのゲート電極とその上の
レジスト膜をマスクとして、SOI層14上に砒素イオ
ン打ち込みにより形成した n+拡散層であり、それぞれnMOSトランジスタのソ
ースおよびドレイン部となる。105がトランジスタの
チャネル部である。また13は拡散層形成後に引き続い
て、ゲート電極とその上のレジスト膜をマスクとして、
酸素イオンを約200keVで約1.5×1018から
2.5×1018/cm2の量、打ち込み、その後約12
00℃から約1400℃の熱処理を加えて形成した埋め
込み酸化膜である。この酸化膜は自己整合的に、拡散層
103および104の下方に限定されて形成され、Si
表面より深さ約0.5μmの位置を中心として深さ方向
に約0.5μmの厚さを持つ。なおレジスト膜厚は約1
μmから2μmとした。以下通常のMOS超LSIプロ
セスに従って、本実施例の超薄膜SOI構造のnMOS
トランジスタを作成した。本実施例によれば、MOSト
ランジスタのソース、ドレイン拡散層下方の埋め込み酸
化膜厚が0.5μmであるのに対し、チャネル部下方の
埋め込み酸化膜は厚さ0.25μmと従来(約0.5μ
m)よりもずっと薄く形成されている。このため従来よ
りもサブスレッショルド係数が縮小し、動作電流が大き
くとれた。またX線などの放射線がデバイスに照射して
も、チャネル部下方の酸化膜での正電荷の生成が従来よ
りも大幅に軽減でき、このためずっと高信頼度のトラン
ジスタ動作が実現できた。また拡散層下方の埋め込み酸
化膜は、従来どおりに厚く形成されているので、拡散層
容量は小さく保たれている。
る。第一の実施例は本発明による超薄膜SOI構造のn
MOSトランジスタを、SIMOX法により試作した例
である。図1において11はp型Si(100)基板で
ある。12はSi基板11に酸素イオンを約70keV
から90keVで、約1×1018から1.5×1018/
cm2の量、打ち込み、その後約1200℃から約14
00℃の熱処理を加えて形成した埋め込み酸化膜であ
る。この酸化膜はSi表面より深さ約0.19μmの位
置を中心に、深さ方向に約0.25μmの厚さを持つ。
14は埋め込み酸化膜12上のSi結晶層すなわちSO
I層であり、厚さ約65nmである。15はLOCOS
(local oxidation of silicon)法によるフィールド酸
化膜である。101は該SOI層上に熱酸化法により形
成したゲート酸化膜であり、その厚さは約5から25n
mであり、102はその上に堆積したポリシリコンゲー
ト電極層であり、101および102は紫外線リソグラ
フィーまたは電子線(EB)リソグラフィーにより加工
した。103および104はこのゲート電極とその上の
レジスト膜をマスクとして、SOI層14上に砒素イオ
ン打ち込みにより形成した n+拡散層であり、それぞれnMOSトランジスタのソ
ースおよびドレイン部となる。105がトランジスタの
チャネル部である。また13は拡散層形成後に引き続い
て、ゲート電極とその上のレジスト膜をマスクとして、
酸素イオンを約200keVで約1.5×1018から
2.5×1018/cm2の量、打ち込み、その後約12
00℃から約1400℃の熱処理を加えて形成した埋め
込み酸化膜である。この酸化膜は自己整合的に、拡散層
103および104の下方に限定されて形成され、Si
表面より深さ約0.5μmの位置を中心として深さ方向
に約0.5μmの厚さを持つ。なおレジスト膜厚は約1
μmから2μmとした。以下通常のMOS超LSIプロ
セスに従って、本実施例の超薄膜SOI構造のnMOS
トランジスタを作成した。本実施例によれば、MOSト
ランジスタのソース、ドレイン拡散層下方の埋め込み酸
化膜厚が0.5μmであるのに対し、チャネル部下方の
埋め込み酸化膜は厚さ0.25μmと従来(約0.5μ
m)よりもずっと薄く形成されている。このため従来よ
りもサブスレッショルド係数が縮小し、動作電流が大き
くとれた。またX線などの放射線がデバイスに照射して
も、チャネル部下方の酸化膜での正電荷の生成が従来よ
りも大幅に軽減でき、このためずっと高信頼度のトラン
ジスタ動作が実現できた。また拡散層下方の埋め込み酸
化膜は、従来どおりに厚く形成されているので、拡散層
容量は小さく保たれている。
【0008】図3、図4には本実施例のnMOSトラン
ジスタのデバイス性能を従来デバイスと比較して示し
た。試料トランジスタのゲート長は1.25μm、ゲー
ト幅は15μmであり、ドレイン構造は通常のシングル
ドレイン構造である。図3は、トランジスタのドレイン
電流対ゲート電圧特性の実験結果である。本発明では従
来よりもサブスレッショルド電流の勾配が大きく、従っ
てサブスレッショルド係数値がより小さくなり、動作電
流も大きくなった。これは前述したように埋め込み酸化
膜が薄く、チャネル部のSOI層にかかるゲート電圧成
分が増加するからである。
ジスタのデバイス性能を従来デバイスと比較して示し
た。試料トランジスタのゲート長は1.25μm、ゲー
ト幅は15μmであり、ドレイン構造は通常のシングル
ドレイン構造である。図3は、トランジスタのドレイン
電流対ゲート電圧特性の実験結果である。本発明では従
来よりもサブスレッショルド電流の勾配が大きく、従っ
てサブスレッショルド係数値がより小さくなり、動作電
流も大きくなった。これは前述したように埋め込み酸化
膜が薄く、チャネル部のSOI層にかかるゲート電圧成
分が増加するからである。
【0009】図4は、X線を照射した時のしきい値電圧
の変動を、従来デバイスと比較した実験結果である。照
射X線の発生方式は管球式であり、ターゲット電極には
タングステンを用いている。照射X線の平均エネルギー
は5から15keVであり、X線照射量は最大2×10
6radまでである。結果を見ると、本発明デバイスで
は従来よりもしきい値の変動が1/2以下に抑えられ、
耐放射線性が大きく向上したことが明らかである。これ
はチャネル部下方の埋め込み酸化膜12の厚さが約0.
5μmと薄膜化され、X線による酸化膜12中での電荷
生成量が小さく抑えられ、この電荷による基板バイアス
効果が低減したためである。
の変動を、従来デバイスと比較した実験結果である。照
射X線の発生方式は管球式であり、ターゲット電極には
タングステンを用いている。照射X線の平均エネルギー
は5から15keVであり、X線照射量は最大2×10
6radまでである。結果を見ると、本発明デバイスで
は従来よりもしきい値の変動が1/2以下に抑えられ、
耐放射線性が大きく向上したことが明らかである。これ
はチャネル部下方の埋め込み酸化膜12の厚さが約0.
5μmと薄膜化され、X線による酸化膜12中での電荷
生成量が小さく抑えられ、この電荷による基板バイアス
効果が低減したためである。
【0010】本発明の第二の実施例を図5により説明す
る。第二の実施例は、本発明による超薄膜SOI構造の
CMOSデバイスを、SIMOX法により試作した例で
ある。図4において41はn型(100)Si基板、4
2はSi基板41に酸素イオンを約70keVから90
keVで、約1×1018から1.5×1018/cm2の
量、打ち込み、その後約1200℃から約1400℃の
熱処理を加えて形成した埋め込み酸化膜である。この酸
化膜はSi表面より深さ約0.19μmの位置を中心
に、深さ方向に約0.25μmの厚さを持つ。44は埋
め込み酸化膜42上のSi結晶層すなわちSOI層であ
り、厚さ約65nmである。該SOI層形成後、このS
OI層に燐イオンを打ち込んで、nウェルを形成する。
次いでnウェル上に作成する熱酸化膜をマスクとしてS
OI層にボロンイオンを打ち込み、nウェル対して自己
整合的にpウェルを形成してダブルウェル構造とする。
次いで、LOCOS(local oxidation of silicon)法
によりフィールド酸化膜45を形成する。401は該S
OI層上に熱酸化法により形成したゲート酸化膜であ
り、その厚さは約5から25nmであり、402はその
上に堆積したポリシリコンゲート電極層であり、401
および402は紫外線リソグラフィーまたは電子線(E
B)リソグラフィーにより加工した。403および40
4はこのゲート電極とその上のレジスト膜をマスクとし
て、pウェルに砒素イオンを打ち込んで形成したn+拡
散層であり、それぞれnMOSトランジスタのソースお
よびドレイン部となる。405がnMOSトランジスタ
のチャネル部である。406および407はゲート電極
とその上のレジスト膜をマスクとして、nウェルにボロ
ンイオンを打ち込んで形成したp+拡散層であり、それ
ぞれpMOSトランジスタのソースおよびドレイン部と
なる。408がpMOSトランジスタのチャネル部であ
る。また43はゲート電極とその上のレジスト膜をマス
クとして、拡散層形成後に引き続いて、酸素イオンを約
200keVで約1.5×1018から2.5×1018/
cm2の量、打ち込み、その後約1200℃から約14
00℃の熱処理を加えて形成した埋め込み酸化膜であ
る。この酸化膜は自己整合的に、n+拡散層403、4
04およびp+拡散層406、407の下方に限定され
て形成され、Si表面より深さ約0.5μmの位置を中
心として深さ方向に約0.5μmの厚さを持つ。以下通
常のMOS超LSIプロセスに従って、本実施例のCM
OSデバイスを作成した。 本実施例によれば、n、p
両MOSトランジスタのソース、ドレイン拡散層下方の
埋め込み酸化膜厚が0.5μmであるのに対し、チャネ
ル部下方の埋め込み酸化膜は厚さ0.25μmと従来
(約0.5μm)よりもずっと薄く形成されている。こ
のため第一の実施例と同様に、n、p両MOSトランジ
スタのサブスレッショルド係数が従来よりも減少し、動
作電流が向上した。この結果、低電圧かつ高速のCMO
S回路動作が実現した。またX線などの放射線がデバイ
スに照射しても、チャネル部下方の酸化膜での正電荷の
生成が従来よりも大幅に軽減でき、ずっと高信頼度のC
MOSデバイスが実現できた。また拡散層下方の埋め込
み酸化膜は、従来どおりに厚く形成されているので、拡
散層容量は小さく保たれている。
る。第二の実施例は、本発明による超薄膜SOI構造の
CMOSデバイスを、SIMOX法により試作した例で
ある。図4において41はn型(100)Si基板、4
2はSi基板41に酸素イオンを約70keVから90
keVで、約1×1018から1.5×1018/cm2の
量、打ち込み、その後約1200℃から約1400℃の
熱処理を加えて形成した埋め込み酸化膜である。この酸
化膜はSi表面より深さ約0.19μmの位置を中心
に、深さ方向に約0.25μmの厚さを持つ。44は埋
め込み酸化膜42上のSi結晶層すなわちSOI層であ
り、厚さ約65nmである。該SOI層形成後、このS
OI層に燐イオンを打ち込んで、nウェルを形成する。
次いでnウェル上に作成する熱酸化膜をマスクとしてS
OI層にボロンイオンを打ち込み、nウェル対して自己
整合的にpウェルを形成してダブルウェル構造とする。
次いで、LOCOS(local oxidation of silicon)法
によりフィールド酸化膜45を形成する。401は該S
OI層上に熱酸化法により形成したゲート酸化膜であ
り、その厚さは約5から25nmであり、402はその
上に堆積したポリシリコンゲート電極層であり、401
および402は紫外線リソグラフィーまたは電子線(E
B)リソグラフィーにより加工した。403および40
4はこのゲート電極とその上のレジスト膜をマスクとし
て、pウェルに砒素イオンを打ち込んで形成したn+拡
散層であり、それぞれnMOSトランジスタのソースお
よびドレイン部となる。405がnMOSトランジスタ
のチャネル部である。406および407はゲート電極
とその上のレジスト膜をマスクとして、nウェルにボロ
ンイオンを打ち込んで形成したp+拡散層であり、それ
ぞれpMOSトランジスタのソースおよびドレイン部と
なる。408がpMOSトランジスタのチャネル部であ
る。また43はゲート電極とその上のレジスト膜をマス
クとして、拡散層形成後に引き続いて、酸素イオンを約
200keVで約1.5×1018から2.5×1018/
cm2の量、打ち込み、その後約1200℃から約14
00℃の熱処理を加えて形成した埋め込み酸化膜であ
る。この酸化膜は自己整合的に、n+拡散層403、4
04およびp+拡散層406、407の下方に限定され
て形成され、Si表面より深さ約0.5μmの位置を中
心として深さ方向に約0.5μmの厚さを持つ。以下通
常のMOS超LSIプロセスに従って、本実施例のCM
OSデバイスを作成した。 本実施例によれば、n、p
両MOSトランジスタのソース、ドレイン拡散層下方の
埋め込み酸化膜厚が0.5μmであるのに対し、チャネ
ル部下方の埋め込み酸化膜は厚さ0.25μmと従来
(約0.5μm)よりもずっと薄く形成されている。こ
のため第一の実施例と同様に、n、p両MOSトランジ
スタのサブスレッショルド係数が従来よりも減少し、動
作電流が向上した。この結果、低電圧かつ高速のCMO
S回路動作が実現した。またX線などの放射線がデバイ
スに照射しても、チャネル部下方の酸化膜での正電荷の
生成が従来よりも大幅に軽減でき、ずっと高信頼度のC
MOSデバイスが実現できた。また拡散層下方の埋め込
み酸化膜は、従来どおりに厚く形成されているので、拡
散層容量は小さく保たれている。
【0011】本発明の第三の実施例を図6により説明す
る。本実施例は第一の実施例と同じく超薄膜SOI構造
のnMOSトランジスタの試作例であり、第一の実施例
と異なる点は、拡散層下方の酸化膜形成を、側壁酸化膜
を有するゲート電極をマスクとした酸素イオン打ち込み
により行なうことである。図6において、51はp型S
i(100)基板、52は第一の実施例と同様に基板5
1に酸素イオンを約70keVから90keVで、約1
×1018から1.5×1018/cm2の量、打ち込み、
高温の熱処理を加えて形成した埋め込み酸化膜である。
この酸化膜は表面より深さ約0.19μmの位置を中心
に、深さ方向に約0.25μmの厚さを持つ。54はS
OI層であり、厚さ約65nmである。55はフィール
ド酸化膜である。501はゲート酸化膜であり、502
はその上に堆積したポリシリコンゲート電極層であり、
507はこのゲート電極をマスクとして燐イオン打ち込
みにより形成した低不純物濃度の浅い拡散層である。5
06はこの浅い拡散層507形成後に、ゲート電極の側
壁部にHLD(High Temperature Low Pressure Deposi
tion)法にて堆積したスペーサ酸化膜である。503お
よび504はこの側壁酸化膜を有するゲート電極とその
上のレジスト膜をマスクとして、SOI層54上に砒素
イオン打ち込みにより形成したn+拡散層であり、それ
ぞれnMOSトランジスタのソースおよびドレイン部と
なる。505がトランジスタのチャネル部である。また
53はゲート電極とその上のレジスト膜をマスクとし
て、拡散層503および504を形成後、引き続き酸素
イオンを約200keVで約1.5×1018から2.5
×1018/cm2の量、打ち込み、高温の熱処理を加え
て形成した埋め込み酸化膜である。この酸化膜は自己整
合的に、拡散層下方に限定され、表面より深さ約0.5
μmの位置を中心として深さ方向に約0.5μmの厚さ
を持つ。レジスト膜厚は約1μmから2μmとした。本
実施例によれば、前述した第一の実施例の効果に加えて
次のような新たな効果が得られた。すなわち本実施例で
は、拡散層下方の厚い酸化膜形成を、側壁酸化膜を有す
るゲート電極をマスクとした酸素イオン打ち込みにより
行なうので、ゲート酸化膜への横方向のイオン打ち込み
が防止でき、酸素イオンの注入によるゲート酸化膜の劣
化が防止できた。なお本実施例の埋め込み酸化膜の製法
が、第二の実施例にも適用でき、上記と同様の効果が得
られることは勿論である。
る。本実施例は第一の実施例と同じく超薄膜SOI構造
のnMOSトランジスタの試作例であり、第一の実施例
と異なる点は、拡散層下方の酸化膜形成を、側壁酸化膜
を有するゲート電極をマスクとした酸素イオン打ち込み
により行なうことである。図6において、51はp型S
i(100)基板、52は第一の実施例と同様に基板5
1に酸素イオンを約70keVから90keVで、約1
×1018から1.5×1018/cm2の量、打ち込み、
高温の熱処理を加えて形成した埋め込み酸化膜である。
この酸化膜は表面より深さ約0.19μmの位置を中心
に、深さ方向に約0.25μmの厚さを持つ。54はS
OI層であり、厚さ約65nmである。55はフィール
ド酸化膜である。501はゲート酸化膜であり、502
はその上に堆積したポリシリコンゲート電極層であり、
507はこのゲート電極をマスクとして燐イオン打ち込
みにより形成した低不純物濃度の浅い拡散層である。5
06はこの浅い拡散層507形成後に、ゲート電極の側
壁部にHLD(High Temperature Low Pressure Deposi
tion)法にて堆積したスペーサ酸化膜である。503お
よび504はこの側壁酸化膜を有するゲート電極とその
上のレジスト膜をマスクとして、SOI層54上に砒素
イオン打ち込みにより形成したn+拡散層であり、それ
ぞれnMOSトランジスタのソースおよびドレイン部と
なる。505がトランジスタのチャネル部である。また
53はゲート電極とその上のレジスト膜をマスクとし
て、拡散層503および504を形成後、引き続き酸素
イオンを約200keVで約1.5×1018から2.5
×1018/cm2の量、打ち込み、高温の熱処理を加え
て形成した埋め込み酸化膜である。この酸化膜は自己整
合的に、拡散層下方に限定され、表面より深さ約0.5
μmの位置を中心として深さ方向に約0.5μmの厚さ
を持つ。レジスト膜厚は約1μmから2μmとした。本
実施例によれば、前述した第一の実施例の効果に加えて
次のような新たな効果が得られた。すなわち本実施例で
は、拡散層下方の厚い酸化膜形成を、側壁酸化膜を有す
るゲート電極をマスクとした酸素イオン打ち込みにより
行なうので、ゲート酸化膜への横方向のイオン打ち込み
が防止でき、酸素イオンの注入によるゲート酸化膜の劣
化が防止できた。なお本実施例の埋め込み酸化膜の製法
が、第二の実施例にも適用でき、上記と同様の効果が得
られることは勿論である。
【0012】
【発明の効果】本発明はSOI構造のMOSトランジス
タおよびCMOSデバイスに関するものであり、MOS
トランジスタのチャネル部下方の埋め込み酸化膜厚を従
来よりも薄くし、拡散層下方の埋め込み酸化膜厚よりも
薄くしたものである。これによりMOSトランジスタの
サブスレッショルド特性と動作電流が、従来よりも向上
し、低電圧でより高速のMOSトランジスタおよびCM
OS動作が可能となった。またX線などの放射線が照射
しても、チャネル部下方の埋め込み酸化膜における電荷
生成が軽減し、これによるしきい値電圧の変動がより小
さく抑えられた。この結果、宇宙空間などの放射線環境
下におけるより高信頼度のデバイス動作が実現した。ま
たチャネル部下方の薄い埋め込み酸化膜の形成を、フィ
ールド酸化膜形成前の酸素イオン打ち込みにより行な
い、拡散層下方の厚い埋め込み酸化膜形成を、ゲート電
極部をマスクとした酸素イオン打ち込みにより自己整合
的に行なうので、両者の正確な厚さと位置の設定が可能
となった。
タおよびCMOSデバイスに関するものであり、MOS
トランジスタのチャネル部下方の埋め込み酸化膜厚を従
来よりも薄くし、拡散層下方の埋め込み酸化膜厚よりも
薄くしたものである。これによりMOSトランジスタの
サブスレッショルド特性と動作電流が、従来よりも向上
し、低電圧でより高速のMOSトランジスタおよびCM
OS動作が可能となった。またX線などの放射線が照射
しても、チャネル部下方の埋め込み酸化膜における電荷
生成が軽減し、これによるしきい値電圧の変動がより小
さく抑えられた。この結果、宇宙空間などの放射線環境
下におけるより高信頼度のデバイス動作が実現した。ま
たチャネル部下方の薄い埋め込み酸化膜の形成を、フィ
ールド酸化膜形成前の酸素イオン打ち込みにより行な
い、拡散層下方の厚い埋め込み酸化膜形成を、ゲート電
極部をマスクとした酸素イオン打ち込みにより自己整合
的に行なうので、両者の正確な厚さと位置の設定が可能
となった。
【図1】本発明の第一の実施例によるnMOSトランジ
スタを示す図である。
スタを示す図である。
【図2】従来の超薄膜SOI構造のCMOSデバイスを
示す図である。
示す図である。
【図3】本発明の第一の実施例によるnMOSトランジ
スタの動作性能を示す図である。
スタの動作性能を示す図である。
【図4】本発明の第一の実施例のX線照射条件下におけ
る信頼性を示す図である。
る信頼性を示す図である。
【図5】本発明の第二の実施例による超薄膜SOI構造
のCMOSデバイスを示す図である。
のCMOSデバイスを示す図である。
【図6】本発明の第三の実施例によるnMOSトランジ
スタを示す図である。
スタを示す図である。
11…Si基板、12…チャネル部下方の埋め込み酸化
膜、13…拡散層下方の埋め込み酸化膜、14…SOI
層、15…フィールド酸化膜、101…ゲート酸化膜、
102…ポリシリコンゲート電極、103…ソース拡散
層、104…ドレイン拡散層、105…チャネル部。
膜、13…拡散層下方の埋め込み酸化膜、14…SOI
層、15…フィールド酸化膜、101…ゲート酸化膜、
102…ポリシリコンゲート電極、103…ソース拡散
層、104…ドレイン拡散層、105…チャネル部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/265 J
Claims (5)
- 【請求項1】半導体基板上に絶縁膜を介して形成した単
結晶半導体薄膜にMOSトランジスタを有してなるMO
S型半導体装置であって、 上記トランジスタのチャネル領域の下側の埋め込み絶縁
膜の厚さが、上記トランジスタのソースおよびドレイン
領域の下側の埋め込み絶縁膜の厚さよりも薄く形成され
ていることを特徴とするMOS型半導体装置。 - 【請求項2】半導体基板上に絶縁膜を介して形成した単
結晶半導体薄膜の第一導電型領域に第二導電型のMOS
トランジスタを有し、前記半導体薄膜の第二導電型領域
に第一導電型のMOSトランジスタを有したMOS型半
導体装置であって、 上記第一導電型および第二導電型のMOSトランジスタ
のチャネル領域下側の埋め込み絶縁膜の厚さが、上記第
一導電型および第二導電型のトランジスタのソースおよ
びドレイン領域下側の埋め込み絶縁膜の厚さよりも薄く
形成されていることを特徴とするMOS型半導体装置。 - 【請求項3】上記MOSトランジスタのチャネル領域下
側の埋め込み絶縁膜形成方法において、フィールド酸化
膜形成前に、半導体基板に酸素イオンを打ち込む工程を
含み、 上記MOSトランジスタのソースおよびドレイン領域下
側の埋め込み絶縁膜形成方法において、ゲート電極形成
後にゲート電極をマスクとして半導体基板に酸素イオン
を打ち込む工程を含み、 前記のフィールド酸化膜形成前の酸素イオン打ち込みエ
ネルギーが、前記のゲート電極形成後の酸素イオン打ち
込みエネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項1
または請求項2に記載のMOS型半導体装置の埋め込み
絶縁膜製造方法。 - 【請求項4】上記ゲート電極形成後の酸素イオン打ち込
みにおいて、ゲート電極とその上に堆積した厚いレジス
ト膜をマスクとして酸素イオンを打ち込むことを特徴と
する請求項3に記載の製造方法。 - 【請求項5】上記ゲート電極形成後の酸素イオン打ち込
みにおいて、側壁部にスペーサ酸化膜を有するゲート電
極と、その上に堆積した厚いレジスト膜をマスクとして
酸素イオンを打ち込むことを特徴とする請求項4に記載
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22169393A JPH0778994A (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | Mos型半導体装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22169393A JPH0778994A (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | Mos型半導体装置及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0778994A true JPH0778994A (ja) | 1995-03-20 |
Family
ID=16770803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22169393A Pending JPH0778994A (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | Mos型半導体装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0778994A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005522034A (ja) * | 2002-03-28 | 2005-07-21 | アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド | 複数の厚みを持つ埋め込み酸化膜上に形成される半導体装置およびその製造方法 |
JP2005528797A (ja) * | 2002-06-04 | 2005-09-22 | アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド | バルクシリコン基板中に、強化された(enhanced)セルフアラインの絶縁領域を有するSOI半導体デバイスを製造する方法 |
KR100546286B1 (ko) * | 1999-03-26 | 2006-01-26 | 삼성전자주식회사 | 에스오아이 트랜지스터의 제조방법 |
JP2007524981A (ja) * | 2003-12-16 | 2007-08-30 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション | シリコン・オン・インシュレータ・ウェハの輪郭形成された絶縁体層および製造プロセス |
US7323370B2 (en) | 2001-06-06 | 2008-01-29 | International Business Machines Corporation | SOI device with reduced junction capacitance |
US7553713B2 (en) | 2004-10-29 | 2009-06-30 | Seiko Epson Corporation | Method of manufacturing semiconductor substrates and semiconductor devices |
KR101140205B1 (ko) * | 2010-10-01 | 2012-05-02 | 한국과학기술원 | 반도체 소자 및 그 제조방법 |
KR101670650B1 (ko) * | 2015-12-24 | 2016-11-01 | 한국 천문 연구원 | 방사선 측정센서용 트랜지스터의 제조방법 |
-
1993
- 1993-09-07 JP JP22169393A patent/JPH0778994A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100546286B1 (ko) * | 1999-03-26 | 2006-01-26 | 삼성전자주식회사 | 에스오아이 트랜지스터의 제조방법 |
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JP2005522034A (ja) * | 2002-03-28 | 2005-07-21 | アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド | 複数の厚みを持つ埋め込み酸化膜上に形成される半導体装置およびその製造方法 |
JP2005528797A (ja) * | 2002-06-04 | 2005-09-22 | アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド | バルクシリコン基板中に、強化された(enhanced)セルフアラインの絶縁領域を有するSOI半導体デバイスを製造する方法 |
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US7935613B2 (en) | 2003-12-16 | 2011-05-03 | International Business Machines Corporation | Three-dimensional silicon on oxide device isolation |
JP4701085B2 (ja) * | 2003-12-16 | 2011-06-15 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション | シリコン・オン・インシュレータ・ウェハを製造するための方法 |
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KR101670650B1 (ko) * | 2015-12-24 | 2016-11-01 | 한국 천문 연구원 | 방사선 측정센서용 트랜지스터의 제조방법 |
WO2017111537A1 (en) * | 2015-12-24 | 2017-06-29 | Korea Astronomy And Space Science Institute | The manufacturing method of transistor for radiation measuring sensor |
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